以下では、本発明の第一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
図1に示す電力供給システム1は、系統電源Kからの電力や、太陽光を利用して発電された電力(後述する太陽光発電部11による発電電力)を複数の住宅へと供給するものである。本実施形態に係る電力供給システム1は、集合住宅に設けられ、当該集合住宅の各住宅の負荷H1、負荷H2、負荷H3に電力を供給するものとする。
電力供給システム1は、配電線Lを介して、系統電源Kから負荷H(負荷H1、H2、H3)へと電力を供給する。配電線Lは、主幹路Lm1及び分岐路Lm2を具備する。
主幹路Lm1は、系統電源Kと負荷Hとをつなぐように形成される。分岐路Lm2は、主幹路Lm1の中途部に設けられた分岐点Pn1において分岐し、分岐点Pn1よりも負荷H側に設けられた合流点Pn2において主幹路Lm1に合流するように形成されている。
電力供給システム1は、主として第一蓄電システム10、第二蓄電システム20、第三蓄電システム30、検出部40、切替部50及びEMS60を具備する。第一蓄電システム10、第二蓄電システム20及び第三蓄電システム30は、それぞれ主幹路Lm1において分岐点Pn1と合流点Pn2との間に、負荷H側から系統電源K側にかけて順に接続され、これにより系統電源Kと負荷Hとの間(分岐点Pn1と合流点Pn2との間)に直列に配置される。以下では、第一蓄電システム10、第二蓄電システム20及び第三蓄電システム30をまとめて「蓄電システム」ということもある。
第一蓄電システム10は、主として系統電源Kから購入した電力や太陽光を利用して発電された電力を蓄電したり、負荷Hへと供給するものである。第一蓄電システム10は、太陽光発電部11、蓄電池12及びハイブリッドパワコン13を具備する。
太陽光発電部11は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部11は、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部11は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。太陽光発電部11は、後述するハイブリッドパワコン13を介して、主幹路Lm1の中途部(分岐点Pn1と合流点Pn2との間)に設けられた第一接続点P1で当該主幹路Lm1と接続される。太陽光発電部11によって発電された電力は、後述するハイブリッドパワコン13を介して、負荷Hへと供給される。
蓄電池12は、電力を充放電可能に構成されるものである。蓄電池12は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。蓄電池12は、後述するハイブリッドパワコン13を介して太陽光発電部11と接続される。本実施形態においては、蓄電池12・22・32の最大放電量は2000Wであるものとする。最大放電量とは、蓄電池12・22・32が単位時間当たりに放電可能な最大の電力量を指す。また、蓄電池12・22・32の最大充電量は2000Wであるものとする。最大充電量とは、蓄電池12・22・32が単位時間当たりに充電可能な最大の電力量を指す。
ハイブリッドパワコン13は、電力を適宜変換するもの(ハイブリッドパワーコンディショナ)である。ハイブリッドパワコン13は、太陽光発電部11で発電された電力及び系統電源Kからの電力を蓄電池12に充電可能に構成される。また、ハイブリッドパワコン13は、太陽光発電部11で発電された電力及び蓄電池12に充電されている電力を負荷Hに放電させる。また、ハイブリッドパワコン13は、太陽光発電部11及び蓄電池12の運転状態に関する情報を取得可能に構成される。このようなハイブリッドパワコン13は、第一接続点P1で主幹路Lm1の中途部と接続される。
このように構成される第一蓄電システム10のハイブリッドパワコン13は、対応するセンサ(後述する第一センサ41)の検出結果等に基づいて、蓄電池12の充放電を切り替えることができる。
第二蓄電システム20は、ハイブリッドパワコン23が第一接続点P1よりも系統電源K側に設けられた第二接続点P2で主幹路Lm1に接続される点を除いて、第一蓄電システム10と同様に構成される。具体的には、第二蓄電システム20の太陽光発電部21、蓄電池22及びハイブリッドパワコン23は、それぞれ第一蓄電システム10の太陽光発電部11、蓄電池12及びハイブリッドパワコン13に相当する。
第三蓄電システム30は、ハイブリッドパワコン33が第二接続点P2よりも系統電源K側に設けられた第三接続点P3で主幹路Lm1に接続される点を除いて、第一蓄電システム10と同様に構成される。具体的には、第三蓄電システム30の太陽光発電部31、蓄電池32及びハイブリッドパワコン33は、それぞれ第一蓄電システム10の太陽光発電部11、蓄電池12及びハイブリッドパワコン13に相当する。
検出部40は、配電線Lを流通する電力を検出するものである。検出部40は、第一センサ41、第二センサ42、第三センサ43、電源側センサ44及び負荷側センサ45を具備する。
第一センサ41は、主幹路Lm1において、第一接続点P1と第二接続点P2との間に設けられる。また、第一センサ41は、第一接続点P1の系統電源K側に隣接するように(主幹路Lm1と他の蓄電システムとの接続点が介在しないように)設けられる。第一センサ41は、設けられた箇所を流通する電力(例えば、負荷H側へと流れる電力や、系統電源K側へと流れる電力)の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。第一センサ41の検出結果は、ハイブリッドパワコン13に出力される。
第二センサ42は、主幹路Lm1において、第二接続点P2と第三接続点P3との間に設けられる。また、第二センサ42は、第二接続点P2の系統電源K側に隣接するように設けられる。第二センサ42は、設けられた箇所を流通する電力の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。第二センサ42の検出結果は、ハイブリッドパワコン23に出力される。
