JP7075807B2 - 青果物の貯蔵方法及び貯蔵装置 - Google Patents

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Description

本開示は、青果物の貯蔵方法及び貯蔵装置に関する。
現在、需要が拡大している加工用の青果物は、栽培、予冷、貯蔵、加工等の工程を経て、消費者の手に渡る。最終製品が年間を通した供給品となる加工食品においては、原料となる青果物も安定した品質で年間を通した安定供給が必要になる。ところが、天候不順による品不足や価格の高騰によって収穫直後の生鮮な野菜の確保が不安定となる場合があるため、数か月以上の長期に亘る保管が必要となっている。
貯蔵される青果物は、乾燥による萎縮、打撲や生理障害による劣化、及びカビや細菌等の微生物による腐敗、の3つの主な原因で歩留まりが下がる。温度管理機能のみで湿度管理機能をもたない冷蔵庫は、数週間の保管期間を過ぎると乾燥が進み、貯蔵された青果物が乾燥して萎縮し、歩留まりが低下する。
これを解決する手段として、保管庫や冷蔵庫等に加湿器や高湿度クーラを備え、貯蔵空間を高湿度に保つ貯蔵技術がある。本出願人は、先に、かかる貯蔵技術に適用可能で、保管庫や冷蔵庫等に高湿度かつ低温度の空気を安定して供給可能な省エネ型の空気発生装置を提案している(特許文献1及び2)。
しかし、青果物を高湿度環境で長期間貯蔵すると、収穫時に発生した傷などからカビが発生する。カビ発生時期は青果物によって異なり、例えば、キャベツやレモンで2か月以降、トマトで2週間以降に顕著に表れる。傷んだ青果物は栄養素が豊富であり、高湿度下で急速に腐敗が進行する。
実用新案登録第3192991号公報 特開昭63-091474号公報
前述のように、高湿度環境は青果物の乾燥を防ぎ瑞々しさを保つためには好適であるが、逆に、抵抗力が落ちた青果物は腐敗のリスクが非常に高くなる傾向にある。このように、青果物の瑞々しさを保つこととカビや細菌等の微生物による腐敗を抑えることとは相反する関係にある。
一実施形態は、青果物の瑞々しさを保ちながらカビや細菌等の微生物による腐敗を抑えることで、長期貯蔵を可能にすることを目的とする。
(1)一実施形態に係る青果物の貯蔵方法は、
貯蔵庫の貯蔵空間に青果物を高湿度状態に保持する高湿度保管工程と、
前記高湿度保管工程において、前記青果物に発生する腐敗の有無を検査する腐敗検査工程と、
前記腐敗検査工程で腐敗を検出したとき、前記貯蔵空間を前記高湿度状態より低湿度で前記青果物を保管する低湿度保管工程と、
を備える。
上記(1)の方法によれば、貯蔵期間中、貯蔵庫内で青果物を高湿度状態に保持することで、青果物の瑞々しさを保ち、カビや細菌等の微生物による腐敗の発生を検出したときは、貯蔵空間を低湿度にすることで、腐敗を抑えるようにしている。これによって、長期間青果物の瑞々しさを保ちながら腐敗を抑制できる。
(2)一実施形態では、前記(1)の方法において、
前記高湿度保管工程において、前記貯蔵空間の相対湿度が95%以上となるように制御する。
上記(2)の方法によれば、高湿度保管工程では、貯蔵空間の相対湿度を95%以上に保つことで、青果物の瑞々しさを保持できる。
(3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の方法において、
前記低湿度保管工程において、前記貯蔵空間の相対湿度が80%以上95%以下となるように制御する。
上記(3)の方法によれば、低湿度保管工程では貯蔵空間の相対湿度を80~95%とすることで、カビや細菌等の増殖を抑え、これによって、腐敗の進行を抑えることができる。
(4)一実施形態では、前記(1)~(3)の何れかの方法において、
前記腐敗検査工程は、作業員が目視により腐敗の有無を検査するものである。
上記(4)の方法によれば、腐敗検査工程において、作業員が目視で腐敗の有無を検査するので、正確に腐敗発生の有無を検出できる。
(5)一実施形態では、前記(1)~(3)の何れかの方法において、
前記腐敗検査工程は、前記青果物に発生した腐敗を検出可能な腐敗センサを用いて腐敗の有無を検査するものである。
上記(5)の方法によれば、腐敗センサを用いて腐敗の有無を検査するので、作業員の監視負担を軽減できる。
(6)一実施形態では、前記(5)の方法において、
前記腐敗センサは、前記青果物に波長が220nm以上800nm以下の光を照射し、前記青果物から反射した反射光をスペクトル分析して腐敗の有無を判定するものである。
上記(6)の方法によれば、腐敗検出手段として、紫外光領域から可視光領域にまたがる上記波長領域の光を用いたスペクトル分析により腐敗の有無を検出するので、紫外光領域におけるタンパク質の吸収特性と、可視光領域における青果物と発生した腐敗との色調の違いから、腐敗の発生を自動的かつ正確に検出できる。
(7)一実施形態では、前記(1)~(6)の何れかの方法において、
前記高湿度保管工程において、前記貯蔵空間の相対湿度が100%以下に保持される。
上記(7)の方法によれば、高湿度保管工程において、貯蔵空間の相対湿度を100%以下に保持することで、貯蔵空間で結露の発生を抑制できる。これによって、結露が青果物に付着することが原因で青果物に腐敗が発生するのを抑制できる。
