JP7081168B2 - プリフォーム絵柄の作成方法、基準プリフォーム、基準ボトル、絵柄付プリフォームの製造方法、絵柄付ボトルの製造方法、絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトル - Google Patents

プリフォーム絵柄の作成方法、基準プリフォーム、基準ボトル、絵柄付プリフォームの製造方法、絵柄付ボトルの製造方法、絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトル Download PDF

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本発明は、プリフォーム絵柄の作成方法、基準プリフォーム、基準ボトル、絵柄付プリフォームの製造方法、絵柄付ボトルの製造方法、絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトルに関する。
近時、内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチックボトルは、金型内にプリフォームを挿入し、二軸延伸ブロー成形することにより製造される。
また、一般に、従来のプラスチックボトルにおいては、プラスチックボトルの胴部に、減圧吸収パネル等の機能的な凹凸のほか、意匠性をもつ模様等の凹凸を付与することが行われている。この場合、容器に対して内容液を充填した後、キャップを用いて容器を密栓し、ラベラーを用いて容器の周囲にラベルを付与することが一般的である(例えば特許文献1)。
特開2016-137927号公報
一方、このようなボトルを作製するにあたっては、ボトルにおける外観をより良好にし、意匠性を向上させ、消費者にとってより魅力のある外観を提案することが求められている。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ボトルの外観を良好にし、意匠性を向上させることが可能な、プリフォーム絵柄の作成方法、基準プリフォーム、基準ボトル、絵柄付プリフォームの製造方法、絵柄付ボトルの製造方法、絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトルを提供することを目的とする。
本発明は、プリフォームに形成されるプリフォーム絵柄の作成方法において、複数の基準点をもった平面基準パターンを作成する工程と、前記平面基準パターンをプリフォームに印刷することにより、複数の前記基準点をもった基準プリフォームパターンを含む基準プリフォームを作製する工程と、前記基準プリフォームをブロー成形して、複数の前記基準点をもった基準ボトルパターンを含む基準ボトルを作製する工程と、前記基準ボトルパターンを投影面上に投影し、投影された基準ボトル投影パターンを得る工程と、前記基準ボトルの前記基準ボトル投影パターンと、前記平面基準パターンとから、前記基準ボトル投影パターンを前記平面基準パターンへ変換する補正係数を求める工程と、前記基準ボトル投影パターン上にボトル絵柄を作成する工程と、前記ボトル絵柄に基づいて、前記補正係数を用いて平面絵柄を得る工程と、前記平面絵柄をプリフォームに印刷することにより、プリフォーム絵柄を得る工程とを備えたことを特徴とするプリフォーム絵柄の作成方法である。
本発明は、前記投影面は、平面であることを特徴とするプリフォーム絵柄の作成方法である。
本発明は、前記投影面は、円筒面であることを特徴とするプリフォーム絵柄の作成方法である。
本発明は、前記補正係数を求める工程において、前記補正係数は、複数の前記基準点の変位量に基づいて決定されることを特徴とするプリフォーム絵柄の作成方法である。
本発明は、プリフォームに形成されるプリフォーム絵柄を作成するために用いられる基準プリフォームにおいて、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームを備え、少なくとも前記胴部に、複数の基準点をもった基準プリフォームパターンが形成されていることを特徴とする基準プリフォームである。
本発明は、前記基準プリフォームの前記プリフォームは、前記プリフォーム絵柄が形成される前記プリフォームと同一の形状を有するとともに、同一の材料を含むことを特徴とする基準プリフォームである。
本発明は、本発明による基準プリフォームに対してブロー成形を施すことによって作製されたことを特徴とする基準ボトルである。
本発明は、絵柄付プリフォームの製造方法において、プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、本発明によるプリフォーム絵柄の作成方法によって、前記プリフォームにプリフォーム絵柄を形成する工程とを備えたことを特徴とする絵柄付プリフォームの製造方法である。
本発明は、前記プリフォームは、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする絵柄付プリフォームの製造方法である。
本発明は、絵柄付ボトルの製造方法において、プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、本発明によるプリフォーム絵柄の作成方法によって、前記プリフォームにプリフォーム絵柄を形成することにより、絵柄付プリフォームを作製する工程と、前記絵柄付プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、前記プリフォームを膨張させ、口部と胴部と底部とを有する容器本体を作製する工程とを備えたことを特徴とする絵柄付ボトルの製造方法である。
本発明は、前記容器本体は、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする絵柄付ボトルの製造方法である。
本発明は、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームを備え、