第三センサ43は、主幹路Lm1において、第三接続点P3と分岐点Pn1との間に設けられる。また、第三センサ43は、第三接続点P3の系統電源K側に隣接するように設けられる。第三センサ43は、設けられた箇所を流通する電力の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。第三センサ43の検出結果は、ハイブリッドパワコン33に出力される。
なお、以下では、第一センサ41、第二センサ42及び第三センサ43をまとめて「センサ」ということもある。
電源側センサ44は、主幹路Lm1において、分岐点Pn1と系統電源Kとの間に設けられ、設けられた箇所を流通する電力の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。
負荷側センサ45は、主幹路Lm1において、合流点Pn2と負荷Hとの間に設けられ、設けられた箇所を流通する電力の電圧(供給電圧)及び電流(供給電流)を検出する。
切替部50は、電力が流通可能な経路を切り替えるものである。切替部50は、第一スイッチ51及び第二スイッチ52を具備する。
第一スイッチ51は、電路の開閉を行うものである。第一スイッチ51は、主幹路Lm1において第一接続点P1と合流点Pn2との間に設けられる。第一スイッチ51は、オンされることで、主幹路Lm1における電力の流通を可能とする。また、第一スイッチ51は、オフされることで、主幹路Lm1における(当該部分の)電力の流通を不可能とする。
第二スイッチ52は、電路の開閉を行うものである。第二スイッチ52は、分岐路Lm2の中途部に設けられる。第二スイッチ52は、オンされることで、分岐路Lm2における電力の流通を可能とする。また、第二スイッチ52は、オフされることで、分岐路Lm2における電力の流通を不可能とする。
EMS60は、電力供給システム1の動作を管理するエネルギーマネジメントシステム(Energy Management System)である。EMS60は、CPU等の演算処理部、RAMやROM等の記憶部や、タッチパネル等の入出力部等を具備する。EMS60の記憶部には、電力供給システム1の動作を制御する際に用いられる種々の情報やプログラム等が予め記憶される。EMS60の演算処理部は、前記プログラムを実行して前記種々の情報を用いた所定の演算処理等を行うことで、電力供給システム1を動作させることができる。
EMS60は、ハイブリッドパワコン13・23・33と電気的に接続される。EMS60は、所定の信号をハイブリッドパワコン13・23・33に送信し、蓄電池12・22・32の運転(例えば、蓄電池12・22・32の充放電等)を制御することができる。また、EMS60は、ハイブリッドパワコン13・23・33から所定の信号が入力可能に構成され、蓄電池12・22・32の蓄電残量(蓄電量、及び最大容量に対する蓄電量の割合)、及び蓄電池12・22・32からの放電量を取得することができる。
また、EMS60は、電源側センサ44及び負荷側センサ45と電気的に接続され、電源側センサ44及び負荷側センサ45の検出結果を取得することができる。また、EMS60は、所定の信号を第一スイッチ51及び第二スイッチ52に出力可能に構成され、当該第一スイッチ51及び第二スイッチ52の動作を制御する(第一スイッチ51及び第二スイッチ52のオン/オフを切り替える)ことができる。EMS60は、基本的には、第一スイッチ51又は第二スイッチ52のいずれか一方をオンしたときは、いずれか他方をオフするように制御する。
以下では、上述の如く構成された電力供給システム1において、蓄電池12・22・32及び負荷Hへ電力を供給する流れについて、簡単に説明する。以下では、第一スイッチ51がオン、第二スイッチ52がオフの状態であるとする。
系統電源Kからの電力は、適宜の時間帯に蓄電池12・22・32に充電される。当該充電する時間帯は、居住者の任意に設定することができる。例えば、深夜に充電するように設定すれば、料金の安い深夜電力を蓄電池12・22・32に充電することができる。
太陽光発電部11・21・32で発電された電力(発電電力)は、まずは優先的に、ハイブリッドパワコン13・23・33を介して(蓄電池12・22・32に充電されることなく)、主幹路Lm1へと流される。主幹路Lm1に流された発電電力は、負荷Hに供給される。
主幹路Lm1に流された発電電力のうち、負荷Hに対する余剰電力は、系統電源Kへと逆潮流され、センサ41・42・43によって検出される。ハイブリッドパワコン13・23・33は、センサ41・42・43の検出結果に基づいて(系統電源K側へ流れる電力に基づいて)、蓄電池12・22・32に当該余剰電力を充電する。
当該余剰電力のうち蓄電池12・22・32が充電できなかった電力(例えば、蓄電池12・22・32に最大充電量で充電してもなお余剰する電力や、蓄電池12・22・32が満充電となり充電できなかった電力)は、系統電源Kへと逆潮流される(売電される)。
一方、主幹路Lm1に流された発電電力だけでは負荷Hに対して不足する場合には、一旦、系統電源Kから電力が購入され(買電され)、購入電力(負荷H側へ流れる電力)がセンサ41・42・43によって検出される。ハイブリッドパワコン13・23・33は、センサ41・42・43の検出結果に基づいて(負荷H側へ流れる電力に基づいて)、蓄電池12・22・32に充電(蓄電)されている電力を主幹路Lm1に出力(放電)する。主幹路Lm1に出力された発電電力は、負荷Hに供給される。
蓄電池12・22・32に充電(蓄電)されている電力が出力(放電)されてもなお負荷Hに対して不足する場合(例えば、蓄電池12・22・32に最大放電量で出力(放電)してもなお負荷Hに対して不足する場合や、蓄電池12・22・32の蓄電残量が不足した場合)には、系統電源Kから電力が購入される(買電される)。
このようにして、蓄電池12・22・32の充放電が行われ、負荷Hに電力が供給される。
