JP7077413B2 - 対流気象条件での最適通抜け経路に基づく航路の渋滞度の評価方法 - Google Patents
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Description
航路格子を区画するステップ1と、
航路での気象への回避確率を特定するステップ2と、
最適航路通抜け経路を構築するステップ3と、
航路の渋滞度を計算するステップ4と、
を含む。
ステップ1-1では、航路セグメントの補間を行い、即ち、
既存のデジタル天気予報システムによる対流気象に関するレーダ反射率予報データの時間粒度に基づいて、飛行機の平均飛行速度に合わせて計算することで、航路セグメントの補間間隔Lが得られ、さらに、隣接する二つの航路点間のユークリッド距離Dに基づいて補間点個数Kを計算し、
ステップ1-2では、航路セグメント輸送ボックスを構築して格子化させる。
1個目の航路点位置を(x1,y1)と記し、2個目の航路点位置を(x2,y2)と記し、x1,y1はそれぞれ1個目の航路点の経度と緯度を表し、1個目の航路点と2個目の航路点との間のk個目の航路補間点位置を(xk 1,2 ,yk 1,2 )と記し、k=1,2,...,K、ただし、xk 1,2はk個目の補間点の経度を表し、yk 1,2はk個目の補間点の緯度を表し、以下のように連立方程式を構築し、
航路補間点列に基づいて二つの隣接する航路点の航路方位角(前の航路点に対する次の航路点の方位角)を順に計算し、そして前記航路方位角に垂直な二つの方位角を計算し、前記二つの隣接する航路点をそれぞれ始点として、航路方位角に垂直な二つの方位角の方向に沿って航路の両側外向きに航路幅の距離(例えば、20km)として拡張させることで、四つの位置点が得られる。前記四つの位置点を矩形の輸送ボックスの頂点とし、航路方向に平行なものを長さとし、航路方向に垂直なものを幅として矩形の輸送ボックスを構築し、前記矩形の輸送ボックスは航路セグメント輸送ボックスとなり、続いて、輸送ボックスの幅方向の辺の二つの頂点を補間始点・終点とし、対流気象の気象データの空間粒度を補間間隔としてステップ1-1の補間方法により航路セグメント輸送ボックスの幅方向の辺に対して補間処理を行う。航路セグメント輸送ボックスの二つの幅方向の辺における対応する補間点を順に接続させることで、航路セグメント輸送ボックスを格子化させて細かくし、航路セグメント輸送ボックス格子が得られる。
ステップ2-1では、レーダ反射率を回避確率に変換し、評価開始時間と回避確率の時間粒度に基づいて、航路セグメント輸送ボックス毎に異なる時刻の格子化した回避確率値を配分し、
ステップ2-2では、輸送ボックス格子の回避確率を計算し、即ち、
航路セグメント輸送ボックス格子の二つの幅方向の辺の中点を補間始点・終点とし、回避確率分布の空間粒度を補間間隔としてステップ1-1の補間方法により、航路に平行な方向において各航路セグメント輸送ボックスの格子をさらに細かくすることで、輸送ボックスサブ格子が得られ、輸送ボックスサブ格子中心の座標位置に基づいて計算して、それより最も近い4つの気象格子点の回避確率値が得られ、下式のように、距離の逆数を重みとして4つの回避確率に対して加重和を求めるように計算することで、輸送ボックスサブ格子の回避確率が得られ、
ステップ3-1では、候補渋滞しきい値を決定して初期化し、即ち、
輸送ボックス格子の回避確率値の分布に基づいて候補渋滞しきい値セットを決定して小さい順に並べ、最小候補渋滞しきい値は最小回避確率値となり、最大候補渋滞しきい値は最大回避確率値となり、そして、1段目から7段目までの0、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.0という7段の候補渋滞しきい値を設定し、最小候補渋滞しきい値を渋滞しきい値として初期化し、回避確率が渋滞しきい値よりも大きい輸送ボックス格子は渋滞格子として定義され、回避確率値が渋滞しきい値よりも小さい輸送ボックス格子は非渋滞格子として定義されるようになり、
