JP7080150B2 - ジンバルプロファイル生成装置、ジンバルプロファイル生成プログラム及びジンバルプロファイル生成方法 - Google Patents

ジンバルプロファイル生成装置、ジンバルプロファイル生成プログラム及びジンバルプロファイル生成方法 Download PDF

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Description

この発明は、コントロールモーメントジャイロ(以降「CMG」と称する)の目標ジンバル回転角のプロファイルであるジンバルプロファイルを生成する、装置、プログラム及び方法に関する。
人工衛星等の宇宙機の3軸姿勢制御を行うためのアクチュエータとして、CMGがある。CMGは、1台当たり1つ以上のジンバル軸と、ジンバル軸と直交するスピン軸回りに回転するホイールとを有している。CMGは、スピン軸回りに回転しているホイールをジンバル軸回りに回転させることで、角運動量を変化させるアクチュエータである。以下、ジンバル軸回りの回転角をジンバル回転角、または、ジンバル角と称する。宇宙機の姿勢変更を行うためには、ジンバル角を変化させることが必要であるが、ジンバル角の変化量を、「CMGジンバル目標プロファイル」として、あらかじめ計画することで宇宙機の姿勢変更を行う方法がある(例えば、特許文献1)。
CMGジンバル目標プロファイルをあらかじめ計画する特許文献1のような方法では、CMGジンバル目標プロファイルは、人工衛星の目標姿勢変更量に基づき、姿勢変更に必要となるジンバル角等をフィードフォワード的に算出する。この算出過程では、ジンバル角から宇宙機の姿勢角速度を算出し、算出した姿勢角速度を数値演算により時間積分して姿勢角を算出する。さらに、算出した姿勢角が所望の姿勢変更量と一致するまで、ジンバル角の補正と前記姿勢角算出とが繰り返される。前記算出機能を宇宙機の搭載計算機に具備するためには、特に時間積分、及び姿勢角算出の繰り返し演算負荷を搭載計算機にて計算可能な程度まで下げる必要がある。また、算出機能は、ジンバル角の補正と数値演算により時間積分して姿勢角を算出することを繰り返すため、数値演算の安定性(収束性)を保証することが必要である。
特許第5484262号
従来のジンバル目標プロファイル生成器においては、ニュートン法等の数値的に収束方向(ジンバル角補正方向)を求める演算手法を用いて、時間積分して得られた姿勢角と所望の姿勢変更量を一致させている。このため、処理負荷量が大きいこと、数値的な収束演算の収束性を保証すること、について課題があった。
この発明のジンバルプロファイル生成装置は、
複数のコントロールモーメントジャイロを備える宇宙機の姿勢制御に使用され、第1の遷移区間と、第2の遷移区間と、前記第1の遷移区間と前記第2の遷移区間との間に位置するコースト区間とに分けられるジンバル回転角を持つジンバルプロファイルを生成するジンバルプロファイル生成装置において、
前記宇宙機に要求される姿勢変更量に基づいて前記宇宙機の姿勢レートを計算する姿勢レート計算部と、
前記姿勢レート計算部の計算した前記姿勢レートを用いて前記宇宙機の第1角運動量を計算し、前記コースト区間におけるすべての前記コントロールモーメントジャイロの3軸合計角運動量がゼロの状態を示すジンバル定常状態とコントロールモーメントジャイロの角運動量包絡面とから得られるジンバル回転角に基づいて前記宇宙機の第2角運動量を計算し、前記第1角運動量と前記第2角運動量との差分に角運動量時間微分をジンバル回転角速度に変換する行列を乗じて得られたジンバル回転角変化量をもとに前記中間ジンバル回転角の初期値を計算する逆運動学計算部と、
前記中間ジンバル回転角の初期値の時間積分に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、前記姿勢角と前記宇宙機に要求される姿勢角とから、前記宇宙機の姿勢誤差を計算する姿勢誤差計算部と
を備える。
本発明のジンバルプロファイル生成装置は逆運動学計算部を備えたので、中間ジンバル角が与えられていない場合でも、演算処理負荷を増大させることなくジンバルプロファイルを生成できる。
実施の形態1の図で、宇宙機の姿勢変更を実現するCMGジンバル目標プロファイルを示す図。 実施の形態1の図で、姿勢レートプロファイルを示す図。 実施の形態1の図で、CMGジンバル目標プロファイル、姿勢レートプロファイル、CMG全体の運動量及び姿勢角を示す図。 実施の形態1の図で、ジンバルプロファイル生成装置100によるCMGジンバル目標プロファイルの生成方式に対する比較例を示す図。 実施の形態1の図で、CMG200の斜視図。 実施の形態1の図で、ジンバルプロファイル生成装置100のハードウェア構成を示す図。 実施の形態1の図で、ジンバルプロファイル生成装置100の生成するCMGジンバル目標プロファイルを示す図。 実施の形態1の図で、ジンバルプロファイル生成装置100のCMGジンバル目標プロファイルの生成の動作を示すフローチャート。 実施の形態1の図で、台形形状の速度プロファイルを示す図。 実施の形態1の図で、ジンバルプロファイル生成装置100の機能構成を示す図。 実施の形態1の図で、ステップS20の内容を示すフローチャート。 実施の形態1の図で、ステップS30とステップS40の内容を示すフローチャート。 実施の形態1の図で、変形例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
以下の実施の形態には、ベクトル,行列及びテンソルが登場する。
ベクトルは太字で示す。またベクトルは便宜的に<V>のように表記する場合がある。<V>はベクトルVを意味する。
行列とテンソルは太字で示す。また行列とテンソルは便宜的に[W]のように表記する場合がある。[W]は行列WまたはテンソルWを意味する。
実施の形態1.
