JP7074735B2 - ケーブル及びケーブルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ケーブル及びケーブルの製造方法に関する。
電力ケーブルとして、複数の絶縁線心と介在物とを共に撚り合わせて形成した線心撚体の外周をシースで覆った一括シース型ケーブルが知られている。一括シース型ケーブルには、線心撚体の撚り状態を保持するために、線心撚体の外周に保持糸(線状部材)が巻き付けられたものがある(例えば、特許文献1及び2参照。)。
線心撚体の形成においては、複数の絶縁線心と介在物とを、螺旋状に撚り合わせる(即ち、S撚り又はZ撚りの一方向撚りを行う)場合や、交互撚りする(即ち、SZ撚りを行う)場合がある。特にSZ撚りを行った場合には、撚り合わせたままの状態では撚り方向の反転部が崩れやすく、扁平しやすいため、保持糸を一定の間隔で線状撚体に巻き付けて、撚り状態を保持している。
特開2013-235687号公報 特開2017-103176号公報 特開2008-75239号公報
しかしながら、電力ケーブルに用いられる保持糸は、ポリエステル等を材料とする複数本の細い糸を束ねて一本の糸として使用しているため、ばらけやすい。このため、ケーブル製造時あるいは現場でのケーブルの施工作業時等において、ケーブル端末の処理をする際、ばらけた糸が静電気で軍手に貼り付いてしまい作業がしにくかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーブルに使用される保持糸が軍手に貼り付くことを防止して、端末処理時の作業性を向上できるケーブル及びケーブルの製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るケーブル及びケーブルの製造方法は、下記(1)~()を特徴としている。
(1) 複数の絶縁線心及び介在物が撚り合わされた線心撚体と、
前記線心撚体の外周に巻き付けられた保持糸と、
前記保持糸が巻き付けられた前記線心撚体の外周を覆うシースと、を備え、
前記保持糸が、複数本の合成繊維を含む繊維束を撚り合わせた撚り糸であり、
前記保持糸の少なくとも外周面において、前記合成繊維が互いに融着された
ことを特徴とするケーブル。
) 前記保持糸が、前記複数本の合成繊維の少なくとも一部が撚り合わされたサブ繊維束を、複数本撚り合わせたものである
ことを特徴とする上記(1)構成のケーブル。
) 複数の絶縁線心及び介在物を撚り合わせて線心撚体を形成する工程と、
前記線心撚体の外周に保持糸を巻き付ける工程と、
前記保持糸が巻き付けられた前記線心撚体の周囲にシースを形成する工程と、を備えるケーブルの製造方法において、
前記保持糸として、複数本の合成繊維を含む繊維束を撚り合わせた撚り糸を用い
前記保持糸の少なくとも外周面において、前記合成繊維が互いに融着された
ことを特徴とするケーブルの製造方法。
上記(1)の構成のケーブル及び上記()の構成のケーブルの製造方法によれば、合成繊維を複数本束ねて撚り合わせることにより、繊維に巻き癖がついて解けにくくなるため、ケーブルの端末処理時等に保持糸がばらけにくくなる。これにより、ケーブルの端末処理時に、保持糸に発生する静電気を抑制できるため、保持糸が軍手に貼り付かなくなり、作業性が向上する。
更に、上記()の構成のケーブル及び上記(3)の構成のケーブルの製造方法によれば、複数本の合成繊維(繊維束)を撚り合わせることによって、隣接する合成繊維同士が近接した状態とし、さらに、繊維束の表面が加熱されることで、隣接する合成繊維の一部が溶融し融着する。すなわち、繊維束が一体化されるため、保持糸に発生する静電気を一層抑制できる。
上記()の構成のケーブルによれば、予め撚り合わされたサブ繊維束を複数本束ねて撚り合わせる(即ち、ロープ撚りする)ことにより、複数本の繊維束をそのまま束ねて撚り合わせる(即ち、集合撚りする)場合に比べて、一層ほどけにくく、強度を向上できる。
