JP7078891B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
インクジェットプリンターにおいて媒体に液体を噴射して記録を実行すると、排出部から排紙トレイ上に排出された記録後の媒体が、排紙トレイ上において、前記排紙トレイと対向する面の反対面、すなわち、上面を内側にしてカールする場合がある。
前記媒体の目が、媒体搬送方向に沿う「縦目」である場合、前記媒体は前記媒体搬送方向と交差する幅方向にカールして、前記媒体の両側縁が上を向く。また、前記媒体の目が、前記幅方向に沿う「横目」である場合、前記媒体は前記媒体搬送方向にカールして、記媒体の前記媒体搬送方向先端及び後端が上を向く。
また、カールした先行媒体が、前記排出部からの後続の媒体の排出を妨げる虞がある。
加えて、前記媒体排出方向へのカール(例えば、横目で排出される媒体)に加え、前記幅方向へのカール(例えば、縦目で排出される媒体)も抑制することができる。
本態様によれば、前記覆い部によって上述の不具合を抑制でき、また、前記覆い部は回動可能であるので、前記押さえ部の回動を阻害することも抑制できる。
前記フェイスダウン方式で媒体を排出する記録装置においては、前記媒体が前記記録面を外側にしてカールすると、前記カールが上側に向くように変形するので、前記載置部に載置された前記媒体が前記排出部を塞ぎ易いが、前記カールを効果的に抑制できる記録装置とすることができる。
まず、本発明の一実施形態に係る記録装置の概略について説明する。本実施形態の記録装置の一例として、インクジェットプリンター1(以下、単にプリンター1という場合がある)を例に挙げる。尚、本発明に係る記録装置は、インクジェットプリンターに限られず、例えば、レーザープリンターとして構成することも可能である。
図1を参照して、プリンター1の全体構成について説明する。プリンター1は、筐体2と、スキャナー部3とを備える複合機として構成されている。
スキャナー部3は、スキャナー本体4aと、ADF部4bとを備えている。スキャナー本体4aの+Y方向側端部には、操作部6が設けられている。操作部6は、複数の操作ボタン及び表示パネルを備えている。本実施形態において操作部6は、プリンター1における記録動作及びスキャナー部3における画像読取動作を操作可能に構成されている。
<<<媒体収容部から第1排紙トレイまでの媒体搬送経路について>>>
主として図2を参照して、筐体2の下部に設けられる媒体収容部8から第1排紙トレイ7までの媒体搬送経路S1(図2において太い実線で示す)について説明する。
図2において筐体2の-Z方向側端部には、媒体収容部8が設けられている。媒体収容部8は、複数枚の用紙を収容可能に構成されている。媒体収容部8の+Z方向側にはピックアップローラー9が設けられている。ピックアップローラー9は回動軸9aを支点に回動可能に構成されている。ピックアップローラー9は、媒体収容部8に収容された用紙Pと接することにより、媒体収容部8に収容された媒体の最上位の用紙Pを媒体搬送方向下流側に搬送する。
記録部13は、用紙にインク(液体)を噴射して搬送される用紙Pに記録を行う。記録部13は、キャリッジ14を備えて構成されている。キャリッジ14は、X軸方向に移動可能に構成されており、その下部にはインクを-Z方向に吐出する記録ヘッド15が設けられている。
記録部13に供給されるインクは、筐体2内において+X軸方向側に設けられるインクタンク29(図1)から不図示の供給チューブを介して送られるように構成されている。
記録ヘッド15は、媒体支持部16により支持された用紙Pに対してインクを吐出し、用紙Pの記録面に記録を実行する。
湾曲経路20の媒体搬送方向上流側には、排出ローラー対17から送られる用紙を湾曲経路20に搬送する上流側ローラー対18が設けられている。上流側ローラー対18は、図4に示すように、上流側駆動ローラー18aと、上流側駆動ローラー18aに従動回転し、外周に複数の歯を有する上流側ギザローラー18bと、を備えている。
尚、上流側駆動ローラー18a及び下流側駆動ローラー19aは、不図示のモーターによって駆動される。上流側駆動ローラー18a及び下流側駆動ローラー19aの駆動は、排出駆動ローラー17aを駆動するモーターから動力を受ける構成とすることができる。
図2に示す湾曲経路20(図4も参照)は、外側湾曲部20aと内側湾曲部20bとを備えて構成されている。搬送される用紙は、内側湾曲部20bと外側湾曲部20aとの間を通って湾曲反転される。
つまり、プリンター1では、用紙の記録面が下を向く、所謂、フェイスダウン方式で第1排紙トレイ7に載置される。
