JP7086303B1 - 積層造形物および積層造形物の製造方法 - Google Patents

積層造形物および積層造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

第1金属材料からなる第1金属層(230)と、第2金属材料からなる第2点状ビード(241)によって構成される第2金属層(240)と、が積層された積層造形物であって、第1金属層(230)と第2金属層(240)との間に、中間層(250)を備える。中間層(250)は、第1金属材料によって構成される構造物である第1構造部(251)と、第2金属材料によって構成される構造物である第2構造部(252)と、を有し、第1構造部(251)と第2構造部(252)とが嵌合した単位構造部(253)が、第1金属層(230)および第2金属層(240)の積層方向に垂直な面内に並進対称で配置される。中間層(250)は、第1構造部(251)と第2構造部(252)との接合界面に金属間化合物を含む金属間化合物層を有する。

Description

本開示は、異なる種類の金属材料を積層造形によって製造した積層造形物および積層造形物の製造方法並びに積層造形装置に関する。
従来、3次元の造形物を製造する技術である付加製造(Additive Manufacturing:AM)と呼ばれる技術を用いて、異なる種類の金属を積層させて3次元の造形物である積層造形物を形成する積層造形方法が知られている。積層造形方法では、一般的に、第1金属で構成される第1金属層上に、レーザ、電子ビームなどのエネルギビームを用いて溶融池を形成する。そこへ、第1金属とは異なる第2金属を線状に供給して、溶融した後に固化することで第2金属層を形成する。これによって積層造形物が得られる。しかし、第1金属および第2金属の組合せによっては、脆弱な金属間化合物が第1金属層と第2金属層との接合界面に発生し、接合界面における接合強度が低下することがある。
そこで、特許文献1では、状態図を参考にして第1金属と第2金属とが金属間化合物を形成せず、固溶体を形成する組合せを予め選定して、積層造形物を形成する積層造形方法が開示されている。また、特許文献1に記載の積層造形方法では、第1金属からなる第1金属層と第2金属からなる第2金属層との界面に、第1金属層と第2金属層とを機械的に結合する結合部を、同一直線上ではない3箇所以上の位置に形成している。結合部は、積層方向を含む断面がT字状を有する第1金属からなる第1構成部と、第1構成部を覆う第2金属からなる第2構成部と、によって形成される。
特開2020-41201号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、第1金属と第2金属との界面で固溶体が形成するような組合せを予め選定しているため、2元系の組合せのみについてしか選定することができない。また、固溶体を形成する組合せは、実態としては純金属同士に限られてしまう。このように、汎用される実用金属同士の組合せにおいて、純金属同士を対象とすることは少なく、実用上は2元系以上の合金を用いることが常であるために、特許文献1に記載の技術は汎用性に乏しいという問題があった。また、特許文献1に記載の技術では、第1金属層と第2金属層との界面の第1金属層上の同一直線上ではない3箇所以上の位置に結合部が設けられるため、第1金属層と第2金属層とが離間する方向に力が作用した場合に、結合部に応力が集中してしまう。このため、第1金属層と第2金属層との界面の全体にわたって一様な接合強度を確保することができないという問題もあった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、第1金属層を構成する第1金属と第2金属層を構成する第2金属との組み合わせが従来に比して限定されずに、第1金属層と第2金属層との界面において一様な接合強度を確保することができる積層造形物を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、第1金属材料からなる第1点状ビードによって構成される第1金属層と、第2金属材料からなる第2点状ビードによって構成される第2金属層と、が積層された積層造形物であって、第1金属層と第2金属層との間に、中間層を備える。中間層では、第1構造部と第2構造部とを有する単位構造部が、第1金属層および第2金属層の積層方向に垂直な面内に並進対称で配置される。第1構造部は、第1点状ビードによって構成され、第2金属層側に突出するとともに、第2金属層側の先端が積層方向に垂直な方向に突出する構造物である。第2構造部は、第2点状ビードによって構成され、第1金属層側に突出するとともに、第1金属層側の先端が積層方向に垂直な方向に突出する構造物である。単位構造部は、第1構造部の先端と第2構造部の先端とが互いに噛み合うように嵌合する。中間層は、第1構造部と第2構造部との接合界面に金属間化合物を含む金属間化合物層を有する。第1構造部の積層方向に垂直な方向に突出した第1点状ビードと、第2構造部の積層方向に垂直な方向に突出した第2点状ビードと、は、積層方向に垂直な面内における位置が同じになるように積層方向に重ねて配置される。
本開示にかかる積層造形物は、第1金属層を構成する第1金属と第2金属層を構成する第2金属との組み合わせが従来に比して限定されずに、第1金属層と第2金属層との界面において一様な接合強度を確保することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる積層造形装置の構成の一例を模式的に示す図 実施の形態1にかかる積層造形装置の制御部のハードウェア構成の第1の例を示すブロック図 実施の形態1にかかる積層造形装置の制御部のハードウェア構成の第2の例を示すブロック図 線状ビードで形成される造形物の一例を模式的に示す拡大図 点状ビードで形成される造形物の一例を模式的に示す拡大図 実施の形態1に係る積層造形物の構成の一例を示す断面図 実施の形態1に係る積層造形物の構成の一例を示す一部斜視図 実施の形態1に係る積層造形物の構成の一例を示す一部断面図 実施の形態1に係る積層造形物の中間層の構成の一例を示す図 実施の形態1に係る積層造形物の中間層の構成の他の例を示す図 実施の形態1に係る積層造形物における第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面の一例を模式的に示す図 実施の形態1に係る積層造形物における第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面における成分の状態の一例を示す図 Al-Feの状態図 実施の形態1に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図 実施の形態1に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図 実施の形態1に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図 実施の形態1に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図 実施の形態1に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図 従来技術による積層造形物における第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面の一例を模式的に示す図 従来技術による第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面における成分の状態の一例を示す図 実施の形態2に係る積層造形物の構成の一例を示す一部断面図 実施の形態3に係る積層造形物における点状ビードの配置方法の一例を示す図 実施の形態4に係る積層造形物の構成の一例を示す断面図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図 実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図
