JP7077469B1 - インクジェット印刷用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができ、さらに保存安定性が優れるインクジェット印刷用インク組成物を提供する。【解決手段】色材と、水と、有機溶媒と、樹脂微粒子と界面活性剤とを含み、有機溶媒は、第1の有機溶媒と、第1の有機溶媒とは異なる第2の有機溶媒とを含み、第1の有機溶媒および第2の有機溶媒の合計量は、有機溶媒中、90質量%以上であり、第1の有機溶媒は、プロピレングリコールであり、第2の有機溶媒は、沸点が120~200℃であり、かつ、グリコール類、グリコールエーテル類またはメトキシブタノール類のうち少なくとも1種を含み、第1の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、15~50質量%である、インクジェット印刷用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット印刷用インク組成物に関する。より詳細には、本発明は、従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができ、さらに保存安定性が優れるインクジェット印刷用インク組成物に関する。
従来、種々の基材に印刷される水性インクジェットインクが開発されている。しかしながら、水性インクジェットインクは、低吸収性基材や非吸収性基材上に印刷された場合、インクに含まれる保湿溶剤を揮発するために多くの熱エネルギーを要し、乾燥に長い時間を要する。また、水性インクジェットインクは、基材によっては、乾燥時の熱エネルギーによってシュリンクしてしまう。そのため、水性インクジェットインクは、良好な印刷物を得るためには条件が限られていた。たとえば、水性インクジェットインクは、プライマー組成物を塗布してから、印刷する方法がある。しかしながら、この方法は、プライマー組成物を塗布する設備や、プライマー組成物を乾燥させるために熱エネルギーが必要であり、工程が煩雑である。そこで、プライマー組成物を使用しない方法として、たとえば、特許文献1に記載のインク組成物が知られている。
国際公開第2019/65266号
しかしながら、特許文献1に記載のインク組成物は、保存安定性が劣る。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができ、さらに保存安定性が優れるインクジェット印刷用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、2種の有機溶媒を所定量となるよう併用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。
(1)色材と、水と、有機溶媒と、樹脂微粒子と界面活性剤とを含み、前記有機溶媒は、第1の有機溶媒と、前記第1の有機溶媒とは異なる第2の有機溶媒とを含み、前記第1の有機溶媒および前記第2の有機溶媒の合計量は、前記有機溶媒中、90質量%以上であり、前記第1の有機溶媒は、プロピレングリコールであり、前記第2の有機溶媒は、沸点が120~200℃であり、かつ、グリコール類、グリコールエーテル類またはメトキシブタノール類のうち少なくとも1種を含み、前記第1の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、15~50質量%である、インクジェット印刷用インク組成物。
このような構成によれば、インクジェット印刷用インク組成物は、従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができ、さらに保存安定性が優れる。
(2)前記界面活性剤は、ノニオン系界面剤またはシリコーン系界面活性剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)記載のインクジェット印刷用インク組成物。
このような構成によれば、インクジェット印刷用インク組成物は、表面張力が下がり、基材表面への濡れが促進される。その結果、インクジェット印刷用インク組成物は、均一なベタを形成しやすい。
(3)前記樹脂微粒子は、ワックスまたはエマルジョンのうち、少なくともいずれか一方を含む、(1)または(2)記載のインクジェット印刷用インク組成物。
このような構成によれば、インクジェット印刷用インク組成物は、乾燥性および耐擦過性が優れる。
本発明によれば、従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができ、さらに保存安定性が優れるインクジェット印刷用インク組成物を提供することができる。
<インクジェット印刷用インク組成物>
本発明の一実施形態のインクジェット印刷用インク組成物(以下、インク組成物ともいう)は、色材と、水と、有機溶媒と、樹脂微粒子と界面活性剤とを含む。有機溶媒は、第1の有機溶媒と、前記第1の有機溶媒とは異なる第2の有機溶媒とを含む。また、第1の有機溶媒および第2の有機溶媒の合計量は、有機溶媒中、90質量%以上である。第1の有機溶媒は、プロピレングリコールである。第2の有機溶媒は、沸点が120~200℃であり、かつ、グリコール類、グリコールエーテル類またはメトキシブタノール類のうち少なくとも1種を含む。第1の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、15~50質量%である。以下、それぞれについて説明する。
(色材)
本実施形態のインク組成物は、色材(顔料)を含む。顔料は特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、各種有機顔料、無機顔料である。
