JP7082002B2 - 電解槽及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解槽及びその使用方法に関する。
電気分解技術を産業に応用することは古くから行われており、例えば、食塩水の電気分解による苛性ソーダ・塩素の製造、次亜塩素酸の製造、アルカリイオン水、オゾン水の製造等多岐にわたっている。これまでも、設備コストの低減、電解効率の向上や装置の耐久性の向上等を目指した種々の提案がなされてきている。
近年、二酸化炭素等の温室効果ガスによる地球温暖化、化石燃料の埋蔵量の減少等の問題を解決するため、再生可能エネルギーを利用した風力発電や太陽光発電等の技術が注目されている。
再生可能エネルギーは、出力が気候条件に依存するため、その変動が非常に大きいという性質がある。そのため、再生可能エネルギーによる発電で得られた電力を一般電力系統に輸送することが常に可能とはならず、電力需給のアンバランスや電力系統の不安定化等の社会的な影響が懸念されている。
そこで、再生可能エネルギーから発電された電力を、貯蔵及び輸送が可能な形に代えて、これを利用しようとする研究が行われている。具体的には、再生可能エネルギーから発電された電力を利用した水の電気分解(電解)により、貯蔵及び輸送が可能な水素を発生させ、水素をエネルギー源や原料として利用することが検討されている。
水素は、石油精製、化学合成、金属精製等の場面において、工業的に広く利用されており、近年では、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションやスマートコミュニティ、水素発電所等における利用の可能性も広がっている。このため、再生可能エネルギーから特に高純度の水素を得る技術の開発に対する期待は高い。
水の電気分解の方法としては、固体高分子型水電解法、高温水蒸気電解法、アルカリ水電解法等がある。この中で、数十年以上前から工業化されていること、大規模に実施することができること、他の水電解装置に比べると安価であること等から、アルカリ水電解は特に有力なものの一つとされている。
しかしながら、アルカリ水電解を今後エネルギーの貯蔵及び輸送のための手段として適応させるためには、前述のとおり出力の変動が大きい電力を効率的且つ安定的に利用して水電解を行うことを可能にする必要がある。そのため、アルカリ水電解用等の電解セルや装置の諸課題を解決することが求められている。
アルカリ水電解において電解電圧を低く抑えて、水素製造の電力原単位を改善するという課題を解決するためには、電解セルの構造として、特に、隔膜と電極との隙間を実質的に無くした構造である、ゼロギャップ構造と呼ばれる構造を採用することが有効なことはよく知られている(特許文献1、2参照)。ゼロギャップ構造では、発生するガスを電極の細孔を通して電極の隔膜側とは反対側に素早く逃がすことによって、電極間の距離を低減しつつ、電極近傍におけるガス溜まりの発生を極力抑えて、電解電圧を低く抑制している。ゼロギャップ構造は、電解電圧の抑制にきわめて有効であり、種々の電解装置に採用されている。
米国特許第4530743号明細書 特開昭59-173281号公報
しかしながら、例えば、変動電源下での使用の場合には電解停止が頻繁に生じることから、電極をより長い期間に亘って使用できるように改良された電解セルが求められていた。
そこで、本発明は、電解停止時に生じる逆電流により、電極が劣化して過電圧が上昇することを抑制することを目的とする。
発明者らは、従来の電解セルにおいては、電解停止時に、電極室に電解液を供給する流路により漏洩電流回路が形成されて、自己放電を生じることを見出した。かかる自己放電は、通電面に流れる電流の向きが、電解時の電流の向きと逆向きであるため、逆電流とも称される。上記逆電流が生じる過程では、電極(陰極及び陽極)が酸化還元され、活性化溶解や体積膨張収縮が生じ、電極が失活して過電圧が上昇するおそれがあることを知見した。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1]
電極室と該電極室に連通する流路と
前記流路を遮断可能な電流遮断弁と、
を備え、
前記流路は、前記電極室の入口側の流路及び出口側の流路を含み、
前記電流遮断弁は、前記入口側の流路及び前記出口側の流路それぞれに設けられていることを特徴とする、電解槽。

前記流路を備え前記電極室に連通するヘッダー、前記流路を備え前記ヘッダーに連通する導管からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに備える、[1]に記載の電解槽。

前記電流遮断弁が絶縁性材料を含む、[1]又は[2]に記載の電解槽。

前記電流遮断弁が設けられている箇所に対応する前記流路の部分が絶縁性材料を含む、[1]~[]のいずれかに記載の電解槽。

前記電流遮断弁が前記流路のうち最も断面積が小さい箇所に設けられる、[1]~[]のいずれかに記載の電解槽。

前記電流遮断弁が手動、ガス圧力、電気エネルギーからなる群から選ばれる少なくとも一つにより駆動される、[1]~[]のいずれかに記載の電解槽。

前記電流遮断弁がボール弁、グローブ弁、ゲート弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、チャッキ弁からなる群から選ばれる少なくとも一つである、[1]~[]のいずれかに記載の電解槽。

