JP7076312B2 - 型枠用テープ、コンクリート型枠構造体及びコンクリート製建築物の製造方法 - Google Patents
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Description
第二止水層5の材質としては、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。
第一止水層として、厚みが5mmのEPDM系発泡ゴム(日東電工株式会社製 エプトシーラーNo.685)を準備した。基布に厚みが0.48mmのPETスパンボンド不織布100g/m2(ユニチカ株式会社製 81006BSE)を用い、この基布の片面に吸水加工として、下記処方にてドライ塗布量10g/m2でグラビアコートを実施し、吸水層を作製した。
アクリル樹脂:XE-2907(株式会社トウペ製) 30%
吸水剤:SA-100(三洋化成工業株式会社製) 10%
溶媒:トルエン 60%
次に、第一止水層に、下記処方の接着剤をドライ塗布量5g/m2でグラビアコートにより塗布し、その後、第一止水層に吸水層の吸水加工を施していない側の面を当接させて、ドライラミネート法により積層した。
ウレタン樹脂:4365T(DIC株式会社製)60%
架橋剤:DN950(DIC株式会社製) 6.0%
促進剤:アクセルT-81(DIC株式会社製)0.6%
溶媒:トルエン 33.4%
次に、吸水層と第一止水層の積層体において、吸水層側の面(吸水層の吸水加工面)に、下記処方の粘着剤をコンマコーターにてドライ塗布量30g/m2で塗布し、粘着層を形成した。
アクリル樹脂:ダイレクト202(サイデン化学株式会社製)91.5%
架橋剤:硬化材AL(サイデン化学株式会社製)3.5%
溶媒:トルエン 5.0%
次いで、下記処方の微粘着剤を、離型紙にコンマコーターによりドライ時厚みが20μmになるよう塗布し、微粘着層を作製した。この微粘着層に、第一止水層、吸水層ならびに粘着層の積層体の第一止水層の吸水層が積層されていない面を当接させて転写させることで、第二止水層として微粘着層を積層した。
アクリル樹脂:AS-415(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製) 85.5%
架橋剤:B-45(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製) 6.0%
溶媒:トルエン 8.5%
これを、幅10mm×長さ2mにスリット裁断し、実施例1の型枠用テープを得た。
実施例1と同様に第一止水層、吸水層ならびに粘着層の積層体を設けた後、下記処方の接着剤を、第一止水層の粘着層とは対向する面にドライ塗布量5g/m2でグラビアコートにより塗布した。
ウレタン樹脂:4365T(DIC株式会社製)60%
架橋剤:DN950(DIC株式会社製) 6.0%
促進剤:アクセルT-81(DIC株式会社製)0.6%
溶媒:トルエン 33.4%
その後、エーテル系ウレタン樹脂クリスボンUST-135(DIC株式会社製)を離型紙にコンマコーターによりドライ時厚みが20μmになるよう塗布した後、上記接着剤上にドライラミネート法により積層することで、第二止水層として非粘着性の層を形成した。その後、実施例1に準じて、スリット裁断を実施して、実施例2の型枠用テープを得た。
実施例1と同様に第一止水層を準備した後、吸水層は設けずに、第一止水層の一方の面に、実施例1と同様の粘着層を積層し、もう一方の面に実施例1と同様の第二止水層を積層した。
その後、実施例1に準じて、スリット裁断を実施して、実施例3の型枠用テープを得た。
第一止水層として、厚みが5mmのNBR系発泡ゴム(株式会社東洋クオリティワン製 ハイシールPM)を用いた以外は実施例2に準じて、吸水層、粘着層、第二止水層を積層させ、スリット裁断を実施して、実施例4の型枠用テープを得た。
実施例1と同様に第一止水層、吸水層、粘着層を積層した後、下記処方の粘着剤を、コンマコーターで離型紙にドライ時厚みが20μmになるよう塗布した後、粘着層とは対向する面に転写し、第二止水層として粘着層を積層した。
アクリル樹脂:AS-1107(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製) 88.3%