以下、図1から図13を参照して実施の形態1のジンバルプロファイル生成装置100を説明する。
図1は、宇宙機の姿勢変更を実現するためのCMGジンバル目標プロファイルの一例を示す。図1のCMGジンバル目標プロファイルは、任意のジンバル角始端θからθcoasまでジンバル角を変化させる遷移区間Aと、中間ジンバル角θcoastを維持するコースト区間と、中間ジンバル角θcoastから任意のジンバル角終端までジンバル角を変化させる遷移区間Bとから構成される。θcoastは、以下、中間ジンバル角と称する。
図2は、姿勢レートプロファイルを示す。図1に示したCMGジンバル目標プロファイルを用いた場合、中間ジンバル角θcoastでの全CMGの3軸合計角運動量がゼロの状態(この状態を「ジンバル角定常状態」と記す)に近い範囲であれば、図2に示す姿勢レートプロファイルに近い姿勢レートが得られる。このとき図2に示す姿勢レートプロファイルを時間積分して得られる姿勢角が、宇宙機のおおよその姿勢変更量となる。
所望の姿勢変更を実現する上で、姿勢変更始端φと姿勢変更終端φの姿勢条件は与えられるものとする。
図3は、図1のCMGジンバル目標プロファイル及び図2の姿勢レートプロファイルの場合に、さらに、CMG全体の運動量と姿勢角のグラフと加えた図である。姿勢条件が与えられている場合は、姿勢条件より、姿勢変更始端と姿勢変更終端のジンバル角(以下、始端ジンバル角θ及び終端ジンバル角θと称する)は任意の手法を用いて算出することができる。
始端ジンバル角θと終端ジンバル角θが与えられた時、図1に示すCMGジンバル目標プロファイルを用いて宇宙機で所望の姿勢変更を実現する上で変化させることができる条件は、中間ジンバル角θcoastのみである。
図4は、ジンバルプロファイル生成装置100によるCMGジンバル目標プロファイルの生成方式に対する比較例である。ステップS01の処理は、任意の手法で中間ジンバル角初期値を計算し、中間ジンバル角ノミナル値の初期値とする。ステップS02の処理は、中間ジンバル角ノミナル値及び中間ジンバル角をノミナル値から微小変化させた値を用いて、中間ジンバル角ノミナル値に対する終端姿勢及び目標姿勢プロファイル、中間ジンバル角を変化させた際の終端姿勢の変化量及び中間ジンバル角の収束方向(終端姿勢が所望の姿勢変更を実現する方向)を求め、中間ジンバル角を収束する方向に更新する。これは、ニュートン法等の数値的な手法である。図4の比較例では、例えば中間ジンバル角θcoastを微小変化させて数値的に収束方向(ジンバル角補正方向)を求める演算手法(ニュートン法等)を用いて、中間ジンバル角θcoastを求めている。図4の比較例では、時間積分により姿勢角を求めることに加え、数値的に収束方向を求める演算による演算負荷が加わる。このため、図4の比較例では処理負荷が高く、数値的な収束演算の収束性の保証が難しいという課題がある。
実施の形態1で説明するジンバルプロファイル生成装置100は、後述の図7に示すCMGジンバル目標プロファイルを生成することで、図4で述べた課題を解決する。
図5は、CMG200の斜視図である。CMG200を間単に説明する。CMG200は、ジンバルプロファイル生成装置100によって生成されるCMGジンバル目標プロファイルで制御される。CMG200は、人工衛星のような宇宙機の姿勢制御に用いられる。CMG200は、スピン軸211回りに高速で回転するホイール210と、ホイール210を支持し、スピン軸211に対して直交するジンバル軸221回りに回転するジンバル220とから構成される。ジンバル軸221回りの回転角度がジンバル回転角222である。
CMG200において、ホイール210は高速回転することでスピン軸211回りに角運動量を生成する。ジンバル220をジンバル軸221回りに回転させ、ホイール210の角運動量の向きを回転させることにより、宇宙機に反作用トルクが働く。宇宙機はこの反作用トルクを姿勢制御に用いる。
***構成の説明***
図6は、ジンバルプロファイル生成装置100のハードウェア構成を示す。図6を用いてジンバルプロファイル生成装置100の構成を説明する。ジンバルプロファイル生成装置100はコンピュータである。ジンバルプロファイル生成装置100は、プロセッサ10を備えるとともに、メモリ20、補助記憶装置30、入力インタフェース40及び出力インタフェース50といった他のハードウェアを備える。プロセッサ10は、信号線60を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
ジンバルプロファイル生成装置100は、機能要素として、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98を備える。姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98は、ソフトウェアであるジンバルプロファイル生成プログラムにより実現される。
プロセッサ10は、ジンバルプロファイル生成プログラムを実行する装置である。ジンバルプロファイル生成プログラムは、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98を実現するプログラムである。プロセッサ10は、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98の処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ10の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ20は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ20の具体例は、SRAM(STatic Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。メモリ20は、プロセッサ10の演算結果を保持する。