[1]~[]のいずれかに記載の電解槽において、電解停止前又は電解停止後に前記電流遮断弁を閉じることを特徴とする、電解槽の使用方法。

電解停止後2時間以内に前記電流遮断弁を閉じる、[]に記載の電解槽の使用方法。
10
電解停止後30秒以内に前記電流遮断弁を閉じる、[]に記載の電解槽の使用方法。
11
電解再開後60秒以内に前記電流遮断弁を開ける、[9]又は[10]に記載の電解槽の使用方法。
本発明によれば、電解停止時に生じる逆電流により、電極が劣化して過電圧が上昇することを抑制することができる。
本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽の一例の全体について示す側面図である。 本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽の一例の電解室、ヘッダー、導管について示す斜視図である。 本実施形態の外部ヘッダー型のアルカリ水電解用複極式電解槽の例を示す平面図である。 本実施形態の外部ヘッダー型の複極式電解槽の側面図の一部を電解液の流れと共に示す断面図である。 本実施形態のアルカリ水電解用電解装置の概要を示す図である。 実施例1~5及び比較例1についての電極の劣化評価の結果を示す。縦軸に電圧上昇値を示し、横軸に通電/停止の繰り返し回数を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(電解槽)
図1に、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽の一例の全体について側面図で示す。
本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50は、特に限定されないが、例えば、図1に示すとおり、陽極2aと、陰極2cと、陽極2aと陰極2cとを隔離する隔壁1と、隔壁1を縁取る外枠3とを備える複数の複極式エレメント60が隔膜4を挟んで重ね合わせられている複極式電解槽50としてよい。
複極式は、多数のセルを電源に接続する方法の1つであり、片面が陽極2a、片面が陰極2cとなる複数の複極式エレメント60を同じ向きに並べて直列に接続し、両端のみを電源に接続する方法である。
複極式電解槽50は、電源の電流を小さくできるという特徴を持ち、電解により化合物や所定の物質等を短時間で大量に製造することができる。電源設備は出力が同じであれば、低電流、高電圧の方が安価でコンパクトになるため、工業的には単極式よりも複極式の方が好ましい。
図2に、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽の一例の電解室、ヘッダー、導管について斜視図で示す。
本実施形態における複極式電解槽50では、電解槽50に電解液が通過する電極室5が画成されており、特に限定されないが、例えば、図2に示すとおり、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電極室5が画成されていてよい。
また、本実施形態における複極式電解槽50は、電極室5に連通するヘッダー10を備え、特に限定されないが、例えば、図2に示すとおり、外枠3の外方にヘッダー10を備えていてよい。
さらに、本実施形態における複極式電解槽50は、ヘッダー10に配液又は集液されたガスや電解液を集める管である導管20が取り付けられていてよい。
本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50は、図2に示すように、電極室と該電極室に連通する流路とを備え、流路に電流遮断弁が設けられていることを特徴とする。
上記構成により、電解槽50の電解セル65への通電が停止された場合に、電流遮断弁を閉じることによって、電極室に電解液を供給する流路により形成される漏洩電流回路を、容易に、迅速に、確実に、遮断して、逆電流の発生を可及的に防止することができる。そのため、本実施形態の電解槽50によれば、電解停止時に生じる逆電流により電極が劣化することを抑制することができる。
本実施形態では、図2に示すように、電流遮断弁が流路を遮断可能なように設けられる。
ここで、「流路を遮断する」とは、上記逆電流の発生をなくす、又は最小化することをいい、具体的には、上記漏洩電流の電流密度を0.1mA/m以下にすることをいう。
図3に、本実施形態の外部ヘッダー型のアルカリ水電解用複極式電解槽の例を平面図で示す。
本実施形態では、電解槽50は、図2、図3に示すように、流路を備え電極室に連通するヘッダー10、流路を備えヘッダー10に連通する導管20をさらに備えていてよく、電流遮断弁は、図2、図3に示すように、ヘッダー10、導管20に設けられていてよい。
本実施形態では、電流遮断弁が絶縁性材料を含むことが好ましい。
本実施形態では、電流遮断弁が設けられている箇所に対応するヘッダーの部分が絶縁性材料を含むことが好ましい。
絶縁性材料としては、詳細には、フッ素ゴム(FKM)、ニトリルゴム(NBR)、テトラフルオロエチレンプロピレンゴム(FEPM)、パーフロロゴム(FFKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)等が挙げられる。