以下に、本開示の実施の形態にかかる積層造形物および積層造形物の製造方法並びに積層造形装置を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる積層造形装置の構成の一例を模式的に示す図である。積層造形装置1は、ビームの照射によって溶融させた材料を加工対象物100の付加対象面110へ付加する付加加工を繰り返すことによって、3次元の造形物である積層造形物220を製造する、ダイレクトエネルギデポジション(Directed Energy Deposition:DED)方式の積層造形装置である。ステージ11上に載置されるベース材12の積層造形物220が形成される平面内で互いに直交する2つの軸をX軸およびY軸とし、X軸およびY軸の両方に垂直な軸をZ軸とする。
積層造形装置1は、加工対象物100を載置するステージ11と、図示しないステージ駆動部と、を備える。加工対象物100は、ベース材12と、ベース材12上に造形される積層造形物220と、を含む。ベース材12は、ステージ11に載置される。加工対象物100のビードが付加される面は付加対象面110と称される。図1に示すベース材12は、板状である。ベース材12は、板状以外の形状であってもよい。
積層造形装置1は、加工点111にレーザビームLを照射して加工材料であるワイヤWを溶融させる加工ヘッド21と、加工ヘッド21を移動させるヘッド駆動部22と、を有する。加工ヘッド21は、加工点111にレーザビームLを照射するビームノズル23と、加工点111にワイヤWを供給する2以上のワイヤノズル31と、加工点111にシールドガスGを噴射するガスノズル41と、を有する。加工点111は、付加対象面110上のレーザビームLの照射位置であり、加工材料が付加される領域である。加工点111は、付加加工処理中において、加工経路に沿って移動される。
ビームノズル23は、加工材料を溶融させる熱源であるレーザビームLを、加工対象物100の加工点111へ向けて出射する。加工材料を溶融させるためのエネルギ源は、レーザビームL以外に電子ビーム、アーク放電などであってもよい。ワイヤノズル31は、加工対象物100におけるレーザビームLの照射位置へ向けてワイヤWを進行させる。すなわち、ワイヤノズル31は、加工対象物100の付加対象面110の加工点111に向けてワイヤWを供給する。
なお、積層造形装置1は、ワイヤノズル31からワイヤWを加工点111に供給する代わりに、ノズルから加工材料である粉末金属を噴出させて造形する方式を採用することもできる。加工材料として粉末金属を用いる場合、シールドガスGの負圧を使う方式、粉末金属を搬送する粉末搬送チューブから造形タイミングに加圧噴射する方式などが使用可能である。この場合、粉末金属を噴出するノズルは、噴出される粉末金属の柱状の中心軸が、加工点111に供給されるワイヤWの中心軸に対応するように配置される。ワイヤWおよび柱状に噴出される粉末金属は、ノズルから加工点111に供給される柱状の加工材料を構成する。
ガスノズル41は、積層造形物220の酸化抑制およびビードの冷却のためのシールドガスGを付加対象面110の加工点111へ向けて噴出する。ビームノズル23、ワイヤノズル31およびガスノズル41は、加工ヘッド21に固定されることにより、互いの位置関係が一意に定められている。すなわち、加工ヘッド21では、ビームノズル23、ワイヤノズル31およびガスノズル41の相対位置関係が固定されている。
ヘッド駆動部22は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の各方向へ加工ヘッド21を移動させる。ヘッド駆動部22は、X軸方向への加工ヘッド21の移動のための動作機構を構成するサーボモータと、Y軸方向への加工ヘッド21の移動のための動作機構を構成するサーボモータと、Z軸方向への加工ヘッド21の移動のための動作機構を構成するサーボモータとを有する。ヘッド駆動部22は、3軸のそれぞれの方向の並進運動を可能とする動作機構である。図1では、各サーボモータの図示を省略している。積層造形装置1は、ヘッド駆動部22により加工ヘッド21を移動させることで、付加対象面110におけるレーザビームLの照射位置を移動させることができる。
図1に示す加工ヘッド21は、ビームノズル23からZ軸方向へレーザビームLを進行させる。ワイヤノズル31は、XY面内においてビームノズル23とは離れた位置に設けられており、Z軸に対して斜めの方向へワイヤWを進行させる。すなわち、ワイヤノズル31は、ビームノズル23から出射されるレーザビームLと非同軸にワイヤWを進行させる。ワイヤノズル31は、ワイヤWが所望の位置に供給されるようにワイヤWの進行を制限するために用いられる。
加工ヘッド21において、ガスノズル41は、XY面内においてビームノズル23の外周側にビームノズル23と同軸に設けられており、ビームノズル23から出射されるレーザビームLの中心軸に沿うようにシールドガスGを噴出する。すなわち、ビームノズル23とガスノズル41とは、互いに同軸上に配置されている。
なお、図示していないが、ワイヤノズル31は、ビームノズル23と同軸であってもよい。この場合、中心にワイヤノズル31が配置され、ワイヤWを中心としてリング状に、あるいはワイヤWの中心を複数の点が囲むように、それぞれガスノズル41のガス出射口およびビームノズル23のレーザ射出口が配置された構成が考えられる。このとき、ビームノズル23から出射されるリング状または複数の点のレーザビームLは、加工点111付近でワイヤWが焦点となるように構成される。
積層造形装置1は、加工ヘッド21のビームノズル23から照射されるレーザビームLを発振するレーザ発振器24と、加工ヘッド21のガスノズル41にシールドガスGを供給するガス供給部42と、をさらに有する。レーザ発振器24と加工ヘッド21との間は、ファイバケーブル25で接続されている。レーザ発振器24が発生させたレーザビームLは、ファイバケーブル25を介してビームノズル23へと伝搬される。ガス供給部42と加工ヘッド21との間は、配管43で接続されている。シールドガスGは、ガス供給部42から配管43を通ってガスノズル41へ供給される。
レーザ発振器24とファイバケーブル25とビームノズル23とは、ワイヤWを溶融させるレーザビームLをワイヤWの中心軸と非同軸に付加対象面110へ照射する照射部を構成している。ガス供給部42と配管43とガスノズル41とは、加工点111へシールドガスGを噴出するガス供給機構を構成している。
積層造形装置1は、ワイヤスプール33と、回転モータ34と、をさらに有する。ワイヤスプール33は、加工材料の供給源であり、ワイヤWが巻きつけられている。回転モータ34は、ワイヤスプール33を回転させる。回転モータ34の一例は、サーボモータである。回転モータ34の駆動に伴ってワイヤスプール33が回転することによって、ワイヤWはワイヤスプール33から繰り出される。ワイヤスプール33から繰り出されたワイヤWは、ワイヤノズル31を通されて、加工点111に供給される。回転モータ34とワイヤスプール33とワイヤノズル31とは、ワイヤ供給部32を構成している。
実施の形態1では、複数種類の金属を積層させるので、積層造形装置1は、複数のワイヤ供給部32を有する。ただし、図1には、1つのワイヤ供給部32しか図示していない。以下では、2種類のワイヤWを用いた造形方法を例に挙げる。つまり、積層造形装置1が2つのワイヤ供給部32を備える場合を例に挙げる。この場合、一方のワイヤ供給部32は、第1金属材料からなる第1ワイヤを供給する第1ワイヤノズルを有し、他方のワイヤ供給部32は、第2金属材料からなる第2ワイヤを供給する第2ワイヤノズルを有する。第1金属材料および第2金属材料は、単一の金属元素からなる金属でもよいし、複数の金属の化合物からなる合金でもよい。また、第1金属材料および第2金属材料は、金属間化合物を形成する材料の組み合わせが選択される。なお、実施の形態1では、説明の簡略化のため、第1金属材料および第2金属材料の強度は同じであるとする。
