JP7083209B1 - 型枠用シート及び型枠 - Google Patents

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【課題】離型剤を不要として脱型時の作業効率を大幅に向上し、しかも平坦な表面を有するコンクリート構造物を打設する。【解決手段】型枠用シート10は、吸水性のある吸水層11と、吸水層11からの水分を外部へ排出するための排水層12とが積層されたシート状積層体である。吸水層11は、硬化前のコンクリート混合物に接し、そのコンクリート混合物中の余剰水(水分)を吸水して排水層12へ排出するシート状フィルムである。吸水層11は、その表面が接するコンクリート混合物が硬化して得られるコンクリート構造物の表面を毛羽立ちせずに平滑面とする平滑化機能と、脱型時に硬化後のコンクリート構造物が吸水層11に引っ付かずに容易に剥離できる剥離機能とを併せ持ち、特に剥離機能に優れている。【選択図】 図1

Description

本発明は型枠用シート及び型枠に係り、特にコンクリート打設時に用いる型枠の表面に取り付けられる型枠用シート、及びその型枠用シートが表面に取り付けられた型枠に関する。
コンクリート構造物を製造するコンクリート打設時には、例えば離間配置して固定した複数枚の型枠で囲まれた空間内に流動状のコンクリート混合物を流し込み、その状態でコンクリート混合物が硬化するのを待ってから型枠を外し(脱型し)、硬化したコンクリート混合物をコンクリート構造物として露出させる。このコンクリート打設時において、硬化前の流動状のコンクリート混合物の余剰水が外部に排出されないと、製造されたコンクリート構造物の表面にピンホールやアバタ(気泡)が生じる。
そこで、従来よりコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出させるため、型枠のコンクリート側表面に型枠用シートを取り付け、その型枠用シートを通してコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出させる型枠用シートあるいは型枠が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1記載の型枠用シートは、透水層と通気層と排水層とが積層されており、通気層が透水層上に或る間隔を空けてスポット状に隆起させたスペーサである構造で、透水層側をコンクリートに接するように排気層の裏面を型枠に貼付する。これにより、打設されるコンクリート混合物中の余剰水は透水層に取り込まれ、更に通気層を通ってシートの外部へ排出される。
また、特許文献2に記載の型枠用シートは、熱可塑性を有するテープ状フィルムを織って構成した補強シートを内面に埋設して得られる非吸収性の不織布用繊維を主体とした不織布の表面に不織布用繊維を間に介在させて上記補強用シートと相溶した薄膜を形成し、その薄膜全面に小孔を穿設した構造である。この型枠用シートは型枠に貼付されて使用され、打設したコンクリートの水分が毛管現象によって薄膜の小孔から吸い取られ不織布の下方に排出される。このとき、型枠用シートはポリエチレン製であるため吸水しない。この型枠用シートによれば、耐久性が向上する。
特開2012-255323号公報 特開2000-204756号公報
しかしながら、特許文献1に記載の型枠用シートによれば、コンクリート混合物の表面が透水層に接するが、透水層はポリエステル織布等により構成されており、また裏面に接着された通気層が点状に隆起したスペーサ部から形成されていることもあり、打設されたコンクリート構造物の表面はざらざらしており平滑面ではなく、脱型時にそのままでは型枠用シート表面からコンクリート構造物を剥離するのが極めて困難であり、型枠の繰り返し使用に大きな問題となっていた。
また、特許文献2に記載の型枠用シートでは、コンクリート混合物の表面が接するポリプロピレン製の透水薄膜には小孔が多数穿設された構造であるため、打設されたコンクリート構造物の表面は平滑面ではなく、上記と同様に脱型時にそのままでは型枠用シート表面からコンクリート構造物を剥離するのが極めて困難であり、型枠の繰り返し使用に大きな問題となっていた。
なお、特許文献1及び2に記載の型枠用シートにおいて、硬化コンクリート混合物の型枠用シート表面からの剥離を容易にするために、型枠用シートのコンクリート側表面に予め離型剤を塗布あるいはスプレーで噴射して離型剤層を設けてから流動状のコンクリート混合物を型枠内に充填することも可能である。