電流遮断弁や上述のヘッダーの部分に用いられる絶縁性材料としては、フッ素ゴム(FKM)、ニトリルゴム(NBR)、テトラフルオロエチレンプロピレンゴム(FEPM)、パーフロロゴム(FFKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられ、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)が好ましい。
本実施形態では、電流遮断弁がヘッダーの流路のうち最も断面積が小さい箇所に設けられることが好ましい。かかる構成によれば、弁設置にかかるコストを低減することができる。
なお、図2に示す例では、ヘッダーの流路の断面積はヘッダーの延在長さに亘って一定であり、電流遮断弁はヘッダーの延在長さに関して任意の位置に設けられている。
本実施形態では、電流遮断弁の駆動は、手動、ガス圧力、電気エネルギー等によりなされてよい。
本実施形態では、電流遮断弁としては、ボール弁、グローブ弁、ゲート弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、チャッキ弁等が挙げられ、ボール弁、ゲート弁が好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電流遮断弁の抵抗としては、各々、好ましくは1Ω以上であり、より好ましくは1kΩ以上であり、さらに好ましくは1MΩ以上である。
電流遮断弁の抵抗率としては、各々、10-1Ω・m以上であり、好ましくは10Ω・m以上であり、更に好ましくは、10Ω・m以上である。
なお、抵抗及び抵抗率は、JIS K6911に準じて測定されるものとする。
以下、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50の主要構成について詳細に説明する。
((複極式エレメント))
一例のアルカリ水電解用複極式電解槽50に用いられる複極式エレメント60は、図1に示すように、陽極2aと陰極2cとを隔離する隔壁1を備え、隔壁1を縁取る外枠3を備えている。より具体的には、隔壁1は導電性を有し、外枠3は隔壁1の外縁に沿って隔壁1を取り囲むように設けられている。
なお、本実施形態では、複極式エレメント60は、通常、隔壁1に沿う所与の方向D1が、鉛直方向となるように、使用してよく、具体的には、図2、図3に示すように隔壁1の平面視形状が長方形である場合、隔壁1に沿う所与の方向D1が、向かい合う2組の辺のうちの1組の辺の方向と同じ方向となるように、使用してよい(図1~図3参照)。そして、本明細書では、上記鉛直方向を電解液通過方向とも称する。
本実施形態では、図1に示すとおり、複極式電解槽50は複極式エレメント60を必要数積層することで構成されている。
図1に示す一例では、複極式電解槽50は、一端からファストヘッド51g、絶縁板51i、陽極ターミナルエレメント51aが順番に並べられ、更に、陽極側ガスケット部分7、隔膜4、陰極側ガスケット部分7、複極式エレメント60が、この順番で並べて配置される。このとき、複極式エレメント60は陽極ターミナルエレメント51a側に陰極2cを向けるよう配置する。陽極側ガスケット部分7から複極式エレメント60までは、設計生産量に必要な数だけ繰り返し配置される。陽極側ガスケット部分7から複極式エレメント60までを必要数だけ繰り返し配置した後、再度、陽極側ガスケット部分7、隔膜4、陰極側ガスケット部分7を並べて配置し、最後に陰極ターミナルエレメント51c、絶縁板51i、ルーズヘッド51gをこの順番で配置される。複極式電解槽50は、全体をタイロッド方式51r(図1参照)や油圧シリンダー方式等の締め付け機構により締め付けることによりー体化され、複極式電解槽50となる。
複極式電解槽50を構成する配置は、陽極2a側からでも陰極2c側からでも任意に選択でき、上述の順序に限定されるものではない。
図1に示すように、複極式電解槽50では、複極式エレメント60が、陽極ターミナルエレメント51aと陰極ターミナルエレメント51cとの間に配置されている。隔膜4は、陽極ターミナルエレメント51aと複極式エレメント60との間、隣接して並ぶ複極式エレメント60同士の間、及び複極式エレメント60と陰極ターミナルエレメント51cとの間に配置されている。
また、本実施形態における複極式電解槽50では、図2、図3に示すとおり、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室5が画成されている。
本実施形態では、特に、複極式電解槽50における、隣接する2つの複極式エレメント60間の互いの隔壁1間における部分、及び、隣接する複極式エレメント60とターミナルエレメントとの間の互いの隔壁1間における部分を電解セル65と称する。電解セル65は、一方のエレメントの隔壁1、陽極室5a、陽極2a、及び、隔膜4、及び、他方のエレメントの陰極2c、陰極室5c、隔壁1を含む。
詳細には、電極室5は、外枠3との境界において、電極室5に電解液を導入する電解液入口5iと、電極室5から電解液を導出する電解液出口5oとを有する。より具体的には、陽極室5aには、陽極室5aに電解液を導入する陽極電解液入口5aiと、陽極室5aから導出する電解液を導出する陽極電解液出口5aoとが設けられる。同様に、陰極室5cには、陰極室5cに電解液を導入する陰極電解液入口5ciと、陰極室5cから導出する電解液を導出する陰極電解液出口5coとが設けられる。
