JP7084240B2 - ポジショナの動作モード判定装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動/手動切替スイッチを操作することによって動作モードを切り替えることが可能なポジショナの動作モード判定装置に関する。
従来より、空気作動型の調節弁を開閉制御するために、ポジショナが広く使用されている。この種のポジショナは、電気信号をフラッパの揺動変位に変換し、これをノズル・フラッパ機構によって空気圧信号(ノズル背圧)に変換して増幅した後、調節弁の操作器に出力空気圧として供給し、調節弁の弁開度を制御するように構成されている。
図8は、調節弁に付設されたポジショナの一例を示すブロック図である(例えば、特許文献1参照)。このポジショナ100は、調節弁200に付設されており、演算部1と、電空変換部2と、パイロットリレー3と、圧力センサ4と、開度センサ10とを備えている。
このポジショナ100において、演算部1は、開度センサ10が検出する調節弁200の操作器21の開度θを測定信号Ipvとし、この測定信号Ipvと上位装置(図示せず)から送られてくる設定開度信号Ispとの偏差を求め、この偏差に応じた制御出力を電気信号MVとして電空変換部2へ送る。
電空変換部2は、ノズル・フラッパ機構5(図9参照)を備えており、演算部1からの電気信号MVに応じてノズル5aとフラッパ5bとの間の隙間dを変化させ、固定絞り7を介して供給される外部からの空気圧Psをノズル背圧Pnに変換する。パイロットリレー3は、電空変換部2からのノズル背圧Pnを増幅し、調節弁200の操作器21への出力空気圧Poとする。圧力センサ4は、調節弁200の操作器21への出力空気圧Poを検出する。この検出される出力空気圧Poは、よりよい制御性能の実現やポジショナおよび調節弁の診断のために利用されたり、上位装置へ出力されたりする。なお、図8中、300は空気圧Psの供給源(空気圧供給源)、400は減圧弁である。
また、電空変換部2は、ポジショナ100の動作モードを自動モード(オート)と手動モード(マニュアル)とに切り替える自動/手動切替スイッチ6を備えている。図9は、ポジショナ100の動作モードが自動モードとされている時の状態を示している。この自動モードでは、出力空気圧Poが電気信号MVの変化に応じて変化する。
図10に、ノズル5aとフラッパ5bとの間の隙間dとノズル背圧Pnとの関係を示す。電気信号MVが0%から100%へ変化するにつれ、隙間dは小さくなり、ノズル背圧Pnは大きくなる。図11に、ノズル背圧Pnと出力空気圧Poとの関係を示す。ノズル背圧Pnが大きくなるにつれ、出力空気圧Poも大きくなる。
ポジショナ100の動作モードを手動モードとする場合、自動/手動切替スイッチ6を操作することによって、例えば固定絞り7を実質的になくすようにして(特許文献2の図14参照)、ポジショナ100の動作モードを自動モードから手動モードへ切り替える。この手動モードでは、図12に示すように、固定絞り7が実質的になくなるので、パイロットリレー3へのノズル背圧Pnが空気圧Psとほぼ等しくなる。これにより、減圧弁400を操作して空気圧供給源300からの空気圧Psを調整することによって、電気信号MVに拘わらず、パイロットリレー3からの出力空気圧Poを変化させることが可能となる(図13参照)。
図14に、ポジショナ100の動作モードを手動モードとした場合の別の例を示す。この例では、自動/手動切替スイッチ6を操作することによって、ノズル5aへの空気圧Psの供給を実質的に遮断するようにして(特許文献2の図17参照)、ポジショナ100の動作モードを自動モードから手動モードへ切り替える。この手動モードでは、パイロットリレー3へのノズル背圧Pnの供給路Lnよりも下流側で、ノズル5aへの空気圧Psの供給が遮断されることによって、パイロットリレー3へのノズル背圧Pnが空気圧Psとほぼ等しくなる。
なお、図8には示していないが、ポジショナ100は、ノズル背圧Pnを検出する圧力センサや外部からの空気圧Psを検出する圧力センサなども備えている。この検出されるノズル背圧Pnや空気圧Psも出力空気圧Poと同様、よりよい制御性能の実現やポジショナおよび調節弁の診断のために利用されたり、上位装置へ出力されたりする。
特開2011-214611号公報 特開2010-185540号公報