少なくとも前記胴部に、本発明によるプリフォーム絵柄の作成方法によって作成されたプリフォーム絵柄が形成されていることを特徴とする絵柄付プリフォームである。
本発明は、前記プリフォームは、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする絵柄付プリフォームである。
本発明は、口部と胴部と底部とを有する容器本体を備えた絵柄付ボトルにおいて、本発明による絵柄付プリフォームに対してブロー成形を施すことによって作製されたことを特徴とする絵柄付ボトルである。
本発明は、前記容器本体は、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする絵柄付ボトルである。
本発明によれば、ボトルの外観を良好にし、意匠性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施の形態による絵柄付ボトルを示す正面図である。 図2は、本発明の一実施の形態による絵柄付プリフォームを示す正面図である。 図3は、本発明の一実施の形態による基準ボトルを示す正面図である。 図4Aは、本発明の一実施の形態による基準プリフォームを示す正面図である。 図4Bは、本発明の一実施の形態による基準プリフォームの基準プリフォームパターンを形成するための平面基準パターンを示す図である。 図4Cは、本発明の一実施の形態による基準プリフォームの基準プリフォームパターンを投影して得られた基準プリフォーム投影パターンを示す図である。 図5Aは、本発明の一実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法を示す図である。 図5B(a)-(c)は、本発明の一実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法を示す概略図である。 図6(a)-(c)は、本発明の一実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法を示す概略図である。 図7(a)-(b)は、本発明の一実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法を示す概略図である。 図8(a)-(c)は、本発明の一実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法を示す概略図である。 図9(a)-(b)は、本発明の一実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法を示す概略図である。 図10は、本発明の一実施の形態による絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトルの製造方法を示す図である。 図11(a)-(d)は、プリフォーム絵柄の作成方法の変形例を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図10は本発明の一実施の形態を示す図である。
(絵柄付ボトルの構成)
まず、図1により、本実施の形態による絵柄付ボトルの概要について説明する。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ絵柄付ボトル100を正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。また、本明細書中、「絵柄」とは、文字、図形、記号、模様若しくは色彩又はこれらの結合をいう。
図1に示す絵柄付ボトル100は、後述するように、ブロー成形金型を用いて絵柄付プリフォーム700(図2参照)に対して二軸延伸ブロー成形を施すことにより、絵柄付プリフォーム700を膨張させて得られたものである。
このような絵柄付ボトル100は、プラスチック材料製の容器本体10を備えており、容器本体10にボトル絵柄D1が形成されている。
このような容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
このうち口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
一方、底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上20g以下とすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
このような容器本体10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なおプリフォーム10a、すなわち容器本体10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良い。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち押し出し成形または射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなる絵柄付プリフォーム700を成形した後、ブロー成形することによりガスバリア性及び遮光性を有する多層ボトルとして形成しても良い。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
このような容器本体10は、例えば満注容量が100ml以上2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
次に、ボトル絵柄D1について説明する。このボトル絵柄D1は、後述するように、絵柄付プリフォーム700(図2参照)に対して二軸延伸ブロー成形を施すことにより絵柄付プリフォーム700を膨張させた際に、絵柄付プリフォーム700のプリフォーム10aに印刷された後述するプリフォーム絵柄d1(図2参照)が延伸して作成されたものである。図1に示す例においては、ボトル絵柄D1は、絵柄付ボトル100の軸線方向(上下方向)に沿って、容器本体10の胴部20に設けられた文字「abc」と、絵柄付ボトル100の円周方向に沿って、容器本体10の肩部12に設けられた文字「ABC」とによって構成されている。