そして、本実施形態における複極式電解槽50は、外枠3の外方に、電極室5に連通するヘッダー10を備える(図2、図3参照)。
図2、図3に示す一例では、複極式電解槽50に、ガスや電解液を配液又は集液する管であるヘッダー10が取り付けられる。詳細には、ヘッダー10は、電極室5に電解液を入れるための入口ヘッダーと電極室5からガスや電解液を出すための出口ヘッダーとからなる。
一例では、隔壁1の端縁にある外枠3の下方に、陽極室5aに電解液を入れる陽極入口ヘッダー10Oaiと、陰極室5cに電解液を入れる陰極入口ヘッダー10Ociとを備えており、また、同様に、隔壁1の端縁にある外枠3の側方に、陽極室5aから電極液を出す陽極出口ヘッダー10Oaoと、陰極室5cから電解液を出す陰極出口ヘッダー10Ocoとを備えている。
また、一例では、陽極室5a及び陰極室5cにおいて、入口ヘッダーと出口ヘッダーとが、電極室5の中央部を挟んで向かい合うように設けられている。
特に、この一例の複極式電解槽50は、複極式電解槽50とヘッダー10とが独立している形式である外部ヘッダー10O型を採用している。
図4に、本実施形態の外部ヘッダー型のアルカリ水電解用複極式電解槽の側面図の一部を電解液の流れと共に示す。
なお、図1~図3に示す複極式電解槽に取り付けられるヘッダー10の配設態様として、代表的には、内部ヘッダー10I型と外部ヘッダー10O型とがあるが、本発明では、いずれの型を採用してもよく、特に限定されない。
さらに、図2、図3に示す一例では、ヘッダー10に、ヘッダー10に配液又は集液されたガスや電解液を集める管である導管20が取り付けられる。詳細には、導管20は、入口ヘッダーに連通する配液管と出口ヘッダーに連通する集液管とからなる。
一例では、外枠3のうちの下方に、陽極入口ヘッダー10Oaiに連通する陽極用配液管20Oaiと、陰極入口ヘッダー10Ociに連通する陰極用配液管20Ociとを備えており、また、同様に、外枠3のうちの側方に、陽極出口ヘッダー10Oaoに連通する陽極用集液管20Oaoと、陰極出口ヘッダー10Ocoに連通する陰極用集液管20Ocoとを備えている。
本実施形態では、陽極室5a及び陰極室5cにおいて、入口ヘッダーと出口ヘッダーとは、水電解効率の観点から、離れた位置に設けられることが好ましく、電極室5の中央部を挟んで向かい合うように設けられることが好ましく、図2、図3に示すように隔壁1の平面視形状が長方形である場合、長方形の中心に関して対称となるように設けられることが好ましい。
通常、図2、図3に示すように、陽極入口ヘッダー10Oai、陰極入口ヘッダー10Oci、陽極出口ヘッダー10Oao、陰極出口ヘッダー10Ocoは、各電極室5に1つずつ設けられるが、本実施形態では、これに限定されず、各電極室5にそれぞれ複数設けられてもよい。
また、通常、陽極用配液管20Oai、陰極用配液管20Oci、陽極用集液管20Oao、陰極用集液管20Ocoは、各電極室5に1つずつ設けられるが、本実施形態では、これに限定されず、複数の電極室5で兼用されてもよい。
なお、図示した例では、平面視で長方形形状の隔壁1と平面視で長方形形状の隔膜4とが平行に配置され、また、隔壁1の端縁に設けられる直方体形状の外枠の隔壁1側の内面が隔壁1に垂直となっているため、電極室5の形状が直方体となっている。しかしながら、本発明において、電極室5の形状は、図示の例の直方体に限定されることなく、隔壁1や隔膜4の平面視形状、外枠3の隔壁1側の内面と隔壁1とのなす角度等により、適宜変形されてよく、本発明の効果が得られる限り、いかなる形状であってもよい。
本実施形態では、ヘッダー10の延在方向は、特に限定されない。
本実施形態では、導管20の延在方向は、特に限定されないが、図2、図3に示す一例のように、本発明の効果を得られやすくする観点から、配液管20Oi(陽極用配液管20Oai、陰極用配液管20Oci)及び集液管20Oo(陽極用集液管20Oao、陰極用集液管20Oco)は、ぞれぞれ、隔壁1に垂直な方向に延びることが好ましく、導管20のいずれもが、隔壁1に垂直な方向に延びることがさらに好ましい。
本実施形態では、電解槽50における流路のどこか一箇所又は複数箇所に、1個又は複数個の電流遮断弁90が設けられていればよく、より具体的には、ヘッダー10Oの一箇所又は複数箇所に、1個又は複数個の電流遮断弁90が設けられていてよく、導管20Oの一箇所又は複数箇所に、1個又は複数個の電流遮断弁90が設けられていてよい。
なお、図2、図3に示す例では、ヘッダー10Oの複数箇所、及び導管20Oの複数箇所に、複数個の電流遮断弁90が設けられている。
また、本実施形態では、電解槽50における流路のうち、入口側の流路及び/又は出口側の流路に電流遮断弁90が設けられていてよく、ヘッダー10Oのうち、入口ヘッダー10Oi及び出口ヘッダー10Ooに電流遮断弁90が設けられていてよく、導管20Oのうち、配液管20Oi及び集液管20Ooに電流遮断弁90が設けられていてよく、ヘッダー20Oの延在方向中央部に1個又は複数個設けられていてもよく、ヘッダー20Oの隣接する配液管20Oi同士の間に1個又は複数個設けられていてもよい。
なお、図2、図3に示す例では、ヘッダー10Oのうち、入口ヘッダー10Oi(陽極入口ヘッダー10Oai及び陰極入口ヘッダー10Oci)に電流遮断弁90が設けられており、出口ヘッダー10Oo(陽極出口ヘッダー10Oao及び陰極出口ヘッダー10Oco)に電流遮断弁90が設けられている。
