以下では、図1を用いて、本実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
電力供給システム1は、複数の戸建住宅(住宅H)からなる住宅街区T(住宅Hの集合体)に適用することを想定している。具体的には、住宅街区Tには、複数の(戸建)住宅Hとして、第一住宅H1、第二住宅H2及び第三住宅H3が設けられる。住宅街区Tにおいては、電力小売事業者が電力会社(系統電源S)から電力を一括購入し、当該購入した電力が各住宅Hに適宜供給(売却)される。
電力供給システム1は、電力小売事業者が電力会社から一括購入した電力等を、複数の住宅H(第一住宅H1、第二住宅H2及び第三住宅H3)間で適宜供給(融通)するためのシステムである。電力供給システム1は、主としてセンサ部10、第一蓄電システム20、第二蓄電システム30、第三蓄電システム40及びEMS50を具備する。
複数の住宅H(第一住宅H1、第二住宅H2及び第三住宅H3)は、人が居住する建物である。各住宅Hには適宜の電気製品が設けられ、電力が消費される。
また、各住宅Hは、系統電源Sと接続される。具体的には、各住宅Hは、上流側端部が系統電源Sと接続されると共に下流側端部が分岐して各住宅Hと接続された配電線Lを介して、当該系統電源Sと接続される。
センサ部10は、配電線Lを流通する電力を検出するものである。センサ部10は、第一センサ11、第二センサ12及び第三センサ13を具備する。
第一センサ11、第二センサ12及び第三センサ13は、それぞれ配置箇所を流通する電力を検出するものである。第一センサ11、第二センサ12及び第三センサ13は、それぞれ検出結果に関する信号を出力可能に構成される。第一センサ11、第二センサ12及び第三センサ13は、それぞれ所定の蓄電システムと対応するように設けられ、当該対応する蓄電システムのハイブリッドパワコンと電気的に接続される。
具体的には、第一センサ11は、後述する第一蓄電システム20のハイブリッドパワコン23と電気的に接続される。また、第二センサ12は、後述する第二蓄電システム30のハイブリッドパワコン33と電気的に接続される。また、第三センサ13は、後述する第三蓄電システム40のハイブリッドパワコン43と電気的に接続される。
また、第一センサ11、第二センサ12及び第三センサ13は、それぞれ配電線Lにおいて、前記対応する蓄電システムのハイブリッドパワコンが接続された連結点の直ぐ上流側に配置される。具体的には、第一センサ11、第二センサ12及び第三センサ13は、それぞれ配電線Lにおいて、後述する第一連結点P1、第二連結点P2及び第三連結点P3の直ぐ上流側に配置される。
第一蓄電システム20、第二蓄電システム30及び第三蓄電システム40は、それぞれ配電線Lに接続される。より詳細には、第一蓄電システム20、第二蓄電システム30及び第三蓄電システム40は、配電線Lにおいて、各住宅H側から系統電源S側にかけて順に接続され、これにより系統電源Sと各住宅Hとの間に直列に配置される。第一蓄電システム20、第二蓄電システム30及び第三蓄電システム40は、それぞれ第一住宅H1、第二住宅H2及び第三住宅H3の居住者に所有されている。具体的には、第一蓄電システム20は、第一住宅H1に設けられ、第一住宅H1の住人に所有されている。また、第二蓄電システム30は、第二住宅H2に設けられ、第二住宅H2の住人に所有されている。また、第三蓄電システム40は、第三住宅H3に設けられ、第三住宅H3の住人に所有されている。
第一蓄電システム20は、系統電源Sから購入した電力や太陽光を利用して発電された電力を蓄電したり、各住宅H等へと供給するものである。第一蓄電システム20は、太陽光発電部21、蓄電池22及びハイブリッドパワコン23を具備する。
太陽光発電部21は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部21は、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部21は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。太陽光発電部21は、後述するハイブリッドパワコン23を介して、配電線Lの中途部に設けられた第一連結点P1で当該配電線Lと接続される。
蓄電池22は、電力を充放電可能に構成されるものである。蓄電池22は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。蓄電池22は、後述するハイブリッドパワコン23を介して太陽光発電部21と接続される。なお、本実施形態において、蓄電池22は、最大放電電力(単位時間当たりに放電可能な電力の最大値)が2kWとなっている。