補助記憶装置30は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置30の具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。また、補助記憶装置30は、SD(登録商標)(Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体であってもよい。
入力インタフェース40は、外部装置から、情報を取得する。出力インタフェース50は外部装置へ情報を出力する。
ジンバルプロファイル生成プログラムは、メモリ20からプロセッサ10に読み込まれ、プロセッサ10によって実行される。メモリ20には、ジンバルプロファイル生成プログラムだけでなく、その他の制御計算等を実行するプログラムも記憶されている。プロセッサ10は、その他の制御計算等を実行するプログラムを実行しながら、ジンバルプロファイル生成プログラムを実行する。ジンバルプロファイル生成プログラム及びその他の制御計算等を実行するプログラムは、補助記憶装置30に記憶されていてもよい。補助記憶装置30に記憶されているジンバルプロファイル生成プログラム及びその他の制御計算等を実行するプログラムは、メモリ20にロードされ、プロセッサ10によって実行される。なお、OS(Operating System)の使用、及びジンバルプロファイル生成プログラム及びその他の制御計算等を実行するプログラムの一部又は全部をOS(Operation System)に組み込まれていてもよい。
ジンバルプロファイル生成装置100は、プロセッサ10を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、ジンバルプロファイル生成プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ10と同じように、ジンバルプロファイル生成プログラムを実行する装置である。
ジンバルプロファイル生成プログラムにより利用、処理又は出力されるデータ、情報、信号値及び変数値は、メモリ20、補助記憶装置30、又は、プロセッサ10内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
ジンバルプロファイル生成プログラムは、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。また、ジンバルプロファイル生成方法は、コンピュータであるジンバルプロファイル生成装置100がジンバルプロファイル生成プログラムを実行することにより行われる方法である。
ジンバルプロファイル生成プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
図7は、ジンバルプロファイル生成装置100の生成するCMGジンバル目標プロファイルを示す。CMGジンバル目標プロファイルはジンバルプロファイルである。ジンバルプロファイル生成装置100は、図7のジンバルプロファイルを生成する。図7のジンバルプロファイルは、複数のコントロールモーメントジャイロを備える宇宙機の姿勢制御に使用され、原点から時間t1までの第1の遷移区間である△ttransと、時間t2から時間t3までの第2の遷移区間である△ttransと、第1の遷移区間と第2の遷移区間との間に位置するコースト区間である△tcoastとに分けられるジンバル回転角を持つ。なお、時間t1までの第1の遷移区間である△ttransと時間t2から時間t3までの第2の遷移区間である△ttransとは等しい必要は無いが、説明の都合上、区別の必要がないためいずれも△ttransと表記している。
図8は、ジンバルプロファイル生成装置100のCMGジンバル目標プロファイルの生成の動作を示すフローチャートである。図8には図7の処理ステップの対応を示している。図7に示すステップS10からステップS40は、以下のようである。ステップS10では、中間ジンバル角初期値が逆運動角を用いて計算される。また量子化することで、収束性が保証される。ステップS20ではヤコビ行列を用いて補正が実施される。ステップS30では、ステップS10及びステップS20で補償しきれなかった誤差分を誤差補正プロファイルとしてコースト区間に重畳する。ステップS40では、ステップS10、S20、S30でも補償しきれなかった誤差分は目標姿勢始端に加算し、駆動終了までにフィードバック制御により誤差を抑制する。
図7及び図8の説明の前に、図7及び図8に共通的に使用されている技術について説明する。CMG全体の角運動量<h>及びトルク<τ>は以下のように求めることができる。
Figure 0007080150000001
Figure 0007080150000002
ただし、式5中の[A(θ)]は、例えば[A(θ)]の擬似逆行列等、以下の式6、式7を同時に満足する任意の行列である。[A(θ)]の算出方法は本発明の対象範囲を超えるため、説明は省略する。
Figure 0007080150000003
次に、ジンバル目標プロファイルに対応する姿勢プロファイルを近似的に算出する方法について説明する。
図9は、台形形状の速度プロファイルを示す。中間ジンバル角θcoastが与えられていないときは、図9に示す台形速度プロファイルを用いて、姿勢プロファイルを生成する。このとき、台形速度プロファイルにおける一定角加速度は、CMG角運動量包絡面(後述)に相当する姿勢レートを、CMG角運動量包絡面から求めたジンバル角と始端ジンバル角又は終端ジンバル角との間をジンバル角変化の制約を満足しつつ変化させる時間で割った値と、ジンバル角定常状態において姿勢変更方向側に出力可能な角加速度の値との平均値を使用する。これを「中間ジンバル値が与えられていない場合の角加速度の算出方式」と呼ぶ。
