JP7084830B2 - 摩擦攪拌接合用ツール及び接合材の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献1あるいは特許文献2の方法の場合、いずれも摩擦攪拌接合用ツールは、薄板方向に傾斜させて薄板側と厚板側の突き合わせ部に接触させ、回転させながら接合線に沿って移動させる。このような方法では、ツールを板表面に対して斜めから進入させることになるため、特に、薄板と厚板の厚さの差が大きくなるほど傾斜させる角度を大きくする必要がある。そのため、摩擦攪拌接合時には、ツールへの負担が大きくなり、ツールの寿命が短くなる。また、ツールを移動方向に平行あるいは直角方向に傾斜させ、なおかつその状態で大きな加圧力を付与させなければならないため、これを満足する機械攪拌接合装置は、大型で複雑な構造となる。
前記ショルダーは、中央部が突出する凸曲面形状を呈すると共に、外周部から中心に向かう渦巻き状の溝を有しており、
該溝は、深さ方向において深くなるほど中心軸から離れる方向に傾斜して設けられており、その傾斜角度は30°以上45°以下の範囲にある、摩擦攪拌接合用ツールにある。
上述した摩擦攪拌接合用ツールを用い、
前記板材の法線方向に中心軸を向けるように前記ツールを直立配置し、
静止状態での上記溝の渦巻き状の外周部から中心に向かう回転方向を第1回転方向とした場合、前記ツールを中心軸周りにおいて前記第1回転方向と反対の第2回転方向に回転させ、
前記プローブを前記突き合わせ部分に挿入すると共に前記ショルダーを前記板材に接触させ、
前記ツールの直立配置状態を維持したまま、前記ツールを前記突き合わせ部分に沿って相対移動させる、接合材の製造方法にある。
上述した摩擦攪拌接合用ツールを用い、
前記板材の法線方向に中心軸を向けるように前記ツールを直立配置し、
静止状態での上記溝の渦巻き状の外周部から中心に向かう回転方向を第1回転方向とした場合、前記ツールを中心軸周りにおいて前記第1回転方向と反対の第2回転方向に回転させ、
前記プローブを前記突き合わせ部分に挿入すると共に前記ショルダーを前記板材に接触させ、
前記ツールの直立配置状態を維持したまま、前記ツールを前記突き合わせ部分に沿って相対移動させる、摩擦攪拌接合方法であると捉えることもできる。
以下、さらに詳説する。
実施例1のツール1は、炭素工具鋼SKD61製であり、図1~図3に示すように、外径Dsが20mmのショルダー2を有しており、そのショルダー2の全体形状は、曲率半径Rが21mmの円弧状断面形状を有している。この凸曲面には、渦巻き状の溝5が2個設けられ、それぞれ、1周半ほどの渦巻き形状を有している。溝5は、傾斜角αは45°、溝深さHは2.0mm、溝幅Wは3.0mm、溝間隔Pは2.0mmとし、底部が円弧状のU溝とした。また、ショルダー2の中央には、外径Dpが3.0mm、高さHpが0.8mmのプローブ3を設けた。
実施例2のツール102は、図4及び図5に示すように、実施例1のツール1を基本として、溝5の仕様を変更した例である。なお、実施例1と同じ機能部位については、寸法等が異なる場合であっても同じ符号を用いた。この点は、後述する比較例においても同様である。実施例2においては、溝5は、傾斜角αは30°、溝深さHは2.0mm、溝幅Wは2.5mm、溝間隔Pは1.3mmとし、底部が円弧状のU溝とした。その他の寸法は実施例1と同様とした。
比較例1~3のツール9は、図6及び図7に示すように、実施例1のツール1を基本として、溝5の仕様を変更した例である。比較例1~3においては、すべて、溝5の傾斜角αは0°、つまり、傾斜を設けなかった。溝深さHは、比較例1は2.0mm、比較例2は3.0mm、比較例3は0.5mmとした。比較例1~3のいずれも、溝幅Wは1.0mm、溝間隔Pは0.8mmとした。
(試験A1~A15)
試験A1では、実施例1のツール1を用い、実際に摩擦攪拌接合を行い、その性能を評価した。図9に示すごとく、摩擦攪拌接合装置の平面である定盤8上に、6000系アルミニウム合金板からなる厚板材81と薄板材82とを突き合わせて固定した。厚板材81の板厚は3.0mm、厚板材81の板厚は1.0mmである。突き合わせ部分80は、2.0mmの段差を有するものとなる。
試験A2~A6は、試験A1の場合と同様に実施例1のツール1を用いて実際に摩擦攪拌接合を実施した例である。試験A2及びA3は、試験A1に比べてツール1の回転数のみを変更した例である。試験A4~A6は、試験A1~A3における接合速度を遅い条件に変更した例である。
試験A7~A12は、実施例2のツール102を用いて実際に摩擦攪拌接合を実施した例である。試験A7~A12は、試験A1~A6のそれぞれと同じ条件で、使用したツールを実施例2のツール102に変更した点のみが異なる例である。
試験A13は、試験A2と同じ条件で、使用したツールを比較例1のツールに変更した点のみが異なる例である。