以下、図6を用いて、電力供給システム1による電力の供給態様について具体的に説明する。なお、以下の説明において、主幹路Lm1における電力の流通方向のうち、第三接続点P3、第二接続点P2、第一接続点P1の順に流れる方向を順方向といい、第一接続点P1、第二接続点P2、第三接続点P3の順に流れる方向を逆方向ということとする。
また、以下では、蓄電池12・22・32のうち、蓄電池12は、蓄電残量の不足によって放電不可能な状態であって、蓄電池22・32は放電可能な状態であるとする、また、蓄電池12・22・32は、満充電(又はそれに近い状態)ではなく、充電の際に最大充電量で充電可能な状態とする。
図6においては、負荷Hの消費電力の合計が5000Wであって、太陽光発電部11・21・31の発電電力がそれぞれ4000Wであるとする。また、第一スイッチ51がオン、第二スイッチ52がオフされているとする。
このとき、太陽光発電部11・21・31の発電電力は、まずは優先的に、ハイブリッドパワコン13・23・33を介して(蓄電池12・22・32に充電されることなく)、主幹路Lm1へと流される。
まず、第一蓄電システム10に着目する。主幹路Lm1へと流された太陽光発電部11からの電力(4000W)は、全て負荷Hで消費される。このとき、第一センサ41は、その不足分を補うために負荷H側へ流れる電力(1000W)を検出する。ハイブリッドパワコン13は、第一センサ41の検出結果に基づいて、蓄電池12に充電されている電力を放電しようとするが、蓄電池12は放電不可能な状態であるため、蓄電池12からの放電は行われない。
次に、第二蓄電システム20に着目する。主幹路Lm1へと流された太陽光発電部21からの電力(4000W)のうち、第一蓄電システム10からの電力だけでは負荷Hに対して不足する分(1000W)が負荷Hに供給される。これにより、負荷Hの全ての消費電力が賄われる。そして、負荷Hに対する余剰電力(3000W)は系統電源K側へと流され、第二センサ42によって検出される。ハイブリッドパワコン23は、第二センサ42の検出結果に基づいて、太陽光発電部21からの電力(余剰電力)を最大充電量(2000W)で蓄電池22に充電する。そして、蓄電池22に充電してもなお余剰する電力(1000W)は、系統電源Kへと逆潮流される。
次に、第三蓄電システム30に着目する。負荷Hの消費電力は既に第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20からの電力で賄われているので、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部31からの電力(4000W)は全て系統電源K側へと流され、第三センサ43によって検出される。ハイブリッドパワコン33は、第三センサ43の検出結果に基づいて、太陽光発電部31からの電力を最大充電量(2000W)で蓄電池22に充電する。そして、蓄電池32に充電してもなお余剰する電力(2000W)は、系統電源Kへと逆潮流される。
このように、直列に配置された蓄電システム10・20・30のうち、主幹路Lm1上において(電力の流通方向において)最も負荷Hに近い第一蓄電システム10からの電力が優先的に負荷の消費に費やされるため、当該第一蓄電システム10の蓄電池12は充電され難い状態となっている。一方、太陽光発電部21・31からの電力は、一部のみ負荷Hに供給されているが、蓄電池22・32に最大充電量で充電されている。このように、蓄電システム10・20・30の間で、蓄電池12・22・32の充電量の偏りが大きくなっている。
次に、図2を用いて、スイッチ切替制御について説明する。スイッチ切替制御は、上述のような各蓄電池12・22・32の充電量の偏り(ばらつき)を抑制することを目的として、第一スイッチ51及び第二スイッチ52の動作を制御する(オン/オフを切り替える)ものである。また、図2に示すスイッチ切替制御は繰り返し行われ、当該制御が一旦終了しても、再び最初の処理(ステップS101)に戻り制御を開始する。
ステップS101において、EMS60は、総発電電力算出処理を行う。総発電電力算出処理は、図3に示すフローで行われる。
図3に示すステップS201において、EMS60は、各蓄電システム10・20・30の発電電力を取得する。発電電力とは、各太陽光発電部11・21・31によって発電される電力を示すものである。例えば、EMS60は、太陽光発電部11の発電電力A、太陽光発電部21の発電電力B、及び太陽光発電部31の発電電力Cを取得する。EMS60は、当該ステップS201の処理を行った後、ステップS202に移行する。
ステップS202において、EMS60は、総発電電力を算出する。ここで、「総発電電力」とは、各太陽光発電部11・21・31の発電電力の合計のことをいう。EMS60は、太陽光発電部11の発電電力A、太陽光発電部21の発電電力B、及び太陽光発電部31の発電電力Cを足し合わせることにより、総発電電力を算出する。EMS60は、当該ステップS202の処理を行った後、総発電電力算出処理を終了する。
再び図2を参照する。EMS60は、当該ステップS101の処理を行った後、ステップS102に移行する。ステップS102において、EMS60は、総必要充電電力算出処理を行う。必要充電電力算出処理は、図4に示すフローで行われる。
図4に示すステップS301において、EMS60は、各蓄電システム10・20・30の充電可能電力量を取得する。充電可能電力量とは、蓄電池12・22・32それぞれに充電可能な電力量を示すものであり、例えば各蓄電池12・22・32について最大容量から現在の蓄電残量を引いた値により算出される。例えば、EMS60は、蓄電池12の充電可能電力量a、蓄電池22の充電可能電力量b、及び蓄電池32の充電可能電力量cを取得する。EMS60は、当該ステップS301の処理を行った後、ステップS302に移行する。
ステップS302において、EMS60は、充電可能台数を算出する。具体的には、蓄電池12・22・32それぞれについて、充電可能電力量>0である場合、充電可能フラグを「1」にセットし、充電可能量=0である場合、充電可能フラグを「0」にセットする。そして、EMS60は、充電可能フラグが「1」にセットされた数を、充電可能台数(充電が可能な蓄電システムの台数)とする。EMS60は、当該ステップS302の処理を行った後、ステップS303に移行する。