ハイブリッドパワコン23は、電力を適宜変換するもの(ハイブリッドパワーコンディショナ)である。ハイブリッドパワコン23は、太陽光発電部21で発電された電力及び系統電源Sからの電力を蓄電池22に充電可能に構成される。また、ハイブリッドパワコン23は、太陽光発電部21で発電された電力及び蓄電池22に充電されている電力を各住宅H等へと放電させる。また、ハイブリッドパワコン23は、太陽光発電部21及び蓄電池22の運転状態に関する情報を取得可能に構成される。このようなハイブリッドパワコン23は、第一連結点P1で配電線Lの中途部と接続される。
このように構成される第一蓄電システム20のハイブリッドパワコン23は、対応するセンサ(第一センサ11)から所定の信号が入力可能に構成され、当該信号に基づいてセンサの検出結果を取得可能に構成される。ハイブリッドパワコン23は、取得したセンサの検出結果等に基づいて、蓄電池22の放電量を調整する負荷追従運転を行うことができる。
第二蓄電システム30は、ハイブリッドパワコン33が第一連結点P1よりも系統電源S側に設けられた第二連結点P2で配電線Lに接続される点を除いて、第一蓄電システム20と同様に構成される。具体的には、第二蓄電システム30の太陽光発電部31、蓄電池32及びハイブリッドパワコン33は、それぞれ第一蓄電システム20の太陽光発電部21、蓄電池22及びハイブリッドパワコン23に相当する。
第三蓄電システム40は、ハイブリッドパワコン43が第二連結点P2よりも系統電源S側に設けられた第三連結点P3で配電線Lに接続される点を除いて、第一蓄電システム20と同様に構成される。具体的には、第三蓄電システム40の太陽光発電部41、蓄電池42及びハイブリッドパワコン43は、それぞれ第一蓄電システム20の太陽光発電部21、蓄電池22及びハイブリッドパワコン23に相当する。
EMS50は、電力供給システム1の動作を管理するエネルギーマネジメントシステム(Energy Management System)である。EMS50は、CPU等の演算処理部、RAMやROM等の記憶部及びタッチパネル等の入出力部等を具備し、所定の演算処理や記憶処理等を行うことができる。EMS50には、電力供給システム1の動作を制御する際に用いられる種々の情報やプログラム等が予め記憶される。
また、EMS50は、各蓄電システム20・30・40のハイブリッドパワコン23・33・43と電気的に接続される。EMS50は、所定の信号をハイブリッドパワコン23・33・43に出力することで、当該ハイブリッドパワコン23・33・43を介して蓄電池22・32・42に充放電の指示を出し、当該蓄電池22・32・42の充放電を許可することができる。また、EMS50は、所定の信号をハイブリッドパワコン23・33・43に出力することで、当該ハイブリッドパワコン23・33・43を介して蓄電池22・32・42に待機の指示を出し、当該蓄電池22・32・42の充放電を禁止することができる。また、EMS50は、ハイブリッドパワコン23・33・43から所定の信号が入力可能に構成される。これにより、EMS50は、ハイブリッドパワコン23・33・43を介して太陽光発電部21・31・41の発電電力を検出することができる。
また、EMS50は、各住宅Hと電気的に接続される。EMS50は、各住宅Hから所定の信号が入力可能に構成される。これにより、EMS50は、各住宅Hの消費電力量を取得することができる。
また、EMS50は、第一蓄電システム20、第二蓄電システム30及び第三蓄電システム40に、それぞれ放電優先順位を設定する制御を実行可能とされている。本実施形態において、放電優先順位とは、各蓄電システム20・30・40の中での蓄電池22・32・42の放電の優先順位である。
次に、上述の如く構成された電力供給システム1における、電力小売事業者による電力の売買の様子について簡単に説明する。
電力小売事業者は、電力会社(系統電源S)から一括購入した電力を、各住宅Hからの要求に応じて当該各住宅Hへと適宜売却する。各住宅Hの住人は、電力小売事業者を介して電力会社から購入した電力を使用することができる。また、電力小売事業者は、各蓄電システム20・30・40から放電された電力を購入し、当該電力を各住宅Hからの要求に応じて当該各住宅Hへと適宜売却する。電力小売事業者が売買する電力の価格は適宜設定される。
このように、電力小売事業者は、電力の売買によって利益を得ることができる。また、各住宅Hの住人も、各蓄電システム20・30・40の電力(すなわち、余剰電力)を電力小売事業者に売却することで利益を得ることができる。
以下では、EMS50による各蓄電システム20・30・40の制御について説明する。
EMS50は、放電優先順位に基づいて各蓄電システム20・30・40を制御する。そこで、まず、放電優先順位について説明する。
前述の如く、放電優先順位とは、各蓄電システム20・30・40の中での蓄電池22・32・42の放電の優先順位である。EMS50は、ハイブリッドパワコン23・33・43を介して蓄電池22・32・42の前日の積算放電量をそれぞれ取得し、当該積算放電量が少ないものから順番に放電優先順位を設定する。こうして、EMS50は、蓄電池22・32・42の積算放電量が少ない蓄電システムが上位となるように、放電優先順位を設定する。