本実施形態では、複数の電流遮断弁90が、各電解セル65が電気的に独立であるようにすることが可能なように、設けられることが望ましい。
以下、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50の構成要素について詳細に説明する。
また、以下では、本発明の効果を高めるための好適形態についても詳述する。
-隔壁-
本実施形態における隔壁1の形状は、所定の厚みを有する板状の形状としてよいが、特に限定されない。
隔壁1の平面視形状としては、特に限定されることなく、矩形(正方形、長方形等)、円形(円、楕円等)としてよく、ここで、矩形は角が丸みを帯びていてもよい。
なお、隔壁1は、通常、隔壁1に沿う所与の方向D1が、鉛直方向となるように、使用してよく、具体的には、図2、図3に示すように隔壁1の平面視形状が長方形である場合、隔壁1に沿う所与の方向D1が、向かい合う2組の辺のうちの1組の辺の方向と同じ方向となるように、使用してよい。そして、本明細書では、上記鉛直方向を電解液通過方向とも称する。
隔壁1の材料としては、電力の均一な供給を実現する観点から、導電性を有する材料が好ましく、耐アルカリ性や耐熱性といった面から、ニッケル、ニッケル合金、軟鋼、ニッケル合金上にニッケルメッキを施したものが好ましい。
-電極-
本実施形態のアルカリ水電解による水素製造において、エネルギー消費量の削減、具体的には電解電圧の低減は、大きな課題である。この電解電圧は電極2に大きく依存するため、両電極2の性能は重要である。
アルカリ水電解の電解電圧は、理論的に求められる水の電気分解に必要な電圧の他に、陽極反応(酸素発生)の過電圧、陰極反応(水素発生)の過電圧、陽極2aと陰極2cとの電極2間距離による電圧とに分けられる。ここで、過電圧とは、ある電流を流す際に、理論分解電位を越えて過剰に印加する必要のある電圧のことを言い、その値は電流値に依存する。同じ電流を流すとき、過電圧が低い電極2を使用することで消費電力を少なくすることができる。
低い過電圧を実現するために、電極2に求められる要件としては、導電性が高いこと、酸素発生能(或いは水素発生能)が高いこと、電極2表面で電解液の濡れ性が高いこと等が挙げられる。
アルカリ水電解の電極2として、過電圧が低いこと以外に、再生可能エネルギーのような不安定な電流を用いても、電極2の基材及び触媒層の腐食、触媒層の脱落、電解液への溶解、隔膜4への含有物の付着等が起きにくいことが挙げられる。
陽極及び陰極の導電性基材の構造は、担体として比表面積を確保すること、及び、脱泡性を両立する観点で、メッシュ構造であることが好ましい。前記導電性基材の材質は、ニッケル鉄、バナジウム、モリブデン、銅、銀、マンガン、白金族、黒鉛及びクロム等からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。二種以上の金属からなる合金又は、二種以上の導電性物質の混合物を導電性基材に用いてもよい。金属ニッケルを導電性基材に用いるのが好ましい。
--陽極--
陽極2aは、導電性基材と、導電性基材を被覆する触媒層と、を備え、触媒層は多孔質体であることが好ましい。なお、触媒層は導電性基材の表面全体を被覆していることが好ましい。
陽極の触媒層は元素として、アルカリに対する耐久性と、酸素発生に対する活性が高い点で、ニッケルを含むことが好ましい。触媒層は、酸化ニッケル、金属ニッケル、水酸化ニッケル及びニッケル合金から選ばれる少なくとも一種のニッケル化合物を含むことが好ましい。
--陰極--
陰極2cとしては、特に限定されない。Ru-La-Pt系、Ru-Ce系、Pt-Ce系、及びPt-Ir系、Ir-Pt-Pd系、Pt-Ni系からなる群から選択される少なくとも一種のPt族化合物を含むことが好ましい。また、熱分解型活性陰極であることが好ましい。前記陰極の基材の構造は、担体として比表面積を確保すること、及び、脱泡性を両立する点で、メッシュ構造であることが好ましい。
陰極の触媒層は元素として、アルカリに対する耐久性と、水素発生に対する活性が高い点で、ニッケルを含むことが好ましい。触媒層は、酸化ニッケル、金属ニッケル、水酸化ニッケル及びニッケル合金から選ばれる少なくとも一種のニッケル化合物を含むことが好ましい。
-外枠-
本実施形態における外枠3の形状は、隔壁1を縁取ることができる限り特に限定されない。
-隔膜-
本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50において用いられる隔膜4としては、イオンを導通しつつ、発生する水素ガスと酸素ガスを隔離するために、イオン透過性の隔膜4が使用される。このイオン透過性の隔膜4は、イオン交換能を有するイオン交換膜と、電解液を浸透することができる多孔膜が使用できる。このイオン透過性の隔膜4は、ガス透過性が低く、イオン伝導率が高く、電子電導度が小さく、強度が強いものが好ましい。
-電極室-
本実施形態における複極式電解槽50では、図2に示すとおり、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室5が画成されている。
-ガスケット-
本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50では、隔壁1を縁取る外枠3同士の間に隔膜4を有するガスケット7が挟持されることが好ましい。
