JP2014095128A - 電解システム及び電解システムの電気絶縁方法 - Google Patents

電解システム及び電解システムの電気絶縁方法 Download PDF

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Abstract

【課題】逆電流の発生を抑制できる電解システム及び電解システムの電気絶縁方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の電解セル2と、複数の電解セル2に陽極液又は陰極液を供給するための陽極液供給管10及び陰極液供給管11と、複数の電解セル2の各々に設けられ、電解セル2と陽極液供給管10又は陰極液供給管11とを接続する陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17と、を備える電解システム1の電気絶縁方法であって、複数の電解セル2の通電が停止される場合に、陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17を電気絶縁する。
【選択図】図5

Description

本発明は、化合物の電気分解を行う電解システム及び電解システムの電気絶縁方法に関する。
電解システムは、電気分解(電解)によって化合物を所定の物質等を製造するために用いられ、電気分解の方法としては、水銀法や、隔膜法による電解が挙げられる。近年では、電気効率の良いイオン交換膜法が主に用いられている(特許文献1参照)。
イオン交換膜法を行う電解システムでは、陽極を取付けた陽極室と陰極を取付けた陰極室を備えた複数の電解セルが用いられ、各電解セルはイオン交換膜を介して直列に並べられている。これらの電解セルでは、アルカリ金属塩化物水溶液等の陽極液を陽極室に供給すると共に、アルカリ金属水酸化物水溶液等の陰極液を陰極室に供給し、陽極及び陰極の間に電圧をかけることで電気分解が行われる。
電解システムは、複数の電解セル2に共通する陽極液供給管、陰極液供給管、陽極液回収管、陰極液回収管を有しており、各電解セル2はホースを通じて各供給管及び各回収管と繋がっている。複数の電解セル2は、陽極液又は陰極液で満たされたホースと、共通の供給管又は回収管を介して電気的に接続されている。
特開平10―99861号公報
ところで、上述した電解システムでは、電解セルに対する通電を停止する際、直列に接続された電解セル内で起電力が生じることにより逆電流が引き起こされる。逆電流が生じると、電極表面の触媒層が溶出したり、陰極が酸化により劣化するという問題が生じる。
そこで、本発明は、逆電流の発生を抑制できる電解システム及び電解システムの電気絶縁方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複数の電解セルと、複数の電解セルに原液を供給するための共通供給流路と、複数の電解セルの各々に設けられ、電解セルと共通供給流路とを接続するセル供給流路と、を備える電解システムの電気絶縁方法であって、複数の電解セルの通電が停止される場合に、セル供給流路を電気絶縁することを特徴とする。
本発明に係る電解システムの電気絶縁方法によれば、複数の電解セルを備える電解システムにおいて電解セルに対する通電が停止される場合に、各電解セルと共通供給流路とを繋ぐセル供給流路を電気絶縁することで、複数の電解セル間で形成される電気回路を遮断し、逆電流の発生を抑制することができる。また、この方法によれば、原液の遮断が比較的容易なセル供給流路を電気絶縁させることで、簡素な構成で逆電流の発生を抑制することができ、逆電流の対策コストを抑えることができる。
また、本発明に係る電解システムの電気絶縁方法においては、セル供給流路内に絶縁媒体を入れることで、セル供給流路を電気絶縁してもよい。
この方法によれば、絶縁性の気体や液体等の絶縁媒体を入れることでセル供給流路内の原液を電気的に遮断することができるので、バルブ等で機械的に遮断する場合と比べて低コストで電気絶縁を達成することができる。絶縁媒体として使用する気体及び液体は、絶縁性の高いものであるほどセル供給流路を確実に電気絶縁できるため好ましい。
更に、本発明に係る電解システムの電気絶縁方法においては、絶縁媒体は気体であってもよい。
この場合、絶縁媒体として気体を採用することにより、液体等と比べてセル供給流路内への導入を短時間で行うことができるので、迅速な電気絶縁を達成することができる。
また、本発明に係る電解システムの電気絶縁方法においては、共通供給流路に気体を供給し、セル供給流路内にガス溜まりを形成することで、セル供給流路を電気絶縁してもよい。
