JP7075118B2 - 含水パルプ系原料処理機 - Google Patents
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Description
この縦型濃縮洗浄機は実機化されており、パンチングメタルで構成された回転ドラムの内面への内張りにより金網が回転可能に円筒形に保持され、その内部に撹拌羽根や搬送用スクリュー羽根が配設されており、処理原料を投入し、金網側と撹拌羽根側とを軸周りに逆方向に回転させると、揉み洗いが行われ、金網の網目から濾液が排出されて脱水されるようになっている。
回転ドラムをパンチングメタルだけで構成すると、パンチ孔がある程度のサイズになるため、そこから有効繊維分のパルプが濾液と共に排出されてしまい、一方、金網だけで構成すると、回転ドラムの強度を維持することが難しかったため、上記の構成になっている。
その一方で、金網のワイヤーの交差部にパルプが引っ掛かり易くなっている。一旦引っ掛かると、その後はその引っ掛かったパルプが基点となってパルプの絡み合いが次々と進行して、僅かな時間で目詰まりを起こしてマット状になってしまう。
そのため、引っ掛かりが確認されると、縦型濃縮洗浄機の操業を停止し、金網を清掃することになるが、上記した過酷な状況ではかかる面倒な清掃頻度が高くなるだけでなく、金網の耐久性が低下するので、装置寿命にも有意的な影響をもたらすことになる。
そのため、本発明の装置は、洗浄作用は意図せずに働くとしても、上記したように洗浄効果を目的としない用途での利用も考えられることから、特許文献1での「濃縮洗浄機」に代えて、「含水パルプ系原料処理機」と表現している。
含水パルプ系原料には、既に薬剤により脱墨処理された段階の紙料や、製紙排水が含まれる。
噴射圧力は、シャワーノズル3B、3B’とも、金網が設けられていないので、金網の耐久性を気にせず、特許文献1の縦型濃縮洗浄機を使用した場合よりも、高圧に設定可能になっている。具体的な数値は、高圧水は、一般的に、孔径0.7~1.5mmの噴射孔から、1.5~3MPaの圧力で水が噴射されて得られるものである。なお、この含水パルプ系原料処理機Aでは、下記のように回転ドラム4の寸法関係が提案されており、その寸法関係では、孔径1.0mmの噴射孔から、2.2MPaの圧力で水を噴射することが推奨される。
シャワーノズル3B、3B、3B‥‥は縦方向に並べられており、シャワーノズル3B’、3B’、3B’‥‥も縦方向に並べられている。噴射面積を広げるために、複数のノズルが設けられているが、いずれも縦方向に並べられているので、ノズルの数を減らすことができる。そのため、それぞれの噴射孔から高圧で水を噴射することが容易になっている。
回転ドラム4の厚さ寸法(T)は、強度等を考慮して、1.5mm前後が現時点では最適とされており、回転ドラム4のサイズ等により変更しようとも、極端に厚くしたり薄くしたりしなければ、上記のテーパ角度(θ)の範囲内で所望のテーパ効果が得られる。
また、この実施の形態では、外方端の回転ドラム表面積に対して開孔率が15~35%を満たすことが好ましい。この範囲内であれば、回転ドラム4の強度と排水効率の両方のバランスを最適化できる。
回転ドラム4と、回転シャフト7は逆方向に回転する。これまでの実験によれば、回転シャフト7を回転ドラム4より高速に回転させることが好ましいことが確認されている。
また、回転シャフト7は筒状になっており、洗浄水用パイプ22により洗浄水が通水されて、給水口13から回転ドラム4内に給水できるようになっている。タイマー等を利用して、原料の濃度に合わせて給水を制御できる。製紙排水を処理する場合には、給水を停止したり少なくするなど、用途に応じた適切な操業が可能となっている。
円筒ドラムケース2の上蓋17上に取り付けられたモータ架台18に、回転数可変なインバータ調整できる回転シャフト用サーボモータ19が設置されており、その駆動力がベルト・プーリー式の伝達機構を介して回転シャフト7に伝達されて、回転シャフト7が回転するようになっている。
