JP2019084021A - 医療用金属材料、その製造方法およびそれを用いた医療機器 - Google Patents

医療用金属材料、その製造方法およびそれを用いた医療機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 抗血栓性に優れた生体内に留置するための医療用金属材料、その製造方法およびそれを用いた医療機器を提供すること。【解決手段】 本発明の医療用金属材料は、改質層を備えたチタンまたはチタン合金からなる金属基体からなり、改質層は、少なくとも一端に開口部を有し、金属基体の表面に対して開口部が金属基体から遠ざかるように配列した複数のナノチューブからなり、複数のナノチューブのそれぞれは、少なくともチタニアを含有し、複数のナノチューブのそれぞれは、分極している。本発明の医療用金属材料の製造方法は、チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を陽極酸化するステップと、金属基体を分極するステップとを包含する。【選択図】 図1

Description

本発明は、チタン系材料を用いた医療用金属材料、その製造方法およびそれを用いた医療機器に関する。
チタン系材料は、軽量、非磁性、機械的特性、耐食性、生体適合性を有することから、インプラントなどの生体埋込を目的とした医用分野への応用が盛んである。特に、チタン系材料は、生体適合性に優れるため、整形外科、循環器外科・内科、歯科などにおいて、硬組織代替材料や長期間の埋込に使用される。しかしながら、血液と直接接触する部位へチタン系材料を埋め込むと、血栓ができることが知られている。
これに対して、チタンの表面を改質する試みがある(例えば、非特許文献1および非特許文献2を参照)。非特許文献1および非特許文献2は、いずれも、チタンの陽極酸化により表面にチタニア(二酸化チタン)からなるナノチューブを形成し、それにより、血液凝固が抑制されることを報告する。しかしながら、実用に際しては、抗血栓性のさらなる改善が求められている。
一方、チタンの表面を改質する別の試みがある(例えば、非特許文献3を参照)。非特許文献3は、チタン上のチタニアコーティングを分極することにより、生体親和性が向上することを報告している。しかしながら、非特許文献3のチタニアコーティングは、抗血栓性を有しないため、血液と直接接触する部位への埋込には適さない。
Somnath C.Royら,Biomaterials,28,4667−4672,2007 Barbara S.Smithら,J.Biomed.Mater.Res.A,Vol.95,Issue 2,350−360,2010 Chufan Maら,Acta Biomaterialia,8,860−865,2012
以上から、本発明の課題は、抗血栓性に優れた生体内に留置するための医療用金属材料、その製造方法およびそれを用いた医療機器を提供することである。
本発明による改質層を備えた金属基体からなる医療用金属材料は、前記金属基体は、チタンまたはチタン合金からなり、前記改質層は、少なくとも一端に開口部を有し、前記金属基体の表面に対して前記開口部が前記金属基体から遠ざかるように配列した複数のナノチューブからなり、前記複数のナノチューブのそれぞれは、少なくともチタニアを含有し、前記複数のナノチューブのそれぞれは、分極しており、これにより上記課題を解決する。
前記複数のナノチューブの少なくとも一部は、前記改質層の前記金属基体に対向する側の表面の分極電荷が負となるように分極していてもよい。
前記チタニアは、アナターゼ型のチタニアを含有してもよい。
前記チタニアは、ルチル型のチタニアをさらに含有してもよい。
前記複数のナノチューブのそれぞれは、5μm以上30μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上150nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上50nm以下の範囲の壁厚を有してもよい。
前記複数のナノチューブのそれぞれは、5μm以上15μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上80nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上20nm以下の範囲の壁厚を有してもよい。
前記改質層は、10nm以上200nm以下の範囲の平均表面粗さを有してもよい。
前記改質層は、50nm以上150nm以下の範囲の平均表面粗さを有してもよい。
前記改質層は、1×10-6S/m以上5×10-3S/m以下の導電率を有してもよい。
前記改質層は、5.5×10-5S/m以上1×10-3S/m以下の導電率を有してもよい。