EMS50は、こうして設定した放電優先順位に基づく制御として、放電優先制御と、効率優先制御と、を任意に実行可能に構成される。
以下では、まず、放電優先制御について説明する。
放電優先制御は、放電優先順位に基づいて可能な限り蓄電池22・32・42を放電させる制御である。
放電優先制御において、まず、EMS50は、各蓄電システム20・30・40の太陽光発電部21・31・41で発電した電力を配電線Lを介して各住宅Hへ供給する。
EMS50は、各住宅Hの消費電力量を太陽光発電部21・31・41で発電した電力だけで賄えない場合に、放電優先順位が1位の蓄電システムの蓄電池を放電させる。このとき、放電優先順位が1位の蓄電システムのハイブリッドパワコンは、対応するセンサの検出結果に基づいて負荷追従運転を行って、所定の電力量の電力を蓄電池から放電させ、当該電力を配電線Lを介して各住宅Hへ供給する。また、EMS50は、各住宅Hの消費電力量を、当該蓄電池から放電した電力及び太陽光発電部21・31・41で発電した電力で賄えない場合に、放電優先順位が2位の蓄電システムの蓄電池を放電させる。このとき、放電優先順位が2位の蓄電システムのハイブリッドパワコンは、1位の蓄電システムと同様に、対応するセンサの検出結果に基づいて負荷追従運転を行う。
このように、EMS50は、放電優先制御において、各住宅Hの消費電力量が賄えない場合に、蓄電池の放電が開始された蓄電システムよりも放電優先順位が1つ下位の蓄電システムの蓄電池を放電させるという動作を、繰り返し行う。こうして、EMS50は、放電優先順位が上位の蓄電システムの蓄電池を下位の蓄電池よりも優先的に放電させる。
放電優先制御によれば、EMS50は、積算放電量が少ない(上位の)蓄電システムの蓄電池が放電する機会を他の蓄電池よりも増やして、これらの蓄電池の積算放電量の均等化を図ることができる。
なお、全ての蓄電池22・32・42を放電させても各住宅Hの消費電力量が賄えない場合には、系統電源Sから不足する分の電力が購入される(系統電源Sから購入された電力が、各住宅Hへと供給される)。放電優先制御においては、各住宅Hの消費電力量を太陽光発電部21・31・41で発電した電力で賄えない場合に、可能な限り蓄電池22・32・42を放電させて、系統電源Sから購入する電力を極力減らすことができる。
また、各蓄電システム20・30・40のうち、最も下流側の第一蓄電システム20の蓄電池22を放電させると、第一センサ11だけではなく、当該第一センサ11の上流側に配置される第二センサ12及び第三センサ13の検出結果の値も小さくなる。また、第二蓄電システム30の蓄電池32を放電させると、第二センサ12だけではなく、当該第二センサ12の上流側に配置される第三センサ13の検出結果の値も小さくなる。その結果、複数台の蓄電池を放電させた場合に、放電させた蓄電池の中で下流側の蓄電池が、上流側の蓄電池よりも放電電力が多くなり易くなる。
また、電力供給システム1においては、各蓄電システム20・30・40から放電された電力を配電線Lを介して各住宅Hへ供給することで、当該各蓄電システム20・30・40を所有する住人(住宅H)だけでなく、その他の住人(住宅H)へも供給することとなる。すなわち、各蓄電システム20・30・40から放電された電力を複数の住宅H間で適宜融通することとなる。これにより、各蓄電システム20・30・40からの電力を各住宅Hへまとめて供給するようにして、蓄電池22・32・42を放電させ易くすることができる。
以下では、放電優先制御と蓄電池22・32・42の放電効率との関係について説明する。
蓄電池22・32・42は、放電時に(例えば、直流電力を交流電力に変換する際等に)電力の一部を損失することになる。この損失の程度を評価した放電効率が90%であれば、蓄電池22・32・42の充電電力に対して10%の損失が生じることになる。当該放電効率は、図2に示すように、蓄電池22・32・42の放電電力(放電しようとする電力、すなわちセンサの検出結果)が小さくなるほど悪化する。なお、図2は、放電電力と放電効率との関係の一例を示すものであり、当該関係は、蓄電池22・32・42の種類に応じて異なるものとなる。
放電優先制御においては、可能な限り蓄電池22・32・42を放電させることから、蓄電池22・32・42の放電電力が小さくなり過ぎて、放電効率が悪い状態で蓄電池22・32・42が放電する可能性がある。図8は、その状態を示したものである。
図8に示す状態において、放電優先順位は、第三蓄電システム40が1位、第二蓄電システム30が2位、第一蓄電システム20が3位となっている。また、各住宅Hの消費電力量の合計(図8に示す「総消費電力量」)は、2.25kWとなっている。また、図8においては、説明の便宜上、太陽光発電部21・31・41は発電していない(発電電力が0である)ものとする。
