JP7085434B2 - 円筒形電池、および円筒形電池用ワッシャー - Google Patents

円筒形電池、および円筒形電池用ワッシャー Download PDF

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Description

この発明は円筒形電池、および円筒形電池用ワッシャーに関する。
本発明の対象である円筒形電池の一例として、円筒形アルカリ乾電池を挙げる。図1は、一般的な円筒形アルカリ乾電池1の構造を示しており、図1(A)は、円筒軸100の延長方向を上下(縦)方向としたときの縦断面図である。そして図1(B)は、図1(A)における円101内の拡大図である。以下に図1(A)、(B)を参照しつつアルカリ乾電池の基本的な構成や構造について説明する。
アルカリ乾電池1は、有底筒状の金属製電池缶2、環状に成形された正極合剤3、この正極合剤3の内側に配設された有底円筒状のセパレーター4、亜鉛合金を含んでセパレーター4の内側に充填される負極ゲル5、この負極ゲル5中に挿入された金属製の負極集電子6、金属製負極端子板10、絶縁性の樹脂からなる封口ガスケット7などにより構成される。この構造において、正極合剤3、セパレーター4、負極ゲル5が、電解液の存在下でアルカリ乾電池1の発電要素を形成する。
電池ケースである電池缶2は、正極合剤3に接触することで正極集電体として機能し、底面には外方に突出する凸状の正極端子8が形成されている。ここで電池缶2の底部側を下方として上下方向を規定すると、負極端子板10は、円板状の底部11の周縁に下方に短く垂設される扁平円筒状の側面部14が形成され、その側面部14の下端周囲には円形鍔状の周縁部13が形成されて、総じてフランジを有する扁平なカップを伏せたような形状となっている。
封口ガスケット7は、同心円状に凹凸が形成された円盤状の領域の周囲に上方に立設する壁面からなる外周部71が形成されてなり、円盤状の領域の中心には当該領域の上下両面側に突出する中空円筒状のボス部が形成されている。負極ゲル5中に挿入された棒状の負極集電子6は、この封口ガスケット7のボス部に圧入状態で挿通されつつ上端が負極端子板10の底部11下面に溶接されて立設固定されている。また負極端子板10と封口ガスケット7は電池缶2の開口を封口するための構成である。電池缶2は、封口ガスケット7の上記外周部が電池缶2の開口端部の内面と負極端子板10の周縁部13の縁端との間に挟持された状態で電池缶2の外方からかしめられることで密閉される。なお、ここに示したアルカリ乾電池1では、図1(B)に示したように、電池缶2の当初は中空円板状だった負極端子板10の周縁部13が軸100方向から外側に向かって斜め下方に屈曲しつつ、縁端では上方に鋭角的に屈曲するように変形している。また、電池缶2の開口端21側は、カール加工されて円筒軸100側の内方に向かって屈曲し、封口ガスケット7の外周部71の端面72も電池缶2の内面形状に沿って内方に屈曲している。
アルカリ乾電池1は、以上の構成と構造とによって蓄電素子として機能する。しかし、製品として提供されているアルカリ乾電池1では、以下の非特許文献1にも記載されているように、電池缶2の周囲に熱収縮フィルムからなる外装体9が被装されている。また、単3型や単4型などの比較的小さなサイズのアルカリ乾電池では、電池缶2の開口端21側がカール加工されて、当該開口端21と負極端子板10の側面部14との間が近接している。そこで、正極と負極間の短絡を防止するために絶縁性の樹脂からなるリング状のワッシャー50が負極端子板10の側面部14の外周に環装されている。
図2にワッシャー50の構造を具体的に示した。図2(A)は、当該ワッシャー50を上方から見たときの斜視図であり、図2(B)はワッシャー50を下方から見たときの斜視図である。ワッシャー50は、両端が開口する扁平円筒状の胴部51の上端に円形鍔状のフランジ部52が一体的に設けられた形状である。そして、図1(B)を参照すれば、ワッシャー50は、フランジ部52を上方に向けつつ、胴部51の中空部53が負極端子板10の側面部14の外周に嵌め込まれている。また、アルカリ乾電池1の外装体9を電池缶2の周囲に熱収縮させて被装する際、ワッシャー50におけるフランジ部52の上面の周縁が当該外装体9によって下方に押さえつけられるため、ワッシャー50は、負極端子板10の側面部14との嵌め合いに加え、この外装体9によっても固定されている。