平均値にて得られた一定角加速度と所望の姿勢変更量から、台形速度プロファイルにおける最大姿勢レートを算出する。前記にて算出された最大姿勢レートに宇宙機の慣性テンソルを乗じて角運動量を算出する。前記にて算出された角運動量に対応するジンバル角を、ゼロ角運動量とジンバル定常状態の組合せ、又はCMG角運動量包絡面(近傍で良い)に相当する角運動量とCMG角運動量包絡面から求めたジンバル角(の近傍の値で良い)の組合せを始点とし、逆運動学(式5)を用いて算出する。
前記算出過程において、姿勢駆動方向及び台形速度プロファイルにおける最大姿勢レート(と最大姿勢レートから計算される角運動量)は所望の姿勢変更量から算出されるため任意の値を本来は取り得るが、一定の刻みで量子化を施して算出を行う。
前記量子化により、任意の所望の姿勢変更量に対し、前記算出に対する算出条件は有限の数に抑制される。有限の数に抑制された算出条件に対し、全条件にて収束性(解が求められること)を事前に検証/確認を行うことで、収束性を保証可能となる。
中間ジンバル角θcoastが与えられているときは、与えられた中間ジンバル角θcoastをもとに得られる遷移区間A、コースト区間、遷移区間Bの各姿勢変更量を時間積分により算出できる。
なお、時間積分では、ジンバル角から式1に基づき角運動量を算出し、算出した角運動量に宇宙機の慣性テンソルの逆行列を乗じ姿勢レートを算出し、算出した姿勢レートを時間積分することで姿勢角を算出する。この姿勢角の算出方式を「中間ジンバルを用いた姿勢角算出方式」と呼ぶ。
中間ジンバル角θcoastが与えられているときの近似的な姿勢プロファイルは、中間ジンバル角θcoastを変化させた際の姿勢プロファイルを近似的に算出するために使用する。前記姿勢プロファイル算出においては、遷移区間A及び遷移区間Bは与えられた中間ジンバル角θcoastをもとに算出された姿勢変更量を用いる。コースト区間△tcoastの姿勢変更量については、姿勢変更全体の所望姿勢変更量から、前記遷移区間A及び遷移区間Bの姿勢変更量を差し引いた姿勢変更量を所望姿勢変更量とし、所望姿勢変更量とコースト区間の時間△tcoastから、コースト区間の所望姿勢変更量は四元数Δqcoastにて表記すると、式8にて与えられることを利用して、コースト区間の姿勢レートを算出する。
Figure 0007080150000004
***動作の説明***
次に、前記の説明をもとに図7、図8、図10、図11、図12を参照してジンバルプロファイル生成装置100の動作を説明する。ジンバルプロファイル生成装置100の動作は、ジンバルプロファイル生成方法に相当する。また、ジンバルプロファイル生成装置100の動作は、ジンバルプロファイル生成プログラムの処理に相当する。
図10は、ジンバルプロファイル生成装置100の機能構成を示す。
図11は、ステップS20の内容を示す。
図12は、ステップS30とステップS40の内容を示す。図11、図12において実線の矢印は処理の流れを示し、点線の矢印は情報の出力及び入力を示す。黒の菱型は姿勢誤差計算部97の判定処理を表している。姿勢誤差計算部97は姿勢誤差が規定値以内かを判定し、規定値以内であれば処理を完了してもよいことを示している。
<ステップS10>
図7、図8、図10を参照してステップS10を説明する。ステップS10では、ジンバルプロファイル生成装置100は、逆運動学を用いて中間ジンバル角初期値を計算する。逆運動学を用いる際に、量子化を用いることで、中間ジンバル角初期値計算収束性が保証される(全条件での事前検証を可能とする)。以下にステップS10を説明する。
ステップS10の処理においては前記の中間ジンバル角が与えられていないときの姿勢プロファイル算出及びジンバル角算出を用いる。
以下の(1)~(7)が、中間ジンバル角初期値95aの算出過程である。
(1)姿勢レート計算部91は、入力情報90aを取得する。入力情報90aは、宇宙機の始端の姿勢条件及び終端姿勢条件、始端のジンバル角θ及び終端のジンバル角θ、宇宙機の姿勢変更時間を含む。
(2)姿勢レート計算部91は、宇宙機に要求される姿勢変更量に基づいて宇宙機の姿勢レートを計算する。具体的は以下のようである。
姿勢レート計算部91は、取得した入力情報90aから、コースト区間の姿勢レート91aを生成する。姿勢レート計算部91は、台形速度パターンの一定角加速度<α>と駆動時間Tと駆動角θを用いて、解析的に最大角速度ω(台形速度パターンの速度が一定となる部分の速度)を求める。ここで使われる一定角加速度<α>の求め方が図9で説明した「中間ジンバル値が与えられていない場合の角加速度の算出方式」により求められ、以下の2つの平均値が使用される。
・CMG角運動量包絡面(後述)に相当する姿勢レート÷CMGジンバル変化の制約を満たす時間
・ジンバル角定常状態において姿勢変更方向側に出力可能な角加速度
(3)第1量子化部92は、コースト区間の姿勢レート91aを取得し、任意の刻みで姿勢レート91aを量子化し、量子化された姿勢レート92aを出力する。
(4)第2量子化部93は入力情報90aを取得し、入力情報90aをもとに、オイラー軸(駆動方向)と駆動量とを算出し、任意の刻みで駆動方向と駆動量を量子化した情報93aを出力する。
(5)包絡面計算部94は、第2量子化部93から出力された情報93aを用いて、ジンバル角定常状態及びCMG角運動量包絡面から求めたジンバル角94aを出力する。包絡面計算部94は、ある三軸の方向ベクトル(駆動方向)を入力すると、CMG角運動量包絡面に相当する三軸角運動量とCMGジンバル角を出力する機能である。
(6)逆運動学計算部95は、第1量子化部92から量子化された姿勢レート92aを取得し、包絡面計算部94から、ジンバル角定常状態及びCMG角運動量包絡面から求めたジンバル角94aを取得する。