このようなボトル絵柄D1は、容器本体10のフランジ部17の下端部から底部30の接地部32までの長さをLとした場合、フランジ部17の下端部から1/3L以内の範囲内に設けられていても良い。フランジ部17の下端部から1/3L以内の範囲内には、一般的に容器本体10の肩部12が存在し、この肩部12は、従来のプラスチックボトルにおいては、容器の周囲に付与されたラベルが設けられていない領域となる。本実施の形態のように、従来ラベルが設けられていない領域にボトル絵柄D1を形成することにより、絵柄付ボトル100における外観をより良好にし、意匠性を向上させることができる。
また、このようなボトル絵柄D1は、容器本体10の首部13、肩部12、胴部20および底部30の全域に設けられていても良く、この場合、容器本体10の首部13、肩部12、胴部20および底部30に対して所望の意匠性を付与することができる。
なお、ここでは、ボトル絵柄D1が、絵柄付ボトル100の軸線方向に沿って設けられた文字「abc」と、絵柄付ボトル100の円周方向に沿って設けられた文字「ABC」とによって構成されている例について説明したが、これに限られることはなく、ボトル絵柄D1は任意に変更することができる。
(絵柄付プリフォームの構成)
次に、図2により、本実施の形態による絵柄付プリフォームの構成について説明する。
図2に示すように、絵柄付プリフォーム700は、プラスチック材料製のプリフォーム10aを備えており、プリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1が形成されている。
図2に示すように、プリフォーム10aは、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、口部11aは、容器本体10のねじ部14に対応するねじ部14aと、ねじ部14aの下方に設けられ、容器本体10のフランジ部17に対応するフランジ部17aとを有している。なお、口部11aの形状は、従来公知の形状であってもよい。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
この場合、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の可視光色に着色されていても良く、また透明であっても不透明であっても良い。
次に、プリフォーム絵柄d1について説明する。このプリフォーム絵柄d1は、後述するように、平面絵柄d5(図9(b)参照)をプリフォーム10aに印刷したものである。図2に示す例においては、プリフォーム10aの軸線方向(上下方向)に沿って胴部20aに設けられた文字「abc」と、プリフォーム10aの円周方向に沿って胴部20aに設けられた文字「ABC」とによって構成されている。
このようなプリフォーム絵柄d1は、プリフォーム10aのフランジ部17aの下端部から底部30aの下端部までの長さをLaとした場合、フランジ部17aの下端部から1/2La以内の範囲内に設けられていても良い。フランジ部17aの下端部から1/2La以内の範囲内は、一般的に容器本体10の肩部12が存在する領域に対応する。ここで、容器本体10の肩部12は、胴部20よりも径が小さくなっており、プリフォーム10aの円周方向への延伸倍率が小さくなる部分となる。このため、当該部分に形成されたプリフォーム絵柄d1については、後述する補正係数を求め易くすることができ、容器本体10において、当該部分に対応する部分に形成されるボトル絵柄D1の形状精度を高くすることができる。
このようなプリフォーム絵柄d1は、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aの全域に設けられていても良い。
図2に示すように、プリフォーム絵柄d1は、図1に示すボトル絵柄D1と比較した際に、歪んだ絵柄となっている。このように、絵柄付プリフォーム700のプリフォーム絵柄d1を歪んだ絵柄にすることにより、絵柄付ボトル100を作製した際に、ボトル絵柄D1の形状を歪みのない形状に整えることができる。すなわち、絵柄付プリフォーム700にブロー成形を施し、絵柄付ボトル100を作製する際、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aにおいて延伸倍率が異なる領域が発生する。とりわけ、プリフォーム10aの胴部20aのうち、容器本体10の肩部12および胴部20に対応する領域においては、プリフォーム10aの延伸倍率の違いが大きくなる。これにより、絵柄付プリフォーム700において印刷された絵柄の形状を歪みのない形状に整えた場合であっても、絵柄付ボトル100を作製した際に当該絵柄が歪んでしまう場合がある。これに対して予め絵柄付プリフォーム700のプリフォーム絵柄d1を歪んだ絵柄にすることにより、絵柄付ボトル100を作製した際に、ボトル絵柄D1の形状を歪みのない形状に整えることができる。このようなプリフォーム絵柄d1は、ボトル絵柄D1に後述する補正係数を適用することにより作成される。
また、このようなプリフォーム絵柄d1は、平面絵柄d5に基づいて、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法や、熱転写により、デザイン又は印字等が施されて形成されたものである。例えばインクジェット法を用いる場合、プリフォーム絵柄d1は、プリフォーム10aに対してUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化させることにより形成することができる。プリフォーム絵柄d1をプリフォーム10aに印刷するためのインクは、300%以上の延伸性を有していることが好ましい。これにより、プリフォーム絵柄d1が延伸されて形成されるボトル絵柄D1を明確に表示させることができる。