ところで、アルカリ乾電池1の封口ガスケット7は、円盤領域に部分的に厚さが薄くなっている薄肉部を有しており、アルカリ乾電池1の内部にガスが発生するなどして電池缶2内の圧力が上昇すると、その薄肉部が先行破断するようになっている。また、負極端子板10の側面部14には、電池缶2の内外を連絡するガス抜き孔12が形成されている。それによって、封口ガスケット7の薄肉部が破断した際、電池1内部のガスがこのガス抜き孔12から排気され、内圧が開放されるようになっている。すなわち、封口ガスケット7の薄肉部と負極端子板10のガス抜き孔12とによって、アルカリ乾電池1の破裂を防止する防爆安全機構が構成されている。
なお、単3型や単4型などの比較的小さなサイズのアルカリ乾電池1では、容積が小さいことから少量のガスでも内圧が大きく上昇し、そのガス抜き孔12から漏出した電解液が電池1の周囲に飛散する可能性がある。そのため上記のワッシャー50は、排気に伴って電解液が飛散することを防止するための機能も担っている。具体的には、ワッシャー50の胴部51が負極端子板10の側面部14を覆うことで、防爆安全機構が作動したときに、ガス抜き孔12からのガスや電解液が噴出する速度を減速させて、アルカリ乾電池1が組み込まれた機器が汚染され難いようにしている。そして、防爆安全機構が作動した際には、通常、図1(B)に太い実線矢印110で示したように、ガス抜き孔12から負極端子板10の側面部14を覆うワッシャー50の胴部51の内面を経由して負極端子板10のアルカリ乾電池1の上方に至る経路を通ってガスがアルカリ乾電池1の外方に排気される。なお、以下の非特許文献1には、アルカリ乾電池の基本的な構成や組立手順が記載されている。
FDK株式会社、"アルカリ乾電池のできるまで"、[online]、[平成30年6月29日検索]、インターネット<URL:http://www.fdk.co.jp/denchi_club/denchi_story/arukari.htm>
アルカリ乾電池などの円筒形電池が備えるワッシャーは、防爆安全機構が動作した際に、負極端子板に設けられたガス抜き孔から電解液が飛散するのを防止する。しかし、従来の円筒形電池では、図1(A)、(B)に示したように、ワッシャー50におけるフランジ部52の上面周縁が熱収縮フィルムによる外装体9に覆われていることから、図1(B)にて縦縞のハッチングで示した空間30からガスの逃げ場がない状態となっている。
そして何らかの原因で電池缶2内部にてガスが急速に発生すると、ガスが図1(B)に太い点線矢印111で示した経路で上記空間30に逃げ、このガスが一瞬にして当該空間30に充満して当該空間30内の圧力が一気に上昇する。そしてその圧力がワッシャー50のフランジ部52の下面に加わり、ワッシャー50を上方に押し上げようとする。外装体9は、金属製の電池缶2とは異なり、柔らかく変形しやすいため、ワッシャー50を押し上げようとする力を抑えきれず、結果として、ワッシャー50が脱落する。場合によってはワッシャー50が勢いよく飛散する。
そこで本発明は、電池缶の内圧が急激に上昇してもワッシャーの脱落を抑止できる円筒形電池、および円筒形電池用ワッシャーを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、一方の電極の集電体を兼ねる有底円筒状の電池缶内に発電要素が収納されるとともに、当該電池缶の開口端側に他方の電極の端子を兼ねる端子板が絶縁性の封口ガスケットを介して嵌着されることで当該電池缶が密閉されてなる円筒形電池であって、
絶縁性の樹脂からなり、上下両端が開口する扁平円筒状の胴部の上端周縁に円形鍔状のフランジ部が形成されてなるワッシャーを備え、
前記電池缶の底部を下方として、
前記端子板は、円板状の底部の周縁に下方に垂設される扁平筒状の側面部と、当該側面部の下端周縁に円形鍔状に形成された周縁部と、前記側面部の内外を連絡するガス抜き孔とを有し、
前記封口ガスケットは、円盤部の周囲に上方に立設する壁面からなる外周部が形成されて、当該外周部が前記端子板の前記周縁部と前記電池缶の内面とに狭持され、