試験A13は、試験A2と同じ条件で、使用したツールを比較例2のツールに変更した点のみが異なる例である。
試験A15は、試験A2と同じ条件で、使用したツールを比較例3のツールに変更した点のみが異なる例である。
図11に示すごとく、バリ高さは、摩擦撹拌接合の開始点と終了点との中間点において切断して、接合方向に対して直角の断面を形成し、その断面をエッチングなしに50倍で観察した光学顕微鏡組織写真を使用して評価した。図13に示すごとく、厚板81側の接合端部において厚板81の板表面81aから突出した高さTbを測定して評価する。
接合部の健全性については、バリ高さ測定に使用した50倍の光学顕微鏡組織写真を使用し、内部に空孔が存在するか否かを観察することによって評価する。
図12に示すごとく、摩擦撹拌接合の開始点と終了点の中間付近において、標点部分の中央が接合線になるように採取したJIS5号試験片Sを使用し、JIS Z2241に基づき、接合方向に対して直角方向に引張試験を行って評価する。
試験B1~B21は、図14~図16に示すごとく、試験A1~A15の場合における厚板81と薄板82の位置関係を逆転させた例である。すなわち、試験B1~B21では、図14に示すごとく、摩擦攪拌接合装置の平面である定盤8上に、試験A1~A15の場合と左右が逆の関係となるように、6000系アルミニウム合金板からなる厚板材81と薄板材82とを突き合わせて固定した。厚板材81の板厚は3.0mm、厚板材81の板厚は1.0mmである。突き合わせ部分80は、2.0mmの段差を有するものとなる。
試験B1では、図14に示すごとく、ツール1を用い、板材81、82の法線方向に中心軸Cを向けるようにツール1を直立配置する。そして、ツール1における静止状態での溝5の渦巻き状の外周部から中心に向かう回転方向を第1回転方向(矢印A1方向)とした場合、ツール1を中心軸C周りにおいて第1回転方向と逆の第2回転方向(矢印A2方向)に回転させる。
試験B2~B9は、試験B1の場合と同様に実施例1のツール1を用いて実際に摩擦攪拌接合を実施した例である。試験B2及びB3は、試験B1に比べてツール1の回転数のみを変更した例である。試験B4~B6は、試験B1~B3における接合速度を1.0m/minに遅くした条件に変更した例である。試験B7~B9は、試験B1~B3における接合速度を0.50m/minに遅くした条件に変更した例である。
試験B10~B18は、実施例2のツール102を用いて実際に摩擦攪拌接合を実施した例である。試験B10~B18は、試験B1~B9のそれぞれと同じ条件で、使用したツールを実施例2のツール102に変更した点のみが異なる例である。
試験B19は、試験B2と同じ条件で、使用したツールを比較例1のツールに変更した点のみが異なる例である。
試験B20は、試験B2と同じ条件で、使用したツールを比較例2のツールに変更した点のみが異なる例である。
試験B21は、試験B2と同じ条件で、使用したツールを比較例3のツールに変更した点のみが異なる例である。
2 ショルダー
3 プローブ
5 溝
81 厚板材
82 薄板材
80 突き合わせ部
85 接合部
Claims (4)
- 円柱状の本体部の先端に形成されたショルダーと、該ショルダーの中心部に配設されたプローブとを有する摩擦攪拌接合用ツールであって、
前記ショルダーは、中央部が突出する凸曲面形状を呈すると共に、外周部から中心に向かう渦巻き状の溝を有しており、
該溝は、深さ方向において深くなるほど中心軸から離れる方向に傾斜して設けられており、その傾斜角度は30°以上45°以下の範囲にある、摩擦攪拌接合用ツール。 - 前記凸曲面ショルダーにおける前記溝の深さは、2.0mm以上3.0mm未満である、請求項1に記載の摩擦攪拌接合用ツール。
- 板厚が異なるアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる厚板材と薄板材とを、平面上に並べて突き合わせて段差のある突き合わせ部分を形成し、該突き合わせ部分を接合してなる接合部を有する接合材の製造方法であって、
請求項1又は2に記載の摩擦攪拌接合用ツールを用い、
前記板材の法線方向に中心軸を向けるように前記ツールを直立配置し、
静止状態での上記溝の渦巻き状の外周部から中心に向かう回転方向を第1回転方向とした場合、前記ツールを中心軸周りにおいて前記第1回転方向と反対の第2回転方向に回転させ、
前記プローブを前記突き合わせ部分に挿入すると共に前記ショルダーを前記板材に接触させ、
前記ツールの直立配置状態を維持したまま、前記ツールを前記突き合わせ部分に沿って相対移動させる、接合材の製造方法。 - 前記ツールの相対移動方向は、前記厚板上における前記第2回転方向が相対移動方向先方側から後方側となる方向とする、請求項3に記載の接合材の製造方法。
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