このように、プリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1を形成することにより、容器本体10の胴部20に減圧吸収パネル等の凹凸や意匠性をもつ模様等の凹凸が付与される場合であっても、当該凹凸の形状にボトル絵柄D1を追従させることができる。このため、意匠性を向上させることができる。
次に、上述した絵柄付プリフォーム700に形成されるプリフォーム絵柄d1を作成するための基準ボトルおよび基準プリフォームについて説明する。
(基準ボトルの構成)
まず、基準ボトルについて説明する。
図3に示すように、基準ボトル101は、上述した容器本体10を備えており、容器本体10に、複数の基準点Pをもった基準ボトルパターンD2が形成されている。
基準ボトルパターンD2は、後述するように、基準プリフォーム701(図4A参照)に対して二軸延伸ブロー成形を施すことにより基準プリフォーム701を膨張させた際に、基準プリフォーム701のプリフォーム10aに形成された後述する基準プリフォームパターンd2(図4A参照)が延伸して作成されたものである。この基準ボトルパターンD2は、基準プリフォームパターンd2と比較した際に、歪んだパターンとなっている。これは、基準プリフォーム701にブロー成形を施し、基準ボトル101を作製した際に、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aにおいて延伸倍率が異なる領域が発生し、基準プリフォームパターンd2が歪むためである。このため、基準ボトルパターンD2と基準プリフォームパターンd2とを比較することにより、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aにおける延伸倍率の差を求めることができる。
(基準プリフォームの構成)
次に、基準プリフォーム701について説明する。
図4Aに示すように、基準プリフォーム701は、上述したプリフォーム10aを備えており、プリフォーム10aに、複数の基準点Pをもった基準プリフォームパターンd2が形成されている。ここで、基準プリフォーム701のプリフォーム10aは、絵柄付プリフォーム700のプリフォーム10aと同一であることが好ましく、基準プリフォーム701のプリフォーム10aは、絵柄付プリフォーム700のプリフォーム10aと同一の形状を有するとともに、同一の材料を含んでいることが好ましい。この場合、基準プリフォーム701から基準ボトル101が作製される際のプリフォーム10aの延伸倍率と、絵柄付プリフォーム700から絵柄付ボトル100が作製される際のプリフォーム10aの延伸倍率とを同様にすることができる。これにより、後述する補正係数の信頼性を向上させることができ、ボトル絵柄D1の形状精度を向上させることができる。
基準プリフォームパターンd2は、複数の基準点Pをもった平面基準パターンd3(図4B参照)をプリフォーム10aに印刷することにより形成されたものである。図4Bに示す例においては、平面基準パターンd3は、略正方格子状のパターンとなっている。この場合、平面基準パターンd3は、直線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成されており、本実施の形態においては、直線および点から構成された同一形状の格子が規則的に複数配置されている。このようなパターンの場合、平面基準パターンd3をプリフォーム10aに印刷することにより形成される基準プリフォームパターンd2を、図4Aに示すように、直線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成することができる。これにより、基準プリフォームパターンd2から形成される基準ボトルパターンD2を直線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成することができ、基準ボトルパターンD2の検出精度を高めることができる。このため、後述する補正係数を精度良く求めることができ、ボトル絵柄D1の形状精度を向上させることができる。
このような平面基準パターンd3は、上述したように複数の基準点Pをもっており、各基準点Pの座標値の集合からなるデータは、図示しない画像処理装置に予め記録されている。
また、基準プリフォームパターンd2および平面基準パターンd3が、このような略正方格子状のパターンである場合、基準点Pは例えば格子の各交点、すなわち、各正方形の四頂点とすることができる。基準プリフォームパターンd2および平面基準パターンd3が正方格子状のパターンである場合、平面基準パターンd3において、パターンの正方形の一辺は、例えば0.5mm以上2.0mm以下とすることができる。また、パターンの正方形の一辺を1mm以上とすることにより、後述する補正係数を求める処理を短縮することができる。また、パターンの正方形の一辺を1mm以下とすることにより、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aにおける延伸倍率の差をより正確に求めることができ、ボトル絵柄D1に歪みが発生することを抑制できる。また、上述した基準ボトル101において、容器本体10の胴部20に減圧吸収パネルなどの凹凸や意匠性をもつ模様等の凹凸が付与される場合、当該凹凸内に少なくとも1点以上の基準点Pが存在するようにパターンの正方形の一辺を調整することが好ましい。これにより、当該凹凸の形状に対してボトル絵柄D1を精度よく追従させることができる。なお、ここでは、正方格子状の基準プリフォームパターンd2および平面基準パターンd3を用いた例を示すが、複数の基準点Pをもったパターンであれば、基準プリフォームパターンd2および平面基準パターンd3のパターンは特に限定されない。このようなパターンとして、例えば、チェス盤状のパターン(市松模様)であっても良く、基準点Pのみからなるパターンを使用しても良い。