以上のような状態においては、放電優先順位が1位の第三蓄電システム40の蓄電池42(最大放電電力(2kW))を放電させるだけでは、各住宅Hの消費電力量(2.25kW)を賄えないことから、EMS50は、放電優先順位が2位の第二蓄電システム30の蓄電池32も放電させることになる。こうして、複数台の蓄電池32・42を放電させる場合、当該蓄電池32・42の中で下流側の第二蓄電システム30の蓄電池32は、負荷追従運転により最大放電電力(2kW)で放電する。一方、当該蓄電池32・42の中で最も上流側の第三蓄電システム40の蓄電池42は、負荷追従運転により、第二蓄電システム30の蓄電池32から放電された電力(2kW)では不足する0.25kWの電力、すなわち最大放電電力よりも小さい電力を放電する。
図2に示すように、蓄電池32・42は、最大放電電力(2kW)で放電する場合、放電効率が90%程度となる。よって、第二蓄電システム30の蓄電池32は、放電時に生じる損失が10%程度で済むことになる。一方、蓄電池32・42は、0.25kWの電力を放電する場合、放電効率が75%程度にまで悪化する。よって、第三蓄電システム40の蓄電池42は、放電時に生じる損失が25%程度にまで増える(最大放電電力で放電する場合と比較して15%程度増える)ことになる。
このように、電力供給システム1においては、電力の融通によって蓄電池22・32・42を放電させ易くすることができるものの、各住宅Hの消費電力量によっては、放電させる蓄電池22・32・42の中で最も上流側の蓄電池(蓄電池42)の放電電力が小さくなる可能性がある。この場合、放電効率が悪化して電力の損失が増えてしまう可能性がある。
次に、効率優先制御について説明する。効率優先制御は、放電効率を考慮して蓄電池22・32・42を放電させることで、放電効率が悪い状態での蓄電池22・32・42の放電を抑制するものである。効率優先制御は、決まったタイミングで(例えば、5分毎に)行われる。
図3に示すように、まず、ステップS110において、EMS50は、前日に全ての蓄電池22・32・42に放電指示を出したか(放電を許可したか)否かを確認する。EMS50は、例えば、放電指示のログを取るように構成されており、ステップS110において当該ログを確認することで、放電指示の有無を判断する。EMS50は、前日に全ての蓄電池22・32・42に放電指示を出していた場合に(ステップS110:YES)、ステップS120へ移行する。一方、EMS50は、前日に蓄電池22・32・42の少なくとも1台に放電指示を出していなかった場合に(ステップS110:NO)、効率優先制御の処理を終了する。当該EMS50は、例えば、効率優先制御の処理の終了後に放電優先制御を行うことで、蓄電池22・32・42を放電させる。
ステップS120において、EMS50は、総消費電力量A及び太陽光総発電Bを取得する。なお、総消費電力量Aは、各住宅Hの消費電力量の合計である。EMS50は、第一住宅H1から第三住宅H3までからそれぞれ消費電力量を取得してその結果を合計することで、総消費電力量Aを取得する。また、太陽光総発電Bは、太陽光発電部21・31・41の発電電力の合計である。EMS50は、ハイブリッドパワコン23・33・43を介してそれぞれ太陽光発電部21・31・41の発電電力を取得し、その結果を合計することで、太陽光総発電Bを取得する。EMS50は、ステップS120の処理が終了すると、ステップS130へ移行する。
ステップS130において、EMS50は、総消費電力量Aが太陽光総発電Bよりも大きいか否かを判断する。EMS50は、総消費電力量Aが太陽光総発電Bよりも大きい場合に(ステップS130:YES)、ステップS160へ移行する。一方、EMS50は、総消費電力量Aが太陽光総発電B以下である場合に(ステップS130:NO)、ステップS140へ移行する。
ステップS140において、EMS50は、充電する蓄電池台数Dを算出する。ステップS140においては、総消費電力量Aが太陽光総発電B以下であることから、太陽光発電部21・31・41で発電した電力の合計が、各住宅Hの消費電力量の合計に対して余剰している状態となっている。そこで、EMS50は、この余剰電力(B-A)を蓄電池22・32・42に充電するために、まず、余剰電力(B-A)によって、蓄電池22・32・42のうち何台の蓄電池を充電可能であるのかを以下の式(1)によって算出する。
D=(B-A)/C・・・(1)
ここで、上記式(1)において、Cは、蓄電池22・32・42の最大充電電力である。
なお、上記式(1)において、Dが整数とならない場合がある。この場合、EMS50は、Dの小数点以下を切り上げることにより、充電する蓄電池台数Dを算出する。EMS50は、ステップS140の処理が終了すると、ステップS150へ移行する。
ステップS150において、EMS50は、D台の蓄電池に充電指示を出す。このとき、EMS50は、ハイブリッドパワコン23・33・42を介してそれぞれ蓄電池22・32・42の残量を取得し、残量が少ないものから順にD台の蓄電池に充電指示を出す。また、EMS50は、それ以外の蓄電池に待機指示を出す。EMS50は、ステップS150の処理が終了すると、効率優先制御の処理を終了する。このように、EMS50は、効率優先制御において蓄電池22・32・42に充放電の指示を出して処理を終了した場合、ステップS110で効率優先制御を終了した場合とは異なり、放電優先制御を行わない。