積層造形装置1は、ステージ11を回転させる回転機構13を備える。回転機構13は、X軸を中心とするステージ11の回転と、Z軸を中心とするステージ11の回転と、を可能とする動作機構である。なお、X軸ではなく、Y軸を中心に回転させるようにしてもよい。回転機構13は、X軸またはY軸を中心にステージ11を回転させるための動作機構を構成するサーボモータと、Z軸を中心にステージ11を回転させるための動作機構を構成するサーボモータと、を有する。回転機構13は、2軸のそれぞれを中心とする回転運動を可能とする動作機構である。図1では、各サーボモータの図示を省略している。積層造形装置1は、回転機構13によりステージ11を回転させることで、加工対象物100の姿勢または位置を変更することができる。回転機構13を用いることで、テーパ形状を有する複雑な形状も造形することができる。積層造形装置1は、ステージ11の回転機構13と上記したヘッド駆動部22とを合わせて、5軸の駆動が可能な構成となっている。
積層造形装置1は、加工プログラムに従って積層造形装置1を制御する制御部51を備える。加工プログラムは、ステージ11に置かれた加工対象物100に対して加工ヘッド21を移動させる移動経路を指定する。
制御部51は、レーザ発振器24とワイヤ供給部32とガス供給部42とを制御し、ワイヤWが溶融して形成される複数の点状のビードにより積層造形物220を造形するための制御を担う。制御部51は、例えば数値制御装置である。制御部51は、ヘッド駆動部22へ移動指令を出力することによって、ヘッド駆動部22の駆動を制御して、加工ヘッド21を移動させる。制御部51は、ビーム出力の条件に応じた指令をレーザ発振器24へ出力することによって、レーザ発振器24によるレーザ発振を制御する。
制御部51は、ワイヤWの供給量の条件に応じた指令を回転モータ34へ出力することによって、回転モータ34の駆動を制御する。制御部51は、回転モータ34の駆動を制御することによって、ワイヤスプール33から照射位置へ向かうワイヤWの速度を調整する。つまり、制御部51は、複数のワイヤ供給部32におけるワイヤWの供給量を制御する。
制御部51は、シールドガスGの供給量の条件に応じた指令をガス供給部42へ出力することによって、ガス供給部42からガスノズル41へのシールドガスGの供給量を制御する。制御部51は、回転機構13へ回転指令を出力することによって、回転機構13の駆動を制御する。すなわち、制御部51は、各種指令を出力することによって、積層造形装置1の全体を制御する。
制御部51は、ヘッド駆動部22と回転機構13とを連動させて、加工ヘッド21とステージ11とを動かすことで、加工点111を変化させることができ、所望の形状の積層造形物220を得ることができる。
図2は、実施の形態1にかかる積層造形装置の制御部のハードウェア構成の第1の例を示すブロック図である。制御部51は、積層造形装置1の制御を実行するためのプログラムである制御プログラムを用いて実現される。
制御部51は、各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)501と、データ格納領域を含むRAM(Random Access Memory)502と、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)503と、外部記憶装置504と、制御部51への情報の入力および制御部51からの情報の出力のための入出力インタフェース505とを有する。図2に示す各部は、バス506を介して相互に接続されている。
CPU501は、ROM503および外部記憶装置504に記憶されているプログラムを実行する。制御部51による、積層造形装置1の全体の制御は、CPU501を使用して実現される。
外部記憶装置504は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。外部記憶装置504は、制御プログラムと各種データとを記憶する。ROM503には、制御部51であるコンピュータまたはコントローラの基本となる制御のためのプログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)あるいはUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)といったブートローダであって、ハードウェアを制御するソフトウェアまたはプログラムが記憶されている。なお、制御プログラムは、ROM503に記憶されてもよい。
ROM503および外部記憶装置504に記憶されているプログラムは、RAM502にロードされる。CPU501は、RAM502に制御プログラムを展開して各種処理を実行する。入出力インタフェース505は、制御部51の外部の装置との接続インタフェースである。入出力インタフェース505には、加工プログラムが入力される。また、入出力インタフェース505は、各種指令を出力する。制御部51は、キーボードおよびポインティングデバイスといった入力デバイス、およびディスプレイといった出力デバイスを有してもよい。
制御プログラムは、コンピュータによる読み取りが可能とされた記憶媒体に記憶されたものであってもよい。制御部51は、記憶媒体に記憶された制御プログラムを外部記憶装置504へ格納してもよい。記憶媒体は、フレキシブルディスクである可搬型記憶媒体、あるいは半導体メモリであるフラッシュメモリであってもよい。制御プログラムは、他のコンピュータあるいはサーバ装置から通信ネットワークを介して、制御部51となるコンピュータあるいはコントローラへインストールされてもよい。
図3は、実施の形態1にかかる積層造形装置の制御部のハードウェア構成の第2の例を示すブロック図である。制御部51の機能は、図3に示す専用のハードウェアである処理回路507により実現することもできる。処理回路507は、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらの組み合わせである。制御部51の機能は、一部を専用のハードウェアで実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
積層造形装置1は、加工点111を加工路に沿って移動させながら溶融したワイヤWをベース材12の付加対象面110に付加したビードから構成される複数の層を積層することで、金属材料の積層造形物220をベース材12の付加対象面110に形成する。ビードは、溶融したワイヤWが凝固することによって形成される物体であり、積層造形物220を構成する。
ここで、図1の積層造形装置1で得られる積層造形物220について説明する。積層造形装置1では、ビードを積層することによって積層造形物220を造形するが、線状のビードを用いる場合と、点状のビードを用いる場合と、がある。以下では、線状のビードは、線状ビードと称され、点状のビードは、点状ビードと称される。
図4は、線状ビードで形成される造形物の一例を模式的に示す拡大図である。加工ヘッド21の軸移動中に動いている加工点111に対してレーザビームLの照射と、ワイヤWの送給と、が連続的に行われることで、単一の線状ビード201が形成される。そして、この処理を繰り返すことで、連続した線状ビード201で構成される積層造形物220を得ることができる。このように、線状ビード201は、ワイヤWが溶融した後に凝固した線状の金属である。
図5は、点状ビードで形成される造形物の一例を模式的に示す拡大図である。加工ヘッド21の軸移動を伴わずに加工点111は停止した状態でレーザビームLの照射とワイヤWの送給とが断続的に行われることで、単一の点状ビード211が形成され、その後、単一の点状ビード211の大きさ分の軸移動が行われる。そして、この処理を繰り返すことで、連続した点状ビード211で構成される積層造形物220を得ることができる。このように、点状ビード211は、ワイヤWが溶融した後に表面張力によって玉状に凝固した金属である。点状ビード211の形成では、線状ビード201に比して、ワイヤWの送り量が少なく、レーザビームLの入熱を絞っているので、単一ビードが小さくなる。また、点状ビード211の形成時に、加工ヘッド21を移動させないので、造形時に加工ヘッド21を移動させる線状ビード201に比して形状精度が高い積層造形物220の製造を可能としている。
数mm程度のワイヤWが使用される場合、レーザビームLのビーム径にも依るが、ビーム径が数mmである場合には、点状ビード211の径は数mm程度となる。