本発明による上述の医療用金属材料を製造する方法は、チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を陽極酸化するステップと、前記陽極酸化された金属基体を分極するステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記陽極酸化された金属基体を熱処理するステップをさらに包含してもよい。
本発明による生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器は、血液が接触する部位の少なくとも一部が、上述の金属材料からなり、これにより上記課題を解決する。
前記医療機器は、人工心臓弁、血管ステント、人工心肺装置および透析装置からなる群から選択されてもよい。
本発明の医療用金属材料は、チタンを含有する改質層を備えたチタンまたはチタン合金である金属基体からなるので、生体適合性に優れる。また、改質層は、少なくとも一端に開口部を有し、金属基体の表面に対して開口部が金属基体から遠ざかるように配列した複数のナノチューブからなるので、金属基体の表面の親水性を向上できる。加えて、複数のナノチューブは分極しているので、改質層の表面に電位が生じる。これら親水性の向上および表面電位の生成によって、抗血栓性が劇的に向上し得る。このような医療用金属材料を血液が接触する部位の少なくとも一部に利用すれば、血液の凝固を抑制できるので、生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器に利用できる。
本発明の上述の医療用金属材料は、チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を陽極酸化するステップと、陽極酸化された金属基体を分極するステップとによって製造されるので、特殊な技能や高価な装置を不要とし、実用に即している。
本発明の医療用金属材料を示す模式図 本発明の医療用金属材料を製造するプロセスを説明するフローチャート 陽極酸化ステップを実施する模式図 分極ステップを実施する模式図 実施例1の金属材料のSEM像を示す図 実施例4の金属材料のSEM像を示す図 実施例1および実施例4の金属材料の表面のAFM像を示す図 実施例1の金属材料の熱処理前後のXRDパターンを示す図 実施例4の金属材料の熱処理前後のXRDパターンを示す図 実施例/比較例1〜7の金属材料の表面上の液滴の様子を示す図 実施例/比較例1〜3の金属材料の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図 実施例/比較例4〜6の金属材料の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図 比較例7のチタンシートおよび比較例8のガラス基板の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
本発明の医療用金属材料およびその製造方法について説明する。
図1は、本発明の医療用金属材料を示す模式図である。
本発明の医療用金属材料(以降では単に本発明の金属材料と称する)100は、改質層110を備えた金属基体120からなり、金属基体120の表面が改質されている。金属基体120は、チタンまたはチタン合金からなる。チタンは、ASTMのF67−95−Gr.2の規格を満たす純チタンであってよい。チタン合金は、生体適合性(生体親和性ともいう)を有するチタンを含有する金属であれば制限はないが、例示的には、Ti−6Al−4V合金ELI、Ti−6Al−7Nb、Ti−13Zr−13Nb、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−6Al−2Nb−1Ta等の規格を満たすチタン合金が好ましい。
改質層110は、少なくとも一端に開口部を有する複数のナノチューブ130からなり、一方の開口部が、金属基体120の表面に対して、その金属基体120の表面から遠ざかるように配列している。図1では、ナノチューブ130は、その長手方向が金属基体120の表面に対して垂直となるように配列しているが、垂直でなくてもよく、長手方向が金属基体120の表面に対して平行にならない限り斜めに配列していてもよい。このように複数のナノチューブ130が配列しているので、金属基体120の表面の親水性が向上し、血液成分の付着が抑制され得る。
複数のナノチューブ130のそれぞれは、少なくともチタニア(二酸化チタン)を含有する。これにより、本発明の金属材料100は、全体がチタンを含有する材料からなるため、生体適合性に優れる。さらに、複数のナノチューブ130のそれぞれは、分極している。これにより、本発明の金属材料100の改質層110の表面に電位が生じ、抗血栓性が劇的に向上し得る。
複数のナノチューブ130の少なくとも一部は、好ましくは、改質層110の金属基体120に対向する側の表面の分極電荷が負となるように分極している。改質層110が負の分極電荷を有せば、血小板そのものの付着が抑制されるため、血餅が生成しない。すなわち、血小板は負に帯電しており、改質層110と血小板との間で静電斥力が生じ、血小板が改質層110に付着できない。また、負の分極電荷は、タンパク質等の内皮細胞を優先的に付着するので、内皮細胞が付着した改質層110の表面は、血管の内壁と同様に機能する。その結果、血餅が生成しない。このようにして、抗血栓性がさらに向上し得る。