記録後の用紙がフェイスダウン方式で第1排紙トレイ7に載置されるプリンター1では、排出部28から排出後の用紙Pが、図9または図10に示すように、上面を内側にしてカールする場合がある。このようにカールした用紙Pは排出部28を塞ぎ易いが、押さえ手段100によってカールした用紙Pを押さえ、第1排紙トレイ7上における用紙Pの積載性を高めることができる。押さえ手段100の具体的な構成については後で詳しく説明する。
次いで、図3において、背面側給送部21からの用紙の搬送について説明する。筐体2の-Y方向側端部には背面側給送部21が設けられている。背面側給送部21は、給送口カバー22を備えている。給送口カバー22は、筐体2に対して回動可能に構成され、閉じた状態(図2)と開いた状態(図3)とを切り替え可能である。給送口カバー22を開いた状態とすることで、背面側給送部21から筐体2内の記録部13に向けて用紙の給送が可能となる。尚、図3において、背面側給送部21から給送された用紙Pの媒体搬送経路を符号S2で示す太線で表している。
前述した様に、プリンター1は、記録部13による記録後の用紙を第1排紙トレイ7に排出する他、図4に示すように、筐体2の+Y方向側に配置される支持部25を第2の排紙トレイとして排出することができる。図4において、符号S3で示す太線は、後述する第2状態の支持部25に排出される媒体搬送経路を示している。
支持部25は、回動軸25aを備え、記録後の用紙が湾曲経路20を通って第1排紙トレイ7に排出される場合の経路となる第1状態(図2)から、回動軸25aを中心として揺動し、第1排紙トレイ7とは異なる搬送先となる第2状態(図4)になる。
尚、図5において、支持部25は前記第2状態(図4の状態)であり、図6において、支持部25は前記第1状態(図2、図3の状態)である。
図4及び図7を参照して、前述した押さえ手段100について説明する。
押さえ手段100は、排出部28の媒体排出方向下流側において、第1排紙トレイ7に向けて用紙を押さえる押さえ部を複数備えて構成されている。
本実施形態においては、押さえ手段100は、図4に示すように、第1押さえ部101と、第1押さえ部101による押さえ位置101bよりも媒体排出方向上流側(-Y方向側)を押さえる第2押さえ部102と、を備えている。
言い換えると、第2押さえ部102による押さえ位置102bは、第1押さえ部101による押さえ位置101bよりも媒体排出方向上流側(-Y方向側)にある。
本実施形態のプリンター1は、複数サイズの用紙Pを給紙可能であり、センター給紙方式で給紙される構成であるので、第1排紙トレイ7における前記幅方向の中央部Cと各サイズの用紙Pの前記幅方向における中央部は一致する。すなわち、いずれのサイズの用紙Pに対しても、前記幅方向の中央領域を押さえることができる。
第1押さえ部101及び第2押さえ部102が揺動可能であることにより、第1押さえ部101及び第2押さえ部102は、排出される用紙に押されて用紙から離れる退避方向に逃げることができる。以って、用紙Pに各押さえ部による押し付け力が過度にかかる虞を低減できる。
<<<変更例1-1>>>
第1実施形態の変更例としての押さえ手段100Aは、第1押さえ部101及び第2押さえ部102が、図11に示すように、図7に示す押さえ手段100よりも、前記幅方向に間隔を空けて設けられている。
用紙Pが、目が媒体搬送方向に沿う縦目である場合、記録後の用紙Pは、図10に示すように、前記媒体搬送方向と交差する幅方向にカールする場合がある。つまり、用紙Pの側縁S1、S2が上に向くようにカールする場合がある。
また、第1実施形態の他の変更例としての押さえ手段100Bは、図12に示すように、第1押さえ部101と第2押さえ部102とが交互に設けられている。このことによって、用紙Pのカールを一層確実に押さえることができる。
尚、図は省略するが、第1押さえ部101と第2押さえ部102の前記幅方向への配置は、1つずつ交互に配置される場合に限られず、例えば、第1押さえ部101と第1押さえ部101との間に、2以上の第2押さえ部102が配置されていてもよい。また、その逆に、第2押さえ部102と第2押さえ部102との間に、2以上の第1押さえ部101が配置されていてもよい。
第2実施形態では、主として図13~図25に基づき、押さえ手段の他の実施形態について説明する。尚、適宜、第1実施形態の説明に用いた図も参照する。
図13は、第2実施形態に係るプリンターの要部断面図である。図14は、第2実施形態に係る押さえ手段の平面図である。図15は、第2実施形態に係る押さえ手段が用紙を押さえた状態を示す図である。図16は、図14のB-B矢視断面図である。図17は、図16の要部拡大図である。図18は、第2実施形態に係る押さえ手段の斜視図である。図19は、押さえ手段において、第2押さえ部が上方に揺動した状態を示す斜視図である。