しかしながら、この場合は、離型剤層を型枠用シート表面に設けるための作業が必要で作業効率が悪く、また脱型したときにコンクリート構造物の表面に離型剤の一部が付着して残留しているために、その離型剤をコンクリート構造物の表面から削ぎ落とす作業が必要となり、より一層作業効率を悪くしている。更に、コンクリート構造物の表面に全く付着しないような離型剤の市販品は無いため、高品質の剥離を可能とするための専用の離型剤の研究開発のために多大な費用と時間が必要である。また更に、剥離後も打設されたコンクリート構造物の表面はでこぼこしており、完全な平坦面のコンクリート構造物が得られないという問題もある。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、離型剤を不要として脱型時の作業効率を大幅に向上し、しかも平坦な表面を有するコンクリート構造物を打設し得る型枠用シート及びその型枠用シートが取り付けられた型枠を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1発明の型枠用シートは、流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状不織布である吸水層と、吸水層により吸水された流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備えたシート状の排水層とが熱圧着により積層された構造であり、前記排水層が、シート状の吸水性不織布と芯鞘構造のシート状不織布とをニードルパンチ加工により一体化したシート状不織布であり、前記吸水層が、前記熱圧着によりシート状フィルムとされていることを特徴とする。また、上記の目的を達成するため、第2発明の型枠用シートは、前記吸水層と前記排水層とが熱圧着により積層された構造であり、前記排水層が、シート状の吸水性不織布の上に芯鞘構造のシート状不織布又はポリプロピレン若しくはポリエステルのシート状不織布が積層され、その上にシート状のポリエチレン樹脂層が積層され、かつ、親水処理された3層積層構造体であり、前記ポリエチレン樹脂層に接する前記吸水層が前記熱圧着によりシート状フィルムとされていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第3発明の型枠は、型枠本体と、型枠本体の表面に取り付けられた型枠用シートとからなる型枠において、上記型枠用シートは、
流動状のコンクリート混合物に接して流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状フィルムである吸水層と、吸水層により吸水された流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備えたシート状の排水層とが熱圧着により積層された構造であることを特徴とする。また、上記の目的を達成するため、第4発明の型枠は、型枠本体の表面に取り付けられた型枠用シートが、流動状のコンクリート混合物に接して前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状フィルムである吸水層と、前記吸水層により吸水された前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備え親水処理されたシート状の排水層とが熱圧着により積層された構造であり、前記排水層が、シート状の吸水性不織布の上に芯鞘構造のシート状不織布又はポリプロピレン若しくはポリエステルのシート状不織布が積層され、その上にシート状のポリエチレン樹脂層が積層され、かつ、親水処理された3層積層構造体であり、前記ポリエチレン樹脂層に接する前記吸水層が、前記熱圧着によりシート状フィルムとされていることを特徴とする。
本発明によれば、脱型時において、硬化したコンクリート構造物の表面から極めて容易に型枠用シートを離型剤を用いなくても剥離することができ、その結果、型枠用シートの表面に離型層を設ける作業及び打設されたコンクリート構造物表面に残留した離型剤を除去する作業が不要で作業効率を従来に比べて大幅に向上できる。しかも、本発明ではほぼ完全な平坦な表面を有するコンクリート構造物を打設できる。
本発明に係る型枠用シートの第1の実施形態の構造断面図である。 図1中の排水層の一例の作成方法を説明する構造断面図である。 本発明の型枠用シートの作成に用いられる熱圧着装置の一例の概略構成図である。 本発明に係る型枠用シートの第2の実施形態の構造断面図である。 図4中の排水層の一例の構造断面図である。 コンクリート打設時における本発明に係る型枠の一実施形態の断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(型枠用シートの第1の実施形態)
図1は、本発明に係る型枠用シートの第1の実施形態の構造断面図を示す。同図において、本実施形態の型枠用シート10は、吸水性のある吸水層11と、吸水層11からの水分を外部へ排出するための排水層12とが積層されたシート状積層体である。
吸水層11は、硬化前のコンクリート混合物に接し、そのコンクリート混合物中の余剰水(水分)を吸水して排水層12へ排出するシート状フィルムである。吸水層11は、その表面が接するコンクリート混合物が硬化して得られるコンクリート構造物の表面を毛羽立ちせずに平滑面とする平滑化機能と、脱型時に硬化後のコンクリート構造物が吸水層11に引っ付かずに容易に剥離できる剥離機能とを併せ持ち、特に剥離機能に優れている。