本発明によれば、ケーブルに使用される保持糸が軍手に貼り付くことを防止して、端末処理時の作業性を向上できるケーブル及びケーブルの製造方法を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本実施形態に係る電力ケーブルにおけるシースの一部を取り除いた状態の側面図である。 図2は、本実施形態に係る電力ケーブルの内部構成を示す図であって、図2(a)は断面図、図2(b)は図2(a)におけるA部拡大図である。 図3は、本実施形態に係る電力ケーブルに用いられる保持糸の概略断面図であって、図3(a)は複数本の合成繊維を撚り合わせた状態の断面図、図3(b)は撚り合わせた後に熱処理を施した状態の断面図である。 図4は、本実施形態に係る電力ケーブルを製造する製造装置の概略構成図である。 図5は、本実施例の保持糸と参考例の保持糸とを比較するための図であり、図5(a)は本実施例の保持糸の様子を示す図、図5(b)は参考例の保持糸の様子を示す図である。 図6は、本実施形態に係る電力ケーブルに用いられる保持糸の他の構成を示す概略断面図であって、図3(a)は複数本の合成繊維を撚り合わせた状態の断面図、図3(b)は撚り合わせた後に熱処理を施した状態の断面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。本実施形態では、本発明のケーブルが、例えば600VのCVケーブル(cross-linked polyethylene insulated vinyl sheath cable、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)や、VVRケーブル(Vinyl insulated Vinyl sheathed cable、ビニル絶縁ビニルシースケーブル)といった、低圧屋内用配線等に用いられる電力ケーブルである例を示す。
<電力ケーブルの構成>
図1及び図2(a),(b)に示すように、本実施形態に係る電力ケーブル(ケーブル)11は、線心撚体12と、保持糸13と、シース14とを備えている。
線心撚体12は、複数の絶縁線心21と、介在物22とから構成されている。絶縁線心21は、導体の外周を絶縁体で被覆した電線である。なお、絶縁線心21は、例えば、2~4本の電線を含んでいる。本例では、線心撚体12は、3本の絶縁線心21を備えている。介在物22は、ジュート、ポリプロピレン紐、紐状紙等の絶遠材料からなり、絶縁線心21の間隙に充填される。介在物22の材質及び本数(量)は、強度及び柔軟性等を考慮して適宜定められ得る。
線心撚体12は、複数の絶縁線心21と介在物22とが交互撚りされて(即ち、SZ撚りが行われて)束ねられている。具体的には、線心撚体12は、複数の絶縁線心21と介在物22とを、一方向(S方向)への撚り及び他方向(Z方向)への撚りを交互に繰り返すことによって交互撚りし(SZ撚りを行い)、一つの線心撚体12として束ねられている。これにより、線心撚体12は、長手方向に沿って、S撚り部Ts及びZ撚り部Tzが交互に設けられた状態となっている。本例において、線心撚体12は、S撚り部Ts及びZ撚り部Tzの長手方向の長さが同一であるように設計されている。なお、線心撚体12を構成する一線心(複数の絶縁線心21のうちの一つの線心)が1回転する際に進む長手方向の距離は、「撚り合わせピッチ長」と称呼される。
線心撚体12の周りには、保持糸13が巻き付けられている。保持糸13は、後述する保持糸巻付部44によって線心撚体12に巻き付ける際の遠心力によって作用する張力に耐え得る強度を有しており、例えば、ポリエステルやナイロンなどの耐熱性に優れた高強度合成繊維から構成されている。保持糸13は、複数本の合成繊維を含む繊維束を撚り合わせ、且つ、熱処理を施した撚り糸である(詳細は後述される。)。保持糸13は、線心撚体12の周りに螺旋状に巻かれており、その螺旋ピッチ長Pが線心撚体12の直径Dの1~3倍となっている。このように巻かれた保持糸13により、線心撚体12の撚り合わせピッチ長が、線心撚体12の設計上の品質を満たす観点において十分な程度に保持されている。線心撚体12に巻き付ける保持糸13は、1本でも良く、2本以上でも良い。