(7)逆運動学計算部95は、取得した上記2つのデータを用いて、中間ジンバル角初期値95aを計算する。逆運動学計算部95は、入力である量子化された姿勢レートを<ωIN>としたときに<h>=[I]*<ωIN>にて角運動量を計算する。ここで*は乗算を示す。その<h>に相当するジンバル角を式5で求める。式5の<h(θ+△θ)>が<h>に相当する。また、式5の<θ>は2通りあり、ジンバル角定常状態及びCMG角運動量包絡面から求められたジンバル角94aに相当する。実際には、逆運動学計算部95は<h(θ+△θ)>と<h(θ)>との間を複数回刻んで計算する。例えば0.1<h>、0.2<h>、...、<h>のように刻んで、徐々にジンバル角を変化させる。
このように、逆運動学計算部95は、姿勢レート計算部91の計算した姿勢レートを用いて宇宙機の第1角運動量である<h(θ+θ)>を計算する。
逆運動学計算部95は、コースト区間におけるすべてのコントロールモーメントジャイロの3軸合計角運動量がゼロの状態を示すジンバル定常状態とコントロールモーメントジャイロの角運動量包絡面とから得られるジンバル回転角に基づいて宇宙機の第2角運動量である<h(θ)>を計算する。
逆運動学計算部95は、第1角運動量<h(θ+θ)>と第2角運動量<h(θ))>との差分に角運動量時間微分をジンバル回転角速度に変換する行列[A(θ)]を乗じて得られたジンバル回転角変化量をもとに、中間ジンバル回転角の初期値θを計算する。なお、逆運動学計算部95は、量子化されている姿勢レートを用いて宇宙機の第1角運動量を計算し、量子化されているジンバル回転角に基づいて宇宙機の第2角運動量を計算する。
(8)以上の(1)~(7)が、中間ジンバル角初期値95aの算出過程である。
<ステップS20>
ステップS20については、中間ジンバル角θcoastが与えられているときの姿勢プロファイル算出方法を利用する。
ステップS20では、中間ジンバル角を用いて終端姿勢を計算する。中間ジンバル角回りのヤコビ行列と、近似姿勢プロファイルを用いて中間ジンバル角を更新する。更新は任意の回数実施する(収束判定不要)。
以下のステップでは、ジンバルプロファイル生成装置100は、ステップS10で得られた中間ジンバル角初期値95aをもとにジンバル目標プロファイルを生成し、このジンバル目標プロファイルの時間積分により終端姿勢を算出する。
ステップS21において、姿勢誤差計算部97は、中間ジンバル回転角の初期値の時間積分に基づいて宇宙機の姿勢角を計算し、姿勢角と宇宙機に要求される姿勢角とから、宇宙機の姿勢誤差を計算する。以下に具体的に説明する。
姿勢誤差計算部97は、入力情報90aと中間ジンバル角初期値95aとを取得する。姿勢誤差計算部97は、中間ジンバル角が与えられているときは、与えられた中間ジンバル角をもとに得られる遷移区間A、コースト区間、遷移区間Bにおける宇宙機の各姿勢変更量を時間積分により算出できる。この場合、中間ジンバルを用いた姿勢角算出方式を使用する。つまり、時間積分では、ジンバル角から式1に基づき角運動量を算出し、算出した角運動量に宇宙機の慣性テンソルの逆行列を乗じ姿勢レートを算出し、算出した姿勢レートを時間積分することで姿勢角を算出する。姿勢誤差計算部97は、入力情報90aに含まれる宇宙機の終端姿勢条件と、ステップS21で求めた姿勢角の相違から、姿勢誤差を計算する。姿勢誤差計算部97は、姿勢誤差97bを出力する。
ステップS22において、ジンバル回転角更新部96は、姿勢誤差計算部97が計算した姿勢誤差が閾値以上の場合に、コースト区間に要する時間と、コースト区間で宇宙機に要求される姿勢変更量とに基づいて、コースト区間に対応する姿勢レートを計算する。
姿勢誤差計算部97は、計算した姿勢レートと、中間ジンバル回転角の初期値とに基づいて、中間ジンバル回転角の初期値を更新する。
具体的には以下のようである。
ジンバル回転角更新部96は、入力情報90a、姿勢誤差97b、中間ジンバル角初期値95aを取得する。ジンバル回転角更新部96は、姿勢誤差97bを中間ジンバル角の補正によって補償するため、コースト区間の姿勢レート<ωcoast>を式8によって算出する。算出した姿勢レート<ωcoast>と、与えられた中間ジンバル角から算出(ジンバル角から式1に基づき角運動量を算出し、算出した角運動量に宇宙機の慣性テンソルの逆行列を乗じて算出)した姿勢レート<ω>と、宇宙機の慣性テンソル[I]をもとに、ジンバル回転角更新部96は、中間ジンバル角の補正量<△θ>を、式5を変形した式9により算出する。
Figure 0007080150000005
ステップS22においては、中間ジンバル角θcoastが与えられている前提での算出となるため、式10から得られる姿勢レート変化量<△ω>は微小値として考えることができる。
Figure 0007080150000006
ステップS22ではジンバル回転角更新部96は、式9又は式12のいずれかを用いて中間ジンバル角の更新を行う。
ステップS23で、繰り返しか完了かどうかが判定される。完了の場合ステップS20の処理は完了する。完了でない場合は、処理はステップS24に進む。
ステップS24ではステップS21との同様の処理が実行される。ステップS24では、姿勢誤差計算部97は、ジンバル回転角更新部96によって更新された中間ジンバル回転角の時間積分に基づいて宇宙機の姿勢角を計算する。
姿勢誤差計算部97は、計算した姿勢角と、宇宙機に要求される姿勢角とから、宇宙機の姿勢誤差を計算する。具体的には以下のようである。
ステップS24ではジンバル回転角更新部96が計算した中間ジンバル角96aが姿勢誤差計算部97に入力される。
ステップS24において、姿勢誤差計算部97は、入力情報90aと中間ジンバル角96aとを取得する。姿勢誤差計算部97は、中間ジンバル角が与えられているときは、与えられた中間ジンバル角をもとに得られる遷移区間A、コースト区間、遷移区間Bにおける宇宙機の各姿勢変更量を時間積分により算出できる。
この場合、中間ジンバルを用いた姿勢角算出方式を使用する。つまり、時間積分では、ジンバル角から式1に基づき角運動量を算出し、算出した角運動量に宇宙機の慣性テンソルの逆行列を乗じ姿勢レートを算出し、算出した姿勢レートを時間積分することで姿勢角を算出する。姿勢誤差計算部97は、入力情報90aに含まれる宇宙機の終端姿勢条件と、ステップS24で求めた姿勢角の相違から、姿勢誤差を計算する。姿勢誤差計算部97は、姿勢誤差97bを出力する。