前記電池缶は、開口端側がカール加工されて、前記封口ガスケットの外周部の端面側が当該電池缶の開口端側とともに内方に向かって屈曲し、
前記ワッシャーには、前記胴部に対して放射外方向に突出する突起部が形成され、
前記ワッシャーは、前記突起部が、前記電池缶における前記開口端の下側、または前記封口ガスケットにおける前記外周部の端面の下側に係合しつつ、前記胴部が前記端子板の側面部に環装された状態で前記電池缶に対して固定されている、
ことを特徴とする円筒形電池としている。
前記フランジ部の下端に舌片が垂設され、前記突起部は、当該舌片に形成されていることとしてもよい。あるいは、前記突起部は、前記胴部の外周面に形成されていてもよい。なお、前記突起部が前記胴部の外周面に形成されている場合には、前記胴部に下端から上下方向に向かう二本一組の切欠によって舌片が形成され、前記突起部が当該舌片に形成されていることとしてもよい。
前記ワッシャーが前記端子板の側面部と嵌め合い状態で環装されている円筒形電池とすることもできる。前記突起部が、前記ワッシャーの周囲に等角度間隔で二つ以上形成されていればより好ましい。
本発明のその他の態様は、一方の電極の集電体を兼ねる有底円筒状の電池缶内に発電要素が収納されるとともに、当該電池缶の開口に他方の電極の端子を兼ねる端子板が絶縁性の封口ガスケットを介して嵌着されることで当該電池缶が密閉されてなる円筒形電池において、前記電池缶の開口に装着されて、前記電池缶の開口端と前記端子板とを絶縁するためのワッシャーであって、当該ワッシャーは、
絶縁性の樹脂からなり、上下両端が開口する扁平円筒状の胴部の上端周縁に円形鍔状のフランジ部が形成されてなり、
前記電池缶の上端側の下面または前記封口ガスケットの上端側の下面に係合する突起部が前記胴部に対して放射外方向に突出して形成されている、
ことを特徴としている。
本発明によれば、電池缶の内圧が急激に上昇してもワッシャーの脱落を抑止できる円筒形電池、および円筒形電池用ワッシャーが提供される。なお、その他の効果については以下の記載で明らかにする。
円筒形電池の一例である一般的なアルカリ乾電池の構造を示す図である。 上記一般的なアルカリ乾電池の負極端子板に装着されているワッシャーを示す図である。 本発明の実施例に係る円筒形電池用ワッシャーを示す図である。 上記実施例に係るワッシャーが円筒形電池に固定されている状態の一例を示す図である。 上記実施例に係るワッシャーが円筒形電池に固定されている状態のその他の例を示す図である。 本発明の変形例に係るワッシャーを示す図である。 上記変形例に係るワッシャーが円筒形電池に固定されている状態の一例を示す図である。 本発明のその他の実施例に係るワッシャーを示す図である。
本発明の実施例について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いた図面において、同一又は類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図面によっては説明に際して不要な符号を省略することもある。
===実施例===
本発明の実施例に係る円筒形電池用ワッシャーは、一方の電極を兼ねた電池缶の開口に、他方の電極を兼ねる皿状の端子板が封口ガスケットを介して嵌着された構造を有するとともに、端子板の外周に電池缶の内圧を開放するためのガス抜き孔が形成された円筒形電池に適用することができる。また、その円筒形電池の発電方式については、一次電池、二次電池を問わず、どのようなものであってもよい。そして、以下では、本発明の具体的な実施例として、円筒形のアルカリ乾電池が備える円筒形電池用ワッシャー(以下、ワッシャーとも言う)を挙げる。なお、実施例に係るワッシャーを備えたアルカリ乾電池の基本的な構造は、図1に示した一般的なアルカリ乾電池1と同様である。