吸水層11は、ポリエチレン(PE)のシート状不織布を親水処理した後、後述する排水層12との熱圧着時に溶けることで得られるシート状フィルムである。上記の親水処理は、PEのシート状不織布が疎水性を有し、コンクリート混合物中の余剰水を吸水して通過させにくいため、その疎水性を低減し実用上十分な吸水性を有するための処理である。親水処理は、親水剤を水で希釈した親水処理液に含浸するか、スプレーで塗布する方法により、PEのシート状不織布の表面に親水処理液を被覆する処理方法である。親水剤としては、例えば市販されている非イオン系シリコンポリマーからなる熱架橋型の親水剤を用いることができる。熱架橋型の親水剤による親水処理により、PEのシート状不織布が熱による架橋反応により高分子化して水に溶けない網状の分子構造になるため、シート状不織布の繊維に絡み、流出しにくくなる。
次に、排水層12について説明する。排水層12は、吸水層11を通過して入力されるコンクリート混合物中の余剰水を型枠用シート10の外部へ排出すると共に、コンクリート混合物中のセメント微粒子を適度に保持する排出・保水性と、吸水層11の強度を補強する補強機能とを有している。なお、排水層12は吸水層11より膜厚に構成されていてもよい。
排水層12は、シート状の吸水性不織布と芯鞘構造のシート状不織布とをニードルパンチ加工により一体化したシート状不織布である。ここで、吸水性不織布の素材には、レーヨン、PE、アクリル、パルプなどがある。一方、芯鞘構造のシート状不織布は、芯が高融点の樹脂で、鞘が芯よりも低融点で芯の周りに配置されている樹脂からなる芯鞘構造の繊維を、多数互いに熱融着して得られたシート状の不織布である。
上記の芯としては、機械的強度に優れる高融点ポリエステル、結晶性ポリプロピレン(PP)などの高融点の樹脂がある。また、上記の鞘は、不織布繊維を結合する役割を有し、低融点ポリエステル、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体などの低融点樹脂がある。
上記の吸水性不織布と芯鞘構造のシート状不織布とを一体化するために、ニードルパンチ加工処理するのは、熱融着処理すると熱により吸水層11であるPEからなるシート状不織布が収縮するために用いることができないためである。ニードルパンチ加工では、図2の断面図に示すように、吸水性不織布121と芯鞘構造のシート状不織布122とを積層し、芯鞘構造のシート状不織布122側から多数のニードルを使って吸水性不織布121と芯鞘構造のシート状不織布122とをフェルト状に圧縮一体化して一枚のシート状不織布を排水層12として作製する。なお、排水層12も吸水層11と同様に熱架橋型の親水剤による親水処理することが望ましい。
図3は、型枠用シート10の作製に用いられる熱圧着装置の一例の概略構成図を示す。同図に示すように、熱圧着装置は互いに近接対向配置された同方向に回転する熱ローラ101と樹脂ローラ102とからなる。一方、一定幅で長尺の前述した親水処理されたPE製の第1のシート状不織布Aは、図示しない巻出し機から巻き出されて第1の移動手段(例えばベルトコンベア)により幅方向とは直角方向へ移動して熱ローラ101と樹脂ローラ102との間に進入する。
また、これと同時に、一定幅で長尺の前述した吸水性不織布と芯鞘構造のシート状不織布とを一体化した第2のシート状不織布Bは、図示しない巻出し機から巻き出されて第2の移動手段(例えばベルトコンベア)により幅方向とは直角方向へ移動して第1のシート状不織布Aに積層された後熱ローラ101と樹脂ローラ102との間に進入する。
図3に示すように、熱ローラ101と樹脂ローラ102とは、進入する第1のシート状不織布A及び第2のシート状不織布Bの積層シートを圧着すると共に熱ローラ101側に接する第1のシート状不織布Aを加熱することにより融解させてシート状フィルムとし、かつ、第2のシート状不織布Bに融着(熱圧着)し、両者を熱圧着した積層シートCを作製する。従って、積層シートCは第2のシート状不織布Bの上にシート状フィルムが熱圧着された構造である。
続いて、熱ローラ101と樹脂ローラ102との間から出力されたシート状フィルムと第2のシート状不織布Bとの積層シートCは、図示しない第3の移動手段(例えばベルトコンベア)で移動され、例えば図示しない裁断装置で所望のサイズに裁断されて型枠用シートとして製造される。製造された型枠用シートは、積層シートCのシート状フィルムが吸水層11に相当し、第2のシート状不織布Bが排水層12に相当する、図1の構造の型枠用シート10である。なお、熱ローラ101及び樹脂ローラ102の代わりに、入力される積層シートの表裏両シートを熱融着する公知の熱ロールプレス機を用いることもできる。
(型枠用シートの第2の実施形態)
次に、本発明の型枠用シートの第2の実施形態について説明する。図4は、本発明に係る型枠用シートの第2の実施形態の構造断面図を示す。図4において、本実施形態の型枠用シート20は、剥離性及び吸水性のある吸水層21と、吸水層21からの水分を外部へ排出すると共にコンクリート混合物中のセメント微粒子を適度に保持する排出・保水性を有する排水層22とが積層されたシート状積層体である。吸水層21は第1の実施形態の吸水層11と同じであるが、本実施形態は排水層22の構成に特徴がある。
すなわち、吸水層21は、硬化前のコンクリート混合物に接し、そのコンクリート混合物中の余剰水(水分)を吸水して排水層22へ排出するシート状フィルムであって、ポリエチレン(PE)のシート状不織布を前記の親水処理した後、後述する排水層22との熱圧着時に溶けることで得られるシート状フィルムであり、硬化したコンクリート構造物との剥離性に極めて優れている。