また、図4Aおよび図4Bに示す例においては、基準プリフォームパターンd2および平面基準パターンd3のパターンが、直線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、基準プリフォームパターンd2および平面基準パターンd3が、曲線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成されていても良い。この場合においても、基準プリフォームパターンd2から作成される基準ボトルパターンD2を曲線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成することができ、基準ボトルパターンD2において、曲線および点から構成された図形が規則的に複数配置されることにより、基準ボトルパターンD2の検出精度を高めることができる。また、幾何学模様を構成する図形が規則的に複数配置される場合、各々の図形が同一形状ではなく、異なる形状を有していても良い。
なお、この場合、図4Cに示すように、基準プリフォーム701の基準プリフォームパターンd2を平面SA上に投影した基準プリフォーム投影パターンd4は、平面基準パターンd3と略同一のパターンから構成され、直線および点のうち少なくとも一方を含む幾何学模様から構成されている。
このような基準プリフォームパターンd2は、平面基準パターンd3に基づいて、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法や、熱転写により、デザイン又は印字等が施されて形成されたものである。基準プリフォームパターンd2をプリフォーム10aに印刷するためのインクは、プリフォーム絵柄d1に用いられるインクと同様のものを使用することができる。
また、上述したように、プリフォーム10aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の可視光色に着色されていても良く、また透明であっても不透明であっても良いため、基準プリフォームパターンd2は、プリフォーム10aの色とのコントラストが大きい色を選択することが好ましい。これにより、基準プリフォーム701にブロー成形を施し、基準ボトル101を作製した際に、基準プリフォームパターンd2から形成される基準ボトルパターンD2の検出精度を高めることができ、後述する補正係数を精度良く求めることができる。このため、ボトル絵柄D1の形状精度を向上させることができる。さらに、基準プリフォームパターンd2は、赤色で印刷されていることが好ましい。ここで、後述するように、基準プリフォーム701をブロー成形して基準ボトル101を作製する際、基準プリフォーム701を、図示しない加熱装置によって加熱した後、図示しないブロー成形金型に送る。この場合、加熱装置において近赤外線ヒーターを使用する場合がある。このような場合、基準プリフォームパターンd2が、赤色で印刷されていることにより、近赤外線ヒーターによる影響を受けにくくすることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、プリフォーム絵柄の作成方法並びに絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトルの製造方法について説明する。
(プリフォーム絵柄の作成方法)
まず、図5A、図5B(a)-(c)、図6(a)-(c)、図7(a)-(b)、図8(a)-(c)および図9(a)-(b)により、本実施の形態によるプリフォーム絵柄の作成方法について説明する。
まず、プリフォーム10aに基準プリフォームパターンd2を形成するための、複数の基準点Pをもった平面基準パターンd3を作成する(図5Aの符合S1)。この平面基準パターンd3は、図5B(a)に示すように、例えば正方格子状のパターンとすることができ、基準点Pは格子の各交点とすることができる。なお、この際、平面基準パターンd3の複数の基準点Pの各座標値の集合からなるデータは、図示しない画像処理装置に記録される。
次に、平面基準パターンd3をプリフォーム10aに印刷することにより、複数の基準点Pをもった基準プリフォームパターンd2が形成された基準プリフォーム701を作製する(図5Aの符号S2)。この際、まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製する。このプリフォーム10aは、口部11aと、円筒状の胴部20aと、略半球状の底部30aとを有している。なお、プリフォーム10aは、平面基準パターンd3を作成することと並行して準備するようにしても良い。次に、このプリフォーム10aに平面基準パターンd3を印刷する。このようにして、図5B(b)に示すように、基準プリフォームパターンd2が形成された基準プリフォーム701が作製される。
次に、基準プリフォーム701をブロー成形して、複数の基準点Pをもった基準ボトルパターンD2が形成された基準ボトル101を作製する(図5Aの符号S3)。この際、基準プリフォーム701を、図示しない加熱装置によって加熱した後、図示しないブロー成形金型に送る。次に、基準プリフォーム701内に空気が圧入され、基準プリフォーム701に対して二軸延伸ブロー成形が施される。この際、基準プリフォーム701が膨張し、基準プリフォーム701の基準プリフォームパターンd2が延伸する。このようにして、基準プリフォームパターンd2が延伸した基準ボトルパターンD2が形成された基準ボトル101が得られる。なお、この際、プリフォーム10aの胴部20aまたは底部30aにおいて、延伸倍率が異なる領域が発生する。このため、図5B(c)に示すように、基準ボトルパターンD2は、基準プリフォームパターンd2を歪めたような形状のパターンとなる。
