JP7073169B2 - 食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
特許文献1には、スルホコハク酸アルキルエステルを含有する液体洗浄剤組成物を硬質表面に接触させた後、機械力をかけずに放置する洗浄方法の提案がなされている。また、特許文献2には、酵素を含有する液体洗浄剤を泡生成ディスペンサーと泡成形アプリケータを用いて泡を継続的に形成して食器を洗う方法が提案されている。一方、食器洗浄用液体洗浄剤に酵素を応用する技術は、例えば、特許文献3、4を参照することができる。
一方、液体洗浄剤に酵素を配合した場合は、酵素の安定性が課題であり、従来、水溶性溶剤、塩化カルシウム、ホウ素化合物などを併用して安定化を図ることが行われている。しかし、液体洗浄剤組成物における酵素の安定性については、更なる向上が求められている。
〔(a)成分〕
(a)成分は陰イオン界面活性剤である。陰イオン界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、及びスルホ脂肪酸エステル型界面活性剤から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤(以下、(a1)成分という)が好ましい。
硫酸エステル型界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が挙げられる。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下のアルキル基、更に直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩が好適である。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、20以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下のアルキル基、更に直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基の平均付加モル数が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下である、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好適である。オキシアルキレン基は炭素数2が好ましい。
(b)成分は、(b)半極性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤である。(b)成分としては、アミンオキサイド型界面活性剤、及びベタイン型界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。具体的には、(b)成分として、アミンオキサイド、スルホベタイン及びカルボベタインから選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
一般式(b2)中、R6b及びR7bは、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
(c)成分は、酵素である。
(c)成分としては、リパーゼ、アミラーゼ、及びプロテアーゼから選ばれる1種以上の酵素が挙げられる。
(c)成分のリパーゼは、リパーゼA「アマノ」6、リパーゼAY「アマノ」30SD、リパーゼGS「アマノ」250G、リパーゼR「アマノ」、リパーゼDF「アマノ」15、リパーゼMER「アマノ」(以上、天野エンザイム(株)製)、オリパーゼ(長瀬産業(株))、リパーゼMY、リパーゼOF、リパーゼPL、リパーゼPLC、リパーゼQLM、リパーゼQLC、ホスホリパーゼD(以上、明糖産業(株)製)、リポプロテインリパーゼ(オリエンタル酵母(株)製)、リパーゼ(東洋醸造(株)製)、Lipex,Lipolase、リパーゼSP-225(以上、ノボ社製)、リパーゼ(ギスト社製)、リパーゼA、リパーゼB(以上、サッポロビール(株)製)を用いることができる。
本発明ではLipex、Lipolase(何れもノボ社製)が好適である。
本発明の食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物は、洗浄力及び酵素の保存安定性の観点から、(a)成分を0.01質量%以上5.0質量%以下含有する。組成物中の(a)成分の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。なお、本発明では、(a)成分の含有量は、ナトリウム塩に換算した含有量である。
(d)成分としては、炭素数2以上、好ましくは炭素数3以上、そして、炭素数10以下、好ましくは炭素数8以下の水溶性有機溶剤が好ましい。ここで、水溶性有機溶剤とは、オクタノール/水分配係数(LogPow)が3.5以下の溶剤を指すものとする。
本発明の食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物が(d)成分を含有する場合、該組成物は、組成物の粘度の観点から、(d)成分の水溶性溶剤を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%未満、より更に好ましくは1.8質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下含有する。
(e)成分としては、炭素数1以上3以下のアルキル基を1以上3以下有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、具体的にはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びクメンスルホン酸、並びにこれらの塩が挙げられる。塩は、ナトリウム、カリウムあるいはマグネシウム塩が良好である。(e)成分は、p-トルエンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、及びこれらの塩から選ばれる化合物が好ましい。