ステップS25ではステップS22との同様の処理が実行される。ステップS25ではジンバル回転角更新部96が計算した中間ジンバル角96aがジンバル回転角更新部96に入力される。ジンバル回転角更新部96は、ステップS22との同様の処理が実行される。
つまりステップS25では、ジンバル回転角更新部96は、更新された中間ジンバル回転角から姿勢誤差計算部97によって求められた姿勢誤差が閾値以上の場合に、コースト区間に要する時間と、コースト区間で宇宙機に要求される姿勢変更量とに基づいて、コースト区間に対応する姿勢レートを計算する。ジンバル回転角更新部96は、中間ジンバル回転角と、計算した姿勢レートとに基づいて、中間ジンバル回転角を時間経過で変化しない一定値として更新する。
ステップS26では、繰り返しか完了かどうかが判定される。完了の場合ステップS20の処理は完了する。完了でない場合は、処理はステップS24に進む。一般に、繰り返し回数の増加に伴い、中間ジンバル角θcoastの補正量<△θ>は徐々に小さくなり、収束する傾向にある。
<ステップS30>
ステップS30では、ステップS20で得られた中間ジンバル角をもとに終端姿勢と所望の姿勢変更量との誤差を求め、中間ジンバル角回りのヤコビ行列をもとに中間ジンバル角誤差補正プロファイルを求め、中間ジンバル角に対し重畳する(コースト区間に適用)。
図10、図12を参照してステップS30を説明する。ステップS30はステップS31からステップS33からなる。
ステップS31において、姿勢誤差計算部97は、入力情報90aと中間ジンバル角を取得する。ここでの中間ジンバル角はステップS20の最終値である。姿勢誤差計算部97は、入力情報90aと中間ジンバル角を用いてステップS21と同様に、中間ジンバルを用いた姿勢角算出方式を使用して、姿勢角と姿勢誤差を計算する。姿勢誤差計算部97は、姿勢誤差97aと姿勢プロファイルを出力する。
ステップS32において、補正部98は、ジンバル回転角更新部96によって更新されたコースト区間の中間ジンバル回転角に基づいて宇宙機の姿勢角を計算する。補正部98は、計算した宇宙機の姿勢角から、更新されたコースト区間の中間ジンバル回転角の補正量を計算する。
具体的には以下のようである。
ステップS32において、補正部98は、入力情報90a、姿勢誤差計算部97から姿勢誤差97aと姿勢プロファイルを取得する。補正部98は、算出された誤差を補償するために、コースト区間のジンバル角を、コースト区間の始端と終端のジンバル角を変化させずに、補正する。コースト区間の始端と終端のジンバル角を変化させないことは、コースト区間の始端と終端の姿勢レートを変化させないことに相当する。したがって、コースト区間の始端と終端の姿勢レート(この場合の始端と終端の姿勢レートは同じ)が与えられる条件にて、補正部98は、前記誤差量を補正する誤差補償姿勢プロファイルを算出する。このとき、式11に示したように姿勢レート補正量は微小であり、オイラーレートを用いることができ、式13、式14に示すオイラー角、オイラーレートにて誤差補償姿勢プロファイルを与えることができる。ただし、式13、式14はオイラー角、オイラーレートのうちの1成分のみを表しており、残りの2成分についても同様に表すことができる。また、△φは誤差補償姿勢プロファイル全体の姿勢変更量であり、前記誤差量と一致する。また、tはコースト区間開始からの経過時間を表している。
Figure 0007080150000007
なお、式13、式14、式15は時間多項式にて表現されており、それぞれの時間微分量を容易に得ることが出来る。
ステップS30では、コースト区間の始端と終端のジンバル角を補正前後で変化させないため、遷移区間A及び遷移区間Bにおける姿勢変更量を変化させずに、全体の姿勢変更量を変化させることができる。
<ステップS40>
ステップS40において、
姿勢誤差計算部97は、補正部98によって計算された補正量をジンバル回転角更新部96によって更新された中間ジンバル回転角に反映する。姿勢誤差計算部97は、補正量が反映された中間ジンバル回転角の時間積分に基づいて宇宙機の姿勢角を計算する。姿勢誤差計算部97は、計算した姿勢角と、宇宙機に要求される姿勢角とから、宇宙機の姿勢誤差を計算し、計算した姿勢誤差を、補正量が反映された中間ジンバル回転角を持つジンバルプロファイルの第1の遷移区間におけるジンバル回転角の始点に加える。つまり、姿勢誤差計算部97は、計算した姿勢誤差を、目標姿勢プロファイルの始端に加える。具体的には以下のようである。
ステップS40では、ステップS30で得られたCMGジンバル目標プロファイルをもとに、目標姿勢プロファイルと、終端姿勢と所望の姿勢変更量との誤差を求め、当該誤差を目標姿勢プロファイルに加算する(姿勢変更始端の目標姿勢条件を変更することに相当)。
ステップS40において、姿勢誤差計算部97は、入力情報90a、ステップS20の最終値の中間ジンバル角96aを取得し、及び補正部98から誤差補償姿勢プロファイルに対応するジンバル角98aを取得する。姿勢誤差計算部97は、入力情報90aと中間ジンバル角96aとを取得する。姿勢誤差計算部97は、中間ジンバル角が与えられているときは、与えられた中間ジンバル角をもとに得られる遷移区間A、コースト区間、遷移区間Bにおける宇宙機の各姿勢変更量を時間積分により算出できる。この場合、中間ジンバルを用いた姿勢角算出方式を使用する。つまり、時間積分では、ジンバル角から式1に基づき角運動量を算出し、算出した角運動量に宇宙機の慣性テンソルの逆行列を乗じ姿勢レートを算出し、算出した姿勢レートを時間積分することで姿勢角を算出する。姿勢誤差計算部97は、入力情報90aに含まれる宇宙機の終端姿勢条件と、ステップS24で求めた姿勢角の相違から、姿勢誤差量を計算する。姿勢誤差計算部97は、算出した誤差量を、目標姿勢プロファイルに加算し、最終的な目標姿勢プロファイルとする。具体的には、姿勢誤差計算部97は、算出した誤差量を、目標姿勢プロファイルの始端に加算する。