図6は、実施の形態1に係る積層造形物の構成の一例を示す断面図であり、図7は、実施の形態1に係る積層造形物の構成の一例を示す一部斜視図であり、図8は、実施の形態1に係る積層造形物の構成の一例を示す一部断面図である。なお、図7および図8は、図6の領域R1の部分を拡大した図である。また、図6から図8において、紙面の左右方向をX軸方向とし、上下方向をZ軸方向とし、X軸方向およびZ軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。Z軸方向は、点状ビード211の積層方向となる。
図6に示されるように、積層造形物220は、第1金属材料からなる第1金属層230と、第2金属材料からなる第2金属層240と、が積層された構成を有する。つまり、積層造形物220は、異種の金属が積層された造形物である。図7に示されるように、第1金属層230は、第1金属材料の点状ビードである第1点状ビード231が3次元的に積層されたものであり、第2金属層240は、第2金属材料の点状ビードである第2点状ビード241が3次元的に積層されたものである。
実施の形態1では、積層造形物220は、第1金属層230と、第2金属層240と、第1金属層230と第2金属層240との間に配置される中間層250と、を備える。中間層250は、第1金属材料によって構成される構造物である第1構造部251と、第2金属材料によって構成される構造物である第2構造部252と、を有し、第1構造部251と第2構造部252とが嵌合した単位構造部253が、第1金属層230および第2金属層240の積層方向に垂直な面内に並進対称で、すなわち周期構造を持って配置される。図8に示される例では、第1構造部251は、第1金属層230から第2金属層240側に突出する第1点状ビード231によって構成される鉤状の構造物である。第2構造部252は、第2金属層240から第1金属層230側に突出する第2点状ビード241によって構成される鉤状の構造物である。単位構造部253で、第1構造部251の鉤状の構造と、第2構造部252の鉤状の構造とが嵌合する。単位構造部253は、第1金属層230および第2金属層240の積層方向に垂直な面内に並進対称で配置されている。
図8に示される例では、第1構造部251では、Z軸方向に積層される2つの第1点状ビード231と、Z軸方向に積層される第1点状ビード231のうち第2金属層240側の第1点状ビード231に接続され、X軸方向に突出するように配置される第1点状ビード231と、によって鉤状構造が構成される。
また、第2構造部252では、Z軸方向に積層される2つの第2点状ビード241と、Z軸方向に積層される第2点状ビード241のうち第1金属層230側の第2点状ビード241に接続され、X軸方向に突出するように配置される第2点状ビード241と、によって鉤状構造が構成される。
第1構造部251の鉤状構造と、第2構造部252の鉤状構造と、が互いに噛み合うように嵌合させることで、単位構造部253が形成される。この例では、単位構造部253のY軸方向の厚さは、1つ分の点状ビードとなる。この単位構造部253が、X軸方向およびY軸方向に配置されたものが、中間層250となる。
なお、図7および図8に示される点状ビードは、上記したように数mm程度と小さく、最終製品形状でみたときには、第1構造部251と第2構造部252との嵌合部を明確に確認できる大きさにはない。このため、嵌合部の存在が、最終製品の形状および大きさに制約を与えることはない。
また、単位構造部253が、第1金属層230と第2金属層240との接合界面に並進対称で設けられるので、すなわち、嵌合部が接合界面に一様に存在するので、引張方向、すなわちZ軸方向の接合強度は、第1金属層230と第2金属層240との接合界面で一様となる。図7および図8の第1構造部251および第2構造部252の嵌合形態は、一例であり、他の嵌合形態であってもよい。さらに、単位構造部253は、第1金属層230と第2金属層240との接合界面で並進対称で配置されることから、単位構造部253は中間層250に2つ以上含まれることになる。
図9は、実施の形態1に係る積層造形物の中間層の構成の一例を示す図である。図9では、単位構造部253がY軸方向に配置される際に、Y軸方向の各位置における第1構造部251および第2構造部252のX軸方向の位置が同じである場合である。図9では、Y軸方向の連続する位置における点状ビードが配置される面の様子が間隔をあけて示されている。ここでは、Nを0以上の整数として、Y軸方向に連続するN面、N+1面およびN+2面が示されている。図9に示されるように、N面、N+1面およびN+2面における第1構造部251および第2構造部252のX軸方向の位置は一致している。すなわち、N面に示される構造が、Y軸方向に連続して形成されることになる。
この場合には、Y軸方向の各位置の面における第1構造部251と第2構造部252との組み合わせを単位構造部253と考えてもよいし、Y軸方向に沿って形成される第1構造部251の全体と、Y軸方向に沿って形成される第2構造部252の全体と、の組み合わせを単位構造部253と考えてもよい。後者の場合には、単位構造部253がX軸方向に並進対称で配置されることになる。
図10は、実施の形態1に係る積層造形物の中間層の構成の他の例を示す図である。図10では、第1構造部251および第2構造部252のX軸方向の位置が、Y軸方向に沿ってずらして配置される。図10では、Y軸方向に1面移動するごとに、X軸方向の位置が1つずらされる場合を示しているが、Y軸方向に予め定められた数の面移動するごとに、X軸方向の位置を任意の数ずらすようにしてもよい。この場合には、Y軸方向に予め定められた数だけ第1構造部251および第2構造部252を配列したものが、単位構造部253となる。
つぎに、中間層250における第1金属材料の第1点状ビード231と第2金属材料の第2点状ビード241との接合界面部分の詳細について説明する。図11は、実施の形態1に係る積層造形物における第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面の一例を模式的に示す図である。図11は、図8の領域R2を拡大した模式図である。上記したように、第1金属材料および第2金属材料として金属間化合物を形成する材料が選択されるため、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iには、金属間化合物を含む金属間化合物層255が形成される。なお、金属間化合物層255は、金属間化合物を含むが、固溶体等のその他の相は含まれてもよいし、含まれなくてもよい。
金属間化合物は元の金属とは異なる特異な性質を示すことが一般的に知られており、金属間化合物層255は、第1金属材料とも第2金属材料とも異なる性質をもつ第3の層となる。第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iに形成される金属間化合物層255は、バリア層の役割を有する。金属間化合物層255は、第1点状ビード231と第2点状ビード241とを接合する役割を有するものではない。第1金属材料の熱膨張率と第2金属材料の熱膨張率とが異なる場合、金属間化合物層255によって、熱膨張率の違いからくる熱ひずみを緩和することができる。すなわち、金属間化合物層255が緩衝材の役割を有する。
金属間化合物層255が第1点状ビード231と第2点状ビード241とを接合するものではないので、単純に第1点状ビード231上に第2点状ビード241を形成したとしても、第1金属層230と第2金属層240との間の接合は十分ではない。そこで、実施の形態1では、図7から図10で示したように、第1金属層230と第2金属層240との接合は、中間層250の単位構造部253を構成する鉤状の第1構造部251と鉤状の第2構造部252との嵌合によって行われる。このため、第1金属層230と第2金属層240との熱膨張率が異なっても、中間層250の第1点状ビード231および第2点状ビード241の物理的な配置の仕方によって、両者の接合を維持することが可能となる。
また、第1金属層230と第2金属層240とが接触している場合には、接合界面Iでの電位差によって電気が流れ、腐食が発生しやすくなる。一方、実施の形態1では、第1点状ビード231と第2点状ビード241との間に金属間化合物層255が存在する。金属間化合物は、電気を通さないものが多いため、第1金属層230と第2金属層240との間で電位差が発生しても、金属間化合物でその流れが遮られる。この結果、第1金属層230および第2金属層240との接合界面Iにおける腐食が発生し難くなる。