このように回転シャフト7と回転ドラム4は、別々のモータにより互いに独立して駆動される。
廃液は回転ドラム4の多数のパンチ孔4aから排出され、原料は綺麗に洗浄され濃縮されながら搬送用スクリュー羽根6で回転ドラム4の中を上昇し、徐々に排出口30から排出される。
パンチ孔4aからは有効繊維分は排出されずに濾過機能が働く。
従って、原料を更に脱墨処理したい場合の洗浄だけでなく、製紙排水も含めた幅広い濃度範囲の原料に対する脱水による濃縮化にも積極的に利用できるようになっている。
含水パルプ系原料処理機Aの運転中においては、回転ドラム4内において、撹拌羽根5等の回転により乱流が発生しているので、意外なことに、パンチ孔4aの内方端の孔径寸法(IR)が有効繊維分のパルプPよりも大きくなっていても、所定の上限以下では、パルプPがそのパンチ孔4aから抜け出ることが阻止される。図4のイメージ図では、パルプP1の移動軌跡を矢印で示しているが、これに示すように、有効繊維分のパルプP1はパンチ孔4aに向かった後に戻されるか、内方縁に引っ掛かってパンチ孔4a内に留まり、外には排出されない。
水噴射手段3’のシャワーノズル3B’は上下方向に移動できるので、水流が種々の位置から噴射されることになり、結果的に最適な位置で「叩き」を実行することが可能となっている。
また、有効繊維分0.05%の製紙排水を、本発明の含水パルプ系原料処理機Aで処理したところ、有効繊維分が5%に上がったものを回収できた。
1…基台 2…円筒ドラムケース 3、3’…水噴射手段
3A、3A’…水供給管 3B、3B’…シャワーノズル
4…回転ドラム 4a…パンチ孔
4b…パンチ孔の内方端の孔縁 4c…パンチ孔の外方端の孔縁
5…撹拌羽根 6…搬送用スクリュー羽根 7…回転シャフト
12…支持部材 13…給水口 14…掃除用の排水口
15…排水口 16…原料供給管 17…上蓋
18…モータ架台 19…回転シャフト用サーボモータ
22…洗浄水用パイプ 24…回転ドラム用モータ 28…ドラム回転シリンダ
29…かき羽根 30…排出口
P…パルプ
Claims (3)
- 上下を軸方向とし、軸周りに回転可能な多孔質の円筒形回転ドラムと、前記回転ドラムの軸中心に配置され、前記回転ドラム内で外方に張り出すように下側には撹拌羽根が上側には搬送用スクリュー羽根がそれぞれ取り付けられ、前記回転ドラムと逆方向に軸周りに且つ前記回転ドラムより高速で回転する回転シャフトと、前記回転ドラムに向けて外側からノズルを利用して高圧水を噴射する水噴射手段とを備え、前記回転ドラムに投入された含水パルプ系原料由来の廃液が前記回転ドラムの多数の孔から排出されて濾過排水機能が実現される、含水パルプ系原料の処理機において、
前記回転ドラムはパンチングメタルで構成され、その孔は断面円形で内方から外方に向かって拡径されてテーパ状になっており、内方端の孔径寸法が0.1~0.6mmであり、
前記水噴射手段のノズルは多数の噴射孔が形成されたシャワーノズルで構成され、上下方向に移動しながら高圧水を噴射することを特徴とする含水パルプ系原料処理機。 - 請求項1に記載した含水パルプ系原料処理機において、
孔のテーパ角度(θ)が、1/15≦tanθ≦1/5を満たすことを特徴とする含水パルプ系原料処理機。 - 請求項1または2に記載した含水パルプ系原料処理機において、
外方端の回転ドラム表面積に対して開孔率が15~35%を満たすことを特徴とする含水パルプ系原料処理機。
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JP2018129921A JP7075118B2 (ja) | 2018-07-09 | 2018-07-09 | 含水パルプ系原料処理機 |
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