ステップS303において、EMS60は、総必要充電電力を算出する。ここで、「総必要充電電力」とは、蓄電池12・22・32に充電可能な単位時間当たりの電力量の合計のことをいう。EMS60は、(充電可能台数)×(最大充電量)により総必要充電電力を算出する。ここで、充電可能台数は、ステップS302で算出したものである。
再び図2を参照する。EMS60は、当該ステップS102の処理を行った後、ステップS103に移行する。
ステップS103において、EMS60は、CTa≧Xであるか否かを判定する。ここで、「CTa」は、系統電源Kへ逆潮流する電力の値を示すものであり、電源側センサ44によって検出される値である。また、閾値Xは、任意の値とすることができ、本実施形態においては、1000[W]とする。
EMS60は、CTa≧Xであると判定した場合(ステップS103で「YES」)、ステップS104に移行する。一方、EMS60は、CTa≧Xでないと判定した場合(ステップS103で「NO」)、ステップS108に移行する。なお、「CTa」は、系統電源Kへ逆潮流する電力の値を示すものであるため、電源側センサ44が系統電源Kから購入される電力を検出した場合には、EMS60は、CTa≧Xでないと判定する(ステップS103で「NO」)。
なお、ステップS103でYESの場合(逆潮流している電力がX以上存在する場合)とは、蓄電システム10・20・30(太陽光発電部11・21・31)のいずれかの発電電力が余剰していることを示している。また、上述のように、蓄電システム10・20・30のうち、負荷Hに近い側の蓄電システムからの電力が優先的に負荷の消費に費やされる。このため、ステップS103でYESの場合には、蓄電システム10・20・30(太陽光発電部11・21・31)のうち系統電源K側の蓄電システムの発電電力が余剰しており、かつ、負荷H側の蓄電システムの蓄電池に充電されていない可能性が高いといえる。つまり、ステップS103でYESの場合とは、系統電源K側の蓄電システムの余剰電力を負荷H側の蓄電システムの蓄電池への充電に回せる可能性があることを示しているといえる。
また、閾値Xは、第一スイッチ51をオフ、第二スイッチをオンに切り替えた際に、系統電源Kからの電力を購入しないように、余裕をもたせた値とすることが好ましい。
ステップS104において、EMS60は、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)≧Xであるか否かを判定する。ここで、「総発電電力」は、ステップS101及び図3に示す総発電電力算出処理によって算出されるものである。また、「CTb」は、負荷へと供給される電力の値を示すものであり、負荷側センサ45によって検出される値(つまり、負荷Hの消費電力)である。また、「必要充電電力」は、ステップS102及び図4に示す必要充電電力算出処理によって算出されるものである。
なお、ステップS104でYESの場合とは、後述するように、太陽光発電部11・21・31の発電電力が、蓄電池12・22・32に最大限充電され、その余剰分が負荷Hに供給されてもなお余剰することを示している。
ステップS105において、EMS60は、第二スイッチ52がオン、かつ、第一スイッチ51がオフであるか否かを判定する。EMS60は、第二スイッチ52がオン、かつ、第一スイッチがオフであると判定した場合(ステップS105で「YES」)、スイッチ切替制御を終了する。一方、EMS60は、第二スイッチ52がオン、かつ、第一スイッチがオフではない(例えば、第二スイッチ52がオフ、かつ、第一スイッチ51がオンである)と判定した場合(ステップS105で「NO」)、ステップS106に移行する。
ステップS106において、EMS60は、第二スイッチ52をオンする。EMS60は、当該ステップS106の処理を行った後、ステップS107に移行する。
ステップS107において、EMS60は、第一スイッチ51をオフする。EMS60は、当該ステップS107の処理を行った後、スイッチ切替制御を終了する。
一方、ステップS103から移行するステップS108において、EMS60は、CTa≦Yであるか否かを判定する。前述の如く、「CTa」は、系統電源Kへ逆潮流する電力の値を示すものであり、電源側センサ44によって検出される値である。また、閾値Yは、ステップS103及びS104で用いた閾値X未満の任意の値とすることができ、本実施形態においては、500[W]とする。
なお、ステップS108でYESの場合とは、太陽光発電部11・21・31の発電電力が、負荷Hに対して不足するおそれがある(不足している)ことを示している。
また、閾値Yは、第一スイッチ51がオフ、第二スイッチ52がオンの状態であるときに、系統電源Kからの電力を購入しないように設定される。また、閾値Yは、閾値Xより小さな値に設定されるが、第一スイッチ51をオン、第二スイッチ52をオフに戻したときに、すぐに第一スイッチ51がオフ、第二スイッチ52がオンに切り替わってしまわないように、閾値Xと閾値Yの差をある程度設けることが好ましい。
EMS60は、CTa≦Yであると判定した場合(ステップS108で「YES」)、ステップS109に移行する。一方、EMS60は、CTa≦Yでないと判定した場合(ステップS108で「NO」)、スイッチ切替制御を終了する。なお、「CTa」は、系統電源Kへ逆潮流する電力の値を示すものであるため、電源側センサ44が系統電源Kから購入される電力を検出した場合には、EMS60は、CTa≦Yであると判定する(ステップS103で「YES」)。
ステップS109において、EMS60は、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)≦Yであるか否かを判定する。前述の如く、「総発電電力」は、ステップS101及び図3に示す総発電電力算出処理によって算出されるものである。また、「CTb」は、負荷へと供給される電力の値を示すものであり、負荷側センサ45によって検出される値である。また、「必要充電電力」は、ステップS102及び図4に示す必要充電電力算出処理によって算出されるものである。