この方法によれば、共通供給流路に気体を供給することにより、各々のセル供給流路内にガス溜まりを形成してセル供給流路内の原液を電気的に遮断することができるので、セル供給流路ごとに電気絶縁を行う場合と比べて、操作を大幅に簡素化することができる。また、この方法によれば、全ての電解セルにおける電気絶縁を短時間で行うことができ、例えば停電時における緊急対応において非常に有効である。
本発明に係る電解システムは、複数の電解セルと、複数の電解セルに原液を供給するための共通供給流路と、複数の電解セルの各々に設けられ、電解セルと共通供給流路とを接続するセル供給流路と、セル供給流路を電気絶縁する絶縁手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る電解システムによれば、複数の電解セルを備える電解システムにおいて電解セルに対する通電が停止される場合に、各電解セルと共通供給流路とを繋ぐセル供給流路を電気絶縁することで、複数の電解セル間に電気回路が形成されることで発生する逆電流を抑制することができる。
本発明に係る電解システムにおいて、絶縁手段は、セル供給流路内に絶縁媒体を入れることでセル供給流路を電気絶縁してもよい。
この電解システムによれば、絶縁性の気体や液体等の絶縁媒体を入れることでセル供給流路内の原液を電気的に遮断することができるので、バルブ等で機械的に遮断する場合と比べて低コストで電気絶縁を達成することができる。
本発明に係る電解システムにおいて、絶縁媒体は気体であってもよい。
この場合、絶縁媒体として気体を採用することにより、液体等と比べてセル供給流路内への導入を短時間で行うことができるので、迅速な電気絶縁を達成することができる。この気体は、絶縁性の高いものであるほど好ましい。
本発明に係る電解システムにおいて、絶縁手段は、共通供給流路に気体を供給するガス供給手段を有し、共通供給流路に供給された気体がセル供給流路内にガス溜まりを形成することで、セル供給流路を電気絶縁してもよい。
この電解システムによれば、共通供給流路に気体を供給することにより、各々のセル供給流路内にガス溜まりを形成してセル供給流路内の原液を電気的に遮断することができるので、セル供給流路ごとに電気絶縁を行う場合と比べて、操作を大幅に簡素化することができる。また、この電解システムによれば、全ての電解セルにおける電気絶縁を短時間で行うことができ、例えば停電時における緊急対応において非常に有効である。
本発明によれば、逆電流の発生を抑制できる電解システム及び電解システムの電気絶縁方法を提供できる。
本発明に係る電解システムの一実施形態を示す斜視図である。 電解セルの構成を説明するための正面図である。 陽極液供給ホースを説明するための図である。 気体供給時の陽極液供給ホースを説明するための図である。 ガス溜まり形成時の陽極液供給ホースを説明するための図である。 他の形状の陽極液供給ホースを説明するための図である。 他の実施形態の電解システムにおける陽極液供給ホースを説明するための図である。 更に他の実施形態の電解システムにおける陽極液供給ホースを説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(電解システムの構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る電解システム1は、複数の電解セル2を用いる複極式イオン交換膜法の電解システムである。複数の電解セル2は、一対の支持レール3に沿って直列に並べられており、電解セル2の左右両側に設けられた引掛け部4が支持レール3に掛けられることで支持されている。図1では、例示として四枚の電解セル2を示しているが、本発明において電解セル2の枚数は特に限定されない。
(電解セルの構成)
図2は、電解セル2の構成を説明するための正面図である。図2に示す電解セル2の内部には、陽極が取付けられた陽極室と陰極が取付けられた陰極室とが隔壁を介して背中合わせに配置されている。なお、図2では陽極室及び陰極室の図示を省略している。
複数の電解セルの間には、イオン交換膜が配置されている。複極式イオン交換膜法では、電解セル2の陽極室と隣り合う電解セル2の陰極室との間にイオン交換膜を介在させて単位電解槽を形成し、陽極室に陽極液(原液)を供給すると共に陰極室に陰極液(原液)を供給した状態で陽極と陰極の間に電圧をかけることにより電気分解(電解)を行う。例えば、アルカリ金属塩電解を行う場合には、陽極液としてアルカリ金属塩化物水溶液等が陽極室に供給され、陰極液としてアルカリ金属水酸化物水溶液等が陰極室に供給される。