有機顔料は、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等である。
無機顔料は、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、群青、紺青、鉄黒、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料等である。
本実施形態のインク組成物の代表的な色相ごとの顔料の具体例は、以下のとおりである。イエロー顔料は、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、108、109、114、120、128、129、138、139、150、151、155、166、180、184、185、213等であり、C.I.Pigment Yellow 150、155、180、213等であることが好ましい。
マゼンタ顔料は、C.I.Pigment Red 5、7、12、19、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57、57:1、63:1、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、209、224、242、254、255、270、C.I.Pigment Violet 19等であり、C.I.Pigment Red 122、202、Pigment Violet 19等であることが好ましい。
シアン顔料は、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、22、27、29、60等であり、C.I.Pigment Blue 15:4等であることが好ましい。
ブラック顔料は、カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7)等である。
ホワイト顔料は、酸化チタン、酸化アルミニウム等であり、アルミナ、シリカ等の種々の材料で表面処理された酸化チタン等であることが好ましい。
顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ホワイト以外の顔料の含有量は、インク組成物中、0.5質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、ホワイト以外の顔料の含有量は、インク組成物中、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。一方、ホワイト顔料の含有量は、インク組成物中、4質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましい。また、ホワイト顔料の含有量は、インク組成物中、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、色再現性が優れる。
(水)
水は、インキ組成物の流動性を付与するために配合される。水は、加熱により蒸散する。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液およびこれを用いたインク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を抑制できるため好適である。
水の含有量特に限定されない。一例を挙げると、水の含有量は、インキ組成物中、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、水の含有量は、インキ組成物中、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、インキ組成物は、適度な流動性を示し得る。
(有機溶媒)
有機溶媒は、インクジェット画像を形成した場合において、得られる塗膜のベタ均一性を向上させたり、水に溶解しない任意成分を溶解させるために配合される。本実施形態のインク組成物は、2種の有機溶媒(第1の有機溶媒および第2の有機溶媒)を所定量となるよう併用している。これにより、インク組成物は、従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができ、さらに保存安定性が優れる。
有機溶媒は、第1の有機溶媒と、第1の有機溶媒とは異なる第2の有機溶媒とを含む。
・第1の有機溶媒
第1の有機溶媒は、プロピレングリコールである。
第1の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、15質量%以上であればよく、20質量%以上であることが好ましい。また、第1の有機溶媒の含有量は、50質量%以下であればよく、インク組成物中、50質量%以下であることが好ましい。第1の有機溶媒の含有量は15質量%未満である場合、インク組成物は、吐出安定性が低下する。一方、第1の有機溶媒の含有量が50質量%を超える場合、インク組成物は、塗膜乾燥性が低下する。
・第2の有機溶媒
第2の有機溶媒は、沸点が120~200℃であり、かつ、グリコール類、グリコールエーテル類またはメトキシブタノール類のうち少なくとも1種を含む。
沸点が120~200℃であるグリコール類は特に限定されない。一例を挙げると、沸点が120~200℃であるグリコール類は、エチレングリコール等である。
沸点が120~200℃であるグリコールエーテル類は特に限定されない。一例を挙げると、沸点が120~200℃であるグリコールエーテル類は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル等である。