(8)一実施形態では、前記(1)~(7)の何れかの構成において、
収穫時の傷口を有する前記青果物に対して、入庫時に前記高湿度保管工程および前記低湿度保管工程における前記貯蔵空間の温度より高く前記傷口の治癒が可能な温度域に保持して前記傷口を治癒する治癒工程を備える。
上記(8)の方法によれば、上記治癒工程を行うことで、収穫時に青果物に発生した傷口を治癒でき、これによって、上記傷口を起点として発生する腐敗を抑制できる。
(9)一実施形態に係る青果物の貯蔵装置は、
青果物を貯蔵するための貯蔵庫と、
前記貯蔵庫の貯蔵空間の湿度を制御可能な空調機と、
高湿度運転モードと、前記青果物に発生した腐敗の成長を抑制するように該高湿度運転モードより低湿度の低湿度運転モードとの何れかを選択すべきかを示す運転モード選択信号を受け取り、前記空調機を選択された運転モードで運転制御するように構成された制御部と、
を備える。
上記(9)の構成によれば、上記空調機は、上記制御部によって、通常は、貯蔵空間を
高湿度状態に保持する高湿度運転モードで運転され、青果物に腐敗が発生したときは、低湿度運転モードで運転されるように制御されるので、青果物の瑞々しさを保ちながら腐敗の進行を抑制できる。これによって、長期に亘り青果物の新鮮さを維持し、かつ腐敗の進行を抑制できる。
(10)一実施形態では、前記(9)の構成において、
前記制御部に前記運転モード選択信号を送る操作端末であって、前記青果物に腐敗を検出したときに操作される運転モード切替えスイッチを含む前記操作端末を備え、
前記制御部は、
前記操作端末から送られる前記運転モード選択信号に基づいて、前記空調機を前記高湿度運転モード又は前記低湿度運転モードのどちらかに切り替えるように構成される。
上記(10)の構成によれば、作業員は、上記操作端末から、空調機の運転モード選択信号を送ることができる。従って、作業員は、貯蔵庫内の青果物を目視で観察しながら、空調機の運転モードを適切な運転モードに設定できる。また、作業員は、青果物に腐敗が発生したことを検知したときは、上記運転モード切替えスイッチによって低湿度運転モードへの切り替えができる。
(11)一実施形態では、前記(9)の構成において、
前記青果物に発生した腐敗を検出可能であり、かつ、前記腐敗を検出したとき腐敗検出信号を前記制御部に送信可能に構成された腐敗センサを備え、
前記制御部は、前記腐敗センサから前記腐敗検出信号が送られたとき、前記空調機を前記低湿度運転モードで運転させるように構成される。
上記(11)の構成によれば、上記腐敗センサが青果物に発生した腐敗を検出したとき、制御部は、空調機を低湿度運転モードに切り替えるので、腐敗の検出と低湿度運転モードへの切り替えとを自動的に行うことができる。
(12)一実施形態では、前記(11)の構成において、
前記腐敗センサは、
前記青果物に光を照射するための発光器と、
前記照射された光が前記青果物の表面で反射した反射光を受光するための受光器と、
前記受光器で受光した前記反射光の分光スペクトルを得るための分光器と、
を備え、
前記分光スペクトルの二次微分値における微生物由来の成分を検出するように構成される。
上記(12)の構成によれば、腐敗センサは、青果物に照射した光の反射光をスペクトル分析して微生物由来の成分を検出するように構成されるため、腐敗の発生を自動的かつ正確に検出できる。
(13)一実施形態では、前記(9)~(12)の何れかの構成において、
前記高湿度運転モードは、前記貯蔵空間を相対湿度が95%以上となるように前記空調機を運転させるものであり、
前記低湿度運転モードは、前記貯蔵空間を相対湿度が80%以上95%以下になるように前記空調機を運転させるものである。
上記(13)の方法によれば、高湿度保管工程において、貯蔵空間の相対湿度が95%以上となるように制御することで、青果物の瑞々しさを保持可能になり、低湿度保管工程では貯蔵空間の相対湿度を80%~95%とすることで、腐敗の進行を抑えることができる。これによって、長期に亘り青果物の劣化や腐敗を抑制しつつ青果物の瑞々しさ保つことができる。
(14)一実施形態では、前記(9)~(13)の何れかの構成において、
前記空調機は、
前記貯蔵空間に設けられ空気流を形成可能なダクトと、
前記ダクトの下部に設けられた貯水タンクと、
前記ダクト内の空気流路又は前記貯水タンクに設けられた冷却コイルと、
前記冷却コイルに冷媒を供給するための冷凍機と
前記冷却コイルに散水するための散水部と、
を備える。
上記(14)の構成によれば、冷蔵庫の貯蔵空間の温度が0℃以上のとき、上記ダクトの内部に形成された空気流の温度及び湿度を制御することで、貯蔵空間の温度及び湿度を制御できる。これによって、長期に亘り青果物の瑞々しさを保ちつつ、微生物による腐敗を抑制できる。
(15)一実施形態では、前記(9)~(13)の何れかの構成において、
前記空調機は、
前記貯蔵空間に連通する空気流路を内部に形成したダクトと、
前記ダクト内の空気流路に設けられた冷却コイルと、
前記冷却コイルに冷媒を供給するための冷凍機と