一方、排水層22は、例えば図5の断面図に示す構造である。図5において、排水層22は、シート状の吸水性不織布221、芯鞘構造のシート状不織布222及びシート状のポリエチレン樹脂層223がこの順で積層された積層構造体であり、また親水処理されている。型枠用シート作製時は、図3に示した熱ローラ101と樹脂ローラ102との間に、第2のシート状不織布Bの代わりに図5に示した親水処理したシート状積層体が、親水処理したPE製の第1のシート状不織布Aに重ねられた状態で進入する。このとき、図5に示したシート状積層体である排水層22のポリエチレン樹脂層223の表面に、親水処理されたPE製の第1のシート状不織布Aが圧着されるとともに熱ローラ101により加熱されることにより溶けてシート状フィルムとなり、かつ、排水層22に融着される(熱圧着される)。
そして、熱ローラ101と樹脂ローラ102との間から、上記のシート状フィルムと排水層22との積層シートが出力される。出力された積層シートは適宜所望のサイズに裁断されて排水層22の上面にシート状フィルムが吸水層21として積層された図4の構造の型枠用シート20が製造される。なお、図5において、芯鞘構造のシート状不織布222に代えて、芯鞘構造の芯材であるポリプロピレンやポリエステルのシート状不織布を使用してもよい。
(型枠の実施形態)
次に、本発明の型枠について説明する。図6は、コンクリート打設時における本発明に係る型枠の一実施形態の断面図を示す。同図において、本実施形態の型枠50は、型枠本体51と、接着等の手段で型枠本体51の表面に取り付けられた型枠用シート52とからなる。型枠用シート52は、本発明に係る型枠用シートで、図1の構造の型枠用シート10又は図4の構造の型枠用シート20である。
図6では一例として型枠用シート10を図示しており、型枠用シート10の排水層12の裏面(すなわち、吸水層11とは反対側の面)が型枠本体51の表面に接着等の手段により取り付けられている。コンクリート打設前には、型枠用シート10の吸水層11の表面は空間に面しており、また離型剤による離型層は形成されていない。すなわち、本発明の型枠用シート及び型枠では、型枠用シート52(10)の表面に離型剤は使用しない。
コンクリート打設時には、まず、型枠本体51の表面に型枠用シート52が取り付けられた型枠50を複数個、互いの型枠用シート52が離間対向して囲まれた所望の閉空間の中に、流動状のコンクリート混合物を充填する。これにより、図6に示すように、コンクリート混合物61が型枠用シート52(10)の吸水層11の表面に圧接する。そして、この状態でコンクリート混合物61に含まれている余剰水は図6に矢印で示すように、吸水層11を通過して排水層12に入力され、更にこれより自重で排水層12から型枠50の外部へ排出され、コンクリート混合物61の硬化が進行する。また、コンクリート混合物61に含まれるセメント微粒子は排水層12で適度に保持される。
そして、コンクリート混合物61が硬化するのを待ってから、型枠50を硬化したコンクリート混合物61から取り外し(脱型し)、コンクリート混合物61をコンクリート構造物として露出させる。このとき、型枠用シート52(10)のコンクリート混合物61に接している吸水層11はフィルム状シートであるため、コンクリート構造物の表面を毛羽立ちせずに平滑面とする平滑化機能と、吸水層11に引っ付かずに容易に剥離できる剥離機能とを併せ有しており、特に剥離機能に優れている。
従って、本実施形態の型枠50では脱型時において、硬化したコンクリート構造物の表面から極めて容易に型枠用シート52(10)を離型剤を用いなくても剥離することができ、しかも平坦面のコンクリート構造物が得られる。なお、吸水層11に比べて排水層12の方が膜厚である場合は、コンクリート構造物の表面は、排水層12に起因する問題(表面が極めて小さな凹凸形状の繰り返し面となる問題)を排除できる。
このように、本実施形態によれば、離型剤を不要にできるので、型枠用シートの表面に離型層を設ける作業及び打設されたコンクリート構造物表面に残留した離型剤を除去する作業が不要で作業効率を従来に比べて大幅に向上できる。しかも、本実施形態では平坦面の表面を有するコンクリート構造物を打設できる。
なお、吸水層11を親水処理した芯鞘構造のシート状不織布とすることも考えられるが、その場合は芯鞘構造のシート状不織布が芯鞘型繊維同士を熱融着した構造であり、脱型時にその表面から硬化後のコンクリート構造物に引っ付かずに剥離することが極めて困難であり、離型剤が必須となる(実験により確認済み)。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるのではなく、例えば排水層12、22は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば親水処理はしなくてもよい。また、吸水層11及び排水層12との間、吸水層21及び排水層22との間の接着性を、吸水性及び排水性を阻害することなく高めるため、ホットメルト樹脂層を接着層として設けることが好ましい。この場合は、例えば排水層12となる前記第2のシート状不織布Bの表面にホットメルトパウダーを散布するか、ホットメルト樹脂を塗布した後に第1のシート状不織布Aと重ねた状態で熱ローラ101と樹脂ローラ102の間に進入させる。熱ローラ101と樹脂ローラ102は、進入する第1のシート状不織布A、ホットメルトパウダー(又はホットメルト樹脂)及び第2のシート状不織布Bを積層状態で圧着すると共に熱ローラ101側に接する第1のシート状不織布Aを加熱することにより融解させてシート状フィルムとし、かつ、ホットメルトパウダー(又はホットメルト樹脂)によるホットメルト樹脂層を介して第2のシート状不織布Bに融着(熱圧着)し、それらが熱圧着された積層シートCを作製する。