図3に、本発明の実施例に係るワッシャー50aを示した。図3(A)は、当該ワッシャー50aを上方から見たときの斜視図であり、図3(B)は、ワッシャー50aを下方から見たときの斜視図である。ワッシャー50aは、ポリプロピレンなどの絶縁性樹脂からなる成型品であり、図3(A)、図3(B)に示したように、環状の胴部51の上端に円形鍔状のフランジ部52が当該胴部51と同軸となるように一体的に形成されてなり、中空部53が胴部51とフランジ部52を上下方向に貫通している。また、中空部53は、胴部51と負極端子板(以下、端子板10とも言う)の側面部14とが嵌め合い状態で環装される程度の内径を有している。そして、ここまでのワッシャー50aの構造は、図1に示した一般的な円筒形電池1が備える従来のワッシャー50と同じである。しかし、実施例に係るワッシャー50aは、胴部51に対して放射外方向に突出する突起部55を備えている。本実施例では、フランジ部52の下面に、複数の舌片54が垂設され、各舌片54の下端に放射外方向に向かって突出する突起部55が形成されている。そして、本実施例に係るワッシャー50aでは、胴部51の同心円上に三つの舌片54が等角度間隔で配置されている。
図4は、実施例に係るワッシャー50aを備えた円筒形電池(以下、実施例に係る電池1aとも言う)を示す図である。図4は、図1(A)において円101で示した領域に対応し、ワッシャー50aが電池缶2に対して固定されている状態を示している。図4に示したように、ワッシャー50aは、カール加工された電池缶2の開口端21の下側に突起部55が係合しつつ、胴部51が端子板10の側面部14に嵌め込まれている。
ワッシャー50aを電池缶2に対して固定する手順としては、従来のワッシャー50と同様に、外装体9で電池缶2を被装する前に、ワッシャー50aの胴部51を電池缶2の上方から端子板10の側面部14に環装する。しかし、本実施例に係るワッシャー50aでは、胴部51を側面部14に環装する際、突起部55の下面が電池缶2の開口端21に当接して舌片54が放射内方向に撓む。そして、突起部55が当該開口端21の下方にまで押し込まれると、撓み状態にあった舌片54が復元する。それによって、突起部55が電池缶2の開口端21の下側に係合し、ワッシャー50aは、上方への移動が規制される。すなわち、実施例に係る電池1aは、ワッシャー50aを電池缶2に対して固定する構造として、舌片54と突起部55とによる周知のスナップフィット方式の係合構造を備えている。ワッシャー50aが電池缶2に対して固定されたならば、外装体9を熱収縮させ、フランジ部52の上面の周縁を外装体9で被装する。
なお、ワッシャー50aにおける舌片54の上下方向の長さや突起部55の上下方向の位置については、電池缶2の開口端21と封口ガスケット7における外周部71の端面72との位置関係によって適宜に変更することができる。具体的には、図5に示したように、封口ガスケット7における外周部71の端面72が、電池缶2の開口端21よりも内方に突出しているように構成されている電池1aでは、ワッシャー50aが電池缶2に対して固定された際、突起部55が封口ガスケット7の外周部71の端面72よりも下方にあることが必要となる。いずれにしても、ワッシャー50aを設計する際には、カール加工された状態にある電池缶2の開口端21と封口ガスケット7における外周部71の端面72との相対的な位置関係に応じ、突起部55の位置を適宜に設定すればよい。
===脱落抑止性能===
次に、実施例に係る電池1aの防爆安全機構が作動したときのワッシャー50aの脱落抑止性能を評価した。具体的には、図2に示した従来のワッシャー50と、図3に示した実施例に係るワッシャー50aとを、それぞれ100個ずつ作製し、各ワッシャー(20、20a)を用いてLR6型のアルカリ乾電池をサンプルとして作製した。次いで、作製したサンプルの全個体に対して充電試験を行い、強制的に電池缶内にガスを発生させて防爆安全機構を作動させ、サンプルごとにワッシャーが脱落した個体数を数えた。ここでは、充電試験を、所謂「4直1逆」の方式によって行った。すなわち、1個のサンプルと3個の市販のLR6型アルカリ乾電池からなる合計4個のアルカリ乾電池を用い、サンプルのアルカリ乾電池のみ、正負の端子の向きを逆にした状態で4個のアルカリ乾電池を直列に接続することでサンプルを充電した。その結果、従来のワッシャー50を備えたサンプルでは、100個の個体のうち90個の個体でワッシャー50の脱落が確認された。一方、実施例のワッシャー50aを備えたサンプルでは、100個の個体のうち、ワッシャー50aが脱落した個体が一つもなかった。
そして、以上の充電試験の結果より、従来のワッシャー50と実施例のワッシャー50aとでは、舌片54と突起部55とによるスナップフィット方式の係合構造の有無のみが異なっていることから、ワッシャー50aの脱落を確実に抑止するためには、この係合構造が極めて有効であることが確認できた。