前記空気流路に形成され氷又は雪が充填された氷雪ゾーンと、
前記氷雪ゾーンに前記氷又は前記雪を供給するための製氷機と、
を備える。
上記(15)の構成によれば、冷蔵庫の貯蔵空間の温度が0℃以下のとき、上記ダクトの内部に形成された空気流の温度及び湿度を制御することで、貯蔵空間の温度及び湿度を制御できる。これによって、長期に亘り青果物の瑞々しさを保ちつつ、微生物による腐敗を抑制できる。
幾つかの実施形態によれば、長期に亘り貯蔵庫に貯蔵される青果物の瑞々しさを保ちながら微生物による腐敗を抑えることができる。従って、長期貯蔵しても青果物の歩留まり低下を抑制できる。
一実施形態に係る青果物の貯蔵装置を概略的な模式図である。 一実施形態に係る青果物の貯蔵装置を概略的な模式図である。 一実施形態に係る青果物の貯蔵方法の工程図である。 一実施形態に係る腐敗センサの構成図である。 腐敗センサにより得られた分光スペクトルの一例を示す線図である。 腐敗センサにより得られた分光スペクトルの一例を示す線図である。 一実施形態に係る空調機の構成図である。 一実施形態に係る空調機の構成図である。 一実施形態に係る空調機の構成図である。 一実施形態に係る空調機の構成図である。 試験により青果物の重量歩留まりの貯蔵中の推移を得た結果を示す線図である。 試験により青果物の腐敗率の貯蔵中の推移を得た結果を示す線図である。 試験により青果物の製品歩留まりの貯蔵中の推移を得た結果を示す線図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1及び図2は、幾つかの実施形態に係る青果物の貯蔵装置10(10A、10B)を示す。
図1及び図2において、貯蔵装置10(10A、10B)は、青果物fvを貯蔵するための貯蔵庫12と、貯蔵庫12の貯蔵空間Sの湿度を制御可能な空調機14と、空調機14の運転を制御するための制御部16と、を備える。制御部16は、空調機14の運転モードを決定する運転モード選択信号を受け取り、受け取った運転モード選択信号によって指定された運転モードで空調機14が運転されるように、空調機14の運転を制御する。運転モード選択信号は、貯蔵空間を高湿度状態に保つ高湿度運転モードと、青果物fvにカビや細菌等の微生物による腐敗が発生したことを検知したとき、腐敗の進行を抑制するように、青果物fvを該高湿度運転モードより低湿度で保管する低湿度運転モードとがある。運転モード選択信号はこれらの何れかを選択すべきかを示すものである。
上記構成において、青果物fvが入庫したとき、通常、空調機14は、制御部16によって、貯蔵空間Sを高湿度状態に保持する高湿度運転モードで運転される。そして、青果物fvに腐敗が発生したことを検知したときは、高湿度運転モードより低湿度状態を保つ低湿度運転モードで運転される。このように、通常は、空調機14が高湿度運転モードで運転されるので、青果物fvの乾燥を防ぎ青果物fvの瑞々しさを保つことができる。また、青果物fvに腐敗が発生していることを検知したとき、空調機14は低湿度運転モードで運転され、貯蔵空間Sは低湿度に保持されるので、腐敗の進行を抑制できる。これによって、長期に亘って青果物fvを乾燥によるしおれや微生物による腐敗を抑制しながら新鮮な状態を保つことができる。
腐敗の原因となるカビや細菌の微生物等の繁殖には、温度、水分及び栄養の3要素が必須であるため、逆に、これらの要素の1つでも欠くと、カビや細菌の繁殖を抑えることができる。水分を例に取ると、繁殖に必要な水は自由水と呼ばれ、水分活性Awで定量化されている。例えば、細菌の繁殖にはAw≧0.9が必要であり、カビの繁殖にはAw≧0.75が必要である。水分活性Awは、密閉された容器に純水を入れ、ヘッドスペースの平衡時蒸気圧(p)を同じ温度の水の蒸気圧(p0)で割った値で示すこともできる。これはヘッドスペースの平均相対湿度を100で割った値と同じであり、相対湿度100%はAw=1、相対湿度80%はAw=0.8と示すことができる。
相対湿度100%の環境は青果物の瑞々しさを保つために最適であるが、抵抗力が低下した青果物には腐敗のリスクが高くなる。
一方、相対湿度が低い環境では、カビや細菌等は繁殖しにくいが、青果物の乾燥が進み、歩留まりが低下する。
また、収穫間もない青果物は抵抗力があり、傷があっても腐敗しない。ところが、時間が経つと老化が進み抵抗力が下がってくる。貯蔵期間が長いほど抵抗力が下がり腐敗による廃棄率が増加する。このように、長期貯蔵において青果物の瑞々しさを保つことと腐敗を抑えることは相反する関係にある。
一実施形態では、図1に示すように、貯蔵装置10(10A)は、制御部16に運転モード選択信号を送る操作端末18を備える。制御部16は、操作端末18から送られる運転モード選択信号に基づいて、空調機14を高湿度運転モード又は低湿度運転モードのどちらかに切り替える。
一実施形態では、操作端末18は、貯蔵空間Sに貯蔵された青果物fvにカビや細菌等の微生物による腐敗が検出されたときに、操作される運転モード切替えスイッチ20を有する。例えば、作業員が青果物fvに腐敗が発生しているのを発見したとき、作業員が運転モード切替えスイッチ20を操作することで、制御部16に、空調機14を高湿度運転モードから低湿度運転モードに切り替える運転モード選択信号を送ることができる。