なお、ステップS109でYESの場合とは、太陽光発電部11・21・31の発電電力が、充電可能な蓄電池12・22・32に最大限充電され、さらにその余剰分が負荷Hに供給された場合に、電力が不足するおそれがある(不足している)ことを示している。
ステップS110において、EMS60は、第一スイッチ51がオン、かつ、第二スイッチ52がオフであるか否かを判定する。EMS60は、第一スイッチ51がオン、かつ、第二スイッチ52がオフであると判定した場合(ステップS110で「YES」)、スイッチ切替制御を終了する。一方、EMS60は、第一スイッチ51がオン、かつ、第二スイッチ52ではない(例えば、第一スイッチ51がオフ、かつ、第二スイッチ52がオンである)と判定した場合(ステップS110で「NO」)、ステップS111に移行する。
ステップS111において、EMS60は、第一スイッチ51をオンする。EMS60は、当該ステップS111の処理を行った後、ステップS112に移行する。
ステップS112において、EMS60は、第二スイッチ52をオフする。EMS60は、当該ステップS112の処理を行った後、スイッチ切替制御を終了する。
次に、図5から図9までを用いて、電力供給システム1による電力の供給態様について具体的に説明する。
図5においては、負荷Hの消費電力の合計が5000Wであって、太陽光発電部11・21・31の発電電力がそれぞれ2000Wである状態(第一状態)とする。また、初期状態においては、第一スイッチ51がオン、第二スイッチ52がオフの状態であるとする。
このとき、太陽光発電部11・21・31の発電電力は、まずは優先的に、ハイブリッドパワコン13・23・33を介して(蓄電池12・22・32に充電されることなく)、主幹路Lm1へと流される。主幹路Lm1に流された電力は、負荷Hに供給される。
まず、第一蓄電システム10に着目する。主幹路Lm1へと流された太陽光発電部11からの電力(2000W)は、全て負荷Hで消費される。このとき、第一センサ41は、その不足分を補うために負荷H側へ流れる電力(3000W)を検出する。ハイブリッドパワコン13は、第一センサ41の検出結果に基づいて、蓄電池12に充電されている電力を放電しようとするが、蓄電池12は放電不可能な状態であるため、蓄電池12からの放電は行われない。
次に、第二蓄電システム20に着目する。主幹路Lm1へと流された太陽光発電部21からの電力(2000W)は、全て負荷Hで消費される。このとき、第二センサ42は、その不足分を補うために負荷H側へ流れる電力(1000W)を検出する。ハイブリッドパワコン23は、第二センサ42の検出結果に基づいて、蓄電池22に充電されている電力(1000W)を放電させる。このようにして、放電された電力(1000W)と太陽光発電部21からの電力(2000W)と合計(3000W)が負荷Hに供給される。これにより、負荷Hの全ての消費電力が賄われる。
次に、第三蓄電システム30に着目する。負荷Hの消費電力は既に第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20からの電力で賄われているので、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部31からの電力(2000W)は全て系統電源K側へと流され、第三センサ43によって検出される。ハイブリッドパワコン33は、第三センサ43の検出結果に基づいて、太陽光発電部31からの電力を最大充電量(2000W)で蓄電池22に充電する。
ここで、図2に示すスイッチ切替制御を参照すると、図5において系統電源Kへ逆潮流する電力は存在しないため(図2に示すステップS103でNO、ステップS108でYES)、ステップS109に移行する。図5において、総発電電力(太陽光発電部11・21・31の発電電力の合計)は6000Wであって、CTb(負荷側センサ45の検出値、すなわち負荷Hの消費電力)は5000W、必要充電電力(蓄電池12・22・32に充電可能な電力量の合計)は6000Wである。よって、ステップS109において、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)の値は▲5000W(マイナス5000W)と算出される。すると、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)≦Y(=500)の条件を満たすこととなるため(ステップS109でYES)、第一スイッチ51はオン、第二スイッチ52はオフのまま維持される(ステップS110でYES)。
次に、図6に示す第二状態に移行した場合を考える。図6に示す第二状態は、太陽光発電部11・21・31の発電電力がそれぞれ4000Wまで増加した状態である。
図6に示す第二状態においては、上記で説明したとおりである。具体的には、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部11からの電力(4000W)及び太陽光発電部21からの電力の一部(1000W)が、負荷Hで消費される。そして、太陽光発電部21からの余剰電力が最大充電量(2000W)で蓄電池22に充電され、蓄電池22に充電してもなお余剰する電力(1000W)が、系統電源Kへと逆潮流される。そして、太陽光発電部31からの電力は最大充電量(2000W)で蓄電池22に充電され、蓄電池32に充電してもなお余剰する電力(2000W)は、系統電源Kへと逆潮流される。