しかしながら、このような自動/手動切替スイッチを備えたポジショナでは、ポジショナの動作モードを手動モードに切り替えたまま運転を再開してしまうことがあり、運転再開時に、調節弁の開度制御ができないという騒ぎになることがあった。また、手動モードでは正しく働かない診断が数多くあり、誤診断してしまうこともあった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、専用の機構や部品を設けずに、ポジショナの動作モードが手動モードであるのか否かを知ることが可能なポジショナの動作モード判定装置および方法を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、入力される電気信号MVに応じてノズル(5a)とフラッパ(5b)との間の隙間(d)を変化させ、固定絞り(7)を介して供給される外部からの空気圧Psをノズル背圧Pnに変換するように構成された電空変換部(2)と、この電空変換部によって変換されたノズル背圧Pnを増幅し調節弁(200)の操作器(21)への出力空気圧Poとするように構成されたパイロットリレー(3)と、出力空気圧Poが電気信号MVの変化に応じて変化することを許す自動モードと出力空気圧Poを電気信号MVに拘わらず空気圧Psの調整によって変化可能とする手動モードとを切り替えるように構成された自動/手動切替スイッチ(6)とを備えたポジショナ(100)の動作モード判定装置(500)であって、少なくとも空気圧Psとノズル背圧Pnに基づいてポジショナの動作モードが手動モードであるか否かを判定するように構成された動作モード判定部(51)を備えることを特徴とする。
この発明では、少なくとも空気圧Psとノズル背圧Pnに基づいて、ポジショナの動作モードが手動モードであるか否かを判定する。例えば、固定絞りを実質的になくすようにしてポジショナの動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるタイプの自動/手動切替スイッチを用いる場合、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しい場合に、ポジショナの動作モードが手動モードであると判定するようにする。
この場合、自動モード時、電気信号MVが100%であるような時にも、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しくなることがあり、このような状態を手動モードと誤判定してしまうことがある。そこで、本発明では、例えば、空気圧Psとノズル背圧Pnと電気信号MVとを監視し、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しく、かつ、その時の電気信号MVが所定の範囲(例えば、90%以下)にある場合に、ポジショナの動作モードが手動モードであると判定するようにする。また、空気圧Psとノズル背圧Pnと電気信号MVとを監視し、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しく、かつ、その時に電気信号MVを変化させた(例えば、開度が応答しない程度に変化させる)場合に、この電気信号MVの変化に応じたノズル背圧Pnの変化が見られなかった場合、ポジショナの動作モードが手動モードであると判定するようにする。
また、本発明において、例えば、ノズルへの空気圧Psの供給を実質的に遮断するようにしてポジショナの動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるタイプの自動/手動切替スイッチを用いる場合、ノズルへの空気圧Psの供給の実質的な遮断時に分断される空気圧Psのフラッパ側の供給路内の圧力をノズル背圧Pnとして監視し、また、このノズル背圧Pnとともに空気圧Psと出力空気圧Poとを監視し、出力空気圧Poが空気圧Psと等しく、ノズル背圧Pnが0の場合に、ポジショナの動作モードが手動モードであると判定するようにする。
なお、上述において、「ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しく」とは、Pn=Psである場合だけではなく、Pn≒Psである場合もその定義に含まれるものである。また、「出力空気圧Poが空気圧Psと等しく」とは、Po=Psである場合だけではなく、Po≒Psである場合もその定義に含まれるものである。また、「ノズル背圧Pnが0」とは、Pn=0である場合だけではなく、Pn≒0である場合もその定義に含まれるものである。
なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の構成要素を、括弧を付した参照符号によって示している。
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも空気圧Psとノズル背圧Pnに基づいてポジショナの動作モードが手動モードであるか否かを判定するようにしたので、専用の機構や部品を設けずに、ポジショナの動作モードが手動モードであるのか否かを知ることが可能となる。これにより、運転再開時に、調節弁の開度制御ができないという騒ぎになったり、誤診断してしまったりするということが避けられる。