尚、本実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
本実施形態において、第2押さえ部42は、図14に示すように、第1押さえ部41に対して前記媒体排出方向と交差する幅方向にずれて配置され、図13に示すように、前記第1押さえ部41の押さえ位置41bよりも媒体排出方向上流側(+Y方向側)の押さえ位置42bを押さえる。
第3押さえ部43は、図13に示すように、第2押さえ部42の押さえ位置42bよりも媒体排出方向上流側の押さえ位置43bを押さえ、第4押さえ部44は、第3押さえ部43の押さえ位置43bよりも媒体排出方向上流側の押さえ位置44bを押さえる。
従って、図9に示すように、前記媒体排出方向にカールする用紙P(例えば、用紙Pが横目で排出される場合)を、媒体排出方向(Y軸方向)にずれた複数の押さえ位置で押さえることができ、第1排紙トレイ7上における用紙Pの積載性を良好に維持することができる。
そして、第1押さえ部41が、前記媒体排出方向の下流側であって、前記幅方向の中央付近を押さえるので、用紙Pの先端T1側に癖付けされた形状が、媒体排出方向(-Y方向)に排出されても維持され易くなる。
また、用紙Pの端部(図9に示す横目の用紙P場合は先端T1及び後端T2、図10に示す縦目の用紙Pの場合は側縁S1、S2)が上に向いて、先行して排出された用紙Pが排出部28を塞ぐ虞を低減できる。
本実施形態において、第1押さえ部41、第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44のそれぞれは、図13及び図14に示すように、それぞれ排出部28側に回動軸41a、42a、43a、44aを備え、回動軸41a、42a、43a、44aを軸として揺動し、用紙Pに対して進退する自由端(図13において-Y方向側の端部)が用紙を押えるように構成されている。
この構成によって、第1押さえ部41、第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44は、例えば、排出される用紙Pに押されて用紙Pから離れる退避方向に逃げることができる。以って、用紙Pに各押さえ部による押し付け力が過度にかかる虞を低減できる。
以って、各種サイズの用紙の前記幅方向の端部を、確実に押さえ、カールを一層確実に抑制することができる。
また、本実施形態における一対の第4押さえ部44の更に外側に、一対の第5押さえ部(不図示)を設けることができる。前記第5押さえ部は、第4押さえ部44による押さえ位置44b(図13)よりも媒体排出方向上流側(+Y方向側)を押さえる。加えて、一対の前記第5押さえ部の更に外側に、第6押さえ部(不図示)を設けることができる。前記第6押さえ部は、前記第5押さえ部による押さえ位置よりも媒体排出方向上流側を押さえる。
押さえ手段40が第3~第n押さえ部(n≧4)を更に含む構成とする場合、第k押さえ部(n≧k≧3)は、第k-1押さえ部(n≧k≧3)の前記幅方向の両側に一対で設けられるとともに、第k-1押さえ部(n≧k≧3)による押さえ位置よりも媒体排出方向上流側を押さえる構成にされる。
すなわち、外側に設けられる押さえ部ほど、内側に設けられる押さえ部よりも媒体排出方向上流側(-Y方向側)を押さえる構成にする。このことによって、より多くの用紙のサイズに対応することができる。
つまり、押さえ手段40を構成する複数の前記押さえ部のうち、第2押さえ部42及び第3押さえ部43、または第2~第n押さえ部(n≧4)は、それぞれ異なるサイズの用紙の前記幅方向の両端に対応する位置に設けるとよい。
本実施形態においては、第1排紙トレイ7に向けて用紙Pを押さえる押さえ力は、第4押さえ部44が最も大きく、次に第3押さえ部43、続いて第2押さえ部42の順となる。
複数設けられた押さえ部のうち、前記幅方向の外側に位置する押さえ部ほど、第1排紙トレイ7に向けて用紙Pを押さえる押さえ力が大きいことにより、幅方向のサイズが大きい用紙をしっかりと押さえる構成とすることができる。
本実施形態において、複数の前記押さえ部のうち所定の押さえ部は、当該所定の押さえ部に対し前記幅方向の外側に最初に位置する押さえ部の上側に重なっている。
より具体的には、図17に示すように、前記幅方向の最も外側に位置する第4押さえ部44の上に、その内側に位置する第3押さえ部43が重なっており、第3押さえ部43の上に、その内側に位置する第2押さえ部42が重なっている。尚、図17は、図16における+X方向側の第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44を示している。