図12は、実施の形態1に係る積層造形物における第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面における成分の状態の一例を示す図である。ここでは、第1金属材料は、第1金属によって構成され、第2金属材料は、第2金属によって構成されるものとする。また、第1金属と第2金属とは、固溶体を形成せず、金属間化合物を形成する組合せであるものとする。図12で、横軸は第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iを含む積層造形物220内のZ軸方向の位置を示しており、縦軸は、第1金属および第2金属の成分量を示している。図12は、図11の領域R3におけるZ軸方向の第1金属および第2金属の成分量の変化を示している。
金属間化合物は、第1金属と第2金属とが予め定められた比率で組み合わされている。そのため、図12に示されるように、接合界面Iの近傍の金属間化合物層255においては、第1金属および第2金属の成分量はともに一定となる。このため、接合界面Iに金属間化合物層255が形成されているかどうかは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)等に付帯のエネルギ分散型X線分光装置(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDS)等による成分分析によって容易に判断することができる。
第1金属材料がFeであり、第2金属材料がAlである場合を例に挙げて説明する。図13は、Al-Feの状態図である。Alを主成分金属としたときにFeを添加金属とすることで、図13の領域R4において金属間化合物のみ、または金属間化合物と固溶体とを含む金属間化合物層255が得られる。実施の形態1では、金属間化合物層255における固溶体の形成の有無は問わず、金属間化合物が形成されている必要がある。領域R4では、面心立方構造のAlとAl12Fe4とが形成されることが示されている。
Feからなる第1点状ビード231上にAlからなる第2点状ビード241を形成する場合には、溶融しているAlに、第1点状ビード231を構成する部位からFeが混入する。この結果、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iの近傍では、状態図の領域R4における金属間化合物が得られることになる。
なお、ここでは、Al-Feを例に挙げて説明したが、金属間化合物を形成する他の第1金属材料および第2金属材料の組み合わせでも同様にして、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iに金属間化合物が形成されることになる。
つぎに、積層造形物220の製造方法について説明する。図14から図18は、実施の形態1に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。まず、図14に示されるように、第1金属材料からなる第1点状ビード231を所望の形状に配置することによって第1金属層230を形成する。図1に示される積層造形装置1で、ビームノズル23からレーザビームLを加工点111に照射して、溶融池を形成させる。この状態で、ワイヤノズル31から第1金属材料からなる第1ワイヤを加工点111に供給し、レーザビームLを加工点111に照射して、第1ワイヤを溶融加熱状態として、第1点状ビード231を形成する。ここでは、1つの第1点状ビード231を形成した後、加工ヘッド21をY軸方向に移動させて次の第1点状ビード231を形成するものとする。Y軸方向に延在する第1点状ビード231の列を形成した後、X軸方向に点状ビードの幅分、加工ヘッド21を移動させ、Y軸方向に延在する第1点状ビード231の列を形成する処理を繰り返す。
ついで、第1金属層230の上に、加工点111への第1ワイヤおよび第2ワイヤの供給を切り替えながら、鉤状の第1構造部251および鉤状の第2構造部252を形成することによって、中間層250を形成する。すなわち、制御部51は、第1金属層230と第2金属層240との間に、第1構造部251と第2構造部252と、を有し、第1構造部251と第2構造部252とが嵌合した単位構造部253が、第1金属層230および第2金属層240の積層方向に垂直な面内に並進対称で配置されるように、加工ヘッド21の軸移動を伴わずに加工点は停止した状態でレーザビームLの照射と第1ワイヤまたは第2ワイヤの送給とを断続的に行う。
具体的には、図15に示されるように、第2構造部252となる第2点状ビード241を、第1金属層230上の予め定められた位置に形成する。このとき、積層造形装置1で、ビームノズル23からレーザビームLを加工点111に照射して、溶融池を形成させる。この状態で、第2金属材料からなる第2ワイヤを加工点111に供給し、レーザビームLを加工点111に照射して、第2ワイヤを溶融加熱状態として、第2点状ビード241を形成する。ここでも、第2点状ビード241は、Y軸方向に沿って順に形成される。その後、図16に示されるように、ビームノズル23からレーザビームLを加工点111に照射して、溶融池を形成させた状態で、加工点111に第1ワイヤを供給し、レーザビームLを加工点111に照射して、第1点状ビード231を形成する。図15および図16の処理を繰り返し実行することで、図17に示されるように鉤状の第1構造部251と鉤状の第2構造部252とが嵌合した構造の単位構造が並進対称で配置された中間層250が得られる。
第1点状ビード231上に第2点状ビード241を形成するとき、および第2点状ビード241上に第1点状ビード231を形成するときには、第1点状ビード231および第2点状ビード241の接合界面Iには、金属間化合物層255が形成される。
その後、図18に示されるように、中間層250上に、第2点状ビード241を形成することによって、第2金属層240を形成する。ここでも、第2点状ビード241は、Y軸方向に沿って順に形成される。そして、図7および図8に示される積層造形物220が形成される。以上によって、第1金属材料および第2金属材料を含む積層造形物220の製造方法が終了する。
ここで、第1点状ビード231と第2点状ビード241との界面に固溶体を形成する従来技術との違いについて説明する。図19は、従来技術による積層造形物における第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面の一例を模式的に示す図である。図19は、図8の領域R2に対応する部分を拡大した模式図である。なお、図19では、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。図19に示されるように、第1金属と第2金属とは固溶体を形成する材料が選択されるため、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iには固溶体からなる固溶体層290が形成される。
図20は、従来技術による第1点状ビードと第2点状ビードとの接合界面における成分の状態の一例を示す図である。ここでは、第1金属材料は、第1金属によって構成され、第2金属材料は、第2金属によって構成されるものとする。また、第1金属と第2金属とは、固溶体を形成する組合せであるものとする。図20で、横軸は第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iを含む積層造形物220内のZ軸方向の位置を示しており、縦軸は、第1金属および第2金属の成分量を示している。図20は、図19の領域R5におけるZ軸方向の第1金属および第2金属の成分量の変化を示している。