架橋剤:B-45(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製) 2.9%
溶媒:トルエン 8.8%
その後、実施例1に準じて、スリット裁断を実施して、実施例5の型枠用テープを得た。
第一止水層として、厚みが5mmのウレタン系発泡ゴム(日本発条株式会社製 スーパーシートH6)を用いた。なお、この片面は表層にスキン面を形成しており、これを第二止水層とした。
スキン面の反対側に吸水層を積層するようにした以外は、実施例1と同様に吸水層、粘着層を積層させ、スリット裁断を実施して、実施例6の型枠用テープを得た。
第一止水層として、厚みが5mmのEPDM系発泡ゴム(日東電工株式会社製 エプトシーラーEH-2200)を用いた以外は実施例2に準じて、吸水層、粘着層、第二止水層を積層させ、スリット裁断を実施して、実施例7の型枠用テープを得た。
実施例1と同様に、第一止水層、吸水層、粘着層を積層した後、第二止水層を設けずに、スリット裁断を実施して、比較例1の型枠用テープを得た。
実施例1と同様に吸水層を準備した後、第一止水層は積層せずに、吸水層の一方の面に、実施例1と同様の粘着層を積層し、もう一方の面に実施例1と同様の第二止水層を積層した。
その後、実施例1に準じて、スリット裁断を実施して、比較例2の型枠用テープを得た。
コンクリート型枠用合板(JAS型枠用合板1類、板面品質B、厚さ12mm)の背面(未処理面)に対する型枠用テープの粘着力を、粘着層と第二止水層でそれぞれJIS Z0237 10(粘着力 180°剥離)に準拠して測定した。
第一止水層のみを準備して、JIS-K6400-2 A法に準じた試験機を用い、圧縮速度50mm/minで厚さの25%まで予備圧縮し、その後1分解放したのち、再び同様に厚さの50%まで圧縮して20秒間保持後の値を測定値とした。
型枠用テープの粘着層の反対側、すなわち第二止水層側の表面における静摩擦係数を測定した。測定方法は、JIS P8147に準ずる滑り傾斜角測定装置本体の傾斜板に、コンクリート型枠用合板(JAS型枠用合板1類、板面品質B、厚さ12mm)の背面(未処理面)を上向きにして設置。この上に、巾10mm、長さ50mmにカットした型枠用テープの第二止水層面をベニヤ合板上に載置して、10°/6secの速度で傾斜板を傾斜させ、型枠用テープが滑りはじめたときの傾斜角θを読み取り、このときの正接tanθを静摩擦係数として求める。
はじめに、15mm厚の合板にて各辺の内法が20cmで高さが20cm以上である角柱を作製し、内側表面に厚み20μmのポリエステルフィルムを両面テープで貼り付け、水漏れのないようにする。次に、角柱の1辺の中央部を縦方向に切断し、型枠用テープの厚みと同じ幅を有するスリットを形成する。型枠用テープを切断面の一方に貼り付け、他方の切断面とで型枠用テープを挟み、型枠用テープの厚み方向に2kgfの荷重がかかるよう固定する。このとき型枠用テープを貼り付ける際に、型枠用テープの断面が角柱の内側の面と同一面内に位置するように調節する。角柱の底辺には、厚み20μmのポリエステルフィルムを両面テープで隙間のないよう貼り付け、水漏れのないようにする。この状態で角柱の中に、高さ15cmの位置まで生コンクリート(1kgのコメリ株式会社製インスタントコンクリート)に対し、150mlの水を混合したもの)を流し込んだ後、バイブレータを生コンクリート中央部に挿し込み、10秒間振動を与える。この際に、型枠用テープと型枠切断面の接着部から水ないしは生コンクリートが染み出てくる様子を観察し、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
○:水ないしは生コンクリートがまったく染み出ていない。
△:水ないしは生コンクリートが若干染み出ているが、型枠内の生コンクリートの嵩が減る程ではない。
×:水ないしは生コンクリートが明らかに染み出ており、型枠内の生コンクリートの嵩も減っている。
コンクリート型枠用合板(JAS型枠用合板1類、板面品質B、厚さ12mm)の断面に対して、幅10mmの型枠用テープを施工し、その施工および撤去における作業性を、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