===変形例===
次に、スナップフィットによるワッシャーの脱落抑止性能をより詳しく検討するために、胴部51が端子板10の側面部14に対して遊嵌状態で環装されるワッシャーを本発明の変形例に係るワッシャーとして作製した。図6に変形例に係るワッシャー50bを示した。図6(A)は、変形例に係るワッシャー50bを上方から見たときの斜視図であり、図6(B)は、ワッシャー50bを下方から見たときの斜視図である。また、図7に、ワッシャー50bを備えたアルカリ乾電池(以下、変形例に係る電池1bとも言う)を示した。図7は、図1(A)において円101で示した領域に対応し、ワッシャー50bが電池缶2に対して固定されている状態を示している。
図6(A)、図6(B)に示したように、ワッシャー50bは、フランジ部52の下面に舌片(図3、符号54)が形成されておらず、三つの突起部55が胴部51の周囲に等角度間隔で設けられている。これは、ワッシャー50bの胴部51が端子板10の側面部14に対して遊嵌状態で環装されることから、胴部51の内径が従来のワッシャー50および上記実施例に係るワッシャー50aよりも大きくなっているためであり、フランジ部52の下面に舌片54を設ける余地がなくなったからである。なお、突起部55の形状やサイズは、上記実施例に係るワッシャー50aと同様である。そして、図7に示したように、変形例に係る電池1bでは、ワッシャー50bにおける中空部53の内面と端子板10の側面部14とが接触しておらず、胴部51の外周面に形成された突起部55が電池缶2の開口端21の下側に係合している。
次に、変形例に係るワッシャー50bによる脱落抑止性能を評価するために、ワッシャー50bを備えたLR6型アルカリ乾電池1bを100個作製し、これら100個のアルカリ乾電池1bに対して4直1逆方式の充電試験を行った。その結果、100個の個体のうち一つの個体もワッシャー50bが脱落しなかった。以上より、ワッシャー50bは、胴部51が端子板10の側面部14に嵌着されていなくても、スナップフィット方式によって、突起部55が電池缶2の開口端21や封口ガスケット7における外周部71の端面の下側と係合するだけで十分な脱落防止性能を有していることが確認できた。なお、ワッシャー50bでは、中空部53の内面が端子板10の側面部14に接していないため、端子板10のガス抜き孔12から外方への排気経路が広くなる。すなわち、ワッシャー50bでは、ガス抜き孔12からガスが排気された際に自身にかかる圧力を小さくできるという効果も得られる。
===その他の実施例===
実施例および変形例に係る電池(1a、1b)では、100個の個体に対する充電試験によってワッシャー(50a、50b)が脱落したものが一つもなかった。従来のワッシャー50を備えたアルカリ乾電池1では、100個の個体のうち、90個の個体においてワッシャー50が脱落したことを考えれば、少なくともワッシャー(50a、50b)に一つの突起部55が形成されていれば、そのワッシャー(50a、50b)を備えた電池(1a、1b)は、十分な脱落防止性能を備えていると考えてよい。もちろん、突起部55の数や形成位置は、適宜に変更することができる。なお、突起部55の数が一つである場合、ガス抜き孔12からガスが排気された際にワッシャー(50a、50b)にかかる上方への圧力が不均一になる可能性もある。そして、このような可能性も考慮すれば、ワッシャー(50a、50b)には、二つ以上の突起部55が等角度間隔で形成されていた方が好ましい。
変形例に係るワッシャー50bでは、中空部53が端子板10の側面部14に遊嵌状態で環装されていたが、もちろん、中空部53と端子板10の側面部14とは嵌め合いの状態であってもよい。なお、この場合、胴部51の外周面に電池缶2の開口端21に係合する突起部55を設けつつ、中空部53の内径を端子板10の側面部14の外径程度まで縮径する必要があることから、自ずと胴部51の厚さが厚くなる。そのため、ワッシャー50bを装着する際、胴部51が応力変形し難くなる。そこで、図8に示したワッシャー50cのように、胴部51に下端から上方に向かう二本のスリット56を形成し、二本のスリット間(56、56)の領域に突起部55を設ければよい。それによって、ワッシャー50cを電池缶2の開口端21にスナップフィット方式によって係合させる際、二本のスリット間(56、56)の領域が舌片54として弾性変形し、ワッシャー50cを電池缶2に対して固定し易くなる。