電解セル2には、陽極室に陽極液を供給する陽極液入口5、陰極室に陰極液を供給する陰極液入口6、陽極室から陽極液や生成ガスを排出する陽極液出口8、及び陰極室から陰極液や生成ガスを排出する陰極液出口7が形成されている。
本実施形態に係る電解セル2では、図2に示す正面方向から見て、陽極液入口5は電解セル2の左側下部に形成され、陰極液入口6は電解セル2の右側下部に形成されている。また、陽極液出口8は電解セル2の右側上部に形成され、陰極液出口7は電解セル2の左側上部に形成されている。
(供給管及び回収管の構成)
図1及び図2に示されるように、電解システム1には、電解セル2に陽極液を供給するための陽極液供給管10、電解セル2に陰極液を供給するための陰極液供給管11、電解セル2から陽極液等を回収するための陽極液回収管13、電解セル2から陰極液等を回収するための陰極液回収管12が設けられている。陽極液供給管10、陰極液供給管11、陽極液回収管13、及び陰極液回収管14は、複数の電解セル2の配列方向に沿って延びる配管であり、複数の電解セル2の共通の流路として機能する。
陽極液供給管10は、複数の電解セル2の各陽極室に陽極液を供給するための配管であり、電解セル2より低い位置に設けられている。陽極液供給管10は、電解セル2へ向かって斜め上方45°に開口する供給口14を有しており、この供給口14と電解セル2の陽極液入口5とは陽極液供給ホース15によって接続されている。陽極液供給ホース15について詳しくは後述する。
同様に、陰極液供給管11は、複数の電解セル2の各陰極室に陰極液を供給するための配管であり、電解セル2より低い位置に設けられている。陰極液供給管11は、電解セル2へ向かって斜め上方45°に開口する供給口16を有しており、この供給口16と電解セル2の陰極液入口6とは陰極液供給ホース17によって接続されている。なお、供給口14,16の開口方向は、斜め上方45°に限られず、真上や水平方向に開口してもよい。
陽極液供給管10及び陰極液供給管11は、ほぼ水平に設けられていることが望ましい。後に説明する絶縁ガスを供給する際に、絶縁ガスを複数本の陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17にそれぞれ均等に供給することができる。
なお、陽極液供給管10をほぼ水平に設けることができない場合であっても、設置後の姿勢において、複数の供給口14の内側の開口(陽極液供給ホース15と反対側の開口)の中心位置の高低差(鉛直方向における高さの差)をできるだけ小さくなるように陽極液供給管10を構成することで、ほぼ水平にした場合と同様の効果を得ることができる。
例えば、陽極液供給官10の設置後の姿勢にかかわらず、供給口14の内径が12mm、開口方向が斜め上方45°である場合に、複数の供給口14の陽極液供給管10内側の開口の中心位置の高低差を10mm以内とすることで複数本の陽極液供給ホース15にそれぞれ均等に絶縁ガスを供給することができることを確認している。
同様に、陰極液供給管11についても、設置後の姿勢において、供給口16の内径が12mm、開口方向が斜め上方45°である場合に、複数の供給口16の陰極液供給管11内側の開口(陰極液供給ホース17と反対側の開口)の中心位置の高低差を10mm以内とすることで、ほぼ水平にした場合と同様の効果を得ることができる。
電解セル2では、陽極液供給管10を流れる陽極液が供給口14から陽極液供給ホース15に流れ込み、陽極液入口5を通じて陽極室内に供給される。また、陰極液供給管11を流れる陰極液は、供給口16から陰極液供給ホース17に流れ込み、陰極液入口6を通じて電解セル2の陰極室内に供給される。
本実施形態における陽極液供給管10及び陰極液供給管11は、それぞれ特許請求の範囲に記載の共通供給流路に相当する。また、陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17は、それぞれ特許請求の範囲に記載のセル供給流路に相当する。
また、陽極液回収管13は、複数の電解セル2の各陽極室から陽極液を回収するための配管である。陽極液回収管13は、斜め上方に開口する回収口20を有しており、この回収口20と電解セル2の陽極液出口8とは陽極液回収ホース21によって接続されている。
同様に、陰極液回収管12は、複数の電解セル2の各陰極室から陰極液を回収するための配管である。陰極液回収管12は、斜め上方に開口する回収口18を有しており、この回収口18と電解セル2の陰極液出口7とは陰極液回収ホース19によって接続されている。