本発明の食器及び/又は台所周りの硬質物品の洗浄方法は、前記本発明の食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに泡の状態で、食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含有する汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品に接触させる洗浄方法である。この方法は、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
本発明の洗浄方法では、前記液体洗浄剤組成物を、希釈せずに泡の状態で、食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含有する汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品に接触させ、擦らずに濯ぐことが好ましい。
本発明の洗浄方法では、前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに泡状にして、例えば固体脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した、食器及び/又は台所周りの硬質物品と接触させ、機械力などの外力をかけずに洗浄することが好ましい。
本発明の洗浄方法では、前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに泡状にして、例えば固体脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した、食器及び/又は台所周りの硬質物品と接触させ、機械力などの外力をかけずに放置して洗浄することが好ましい。
機械力などの外力をかけずに食器及び/又は台所周りの硬質物品を洗浄するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための外力を意図的に対象物に負荷する操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が食器及び/又は台所周りの硬質物品の表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が食器及び/又は台所周りの硬質物品に伝わることなどは、機械力などの外力をかけずに食器及び/又は台所周りの硬質物品を洗浄すると理解できる。
前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品と接触させる、とは、該洗浄剤組成物を、意図的に水などで希釈した後、食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れの付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品と接触させないことである。例えば、前記液体洗浄剤組成物を水滴等が付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品と接触させたり、前記液体洗浄剤組成物を食器及び/又は台所周りの硬質物品に接触させた後、食器及び/又は台所周りの硬質物品に水滴が付着したりする場合は、前記液体洗浄剤組成物を希釈せずに食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品と接触させていると理解できる。
放置した後は、硬質物品を水で濯ぐ。濯ぐ際は、手などで外力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流で濯いでもよい。
本発明の洗浄方法として、前記液体洗浄剤組成物を、食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品と泡状にして接触させ、可撓性材料による洗浄、流水による洗浄、及び超音波による洗浄の何れも行わず、機械力などの外力をかけずにそのまま放置する、洗浄方法が挙げられる。つまり、本発明の洗浄方法として、前記液体洗浄剤組成物を、食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品に泡状にして接触させ、スポンジ等の可撓性材料による摩擦力、自動食器用洗浄機内のシャワー等による流水力、及び超音波による振動の何れも用いることなく、機械力などの外力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。
泡比容(mL/g)=泡の容量(mL)/泡の質量(g)
なお、放置する際の温度は、室温、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所、及び
(3)前記保存場所や前記調理場所の周辺の床や壁等
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、
(i)皿、椀等のいわゆる食器、
(ii)タッパー、瓶等の保存容器、
(iii)包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、
(iv)フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等
の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の洗浄方法は、食器、保存容器、調理器具、及び調理家電から選ばれる物品を対象とすることが好ましく、更に皿、椀、タッパー、ビン、包丁、まな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル、フードプロセッサー、及びミキサーから選ばれる物品を対象とすることがより好ましい。
本発明の洗浄方法の対象とする食器及び/又は台所周りの硬質物品の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
そして、本発明の洗浄方法は、これら食器及び/又は台所周りの硬質物品に付着した食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れを効果的に洗浄することができる。
そのため、本発明の洗浄方法は、