この実施形態によれば、操作端末18から制御部16に運転モード選択信号を送信可能に構成されているので、作業員は操作端末18から空調機14の運転モード選択信号を送ることができる。従って、作業員は、貯蔵庫内の青果物を目視で観察しながら、空調機14の運転モードを適切な運転モードに設定できる。また、作業員は、青果物に腐敗が発生したことを検知したときは、運転モード切替えスイッチ20によって低湿度運転モードへの切り替えができる。
一実施形態では、図2に示すように、貯蔵装置10(10B)は、青果物fvに発生した腐敗を検出可能な腐敗センサ22を備える。腐敗センサ22は、腐敗の発生を検出したとき腐敗検出信号を制御部16に送信可能に構成されている。制御部16は、腐敗センサ22から腐敗検出信号が送られたとき、空調機14を低湿度運転モードで運転させるように構成される。
この実施形態によれば、腐敗センサ22が青果物fvに発生した腐敗を検出したとき、制御部16は、空調機14を低湿度運転モードに切り替えるので、腐敗検出と低湿度運転モードへの切り替えとを自動的に行うことができる。
一実施形態に係る青果物の貯蔵方法は、図3に示すように、まず、入庫した青果物fvに収穫時の傷口があるときは、必要に応じて治癒工程S10を行う。傷口は放っておくと早期に腐敗が始まる虞がある。治癒工程S10は、収穫時の傷口を有する青果物fvに対して、入庫時に後述する高湿度保管工程S12及び低湿度保管工程S18における貯蔵空間Sの温度より高く、傷口の治癒が可能な温度域に保持して傷口を治癒する。
一実施形態では、貯蔵空間Sを2~4日間25~35℃の温度に保持する。
治癒工程S10を行うことで、収穫時に青果物fvに発生した傷口を治癒でき、これによって、傷口から発生する腐敗を抑制できる。
必要に応じて治癒工程S10を行った後、空調機14を高湿度運転モードに制御し、貯蔵空間Sの青果物fvを高湿度状態に保持する(高湿度保管工程S12)。そして、高湿度状態に保持しながら、青果物fvに発生する腐敗の有無を検査する(腐敗検査工程S14)。検査方法として、作業員が貯蔵庫12の内部に入り、目視で腐敗発生の有無を検査してもよいし、あるいは腐敗を検出可能な前述の腐敗センサ22で検査してもよい。
そして、腐敗検査工程S14で腐敗を検出したとき(S16)、空調機14を低湿度運転モードに切り替え、貯蔵空間Sを高湿度保管工程S12における高湿度状態より低湿度で青果物fvを保管する(低湿度保管工程S18)。腐敗検査工程S14で腐敗を検出しないとき、引き続き高湿度保管工程S12を継続する。
上記方法によれば、貯蔵期間中、貯蔵庫内で青果物fvを高湿度状態に保持することで、青果物fvの瑞々しさを保ち、高湿度保管工程中に、腐敗の発生を検出したときは、貯蔵空間Sを低湿度にして青果物fvを保管することで、腐敗の進行を抑えることができる。これによって、長期間青果物fvを乾燥させずに瑞々しさを保ち、かつ腐敗を抑制できる。従って、長期間青果物fvの歩留まり低下を抑制できる。
一実施形態では、高湿度保管工程S12において、貯蔵空間Sの相対湿度が95%以上となるように制御する。図1及び図2に示す貯蔵装置10(10A、10B)では、制御部16によって空調機14を高湿度モードで運転させることで、貯蔵空間Sの相対湿度を95%以上に保持する。
この実施形態によれば、高湿度保管工程S12で、貯蔵空間Sの相対湿度を95%以上に保持することで、青果物fvの瑞々しさを長期間保つことができる。
一実施形態では、低湿度保管工程S18において、貯蔵空間Sの相対湿度が90%~95%となるように制御する。図1及び図2に示す貯蔵装置10(10A、10B)では、制御部16によって空調機14を低湿度モードで運転させることで、貯蔵空間Sの相対湿度を80%~95%に保持する。
この実施形態によれば、低湿度保管工程S18では貯蔵空間Sの相対湿度を80%~95%とすることで、カビや細菌等の増殖による腐敗の進行を抑えることができる。
一実施形態では、腐敗検査工程S14において、作業員が目視により腐敗の有無を検査する。
この方法によれば、作業員が目視で腐敗の有無を検査するので、腐敗センサ22の設置が不要になり、低コストでかつ正確に腐敗発生の有無を検出できる。
一実施形態では、腐敗検査工程S14において、図2に示すように、青果物fvに発生した腐敗を検出可能な腐敗センサ22を用いて腐敗の有無を検査する。
この方法によれば、腐敗センサ22を用いて腐敗の有無を検査するので、作業員の監視負担を軽減できる。
一実施形態では、腐敗センサ22は、青果物fvに波長が200nm~800nmの光を照射し、青果物fvから反射した反射光をスペクトル分析し、得られた分光スペクトルから腐敗の有無を判定するように構成されている。
カビや細菌等の微生物はタンパク質の凝集体であり、タンパク質は、200~450nm、特に230~300nmの波長帯の紫外光に対し顕著な吸収ピークを有する。従って、この波長帯の光を含む光を発光器から発光させて青果物fvに照射し、その反射光をスペクトル分析することで、微生物による腐敗の発生有無を測定できる。