ガスケット7は、複極式エレメント60と隔膜4の間、複極式エレメント60間を電解液と発生ガスに対してシールするために使用され、電解液や発生ガスの電解槽外への漏れや両極室間におけるガス混合を防ぐことができる。
-ヘッダー-
アルカリ水電解用複極式電解槽50は、電解セル65毎に、陰極室5c、陽極室5aを有する。電解槽50で、電気分解反応を連続的に行うためには、各電解セル65の陰極室5cと陽極室5aとに電気分解によって消費される原料を十分に含んだ電解液を供給し続ける必要がある。
電解セル65は、複数の電解セル65に共通するヘッダー10と呼ばれる電解液の給排配管と繋がっている。一般に、陽極用配液管は陽極入口ヘッダー10ai、陰極用配液管は陰極入口ヘッダー10ci、陽極用集液管は陽極出口ヘッダー10ao、陰極用集液管は陰極出口ヘッダー10coと呼ばれる。電解セル65はホース等を通じて各電極用配液管及び各電極用集液管と繋がっている。
ヘッダー10の材質は特に限定されないが、使用する電解液の腐食性や、圧力や温度等の運転条件に十分耐えうるものを採用する必要がある。ヘッダー10の材質に、鉄、ニッケル、コバルト、PTFE、ETFE,PFA、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等を採用しても良い。
本実施形態において、電極室5の範囲は、隔壁1の外端に設けられる外枠3の詳細構造により、変動するところ、外枠3の詳細構造は、外枠3に取り付けられるヘッダー10(電解液を配液又は集液する管)の配設態様により異なることがある。複極式電解槽50のヘッダー10の配設態様としては、内部ヘッダー10I型及び外部ヘッダー10O型が代表的である。
本実施形態では、電流遮断弁の設置が容易であることから、外部ヘッダー10O型が好ましい。
-外部ヘッダー-
外部ヘッダー10O型とは、複極式電解槽50とヘッダー10(電解液を配液又は集液する管)とが独立している形式をいう。
外部ヘッダー10O型複極式電解槽50は、陽極入口ヘッダー10Oaiと、陰極入口ヘッダー10Ociとが、電解セル65の通電面に対し、垂直方向に、電解槽50と並走する形で、独立して設けられる。この陽極入口ヘッダー10Oai及び陰極入口ヘッダー10Ociと、各電解セル65が、ホースで接続される。
外部ヘッダー10O型複極式電解槽50に外在的に接続される、陽極入口ヘッダー10Oaiと、陰極入口ヘッダー10Ociと、陽極出口ヘッダー10Oaoと、陰極出口ヘッダー10Ocoを総称して、外部ヘッダー10Oと呼ぶ。
外部ヘッダー10O型の例では、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの下方に位置する部分に設けられたヘッダー10用貫通孔に、管腔状部材が設置され、管腔状部材が、陽極入口ヘッダー10Oai及び陰極入口ヘッダー10Ociに接続されており、また、同様に、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの上方に位置する部分に設けられたヘッダー10用貫通孔に、管腔状部材(例えば、ホースやチューブ等)が設置され、かかる管腔状部材が、陽極出口ヘッダー10Oao及び陰極出口ヘッダー10Ocoに接続されている。
(アルカリ水電解用電解装置)
図5に、本実施形態のアルカリ水電解用電解装置の概要を示す。
本実施形態の複極式水電解槽を、他の要素も含む電解装置にして、水素製造装置として使用することで、電解効率が高い水素製造装置が提供できる。
本実施形態のアルカリ水電解用電解装置は、少なくとも、本実施形態の複極式水電解槽50、気液分離タンク72(水素分離タンク72h、酸素分離タンク72o)、電解液循環ポンプ71、水投入ポンプ73、電気分解用の電力供給用の整流器74を具備する。
本実施形態のアルカリ水電解用電解装置70は、上記以外にも、酸素濃度計75、水素濃度計76、流量計77、圧力計78、熱交換器79、圧力制御弁80を備えてよい。
本実施形態のアルカリ水電解用電解装置70によれば、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽50の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、再生可能エネルギー等の変動電源での運転時に、高効率での水素製造を実現することが可能となり、電力供給を停止した際に生じる自己放電を低減して、電気制御システムの安定化が可能となる。
(電解槽の使用方法)
本実施形態の電解槽の使用方法は、本実施形態の電解槽において、電解停止前に又は電解停止後に電流遮断弁を閉じることを特徴とする。
本実施形態では、電解停止前に逆電流が流れるため、電解停止前又は電解停止後速やかに電流遮断弁を閉じることが、逆電流を抑制するうえで好ましく、具体的には、電解停止後2時間以内に電流遮断弁を閉じることが好ましい。
ここで、「電解停止」とは、通電させる電流が0.1mA/m以下になった時点をいい、好適には0(ゼロ)になった時点をいう。
また、電流遮断弁を閉じるタイミングは、より好ましくは電解停止後5分以内であり、さらに好ましくは電解停止後5秒以内である。
また、電解液を循環させた状態で電流遮断弁を閉止することによって発生するウォーターハンマー現象を抑制するために、電解液の循環が停止し電解液の内部状態が定常化したタイミングで電流遮断弁を閉じることが、好ましい。