次いで、基準ボトル101の基準ボトルパターンD2を投影面上に投影し、投影された基準ボトル投影パターンD3を得る(図5Aの符号S4)。この場合、まず、図6(a)に示すように、投影面Sを準備する。この投影面Sは、例えば基準ボトル101の軸線方向(上下方向)に平行な平面とすることができる。次に、図6(b)に示すように、この投影面Sに基準ボトルパターンD2を投影する。これにより、図6(c)に示すように、基準プリフォームパターンd2が歪められた基準ボトル投影パターンD3が得られる。このような基準ボトル投影パターンD3は、例えばカメラにより撮影された基準ボトル101の正面画像であっても良い。
次に、基準ボトル101の基準ボトル投影パターンD3と、平面基準パターンd3とから、基準ボトル投影パターンD3を平面基準パターンd3へ変換する補正係数を求める(図5Aの符号S5)。この際、補正係数は、複数の基準点Pの変位量に基づいて決定される。この場合、まず、例えば図7(a)に示すように、図示しない画像処理装置において、基準ボトル投影パターンD3の各基準点Pの位置が検出される。例えば、図7(a)に示す例においては、基準点P1、P2、P3、P4の位置が、座標値(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)、(x4、y4)として検出される。この画像処理装置には、予め、図7(b)に示すような平面基準パターンd3の各基準点Pの座標値の集合からなるデータ(例えば、基準点P11、P12、P13、P14の座標値(x11、y11)、(x12、y12)、(x13、y13)、(x14、y14))が記録されており、基準ボトル投影パターンD3の各基準点Pの座標値の集合からなるデータについても同様に画像処理装置に記録される。ここで、図7(a)に示す点P1、P2、P3、P4は、図7(b)の点P11、P12、P13、P14にそれぞれ対応する。次に、画像処理装置は、基準ボトル投影パターンD3の各基準点P1、P2、P3、P4の座標値と、平面基準パターンd3の対応する各基準点P11、P12、P13、P14の座標値とから、各基準点Pの対応関係を求める。これにより、各基準点Pにおける、基準ボトル投影パターンD3を平面基準パターンd3へ変換する補正係数が求められる。
この際、ボトル絵柄D1の形状精度を向上させるために、基準点P1、P2、P3、P4によって囲まれた領域内の任意の点Pxについての補正係数を求めても良い。絵柄は、着色された点の集合体と考えることができるため、基準ボトル投影パターンD3上の点が平面基準パターンd3上において、どの位置に対応するかが判明すれば、絵柄付プリフォーム700に対してブロー成形を施した際に、歪みのないボトル絵柄D1を形成することが可能なプリフォーム絵柄d1を得ることができる。点Pxについては、例えば以下のようにして、基準点P11、P12、P13、P14によって囲まれる領域内の対応する点P1xを求めても良い。
まず、図8(a)に示すように、基準点P1、P2、P3、P4を結び、四角形P1P2P3P4を作成する。次に、直線P1P2の延長線と直線P3P4の延長線との交点Aと、点Pxとを直線で結び、点Pxが、この直線の四角形P1P2P3P4内の部分を分割する比m:nを求める。また、直線P1P4の延長線と直線P2P3の延長線との交点Bと、点Pxとを直線で結び、点Pxが、この直線の四角形P1P2P3P4内の部分を分割する比q:rを求める。一方、図8(b)に示すように、基準点P11、P12、P13、P14によって作成される四角形P11P12P13P14においては、辺P11P12および辺P13P14をそれぞれm:nに分割する二点CDを結ぶ直線と、辺P11P14および辺P12P13をそれぞれq:rに分割する二点EFを結ぶ直線と、を引き、これらの直線の交点を点P1xとすることができる。なお、四角形P1P2P3P4の対辺(例えば辺P1P4及び辺P2P3)が平行な場合、交点Bを求めることができなくなるが、この場合は、図8(c)に示すように、点Pxを通り、辺P1P4および辺P2P3に平行な直線を考えることができる。この際、交点Aおよび交点Bの両方を求めることができない場合においても、同様の方法により補正係数を求めることができる。このような各基準点Pにおける対応関係を用いて、任意の点においても補正係数を求めることができる。
次いで、基準ボトル投影パターンD3上に、ボトル絵柄D1を作成する(図5Aの符号S6)。この際、ボトル絵柄D1は、図示しない画像処理装置において、基準ボトル投影パターンD3を含むレイヤーとは異なるレイヤーに作成されることが好ましい。これにより、基準ボトル投影パターンD3が含まれていないボトル絵柄D1を作成することができる。この場合、例えば図9(a)に示す例においては、基準ボトル101の軸線方向に対応する方向に沿って、歪みのない文字「abc」が設けられ、基準ボトル101の円周方向に対応する方向に沿って、歪みのない文字「ABC」が設けられる。
次に、ボトル絵柄D1に基づいて、補正係数を用いて平面絵柄d5を得る(図5Aの符号S7)。この場合、補正係数を用いて、ボトル絵柄D1の点のうち、基準ボトル投影パターンD3の各基準点Pに対応する点の座標値が、平面基準パターンd3の対応する基準点Pの座標値となるように、ボトル絵柄D1を平面絵柄d5へ変換する。このようにして、投影面S上に作成されたボトル絵柄D1が、補正係数を用いて補正され、図9(b)に示すように、点の集合体であるボトル絵柄D1に対応する平面絵柄d5が得られる。この場合、基準プリフォーム701の軸線方向に対応する方向に沿って、歪んだ文字「abc」が設けられ、基準プリフォーム701の円周方向に対応する方向に沿って、歪んだ文字「ABC」が設けられる。
次に、平面絵柄d5をプリフォーム10aに印刷することにより、プリフォーム絵柄d1を得る(図5Aの符号S8)。このようにして、プリフォーム絵柄d1が作成される。
(絵柄付プリフォームおよび絵柄付ボトルの製造方法)
次に、図10により、本実施の形態による絵柄付ボトルの製造方法について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図10の符号S11)。