また、400~800nmの波長帯を有する可視光を青果物fvに照射し、その反射光をスペクトル分析することで、腐敗発生による青果物表面の色調の変化から腐敗発生の有無を測定できる。
この実施形態によれば、腐敗検出手段として、上記波長帯の光を用いたスペクトル分析により腐敗の有無を検出する腐敗センサを用いることで、腐敗の発生を自動的かつ正確に検出できる。
一実施形態では、高湿度保管工程S12において、貯蔵空間Sの相対湿度が100%以下に保持される。
この実施形態によれば、高湿度保管工程S12において、貯蔵空間Sの相対湿度を100%以下に保持することで、貯蔵空間Sで結露の発生を抑制できる。これによって、発生した結露が青果物fvに付着することが原因で青果物fvに腐敗が発生するのを抑制できる。
一実施形態では、腐敗検査手段として、CCDカメラなどの画像を画像処理して取得した画像処理情報から腐敗発生の有無を判定してもよい。しかし、前述のように、青果物fvに特定の波長を有する光を照射し、その反射光をスペクトル分析することで、腐敗発生の有無を判定する方法を用いれば、腐敗発生の有無を精度良く判定できる。
一実施形態では、図4に示すように、腐敗センサ22は、青果物fvに光Lを照射するための発光器24と、照射された光が青果物fvの表面で反射した反射光Rを受光するための受光器26と、受光器26で受光した反射光Rの分光スペクトルを得るための分光器28と、を備える。そして、腐敗センサ22は、得られた分光スペクトルの二次微分値における微生物由来の成分を検出するように構成される。
この腐敗センサ22によれば、青果物fvに照射した照射光Lの反射光Rをスペクトル分析することで、微生物Mの有無を検出するので、微生物Mの発生を自動的かつ正確に検出できる。
一実施形態では、図4に示すように、腐敗センサ22は、発光制御部30を備え、発光器24は発光制御部30によってその作動が制御される。また、腐敗センサ22は演算部32を備え、演算部32は、分光器28により取得された反射光Rの分光スペクトルと、予め求めておいたタンパク質の量との相関関係に基づいて、青果物fvの腐敗発生の有無を算出する。メモリ34には、分光スペクトルから腐敗発生の有無を求める予測式(即ち、タンパク質量と分光スペクトルデータとの相関関係)が記憶されている。演算部32は、メモリ34に記憶された該相関関係に基づいて腐敗発生の有無を判定する。
一実施形態では、腐敗センサ22はさらに表示部36を備え、表示部36に分光スペクトルデータや腐敗発生の有無等を表示する。
一実施形態では、腐敗センサ22は貯蔵空間Sで青果物fvの上方に配置される。特定方向から光を受光するように構成された受光器26は、青果物fvから反射し、さらに貯蔵庫12の内壁面で反射した多重反射光を含む反射光Rを受光する。このように、受光器26が多重反射光を含む反射光Rを受光することで、分光器28では、貯蔵空間Sに貯蔵された特定の青果物fvではなく、青果物全体の平均的な分光スペクトルを得ることができる。
従って、入庫時期が異なる青果物fvのグループ毎に、これらグループの上方に1個の腐敗センサ22を配置することで、グループ毎の平均的な腐敗発生の有無を測定できる。
図5及び図6は、夫々腐敗センサ22を用いて青果物fvの1グループの平均的な分光スペクトルの例を示す。図5は、キャベツの平均的な分光スペクトルであり、図6は、紫キャベツの平均的な分光スペクトルを示す。なお、これら図の縦軸は、分光器28で得られた生波形を吸光度スペクトルに変換し、この吸光度スペクトルを二次微分スペクトに変換した吸光度二次微分値である。これによって、生波形では把握しにくいピークを明確にしたり、ノイズを除去できる。
これらの図から、400nm以下の紫外光の領域においては、230~300nmの波長帯(領域A)において、青果物に腐敗が発生している場合と、腐敗が発生してない場合とで、タンパク質の吸収ピークによる差が表れていることがわかる。また、400nm以上の可視光の領域(領域B)においては、腐敗発生前の青果物の色調と腐敗発生後の色調との違いによる分光スペクトルの差がはっきりと表れていることがわかる。
一実施形態では、空調機14の高湿度運転モードとは、貯蔵空間Sの相対湿度が95%以上となるように空調機14を運転させるものであり、低湿度運転モードは、貯蔵空間Sの相対湿度が80%~95%になるように空調機14を運転させるものである。
これによって、青果物fvに腐敗が発生してないとき、貯蔵空間Sの相対湿度が95%以上となるように空調機14を高湿度運転モードで運転することで、青果物fvの瑞々しさを保持可能になり、青果物fvに腐敗が発生したときは、貯蔵空間Sの相対湿度が90%~95%となるように空調機14を低湿度運転モードで運転することで、腐敗の進行を抑えることができる。これによって、長期に亘り青果物fvの劣化や腐敗を抑制しつつ、青果物fvの瑞々しさを保つことができる。