本実施形態では、通電を再開した後には弁を開放しないと電解液の過加熱を招くことから、電解再開後2時間以内に電流遮断弁を開けることが好ましい。
ここで、「電解再開」とは、通電させる電流が0(ゼロ)超になった時点とすることが好ましい。
また、電流遮断弁を開けるタイミングは、より好ましくは電解再開後1時間以内であり、より好ましくは30分以内であり、更に好ましくは5秒以内である。
また、電流遮断弁を開けるタイミングは、電解再開前であってもよい。
本実施形態では、本発明の効果を高める観点から、電流遮断弁90を閉じる操作は、電解槽50に設けられた複数の電流遮断弁90に対して同時に行われることが好ましく、電解槽50に設けられた全ての電流遮断弁90に対して同時に行われることがより好ましい。
本実施形態において用いられる電解液としては、アルカリ塩が溶解されたアルカリ性の水溶液としてよく、例えば、NaOH水溶液、KOH水溶液等が挙げられる。
アルカリ塩の濃度としては、20質量%~50質量%が好ましく、25質量%~40質量%がより好ましい。
本実施形態では、イオン導電率、動粘度、冷温化での凍結の観点から、25質量%~40質量%のKOH水溶液が特に好ましい。
本実施形態の電解槽の使用方法において、上記本発明の効果を高める観点から、電極室当たりの電解液の流量Qは、電極室5のサイズに応じて制御されるものであるが、1×10-7/秒~1×10-2/秒であることが好ましく、1×10-6/秒~1×10-3/秒であることがさらに好ましい。
電解液の動粘度νは、電解液の種類、濃度、温度によって決まるものである。
本実施形態の電解槽の使用方法において、本発明の効果を好適に得る観点からは、電解セル65内にある電解液の温度が室温~150℃であることが好ましく、80℃~130℃であることがさらに好ましい。
本実施形態の電解槽の使用方法において、電解セル65に与える電流密度としては、通常30kA/m以下であってよい。一定の電流密度での運転でもよく、電流密度が変動する運転でもよい。
本実施形態の電解槽の使用方法において、電解セル65内の圧力としては、電解セル65の設計圧力の範囲で実施することができる。
以上、図面を参照して、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽、本実施形態のアルカリ水電解用複極式電解槽の使用方法について例示説明したが、本発明のアルカリ水電解用複極式電解槽、アルカリ水電解用複極式電解槽の使用方法は、上記の例に限定されることはなく、上記実施形態には、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(電解装置の構成)
電解装置の構成は図5に示す通りとした。
電解槽は、図3及び図4に示す外部ヘッダー10O型の電解槽でセル数を10枚とした。
電解槽に用いたヘッダーは流路の断面積が同じものとし、電解槽に用いた導管は流路の断面積が同じものとした。
電流遮断弁の型式は、ダイヤフラム弁又はボール弁とし、ダイヤフラム弁又はボール弁を構成する材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)であった。
ボール弁について、抵抗は1MΩ以上であり、抵抗率は10Ω・mであった。
ダイヤフラム弁について、抵抗は1MΩ以上であり、抵抗率は10Ω・mであった。
電流遮断弁の設置方法は後述の通りとした。
電流遮断弁は、陽極入口ヘッダー(陽極入口側ホース)10Oai、陽極出口ヘッダー(陽極出口側ホース)10Oao、陰極入口ヘッダー(陰極入口側ホース)10Oci、陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)10Ocoに各ホース毎に各々1箇所に設置した(図3参照)。
また、電流遮断弁は、陽極用配液管20Oai、陽極用集液管20Oao、陰極用配液管20Oci、陰極用集液管20Ocoにおいて、配液管の入口部及び中央部、集液管の出口部及び中央部に、各々1個ずつ設置した(図4参照)。
<電解装置の運転>
電解装置を25質量%のKOH水溶液を電極室当たりの電解液の流量1×10-3/秒となるように図5に示す電解液循環ポンプを調節して運転を行った。また、図5の熱交換器を利用して電解液循環時の液温度を80℃に保った。
図3の複極式エレメント60へは、図5の整流器74より、電流密度を8kA/mとして通電して電解を行った。通電は、12時間連続通電と12時間通電停止とを繰り返す方法で行い、連続通電と通電停止時とは必要に応じて、設置した遮断弁を各々開(通電時)、閉(停止時)した。
<実施例における電流遮断弁の条件>
実施例で使用した電流遮断弁の種類や実際に遮断の開閉を行った場所、電流遮断弁の開閉のタイミングは、下記表1の通りである。
なお、本実施例においては、電解停止は、通電させる電流が0(ゼロ)の時点とした。
Figure 0007082002000001
<電極の劣化評価>
次に、電極の劣化評価の方法について説明する。
複極式エレメント60には、陽極及び陰極にエレメント毎に電圧測定用の端子がつけられており、通電を行う毎に通電開始10時間後の各エレメントの電圧を測定して平均値を算出した。連続通電と通電停止とを繰り返す毎に算出した電圧は少しずつ上昇を続けた。その上昇値により、電解槽の電極(陽極及び陰極)の劣化の程度を、次の評価基準により評価した。