そして、第4押さえ部44の-X方向側の当接部47aの上に、第4押さえ部44の前記幅方向の内側に位置する第3押さえ部43の、+X方向側の当接部46bが重なっている。また、第3押さえ部43の-X方向側の当接部46aの上に、第3押さえ部43の前記幅方向の内側に位置する第2押さえ部42の、+X方向側の当接部45bが重なっている。
尚、図16において、-X方向側の第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44は、+X方向側の第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44と、前記幅方向の中央に対して対称に形成されている。
図18及び図22は、第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44が、自重により、自由端側が第1排紙トレイ7側に向いている状態を示している。尚、図18~図25の各図においては、第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44の状態を分かり易くするため、第1押さえ部41の記載を省略している。
また、所定の押さえ部(例えば、第2押さえ部42)が、当該所定の押さえ部に対し前記幅方向の外側に最初に位置する押さえ部(例えば、第3押さえ部43)の揺動に追従して揺動する構成とすることができる。
ここで、第2押さえ部42の押さえ位置42b、第3押さえ部43の押さえ位置43b、及び第4押さえ部44の押さえ位置44bが、第1排紙トレイ7に接触している際には、第1排紙トレイ7は図13に示すように傾斜しているので、押さえ位置42b及び押さえ位置43bは、押さえ位置44bよりも上方に位置する。
第4押さえ部44が持ち上がり、第2押さえ部42、第3押さえ部43も共に持ち上がると、押さえ位置42b及び押さえ位置43bと、押さえ位置44bとの相対的な位置関係もそのまま維持される。このため、第4押さえ部44が持ち上がった際に、第2押さえ部42、第3押さえ部43は用紙Pと接触しない。
つまり、各サイズの用紙には対応する押さえ部のみが接触する。例えば、A4サイズの用紙を排出する際は、A4サイズの用紙に対応する第4押さえ部44と中央の第1押さえ部41のみが用紙に接触する。
この構成により、前記幅方向の外側に位置する押さえ部の荷重を増加させつつ、当該押さえ部における接触負荷の増加は抑制できる。
尚、本実施形態において、前記幅方向の中央を押さえる第1押さえ部41は、他の押さえ部とは係合していない。したがって、第1押さえ部41は、第2押さえ部42と同様に単体で揺動可能である。
また、第2押さえ部42~第4押さえ部44は、前記幅方向の内側の押さえ部を、そのすぐ外側の押さえ部に重ねることなく、第2押さえ部42、第3押さえ部43、及び第4押さえ部44のそれぞれを、押圧力の異なる前記押圧部材によって押圧することにより、前記押さえ力が前記幅方向の外側にいくほど大きくなるようにすることも可能である。
尚、すべての押さえ部に除電機能を持たせず、一部の押さえ部(例えば、前記幅方向の中央に設けられる第1押さえ部41)が除電機能を有する構成とすることもできる。
押さえ部が除電機能を有することによって、前記押さえ部と別体の除電部を設ける必要がないので、部品点数が少なくて足り、工程数の低減、コスト削減を実現できる。
<<<変更例2>>>
図26及び図27を参照して、第2実施形態の変更例について説明する。図26は、第2実施形態の変更例に係るプリンターの要部を示す概略断面図である。図27は、第2実施形態の変更例に係る押さえ手段が用紙を押さえた状態を示す図である。
図26及び図27において、符号31bが、第1押さえ部31の押さえ位置であり、符号32bが、第2押さえ部32の押さえ位置であり、符号33bが、第3押さえ部33の押さえ位置である。
更に、第3押さえ部33は、一対の第2押さえ部32の前記幅方向の外側に一対で設けられている。
つまり、押さえ手段30を構成する複数の押さえ部は、前記幅方向の内側から第1押さえ部31、第2押さえ部32、第3押さえ部33の順に一対で設けられており、外側の押さえ部ほど、前記媒体排出方向上流側(-Y方向側)を押さえる様になっている。
このことによって、先行して排出された用紙Pが排出部28を塞ぐ虞を低減できる。また、第1排紙トレイ7上における積載性を向上させることができる。
第3実施形態では、図28~図35に基づき、押さえ手段の更に他の実施形態について説明する。第3実施形態においても、第1実施形態または第2実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