図1は、本発明に係るポジショナの動作モード判定装置の一実施の形態(実施の形態1)の要部の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1の動作モード判定装置における動作モード判定部が有する機能を説明するためのフローチャートである。 図3は、本発明に係るポジショナの動作モード判定装置の他の実施の形態(実施の形態2)の要部の構成を示す図である。 図4は、実施の形態2の動作モード判定装置における動作モード判定部が有する機能を説明するためのフローチャートである。 図5は、本発明に係るポジショナの動作モード判定装置の別の実施の形態(実施の形態3)の要部の構成を示す図である。 図6は、実施の形態3におけるノズル背圧Pnの検出箇所を示す図である。 図7は、実施の形態3の動作モード判定装置における動作モード判定部が有する機能を説明するためのフローチャート図である。 図8は、調節弁に付設されたポジショナの一例を示すブロック図である。 図9は、このポジショナにおける電空変換部のノズル・フラッパ機構の要部を示す図である。 図10は、ノズルとフラッパとの間の隙間dとノズル背圧Pnとの関係を示す図である。 図11は、ノズル背圧Pnと出力空気圧Poとの関係を示す図である。 図12は、固定絞りを実質的になくすようにしてポジショナの動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるようにした例を示す図である。 図13は、手動モードへ切り替えた場合のノズルとフラッパとの間の隙間dと出力空気圧Po(ノズル背圧Pn)との関係を示す図である。 図14は、ノズルへの空気圧Psの供給を実質的に遮断するようにしてポジショナの動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるようにした例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1に、本発明に係るポジショナの動作モード判定装置の一実施の形態(実施の形態1)の要部の構成を示す。この動作モード判定装置500は、ポジショナ100に付設されており、動作モード判定部51と表示部52とを備えている。
動作モード判定装置500において、動作モード判定部51は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。なお、表示部51は、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))とされている。
なお、この実施の形態において、ポジショナ100における自動/手動切替スイッチ6は、固定絞り7を実質的になくすようにして、ポジショナ100の動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるタイプ(図12参照)が用いられているものとする。
また、この実施の形態において、ポジショナ100は、出力空気圧Poを検出する圧力センサ4(第1の圧力センサ)に加え、ノズル背圧Pnを検出する圧力センサ8(第2の圧力センサ)と、外部からの空気圧Psを検出する圧力センサ9(第3の圧力センサ)とを備えている。なお、この圧力センサ8,9は、図8では図示するのを省略していたものであり、ポジショナ100に新たに設けたものではない。
また、この実施の形態では、動作モード判定装置500をポジショナ100の外部に設けているが、ポジショナ100の内部に設けるようにしてもよい。例えば、動作モード判定部51を演算部1に設け、この動作モード判定部51を設けた演算部1とは別に、表示部52をポジショナ100内に設けるようにするなどしてもよい。
以下、図2に示すフローチャートを参照しながら、動作モード判定装置500における動作モード判定部51が有する機能について、その処理動作を交えながら説明する。
動作モード判定部51は、圧力センサ9が検出する空気圧Psと、圧力センサ8が検出するノズル背圧Pnと、演算部1からの電空変換部2への電気信号MVとを監視する(ステップS101)。
ここで、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しいことが確認されると(ステップS102のYES)、動作モード判定部51は、電気信号MVがMV≦90%であるか否かを確認する(ステップS103)。なお、ステップS102では、Pn≒Psである場合に、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しいと判断する。
ここで、電気信号MVがMV≦90%であれば(ステップS103のYES)、動作モード判定部51は、ポジショナ100の動作モードが手動モードに切り替えられていると判定し(ステップS104)、その判定結果を表示部52に送り、表示部52の画面上に表示する(ステップS105)。
本実施の形態において、ステップS103を設けず、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しい場合、すぐにポジショナ100の動作モードが手動モードであると判定するようにしてもよい。しかし、この場合、自動モード時、電気信号MVが100%であるような場合(強制全閉全開、または、制御演算の結果として振り切れている可能性もある)でも、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しくなることがあり、このような状態を手動モードと誤判定してしまうことがある。