沸点が120~200℃であるメトキシブタノール類は特に限定されない。一例を挙げると、沸点が120~200℃であるメトキシブタノール類は、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール等である。
第2の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、1質量%以上であればよく、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、第2の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。第2の有機溶媒の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、保存安定性を損なうことなく塗膜乾燥性と吐出安定性の両立がはかれる。
有機溶媒全体の説明に戻り、本実施形態の有機溶媒は、上記第1の有機溶媒および第2の有機溶媒のほか、他の有機溶媒を含んでもよい。他の有機溶媒は特に限定されない。一例を挙げると、他の有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、グリセリン、ポリグリセリン、アセトン、アセトニトリル、イソプロパノール、テトラヒドロフラン等である。
また、第1の有機溶媒および第2の有機溶媒の合計量は、有機溶媒中、90質量%以上であればよく、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましい。第1の有機溶媒および第2の有機溶媒の合計量が90質量%以上であることにより、インク組成物は、乾燥性が優れ、得られるインクジェット画像に滲みを生じにくい。
(樹脂微粒子)
樹脂微粒子は、塗膜乾燥性および耐擦過性を付与するために配合される。樹脂微粒子は、本実施形態のインク組成物の有機溶媒に難溶または不溶である樹脂を、微粒子状にして分散させたものである。
樹脂微粒子は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂微粒子は、ワックス、エマルジョン(ウレタン樹脂微粒子、スチレンアクリル樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子、ポリオレフィン樹脂微粒子、酢酸ビニル樹脂微粒子、塩化ビニル樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、ポリエーテル系樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒子、ポリカルボジイミド樹脂微粒子)、コロイダルシリカ等である。これらの中でも、本実施形態のインク組成物は、樹脂微粒子として、ワックスまたはエマルジョンのうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。これにより、インク組成物は、乾燥性および耐擦過性が優れる。
樹脂微粒子がワックスである場合、ワックスは特に限定されない。一例を挙げると、ワックスは、各種天然ワックス、合成ワックス等である。
天然ワックスは、石油系ワックスであるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等;褐炭系ワックスであるモンタンワックス等;植物系ワックスであるカルナバワックス、キャンデリアワックス等;動植物系ワックスである蜜蝋、ラノリン等のワックスを、水性媒体中に分散させたエマルジョン等である。
合成ワックスは、ポリアルキレンワックス(好ましくはポリC2-C4アルキレンワックス)、酸化ポリアルキレンワックス(好ましくは酸化ポリC2-C4アルキレンワックス)等である。これらの中で、合成ワックスは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等であることが好ましく、酸化ポリエチレンワックスであることがより好ましい。
樹脂微粒子がワックスである場合、ワックスは市販品が用いられてもよい。市販品は、ビックケミー社製のCERAFLOUR 925、929、950、991;AQUACER 498、515、526、531、537、539、552、1547;AQUAMAT 208、263、272;MINERPOL 221等;三井化学(株)製の三井ハイワックス NL100、NL200、NL500、4202E、1105A、2203A、NP550、NP055、NP505等;三洋化学(株)製のKUE-100、11等である。これらの中でも、ワックスである樹脂微粒子は、AQUACER 515、531、537、539、1547であることが好ましく、AQUACER 515、531、537、1547であることがより好ましい。
ワックスの平均粒子径は特に限定されない。一例を挙げると、ワックスの平均粒子径は、0.05μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。また、ワックスの平均粒子径は、6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。ワックスの平均粒子径が上記範囲内であることにより、インク組成物は、得られる塗膜の耐ブロッキング性が向上し得る。なお、本実施形態において、ワックスの平均粒子径は、ナノトラック(UPA-EX150、日機装(株)製)にて測定し得る。