次に、上述したプリフォーム絵柄d1の作成方法によって、プリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1を形成する(図10の符号S12)。この場合、プリフォーム絵柄d1は、例えばインクジェット法等の印刷法によりプリフォーム10aに印刷される。このようにして、絵柄付プリフォーム700が作製される(図2参照)。
このように、予めプリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1を形成し、絵柄付プリフォーム700を作製しておくことにより、絵柄付プリフォーム700を作製する一連の工程(図5A乃至図10の符号S11、S12)と、絵柄付ボトル100をブロー成形により作製する一連の工程(図10の符号S13、S14)とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。
次いで、絵柄付プリフォーム700を、図示しない加熱装置によって加熱した後、図示しないブロー成形金型に送る(図10の符号S13)。
次に、絵柄付プリフォーム700内に空気が圧入され、絵柄付プリフォーム700に対して二軸延伸ブロー成形が施される(図10の符号S14)。このようにして、絵柄付ボトル100が得られる。
ここで、絵柄付プリフォーム700に対して二軸延伸ブロー成形が施され、絵柄付ボトル100が作製される際、絵柄付プリフォーム700のプリフォーム10aは、基準プリフォーム701に対して二軸延伸ブロー成形が施され、基準ボトル101が作製される際と同様の延伸倍率によって膨張する。このため、絵柄付プリフォーム700に形成された、歪んだ文字から構成されたプリフォーム絵柄d1は、歪みが補正され、絵柄付ボトル100に、歪みのない文字から構成されたボトル絵柄D1が形成される。
このように、本実施の形態によれば、基準ボトル101の基準ボトル投影パターンD3と、平面基準パターンd3とから、基準ボトル投影パターンD3を平面基準パターンd3へ変換する補正係数を求め、基準ボトル投影パターンD3上にボトル絵柄D1を作成し、ボトル絵柄D1に基づいて、補正係数を用いて平面絵柄d5を得ている。そして、平面絵柄d5をプリフォーム10aに印刷することにより、プリフォーム絵柄d1を得ている。これにより、プリフォーム10aに印刷を施した場合においても、歪みのない絵柄を絵柄付ボトル100に設けることができる。このため、絵柄付ボトル100の外観を良好にし、意匠性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、補正係数を求める工程において、補正係数は、複数の基準点Pの変位量に基づいて決定される。これにより、補正係数を容易に求めることができる。
さらに、本実施の形態によれば、プリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1が形成されている。これにより、容器本体10の胴部に減圧吸収パネル等の凹凸や意匠性をもつ模様等の凹凸が付与される場合であっても、当該凹凸の形状にボトル絵柄D1を追従させることができる。また、プリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1が形成されているため、容器の周囲にラベル等の包装資材を付与する必要がなく、包装資材を削減でき、かつ、包装資材を付与するための包装機械が不要になるとともに、当該包装機械を設置する工数を削減できる。さらに、平面絵柄d5をプリフォーム10aに印刷することによりプリフォーム10aにプリフォーム絵柄d1を形成する際、一般的な印刷機をそのまま用いることができるので、プリフォーム絵柄d1を形成するための新たな印刷機を準備する必要が生じない。
なお、上述した実施の形態において、絵柄付ボトル100にプリフォーム絵柄d1から作成されたボトル絵柄D1のみが形成されている例について説明したが、これに限られることはない。すなわち、絵柄付ボトル100にプリフォーム絵柄d1から作成されたボトル絵柄D1以外の絵柄が形成されていても良い。この場合、絵柄付ボトル100を作製した後に、例えばインクジェット法等の印刷法により追加の絵柄を形成しても良く、例えばシールやラベル等により、追加の絵柄を形成しても良い。これにより、例えば、絵柄付ボトル100を販売する地域や言語の異なる国毎に、記載する表示を変更することが容易になる。
また、本実施の形態において、投影面Sが平面である例について説明したが、これに限られることはない。例えば、投影面Sは円筒面であっても良い。この場合、まず、図11(a)に示すように、平面状の投影面Saを準備する。次に、図11(b)に示すように、この投影面Saに基準ボトルパターンD2を投影する。この際、基準ボトル101を回転させながら、投影面Saに基準ボトルパターンD2を投影する。この場合、例えばカメラにより、基準ボトル101が1°回転するごとに基準ボトル101の正面画像を撮影する。このようにして、図11(c)に示すように、基準ボトル101のうち、容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応する部分が投影された仮想円筒面(投影面S)を得ることができる。次いで、図11(d)に示すように、円筒面の投影面Sに投影された基準ボトル投影パターンD3を平面上に展開し、図7及び図8に示す方法により、補正係数を求める。この場合、基準ボトル101のうち、容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応する部分に対する基準ボトル投影パターンD3を得ることができるため、ボトル絵柄D1の形状精度を向上させることができる。なお、絵柄付ボトル100の底部30にボトル絵柄D1を形成する場合には、絵柄付ボトル100の軸線方向に垂直な平面を投影面とし、当該投影面に基準ボトルパターンD2を投影するようにしても良い。この場合においても、図7及び図8に示す方法により、補正係数を求めることができ、補正されたプリフォーム絵柄d1を得ることができる。