そこで、本実施の形態では、空気圧Psとノズル背圧Pnと電気信号MVとを監視し、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しく、かつ、その時の電気信号MVが90%以下にある場合に、ポジショナ100の動作モードが手動モードであると判定するようにしている。
すなわち、本実施の形態では、MV≦90%という条件を加えることによって、「自動モードだがMVが高いためにPn≒Ps」となっている状態を除外するようにしている。なお、この例では、MVが高いか否かを判断するための所定の範囲をMV≦90%としているが、MV≦90%に限られるものでないことは言うまでもない。
〔実施の形態2〕
図3に、本発明に係るポジショナの動作モード判定装置の他の実施の形態(実施の形態2)の要部の構成を示す。この動作モード判定装置500(500B)も、実施の形態1の動作モード判定装置500(500A)と同様、動作モード判定部51と表示部52とを備えている。
実施の形態1と実施の形態2とでは、動作モード判定部51が有する機能が異なっている。以下、実施の形態1における動作モード判定部51を51Aとし、実施の形態2における動作モード判定部51を51Bとし、両者を区別する。
なお、この実施の形態2においても、実施の形態1と同様、ポジショナ100における自動/手動切替スイッチ6は、固定絞りを実質的になくすようにしてポジショナ100の動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるタイプ(図12参照)が用いられているものとする。
以下、図4に示すフローチャートを参照しながら、動作モード判定装置500Bにおける動作モード判定部51Bが有する機能について、その処理動作を交えながら説明する。
動作モード判定部51Bは、圧力センサ9が検出する空気圧Psと、圧力センサ8が検出するノズル背圧Pnと、演算部1からの電空変換部2への電気信号MVを監視する(ステップS201)。
ここで、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しいことが確認されると(ステップS202のYES)、動作モード判定部51Bは、調節弁200の開度が変化しない程度に電気信号MVを変化させる(ステップS203)。なお、ステップS202では、Pn≒Psである場合に、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しいと判断する。
ここで、電気信号MVの変化に応じたノズル背圧Pnの変化が見られなかった場合(ステップS204のYES)、動作モード判定部51Bは、ポジショナ100の動作モードが手動モードに切り替えられていると判定し(ステップS205)、その判定結果を表示部52に送り、表示部52の画面上に表示する(ステップS206)。
このようにして、実施の形態2では、空気圧Psとノズル背圧Pnと電気信号MVとを監視し、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しく、かつ、その時に電気信号MVを変化させた場合に、この電気信号MVの変化に応じたノズル背圧Pnの変化が見られなかった場合、ポジショナ100の動作モードが手動モードであると判定する。
すなわち、実施の形態2では、「電気信号MVを変化させた時にノズル背圧Pnが変化しない」という条件を加えることによって、「自動モードだがMVが高いためにPn≒Ps」となっている状態を除外するようにしている。
なお、この例では、ノズル背圧Pnが空気圧Psと等しいことが確認された場合、その時の電気信号MVの大きさに拘わらず、電気信号MVを変化させるようにしているが、その時の電気信号MVが高い場合に限って(例えば、MV>90%)、電気信号MVを変化させるようにしてもよい。
〔実施の形態3〕
図5に、本発明に係るポジショナの動作モード判定装置の別の実施の形態(実施の形態3)の要部の構成を示す。この動作モード判定装置500(500C)も、ポジショナ100に付設されている。
実施の形態3の動作モード判定装置500Cも、実施の形態1,2の動作モード判定装置500A,500Bと同様、動作モード判定部51と表示部52とを備えているが、動作モード判定部51(51C)が有する機能が実施の形態1,2における動作モード判定部51A,51Bとは異なっている。
なお、この実施の形態3において、ポジショナ100における自動/手動切替スイッチ6は、ノズルへの空気圧Psの供給を実質的に遮断するようにしてポジショナ100の動作モードを自動モードから手動モードへ切り替えるタイプ(図14参照)が用いられているものとする。また、圧力センサ8は、図6に示すように、ノズル5aへの空気圧Psの供給路L(L1,L2)の内、この供給路Lの実質的な遮断時に分断される空気圧Psのフラッパ5b側の供給路L2内の圧力をノズル背圧Pnとして検出するものとする。