エマルジョンである樹脂微粒子は特に限定されない。一例を挙げると、エマルジョンである樹脂微粒子は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、および塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、および天然樹脂が挙げられる。これらの中でも、樹脂微粒子は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマーの少なくとも何れかの単独重合体又は共重合体であるアクリル系樹脂が好ましい。また、アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共重合体が好ましい。ビニル系モノマーは、スチレンなどが挙げられ、(メタ)アクリル系モノマーとスチレンとの共重合体であるスチレン-アクリル共重合体系樹脂が好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、およびグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。ほかにも、エマルジョンである樹脂微粒子は、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等であってもよい。
樹脂微粒子を作製する方法は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂微粒子は、所望の樹脂を構成する単量体中に重合触媒(重合開始剤)と分散剤とを混合して重合(すなわち乳化重合)する方法、親水性部分を持つ樹脂を水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を水中に混合した後に水溶性有機溶剤を蒸留等で除去することで得る方法、樹脂を非水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を分散剤と共に水溶液中に混合して得る方法等により得られ得る。樹脂を分散する際に用いることのできる分散剤は特に限定されない。一例を挙げると、分散剤は、アニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルリン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩等)、ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等)である。
エマルジョンである樹脂微粒子は、市販品であってもよい。市販品は、マイクロジェルE-1002、マイクロジェルE-5002(日本ペイント(株)製)、ボンコート4001、ボンコート5454(大日本インキ化学工業(株)製)、SAE1014(日本ゼオン(株)製)、サイビノールSK-200(サイデン化学(株)製)、ジュリマーAT-613(東亜合成(株)製)、ビニブラン700(日信化学工業(株)製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC-1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX-7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX-7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(BASFジャパン(株)製)等である。
樹脂微粒子は、複合樹脂を含んでもよい。複合樹脂は、定着を構成する樹脂として、樹脂を構成するモノマー成分の構成(種類、含有量比の少なくとも何れか)が互いに異なる2種以上の樹脂からなり、この2種以上の樹脂は、樹脂微粒子のどの部位を構成するかは問わない。樹脂微粒子は、2種以上の樹脂の1つをコア樹脂、他の1つをシェル樹脂とし、コア樹脂を主に樹脂微粒子の中央部を構成する樹脂とし、シェル樹脂を主に樹脂微粒子の周辺部を構成する樹脂としたコアシェル樹脂を用いる場合、樹脂の周辺部と中央部でそれぞれ樹脂の特性を変えられる点で好ましい。シェル樹脂は樹脂微粒子の周辺部の少なくとも一部を構成するものであればよい。
樹脂微粒子全体の説明に戻り、樹脂微粒子の平均粒子径(体積平均粒子径)は特に限定されない。一例を挙げると、平均粒子径は、インク組成物の保存安定性および吐出信頼性が優れる点から、5nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。また、平均粒子径は、400nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。また、樹脂微粒子の平均粒子径が上記範囲内であることにより、インク組成物は、成膜性が優れ、かつ、凝集を生じにくく、目詰まりを起こしにくい。なお、体積平均粒子径の測定方法は特に限定されない。一例を挙げると、測定方法は、動的光散乱理論を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。このような粒度分布測定装置としては、日機装(株)製の「マイクロトラックUPA」等が例示される。
樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)は、-20℃以上であることが好ましく、-10℃以上であることがより好ましい。また、Tgは、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。樹脂微粒子のTgが上記範囲内であることにより、インク組成物は、塗膜乾燥性および耐擦過性を付与し得る。
樹脂微粒子の含有量(固形分換算)は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂微粒子の含有量は、インク組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂微粒子の含有量は、インク組成物中、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、吐出安定性が優れる。また、インク組成物は、耐水性や耐擦性が優れた画像を形成しやすい。