ここで、図2に示すスイッチ切替制御を参照すると、図6において系統電源Kへ逆潮流する電力は合計3000Wであるため(図2に示すステップS103でYES)、ステップS104に移行する。図6において、総発電電力(太陽光発電部11・21・31の発電電力の合計)は12000Wであって、CTb(負荷側センサ45の検出値、すなわち負荷Hの消費電力)は5000W、必要充電電力(蓄電池12・22・32に充電可能な電力量の合計)は6000Wである。よって、ステップS104において、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)の値は1000Wと算出される。すると、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)≧X(=1000)の条件を満たすこととなるため(ステップS104でYES)、EMS60は、ステップS105に移行する。
図6において第一スイッチ51がオン、第二スイッチ52がオフの状態であるため(ステップS105でNO)、EMS60は、ステップS106に移行する。当該ステップS106及び次のステップS107において、EMS60は、第一スイッチ51をオフに、第二スイッチ52をオンに切り替える。
図7に示すように、第一スイッチ51がオフになると、蓄電システム10・20・30からの電力は、主幹路Lm1を順方向に流通することはできない。よって、主幹路Lm1に流された太陽光発電部11・21・31からの電力は、主幹路Lm1を逆方向に流通し、それぞれセンサ41・42・43によって検出される。ハイブリッドパワコン13・23・33は、それぞれセンサ41・42・43の検出結果に基づいて、太陽光発電部11・21・31からの電力を最大充電量(2000W)で蓄電池12・22・32に充電する。そして、蓄電池12・22・32に充電してもなお余剰する電力(それぞれ2000W、合計6000W)は、主幹路Lm1を逆方向へと流通する。
主幹路Lm1を逆方向へと流通する電力のうち、負荷Hに応じた電力(5000W)が、分岐路Lm2を介して当該負荷Hへと供給される。そして、負荷Hに対して余剰する電力(1000W)は、系統電源Kへと逆潮流される。
前述の如く、第一蓄電システム10は、図6に示す状態(第一スイッチ51がオン、第二スイッチ52がオフの状態)のときには、配電線L上において(電力の流通方向において)負荷Hに最も近い蓄電システムである。これに対して、図7に示すように、各蓄電システム10・20・30からの電力が、主幹路Lm1を逆方向に流通し、分岐路Lm2を介して負荷Hに供給されることとなると、第一蓄電システム10は、配電線L上において最も負荷Hから遠い蓄電システムとなる。換言すれば、第一蓄電システム10のすぐ下流側に負荷Hが存在しないこととなる。このため、第一蓄電システム10の太陽光発電部11からの電力が優先的に負荷Hの消費に費やされるという状況を回避することができる。
さらに、第一蓄電システム10から主幹路Lm1へ流され当該主幹路Lm1を逆方向へ流通する電力は、第一センサ41によって検出されることとなるため、当該電力は優先的に蓄電池12に充電されることとなる。これにより、もともと充電され難い状態であった蓄電池12の充電量を増やすことができる。
また、第一スイッチ51をオフ、第二スイッチ52をオンする制御は、太陽光発電部11・21・31の発電電力(12000W)が、蓄電池12・22・32に最大限充電され(6000W)、その余剰分が負荷Hに供給(5000W)されてもなお余剰する場合(ステップS104でYES)に行われる。よって、太陽光発電部11・21・31からの電力を、負荷Hに対する供給が不足することなく、蓄電池12・22・32の充電に回すことができる。換言すれば、系統電源Kから電力を購入することなく、蓄電池12・22・32の充電及び負荷Hへの供給に電力を充てることができる。
次に、図8に示す第三状態に移行した場合を考える。図8に示す第三状態は、太陽光発電部11・21・31の発電電力がそれぞれ3000Wまで減少した状態である。
このとき、主幹路Lm1に流された太陽光発電部11・21・31からの電力は、主幹路Lm1を逆方向に流通し、それぞれセンサ41・42・43によって検出される。ハイブリッドパワコン13・23・33は、それぞれセンサ41・42・43の検出結果に基づいて、太陽光発電部11・21・31からの電力を最大充電量(2000W)で蓄電池12・22・32に充電する。そして、蓄電池12・22・32に充電してもなお余剰する電力(それぞれ1000W、合計3000W)は、主幹路Lm1を逆方向へと流通する。
主幹路Lm1を逆方向へと流通する電力(3000W)は、分岐路Lm2を介して当該負荷Hへと供給される。そして、負荷Hに対して不足する電力(2000W)は、系統電源Kから購入されて、分岐路Lm2を介して負荷Hへと供給される。
ここで、図2に示すスイッチ切替制御を参照すると、図8において系統電源Kへ逆潮流する電力は存在しない(むしろ系統電源Kから電力を購入している)ため(図2に示すステップS103でNO、ステップS108でYES)、ステップS109に移行する。図8において、総発電電力(太陽光発電部11・21・31の発電電力の合計)は9000Wであって、CTb(負荷側センサ45の検出値、すなわち負荷Hの消費電力)は5000W、必要充電電力(蓄電池12・22・32に充電可能な電力量の合計)は6000Wである。よって、ステップS109において、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)の値は▲2000W(マイナス2000W)と算出される。すると、(総発電電力)-(CTb)-(必要充電電力)≦Y(=500)の条件を満たすこととなるため(ステップS109でYES)、EMS60は、第一スイッチ51をオン、第二スイッチ52をオフに切り替える(ステップS111、S112)。
図9に示すように、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部11・21・31からの電力は、分岐路Lm2を流通することはできなくなり、主幹路Lm1を順方向に流通可能となる。このため、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部11からの電力(3000W)は、全て負荷Hで消費される。このとき、第一センサ41は、その不足分を補うために負荷H側へ流れる電力(2000W)を検出する。ハイブリッドパワコン13は、第一センサ41の検出結果に基づいて、蓄電池12に充電されている電力を放電しようとする。ここで、説明の便宜上、蓄電池12は放電不可能な状態のままであるとする。すると、蓄電池12からの放電は行われない。