幾つかの実施形態では、図7~図9に示すように、空調機14(14a、14b、14c)は、貯蔵空間Sに連通し内部に空気流路を形成したダクト40を備える。ダクト40の内部には、例えば、ファン42などによって空気流aが形成される。ダクト40内の空気流路には、冷却コイル44が設けられる。冷却コイル44には、冷凍機46で冷却された冷媒、あるいは該冷媒と熱交換して冷却されたブラインが供給され、ダクト内の空気流路を流れる空気流aを冷却する。また、空調機14(14a~14c)は、冷却コイル44に散水するための散水機47を備える。
空調機14(14a~14c)は、貯蔵庫12の貯蔵空間Sを0℃以上の温度帯で冷却して青果物fvを貯蔵するときに用いられる。制御部16によって、冷凍機46を制御し、かつ散水機47の散水量を制御することで、空気流aの温度及び湿度を制御することで、貯蔵空間Sの温度及び湿度を制御する。
例えば、高湿度運転モードでは、冷却コイル44を散水機47から散水した水の膜で覆い、低湿度運転モードでは、散水を停止し、冷却コイル44を露出させ、空気流a中の水蒸気を冷却コイル44で冷却して凝縮させ、冷却コイル44の表面に付着させることで除湿する。貯蔵空間Sの湿度が設定値になったら散水を開始する。
一実施形態では、高い温度の青果物が入庫したとき、散水機47を自動的に停止させ、かつ空気流aの風速を増加させることで、冷却速度を増加させるようにする。
一実施形態では、散水機47は、ダクト40の下部に設けられた貯水タンク48と、冷却コイル44より上部のダクト40に設けられた散水ノズル50と、貯水タンク48に溜まった水を散水ノズル50に供給する給水路52及び給水路52に設けられた給水ポンプ54と、を含んで構成される。
一実施形態では、貯水タンク48に溜まった水を加温して温度調整するためのヒータ56と、散水ノズル50から噴射された水と空気流aとの接触を密にし、空気流aに水蒸気を混合させ、空気流aの相対湿度を増加させるための気液接触ゾーン58と、高湿度となった空気流aに含まれる水滴を除去して空気流aの相対湿度を100%以下にする気液分離ゾーン60と、が夫々必要に応じて設けられる。
気液接触ゾーン58は、例えば、散水と空気流aとの接触時間を長くするため、繊維、波板、平板、パンチングメタル等の接触部材を積層させるか、あるいは並べて配置する。また、これらの接触部材を冷却コイル44と一体に設けるようにしてもよい。
一実施形態では、図7及び図8に示すように、空気流aの入口40aはダクト下部で貯水タンク48の上方に設けられ、空気流aの出口40bはダクト40の上部に設けられる。一実施形態では、図9に示すように、空気流aの入口40aはダクト上部に設けられ、空気流aの出口40bはダクト下部の貯水タンク48の上方に設けられる。
図7及び図9に示す空調機14(14a、14c)では、冷却コイル44は空気流路に設けられ、空気流aを冷却コイル44で直接冷却するようにしている。
図8に示す空調機14(14b)では、冷却コイル44は貯水タンク48に設けられ、まず、冷却コイル44で貯水タンク48に溜まった水を冷却し、冷却された水を散水ノズル50から散水することで、空気流aを冷却するようにしている。
図8に示す空調機14(14b)では、冷却コイル44が貯水タンク48に設けられるため、冷却コイル44で除湿ができない。そのため、別途除湿器62を設けている。除湿を行うときは、ダクト40に流入した空気流aを流路64を介して除湿器62に導入し、除湿器62で空気流aを除湿した後、流路66を介して気液分離ゾーン60に戻すようにする。除湿器62は、例えば、吸着材を用いて除湿するデシカント方式であってもよく、あるいは冷媒を圧縮機を有する冷凍機で冷却する方式であってもよい。
図9に示す空調機14(14c)では、散水ノズル50で散水された水は、冷却コイル44及び気液接触ゾーン58を通り、ロート状の集水パン68で集められ、貯水タンク48に戻る。空気流aは、ファン42近傍の入口40aからダクト40に入り、散水ノズル50、冷却コイル44、気液接触ゾーン58及び気液分離ゾーン60を通り、ダクト40から出ていく。このとき、散水ノズル50、冷却コイル44及び気液接触ゾーン58が設けられた空気流路は、集水パン68が壁となり、ファン42が空気を押し込むため、陽圧となる。これによって、効率良く高湿度の空気を生成できる。
一実施形態では、図7及び図9に示す空調機14(14a、14c)において、冷却コイル44及び気液接触ゾーン58は一体型に構成することができる。
一実施形態では、図10に示すように、空調機14(14d)は、貯蔵庫12の貯蔵空間Sを0℃以上の温度帯で冷却して青果物fvを貯蔵するときに用いられる。空調機14(14d)は、ダクト40と、冷却コイル44と、冷凍機46とを備えるほかに、さらに、ダクト40の内部に形成される空気流路に、氷又は雪が充填された氷雪ゾーン70が形成される。空気流aは氷雪ゾーン70を通る間に温度が0℃以下で相対湿度が100%の飽和水蒸気となって貯蔵空間Sに戻り、貯蔵空間Sを高湿度状態とすることができる。氷雪ゾーン70には、別途設けられる製氷機72からシュータ74を介して氷又は雪が供給される。