なお、少なくとも一部とする量は、抗血栓性の観点から、複数のナノチューブ130の10%、さらに好ましくは、50%、なおさらに好ましくは80%である。負電荷を有するナノチューブ130が10%未満である場合には、抗血栓性を有するが、劇的な向上が見られない場合がある。抗血栓性および製造効率の観点から、負電荷を有するナノチューブ130が少なくとも50%とできる。もっとも高い抗血栓性を達成するには、負電荷を有するナノチューブ130が少なくとも80%とできる。なお、図1では、分かりやすさのために、複数のナノチューブ130のすべてが、改質層110の金属基体120に対向する側の表面の分極電荷が負となるように分極しているが、一例に過ぎない。
複数のナノチューブ130におけるチタニアは、アナターゼ型のチタニアを含有する。これにより、抗血栓性が向上する。さらに好ましくは、複数のナノチューブ130におけるチタニアは、ルチル型のチタニアを含有する。アナターゼ型とルチル型との混合により、抗血栓性がさらに向上する。混合割合に特に制限はないが、製造の観点から、アナターゼ型のチタニアが、ルチル型のそれよりも多くなるように設定することがよい。
複数のナノチューブ130のそれぞれは、チタニア以外にも金属基体120であるチタンまたはチタン合金を含有してもよい。製造プロセスによっては、チタンまたはチタン合金が含有される場合もあるが、抗血栓性の低減に影響しない。
複数のナノチューブ130のそれぞれは、少なくとも一端に開口部を有するが、両端が開口部であってもよい。複数のナノチューブ130の両端が開口部の場合には、金属基体120の表面と一方の開口部とが接触するように配列する。なお、一端または両端が開口部であるナノチューブ130の制御は、後述する陽極酸化ステップにて行われる。
複数のナノチューブ130のそれぞれは、5μm以上30μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上150nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上50nm以下の範囲の壁厚を有する。これにより、本発明の金属材料100の表面の親水性が向上し得る。複数のナノチューブ130のそれぞれは、好ましくは、5μm以上15μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上80nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上20nm以下の範囲の壁厚を有する。これにより、改質層110におけるナノチューブ130の密度が増大し、本発明の金属材料100の表面の親水性がさらに向上し得、後述の分極ステップを容易にし得る。
改質層110は、上述したように複数のナノチューブ130からなるが、複数のナノチューブ130のチューブ長は一律ではなく、好ましくは、10nm以上200nm以下の範囲の平均表面粗さを有する。これにより、電気抵抗を高め、導電率を低減できるので、後述の分極ステップを実施できる。改質層110は、さらに好ましくは、50nm以上150nm以下の範囲の平均表面粗さを有する。これにより、抗血栓性を高めることができる。
改質層110は、好ましくは、1×10-6S/m以上5×10-3S/m以下の導電率を有する。これにより、後述の分極ステップを実施できる。改質層110は、さらに好ましくは、5.5×10-5S/m以上1×10-3S/m以下の導電率を有する。これにより、後述の分極ステップを容易に実施し、抗血栓性を高めることができる。
なお、図1では、平板状である金属基体120に改質層110が位置するが、金属基体120は、平板状に限らない。湾曲した表面を有してもよい。
本発明の金属材料100は、チタン系合金からなるので生体適合性に優れ、高い抗血栓性を有するため、血液と接触しても血餅を生じない。このような金属材料100を血液が接触する部位の少なくとも一部に利用した、生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器を構成できる。このような医療機器は、例示的には、人工心臓弁、血管ステント、人工心肺装置および透析装置からなる群から選択される。本発明の金属材料100を適用したこれらの医療機器を用いれば、血餅の生成が抑制され、ワーファリン等の血栓溶解のための投薬が不要とできる。
図2は、本発明の医療用金属材料を製造するプロセスを説明するフローチャートである。