ステップ3-2では、有向航路通抜けネットワークを構築し、即ち、
渋滞しきい値に基づいて各航路セグメント輸送ボックスを渋滞格子領域と非渋滞格子領域とに分割し、航路セグメント輸送ボックス毎における隣接する非渋滞格子を合わせてネットワークノードとし、航路方向に従ってネットワークノード列を生成し、格子ノードAはA[1,(3,4,5)]として表現され、ただし、Aは格子ノードの名称を表し、1は格子ノードAが所在する航路セグメント輸送ボックスの番号を表し、3,4,5は格子番号列であり、隣接する航路セグメント輸送ボックス中のネットワークノードは隣接するノードとして判定され、隣接するノードが一つ又は二つ以上の同じ格子番号を有する場合、隣接するノードは連通していると判定されながら、連通辺で接続されるようになり、その方向は前順航路セグメント輸送ボックスから後順航路セグメント輸送ボックスへの方向であり、連通辺の重みは隣接するノードの同じ格子番号の数であり、
ステップ3-3では、ネットワークの連通性を判別し、即ち、
最初の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを開始ノードとし、最後の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを葉ノードとし、深さ優先を原則として各開始ノードから連通経路を探索し始め、葉ノードまで到達可能な連通経路が見出されると、航路通抜けネットワークを連通したものと判定し、連通経路が存在しないと、航路通抜けネットワークを連通していないものと判定し、渋滞しきい値を1段階増加させて、ステップ3-2へ戻り、また、存在すると、航路通抜けネットワークは連通したものとされ、ステップ3-4へ進み、
ステップ3-4では、連通経路を探索し、即ち、
最初の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを開始ノードとし、最後の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを葉ノードとし、深さ優先を原則として航路通抜けネットワークから開始ノードより葉ノードまで到達可能な連通経路のすべてを探し出し、航路通抜けネットワークから探し出された連通経路は格子ノードと連通辺の重みとからなる列で表され、
ステップ3-5では、最適航路通抜け経路を選択し、即ち、
連通経路毎にその重み値の最も小さい連通辺を経路ネックとして定義し、前記最小重み値をネック値とする。連通辺に関する開始・終了ノードの格子番号に交叉集合が存在すると、スキップが存在しないと判定し、つまり、スキップ値が0となり、交叉集合が存在しないと、スキップが存在すると判定し、スキップ値が開始・終了ノード間の最小距離となり、
連通経路におけるすべての連通辺のスキップ値の和と最大総スキップ値との比は連通経路の複雑性を特徴付けており、
ステップ4-1では、最適航路通抜け経路の渋滞度を計算し、即ち、
最適航路通抜け経路に対して経路ネックの個数と各経路ネックの中心位置を特定し、経路ネック毎にその渋滞度を順に計算し、最大の経路ネックの渋滞度と最適航路通抜け経路の複雑性Complexityを加算した結果を、最適航路通抜け経路の渋滞度とし、
ステップ4-2では、航路の渋滞度を特定し、即ち、
渋滞しきい値が1である場合、航路の渋滞度が1となり、渋滞しきい値が1ではない場合、最適航路通抜け経路毎にその渋滞度を計算し、その中から最大の最適航路通抜け経路の渋滞度を航路の渋滞度として選択する。
対流気象に関するレーダ反射率データの時間粒度に基づいて、飛行機の平均飛行速度に合わせて航路セグメントの補間間隔Lを計算し(例えば、気象データの時間粒度が6minで、飛行機の平均飛行速度が200m/sである場合、補間間隔Lが72kmとなる)、さらに、隣接する二つの航路点間のユークリッド距離