また、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部21からの電力(3000W)のうち、不足分(2000W)が負荷Hに供給される。これにより、負荷Hの全ての消費電力が賄われる。そして、負荷Hに対する余剰電力(1000W)は系統電源K側へと流され、第二センサ42によって検出される。ハイブリッドパワコン23は、第二センサ42の検出結果に基づいて、当該余剰電力(1000W)を蓄電池22に充電する。
負荷Hの消費電力は既に第一蓄電システム10及び第二蓄電システム20からの電力で賄われているので、主幹路Lm1へと流された太陽光発電部31からの電力(3000W)は全て系統電源K側へと流され、第三センサ43によって検出される。ハイブリッドパワコン33は、第三センサ43の検出結果に基づいて、太陽光発電部31からの電力を最大充電量(2000W)で蓄電池22に充電する。そして、蓄電池32に充電してもなお余剰する電力(1000W)は、系統電源Kへと逆潮流される。
このように、分岐路Lm2を介して負荷Hに電力を供給する場合、負荷Hへの電力の供給よりも蓄電池12・22・32への充電が優先されるため、総発電電力(太陽光発電部11・21・31の発電電力の合計)が、負荷Hの消費電力に対して余剰するにもかかわらず、系統電源Kから電力を購入してしまう場合がある(図8参照)。そこで、太陽光発電部11・21・31の発電電力が、充電可能な蓄電池12・22・32に最大限充電され、さらにその余剰分が負荷Hに供給された場合に、電力が不足するおそれがある(不足している)場合(図2に示すステップS108、S109でYES)、スイッチを元に戻すことで、主幹路Lm1を介して(分岐路Lm2を介することなく)電力を負荷Hに供給する。これにより、太陽光発電部11・21・31からの電力は、再び負荷Hに優先的に供給されることとなるので、系統電源Kから購入する電力を減らすことができ、購入費を削減することができる。
以上のように、本実施形態に係る電力供給システム1においては、第一スイッチ51及び第二スイッチ52のオン/オフにより、電力が流通可能な経路を切り替えることができる。具体的には、主幹路Lm1における(第一スイッチ51部分の)電力の流通を不可能とし、かつ、分岐路Lm2における電力の流通を可能とすることで、各蓄電システム10・20・30の相対的な位置関係を逆転させる(上流側と下流側を入れ替える)ことができる。このため、今まで全て負荷Hに消費されていた太陽光発電部11の発電電力を、蓄電池12の充電に充てることができる。
その際、太陽光発電部11・21・31の発電電力は、蓄電池12・22・32の充電に優先的に使用されるので、蓄電池12・22・32の充電量を増やすことができ、ひいては、複数の蓄電池が直列に配置された電力供給システムにおいて、従来充電され難い位置である下流側(負荷側)に配置された蓄電池の充電量を増やすことができる。これにより、蓄電池12・22・32の充電量の不均衡を抑制することができる。
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、電力を負荷Hに供給する電力供給システム1であって、系統電源Kと前記負荷Hとをつなぐ電路である主幹路Lm1上の互いに異なる箇所に設けられ、当該設けられた箇所を流通する電力を検出可能な複数のセンサ41・42・43と、自然エネルギーを利用して発電可能な太陽光発電部11・21・31(発電部)、及び電力を充放電可能な蓄電池12・22・32を有し、前記複数のセンサ41・42・43に対応して設けられ、対応する前記センサ41・42・43に対して前記負荷H側に隣接するように前記主幹路Lm1と接続された複数の蓄電システム10・20・30と、を具備し、前記蓄電システム10・20・30は、前記太陽光発電部11・21・31からの電力を前記主幹路Lm1へと出力し、対応する前記センサ41・42・43が前記系統電源K側へと流れる電力を検出した場合、検出した当該電力に基づいて前記太陽光発電部11・21・31からの電力を前記蓄電池12・22・32に充電可能であり、前記電力供給システム1はさらに、前記系統電源Kと最も前記系統電源K側の第一蓄電システム10に対応する前記センサ41との間に設けられた分岐点Pn1で前記主幹路Lm1から分岐し、最も前記負荷H側の前記第一蓄電システム10(第一接続点P1)と前記負荷Hとの間に設けられた合流点Pn2で前記主幹路Lm1に合流する分岐路Lm2と、前記主幹路Lm1において最も前記負荷H側の前記第一蓄電システム10(第一接続点P1)と前記合流点Pn2との間に設けられ、オンされることで前記主幹路Lm1における電力の流通を可能とし、オフされることで前記主幹路Lm1における電力の流通を不可能とする第一スイッチ51と、前記分岐路Lm2に設けられ、オンされることで前記分岐路Lm2における電力の流通を可能とし、オフされることで前記分岐路Lm2における電力の流通を不可能とする第二スイッチ52と、前記第一スイッチ51及び前記第二スイッチ52の動作を制御するEMS60(制御部)と、を具備するものである。
このように構成されることにより、蓄電池12・22・32の充電量の偏りの低減を図ることができる。
また、前記EMS60は、前記系統電源Kへと逆潮流される電力が閾値X(第一の値)以上である場合、前記第一スイッチ51をオフし、前記第二スイッチ52をオンするものである。
このように構成されることにより、太陽光発電部11・21・31からの電力が負荷Hに供給されてもなお余剰する場合に、各蓄電システム10・20・30から分岐路Lm2(及び主幹路Lm1)を介して負荷Hに電力を供給することができる。これにより、太陽光発電部11・21・31からの電力を優先的に蓄電池12・22・32の充電に充てることができる。