ステップS210:チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を電気化学的な陽極酸化する。チタンまたはチタン合金は図1を参照して上述したとおりである。陽極酸化により上述した少なくとも一端に開口部を有するチタニアを含有し、金属基体の表面に対して開口部が離れるように配列した複数のナノチューブを形成できる。なお、陽極酸化は、例えば、非特許文献1および非特許文献2に記載の技術を用いることができるが、複数のナノチューブが図1を参照して説明した条件を満たすように制御することが望ましい。陽極酸化前に金属基体の表面を処理し、自然酸化膜などを除去することが好ましい。表面処理は、脱イオン蒸留水、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール等で超音波攪拌を用いた/用いない洗浄であってもよいし、ダイヤモンドペースト等を用いた化学機械研磨であってもよいし、機械研磨であってもよい。
陽極酸化の例示的な手順は次のとおりである。表面が処理された金属基体は、電解質溶液に入れられる。ここで、金属基体は陽極として、不活性な金属基板(例えば、金、インジウム、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム等)は陰極として機能し、陽極と陰極とを銅線等で接続し、外部電源等により電圧を印加すればよい。
電解質溶液は、酸性溶液であり、例示的には、フッ酸、クロム酸および硫酸からなる群から選択される酸と、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール(EG)およびN−メチル−2−ピロリンドン(NMP)からなる群から選択される極性溶媒との組み合わせである。酸の濃度は、好ましくは、0.1体積%以上5体積%以下の範囲である。極性溶媒の選択によって、得られるナノチューブのチューブ長、直径および壁厚を調整できる。例えば、フッ酸とDMSOとを用いて得られるナノチューブのチューブ長、直径および壁厚は、フッ酸とEGとを用いて得られるナノチューブのそれらよりも大きい。なお、酸の濃度を「体積%」に代えて「wt%」を用いてもよく、これらの酸と極性溶媒との組み合わせにおいては、「0.1体積%以上5体積%以下」を「0.1wt%以上5wt%以下」と読み替えても本発明を実現できる。
陽極酸化の条件は、特に制限はないが、室温(15℃以上35℃以下)にて、1V以上100V以下の範囲であり、1時間以上48時間以下の時間である。条件によって、一端または両端に開口部を有するナノチューブを形成できる。
ステップS220:ステップS210で陽極酸化された金属基体を分極する。分極は、一対の電極間に金属基体を配置し、金属基体を加熱しながら電圧を印加すればよい。分極の条件は、10V以上200V以下、好ましくは、50V以上150V以下の範囲であり、200℃以上500℃以下、好ましくは、350℃以上450℃以下の範囲で、30分以上2時間以下保持すればよい。改質層に正の電圧を印加すれば、改質層の表面の分極電荷が正となり、改質層に負の電圧を印加すれば、改質層の表面の分極電荷が負となる。このようにして、改質層を備えた医療用金属材料を製造できる。
なお、ステップS220に先立って、陽極酸化された金属基体を熱処理してもよい。これにより、複数のナノチューブの結晶性を高めるとともに、不要なイオン等を除去できる。例示的には、酸素を含有する雰囲気中で、450℃以上600℃以下の温度範囲で、1時間以上5時間以下の範囲、熱処理する。結晶性の向上に伴い、複数のナノチューブに、確実に、アナターゼ型のチタニアとルチル型のチタニアとを含有させることができる。あるいは、表面の分極電荷が維持される限り、ステップS220に続いて、熱処理を行っても、同様の効果が得られる。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[実施例1]
実施例1では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を負に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
図3は、陽極酸化ステップを実施する模式図である。
まず、チタン上にチタニアを含有する複数のナノチューブを配列させた。厚さ0.5mm、2cm×1cmの純チタンシート(Ti>99.5%、株式会社ニラコ製)と、2.5cm×2.5cmの白金箔(純度99.99%)とを、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノール中で、それぞれ、超音波攪拌をもちいて15分洗浄した。次いで、それらを脱イオン蒸留水(DI水)中5分超音波洗浄し、DI水で洗浄し、乾燥させた。純チタンシートはASTMのF67−95−Gr.2の規格を満たした。
陽極にチタンシートを、陰極に白金箔を用い、陽極酸化を行い、チタンシートの表面に複数のナノチューブを形成した(図2のステップS210)。陽極酸化の条件は、100mLのフッ酸のDMSO溶液(溶液中のフッ酸の濃度は2体積%)中に、陽極と陰極との間を2cmに維持して浸漬し、室温下で24時間、60V印加した。陽極酸化後、チタンシートをDI水で3回洗浄し、室温で乾燥させた。