電解セル2では、陽極室内の陽極液は陽極液出口8から陽極液回収ホース21に流れ込み、回収口20を通じて陽極液回収管13に回収される。また、陰極室内の陰極液は陰極液出口7から陰極液回収ホース19に流れ込み、回収口18を通じて陰極液回収管12に回収される。
(供給ホースの構成)
図3は、陽極液供給ホース15を説明するための図である。図3は、陽極液供給中の陽極液供給ホース15を示している。陽極液供給ホース15内の陽極液の流れを矢印で示す。
図3に示す陽極液供給ホース15は、供給口14と陽極液入口5の間で下向きのループを形成している。ループの向きや大きさは特に限定されないが、陽極液の流れの抵抗やホースに加わる負荷ができるだけ小さくなることが好ましい。ループ形状を維持するため、ホースのクロス部分をバンド等で固定してもよい。なお、陽極液供給ホース15は、ループを描くものに限られない。
陽極液供給ホース15の材質としては、電気絶縁性のものが採用される。耐腐食性の観点からフッ素樹脂を採用してもよい。フッ素樹脂としては、例えば、四フッ化エチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。また、陽極液供給ホース15は、内部を視認可能な光透過性樹脂のホースとすることができる。
また、陽極液供給ホース15の肉厚は、0.4MPa以上の圧力で破裂しない肉厚を選択してもよい。0.4MPa以上で破裂しない肉厚であれば、電解セル2内で圧力が加わっても、破裂して、内容物が漏れることがない。より高い0.6MPa以上の圧力で破裂しない肉厚としてもよい。
具体的には、陽極液供給ホース15の肉厚は0.5mm〜3mmとすることができる。肉厚が0.5mm以上であれば、破裂耐圧が十分である場合が多い。また、肉厚が3mm以下であれば曲げに対する自由度も確保できる。より具体的には、1mm〜2mmの肉厚とすることもできる。
また、陽極液供給ホース15は、曲げに対して自由度の大きいフレキシブルホースであってもよい。液体の残留を避ける観点からは、ホース内面は平坦であることが好ましい。なお、フレキシブルホースとしてコルゲート形状やベローズ形状のものを採用することを妨げない。以上、陽極液供給ホース15の構成について説明したが陰極液供給ホース17についても同様の構成を採用することができる。
(ガス供給部の構成)
電解システム1は、気体(絶縁媒体)を陽極液供給管10及び陰極液供給管11に供給するためのガス供給部(ガス供給手段、絶縁手段)22を備えている。この気体は、陽極液又は陰極液と反応せず、逆電流の発生を抑制できる絶縁性を有する気体であれば特に限定されず、例えば窒素等の不活性ガスを採用することができる。なお、陽極液供給管10に供給する気体は、空気でもよい。
ガス供給部22の構成は特に限定されない。ガス供給部22は、例えば、気体を蓄えるガスタンク、ガスタンクと陽極液供給管10及び陰極液供給管11を接続するガス流路、ガス流路における気体の流れをコントロールするためのバルブを含んでいてもよい。また、ガス供給部22は陽極液供給管10及び陰極液供給管11のそれぞれ別々に設けられていてもよい。
(電解システムの電気絶縁方法)
次に、電解システム1の電気絶縁方法について説明する。この電気絶縁方法は、複数の電解セル2に対する通電が停止される場合に行われる。具体的には、この電気絶縁方法は、停電や電源設備の故障等により通電が突然停止された場合の緊急対応として使用される。
なお、この電気絶縁方法は、停電等の緊急対応に限られるものではなく、通常の運転終了による通電停止時に使用されてもよい。また、この電気絶縁方法は作業者によって手動で行われてもよく、自動制御により行われてもよい。
この電気絶縁方法では、陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17の両方で電気絶縁が行われる。以下、陽極液供給ホース15における電気絶縁について説明を行う。
図4は、気体供給時の陽極液供給ホース15を説明するための図である。図4に示されるように、この電気絶縁方法では、複数の電解セル2に対する通電が停止される場合、ガス供給部22から気体が陽極液供給管10に供給される。
陽極液供給管10に供給された気体(絶縁媒体)は、陽極液と分かれて管上方に溜まり、気体の割合が増加して供給口14の高さに至ると供給口14を通じて陽極液供給ホース15内に入り込む。陽極液供給ホース15内は、陽極液と気体が混在する状況となる。その後、ガス供給部22から気体が供給され続けると、陽極液供給ホース15内の陽極液を押し上げて電解セル2まで至り、図4に示す吹き抜けの状態となる。なお、全ての供給ホース15が吹き抜けの状態となることが好ましい。