ステップS160において、EMS50は、最大放電電力E(2kW)で放電可能な蓄電池台数Fを算出する。ステップS160においては、総消費電力量Aが太陽光総発電Bよりも大きいことから、各住宅Hの消費電力量の合計に対して、太陽光発電部21・31・41で発電した電力の合計が不足している状態となっている。この不足する電力(A-B)は、蓄電池22・32・42が放電しない場合に系統電源Sから購入することになる。このため、以下においては、不足する電力(A-B)を「非放電時の購入電力量(A-B)」と称する。EMS50は、非放電時の購入電力量(A-B)に対して、蓄電池22・32・42のうち何台の蓄電池が最大放電電力Eで放電可能であるのかを以下の式(2)によって算出する。
F=(A-B)/E・・・(2)
ここで、上記式(2)において、Fは、最大放電電力Eで放電可能な蓄電池の台数である。
なお、上記式(2)において、Fが整数とならない場合がある。この場合、EMS50は、Fの小数点以下を切り捨てることにより、最大放電電力Eで放電可能な蓄電池台数Fを算出する。EMS50は、ステップS160の処理が終了すると、ステップS170へ移行する。
ステップS170において、EMS50は、以下の式(3)によって、さらにもう1台蓄電池を放電させた場合の放電電力が閾値Gよりも大きいか否かを判断する。
(A-B-(E*F))>G・・・(3)
ここで、仮に、非放電時の購入電力量(A-B)に対して蓄電池をF+1台、すなわちさらにもう1台放電させた場合、上述の如く、下流側のF台の蓄電池は最大放電電力E(2kW)で放電し(E*F)、最も上流側の蓄電池は最大放電電力E未満の電力を放電することになる(図8参照)。上記式(3)の左辺は、この最も上流側の蓄電池の放電電力を算出するものである。また、上記式(3)の閾値Gは、前記最も上流側の蓄電池の放電電力の大きさを判断するためのものである。
なお、閾値Gは、図2に示す放電電力と放電効率との関係に基づいて適宜設定される。図2においては、放電電力が2kWから1kWまでの間は、放電効率があまり変わらない。一方、放電電力が1kWから小さくなるにつれて、放電効率が急激に悪化する。そこで、本実施形態においては、閾値Gに1kW(これ以上放電電力が小さくなると放電効率が急激に悪化する値)が設定されている。
図3に示すように、ステップS170において、EMS50は、前記算出結果が閾値Gよりも大きい場合に、最も上流側の(最大放電電力E以下の電力を放電する)蓄電池の放電電力が、放電効率が悪化する程度に小さくないと判断し(ステップS170:YES)、ステップS190へ移行する。一方、EMS50は、前記算出結果が閾値G以下である場合に、最も上流側の蓄電池の放電電力が、放電効率が悪化する程度に小さいと判断し(ステップS170:NO)、ステップS180へ移行する。
ステップS180において、EMS50は、放電優先順位が高い蓄電システムから順に、F台の蓄電池に放電指示を出す。また、EMS50は、それ以外の蓄電池に待機指示を出す。この場合、各住宅Hの消費電力量(総消費電力量A)を、太陽光発電部21・31・41(太陽光総発電B)及びF台の蓄電池からの電力(F*E)だけでは賄えず、系統電源Sから残りの電力(A-B-(F*E)、上記式(3)の左辺)を購入することになる。なお、この残りの電力(A-B-(F*E))は、閾値G(1kW)未満の電力となる。このように、EMS50は、ステップS180において、F台の蓄電池を放電させて残る電力が閾値G(1kW)未満である場合に、あえてもう1台(F+1台目)の蓄電池の放電を行わず、系統電源Sから電力を購入する。これによって、蓄電池が閾値G(1kW)未満の電力を放電するのを抑制する。EMS50は、ステップS180の処理が終了すると、効率優先制御の処理を終了する。
ステップS190において、EMS50は、放電優先順位が高い蓄電システムから順に、F+1台の蓄電池に放電指示を出す。また、EMS50は、それ以外の蓄電池に待機指示を出す。これにより、EMS50は、放電優先制御の場合と同様に、可能な限り蓄電池22・32・42を放電させて系統電源Sから購入する電力を極力減らすことができる。EMS50は、ステップS190の処理が終了すると、効率優先制御の処理を終了する。
なお、ステップS140・S160においては、総消費電力量A及び太陽光総発電Bの大小関係等によって、上記式(1)及び上記式(2)を用いて算出した台数E・Fが蓄電池22・32・42の設置台数(「3」)を超える可能性がある。この場合、EMS50は、当該台数E・Fが蓄電池22・32・42の設置台数と同一の台数(「3」)であるものとして、以降の処理を行う。また、EMS50は、ステップS190において、F+1が蓄電池22・32・42の設置台数(「3」)を超えた場合、設置台数と同一の台数(「3」)に対して放電指示を出す。これにより、EMS50は、蓄電池22・32・42に対して適切に充放電の指示を出すことができる。