次いで、チタンシートを、酸素雰囲気中、昇温速度を1℃/分で540℃まで昇温し、3時間保持し、熱処理した。これにより、チタンシート上のナノチューブの結晶化を行い、フッ化物イオンなどの不要なイオンを除去した。
図4は、分極ステップを実施する模式図である。
次に、熱処理したチタンシートを分極した(図2のステップS220)。詳細には、チタンシートを一対の白金箔410で挟み、直流電圧100Vを印加し、400℃で1時間加熱した。ここで意図するチタンシートとは、金属基体であるチタンシート430上に、先の陽極酸化ステップによりナノチューブからなる層420が形成されたものであることに留意されたい。図4では、2つのチタンシートを一度に分極処理する様子を示すが、1つずつ行ってもよい。実施例1では、改質層の表面の分極電荷が負を有するように、分極した(図4において左の金属材料に相当)。
このようにして得られた実施例1の金属材料の表面(改質層)を走査型電子顕微鏡(FE−SEM、S−4800、株式会社日立製作所)で観察し、原子間力顕微鏡(AFM、Nanonavi IIを搭載したE−Sweep、セイコーインスツルメント株式会社)で評価した。観察結果を図5、図7および表2に示す。
実施例1の金属材料の表面の結晶相を、粉末X線回折(XRD、RINT−Ultima III、株式会社リガク)によって同定した。測定は、単色化したCuKα線を用い、走査速度2°/分で、10°〜80°の2θの範囲を走査した。結果を図8に示す。実施例1の金属材料の表面を、エネルギー分散型X線分光法(EDX、TYPE、Bruker Inc.)により定性的に評価した。
実施例1の金属材料の表面の電気特性(電気抵抗および導電率)を、デジタルマルチメータで測定した。結果を表3に示す。実施例1の金属材料の表面の濡れ性および接触角を、液滴法およびゴニオメータ(接触角計DM−CE1、FAMAS、協和界面科学株式会社)によって評価した。結果を図10および表4に示す。
次に、クエン酸で抗凝固処理された牛の全血(クエン酸濃度:1.43mM、品番12070610、コスモバイオ株式会社)を用いて、実施例1の金属材料の抗血栓性を評価した。実施例1の金属材料をCaおよびMg不含のダルベッコリン酸緩衝液(DPBS、品番14190−144、GIBCO、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)で37℃、1時間インキュベートした。抗凝固処理された牛の全血1.5mLを金属材料に滴下し、37℃で1時間インキュベートした。インキュベート後、0.1MのCaCl2水溶液150μLを添加し、血液と混合し、血液を凝固させた。金属材料をDPBSで3回洗浄し、室温下で1時間、37%のホルムアルデヒドで金属材料の表面状態を固定し、60%、70%、80%、90%、100%濃度のエタノールで順次各15分処理し、乾燥させた。乾燥後の実施例1の金属材料の表面状態を観察し、血栓形成率を算出した。結果を図11および表5に示す。
[実施例2]
実施例2では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を正に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
実施例2は、図4に示す分極ステップにおいて、実施例1と逆に電圧を印加した(図4において右の金属材料に相当)以外は実施例1と同様であるため説明を省略する。実施例1と同様に、実施例2の金属材料を、SEMおよびAFM観察し、XRDおよびEDXによる同定、電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。これらの結果を図10、図11および表2〜表5に示す。
[比較例3]
比較例3では、実施例1において、図4に示す分極ステップを行うことなく、チタン上にチタニアを含有し、表面を分極させていないナノチューブを配列する金属材料を製造した。
実施例1と同様に、比較例3の金属材料を、SEMおよびAFM観察し、XRDおよびEDXによる同定、電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。これらの結果を図10、図11および表2〜表5に示す。
[実施例4]
実施例4では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を負に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
実施例4は、図3に示す陽極酸化ステップにおいて、DMSOに代えて、エチレングリコール(溶液中のフッ酸の濃度は0.5wt%)とした以外は実施例1と同様であるため説明を省略する。実施例1と同様に、実施例4の金属材料を、SEMおよびAFM観察し、XRDおよびEDXによる同定、電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。これらの結果を図6、図7、図9、図10、図12および表2〜表5に示す。