氷雪ゾーン70には冷却コイル44も設けられるが、空調機14(14d)を高湿度運転モードで運転させるときは、冷凍機46を停止し、氷雪ゾーン70と空気流aとを熱交換させる。空調機14(14d)を低湿度運転モードで運転させるときは、氷雪ゾーン70に氷雪を供給する代わりに、冷凍機46を稼働させ、空気流a中の水蒸気を冷却コイル44で冷却して凝縮させ、冷却コイル44の表面に付着させることで、空気流aを除湿する。
一実施形態では、図7に示す空調機14(14a)のように、ファン42は、ダクト40の空気流路から空気を誘引し、ダクト40の内部を負圧にして貯蔵空間Sに供給する誘引式ファンで構成される。
一実施形態では、図9に示す空調機14(14c)のように、ファン42は、貯蔵空間Sから空気を押し込み、ダクト40の内部を陽圧にして空気流aを貯蔵空間Sに供給する押出し式ファンで構成してもよい。空調機14(14c)では、ダクト40において、気液分離ゾーン60は冷却コイル44の下方に配置され、気液分離ゾーン60は気液接触ゾーン58の下方に配置される。
内部を温度のみ制御可能なリーファコンテナと、内部の温度及び湿度を制御可能な高湿度コンテナを用意し、青果物を次の3種類の貯蔵方式で貯槽する比較試験を行った。青果物としてキャベツを使用し、貯蔵温度はすべて2.5℃とした。
(1)冷蔵貯蔵(湿度無調整)
(2)高湿度貯蔵(相対湿度95%以上)
(3)湿度調整貯蔵(一実施形態)
冷蔵貯蔵(1)はリーファコンテナを使い、湿度成り行きで貯蔵した。冷蔵貯蔵(1)では、貯蔵期間中リーファコンテナ内の相対湿度は70~80%に保たれた。
高湿度貯蔵(2)は、高湿度コンテナを使い、入庫後最初相対湿度95%以上で3か月貯蔵し、次に、高湿度コンテナ内で段ボールの中に収納し、段ボールの中を相対湿度100%に保ってさらに3か月貯蔵した。
一実施形態に係る湿度調整貯蔵(3)は、高湿度コンテナを使い、入庫後最初相対湿度95%以上で保管し、3か月後にキャベツ表面の腐敗の有無を腐敗センサで感知した後、相対湿度を90%に下げて貯蔵した。
青果物の腐敗の感知は、以下の方法で行った。初めに正常な青果物の表面をスキャンしてブランクとする。次に、保管中の青果物の表面をスキャンし、2つの分光スペクトルを比較する。図5に示すように、腐敗特有の分光スペクトルの変化が、260nm±10nm、280nm±10nm、400nm±10nm、460nm±10nm、700nm±10nm、260nm±10nmのいずれかの波長に現れるため、これらの変化で腐敗発生の有無を判定する。
一実施形態では、腐敗センサ22は、例えば、腐敗が発生しない状態でオフ信号を出し、腐敗が発生するとオン信号を出すように構成する。腐敗センサ22がオフ信号を出す場合、そのまま相対湿度が95%以上の高湿度状態を保つ。腐敗センサ22がオン信号を出すと、散水機47の作動を停止し、相対湿度を80~95%に下げる。
なお、前述のように、腐敗が発生しないときと腐敗が発生したときの2つの分光スペクトルを比較する代わりに、青果物fvから反射する反射光の分光スペクトルの推移から腐敗発生の有無を判定するようにしてもよい。
上記試験の結果を図11~図13に示す。冷蔵貯蔵(1)の場合、重量歩留まりが3か月で75%に低下した。腐敗の発生は見られなかったが、乾燥が進みすぎ、その後歩留まりが極端に低下したため、ここで試験を終了した。総合評価の製品歩留まりは0%であった。
高湿度貯蔵(2)の場合、重量歩留まりが3か月で95%、6か月で90%であった。また、貯蔵3か月で腐敗が発生した。貯蔵3か月後段ボールに移し、相対湿度100%の高湿度状態で保管したらさらに腐敗が進み、貯蔵6か月で8割以上が腐敗した。総合評価の製品歩留まりは20%であった。
湿度調整貯蔵(3)の場合、重量歩留まりが3か月で95%であり、貯蔵3か月で腐敗が発生した。これを腐敗センサで感知し、相対湿度を90%に下げて貯蔵を続けた。その結果、腐敗の繁殖が遅くなり、貯蔵6か月で腐敗は2割程度に留まった。重量歩留まりも85%と高い値を示した。総合評価の製品歩留まりは80%であった。
一実施形態によれば、貯蔵中の相対湿度を制御することで、青果物の瑞々しさを保ちながらカビや細菌等の微生物による腐敗を抑えることができ、これによって、長期に亘り歩留まりの低下を抑制できる貯蔵が可能になる。
10(10A、10B) 貯蔵装置
12 貯蔵庫
14(14a、14b、14c、14d) 空調機
16 制御部
18 操作端末
20 運転モード切替えスイッチ
22 腐敗センサ
40 ダクト
42 ファン
44 冷却コイル
46 冷凍機
47 散水機
48 貯水タンク
50 散水ノズル
52 給水路
54 給水ポンプ
56 ヒータ
58 気液接触ゾーン
60 気液分離ゾーン
62 除湿器
64、66 流路
68 集水パン
70 氷雪ゾーン
72 製氷機
74 シュータ
L 照射光
M 微生物
R 反射光
S 貯蔵空間
a 空気流
fv 青果物

Claims (15)

  1. 貯蔵庫の貯蔵空間に青果物を高湿度状態に保持する高湿度保管工程と、
    前記高湿度保管工程において、前記青果物に発生する腐敗の有無を検査する腐敗検査工程と、
    前記腐敗検査工程で腐敗を検出したとき、前記貯蔵空間を前記高湿度状態より低湿度で前記青果物を保管する低湿度保管工程と、
    を備えることを特徴とする青果物の貯蔵方法。