以下では、図4から図7までを参照して、効率優先制御の具体例について説明する。なお、図4から図7までにおいては、説明の便宜上、太陽光発電部21・31・41が発電していない(太陽光総発電Bが0である)ものとする。また、前日には全ての蓄電池22・32・42に放電指示が出されているものとする。
図4は、効率優先制御が行われる前の状態を示している。図4に示す状態において、放電優先順位は、第三蓄電システム40が1位、第二蓄電システム30が2位、第一蓄電システム20が3位となっている。また、各住宅Hの消費電力量(図4に示す「総消費電力量A」)は、2.25kWとなっている。
以上のような状態において効率優先制御が行われると、EMS50は、前日に全ての蓄電池22・32・42に放電指示があり(ステップS110:YES)、総消費電力量A(2.25kW)が太陽光総発電B(0W)よりも大きいと判断する(ステップS130:YES)。当該EMS50は、上記式(2)の総消費電力量Aに2.25kW、太陽光総発電Bに0W、最大放電電力Eに2kWを代入し((2.25kW-0W)/2kW)、その商(「1」)を求める。こうして、EMS50は、最大放電電力E(2kW)で放電可能な蓄電池台数F(「1」)を算出する(ステップS160)。
その後、EMS50は、上記式(3)の総消費電力量Aに2.25kW、太陽光総発電Bに0W、最大放電電力Eに2kW、最大放電電力E(2kW)で放電可能な蓄電池台数Fに1台、閾値Gに1kWを代入する(2.25kW-0W-(2kW*1台)>1kW)。そして、EMS50は、上記式(3)の左辺を計算し(0.25kW)、上記式(3)が成立しない(0.25kW>1kW)と判断する(ステップS170:NO)。
この場合、EMS50は、1台、すなわち放電優先順位が最も上位の第三蓄電システム40の蓄電池42にのみ放電指示を出して効率優先制御を終了する(ステップS180)。
図5は、以上のようにして行われた効率優先制御後の状態を示す図である。図5に示すように、第三蓄電システム40は、EMS50からの放電指示により蓄電池42を放電させている。一方、第一蓄電システム20及び第二蓄電システム30は、EMS50からの待機指示を受け、蓄電池22・32の充放電を停止している。この場合、第三蓄電システム40の蓄電池42は、各住宅Hの消費電力量(2.25kW)を賄うため、最大放電電力E(2kW)で放電する。また、この場合、第三蓄電システム40の蓄電池42だけでは不足する電力(0.25kW)が系統電源Sから供給される。
このように構成することにより、放電効率が悪い状態で蓄電池22・32・42を放電させるのを抑制することができる。すなわち、図5に示す状態において、蓄電池をもう1台(2台)放電させてしまうと、2台目(2台のうち、上流側)の蓄電池の放電電力(2.25kW-0kW-(2kW*1台))が0.25kWとなってしまい、当該蓄電池の放電効率が75%程度となってしまう(図2及び図8参照)。そこで、EMS50は、ステップS170において2台目の蓄電池の放電電力を上記式(3)の左辺(A-B-(E*F))で算出し、当該放電電力では放電効率が悪くならないのかを、閾値G(1kW)を用いて判断する。これによって、2台目の蓄電池の放電効率が悪くなると考えられる場合(閾値G未満である場合)には、2台目の蓄電池の放電を行わないようにしている(ステップS170:NO、ステップS180)。これによれば、放電効率が悪い状態で蓄電池22・32・42を放電させる(1kW未満の放電電力を放電させる)のを抑制し、放電時の電力の損失を減らして電力を有効に活用することができる。
なお、蓄電池22・32・42のうち、複数台の蓄電池を放電させる場合、上述したような最も上流側の蓄電池の放電効率が悪くなる現象が生じ易い。そこで、EMS50は、ステップS110にて前日の蓄電池22・32・42の放電指示の有無を確認することで、当日も複数台(本実施形態では全台)の蓄電池に放電指示を出すのかを予測している。これによって、複数台の蓄電池に放電指示を出すと予測される場合に(ステップS110:YES)、閾値Gを用いた蓄電池の放電台数の計算(ステップS170~S190)を行うようにして、効率優先制御による電力の有効活用と、放電優先制御による系統電源Sから購入する電力の抑制と、をバランスよく行うことができる。
図6は、図5に示す状態から各住宅Hの消費電力量(図6に示す「総消費電力量A」)が2.25kWから3.1kWへと増加した状態を示している。当該増加に伴って、系統電源Sから購入する電力が、0.25kWから1.1kWへ増加している。なお、図6に示す状態においては、それ以外に図5に示す状態から特段変わっていない。