[実施例5]
実施例5では、図3および図4に示す手順にて、チタン上にチタニアを含有し、表面を正に分極させたナノチューブが配列した改質層を有する金属材料を製造した。
実施例5は、図4に示す分極ステップにおいて、実施例4と逆に電圧を印加した(図4において右の金属材料に相当)以外は実施例4と同様であるため説明を省略する。実施例1と同様に、実施例5の金属材料を、SEMおよびAFM観察し、XRDおよびEDXによる同定、電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。これらの結果を図10、図12および表2〜表5に示す。
[比較例6]
比較例6では、実施例4において、図4に示す分極ステップを行うことなく、チタン上にチタニアを含有し、表面を分極させていないナノチューブを配列する金属材料を製造した。
実施例1と同様に、比較例6の金属材料を、SEMおよびAFM観察し、XRDおよびEDXによる同定、電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。これらの結果を図10、図12および表2〜表5に示す。
[比較例7]
比較例7では、コントロールとして、表面に改質層を有しない実施例1のチタンシートを用い、その電気特性、濡れ性、接触角および抗血栓性の評価を行った。結果を、図10、図13および表3〜表5示す。
[比較例8]
比較例8では、別のコントロールとして、ガラス基板を用い、その抗血栓性の評価を行った。結果を、図13および表5示す。
以上の実施例/比較例1〜8の実験条件を簡単のため表1に示し、結果を詳述する。
図5は、実施例1の金属材料のSEM像を示す図である。
図6は、実施例4の金属材料のSEM像を示す図である。
図5および図6によれば、実施例1および実施例4の金属材料の表面には、少なくとも一端に開口部を有する複数のナノチューブが、チタンシートの表面から開口部が遠ざかるように配列した改質層が形成されていることを確認した。また、実施例4の金属材料の改質層におけるナノチューブは、実施例1よりも密に形成されていることが分かった。
図5および図6を比較すると、実施例4の金属材料におけるナノチューブは、実施例1の金属材料におけるナノチューブに比べて、チューブ長が短く、直径および壁厚ともに短いことが分かった。なお、実施例2および比較例3の金属材料におけるナノチューブの様態は、実施例1のそれと同じであり、実施例5および比較例6の金属材料におけるナノチューブの様態は、実施例4のそれと同じであることを確認した。図5および図6からナノチューブのチューブ長、直径および壁厚を求め、表2にまとめる。
図7は、実施例1および実施例4の金属材料の表面のAFM像を示す図である。
図7(A)および(B)は、それぞれ、実施例1および実施例4の金属材料の表面のAFM像である。(A)と(B)とを比較すると、実施例1の金属材料の表面は平滑であり、実施例4の金属材料の表面は、実施例1のそれよりも粗く、50nm以上150nmの範囲の平均表面粗さを有した。図示しないが、実施例2の金属材料および比較例3の金属材料の表面は、実施例1のそれと同様であり、実施例5の金属材料および比較例6の金属材料の表面は、実施例4のそれと同様であった。
これらの結果から、本発明の方法における陽極酸化ステップにおいて、電解質溶液の選択によって、得られるナノチューブの大きさ、密度、表面粗さを制御した改質層を形成できることが示された。特に、DMSOを用いれば、径が大きく、長いナノチューブが形成され、滑らかな表面を有する改質層となる。EGを用いれば、径が小さく、短いナノチューブが形成され、粗い表面を有し、密な改質層となる。また、本発明の方法における分極ステップは改質層の様態に影響を及ぼさないことを確認した。
図8は、実施例1の金属材料の熱処理前後のXRDパターンを示す図である。
図9は、実施例4の金属材料の熱処理前後のXRDパターンを示す図である。
図8および図9において、XRDパターン(A)は熱処理前のXRDパターンであり、XRDパターン(B)は熱処理後のXRDパターンを示す。図8および図9のいずれも、熱処理前のXRDパターン(A)は、金属基体であるチタンシートと微量のルチル型のチタニアとのピークを示したが、主として、アナターゼ型のチタニアに指数付けされた。一方、図8および図9のいずれも、熱処理後のXRDパターン(B)によれば、熱処理によりピークがシャープとなり結晶成長が確認され、アナターゼ型のチタニアに加えて、ルチル型のチタニアの明瞭なピークも見られた。なお、実施例2および比較例3の金属材料のXRDパターンは、実施例1のそれと同じであり、実施例5および比較例6の金属材料のXRDパターンは、実施例4のそれと同じであることを確認した。このことからも、本発明の方法における分極ステップは改質層の結晶性に影響を及ぼさないことを確認した。