図5は、ガス溜まり形成時の陽極液供給ホース15を説明するための図である。図5に示されるように、ガス供給部22からの気体の供給を停止することで、陽極液供給ホース15内にガス溜まりGが形成される。すなわち、図4に示す吹き抜けの状態から、陽極液の液圧によって陽極液供給管10側より陽極液が入り込むと共に、電解セル2側より陽極液が落ちて来ることで、陽極液供給ホース15内にガス溜まりGが形成される。なお、ガス溜まりGは、図5のように陽極液供給ホース15内の一か所に形成される場合に限らず、陽極液供給ホース15内に複数形成される場合も想定される。
本実施形態では、陽極液供給ホース15がループを描くことで、ループ上部に気体からなるガス溜まりGが形成される。ループ上端と下端の高さの差分が大きいほど、ガス溜まりGの形成に有利である。
このように、陽極液供給ホース15内に気体からなるガス溜まりGを形成することにより、ホース内で陽極液供給管11側の陽極液と電解セル2側の陽極液とが遮断され、陽極液供給ホース15の電気絶縁が達成される。なお、図4に示されるように、陽極液供給ホース15が気体で満たされる必要はなく、逆電流を絶縁できるガス溜まりGを形成可能な分量の気体がホース内に導入されればよい。
以上、陽極液供給ホース15における電気絶縁方法について説明したが、陰極液供給ホース17においても同様の手順で電気絶縁が行われる。具体的には、ガス供給部22が陰極液供給管11に対して気体を供給すると、陰極液供給管11の供給口16を通じて気体が陰極液供給ホース17内に入り込む。その後、気体の供給を停止することで、ループを描く陰極液供給ホース17内にガス溜まりが形成され、電気絶縁が達成される。
なお、陽極液回収ホース21及び陰極液回収ホース19においては、通電停止により陽極液又は陰極液の供給が止まり、ホース内の液体が排出されることで、陽極液又は陰極液を通じた電気的な接続が遮断され電気絶縁が達成できる。
以上説明した本実施形態に係る電解システム1及びその電気絶縁方法によれば、複数の電解セル2に対する通電が停止される場合に、各電解セル2と陽極とを繋ぐセル供給流路を電気絶縁することで、逆電流の発生を抑制することができる。また、もし逆電流が発生してしまった場合であっても、電気絶縁により電極へのダメージの進行を止めることができる。
また、この電解システム1及びその電気絶縁方法によれば、陽極液又は陰極液の遮断が比較的容易な陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17を電気絶縁することで、複数の電解セル2の間に電気回路が形成されて発生する逆電流の発生を抑制することができ、簡素な構成で逆電流の対策コストを抑えることができる。
また、この電解システム1及びその電気絶縁方法によれば、気体を供給することで陽極液供給ホース15内の陽極液及び陰極液供給ホース17内の陰極液を電気的に遮断することができるので、バルブ等で機械的に遮断する場合と比べて低コストで電気絶縁を達成することができる。また、気体を採用することにより、液体等と比べてホース内への導入を短時間で行うことができるので、迅速な電気絶縁を達成することができる。
更に、この電解システム1及びその電気絶縁方法によれば、陽極液供給管10及び陰極液供給管11に気体を供給し、十分な時間を置いてから供給を停止するだけで、全ての陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17にガス溜まりGを形成して全ての電解セル2における電気絶縁を短時間で行うことができ、例えば停電時における緊急対応において非常に有効である。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17の形状は、ループを描くものに限られない。ここで、図6は、他の形状の陽極液供給ホース15を説明するための図である。
図6に示されるように、陽極液供給ホース15は、上下方向に蛇行する形状であってもよい。この場合には、上向きに凸となる湾曲部を中心としてガス溜まりGが形成される。また、この場合においても蛇行の上下方向の差分が大きいほどガス溜まりGの形成に有利である。
なお、陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17は、必ずしもループを形成したり、蛇行させたりする必要はない。液圧のバランス等によりホース内に気体のガス溜まりGを形成できる構成であれば、単純なカーブ形状や直線形状であっても本発明に含まれる。
また、特許請求の範囲に記載のセル供給流路はホースに限られず、配管等により構成されていてもよい。