固溶体は、連続的に元の金属の組成を変化させたものである。このため、図20に示されるように、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iに形成される固溶体層290では、第1金属の成分量は、第1点状ビード231との界面から第2点状ビード241との界面に向かって連続的に減少し、第2金属の成分量は、第1点状ビード231との界面から第2点状ビード241との界面に向かって連続的に増加することになる。このように、接合界面Iの固溶体層290における成分は第1金属および第2金属ともに緩やかに傾斜する。
固溶体は、連続的に元の金属の組成を変化させたものであり、通常、元の金属と類似の性質を示す。このため、固溶体によって形成される固溶体層290は、第1点状ビード231と第2点状ビード241とを接合するものである。そのため、第1金属材料の熱膨張率と第2金属材料の熱膨張率とが異なる場合、熱膨張率の違いからくる熱ひずみで固溶体層290で剥がれが生じてしまう。剥がれが生じた部分では、第1点状ビード231と第2点状ビード241とが接合されなくなるため、第1金属層230と第2金属層240との間で剥離が生じる原因となってしまう。
また、第1金属と第2金属との固溶体は、電気伝導性を有することが多い。このため、第1金属層230と第2金属層240とが固溶体層290を介して接触している場合には、接合界面Iでの電位差によって電気が流れ、腐食が発生しやすくなる。
実施の形態1の積層造形物220では、第1金属材料からなる第1金属層230と第2金属材料からなる第2金属層240との間に中間層250を有し、中間層250では、第1金属層230から第2金属層240側に突出する第1点状ビード231によって構成される鉤状の構造物である第1構造部251と、第2金属層240から第1金属層230側に突出する第2点状ビード241によって構成される鉤状の構造物である第2構造部252と、を有し、第1構造部251と第2構造部252とが嵌合する単位構造部253が、第1金属層230および第2金属層240の積層方向に垂直な面内に並進対称で配置されている。これによって、第1金属材料と第2金属材料との組み合わせが従来に比して限定されずに、第1金属層230と第2金属層240との接合界面Iにおいて一様な接合強度を確保することができるという効果を有する。また、単位構造部253における第1構造部251と第2構造部252との嵌合は、第1点状ビード231および第2点状ビード241の物理的な配置によって行われるものであり、ミリメートル単位の大きさである。このため、嵌合させる単位構造部253が、最終製品の形状および大きさに制約を与えることがなく、任意の形状および大きさの積層造形物220を形成することができる。
また、金属間化合物層255は、第1点状ビード231と第2点状ビード241とを接合するものではないので、第1金属材料と第2金属材料との熱膨張率が異なり、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接合界面Iに熱ひずみが生じた場合でも、金属間化合物層255が熱ひずみの緩衝材として機能する。また、金属間化合物層255が電気を通さない場合には、第1点状ビード231と第2点状ビード241との接触によって生じる電位差があっても、第1金属層230と第2金属層240との接合界面Iに電気が流れないので、腐食の進行を抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1の図8では、第1金属材料と第2金属材料との間の強度に差がないものとしたが、実際の材料の組合せにおいては、第1金属材料と第2金属材料との間で強度に差があることがある。この場合には、第1金属材料と第2金属材料との間の強度に応じて、単位構造部253における第1点状ビード231および第2点状ビード241を配置する数の比を変化させればよい。
ここでは、第1金属材料の引張強度は、第2金属材料の引張強度の2倍であるとする。図21は、実施の形態2に係る積層造形物の構成の一例を示す一部断面図である。図21では、第2金属材料の引張強度は、第1金属材料の引張強度の2分の1であるので、第2構造部252のZ軸方向に延在する部分のX軸方向における第2点状ビード241の数を、第1構造部251のZ軸方向に延在する部分のX軸方向における第1点状ビード231の数の2倍としている。これによって、第2構造部252でのX軸方向に2個配置された第2点状ビード241のZ軸方向における引張強度が、第1構造部251でのX軸方向に1個配置された第1点状ビード231のZ軸方向における引張強度と同等となり、接合面に対して引張方向、すなわちZ軸方向に働く接合荷重を向上させることができる。
なお、これは一例であり、第1金属材料と第2金属材料との強度比に応じて第1構造部251を構成する第1点状ビード231の数および第2構造部252を構成する第2点状ビード241の数の比を変えることができる。
実施の形態2では、第1金属材料と第2金属材料との強度比に応じて第1構造部251を構成する第1点状ビード231の数と第2構造部252を構成する第2点状ビード241の数との比を変えるようにした。これによって、異なる強度の点状ビードが混在している場合でも、第1金属層230および第2金属層240の接合界面Iの強度を一定に保つことが可能になる。
実施の形態3.
実施の形態2では一軸方向の引張強度に対して、金属材料の強度差が異なる場合に、金属材料間の強度差が解消されるように単位構造部253における点状ビードの数の比を調整する場合を説明した。実施の形態3では、一軸以外の方向に強度が働く場合にも第1金属層230と第2金属層240との界面の接続強度を保つことができる積層造形物220の構造について説明する。
実施の形態1では、図8に示されるように、下層の点状ビードの上に、すなわち下層の点状ビードのX軸方向およびY軸方向の位置と同じ位置に、点状ビードを配置していた。しかし、点状ビードは略球形を有しているために、自由に充填率を変えることが可能である。図22は、実施の形態3に係る積層造形物における点状ビードの配置方法の一例を示す図である。図22では、面心立方格子となるように点状ビードを配置した場合が示されている。Y軸方向から見た場合には、Mを0以上の整数として、Z軸方向におけるM層目の点状ビードによって構成される点状ビード層上に、ビード幅の半分の距離だけX軸方向にずらして点状ビードを配置したM+1層目の点状ビード層が形成されている。第1金属層230、中間層250および第2金属層240の全体にわたって、同様の配置が行われる。なお、図22では、Y軸方向から見た図を示しているが、X軸方向から見た場合も同様である。この場合、中間層250でも、面心立方格子の配置が維持されるように第1点状ビード231および第2点状ビード241を配置して、鉤状の第1構造部251および鉤状の第2構造部252を形成する。これによって、中間層250には、単位構造部253が形成されることになる。
このように、積層造形物220全体で、点状ビードを面心立方格子となるように配置して、点状ビードの充填率を高めることで、図22中の複数の矢印で示すように、多軸方向、または引張以外の特定方向の荷重である曲げ、せん断、圧縮、ねじりに対しても接合強度を向上させることができる。
なお、面心立方格子の配置だけではなく、最密六方格子、体心立方格子等の構造となるように、点状ビードを配置することもできる。このように点状ビードの配置をずらすことによって、任意の方向の強度を変えることができる。つまり、格子構造に応じた強度を有する積層造形物220を得ることができる。
一般的に、最密面に沿ってすべりが発生しやすいので、最密面での強度が落ちてしまう。一例では、最密面に交差する方向に、鉤状の第1構造部251および鉤状の第2構造部252が嵌合した単位構造部253を有する中間層250を設けることで、すべり面における強度を高めることができる。
実施の形態3の積層造形物220では、Z軸方向に点状ビードを配置する場合に、下層の点状ビード層の点状ビードの位置に対して点状ビードをずらして配置する。例えば、点状ビードが面心立方格子、体心立法格子または最密六方格子となるように配置する。これによって、格子構造に起因した方向の荷重に対する強度を高めることができるという効果を有する。つまり、特定の方向に強度を持たせるという異方性カスタムを可能とする。また、鉤状の第1構造部251と鉤状の第2構造部252との嵌合を、点状ビードの配置の仕方によって自由自在に変えられるので、特定方向に特化して接合強度を持たせることができる。
実施の形態4.
