JP7080450B2 - 医療用金属材料、その製造方法およびそれを用いた医療機器 - Google Patents
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Description
前記複数のナノチューブの少なくとも一部は、前記改質層の前記金属基体に対向する側の表面の分極電荷が負となるように分極していてもよい。
前記チタニアは、アナターゼ型のチタニアを含有してもよい。
前記チタニアは、ルチル型のチタニアをさらに含有してもよい。
前記複数のナノチューブのそれぞれは、5μm以上30μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上150nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上50nm以下の範囲の壁厚を有してもよい。
前記複数のナノチューブのそれぞれは、5μm以上15μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上80nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上20nm以下の範囲の壁厚を有してもよい。
前記改質層は、10nm以上200nm以下の範囲の平均表面粗さを有してもよい。
前記改質層は、50nm以上150nm以下の範囲の平均表面粗さを有してもよい。
前記改質層は、1×10-6S/m以上5×10-3S/m以下の導電率を有してもよい。
前記改質層は、5.5×10-5S/m以上1×10-3S/m以下の導電率を有してもよい。
本発明による上述の医療用金属材料を製造する方法は、チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を陽極酸化するステップと、前記陽極酸化された金属基体を分極するステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記陽極酸化された金属基体を熱処理するステップをさらに包含してもよい。
本発明による生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器は、血液が接触する部位の少なくとも一部が、上述の金属材料からなり、これにより上記課題を解決する。
前記医療機器は、人工心臓弁、血管ステント、人工心肺装置および透析装置からなる群から選択されてもよい。
本発明の医療用金属材料およびその製造方法について説明する。
実施例1では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を負に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
まず、チタン上にチタニアを含有する複数のナノチューブを配列させた。厚さ0.5mm、2cm×1cmの純チタンシート(Ti>99.5%、株式会社ニラコ製)と、2.5cm×2.5cmの白金箔(純度99.99%)とを、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール中で、それぞれ、超音波攪拌をもちいて15分洗浄した。次いで、それらを脱イオン蒸留水(DI水)中5分超音波洗浄し、DI水で洗浄し、乾燥させた。純チタンシートはASTMのF67-95-Gr.2の規格を満たした。
実施例2では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を正に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
比較例3では、実施例1において、図4に示す分極ステップを行うことなく、チタン上にチタニアを含有し、表面を分極させていないナノチューブを配列する金属材料を製造した。
実施例4では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を負に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
実施例5では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を正に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
比較例6では、実施例4において、図4に示す分極ステップを行うことなく、チタン上にチタニアを含有し、表面を分極させていないナノチューブを配列する金属材料を製造した。
比較例7では、コントロールとして、表面に改質層を有しない実施例1のチタンシートを用い、その電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。結果を、図10、図13および表3~表5示す。
比較例8では、別のコントロールとして、ガラス基板を用い、その抗血栓性の評価を行った。結果を、図13および表5示す。
図6は、実施例4の金属材料のSEM像を示す図である。
図9は、実施例4の金属材料の熱処理前後のXRDパターンを示す図である。
図12は、実施例/比較例4~6の金属材料の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図である。
図13は、比較例7のチタンシートおよび比較例8のガラス基板の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図である。
110 改質層
120 金属基体
130 ナノチューブ
410 一対の白金箔
420 ナノチューブからなる層
430 チタンシート
Claims (10)
- 改質層を備えた金属基体からなる血栓抑止のための抗血栓性医療用金属材料であって、
前記金属基体は、チタンまたはチタン合金からなり、
前記改質層は、少なくとも一端に開口部を有し、前記金属基体の表面に対して前記開口部が前記金属基体から遠ざかるように配列した複数のナノチューブからなり、
前記複数のナノチューブのそれぞれは、10.5μm以上15μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上80nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上20nm以下の範囲の壁厚を有し、
前記改質層は、50nm以上150nm以下の範囲の平均表面粗さを有し、
前記複数のナノチューブのそれぞれは、少なくともチタニアを含有し、
前記複数のナノチューブのそれぞれは、前記金属基体に対向する側の表面の分極電荷が負となるように分極している、金属材料。 - 前記チタニアは、アナターゼ型のチタニアを含有する、請求項1に記載の金属材料。
- 前記チタニアは、ルチル型のチタニアをさらに含有する、請求項2に記載の金属材料。
- 前記アナターゼ型のチタニアの含有量は、前記ルチル型のチタニアの含有量よりも多い、請求項3に記載の金属材料。
- 前記改質層は、1×10-6S/m以上5×10-3S/m以下の導電率を有する、請求項1~4のいずれかに記載の金属材料。
- 前記改質層は、5.5×10-5S/m以上1×10-3S/m以下の導電率を有する、請求項5に記載の金属材料。
- チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を、フッ酸、クロム酸および硫酸からなる群から選択される酸と、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびエチレングリコール(EG)からなる群から選択される極性溶媒とを用いて陽極酸化するステップと、
前記陽極酸化された金属基体の表面に負の電圧を印加するよう分極するステップと
を包含する、請求項1~6のいずれかに記載の血栓抑止のための抗血栓性医療用金属材料の製造方法。 - 前記陽極酸化された金属基体を熱処理するステップをさらに包含する、請求項7に記載の方法。
- 生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器であって、
血液が接触する部位の少なくとも一部は、請求項1~6のいずれかに記載の血栓抑止のための抗血栓性医療用金属材料からなる、医療機器。 - 前記医療機器は、人工心臓弁、血管ステント、人工心肺装置および透析装置からなる群から選択される、請求項9に記載の医療機器。
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