保持糸13は、七本の合成繊維F(ポリエステルの細い糸)を撚り合わせたサブ繊維束131を七本束ねて形成した繊維束13Aを含む。保持糸13は、繊維束13Aを200回転で撚り合わせ(1mで200回転撚り合わせ)、さらに、熱処理を施した(例えば180℃で20分間加熱した)ものである。図3(a)に示すように、繊維束13Aを撚り合わせることにより、隣接する合成繊維同士が近接した状態とすることができる。繊維束13Aを撚り合わせることで、各合成繊維Fに巻き癖がついて解けにくくなるため、ばらけにくくなり、静電気の発生を抑制できる。そして、撚り合わせた繊維束13Aを外部から加熱することにより、図3(b)の断面図に示すように、繊維束13Aの少なくとも外周面において合成繊維Fの一部が溶融し、隣接する合成繊維Fの一部同士が互いに融着した融着層132が形成される。すなわち、繊維束13Aを撚り合わせて熱処理することにより、一のサブ繊維束131において隣接する合成繊維F同士が融着され、且つ、隣接するサブ繊維束131同士も融着される。撚り合わせた繊維束13Aに熱処理を施す(外部から加熱する)ことにより、複数本の合成繊維Fが一体化されるため、静電気の発生を一層抑制できる。
したがって、この保持糸13を用いた電力ケーブル11の端末処理時に、ばらけた合成繊維Fが軍手に貼り付かなくなり、作業性が向上する。なお、図3に示す合成繊維Fの本数は例示であり、図示のものに限定されない。また、各サブ繊維束131に熱処理を施した後に、複数のサブ繊維束131を撚り合わせた繊維束を形成し、さらにこの繊維束に熱処理を施して保持糸を形成してもよい。各サブ繊維束を予め熱処理することにより、静電気の発生をさらに抑制できる。
線心撚体12及び保持糸13は、その周囲がシース14によって覆われている。シース14は、例えば、塩化ビニルなどの合成樹脂から形成される。シース14は、外周に保持糸13が巻かれた線心撚体12の外周に押出成形されることにより、線心撚体12の周りを覆っている。これにより、線心撚体12及び保持糸13がシース14によって保護されている。
図2(a)のA部の部分拡大図である図2(b)に示すように、絶縁線心21とシース14とは少なくとも一部において密着している。換言すると、絶縁線心21とシース14との間に介在物22が存在しない箇所が存在する。これにより、絶縁線心21とシース14との間に介在物22が存在する場合に比べ、電力ケーブル11を小径化できる。また、法規制などによって線心撚体12の外径に対するシース14の厚さが定められている場合、線心撚体12の外径が小さくなる分、シース14の外径を小さくできる。このため、シース14を形成するための材料の使用量(材料コスト、ひいては電力ケーブル11の製造コスト)を低減できる。
<製造装置>
次いで、上記の電力ケーブル11を製造する製造装置について説明する。
図4に示すように、電力ケーブル11を製造する製造装置40は、絶縁線心供給部41及び介在物供給部42を備えている。絶縁線心供給部41は一般的なリール等であり、絶縁線心供給部41から複数の絶縁線心21が繰り出される。介在物供給部42から、介在物22が繰り出される。
製造装置40において、絶縁線心供給部41及び介在物供給部42の下流側には、SZ撚り部43が設けられている。SZ撚り部43には、絶縁線心供給部41から繰り出される複数の絶縁線心21及び介在物供給部42から繰り出される介在物22が送り込まれる。SZ撚り部43は、一般的なSZ撚り機構を有し、複数の絶縁線心21と介在物22とを交互撚り(SZ撚り)にて撚り合わせ、線心撚体12を形成するようになっている。
SZ撚り部43の下流側には、保持糸巻付部44及びシース形成部45が順に設けられている。保持糸巻付部44は、一般的な巻き付け機構を有し、SZ撚り部43から送り込まれる線心撚体12の周りに、図示しない保持糸形成部で形成された、複数本の合成繊維Fを束ねて撚り合わせ、且つ、熱処理を施した保持糸13を螺旋状に巻き付ける。シース形成部45は、一般的なシース形成機構を有し、保持糸13が巻き付けられた線心撚体12の周囲を覆うようにシース14を形成する。
<製造方法>
次いで、上記の製造装置40を用いた電力ケーブル11の製造方法について説明する。
(保持糸形成工程)
図示しない保持糸形成部において、一般的な撚糸機によって、例えば七本の合成繊維Fを束ねて撚り合わせてサブ繊維束131を形成し、サブ繊維束131を七本束ねて所定回数(例えば1mで200回転)撚り合わせて繊維束13Aを形成する。保持糸形成部は、さらに、一般的な加熱装置によって繊維束13Aに熱処理(例えば180℃で20分間加熱)を施すことにより、保持糸13を形成する。
(線心撚体形成工程)
絶縁線心供給部41から繰り出される複数の絶縁線心21と、介在物供給部42から繰り出される介在物22と、をSZ撚り部43によって交互撚り(SZ撚り)にて撚り合わせる。これにより、長手方向に沿ってS撚り部Ts及びZ撚り部Tzが交互に設けられた交互撚りの線心撚体12を形成する。その後、SZ撚り部43で形成した交互撚りの線心撚体12の周りに、保持糸巻付部44によって、複数本の合成繊維Fを束ねて撚り合わせ、且つ、熱処理を施した保持糸13を所定の螺旋ピッチ長Pによって螺旋状に巻き付ける。