実施の形態1から3では、第1金属層230は第1点状ビード231から構成されていた。しかし、第1金属層230は、第1点状ビード231から構成されていなくてもよい。実施の形態4では、第1金属層230が板状部材からなる場合を説明する。
図23は、実施の形態4に係る積層造形物の構成の一例を示す断面図である。積層造形物220Aは、第1金属材料からなる板状の第1金属層230Aと、第2金属材料の第2点状ビード241からなる第2金属層240と、が中間層250Aを介して接合された構成を有する。
第1金属層230Aは、任意の形状を有する部材233によって構成される。部材233は、部材233の第2金属層240が形成される付加対象面110に並進対称で配置される溝234を有する。溝234は、Y軸方向に延在する溝234であってもよいし、予め定められた長さを有する溝234がY軸方向に予め定められた間隔で配置されたものであってもよい。溝234は、X軸方向にも予め定められた間隔で配置される。溝234の延在方向であるY軸方向に垂直な断面形状は、底部から開口部に向かって先細り形状となっている。X軸方向に隣接する溝234と溝234との間の部分を台状部235と称するものとすると、台状部235の上面のX軸方向における長さは、一例では1つ分の点状ビードの大きさである。ただし、これは例示であり、第1金属層230Aと第2金属層240との間で全体にわたって所望の引張強度が得られるのであれば、台状部235の上面のX軸方向における長さは任意の長さとすることができる。
溝234には第2金属材料からなるビード257が埋め込まれる。つまり、溝234にビード257が嵌合する構成となる。このように、実施の形態4では、第1構造部251は溝234に対応し、第2構造部252はビード257に対応する。溝234に埋め込まれるビード257は、線状ビードでもよいし、点状ビードでもよい。
溝234にビード257が埋め込まれた第1金属層230A上に、第2点状ビード241が配置される。第2点状ビード241は、溝234内のビード257と接合されるように配置される。また、他の第2点状ビード241は、台状部235上に配置される。
先細り形状の溝234に埋め込まれたビード257と、第2点状ビード241とが接合されることによって、Z軸方向に引張応力が働いたときに、溝234に嵌合したビード257が溝234から抜けにくくなり、第1金属層230Aと第2金属層240とを強固に接合することが可能となる。
この場合、溝234と溝234に埋め込まれたビード257と台状部235とを含む部分が単位構造部253となる。そして、単位構造部253が並進対称で配置される部分が、中間層250Aとなる。ビード257が、溝234内に線状に埋め込まれている場合には、Y軸方向に延在する溝234と溝234に埋め込まれたビード257および台状部235の組み合わせが単位構造部253であり、中間層250では、単位構造部253がX軸方向に並進対称で配置されるものとみなすことができる。なお、第1金属層230Aとビード257との界面および第1金属層230Aと第2点状ビード241との界面には、実施の形態1で説明したものと同様に、金属間化合物層255が形成される。
つぎに、このような積層造形物220の製造方法について説明する。図24から図30は、実施の形態4に係る積層造形物の製造方法の手順の一例を模式的に示す斜視図である。まず、図24に示されるように、第1金属材料からなる平板状の部材233を用意する。この平板状の部材233が、第1金属層230Aとなる。ついで、図25に示されるように、第1金属層230Aの上面にY軸方向に延在する溝234を、X軸方向に予め定められた間隔で形成する。溝234の底部よりも開口部の方が面積が小さくなるように、溝234のY軸方向に垂直な断面は先細り形状となる。溝234は、一例では形彫放電加工によって形成される。溝234の形成によって、溝234と溝234との間には台状部235が形成される。
その後、図26に示されるように、第2金属材料からなるビード257が溝234に埋め込まれる。上記したように、ビード257は、点状ビードでもよいし、線状ビードでもよい。この例では、ビード257は、線状ビードであるとする。部材233のうち、溝234に埋め込まれたビード257および台状部235が形成される領域は中間層250Aとなり、その他の部分は第1金属層230Aとなる。
ついで、図27に示されるように、部材233の溝234に埋め込まれたビード257上に、第2金属材料からなる第2点状ビード241が形成される。Y軸方向に延在するビード257に沿って、ビード257上に1列目の第2点状ビード241が形成される。
その後、図28に示されるように、1列目の第2点状ビード241にX軸方向に隣接する部材233の台状部235の上に、Y軸方向に沿って、2列目の第2点状ビード241が形成される。2列目の第2点状ビード241は、1列目の第2点状ビード241と溶融結合される。
図27および図28の処理を繰り返し行うことで、図29に示されるように、中間層250A上に、1層目の第2点状ビード241が形成される。さらに、1層目の第2点状ビード241と同様に2層目以降の第2点状ビード241も繰り返し形成することで、図30に示される第2金属層240が得られる。なお、上記した説明では、部材233が板状である場合を示したが、板状ではなく、第1点状ビード231で形成されていない任意の形状の部材であればよい。
実施の形態4では、第1金属層230Aを、第1点状ビード231で形成されたものではない任意の形状の部材233とする。この第1金属層230Aに、断面が先細り形状の溝234を形成し、溝234に第2金属材料からなるビード257を埋め込むことによって、中間層250Aを形成する。ついで、埋め込んだビード257上にビード257に沿って第2点状ビード241の列を形成する処理と、台状部235上に先に形成した第2点状ビード241の列と接触するように第2点状ビード241の列を形成する処理と、を繰り返し、第1金属層230A上に1層目の点状ビードを形成し、これを繰り返して複数層の第2点状ビード241からなる第2金属層240を形成する。これによって、ビード257が先細り形状の溝234に嵌合する形態となり、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、第1金属層230Aを第1点状ビード231によって形成する場合には、第1点状ビード231を3次元的に配置していくので時間がかかる。しかし、実施の形態4では、任意の形状の部材233を第1金属層230Aとするので、第1点状ビード231を1個1個配置して形成していく場合に比して、第1金属層230Aを準備する工程に要する時間を短縮することができる。また、形彫放電加工などの方法によって部材233に溝234を形成し、溝234にビード257を埋め込むことで中間層250Aとする。