○:適度なハリコシ及び、若干の凹凸に対する追従性が良好であり、合板の断面への貼り付け作業が容易である。且つ、撤去時に糊残りすることなく、また、吸水層の基布が破損することなく、容易に剥がすことができる。
△:ややハリコシがない、または硬いが隙間なく貼り付け作業が可能である。あるいは、撤去時に若干の糊残りがみられるが、容易に糊を除去可能である。また、吸水層の基布に亀裂や破れが発生するが、破断することなく剥がすことができる。
×:ハリコシがなく貼り付け作業が困難である、または硬過ぎて若干の凹凸部に隙間ができてしまう。あるいは、撤去時に糊残りがある、または吸水層の基布が破損する、貼り付けた側とは反対側の型枠の合板断面に型枠用テープが残る。
隙間に型枠用テープを施工したコンクリート型枠構造体を用いて製造したコンクリートの品位を、下記の方法により評価した。15mm厚の合板にて各辺の内法が20cmの角柱を作製した。次に、角柱の1辺の中央部を縦方向に切断し、型枠用テープの厚みと同じ幅を有するスリットを形成した。型枠用テープを切断面の一方に貼り付け、他方の切断面とで型枠用テープを挟み、型枠用テープの厚み方向に2kgfの荷重がかかるよう固定した。型枠用テープを貼り付ける際、型枠用テープの断面が角柱の内側の面と同一面内に位置するように調節した。角柱の底辺には、厚み20μmのポリエステルフィルムを両面テープで隙間のないよう貼り付け、水漏れのないようにした。角柱の中に、生コンクリートを充填した後、バイブレータを生コンクリート中央部に挿し込み、10秒間振動を与えて締固めを実施した。24時間後に角柱を解体して、硬化後のコンクリートにおいて型枠用テープに対応する位置の外観を観察し、コンクリート品位を評価した。評価基準は、以下のとおりである。
(評価基準)
○:バリ及び砂スジの発生がない。
△:若干のバリ(高さ5mm未満)が発生した。または、3m離れた位置からは目視により確認できない程度の僅かな砂スジが発生した。
×:著しいバリ(高さ5mm以上)、および/または、吸水層の基布の一部のコンクリート表面への残留が発生した。あるいは、3m離れた位置から目視により確認できる著しい砂スジが発生した。
2 吸水層
3 第一止水層
4 気泡
5 第二止水層
10、10A 型枠用テープ
20 型枠パネル
21 側面
22 主面
100 コンクリート型枠構造体
Claims (6)
- コンクリート型枠構造体の隙間に施工される型枠用テープであって、
前記コンクリート型枠構造体の基本構造である型枠パネルの側面に貼着される粘着層と、
クッション性を有し前記型枠用テープの幅方向からの漏水を防ぐ第一止水層と、
前記第一止水層を挟んで前記粘着層と対向する側に積層され、前記型枠用テープの表面を平滑化して表面からの漏水を防ぐ第二止水層を備えた型枠用テープ。 - 第二止水層側の表面における静摩擦係数が0.8以上である請求項1に記載の型枠用テープ。
- 前記粘着層および前記第一止水層の間に積層され、断面方向からコンクリートの水分を吸収する吸水層を備える請求項1または2に記載の型枠用テープ。
- 前記第一止水層の50%圧縮硬さが100kPa以下である請求項1~3の何れか一項に記載の型枠用テープ。
- 複数の型枠パネルを連設させてなるコンクリート型枠構造体であって、
隣接する型枠パネルの隙間に型枠用テープが配され、
前記型枠用テープは、前記型枠パネルの側面に貼着する粘着層と、クッション性を有し前記型枠用テープの幅方向からの漏水を防ぐ第一止水層と、
前記第一止水層を挟んで前記粘着層と対向する側に積層され、前記型枠用テープの表面を平滑化して表面からの漏水を防ぐ第二止水層を備えたコンクリート型枠構造体。 - 請求項5に記載のコンクリート型枠構造体内に、コンクリートを打設するコンクリート製建築物の製造方法。
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JPH0687561U (ja) * | 1993-06-01 | 1994-12-22 | 愛別ベニヤ株式会社 | コンクリート型枠用テープ |
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