  2. 前記高湿度保管工程において、前記貯蔵空間の相対湿度が95%以上となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の青果物の貯蔵方法。
  3. 前記低湿度保管工程において、前記貯蔵空間の相対湿度が80%以上95%以下となるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の青果物の貯蔵方法。
  4. 前記カビ検査工程は、作業員が目視により腐敗の有無を検査するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の青果物の貯蔵方法。
  5. 前記腐敗検査工程は、前記青果物に発生した腐敗を検出可能な腐敗センサを用いて腐敗の有無を検査するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の青果物の貯蔵方法。
  6. 前記腐敗センサは、前記青果物に波長が220nm以上800nm以下の光を照射し、前記青果物から反射した反射光をスペクトル分析して腐敗の有無を判定するものであることを特徴とする請求項5に記載の青果物の貯蔵方法。
  7. 前記高湿度保管工程において、前記貯蔵空間の相対湿度が100%以下に保持されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の青果物の貯蔵方法。
  8. 収穫時の傷口を有する前記青果物に対して、入庫時に前記高湿度保管工程および前記低湿度保管工程における前記貯蔵空間の温度より高く前記傷口の治癒が可能な温度域に保持して前記傷口を治癒する治癒工程を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の青果物の貯蔵方法。
  9. 青果物を貯蔵するための貯蔵庫と、
    前記貯蔵庫の貯蔵空間の湿度を制御可能な空調機と、
    高湿度運転モードと、前記青果物に発生した腐敗の成長を抑制するように該高湿度運転モードより低湿度の低湿度運転モードとの何れかを選択すべきかを示す運転モード選択信号を受け取り、前記空調機を選択された運転モードで運転制御するように構成された制御部と、
    を備えることを特徴とする青果物の貯蔵装置。
  10. 前記制御部に前記運転モード選択信号を送る操作端末であって、前記青果物に腐敗を検出したときに操作される運転モード切替えスイッチを含む前記操作端末を備え、
    前記制御部は、
    前記操作端末から送られる前記運転モード選択信号に基づいて、前記空調機を前記高湿度運転モード又は前記低湿度運転モードのどちらかに切り替えるように構成されることを特徴とする請求項9に記載の青果物の貯蔵装置。
  11. 前記青果物に発生した腐敗を検出可能であり、かつ、前記腐敗を検出したとき腐敗検出信号を前記制御部に送信可能に構成された腐敗センサを備え、
    前記制御部は、前記腐敗センサから前記腐敗検出信号が送られたとき、前記空調機を前記低湿度運転モードで運転させるように構成されることを特徴とする請求項9に記載の青果物の貯蔵装置。
  12. 前記腐敗センサは、
    前記青果物に光を照射するための発光器と、
    前記照射された光が前記青果物の表面で反射した反射光を受光するための受光器と、
    前記受光器で受光した前記反射光の分光スペクトルを得るための分光器と、
    を備え、
    前記分光スペクトルの二次微分値における微生物由来の成分を検出するように構成されることを特徴とする請求項11に記載の青果物の貯蔵装置。
  13. 前記高湿度運転モードは、前記貯蔵空間を相対湿度が95%以上となるように前記空調機を運転させるものであり、
    前記低湿度運転モードは、前記貯蔵空間を相対湿度が80%以上95%以下になるように前記空調機を運転させるものであることを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の青果物の貯蔵装置。
  14. 前記空調機は、
    前記貯蔵空間に連通する空気流路を内部に形成したダクトと、
    前記ダクトの下部に設けられた貯水タンクと、
    前記ダクト内の空気流路又は前記貯水タンクに設けられた冷却コイルと、
    前記冷却コイルに冷媒を供給するための冷凍機と
    前記冷却コイルに散水するための散水部と、
    を備えることを特徴とする請求項9乃至13の何れか一項に記載の青果物の貯蔵装置。
  15. 前記空調機は、
    前記貯蔵空間に連通する空気流路を内部に形成したダクトと、
    前記ダクト内の空気流路に設けられた冷却コイルと、
    前記冷却コイルに冷媒を供給するための冷凍機と
    前記空気流路に形成され氷又は雪が充填された氷雪ゾーンと、
    前記氷雪ゾーンに前記氷又は前記雪を供給するための製氷機と、
    を備えることを特徴とする請求項9乃至13の何れか一項に記載の青果物の貯蔵装置。
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