第1押さえ部111は単独で回動させることができ、第2押さえ部112を回動させると第1押さえ部111も追従して回動する。第3押さえ部113を回動させると、これに追従して第1押さえ部111及び第2押さえ部112も回動する。
つまり、外側の押さえ部ほど、用紙を押さえる力が大きくなるように構成されている。
本実施形態においては、第1押さえ部111、第2押さえ部112、及び第3押さえ部113が、水平面(X-Y平面)から90°以上の角度まで回動して第1排紙トレイ7から離れるので、各押さえ部が第1排紙トレイ7からの用紙の取り出しの妨げになったり、用紙に接触したりする虞を低減できる。
より具体的には、排出部28が設けられる筐体2に設けられ、筐体2の一部を開閉する排出部カバー114の下方に回動軸111a、112a、及び113aが配置されて、外部から回動軸111a、112a、113aが露呈しないようになっている。
排出部カバー114は、図31に示すように、閉状態において、第1排紙トレイ7に向けて用紙を押さえる押さえ姿勢の第1押さえ部111、第2押さえ部112、及び第3押さえ部113のそれぞれの回動軸111a、112a、及び113aの上方を覆う「覆い部」である。
回動軸111a、112a、113aが、排出部カバー114によって覆われて筐体2の内部に設けられていることにより、このような不具合を抑制することができる。
このように排出部カバー114が回動可能であることによって、排出部カバー114によって、各回動軸へのアクセスや塵埃等の付着を抑制し、更に、各押さえ部が第1排紙トレイ7から離れる方向への回動を阻害することも抑制できる。
例えば、記録後の用紙を第1排紙トレイ7からユーザーが取り出すにあたり、ユーザーが、第3押さえ部113を用紙の押さえ姿勢(図33の状態)から、図34の位置、すなわち、排出部カバー114の先端に第3押さえ部113が接触する位置よりも更に第1排紙トレイ7から離れる方向に回動させる場合、第3押さえ部113は、押圧部材115の押圧力に抗して回動しつつ、排出部カバー114を図35の開状態にまで押し上げる。
一方、第3押さえ部113を図33に示す押さえ姿勢に戻す場合には、ユーザーが手を離せば、押圧部材115の押圧力によって排出部カバー114が自動で閉じ、以って、第3押さえ部113が押さえ姿勢に戻る方向に自動で回動する。したがって、各押さえ部を自動で押さえ姿勢に戻すことができる。
第1排紙トレイ7を平面視した場合に第1押さえ部111、第2押さえ部112、及び第3押さえ部113の先端位置が揃っているので、良好な外観とすることができる。
図36~図39に基づき、押さえ手段110の各押さえ部を水平面から90°以上の角度まで回動させるように筐体2の内部に取り付ける構成の変更例について説明する。
第3実施形態において説明した第1押さえ部111、第2押さえ部112、及び第3押さえ部113の装置本体への接続部は、図36~図39において説明する押さえ部120のように形成することができる。
押さえ部120は、筐体2側に設けられる第1の回動軸121を軸として、第1排紙トレイ7に対して進退する方向に揺動する根本部材123と、根本部材123の自由端側に設けられる第2の回動軸122を軸として、第1排紙トレイ7に対して進退する方向に揺動し、第1排紙トレイ7に向けて用紙を押さえる先端部材124と、を備えている。
第1の回動軸121は、筐体2の一部である第1上面部2aによって上方が覆われる位置にあり、第2の回動軸122は、筐体2によって上方が覆われない位置にある。
先端部材124は自重により第1排紙トレイ7側に進出するように構成されている。
先端部材124が第2接触部126に接触した後、更に先端部材124に対して+D方向に力を加えると、図39に示すように、根本部材123が押圧部材127の押圧力に抗して+D方向に回動するとともに、先端部材124が水平面(例えば、図39において符号H3で示す点線位置におけるX-Y平面)から90°以上の角度まで回動する。
このことによって、押さえ部120を図39の状態にした後、先端部材124に+D方向への力を加えることをやめた場合に、根本部材123が押圧部材127に押圧されて-D方向に回動して図38の状態に戻るとともに、先端部材124が自重で-D方向に回動して図36の状態に戻る構成とすることができる。
本実施形態においては、第2の回動軸122は筐体2の外部に露呈しているが、第1の回動軸121が筐体2の内側にあって装置内部は見え難いので、装置全体の美観を保つことができる。
Claims (12)
- 媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部による記録後の前記媒体を排出する排出部と、
前記排出部から排出される前記媒体を載置する載置部と、