(界面活性剤)
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等である。これらの中でも、界面活性剤は、ノニオン系界面剤またはシリコーン系界面活性剤のうち、少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。これにより、インク組成物は、表面張力が下がり、基材表面への濡れが促進される。その結果、インク組成物は、均一なベタを形成しやすい。
ノニオン系界面活性剤は、得られるインク組成物の吐出安定性を向上させ、発泡や起泡の発生を減らすために好適に配合される。
ノニオン系界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、ノニオン系界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;ジメチルポリシロキサン等のポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤;その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等である。これらの中でも、ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であることが好ましい。なお、本実施形態において、ノニオン系界面活性剤は、以下のシリコーン界面活性剤を含まない。
シリコーン系界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、シリコーン系界面活性剤は、「BYK-307」、「BYK-333」、「BYK-347」、「BYK-348」、「BYK-349」、「BYK-345」、「BYK-378」、「BYK-3455」(以上、ビックケミー社製)等である。
界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、インク組成物中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、インク組成物中、10.0質量%以下であることが好ましく、6.0質量%以下であることがより好ましい。
(任意成分)
本実施形態のインク組成物は、適宜、上記界面活性剤以外の界面活性剤、pH調整剤、架橋剤、油滴微粒子、紫外線吸収剤、退色防止剤、蛍光増白剤、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、酸化防止剤、防黴剤、防錆剤等の各種添加剤が配合されてもよい。
(インク組成物の製造方法)
本実施形態のインク組成物の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、インク組成物は、上記成分および各種任意成分を攪拌混合した後、各種練肉機、たとえば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル等を利用して練肉する方法により調製され得る。
<印刷物およびインクジェット印刷方法>
本発明の一実施形態の印刷物は、公知のインクジェット印刷装置(インクジェットプリンタ)のインクジェットヘッドから、上記インク組成物の液滴を吐出し、基材の表面に着弾させて画像を形成することにより作製され得る。なお、インク組成物を用いて形成した印刷層に、さらにラミネート接着層を介して非吸水性のフィルム基材等が貼り付けられてもよい。
基材は特に限定されない。本実施形態のインク組成物は、従来よりも低い熱エネルギーにて乾燥することができ、良好な印刷物を得ることができるため、低吸収性基材または非吸収性基材に用いられる場合に、より優れた効果が発揮されやすい。
なお、低吸収性基材または非吸収性基材とは、以下に示す記録媒体面の水に対する濡れ性の測定結果に基づき定義し得る。すなわち、記録媒体の記録面に0.5μLの水滴を滴下し、接触角の低下率(着弾後0.5ミリ秒における接触角と5秒における接触角の比較)を測定することによって記録媒体の吸収性能の特徴付けを行う。より具体的には、記録媒体の性質としての、非吸収性記録媒体とは上記接触角の低下率が1.0%未満の特性を有する記録媒体のことであり、低吸収性記録媒体とは上記接触角の低下率が1.0%以上、5.0%未満の特性を有する記録媒体のことである。また、吸収性とは上記接触角の低下率が5.0%以上である記録媒体と定義する。接触角は、たとえば、ポータブル接触角計「PCA-1」(協和界面科学(株)製)を用いて測定することができる。
低吸収性基材または非吸収性基材は特に限定されない。一例を挙げると、低吸収性基材または非吸収性基材は、公知のプラスチックフィルムが含まれる。プラスチックフィルムは、ポリエステル(PET)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ナイロン(NY)フィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリアクリル酸(PAA)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、およびポリ乳酸フィルムなどの生分解性フィルム等である。
これらのフィルムは、ガスバリア性、防湿性および保香性などを付与するために、フィルムの片面または両面にポリ塩化ビニリデンがコートされていてもよく、金属酸化物が蒸着されていてもよい。また、フィルムは、防曇加工が施されてもよい。また、フィルムは、コロナ放電やオゾン処理などが施されてもよい。