以下、図7に示すフローチャートを参照しながら、動作モード判定装置500Cにおける動作モード判定部51Cが有する機能について、その処理動作を交えながら説明する。
動作モード判定部51Cは、圧力センサ9が検出する空気圧Psと、圧力センサ8が検出するノズル背圧Pnと、圧力センサ4が検出する出力空気圧Poとを監視する(ステップS301)。
ここで、出力空気圧Poが空気圧Psと等しいことが確認されると(ステップS302のYES)、動作モード判定部51Cは、ノズル背圧Pnが0であるか否かを確認する(ステップS303)。なお、ステップS302では、Po≒Psである場合に、出力空気圧Poが空気圧Psと等しいと判断する。また、ステップS303では、Pn≒0である場合に、ノズル背圧Pnが0であると判断する。
ここで、ノズル背圧Pnが0であることが確認されると(ステップS303のYES)、動作モード判定部51Cは、ポジショナ100の動作モードが手動モードに切り替えられていると判定し(ステップS304)、その判定結果を表示部52に送り、表示部52の画面上に表示する(ステップS305)。
このようにして、実施の形態3では、ノズル5aへの空気圧Psの供給の実質的な遮断時に分断される空気圧Psのフラッパ5b側の供給路L2内の圧力をノズル背圧Pnとして監視し、また、このノズル背圧Pnとともに空気圧Psと出力空気圧Poとを監視し、出力空気圧Poが空気圧Psと等しく、ノズル背圧Pnが0の場合に、ポジショナ100の動作モードが手動モードであると判定する。
この実施の形態3では、パイロットリレー3さえ正常な状態であれば、自動モード時、出力空気圧Poが空気圧Psと等しく、ノズル背圧Pnが0ということはあり得ない(Pn=0ならPo=0である)。したがって、実施の形態1,2のように、電気信号MVを判断条件として加えることなく、出力空気圧Poと空気圧Psとノズル背圧Pnだけで、手動モードに切り替えられていることを確実に判定することができる。
なお、実施の形態1,2では、特殊な場合として、例えば、ノズルフラッパ詰まりが生じているような場合、自動モード時、電気信号MVとは無関係にノズル背圧Pnが空気圧Psと等しくなり、手動モードとの区別がつかないことがある。
これに対し、実施の形態3では、ノズルフラッパ詰まりが生じている場合でも、出力空気圧Poが空気圧Psと等しく、かつノズル背圧Pnが0であることを確認することによって、手動モードに切り替えられていることを確実に判定することができる。なお、Ps=0の場合は、特殊状態として除外すればよい(空気圧Psの異常とする)。
実施の形態3でも、パイロットリレー3の故障まで想定すれば、誤判定の可能性は当然ある。しかし、これまでの経験上、パイロットリレー3の故障はノズルフラッパ詰まり、固定絞り詰まりと比べると格段に小さい。
また、上述した実施の形態1~3では、動作モード判定装置500において、動作モード判定部51での判定結果を表示部52へ送るようにしたが、通信で上位装置へ送るようにするなどしてもよい。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1…演算部、2…電空変換部、3…パイロットリレー、4…圧力センサ(第1の圧力センサ)、5…ノズル・フラッパ機構、5a…ノズル、5b…フラッパ、6…自動/手動切替スイッチ、7…固定絞り、8…圧力センサ(第2の圧力センサ)、9…(第3の圧力センサ)、10…開度センサ、21…操作器、51(51A~51C)…動作モード判定部、52…表示部、100…ポジショナ、200…調節弁、500(500A~500C)…動作モード判定装置。

Claims (8)

  1. 入力される電気信号MVに応じてノズルとフラッパとの間の隙間を変化させ、固定絞りを介して供給される外部からの空気圧Psをノズル背圧Pnに変換するように構成された電空変換部と、この電空変換部によって変換されたノズル背圧Pnを増幅し調節弁の操作器への出力空気圧Poとするように構成されたパイロットリレーと、前記出力空気圧Poが前記電気信号MVの変化に応じて変化することを許す自動モードと前記出力空気圧Poを前記電気信号MVに拘わらず前記空気圧Psの調整によって変化可能とする手動モードとを切り替えるように構成された自動/手動切替スイッチとを備えたポジショナの動作モード判定装置であって、
    少なくとも前記空気圧Psと前記ノズル背圧Pnに基づいて前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであるか否かを判定するように構成された動作モード判定部
    を備えることを特徴とするポジショナの動作モード判定装置。
  2. 請求項1に記載されたポジショナの動作モード判定装置において、