更に、ガス供給部22は、陽極液供給管10及び陰極液供給管11の内部に専用のガス配管を有する構成であってもよい。専用のガス配管からは、各ホースに向かって分岐管が延びており、分岐管の出口は陽極液供給ホース15又は陰極液供給ホース17の内部に開口している。この場合、気体が専用のガス配管を通じて陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17に直接供給されるので、ガス溜まりGの形成による電気絶縁を迅速に行うことができる。
図7は、他の実施形態の電解システムにおける陽極液供給ホース15を説明するための図である。図7に示す電解システムでは、陽極液供給ホース15の途中に絶縁媒体を供給する絶縁媒体供給部(絶縁手段)30を備えられている。絶縁媒体としては、上述した気体の他、絶縁性の液体や固体(例えば粒体やゲル)が挙げられる。すなわち本発明には、気体に代えて絶縁性の液体等を用いる場合も含まれる。十分な絶縁性を有する液体としては、例えば純水がある。
図7に示す電解システムでは、複数の電解セル2に対する通電が停止される場合に、例えば絶縁性の気体を絶縁媒体として絶縁媒体供給部30から陽極液供給ホース15の途中に供給する。これにより、ガス溜まりGを形成することで、陽極液供給ホース15の電気絶縁を達成する。
絶縁媒体供給部30は、各電解セル2に対応する全ての陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17に接続されていてもよい。この場合、一度の作業で全ての陽極液供給ホース15及び陰極液供給ホース17の電気絶縁を達成することができるので、システム構成及び操作を簡素化することができる。
図8は、更に他の実施形態の電解システムにおける陽極液供給ホース15を説明するための図である。図8に示す電解システムでは、陽極液供給ホース15の途中に電気絶縁用のバルブ(絶縁手段)40が設けられている。
この電解システムでは、複数の電解セル2に対する通電が停止される場合に、絶縁加工がされたバルブ40を閉じることで陽極液供給管11側の陽極液と電解セル2側の陽極液とが遮断され、陽極液供給ホース15の電気絶縁が達成される。なお、バルブ40として電磁弁を採用してもよく、電気制御により全ホースにおけるバルブ40を一度に開閉できる構成としてもよい。
1…電解システム 2…電解セル 3…支持レール 4…引掛け部 5…陽極液入口 6…陰極液入口 7…陰極液出口 8…陽極液出口 10…陽極液供給管 11…陰極液供給管 11…陰極液供給管 12…陰極液回収管 13…陽極液回収管 14…供給口 15…陽極液供給ホース 16…供給口 17…陰極液供給ホース 18…回収口 19…陰極液回収ホース 20…回収口 21…陽極液回収ホース 22…ガス供給部(ガス供給手段、絶縁手段) 30…絶縁媒体供給部(絶縁手段) 40…バルブ(絶縁手段)

Claims (8)

  1. 複数の電解セルと、前記複数の電解セルに原液を供給するための共通供給流路と、
    前記複数の電解セルの各々に設けられ、前記電解セルと前記共通供給流路とを接続するセル供給流路と、を備える電解システムの電気絶縁方法であって、
    前記複数の電解セルの通電が停止される場合に、前記セル供給流路を電気絶縁する、電解システムの電気絶縁方法。
  2. 前記セル供給流路内に絶縁媒体を入れることで、前記セル供給流路を電気絶縁する、請求項1に記載の電解システムの電気絶縁方法。
  3. 前記絶縁媒体は気体である、請求項2に記載の電解システムの電気絶縁方法。
  4. 前記共通供給流路に気体を供給し、前記セル供給流路内にガス溜まりを形成することで、前記セル供給流路を電気絶縁する、請求項3に記載の電解システムの電気絶縁方法。
  5. 複数の電解セルと、
    前記複数の電解セルに原液を供給するための共通供給流路と、
    前記複数の電解セルの各々に設けられ、前記電解セルと前記共通供給流路とを接続するセル供給流路と、
    前記セル供給流路を電気絶縁する絶縁手段と、を備える、電解システム。
  6. 前記絶縁手段は、前記セル供給流路内に絶縁媒体を入れることで前記セル供給流路を電気絶縁する、請求項5に記載の電解システム。
  7. 前記絶縁媒体は気体である、請求項6に記載の電解システム。
  8. 前記絶縁手段は、前記共通供給流路に気体を供給するガス供給手段を有し、
    前記共通供給流路に供給された前記気体が前記セル供給流路内にガス溜まりを形成することで、前記セル供給流路を電気絶縁する、請求項7に記載の電解システム。
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