最後に、隣接する二つの航路点に対して順に線形補間を行って、より細かい航路補間点列が得られる。補間点位置は補間点と開始航路点との距離及び勾配に基づいて方程式を立てから求められたものであり、具体的な計算方法を例示すれば、以下のとおりになる。
図2に示されるように、ステップ1-1で得られた新航路点列に基づいて、それぞれ二つの隣接する航路点間の距離を長さとし、航路幅(例えば、20km)を幅として、航路に垂直な方向において航路の両側外向きに拡張させることで、矩形の輸送ボックスを構築する。続いて、対流気象の気象データの空間粒度(例えば、3km)を補間間隔として、航路セグメントに垂直な方向において輸送ボックスを格子化させて細かくすることで、格子化した輸送ボックスが得られる。
レーダ反射率は対流気象の強度特性を反映しているものであり、反射率値が大きいほど、対流気象が激しくなるとともに、それに対する航空機の回避確率はその分高くなる。そのため、経験のもとに対流気象条件でのレーダ反射率データの値の範囲に基づいて、異なる時刻の格子化したレーダ反射率データを対応する回避確率データに変換する。具体的な変換関係は表1に示されている。
図3に示されるように、回避確率分布の空間粒度(例えば、3km)を補間間隔としてステップ1-1の方法により、航路に平行な方向において輸送ボックスの格子毎にさらに細かくすることで、輸送ボックスサブ格子が得られる。サブ格子中心の座標位置に基づいて計算して、それより最も近い4つの気象格子点の回避確率値が得られ、距離の逆数を重みとして4つの回避確率に対して加重和を求めるように計算することで、輸送ボックスサブ格子の回避確率が得られる。その上で、輸送ボックス格子内のサブ格子毎の回避確率の平均値を取って輸送ボックス格子の回避確率とする。
回避確率値の分布に基づいて候補渋滞しきい値セットを決定して小さい順に並べ、最小候補渋滞しきい値は最小回避確率値となり、最大候補渋滞しきい値は最大回避確率値となる。レーダ反射率と回避確率マップ中の回避確率の分布に基づいて、(0、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.0)という7段階の候補渋滞しきい値を設定し、最小候補渋滞しきい値を渋滞しきい値として初期化する。回避確率が渋滞しきい値よりも大きい航路格子は渋滞格子として定義され、回避確率値が渋滞しきい値よりも小さい航路格子は非渋滞格子として定義される。
図4に示されるように、渋滞しきい値に基づいて各輸送ボックスを渋滞格子領域と非渋滞格子領域に分割する。輸送ボックス毎における隣接する非渋滞格子を合わせてネットワークノード(ノードと略称)とし、航路方向に従ってノード列を生成する。ノードは、ノードの名称[所在するボックスの番号,(格子番号列)]として表現され、例えば、図4中のノードAはA[1,(3,4,5)]として表現されるようになる。隣接する輸送ボックス中のノードは隣接するノードとされる。隣接するノードは一つ又は複数の同じ格子番号を有すると、隣接するノードは連通していると判定されながら、連通辺で接続されるようになり、その方向は前順輸送ボックスから後順輸送ボックスへの方向であり、連通辺の重みは隣接するノードの同じ格子番号の数である。
最初の輸送ボックス中のノードを開始ノードとし、最後の輸送ボックス中のノードを葉ノードとして、深さ優先のアルゴリズムに従って航路通抜けネットワークから開始ノードより葉ノードまで到達可能な連通経路を探索する。連通経路が存在しない場合、航路通抜けネットワークは連通していないものとされ、渋滞しきい値を1段階増加させて、ステップ3-2へ戻る。存在する場合、航路通抜けネットワークは連通したものとされ、ステップ3-4へ進む。
最初の輸送ボックス中のノードを開始ノードとし、最後の輸送ボックス中のノードを葉ノードとして、深さ優先のアルゴリズムに従って航路通抜けネットワークから開始ノードより葉ノードまで到達可能な連通経路のすべてを探し出す。航路通抜けネットワークから探し出された連通経路はノードと連通辺の重みとからなる列で表され、図4の例では、3つの連通経路はそれぞれ{A,2,C,2,E,1,G}、{A,2,C,2,E,1,H}及び{B,2,D,1,F,1,H}であり、経路毎の字母はノードを表し、数字はその左右の二つの隣接するノードの連通辺の重みを表す。