これによっても、第1点状ビード231と第2点状ビード241とを配置していく場合に比して、中間層250Aを形成する工程に要する時間を短縮することができる。この結果、積層造形物220の製造に要する時間を短縮することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 積層造形装置、11 ステージ、12 ベース材、13 回転機構、21 加工ヘッド、22 ヘッド駆動部、23 ビームノズル、24 レーザ発振器、25 ファイバケーブル、31 ワイヤノズル、32 ワイヤ供給部、33 ワイヤスプール、34 回転モータ、41 ガスノズル、42 ガス供給部、43 配管、51 制御部、100 加工対象物、110 付加対象面、111 加工点、201 線状ビード、211 点状ビード、220,220A 積層造形物、230,230A 第1金属層、231 第1点状ビード、233 部材、234 溝、235 台状部、240 第2金属層、241 第2点状ビード、250,250A 中間層、251 第1構造部、252 第2構造部、253 単位構造部、255 金属間化合物層、257 ビード、290 固溶体層、G シールドガス、I 接合界面、L レーザビーム、W ワイヤ。

Claims (6)

  1. 第1金属材料からなる第1点状ビードによって構成される第1金属層と、第2金属材料からなる第2点状ビードによって構成される第2金属層と、が積層された積層造形物であって、
    前記第1金属層と前記第2金属層との間に、前記第1点状ビードによって構成され、前記第2金属層側に突出するとともに、前記第2金属層側の先端が前記第1金属層と前記第2金属層との積層方向に垂直な方向に突出する構造物である第1構造部と、前記第2点状ビードによって構成され、前記第1金属層側に突出するとともに、前記第1金属層側の先端が前記積層方向に垂直な方向に突出する構造物である第2構造部と、を有し、前記第1構造部の前記先端と前記第2構造部の前記先端とが互いに噛み合うように嵌合した単位構造部が、前記積層方向に垂直な面内に並進対称で配置される中間層を備え、
    前記中間層は、前記第1構造部と前記第2構造部との接合界面に金属間化合物を含む金属間化合物層を有し、
    前記第1構造部の前記積層方向に垂直な方向に突出した前記第1点状ビードと、前記第2構造部の前記積層方向に垂直な方向に突出した前記第2点状ビードと、は、前記積層方向に垂直な面内における位置が同じになるように前記積層方向に重ねて配置されることを特徴とする積層造形物。
  2. 第1金属材料からなる第1点状ビードによって構成される第1金属層と、第2金属材料からなる第2点状ビードによって構成される第2金属層と、が積層された積層造形物であって、
    前記第1金属層と前記第2金属層との間に、前記第1点状ビードによって構成され、前記第2金属層側に突出するとともに、前記第2金属層側の先端が前記第1金属層と前記第2金属層との積層方向に垂直な方向に突出する構造物である第1構造部と、前記第2点状ビードによって構成され、前記第1金属層側に突出するとともに、前記第1金属層側の先端が前記積層方向に垂直な方向に突出する構造物である第2構造部と、を有し、前記第1構造部の前記先端と前記第2構造部の前記先端とが互いに噛み合うように嵌合した単位構造部が、前記積層方向に垂直な面内に並進対称で配置される中間層を備え、
    前記中間層は、前記第1構造部と前記第2構造部との接合界面に金属間化合物を含む金属間化合物層を有し、
    前記第1金属材料の引張強度と前記第2金属材料の引張強度とが異なる場合に、前記第1構造部と前記第2構造部の強度が一定となるように、前記単位構造部における前記積層方向に垂直な方向の前記第1点状ビードの数と前記第2点状ビードの数が異なることを特徴とする積層造形物。
  3. 前記第1点状ビードおよび前記第2点状ビードは、下層の第1点状ビードまたは下層の第2点状ビードの位置からずらして配置されることを特徴とする請求項2に記載の積層造形物。
  4. 前記第1点状ビードおよび前記第2点状ビードは、面心立方格子、最密六方格子および体心立法格子のいずれかとなるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の積層造形物。
  5. 第1金属材料からなる第1金属層と、第2金属材料からなる第2点状ビードによって構成される第2金属層と、が積層された積層造形物であって、
    前記第1金属層と前記第2金属層との間に、前記第1金属材料によって構成される構造物である第1構造部と、前記第2金属材料によって構成される構造物である第2構造部と、を有し、前記第1構造部と前記第2構造部とが嵌合した単位構造部が、前記第1金属層および前記第2金属層の積層方向に垂直な面内に並進対称で配置される中間層を備え、
    前記中間層は、前記第1構造部と前記第2構造部との接合界面に金属間化合物を含む金属間化合物層を有し、
    前記第1金属層は、第1点状ビードで構成されていない、任意の形状の部材であり、
    前記第1構造部は、前記第1金属層に設けられる溝であり、
    前記第2構造部は、前記溝に埋め込まれた前記第2金属材料からなるビードであることを特徴とする積層造形物。
  6. 第1金属材料からなる第1点状ビードによって構成される第1金属層と、第2金属材料からなる第2点状ビードによって構成される第2金属層と、が積層された積層造形物の製造方法であって、
    前記第1金属層に、前記第1点状ビードによって構成され、前記第2金属層側に突出するとともに、前記第2金属層側の先端が前記第1金属層と前記第2金属層との積層方向に垂直な方向に突出する構造物である第1構造部と、前記第2点状ビードによって構成され、前記第1金属層側に突出するとともに、前記第1金属層側の先端が前記積層方向に垂直な方向に突出する構造物である第2構造部と、を有し、前記第1構造部の前記先端と前記第2構造部の前記先端とが互いに噛み合うように嵌合した単位構造部が、前記積層方向に垂直な面内に並進対称で配置される中間層を形成する中間層形成工程と、
    前記中間層上に前記第2点状ビードを配置して前記第2金属層を形成する第2金属層形成工程と、
    を含み、
    前記第1金属材料および前記第2金属材料は、前記第1構造部と前記第2構造部との接合界面に金属間化合物を含む金属間化合物層を形成する材料の組み合わせであり、
    前記中間層形成工程では、前記第1構造部の前記積層方向に垂直な方向に突出した前記第1点状ビードと、前記第2構造部の前記積層方向に垂直な方向に突出した前記第2点状ビードと、は、前記積層方向に垂直な面内における位置が同じになるように前記積層方向に重ねて配置されることを特徴とする積層造形物の製造方法。
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