また、EDXによれば、いずれの金属材料の表面からも、TiおよびOが検出され、それ以外の元素は検出されなかった。このことからも改質層を構成するナノチューブはチタニアであることが示された。また、金属材料の本発明の方法における陽極酸化ステップを実施しても、電解質に基づく不純物が表面に付着する等の影響はないことが分かった。
これらから、本発明の方法の陽極酸化を行えば、少なくともチタニアを含有し、少なくとも一端に開口部を有する複数のナノチューブが、チタンシートの表面から開口部が遠ざかるように配列した改質層を形成でき、チタニアは、アナターゼ型およびルチル型を含むことが示された。
次に、金属材料の電気特性を表3に示す。表3には比較のため、改質層を有しないチタンシート(比較例7)の電気特性も併せて示す。
表3に示すように、ナノチューブからなる改質層を有することにより、金属材料の電気抵抗は増大し、導電率は、1×10-6S/m以上5×10-3S/m以下まで低減することが分かった。特に、実施例/比較例3〜6の結果を参照すれば、本発明の方法の陽極酸化ステップにおいて、電解質溶液にEGを用いれば、その傾向が顕著であり、改質層は、5.5×10-5S/m以上1×10-3S/m以下の導電率を有することができることが分かった。改質層は、本発明の方法における分極ステップを実施するに十分な抵抗を有していることが確認された。
図10は、実施例/比較例1〜7の金属材料の表面上の液滴の様子を示す図である。
図10(G)と、図10(A)〜(F)とを比較すると、表面にナノチューブからなる改質層を有することによって、金属材料の表面は親水性となることが分かった。図10から接触角を算出した。結果を表4に示す。
表4によれば、ナノチューブからなる改質層を有することによって、金属材料の表面は劇的に親水性となることが分かった。実施例/比較例1〜6を参照すれば、表面に分極電荷を有する(すなわち、ナノチューブが分極している)方が、さらに親水性が向上し、表面の分極電荷が負である方が、なおさらに親水性が向上する傾向を示した。また、実施例/比較例1〜3と、実施例/比較例4〜6とを比較すると、改質層の表面粗さが粗い方がさらに親水性が向上する傾向を示した。このような親水性の向上は、血液成分中の血漿タンパク質の吸着を抑制できるので、本発明の金属材料の抗血栓性の向上を示唆する。
図11は、実施例/比較例1〜3の金属材料の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図である。
図12は、実施例/比較例4〜6の金属材料の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図である。
図13は、比較例7のチタンシートおよび比較例8のガラス基板の抗血栓性評価後の表面の様子を示す図である。
図11(A)〜(D)は、それぞれ、試験前の実施例1の金属材料の表面、試験後の実施例1の金属材料の表面、試験後の実施例2の金属材料の表面、および、試験後の比較例3の金属材料の表面を表す。図12(A)〜(D)は、それぞれ、試験前の実施例4の金属材料の表面、試験後の実施例4の金属材料の表面、試験後の実施例5の金属材料の表面、および、試験後の比較例6の金属材料の表面を表す。図13(A)〜(C)は、それぞれ、試験前の比較例7のチタンシートの表面、試験後の比較例7のチタンシートの表面、および、試験後の比較例8のガラス基板の表面を示す。図11〜図13では、グレースケールで示すが、暗く示されていたり、濁って示されていたりする部分が血餅を表す。
図11〜図13によれば、分極したナノチューブからなる改質層(すなわち、改質層の表面に正または負の分極電荷を有する)を備えた金属材料(図11(A)〜(B)、図12(A)〜(B))は、分極していないナノチューブからなる改質層を備えた金属材料(図11(C)および図12(C))、改質層を有しないチタンシート(図13(A))あるいはガラス基板(図13(B))に比較して、血餅が見られず、抗血栓性に優れることが分かった。
さらに、図11〜図13を用いて血栓形成率を算出した。ここでは、血栓形成率は、各試料の下端(図11〜図13の下端)から1×1cm2の範囲に形成された血栓面積から算出した。表5に示す。
表5によれば、改質層の表面が分極している方が、抗血栓性が高く、改質層の表面が負の分極電荷を有する方が、改質層の表面が正の分極電荷を有するよりもさらに抗血栓性が向上することが示された。特に驚くべきは、実施例4の金属材料は、血栓形成率が0%であった。このことから、少なくともチタニアを含有し、5μm以上15μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上80nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上20nm以下の範囲の壁厚を有するナノチューブからなり、表面の分極電荷が負となるよう分極しており、平均表面粗さが50nm以上150nmを有する改質層を有する金属材料は、特に、抗血栓性に優れることが分かった。