さらに、プリフォーム絵柄d1を作成する際に、例えば基準ボトル投影パターンD3における四角形P1P2P3P4に対応する、平面基準パターンd3における四角形P11P12P13P14の延伸倍率を求めて、プリフォーム絵柄d1の色の濃淡を調整しても良い。上述したように、絵柄付プリフォーム700から絵柄付ボトル100を作製する際に、プリフォーム10aの胴部20aおよび底部30aにおいて延伸倍率が異なる領域が発生する。ここで、延伸倍率が大きい領域においては、プリフォーム絵柄d1がより広範囲に延伸し、プリフォーム絵柄d1の色が薄くなる。このため、延伸倍率が大きい領域と延伸倍率が小さい領域との間で色の濃淡に差が生じ、意匠性が低下する場合がある。これに対して、延伸倍率を求めてプリフォーム絵柄d1の色の濃淡を調整することにより、延伸倍率が大きい領域においてはプリフォーム絵柄d1の色を濃くし、延伸倍率が大きい領域と延伸倍率が小さい領域との間において色の濃淡に差が生じることを抑制し、意匠性が低下することを抑制することができる。なお、この際、延伸倍率が小さい領域のプリフォーム絵柄d1の色を薄くしても良い。この場合においても、延伸倍率が大きい領域と延伸倍率が小さい領域との間において色の濃淡に差が生じることを抑制することができる。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10a プリフォーム
11a 口部
20a 胴部
30a 底部
100 絵柄付ボトル
101 基準ボトル
700 絵柄付プリフォーム
701 基準プリフォーム
D1 ボトル絵柄
d1 プリフォーム絵柄
D2 基準ボトルパターン
d2 基準プリフォームパターン
D3 基準ボトル投影パターン
d3 平面基準パターン
d4 基準プリフォーム投影パターン
d5 平面絵柄
P、P1、P2、P3、P4、P11、P12、P13、P14 基準点
S 投影面
SA 平面
Sa 投影面

Claims (10)

  1. プリフォームに形成されるプリフォーム絵柄の作成方法において、
    複数の基準点をもった平面基準パターンを作成する工程と、
    前記平面基準パターンをプリフォームに印刷することにより、複数の前記基準点をもった基準プリフォームパターンを含む基準プリフォームを作製する工程と、
    前記基準プリフォームをブロー成形して、複数の前記基準点をもった基準ボトルパターンが形成された基準ボトルを作製する工程と、
    前記基準ボトルパターンを投影面上に投影し、投影された基準ボトル投影パターンを得る工程と、
    前記基準ボトルの前記基準ボトル投影パターンと、前記平面基準パターンとから、前記基準ボトル投影パターンを前記平面基準パターンへ変換する補正係数を求める工程と、
    前記基準ボトル投影パターン上にボトル絵柄を作成する工程と、
    前記ボトル絵柄に基づいて、前記補正係数を用いて平面絵柄を得る工程と、
    前記平面絵柄をプリフォームに印刷することにより、プリフォーム絵柄を得る工程とを備え、
    前記基準プリフォームパターンを前記プリフォームに形成するためのインクは、300%以上の延伸性を有していることを特徴とするプリフォーム絵柄の作成方法。
  2. 前記投影面は、平面であることを特徴とする請求項1に記載のプリフォーム絵柄の作成方法。
  3. 前記投影面は、円筒面であることを特徴とする請求項1に記載のプリフォーム絵柄の作成方法。
  4. 前記補正係数を求める工程において、前記補正係数は、複数の前記基準点の変位量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリフォーム絵柄の作成方法。
  5. プリフォームに形成されるプリフォーム絵柄を作成するために用いられる基準プリフォームにおいて、
    口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを有するプリフォームを備え、
    少なくとも前記胴部に、複数の基準点をもった基準プリフォームパターンが形成されており、
    前記基準プリフォームパターンを前記プリフォームに形成するためのインクは、300%以上の延伸性を有していることを特徴とする基準プリフォーム。
  6. 前記基準プリフォームの前記プリフォームは、前記プリフォーム絵柄が形成される前記プリフォームと同一の形状を有するとともに、同一の材料を含むことを特徴とする請求項5に記載の基準プリフォーム。
  7. 絵柄付プリフォームの製造方法において、
    プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリフォーム絵柄の作成方法によって、前記プリフォームにプリフォーム絵柄を形成する工程とを備えたことを特徴とする絵柄付プリフォームの製造方法。
  8. 前記プリフォームは、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項に記載の絵柄付プリフォームの製造方法。
  9. 絵柄付ボトルの製造方法において、
    プラスチック材料製のプリフォームを準備する工程と、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリフォーム絵柄の作成方法によって、前記プリフォームにプリフォーム絵柄を形成することにより、絵柄付プリフォームを作製する工程と、
    前記絵柄付プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、前記プリフォームを膨張させ、口部と胴部と底部とを有する容器本体を作製する工程とを備えたことを特徴とする絵柄付ボトルの製造方法。
  10. 前記容器本体は、ポリエチレンテレフタレートを含むことを特徴とする請求項に記載の絵柄付ボトルの製造方法。
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