以上のような状態において効率優先制御が行われると、EMS50は、図4の場合と同様に、最大放電電力E(2kW)で放電可能な蓄電池台数F(「1」)を算出する(ステップS160)。
その後、EMS50は、上記式(3)の総消費電力量Aに3.1kW、太陽光総発電Bに0W、最大放電電力Eに2kW、最大放電電力E(2kW)で放電可能な蓄電池台数Fに1、閾値Gに1kWを代入する(3.1kW-0W-(2kW*1台)>1kW)。そして、EMS50は、上記式(3)が成立する(1.1kW>1kW)と判断する(ステップS170:YES)。
この場合、EMS50は、放電優先順位が1位の第三蓄電システム40及び2位の第二蓄電システム30の蓄電池32・42に(2台に)放電指示を出して効率優先制御を終了する(ステップS190)。
図7は、以上のようにして行われた効率優先制御後の状態を示す図である。図7に示すように、第二蓄電システム30及び第三蓄電システム40は、EMS50からの放電指示により蓄電池32・42を放電させている。一方、第一蓄電システム20は、EMS50からの待機指示を受け、蓄電池22の充放電を停止している。この場合、下流側に配置された第二蓄電システム30の蓄電池32が最大放電電力E(2kW)で放電し、上流側に配置された第三蓄電システム40の蓄電池42が、第二蓄電システム30の蓄電池32からの電力だけでは不足する電力(1.1kW)を放電する。
このように、EMS50は、ステップS170において、上記式(3)が成立する場合に限り、蓄電池22・32・42を可能な限り(図7では2台)放電させるようにしている。これにより、放電効率が良好な状態で(閾値G(1kW)以上の放電電力で)蓄電池22・32・42を放電させつつ、系統電源Sから購入する電力を減らすことができる。
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、各住宅H(負荷)へ電力を放電可能な蓄電池22・32・42と、前記蓄電池22・32・42の放電を制御するEMS50(制御部)と、を具備し、前記EMS50は、前記蓄電池22・32・42の放電効率を考慮して設定された所定の閾値Gを超える電力を、前記蓄電池22・32・42から前記各住宅Hへ供給可能である場合に、前記蓄電池22・32・42を放電させる効率優先制御を行うものである。
このように構成することにより、放電効率が良好な状態で蓄電池22・32・42を放電させることができる。
また、前記蓄電池22・32・42は、系統電源Sと前記各住宅Hとを結ぶ配電線L(電力の供給経路)に複数設けられるものである。
このように構成することにより、放電効率が良好な状態で複数の蓄電池22・32・42を放電させることができる。
また、前記効率優先制御において、前記EMS50は、前記蓄電池22・32・42が充放電しない場合に前記系統電源Sから前記各住宅Hへ供給される非放電時の購入電力量(A-B)を前記蓄電池22・32・42の最大放電電力Eで除算した商を求め、当該商の小数点以下を切り捨てることで、前記最大放電電力Eを前記各住宅Hへ供給可能な前記蓄電池22・32・42の台数Fを算出し、当該台数Fの算出結果と同じ台数Fの前記蓄電池22・32・42を放電させるものである(ステップS160、ステップS180)。
このように構成することにより、最大放電電力Eでのみ蓄電池22・32・42を放電させることができるため、確実に放電効率が良好な状態で蓄電池22・32・42を放電させることができる。
また、前記効率優先制御において、前記EMS50は、前記非放電時の購入電力量(A-B)から、前記最大放電電力Eを前記各住宅Hへ供給な前記蓄電池22・32・42の台数F及び前記最大放電電力Eを乗算した結果を減算し(A-B-(E*F))、当該減算結果が前記所定の閾値Gを超える場合に、さらにもう1台の前記蓄電池22・32・42を放電させるものである(ステップS170:YES、ステップS180)。
このように構成することにより、閾値G以上の放電電力で蓄電池22・32・42をさらにもう1台放電させることができる。これによって、放電効率が良好な状態で蓄電池22・32・42を放電させつつ、可能な限り蓄電池22・32・42を放電させることができる。
また、自然エネルギーを利用して発電可能な太陽光発電部21・31・41(発電部)をさらに具備し、前記効率優先制御において、前記EMS50は、総消費電力量A(前記各住宅Hの消費電力量)から太陽光総発電B(前記太陽光発電部21・31・41の発電電力)を減算することで、前記非放電時の購入電力量(A-B)を算出するものである(ステップS170)。
このように構成することにより、太陽光発電部21・31・41で総消費電力量Aを賄ったとしても、非放電時の購入電力量(A-B)を簡単に算出することができる。
また、前記EMS50は、少なくとも2台以上の前記蓄電池22・32・42を前日に放電させた場合に、前記効率優先制御を行うものである(ステップS110)。
このように構成することにより、総消費電力量Aが多いことが想定される場合に効率優先制御を行うことができる。