    記動作モード判定部は、前記空気圧Psと前記ノズル背圧Pnと前記電気信号MVとを監視し、前記ノズル背圧Pnが前記空気圧Psと等しく、前記電気信号MVが所定の範囲にある場合に、前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであると判定するように構成されている
    ことを特徴とするポジショナの動作モード判定装置。
  3. 請求項1に記載されたポジショナの動作モード判定装置において、
    記動作モード判定部は、前記空気圧Psと前記ノズル背圧Pnと前記電気信号MVとを監視し、前記ノズル背圧Pnが前記空気圧Psと等しい場合、かつ、前記電気信号MVを変化させた、この電気信号MVの変化に応じた前記ノズル背圧Pnの変化が見られなかった場合、前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであると判定するように構成されている
    ことを特徴とするポジショナの動作モード判定装置。
  4. 請求項1に記載されたポジショナの動作モード判定装置において、
    前記自動/手動切替スイッチは、前記ノズルへの前記空気圧Psの供給を遮断するようにして前記ポジショナの動作モードを前記自動モードから前記手動モードへ切り替えるように構成され、
    前記動作モード判定部は、前記ノズルへの前記空気圧Psの供給の遮断時に分断される前記空気圧Psの前記フラッパ側の供給路内の圧力を前記ノズル背圧Pnとして監視し、また、このノズル背圧Pnとともに前記空気圧Psと前記出力空気圧Poとを監視し、前記出力空気圧Poが前記空気圧Psと等しく、前記ノズル背圧Pnが0の場合に、前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであると判定するように構成されている
    ことを特徴とするポジショナの動作モード判定装置。
  5. 入力される電気信号MVに応じてノズルとフラッパとの間の隙間を変化させ、固定絞りを介して供給される外部からの空気圧Psをノズル背圧Pnに変換するように構成された
    電空変換部と、この電空変換部によって変換されたノズル背圧Pnを増幅し調節弁の操作器への出力空気圧Poとするように構成されたパイロットリレーと、前記出力空気圧Poが前記電気信号MVの変化に応じて変化することを許す自動モードと前記出力空気圧Poを前記電気信号MVに拘わらず前記空気圧Psの調整によって変化可能とする手動モードとを切り替えるように構成された自動/手動切替スイッチとを備えたポジショナの動作モード判定方法であって、
    少なくとも前記空気圧Psと前記ノズル背圧Pnに基づいて前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであるか否かを判定する動作モード判定ステップ
    を備えることを特徴とするポジショナの動作モード判定方法。
  6. 請求項5に記載されたポジショナの動作モード判定方法において、
    記動作モード判定ステップは、前記空気圧Psと前記ノズル背圧Pnと前記電気信号MVとを監視し、前記ノズル背圧Pnが前記空気圧Psと等しく、前記電気信号MVが所定の範囲にある場合に、前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであると判定する
    ことを特徴とするポジショナの動作モード判定方法。
  7. 請求項5に記載されたポジショナの動作モード判定方法において、
    記動作モード判定ステップは、前記空気圧Psと前記ノズル背圧Pnと前記電気信号MVとを監視し、前記ノズル背圧Pnが前記空気圧Psと等しい場合、かつ、前記電気信号MVを変化させた、この電気信号MVの変化に応じた前記ノズル背圧Pnの変化が見られなかった場合、前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであると判定する
    ことを特徴とするポジショナの動作モード判定方法。
  8. 請求項5に記載されたポジショナの動作モード判定方法において、
    前記自動/手動切替スイッチは、前記ノズルへの前記空気圧Psの供給を遮断するようにして前記ポジショナの動作モードを前記自動モードから前記手動モードへ切り替えるように構成され、
    前記動作モード判定ステップは、前記ノズルへの前記空気圧Psの供給の遮断時に分断される前記空気圧Psの前記フラッパ側の供給路内の圧力を前記ノズル背圧Pnとして監視し、また、このノズル背圧Pnとともに前記空気圧Psと前記出力空気圧Poとを監視し、前記出力空気圧Poが前記空気圧Psと等しく、前記ノズル背圧Pnが0の場合に、前記ポジショナの動作モードが前記手動モードであると判定する
    ことを特徴とするポジショナの動作モード判定方法。
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