連通経路毎にその重み値の最も小さい連通辺を経路ネックとして定義し(ネックと略称)、この重み値をネック値とする(ネック値は一意的なものであるが、ネックの数は一意ではないものとなる可能性があり、一つの経路に複数のネックがある可能性がある)。連通辺に関する開始・終了ノードの格子番号に交叉集合が存在する場合、スキップが存在しないとされ、つまり、スキップ値が0となり、交叉集合が存在しない場合、スキップが存在するとされ、スキップ値が開始・終了ノード間の最小距離となる。連通経路におけるすべての連通辺のスキップ値の和と最大総スキップ値との比は連通経路の複雑性を特徴付けており、
最適航路通抜け経路に対して「ネック」の個数と各「ネック」の中心位置を特定し、「ネック」毎にその渋滞度を順に計算し、最大の「ネック」の渋滞度と最適航路通抜け経路の複雑性を加算した結果を、最適航路通抜け経路の渋滞度とする。「ネック」の渋滞度の計算方法としては、「ネック」両側の渋滞ボックスにおける気象特性値が渋滞しきい値よりも大きいか等しい(>=)サブ格子を抽出して各サブ格子の中心位置を特定し、サブ格子の中心と「ネック」の中心との間の縦距離の逆数を重みとして「ネック」両側の渋滞ボックスから抽出されたすべての格子の気象特性値に対して加重平均を行う。図4中の最適航路通抜け経路{A,3,C,3,E,1,G}の例では、渋滞度の計算において、まずネック渋滞度を計算して、
[(1/2)*0.8+1*0.7+(1/2)*0.8+(1/3)*0.7+(1/4)*0.8+(1/5)*0.8+(1/6)*0.7+(1/7)*0.9+(1/8)*0.9+(1/9)*0.8+(1/10)*0.8]/[(1/2)+1+(1/2)+(1/3)+(1/4)+(1/5)+(1/6)+(1/7)+(1/8)+(1/9)+(1/10)]=0.764となり、そして最適航路通抜け経路の複雑性を計算してComplexity=0となり、最後に最適航路通抜け経路の渋滞度を計算してblockage=0.764+0=0.764となる。
渋滞しきい値が1ではないと、最適航路通抜け経路毎に最適経路の渋滞度を計算し、その中から最大の最適航路通抜け経路の渋滞度を航路の渋滞度として選択する。図4の例では、最適航路通抜け経路{A,3,C,3,E,1,G}と{A,3,C,3,E,1,H}は渋滞度がそれぞれ0.764と0.768であるため、航路の渋滞度は0.768となる。渋滞しきい値が1である場合、航路の渋滞度が1となる。航路の渋滞度の値は対流気象による航路への影響の度合いに対する計量的な指標であり、後続の航空交通流量管理の策定のための重要な根拠となる。
Claims (3)
- 航路格子を区画するステップ1と、
航路での気象への回避確率を特定するステップ2と、
最適航路通抜け経路を構築するステップ3と、
航路の渋滞度を計算するステップ4と、を含み、ステップ1からステップ4をコンピュータにより実行し、
ステップ1はステップ1-1とステップ1-2とを含み、
ステップ1-1では、航路セグメントの補間を行い、即ち、
対流気象に関するレーダ反射率予報データの時間粒度に基づいて、飛行機の平均飛行速度に合わせて計算することで、航路セグメントの補間間隔Lが得られ、さらに、隣接する二つの航路点間のユークリッド距離Dに基づいて補間点個数Kを計算し、
ステップ1-2では、航路セグメント輸送ボックスを構築して格子化させることを特徴とし、
ステップ1-1では、下式に従って隣接する二つの航路点間のユークリッド距離Dを計算し、
ステップ1-1では、前記航路補間点の位置は、補間点と開始航路点との距離及び勾配に基づいて方程式を立ててから求められたものであり、具体的に計算すると、