姿勢誤差計算部97は、算出した誤差量を目標姿勢プロファイルに加算するため、姿勢変更始端において、目標姿勢が算出した誤差量分だけ変化することになるが、一般に、姿勢変更始端において目標姿勢が変化した場合は姿勢のフィードバック制御において追従することができるため問題とならない。逆に、姿勢変更終端において所望の姿勢変更量からの誤差をゼロに抑制することができるため、姿勢変更直後の姿勢制御精度、姿勢安定度等の諸性能を向上させることができる。
***実施の形態1の効果***
ジンバルプロファイル生成装置100では時間積分して得られた姿勢角と所望の姿勢変更量を一致させるために、ニュートン法のような数値的に収束方向(ジンバル角補正方向)を求める演算手法を用いるのではなく、式9から式12による近似的な解析解により収束方向(ジンバル角補正方向)を求める演算手法を用いている。よって、演算負荷を従来方式に比べ低減出来る。また、CMGジンバル目標プロファイル生成過程に対し、量子化を施すことで、収束の安定性を保証することが出来る。
ジンバルプロファイル生成装置100では中間ジンバル角が与えられていない場合でも式3から式5を用いてジンバル角プロファイルを生成できる。
ステップS20からステップS40では、ジンバルプロファイル生成装置100は任意の回数の繰り返し演算を行うことは可能であるが、収束演算を実施する必要は無く、収束性を考慮する必要が無い。また、ステップS10では、前記のとおり、量子化により収束性を保証している。以上より、実施の形態1のジンバルプロファイル生成装置100は収束性が保証される
<変形例>
実施の形態1ではジンバルプロファイル生成装置100の機能がソフトウェアで実現されるが、変形例として、ジンバルプロファイル生成装置100の機能がハードウェアで実現されてもよい。
図13は、実施の形態1の変形例に係るジンバルプロファイル生成装置100の構成を示す図である。図13の電子回路99は、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98の各部の機能、メモリ20、補助記憶装置30、入力インタフェース40及び出力インタフェース50との機能を実現する専用の電子回路である。電子回路99は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、又は、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。ジンバルプロファイル生成装置100の構成要素の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。別の変形例として、ジンバルプロファイル生成装置100の構成要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、ジンバルプロファイル生成装置100において、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98の各部の機能がプロセッシングサーキットリにより実現される。あるいは、姿勢レート計算部91、第1量子化部92、第2量子化部93、包絡面計算部94、逆運動学計算部95、ジンバル回転角更新部96、姿勢誤差計算部97及び補正部98の各部の機能、メモリ20、補助記憶装置30、入力インタフェース40及び出力インタフェース50の機能がプロセッシングサーキットリにより実現されてもよい。
以上、実施の形態1について説明したが、実施の形態1のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、実施の形態1のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、実施の形態1に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
10 プロセッサ、20 メモリ、30 補助記憶装置、40 入力インタフェース、50 出力インタフェース、60 信号線、90a 入力情報、91 姿勢レート計算部、91a 姿勢レート、92 第1量子化部、92a 量子化された姿勢レート、93 第2量子化部、93a 情報、94 包絡面計算部、94a ジンバル角、95 逆運動学計算部、95a 中間ジンバル角初期値、96 ジンバル回転角更新部、96a 中間ジンバル角、97 姿勢誤差計算部、97a 姿勢誤差、97b 姿勢誤差、98 補正部、98a ジンバル角、99 電子回路、100 ジンバルプロファイル生成装置、200 ジンバル、201 スピン軸、202 ジンバル軸、203 ジンバル回転角。

Claims (9)

  1. 複数のコントロールモーメントジャイロを備える宇宙機の姿勢制御に使用され、第1の遷移区間と、第2の遷移区間と、前記第1の遷移区間と前記第2の遷移区間との間に位置するコースト区間とに分けられるジンバル回転角を持つジンバルプロファイルを生成するジンバルプロファイル生成装置において、
    前記宇宙機に要求される姿勢変更量に基づいて前記宇宙機の姿勢レートを計算する姿勢レート計算部と、
    前記姿勢レート計算部の計算した前記姿勢レートを用いて前記宇宙機の第1角運動量を計算し、前記コースト区間におけるすべての前記コントロールモーメントジャイロの3軸合計角運動量がゼロの状態を示すジンバル定常状態とコントロールモーメントジャイロの角運動量包絡面とから得られるジンバル回転角に基づいて前記宇宙機の第2角運動量を計算し、前記第1角運動量と前記第2角運動量との差分に角運動量時間微分をジンバル回転角速度に変換する行列を乗じて得られたジンバル回転角変化量をもとに前記中間ジンバル回転角の初期値を計算する逆運動学計算部と、