さらに、フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよい。
また、基材は、紙などの吸収性の基材の表面にPVAコートなどの層を設けて、記録をすべき領域を非吸収性とした多層性の基材であってもよい。
なお、本実施形態のインク組成物は、吸収性基材に適用されてもよい。吸収性基材は特に限定されない。一例を挙げると、吸収性基材は、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙またはコート紙などの塗工された印刷用紙が含まれる。
上記インクジェットヘッドは、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれのインクジェットヘッドでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型を含む電気-機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(「バブルジェット」はキヤノン(株)の登録商標)型を含む電気-熱変換方式等である。
また、インクジェットヘッドは、スキャン式およびライン式のいずれのインクジェットヘッドでもよい。
基材の搬送速度は特に限定されない。一例を挙げると、搬送速度は、1~120m/分である。また、基材は、ロール状に収納された基材(たとえばフィルム)であってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料および調製方法を以下に示す。
<水性ブラックインクベースの調製>
以下の方法により調製した水性樹脂ワニスの23.7質量部に水64.3質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。この顔料分散用樹脂ワニスに、更にカーボンブラック(プリンテックス90、デグサ社製)の12質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックインクベースを調製した。
・水性樹脂ワニスの調製方法
ガラス転移温度40℃、重量平均分子量30,000、酸価185mgKOH/gの、アクリル酸/n-ブチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体20質量部を、水酸化カリウム2.5質量部と水77.5質量部との混合溶液に溶解させて、固形分20%の水性樹脂ワニスを得た。
<水性イエローインクベースの調製>
上記水性樹脂ワニスの23.7質量部に水64.3質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、更にイエロー顔料(ノバパームイエロー4G01、クラリアント社製)の12質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性イエローインクベースを調製した。
<水性マゼンタインクベースの調製>
上記水性樹脂ワニスの23.7質量部に水64.3質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、更にマゼンタ顔料(インクジェットマゼンタE5B02、クラリアント社製)の12質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性マゼンタインクベースを調製した。
<水性シアンインクベースの調製>
上記水性樹脂ワニスの23.7質量部に水64.3質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、更にシアン顔料(ヘリオゲンブルーL7101F、BASF社製)の12質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性シアンインクベースを調製した。
<水性ホワイトインクベースの調製>
上記水性樹脂ワニスの40.0質量部に水20.0質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、更に酸化チタン(R-960、デュポン社製)の40質量部を加え、攪拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ホワイトインクベースを調製した。
<樹脂微粒子>
・ポリエチレンワックス:
AQUACER531(固形分45%、BYK製)
・水性樹脂エマルジョン:
ビニブラン2685(アクリル系エマルジョン、固形分30%、日信化学工業(株)製)
NeoRez R-966(ポリウレタン系エマルジョン、固形分33%、DSM社製)
セポルジョンES(ポリエステル系エマルジョン、固形分50%、住友精化(株)製)
<界面活性剤>
・ノニオン系界面活性剤:サーフィノール440(固形分100%、HLB:8、EVONIK社製)
・シリコーン系界面活性剤:Tego WET280(固形分100%、ポリエーテルシロキサンポリマー、EVONIK社製)
<実施例1>
以下の表1に示される質量割合(質量%)にしたがって、それぞれの材料を混合・攪拌し、インク組成物を調製した。得られたインク組成物について、以下の評価方法により、保存安定性、吐出安定性、乾燥性(1)、乾燥性(2)、ベタ均一性、滲みおよび耐擦過性を評価した。結果を表1に示す。
<保存安定性>
インク組成物を、それぞれガラス瓶にとり、25℃の粘度を粘度計(RE100L型、東機産業(株)製)を用い測定した。その後、密栓し60℃、1ヵ月保存し、保存後の粘度(25℃)を粘度計により測定した。保存安定性は、粘度変化率(100×(60℃、1ヵ月後の粘度-保存前の粘度)/保存前の粘度)で評価した。