1個目の航路点位置を(x 1 ,y 1 )と記し、2個目の航路点位置を(x 2 ,y 2 )と記し、x 1 ,y 1 はそれぞれ1個目の航路点の経度と緯度を表し、1個目の航路点と2個目の航路点との間のk個目の航路補間点位置を(x k 1,2 ,y k 1,2 )と記し、k=1,2,...,K、ただし、x k 1,2 はk個目の補間点の経度を表し、y k 1,2 はk個目の補間点の緯度を表し、以下のように連立方程式を構築し、
ステップ1-2は以下のことを含み、即ち、
航路補間点列に基づいて二つの隣接する航路点の航路方位角を順に計算し、そして前記航路方位角に垂直な二つの方位角を計算し、前記二つの隣接する航路点をそれぞれ始点として、航路方位角に垂直な二つの方位角の方向に沿って航路の両側外向きに航路幅の距離として拡張させることで、四つの位置点が得られ、また、前記四つの位置点を矩形の輸送ボックスの頂点とし、航路方向に平行なものを長さとし、航路方向に垂直なものを幅として矩形の輸送ボックスを構築し、前記矩形の輸送ボックスは航路セグメント輸送ボックスとなり、続いて、航路セグメント輸送ボックスの幅方向の辺の二つの頂点を補間始点・終点とし、対流気象の気象データの空間粒度を補間間隔としてステップ1-1の補間方法により航路セグメント輸送ボックスの幅方向の辺に対して補間処理を行い、そして、航路セグメント輸送ボックスの二つの幅方向の辺における対応する補間点を順に接続させることで、航路セグメント輸送ボックスを格子化させて細かくし、航路セグメント輸送ボックス格子が得られることを特徴とし、
ステップ2はステップ2-1とステップ2-2とを含み、
ステップ2-1では、レーダ反射率を回避確率に変換し、評価開始時間と回避確率の時間粒度に基づいて、航路セグメント輸送ボックス毎に異なる時刻の格子化した回避確率値を配分し、
ステップ2-2では、輸送ボックス格子の回避確率を計算し、即ち、
航路セグメント輸送ボックス格子の二つの幅方向の辺の中点を補間始点・終点とし、回避確率分布の空間粒度を補間間隔としてステップ1-1の補間方法により、航路に平行な方向において航路セグメント輸送ボックスの格子毎にさらに細かくすることで、輸送ボックスサブ格子が得られ、輸送ボックスサブ格子中心の座標位置に基づいて計算して、それより最も近い4つの気象格子点の回避確率値が得られ、下式のように、距離の逆数を重みとして4つの回避確率に対して加重和を求めるように計算することで、輸送ボックスサブ格子の回避確率が得られ、
さらに、下式のように、航路セグメント輸送ボックス格子内のサブ格子毎の回避確率の平均値を取って輸送ボックス格子の回避確率とし、
ステップ3はステップ3-1~ステップ3-5を含み、
ステップ3-1では、候補渋滞しきい値を決定して初期化し、即ち、
輸送ボックス格子の回避確率値の分布に基づいて候補渋滞しきい値セットを決定して小さい順に並べ、最小候補渋滞しきい値は最小回避確率値となり、最大候補渋滞しきい値は最大回避確率値となり、そして、1段目から7段目までの0、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.0という7段の候補渋滞しきい値を設定し、最小候補渋滞しきい値を渋滞しきい値として初期化し、回避確率が渋滞しきい値よりも大きい輸送ボックス格子は渋滞格子として定義され、回避確率値が渋滞しきい値よりも小さい輸送ボックス格子は非渋滞格子として定義されるようになり、
ステップ3-2では、有向航路通抜けネットワークを構築し、即ち、
渋滞しきい値に基づいて各航路セグメント輸送ボックスを渋滞格子領域と非渋滞格子領域とに分割し、航路セグメント輸送ボックス毎における隣接する非渋滞格子を合わせてネットワークノードとし、航路方向に従ってネットワークノード列を生成し、格子ノードAはA[1,(3,4,5)]として表現され、ただし、Aは格子ノードの名称を表し、1は格子ノードAが所在する航路セグメント輸送ボックスの番号を表し、3,4,5は格子番号列であり、隣接する航路セグメント輸送ボックス中のネットワークノードは隣接するノードとして判定され、隣接するノードが一つ又は二つ以上の同じ格子番号を有する場合、隣接するノードは連通していると判定されながら、連通辺で接続されるようになり、その方向は前順航路セグメント輸送ボックスから後順航路セグメント輸送ボックスへの方向であり、連通辺の重みは隣接するノードの同じ格子番号の数であり、