なお、本実施形態に係るEMS50は、本発明に係る制御部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る太陽光発電部21・31・41は、本発明に係る発電部の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、電力供給システム1は、住宅街区Tに適用されるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、オフィス等に適用されるものであってもよい。
また、本実施形態において各住宅Hの戸数は、3戸であるものとしたが、これに限定されるものではなく、任意の戸数とすることができる。
また、本実施形態に係る第一蓄電システム20は、1つのパワコン(ハイブリッドパワコン23)に複数の機器(太陽光発電部21及び蓄電池22)が接続されるものであったが、第一蓄電システム20の構成はこれに限定されるものではない。第一蓄電システム20は、例えば、複数の機器(太陽光発電部21及び蓄電池22)とそれぞれ接続される複数のパワコンを具備していてもよい、これは、第二蓄電システム30及び第三蓄電システム40においても同様である。
また、本実施形態において蓄電池22・32・42及び太陽光発電部31・41・51の台数は、3台であるものとしたが、これに限定されるものではなく、任意の台数とすることができる。
また、発電部は、太陽光を利用して発電する太陽光発電部31・41・51であるものとしたが、自然エネルギー(例えば、水力や風力)を利用して発電するものであれば、これに限定されるものではない。
また、電力供給システム1は、各住宅Hへ電力を供給する機器として、少なくとも蓄電池22・32・42を具備していればよく、必ずしも太陽光発電部21・31・41を具備する必要はない。
また、EMS50は、太陽光発電部21・31・41からの電力が余剰した場合に蓄電池22・32・42の充電を行うものとしたが(ステップS130:NO、ステップS140・S150)、蓄電池22・32・42を充電するタイミングはこれに限定されるものではない。EMS50は、例えば、太陽光発電部21・31・41からの電力が余剰しない場合(ステップS130:YES、例えば、発電不能な深夜の時間帯等)において、蓄電池22・32・42の充電を行ってもよい。この場合、蓄電池22・32・42は、系統電源Sからの電力を充電すればよい。
また、EMS50は、ステップS110において、当日に複数台の蓄電池に放電指示を出すのかを予測可能であればよく、必ずしも本実施形態のように全ての蓄電池22・32・42に放電指示を出しているのかを必要はない。EMS50は、例えば、2台の蓄電池に放電指示を出しているのかを確認してもよい。
また、EMS50は、効率優先制御において、必ずしもステップS110を行う必要はなく、前日の蓄電池22・32・42に対する放電指示に関わらず、ステップS120以降の処理を行ってもよい。
また、EMS50は、ステップS20において、総消費電力量Aと太陽光総発電Bとを用いて、太陽光発電部21・31・41からの電力が余剰しているのかを確認したが、当該確認手法は、本実施形態に限定されるものではない。EMS50は、例えば、センサ部10の第三センサ13(センサ部10のうち、最も上流側に配置されるセンサ)の検出結果に基づいて、太陽光発電部21・31・41からの電力が余剰しているのかを判断してもよい。
また、EMS50は、効率優先制御において、充放電の指示を出すときに(ステップS150・S180・S190)、待機指示もあわせて出すものとしたが、待機指示を出すタイミングは、これに限定されるものではない。EMS50は、例えば、充放電の指示を出す前に(例えば、ステップS120とステップS130との間において)、待機指示を出してもよい。この場合、EMS50は、全ての蓄電池22・32・42に対して待機指示を出せばよい。
また、EMS50は、系統電源Sから購入する電力及び放電時に損失する電力を考慮して、効率優先制御及び放電優先制御を行ってもよい。具体的には、EMS50は、例えば、系統電源Sから購入する電力及び放電時に損失する電力を適宜取得して、当該購入する電力の積算値と放電時に損失する電力の積算値とを比較する。そして、EMS50は、当該比較結果に応じて効率優先制御又は放電優先制御のうち、どちらの制御を行うのかを決定する。
また、本実施形態において、閾値Gは、1kWであるものとしたが、閾値Gの値はこれに限定されるものではなく、蓄電池22・32・42の放電電力と放電効率との関係に応じて適宜設定可能である。
また、本実施形態において、最大放電電力Eは、2kWであるものとしたが、この値は一例であって、2kW以外の値であってもよい。
また、EMS50は、ステップS150において残量の少ないD台の蓄電池に充電指示を出すものとしたが、充電対象となる蓄電池の選定基準は、残量に限定されるものではなく、例えば、蓄電池22・32・42の配置(上流側又は下流側からD台)等であってもよい。