(評価基準)
○:粘度変化率は、5%未満であった
△:粘度変化率は、5%以上、10%未満であった
×:粘度変化率は、10%以上、30%未満であった
<吐出安定性>
インク組成物を、エプソン(株)製プリンターPX105のカートリッジに詰めて、写真用紙GL-101A450(キヤノン(株)製)に印字を行い、吐出安定性を評価した。
(評価基準)
○:印字の乱れがなく、安定して吐出できた。
△:多少印字の乱れがあったが、吐出できた。
×:印字の乱れがあり、安定して吐出できなかった。
<乾燥性(1)>
インク組成物を、エプソン(株)製プリンターPX105のカートリッジに詰めて、OKトップコート(王子製紙(株)製)にベタ画像(100%duty)を印刷し、60℃の温風乾燥機にて5秒間乾燥させた印刷物を得た。その後、印刷物を綿棒で1回摩擦した後の印刷物の状態を観察し、次の基準に基づいて乾燥性を評価した。
(評価基準)
○:ベタ画像に全く傷がつかなかった。
△:ベタ画像にわずかに傷がついた。
×:ベタ画像に傷がつき、紙地が見えた。
<乾燥性(2)>
インク組成物を、エプソン(株)製プリンターPX105のカートリッジに詰めて、OKトップコート(王子製紙(株)製)にベタ画像(100%duty)を印刷し、50℃の温風乾燥機にて5秒間乾燥させた印刷物を得た。その後、印刷物を綿棒で1回摩擦した後の印刷物の状態を観察し、次の基準に基づいて乾燥性を評価した。
(評価基準)
○:ベタ画像に全く傷がつかなかった。
△:ベタ画像にわずかに傷がついた。
×:ベタ画像に傷がつき、紙地が見えた。
<ベタ均一性>
インク組成物を、エプソン(株)製プリンターPX105のカートリッジに詰めて、OKトップコート(王子製紙(株)製)にベタ画像(100%duty)を印刷し、60℃の温風乾燥機にて5秒間乾燥させた印刷物のベタ均一性について目視で評価した。
(評価基準)
○:ベタ部にムラが無く、均一であった。
×:ベタ部に目立ったムラやスジがあった。
<滲み>
インク組成物を、エプソン(株)製プリンターPX105のカートリッジに詰めて、OKトップコート(王子製紙(株)製)に約0.3mmの細線を印刷し、60℃の温風乾燥機にて5秒間乾燥させた印刷物の滲みによる太りを目視観察することで、滲みについて評価した。
(評価基準)
○:印刷物は、滲みがなく、そのままの太さで印刷できた。
△:印刷物は、部分的に太りがみられたが、2倍以上の太りは観察されなかった。
×:印刷物は、全体的に2倍以上の太りが観察された。
<耐擦過性>
インク組成物を、エプソン(株)製プリンターPX105のカートリッジに詰めて、OKトップコート(王子製紙(株)製)にベタ画像(100%duty)を印刷し、60℃の温風乾燥機にて5秒間乾燥させた印刷物を1晩放置し、2.5cm×25cmに切断して試験片とし、学振摩擦試験機((株)大栄科学精器製作所製)を使用して、晒し布を印刷面に当てて、500gの荷重で100回往復し、インクの脱落した度合いから耐擦過性を評価した。
(評価基準)
○:インク塗膜が全く剥がれなかった。
△:インク塗膜が少し剥がれた。
×:インク塗膜が殆ど剥がれた。
<実施例2~38、比較例1~19>
表1~表5に記載の処方に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、インク組成物を調製し、評価した。結果を表1~表5に示す。
Figure 0007077469000001
Figure 0007077469000002
Figure 0007077469000003
Figure 0007077469000004
Figure 0007077469000005
表1~表5に示されるように、実施例1~38のインク組成物は、保存安定性が優れた。また、実施例1~38のインク組成物は、60℃で乾燥した場合のほか、50℃で乾燥した場合であっても、印刷物の乾燥性が優れていた。さらに、実施例1~38のインク組成物は、吐出安定性が優れ、均一で、滲みがなく、耐擦過性の優れた印刷物が得られた。

Claims (3)

  1. 色材と、水と、有機溶媒と、樹脂微粒子と界面活性剤とを含み、
    前記有機溶媒は、第1の有機溶媒と、前記第1の有機溶媒とは異なる第2の有機溶媒とを含み、
    前記第1の有機溶媒および前記第2の有機溶媒の合計量は、前記有機溶媒中、90質量%以上であり、
    前記第1の有機溶媒は、プロピレングリコールであり、
    前記第2の有機溶媒は、沸点が120~200℃であり、かつ、グリコール類、グリコールエーテル類またはメトキシブタノール類のうち少なくとも1種を含み、かつ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールターシャリーブチルエーテルまたは3-メトキシ-1-ブタノールのうち、少なくともいずれかを含み、
    前記第1の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、15~50質量%であり、
    前記第2の有機溶媒の含有量は、インク組成物中、20~40質量%である、インクジェット印刷用インク組成物。
  2. 前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1記載のインクジェット印刷用インク組成物。
  3. 前記樹脂微粒子は、ワックスまたはエマルジョンのうち、少なくともいずれか一方を含む、請求項1または2記載のインクジェット印刷用インク組成物。
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