10、20、52 型枠用シート
11、21 吸水層
12、22 排水層
50 型枠
51 型枠本体
61 コンクリート混合物
101 熱ローラ
102 樹脂ローラ
121、221 吸水性不織布
122、222 芯鞘構造のシート状不織布
223 ポリエチレン樹脂層

Claims (4)

  1. 流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状不織布である吸水層と、
    前記吸水層により吸水された前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と前記流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備えたシート状の排水層と
    が熱圧着により積層された構造であり、前記排水層が、シート状の吸水性不織布と芯鞘構造のシート状不織布とをニードルパンチ加工により一体化したシート状不織布であり、前記吸水層が、前記熱圧着によりシート状フィルムとされていることを特徴とする型枠用シート。
  2. 流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状不織布である吸水層と、
    前記吸水層により吸水された前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と前記流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備えたシート状の排水層と
    が熱圧着により積層された構造であり、前記排水層が、シート状の吸水性不織布の上に芯鞘構造のシート状不織布又はポリプロピレン若しくはポリエステルのシート状不織布が積層され、その上にシート状のポリエチレン樹脂層が積層され、かつ、親水処理された3層積層構造体であり、前記ポリエチレン樹脂層に接する前記吸水層が前記熱圧着によりシート状フィルムとされていることを特徴とする型枠用シート。
  3. 型枠本体と、前記型枠本体の表面に取り付けられた型枠用シートとからなる型枠において、
    前記型枠用シートは、
    流動状のコンクリート混合物に接して前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状フィルムである吸水層と、
    前記吸水層により吸水された前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備え、シート状の吸水性不織布と芯鞘構造のシート状不織布とをニードルパンチ加工により一体化したシート状不織布であるシート状の排水層とが熱圧着により積層され、前記吸水層が、前記熱圧着によりシート状フィルムとされている構造であることを特徴とする型枠。
  4. 型枠本体と、前記型枠本体の表面に取り付けられた型枠用シートとからなる型枠において、
    前記型枠用シートは、
    流動状のコンクリート混合物に接して前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を吸水する機能を備え、熱架橋型の親水剤による親水処理されたポリエチレンのシート状フィルムである吸水層と、
    前記吸水層により吸水された前記流動状のコンクリート混合物中の余剰水を外部へ排出する機能と流動状のコンクリート混合物のセメント微粒子を保持する機能とを備え親水処理されたシート状の排水層と
    が熱圧着により積層された構造であり、前記排水層が、シート状の吸水性不織布の上に芯鞘構造のシート状不織布又はポリプロピレン若しくはポリエステルのシート状不織布が積層され、その上にシート状のポリエチレン樹脂層が積層され、かつ、親水処理された3層積層構造体であり、前記ポリエチレン樹脂層に接する前記吸水層が、前記熱圧着によりシート状フィルムとされていることを特徴とする型枠。
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JP3222305U (ja) * 2019-05-11 2019-07-25 茂 馬場 型枠用シート
JP6737448B1 (ja) * 2019-07-16 2020-08-12 茂 馬場 型枠用積層シート及びそれを取り付けた型枠

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