また、前記EMS60は、前記複数の蓄電システム10・20・30によって発電される電力の合計を示す総発電電力、及び前記複数の蓄電システム10・20・30に充電可能な電力の合計を示す総充電可能電力を取得し、前記系統電源Kへと逆潮流される電力が閾値X以上であって、かつ、前記総発電電力が前記負荷Hの消費電力と前記総充電可能電力との和に対して前記閾値X(第二の値)以上余剰する場合、前記第一スイッチ51をオフし、前記第二スイッチ52をオンするものである。
このように構成されることにより、太陽光発電部11・21・31からの電力が、負荷Hに供給され、さらにその余剰分が充電可能な蓄電池12・22・32に最大限充電されてもなお余剰するか否かを判断したうえで、電力経路を切り替えることができる。
また、前記EMS60は、前記系統電源Kへと逆潮流される電力が前記閾値X(第一の値)未満の値に設定される閾値Y(第三の値)以下である場合、前記第一スイッチ51をオンし、前記第二スイッチ52をオフするものである。
このように構成されることにより、太陽光発電部11・21・31からの電力が負荷Hに対して不足する(不足するおそれがある)場合に、各蓄電システム10・20・30から主幹路Lm1を介して(分岐路Lm2を介することなく)負荷Hに電力を供給することができる。これにより、太陽光発電部11・21・31からの電力を優先的に負荷Hへの供給に充てることができ、ひいては系統電源Kから購入する電力を減らすことができる。
また、前記EMS60は、前記複数の蓄電システム10・20・30によって発電される電力の合計を示す総発電電力、及び前記複数の蓄電システム10・20・30に充電可能な電力の合計を示す総充電可能電力を取得し、前記系統電源Kへと逆潮流される電力が前記閾値X(第一の値)未満の値に設定される閾値Y(第三の値)以下であって、かつ、前記総発電電力が前記負荷Hの消費電力と前記総充電可能電力との和に対して余剰していない又は余剰が前記閾値Y(第四の値)以下である場合、前記第一スイッチ51をオンし、前記第二スイッチ52をオフするものである。
このように構成されることにより、太陽光発電部11・21・31からの電力が、充電可能な蓄電池12・22・32に最大限充電され、さらにその余剰分が負荷Hに供給された場合に、電力が不足する(不足するおそれがある)か否かを判断したうえで、電力経路を切り替えることができる。
なお、本実施形態に係る太陽光発電部11・21・31は、発電部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一センサ41、第二センサ42、第三センサ43は、センサの実施の一形態である。
また、本実施形態に係るEMS60は、制御部の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、電力供給システム1は、集合住宅に設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、オフィス等に設けられるものであってもよい。
また、電力供給システム1は、太陽光を利用して発電する太陽光発電部11・21・31を具備するものとしたが、燃料電池であってもよく、また他の自然エネルギー(例えば、水力や風力)を利用して発電するものであってもよい。
また、本実施形態において蓄電システムの台数は、3台であるものとしたが、2台以上の任意の台数とすることができる。
また、本実施形態においては、系統電源Kへと逆潮流される電力が閾値X(第一の値)以上であり(図2に示すステップS103でYES)、かつ、総発電電力が負荷Hの消費電力と総充電可能電力との和に対して閾値X以上余剰する場合(ステップS104でYES)、第一スイッチ51をオフし、第二スイッチ52をオンするものとしたが、ステップS103又はS104のいずれか一方の条件を満たした場合に、当該スイッチのオン/オフを行うものとしてもよい。
また、本実施形態においては、系統電源Kへと逆潮流される電力が閾値Y(第二の値)以下であり(図2に示すステップS108でYES)、かつ、総発電電力が負荷Hの消費電力と総充電可能電力との和に対して余剰していない又は余剰が閾値Y以下である場合(ステップS109でYES)、第一スイッチ51をオンし、第二スイッチ52をオフするものとしたが、ステップS108又はS109のいずれか一方の条件を満たした場合に、当該スイッチのオン/オフを行うものとしてもよい。
また、本実施形態においては、第一の値(ステップS103参照)と第二の値(ステップS104参照)とを同じ値(閾値X)としたが、異なる値としてもよい。但し、図2に示すステップS104は、スイッチ切替の可否をステップS103よりも厳しい条件で判定する位置づけのものであるため、第二の値は第一の値以下の値とすることが好ましい。また、本実施形態においては、第三の値(ステップS108参照)と第四の値(ステップS109参照)とを同じ値(閾値Y)としたが、異なる値としてもよい。但し、図2に示すステップS109は、スイッチ切替の可否をステップS108よりも厳しい条件で判定する位置づけのものであるため、第四の値は第三の値以下の値とすることが好ましい。
また、本実施形態においては、太陽光発電部11・21・31と蓄電池12・22・32とがハイブリッドパワコン13・23・33を介して接続されるものとしたが、太陽光発電部11・21・31と蓄電池12・22・32とが直接接続されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、図2に示すステップS104及びステップS109において太陽光発電部11・21・31の発電電力の余剰を判定する際に、蓄電池12・22・32に充電可能な電力の合計(必要充電電力)を算出式に含めているが、当該必要充電電力を含めず、太陽光発電部11・21・31の発電電力の合計(総発電電力)及び負荷Hの消費電力(CTb)のみを用いて、太陽光発電部11・21・31の発電電力の余剰を判定してもよい。
また、本実施形態においては、電源側センサ44及び負荷側センサ45の検出結果は、EMS60によって直接取得されるものとしたが、各蓄電システムやその他の機器によって取得され、これをEMS60が取得するように構成されていてもよい。