前記排出部の媒体排出方向下流側において、前記載置部に向けて前記媒体を押さえる押さえ部を複数備えて成る押さえ手段と、を備え、
複数の前記押さえ部は、第1押さえ部と、前記第1押さえ部による押さえ位置よりも媒体排出方向上流側を押さえる第2押さえ部と、を含み、
前記第2押さえ部は、前記第1押さえ部を挟んで前記媒体排出方向と交差する幅方向の両側に一対で設けられ、
複数の前記押さえ部は、前記第1押さえ部及び前記第2押さえ部に加え、第3押さえ部を、或いは第3~第n押さえ部(n≧4)を更に含み、
第k押さえ部(n≧k≧3)は、第k-1押さえ部(n≧k≧3)の前記媒体排出方向と交差する幅方向の両側に一対で設けられるとともに、第k-1押さえ部(n≧k≧3)による押さえ位置よりも媒体排出方向上流側を押さえる構成である、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記第1押さえ部は、前記幅方向の中央領域に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、
前記押さえ部は、前記排出部側に回動軸を備え、前記回動軸を軸として揺動し、前記媒体に対して進退する自由端が前記媒体を押える構成である、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項3に記載の記録装置において、複数の前記押さえ部は、前記幅方向の外側に位置する前記押さえ部ほど、前記載置部に向けて前記媒体を押さえる押さえ力が大きくなる、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項4に記載の記録装置において、
複数の前記押さえ部のうち所定の押さえ部は、当該所定の押さえ部に対し前記幅方向の外側に最初に位置する押さえ部の上側に重なっている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記押さえ部は、前記載置部に向けて媒体を押える押さえ姿勢から、前記載置部から離れる方向に回動する場合に、水平面から90°以上の角度まで回動可能に構成されている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項6に記載の記録装置において、開閉可能であり、閉状態において、前記回動軸の上方を覆う覆い部を備え、
前記覆い部は、前記載置部から離れる方向に回動する前記押さえ部に押し上げられて、前記閉状態から開状態に回動可能に構成されている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項6に記載の記録装置において、
前記排出部が設けられる筐体を備え、
前記回動軸は、第1の回動軸と第2の回動軸とを含み、
前記押さえ部は、
前記筐体側に設けられる前記第1の回動軸を軸として、前記載置部に対して進退する方向に揺動する根本部材と、
前記根本部材の自由端側に設けられる前記第2の回動軸を軸として、前記載置部に対して進退する方向に揺動し、前記載置部に向けて媒体を押さえる先端部材と、を備え、
前記第1の回動軸は、前記筐体の一部によって上方が覆われる位置にあり、
前記第2の回動軸は、前記筐体によって上方が覆われない位置にある、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項8に記載の記録装置において、
前記根本部材は、押圧部材により前記載置部に向けて媒体を押さえる進出方向に押圧されており、
前記押さえ部が、前記押さえ姿勢から前記載置部から離れる方向に回動する場合に、前記先端部材が前記根本部材に対して所定の角度まで回動したら、前記根本部材が前記押圧部材の押圧力に抗して前記載置部から離れる方向に回動する構成である、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の記録装置において、
複数の前記押さえ部のうち、第2押さえ部及び第3押さえ部、または第2~第n押さえ部(n≧4)は、それぞれ異なるサイズの前記媒体の前記幅方向の両端に対応する位置に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記排出部の前記媒体排出方向上流側に設けられ、前記記録部による記録後の前記媒体を湾曲反転する湾曲経路を備える、
ことを特徴とする記録装置。 - 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記押さえ部は除電機能を有する、
ことを特徴とする記録装置。
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