(シース形成工程)
シース形成部45により、線心撚体12及び保持糸13の周りにシース14を押出成形によって形成する。
上述した保持糸形成工程、線心撚体形成工程及びシース形成工程を経て、複数の絶縁線心21と介在物22とが交互撚りされた線心撚体12の周りに保持糸13が巻きつけられると共にその周りがシース14で覆われた電力ケーブル11が得られる。
以上に説明したように、本実施形態に係る電力ケーブル11及び電力ケーブル11の製造方法によれば、合成繊維Fを複数本束ねて撚り合わせた繊維束13Aは、合成繊維Fに巻き癖がついて解けにくくなるため、電力ケーブル11の端末処理時等にばらけにくくなる。これにより、電力ケーブル11の端末処理時に、保持糸13に発生する静電気を抑制できるため、保持糸13が軍手に貼り付かなくなり、作業性が向上する。さらに、繊維束13Aを加熱することにより隣接する合成繊維Fが互いに融着されて一体化された保持糸13となるため、保持糸13に発生する静電気を一層抑制でき、軍手への貼り付きを一層抑制できる。
さらに、保持糸13は、複数本の合成繊維Fを撚り合わせたサブ繊維束を、複数本束ねて撚り合わせた(即ち、ロープ撚りした)ものである。このため、撚り合わされていない合成繊維を複数本束ねて撚り合わせる(即ち、集合撚りする)場合に比べて、ほどけにくく、強度が向上する。加えて、絶縁線心21と介在物22とを交互撚り(SZ撚り)する装置は一般に一方向撚り(S撚り又はZ撚り)する装置に比べて小型であるため、装置を小型化できる。
更に、本実施形態の電力ケーブル11は、線心撚体12の絶縁線心21にシース14が直接接触する構造を有する(図2(b)参照)。換言すると、絶縁線心21とシース14との間に樹脂製の介在物が存在しない。よって、電力ケーブル11の小径化を図ることができる。
ここで発明者は、本実施形態の保持糸13と、参考例の保持糸とを具体的に比較した。本実施例の保持糸13は、750デニールのポリエステル糸(複数本の合成繊維F)を、1mで200回転撚り合わせた後、180℃で20分間加熱したものである。一方、参考例の保持糸は、同じ材質で同デニールの糸を、撚り合わせず熱処理をしないものである。
比較した結果を図5に示す。図5(b)に示すように、参考例の保持糸は、合成繊維(細い糸)がばらけて、軍手に貼り付いている。一方、図5(a)に示すように、本実施例の保持糸13は、合成繊維がばらけず、ほとんど軍手に貼り付かない。
また、本実施例の保持糸13は、引張荷重:41.5N、切断伸び度:14.0%、乾熱収縮率:13.2%であった。即ち、本実施例の保持糸13は、電力ケーブル11の製造及び使用に十分な仕様となっている。一方、参考例の保持糸は、引張荷重:28.3N、切断伸び度:15.8%、乾熱収縮率:13.2%であった。また、本実施例の保持糸13及び参考例の保持糸の材料であるポリエステルの融点は、約260度であった。
このように本実施例の保持糸13は参考例の保持糸よりも引張荷重が高いため、電力ケーブル11の製造時に保持糸13に張力をかけて線心撚りを実施する(線心撚体12に保持糸13を巻き付ける)際、保持糸13は破断しない。また、本実施例の保持糸13は参考例の保持糸よりも引張荷重が高いため、線心撚体12を押さえる力(保持力)を参考例の保持糸よりも高くできる。したがって、本実施例の保持糸13を用いた電力ケーブル11は、参考例の保持糸を用いた電力ケーブルよりも螺旋ピッチ長Pを長くでき、保持糸13の使用量を低減することが可能となる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上述した実施形態では、保持糸13が、複数のサブ繊維束131を撚り合わせた(ロープ撚りされた)繊維束13Aに熱処理が施されたものである例を示したが、保持糸は、図6(a)に示すように、集合撚りされた繊維束13Bを用いてもよい。即ち、複数本の合成繊維Fをそのまま(個別に撚られたサブ繊維束とすることなく)200回転で撚り合わせ(1mで200回転撚り合わせ)て繊維束13Bを形成する。そして、繊維束13Bに上述の熱処理を施して、外周面に融着層132Aを有する保持糸13Cを形成してもよい。集合撚りされた繊維束13Bを用いた保持糸13Cは、ロープ撚りされた繊維束13Aを用いた保持糸13よりもややほどけやすいものの、参考例の保持糸よりもほどけにくく軍手に貼り付きにくい。