ステップ3-3では、ネットワークの連通性を判別し、即ち、
最初の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを開始ノードとし、最後の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを葉ノードとし、深さ優先を原則として各開始ノードから連通経路を探索し始め、葉ノードまで到達可能な連通経路が見い出されると、航路通抜けネットワークを連通したものと判定し、連通経路が存在しない場合、航路通抜けネットワークを連通していないものと判定し、渋滞しきい値を1段階増加させて、ステップ3-2へ戻り、また、存在する場合、航路通抜けネットワークは連通したものとされ、ステップ3-4へ進み、
ステップ3-4では、連通経路を探索し、即ち、
最初の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを開始ノードとし、最後の航路セグメント輸送ボックス中の格子ノードを葉ノードとし、深さ優先を原則として航路通抜けネットワークから開始ノードより葉ノードまで到達可能な連通経路のすべてを探し出し、航路通抜けネットワークから探し出された連通経路は格子ノードと連通辺の重みとからなる列で表され、
ステップ3-5では、最適航路通抜け経路を選択し、即ち、
連通経路毎にその重み値の最も小さい連通辺を経路ネックとして定義し、前記最小重み値をネック値とし、連通辺に関する開始・終了ノードの格子番号に交叉集合が存在すると、スキップが存在しないと判定し、つまり、スキップ値が0となり、交叉集合が存在しないと、スキップが存在すると判定し、スキップ値が開始・終了ノード間の最小距離となり、
連通経路におけるすべての連通辺のスキップ値の和と最大総スキップ値との比は連通経路の複雑性を特徴付けており、
すべての連通経路からネック値の最も大きい経路を初期候補最適経路として選択し、そして初期候補最適経路から経路ネックの数の最も少ない経路を候補最適経路として選択し、最後に、候補最適経路から複雑性Complexityの最も低い経路を最適航路通抜け経路として選択することを特徴とする、対流気象条件での最適通抜け経路に基づく航路の渋滞度の評価方法。 - ステップ4はステップ4-1とステップ4-2とを含み、
ステップ4-1では、最適航路通抜け経路の渋滞度を計算し、即ち、
最適航路通抜け経路に対して経路ネックの個数と各経路ネックの中心位置を特定し、経路ネック毎にその渋滞度を順に計算し、最大の経路ネックの渋滞度と最適航路通抜け経路の複雑性Complexityを加算した結果を、最適航路通抜け経路の渋滞度とし、
ステップ4-2では、航路の渋滞度を特定し、即ち、
渋滞しきい値が1である場合、航路の渋滞度が1となり、渋滞しきい値が1ではない場合、最適航路通抜け経路毎にその渋滞度を計算し、その中から最大の最適航路通抜け経路の渋滞度を航路の渋滞度として選択することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - ステップ4-1では、経路ネックの渋滞度は以下のように計算されており、つまり、経路ネック両側の輸送ボックスから気象特性値が渋滞しきい値よりも大きいか等しい輸送ボックス格子を抽出し、各輸送ボックス格子の中心位置を特定し、輸送ボックス格子の中心と経路ネックの中心との間の縦距離の逆数を重みとして、経路ネック両側の輸送ボックスから抽出されたすべての輸送ボックス格子の気象特性値に対して加重平均を行い、具体的には、下式に従って計算されており、
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