    前記中間ジンバル回転角の初期値の時間積分に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、前記姿勢角と前記宇宙機に要求される姿勢角とから、前記宇宙機の姿勢誤差を計算する姿勢誤差計算部と
    を備えるジンバルプロファイル生成装置。
  2. 前記ジンバルプロファイル生成装置は、
    前記姿勢誤差計算部が計算した前記姿勢誤差が閾値以上の場合に、前記コースト区間に要する時間と、前記コースト区間で前記宇宙機に要求される姿勢変更量とに基づいて、前記コースト区間に対応する姿勢レートを計算し、
    前記中間ジンバル回転角の初期値と、計算した前記姿勢レートとに基づいて、前記中間ジンバル回転角の初期値を更新するジンバル回転角更新部を備える請求項1に記載のジンバルプロファイル生成装置。
  3. 前記姿勢誤差計算部は、
    前記ジンバル回転角更新部によって更新された中間ジンバル回転角の時間積分に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、計算した前記姿勢角と、前記宇宙機に要求される姿勢角とから、前記宇宙機の姿勢誤差を計算する請求項2に記載のジンバルプロファイル生成装置。
  4. 前記ジンバル回転角更新部は、
    更新された中間ジンバル回転角から前記姿勢誤差計算部によって求められた前記姿勢誤差が閾値以上の場合に、前記コースト区間に要する時間と、前記コースト区間で前記宇宙機に要求される姿勢変更量とに基づいて、前記コースト区間に対応する姿勢レートを計算し、前記中間ジンバル回転角と、計算した前記姿勢レートとに基づいて、前記中間ジンバル回転角を時間経過で変化しない一定値として更新する請求項3に記載のジンバルプロファイル生成装置。
  5. 前記ジンバルプロファイル生成装置は、さらに、
    前記ジンバル回転角更新部によって更新された前記コースト区間の中間ジンバル回転角に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、計算した前記宇宙機の姿勢角から、更新された前記コースト区間の中間ジンバル回転角の補正量を計算する補正部を備える請求項4に記載のジンバルプロファイル生成装置。
  6. 前記姿勢誤差計算部は、
    補正部によって計算された補正量を前記ジンバル回転角更新部によって更新された前記中間ジンバル回転角に反映し、前記補正量が反映された前記中間ジンバル回転角の時間積分に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、計算した前記姿勢角と、前記宇宙機に要求される姿勢角とから、前記宇宙機の姿勢誤差を計算し、計算した前記姿勢誤差を、目標姿勢プロファイルの始端に加える請求項5に記載のジンバルプロファイル生成装置。
  7. 前記逆運動学計算部は、
    量子化されている前記姿勢レートを用いて前記宇宙機の第1角運動量を計算し、量子化されている前記ジンバル回転角に基づいて前記宇宙機の第2角運動量を計算する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のジンバルプロファイル生成装置。
  8. 複数のコントロールモーメントジャイロを備える宇宙機の姿勢制御に使用され、第1の遷移区間と、第2の遷移区間と、前記第1の遷移区間と前記第2の遷移区間との間に位置するコースト区間とに分けられるジンバル回転角を持つジンバルプロファイルを生成するジンバルプロファイル生成プログラムにおいて、
    前記宇宙機に要求される姿勢変更量に基づいて前記宇宙機の姿勢レートを計算する処理と、
    計算した前記姿勢レートを用いて前記宇宙機の第1角運動量を計算し、前記コースト区間におけるすべての前記コントロールモーメントジャイロの3軸合計角運動量がゼロの状態を示すジンバル定常状態とコントロールモーメントジャイロの角運動量包絡面とから得られるジンバル回転角に基づいて前記宇宙機の第2角運動量を計算し、前記第1角運動量と前記第2角運動量との差分に角運動量時間微分をジンバル回転角速度に変換する行列を乗じて得られたジンバル回転角変化量をもとに前記中間ジンバル回転角の初期値を計算する処理と、
    前記中間ジンバル回転角の初期値の時間積分に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、前記姿勢角と前記宇宙機に要求される姿勢角とから、前記宇宙機の姿勢誤差を計算す処理と
    をコンピュータに実行させるジンバルプロファイル生成プログラム。
  9. 複数のコントロールモーメントジャイロを備える宇宙機の姿勢制御に使用され、第1の遷移区間と、第2の遷移区間と、前記第1の遷移区間と前記第2の遷移区間との間に位置するコースト区間とに分けられるジンバル回転角を持つジンバルプロファイルをコンピュータが生成するジンバルプロファイル生成方法において、
    コンピュータが、
    前記宇宙機に要求される姿勢変更量に基づいて前記宇宙機の姿勢レートを計算し、
    計算した前記姿勢レートを用いて前記宇宙機の第1角運動量を計算し、前記コースト区間におけるすべての前記コントロールモーメントジャイロの3軸合計角運動量がゼロの状態を示すジンバル定常状態とコントロールモーメントジャイロの角運動量包絡面とから得られるジンバル回転角に基づいて前記宇宙機の第2角運動量を計算し、前記第1角運動量と前記第2角運動量との差分に角運動量時間微分をジンバル回転角速度に変換する行列を乗じて得られたジンバル回転角変化量をもとに前記中間ジンバル回転角の初期値を計算し、
    前記中間ジンバル回転角の初期値の時間積分に基づいて前記宇宙機の姿勢角を計算し、前記姿勢角と前記宇宙機に要求される姿勢角とから、前記宇宙機の姿勢誤差を計算するジンバルプロファイル生成方法。
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