ここで、非特許文献1、2に記載されるように陽極酸化によってナノチューブが形成された表面を、非特許文献3に基づいて分極するという発想が容易でないことについて述べておきたい。すなわち、抗血栓性を向上させるために、生体親和性を向上(非特許文献3に記載の分極の効果)させるという発想はない。これは、生体親和性と抗血栓性とは一対一の対応ではなく、材料に応じて、それぞれの特性は異なるため、抗血栓性向上のために生体親和性に着目することはないためである。例えば、無機化合物として水酸アパタイトは、生体親和性が極めて高いが、抗血栓性は通常の程度である。有機化合物としてコラーゲンは、生体親和性が極めて高く、抗血栓性も高い。その他にも、アルミナ、ジルコニア、テフロン(登録商標)なども生体親和性が高いが、これらは抗血栓性を有しない、または、十分ではない。当業者であれば、生体親和性を有したとしても、抗血栓性の向上に必ずしもつながるものではないことから、本発明の顕著な効果ならびに飛躍的進歩を理解する。
本発明の医療用金属材料は、チタン系合金からなるので生体適合性に優れ、血液と接触しても血栓が生成せず、抗血栓性に優れる。このような金属材料を血液が接触する部位の少なくとも一部に利用すれば、血液の凝固を抑制できるので、生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器に利用できる。
100 医療用金属材料
110 改質層
120 金属基体
130 ナノチューブ
410 一対の白金箔
420 ナノチューブからなる層
430 チタンシート

Claims (14)

  1. 改質層を備えた金属基体からなる医療用金属材料であって、
    前記金属基体は、チタンまたはチタン合金からなり、
    前記改質層は、少なくとも一端に開口部を有し、前記金属基体の表面に対して前記開口部が前記金属基体から遠ざかるように配列した複数のナノチューブからなり、
    前記複数のナノチューブのそれぞれは、少なくともチタニアを含有し、
    前記複数のナノチューブのそれぞれは、分極している、金属材料。
  2. 前記複数のナノチューブの少なくとも一部は、前記改質層の前記金属基体に対向する側の表面の分極電荷が負となるように分極している、請求項1に記載の金属材料。
  3. 前記チタニアは、アナターゼ型のチタニアを含有する、請求項1または2のいずれかに記載の金属材料。
  4. 前記チタニアは、ルチル型のチタニアをさらに含有する、請求項3に記載の金属材料。
  5. 前記複数のナノチューブのそれぞれは、5μm以上30μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上150nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上50nm以下の範囲の壁厚を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の金属材料。
  6. 前記複数のナノチューブのそれぞれは、5μm以上15μm以下の範囲のチューブ長を有し、30nm以上80nm以下の範囲の直径を有し、5nm以上20nm以下の範囲の壁厚を有する、請求項5に記載の金属材料。
  7. 前記改質層は、10nm以上200nm以下の範囲の平均表面粗さを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の金属材料。
  8. 前記改質層は、50nm以上150nm以下の範囲の平均表面粗さを有する、請求項7に記載の金属材料。
  9. 前記改質層は、1×10-6S/m以上5×10-3S/m以下の導電率を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の金属材料。
  10. 前記改質層は、5.5×10-5S/m以上1×10-3S/m以下の導電率を有する、請求項9に記載の金属材料。
  11. チタンまたはチタン合金からなる金属基体の表面を陽極酸化するステップと、
    前記陽極酸化された金属基体を分極するステップと
    を包含する、請求項1〜10のいずれかに記載の医療用金属材料の製造方法。
  12. 前記陽極酸化された金属基体を熱処理するステップをさらに包含する、請求項11に記載の方法。
  13. 生体に埋め込みまたは接合して使用される医療機器であって、
    血液が接触する部位の少なくとも一部は、請求項1〜10のいずれかに記載の金属材料からなる、医療機器。
  14. 前記医療機器は、人工心臓弁、血管ステント、人工心肺装置および透析装置からなる群から選択される、請求項13に記載の医療機器。
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