1,1a,1b 円筒形電池(アルカリ乾電池)、2 電池缶、3 正極合剤、
4 セパレーター、5 負極ゲル、6 負極集電子、7 封口ガスケット、
8 正極端子、9 外装体、10 負極端子板、11 負極端子板の底、
12 ガス抜き孔、13 負極端子板の周縁部、14 負極端子板の側面部、
50,50a,50b,50c ワッシャー、51 胴部、52 フランジ部、
53 中空部、54 舌片、55 突起部、56 スリット、
110,111 排気経路

Claims (7)

  1. 一方の電極の集電体を兼ねる有底円筒状の電池缶内に発電要素が収納されるとともに、当該電池缶の開口端側に他方の電極の端子を兼ねる端子板が絶縁性の封口ガスケットを介して嵌着されることで当該電池缶が密閉されてなる円筒形電池であって、
    絶縁性の樹脂からなり、上下両端が開口する扁平円筒状の胴部の上端周縁に円形鍔状のフランジ部が形成されてなるワッシャーを備え、
    前記電池缶の底部を下方として、
    前記端子板は、円板状の底部の周縁に下方に垂設される扁平筒状の側面部と、当該側面部の下端周縁に円形鍔状に形成された周縁部と、前記側面部の内外を連絡するガス抜き孔とを有し、
    前記封口ガスケットは、円盤部の周囲に上方に立設する壁面からなる外周部が形成されて、当該外周部が前記端子板の前記周縁部と前記電池缶の内面とに狭持され、
    前記電池缶は、開口端側がカール加工されて、前記封口ガスケットの外周部の端面側が当該電池缶の開口端側とともに内方に向かって屈曲し、
    前記ワッシャーには、前記胴部に対して放射外方向に突出する突起部が形成され、
    前記ワッシャーは、前記突起部が、前記電池缶における前記開口端の下側、または前記封口ガスケットにおける前記外周部の端面の下側に係合しつつ、前記胴部が前記端子板の側面部に環装された状態で前記電池缶に対して固定されている、
    ことを特徴とする円筒形電池。
  2. 請求項1に記載の円筒形電池であって、前記フランジ部の下端に舌片が垂設され、前記突起部は、当該舌片に形成されていることを特徴とする円筒形電池。
  3. 請求項1に記載の円筒形電池であって、前記突起部は、前記胴部の外周面に形成されていることを特徴とする円筒形電池。
  4. 請求項3に記載の円筒形電池であって、前記胴部には下端から上下方向に向かう二本一組の切欠によって舌片が形成され、前記突起部は、当該舌片に形成されていることを特徴とする円筒形電池。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の円筒形電池であって、前記ワッシャーは、前記端子板の側面部と嵌め合い状態で環装されていることを特徴とする円筒形電池。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の円筒形電池であって、前記突起部は、前記ワッシャーの周囲に等角度間隔で二つ以上形成されていることを特徴とする円筒形電池。
  7. 一方の電極の集電体を兼ねる有底円筒状の電池缶内に発電要素が収納されるとともに、当該電池缶の開口に他方の電極の端子を兼ねる端子板が絶縁性の封口ガスケットを介して嵌着されることで当該電池缶が密閉されてなる円筒形電池において、前記電池缶の開口に装着されて、前記電池缶の開口端と前記端子板とを絶縁するためのワッシャーであって、
    絶縁性の樹脂からなり、上下両端が開口する扁平円筒状の胴部の上端周縁に円形鍔状のフランジ部が形成されてなり、
    前記電池缶の上端側の下面または前記封口ガスケットの上端側の下面に係合する突起部が前記胴部に対して放射外方向に突出して形成されている、
    ことを特徴とする円筒形電池用ワッシャー。
JP2018137652A 2018-07-23 2018-07-23 円筒形電池、および円筒形電池用ワッシャー Active JP7085434B2 (ja)

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