また、上述した実施形態では、熱処理をした撚線である保持糸13を、複数の絶縁線心21と介在物22とが交互撚りされた(SZ撚りが行われた)線心撚体12に巻き付ける例を示したが、この保持糸13を、S撚り又はZ撚りされた線心撚体に巻き付けてもよい。
また、上述した実施形態では、複数本の合成繊維Fを束ねて、200回転で撚り合わせたが、100回転(1mで100回転)で撚り合わせた場合は、やや解けやすいため、100回転よりも多く撚り合わせた方がよく、200回転以上の撚り回数が好ましい。さらに、回転数を400回転等高くすれば、より解けにくくなるが、コストが高くなる。よって、ほどけにくさや強度、コストを考慮すると、200回転程度がより好ましい。
また、上述した実施形態では、熱処理の条件が180℃で20分間である例を示したが、これに限定されない。熱処理の条件は、複数本の合成繊維Fを束ねた繊維束13A、13Bの、表面が溶融し内部が溶融しない程度の温度及び時間となる範囲で、適宜変更可能である。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る電力ケーブル及び電力ケーブルの製造方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 複数の絶縁線心(21)及び介在物(22)が撚り合わされた線心撚体(12)と、
前記線心撚体の外周に巻き付けられた保持糸(13)と、
前記保持糸が巻き付けられた前記線心撚体の外周を覆うシース(14)と、を備え、
前記保持糸(13)が、複数本の合成繊維(F)を含む繊維束(13A、13B)を撚り合わせた撚り糸である
ことを特徴とするケーブル(電力ケーブル11)。
[2] 前記保持糸の少なくとも外周面において、前記合成繊維が互いに融着された
ことを特徴とする上記[1]に記載のケーブル。
[3] 前記保持糸が、前記複数本の合成繊維の少なくとも一部が撚り合わされたサブ繊維束(131)を、複数本撚り合わせたものである
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のケーブル。
[4] 複数の絶縁線心(21)及び介在物(22)を撚り合わせて線心撚体(12)を形成する工程と、
前記線心撚体の外周に保持糸(13)を巻き付ける工程と、
前記保持糸が巻き付けられた前記線心撚体の周囲にシース(14)を形成する工程と、を備えるケーブル(電力ケーブル11)の製造方法において、
前記保持糸として、複数本の合成繊維(F)を含む繊維束(13A、13B)を撚り合わせた撚り糸を用いる
ことを特徴とするケーブルの製造方法。
11 電力ケーブル(ケーブル)
12 線心撚体
13、13C 保持糸
13A、13B 繊維束
14 シース
21 絶縁線心
22 介在物
131 サブ繊維束
132 融着層
D 直径
F 合成繊維
P 螺旋ピッチ長

Claims (3)

  1. 複数の絶縁線心及び介在物が撚り合わされた線心撚体と、
    前記線心撚体の外周に巻き付けられた保持糸と、
    前記保持糸が巻き付けられた前記線心撚体の外周を覆うシースと、を備え、
    前記保持糸が、複数本の合成繊維を含む繊維束を撚り合わせた撚り糸であり、
    前記保持糸の少なくとも外周面において、前記合成繊維が互いに融着された
    ことを特徴とするケーブル。
  2. 前記保持糸が、前記複数本の合成繊維の少なくとも一部が撚り合わされたサブ繊維束を、複数本撚り合わせたものである
    ことを特徴とする請求項1記載のケーブル。
  3. 複数の絶縁線心及び介在物を撚り合わせて線心撚体を形成する工程と、
    前記線心撚体の外周に保持糸を巻き付ける工程と、
    前記保持糸が巻き付けられた前記線心撚体の周囲にシースを形成する工程と、を備えるケーブルの製造方法において、
    前記保持糸として、複数本の合成繊維を含む繊維束を撚り合わせた撚り糸を用い
    前記保持糸の少なくとも外周面において、前記合成繊維が互いに融着された
    ことを特徴とするケーブルの製造方法。
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