○:電圧上昇値30mV未満、電極の劣化なし
×:電圧上昇値30mV以上、電極の劣化あり
実施例1~5について、繰り返し回数毎の電圧上昇値(数値の単位はmV)の測定結果を下記表2に示す。
また、比較例1として、設置した全ての遮断弁の開閉を行わずに、連続通電と通電停止とを繰り返した場合の電圧上昇値の測定結果も合わせて示した。
図6に、実施例1~5及び比較例1についての電極の劣化評価の結果を示す。縦軸に電圧上昇値を示し、横軸に通電/停止の繰り返し回数を示す。
Figure 0007082002000002
また、表2に示した電圧上昇値について上述の評価基準に従って評価した結果を下記表3に示す。
Figure 0007082002000003
表3に示した通り、比較例1は連続通電と通電停止との繰り返し回数が400回を超えた時点で電極の劣化が認められる結果となった。比較例1は遮断弁を使用していないため、水電解装置の通電/停止の繰り返し運転において、電流遮断弁を開閉する効果は大きいといえる。
また、表3より、通電と停止の繰り返し運転を長期に亘り行うと、電流遮断弁を閉とするタイミングを2秒と早めにする方が、60秒と遅めにするよりも、電極の劣化が少ないことがわかる。
本発明によれば、電解停止時に生じる逆電流により、電極が劣化して過電圧が上昇することを抑制することができる。
1 隔壁
2 電極
2a 陽極
2c 陰極
2e 導電性弾性体
2r 集電体
3 外枠
4 隔膜
5 電極室
5a 陽極室
5c 陰極室
5i 電解液入口
5o 電解液出口
5ai 陽極電解液入口
5ao 陽極電解液出口
5ci 陰極電解液入口
5co 陰極電解液出口
6 整流板
6a 陽極整流板(陽極リブ)
6c 陰極整流板(陰極リブ)
7 ガスケット
10 ヘッダー
10I 内部ヘッダー
10O 外部ヘッダー
10Oai 陽極入口ヘッダー(陽極入口側ホース)
10Oao 陽極出口ヘッダー(陽極出口側ホース)
10Oci 陰極入口ヘッダー(陰極入口側ホース)
10Oco 陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)
20 導管
20Oai 陽極用配液管
20Oao 陽極用集液管
20Oci 陰極用配液管
20Oco 陰極用集液管
50 複極式電解槽
51g ファストヘッド、ルーズヘッド
51a 陽極ターミナルエレメント
51c 陰極ターミナルエレメント
51i 絶縁板
51r タイロッド
60 複極式エレメント
65 電解セル
70 電解装置
71 電解液循環ポンプ
72 気液分離タンク
72h 水素分離タンク
72o 酸素分離タンク
73 水投入ポンプ
74 整流器
75 酸素濃度計
76 水素濃度計
77 流量計
78 圧力計
79 熱交換器
80 圧力制御弁
90 電流遮断弁
D1 隔壁に沿う所与の方向(電解液通過方向)
S1 複極式エレメントの通電面の面積
S2 ヘッダーの流路の断面積
L2 ヘッダーの流路の長さ
Z ゼロギャップ構造
d 電解セルの厚さ

Claims (11)

  1. 電極室と該電極室に連通する流路と
    前記流路を遮断可能な電流遮断弁と、
    を備え、
    前記流路は、前記電極室の入口側の流路及び出口側の流路を含み、
    前記電流遮断弁は、前記入口側の流路及び前記出口側の流路それぞれに設けられていることを特徴とする、電解槽。
  2. 前記流路を備え前記電極室に連通するヘッダー、前記流路を備え前記ヘッダーに連通する導管からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに備える、請求項1に記載の電解槽。
  3. 前記電流遮断弁が絶縁性材料を含む、請求項1又は2に記載の電解槽。
  4. 前記電流遮断弁が設けられている箇所に対応する前記流路の部分が絶縁性材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の電解槽。
  5. 前記電流遮断弁が前記流路のうち最も断面積が小さい箇所に設けられる、請求項1~のいずれか一項に記載の電解槽。
  6. 前記電流遮断弁が手動、ガス圧力、電気エネルギーからなる群から選ばれる少なくとも一つにより駆動される、請求項1~のいずれか一項に記載の電解槽。
  7. 前記電流遮断弁がボール弁、グローブ弁、ゲート弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、チャッキ弁からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1~のいずれか一項に記載の電解槽。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の電解槽において、電解停止前又は電解停止後に前記電流遮断弁を閉じることを特徴とする、電解槽の使用方法。
  9. 電解停止後2時間以内に前記電流遮断弁を閉じる、請求項に記載の電解槽の使用方法。
  10. 電解停止後30秒以内に前記電流遮断弁を閉じる、請求項に記載の電解槽の使用方法。
  11. 電解再開後60秒以内に前記電流遮断弁を開ける、請求項9又は0に記載の電解槽の使用方法。
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