(1)食品製造機器、冷蔵庫、食器棚などのパイプ、部品及び排水溝、水筒、タンブラー、やかん、ポット等の手洗い洗浄が不便な物品、
(2)食品、食器、調理器具の保存場所、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所及びその周辺の床や壁等の台所周り等の食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れが広範に及ぶ硬質表面を有する物品、
(3)包丁、ピーラー、おろし金、スライサー、ジューサーの羽根、フードプロセッサーの羽根等の手洗い洗浄に危険が伴う物品、
(4)形状が複雑な部分を具備する物品
といった、スポンジ等の可撓性材料を用いた洗浄が困難な物品等にも適用することができる。尚、本発明では、機械力などの外力をかけずに食器及び/又は台所周りの硬質物品を洗浄した後、必要により、擦り洗いを行ってもよい。
更に、本発明の洗浄方法は、泡状の前記液体洗浄剤組成物を食器及び/又は台所周りの硬質物品に塗布してそのまま放置するため、食器及び/又は台所周りの硬質物品に前記組成物を長く留めることができる。
下記配合成分を用いて、表に示す液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。表の組成物は、食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物である。表の液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量の水に(a)成分~(c)成分並びに必要により(d)成分、(e)成分、クエン酸を添加し、室温(25℃)で溶解させた後、水酸化ナトリウム又は/及び塩酸を添加してpH(25℃)を7.0に調整した。なお、表中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。(c)成分は酵素たんぱく質としての含有量(ppm)を示している。なお、(c)成分の酵素たんぱく質は、バイオラッド社製のプロテインアッセイキットII(カタログ番号500-0002)を用い、標準アッセイ法に従って、キットに添付されたウシ血清アルブミンを標準タンパク質として定量した。
(a)成分
・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、和光純薬工業(株)製試薬
・ドデシル硫酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製試薬
・アルカンスルホン酸ナトリウム:炭素数14~17の第二級アルカンスルホン酸のナトリウム塩、Hostapur SAS 60、CLARIANT社製
(b)成分
・アミンオキサイド:アンヒトール20N、花王株式会社製、一般式(b1)中、R1bはドデシル基(炭素数12の直鎖アルキル基)、R2b及びR3bはメチル基、m及びpは0の化合物
・ベタイン:ラウリルヒドロキシスルホベタイン、アンヒトール20HD、花王株式会社製
(c)成分
・リパーゼ:製品名「Lipex Evity 100L」、Novozymes社製(有効分5%)
・アミラーゼ:製品名「Amplify Prime 100L」、Novozymes社製(有効分5%)
(d)成分
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:製品名「BDG-NS」、日本乳化剤(株)製、LogPow0.7
TOKIMEC INC.製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.1のローターを備え付けたものを準備した。表の液体洗浄剤組成物を粘度測定用ビーカーに充填し、20℃の恒温水槽中で充分に温度調節した。組成物の入ったビーカーを粘度計にセットし、ローター回転数を60r/minとして測定した60秒後の値を、組成物の粘度とした。
(3-1)複合油汚れピースの作製
牛脂と菜種油を5:5の質量比で混合したものを作製し、モデル汚れ(液体油と固体脂を等量含む油汚れのモデル汚れ、以下同様)とした。30mm(横)×80mm(縦)×1mm(厚み)のポリプロピレン試験片の質量を4桁天秤で精秤した(x)。前記ポリプロピレン試験片の片面に、下端から50mmの高さまでモデル汚れを、0.01~0.02gとなるように均一に塗布したものを作成し、複合油汚れピースとした。同汚れピースの質量を4桁天秤で精秤した(y)。
水道水で精米50gを研いだ後に、水道水150gを加えて炊飯した。炊きあがった米飯を、モデル白米汚れ(炊き上がったペースト状の白米)とした。26mm(横)×76mm(縦)×1mm(厚み)のスライドガラスを4ケタ天秤で精秤した(x)。前記ガラス試験片の片面に下端から50mmの高さまでモデル白米汚れを、0.2g±0.01gとなるように均一に塗布し、24時間乾燥させ、デンプン汚れピースとした。同汚れピースの質量を4ケタ天秤で精秤した(y)。
表の液体洗浄剤組成物について、調製直後と25℃で20日保存した後のそれぞれの組成物について洗浄率を算出した。
水平に設置した汚れピースに対して、ポンプフォーマー(ビオレu泡ハンドソープ用、花王(株)製、一回のストロークで1g吐出)を用いて、表の液体洗浄剤組成物(調製直後又は保存後)1gを泡の状態で接触させた。この時、汚れピースの汚れを付着させた部分は全て泡と接触させた。この方法では、実施例の液体洗浄剤組成物は、調製直後又は保存後の何れにおいても、泡比容が20~50mL/gの泡の状態で接触されていた。なお、ここでの泡比容は、以下の方法で測定した泡比容を接触した泡の泡比容とみなした。汚れピースを泡状の前記組成物に10分間接触後、前記汚れピースを取り出し、1分間水道水で流水すすぎをした。この時、流水すすぎの条件は、水道水の温度は25℃、流速は約4L/min、蛇口の開口部の直径は約15mmであった。開口部から5cm垂直下に位置する汚れピースに落下してくる水道水に対して汚れピースを45°になるように持ち、その角度を固定したまま汚れピースの汚れを付着させていない上端部分で流水を受け、汚れピース上を流れる水道水で洗浄部分片面全体をすすいだ。このとき、10秒毎に表裏を変えて交互にすすいだ。すすぎ終了後、汚れピースを乾燥させた後、4桁天秤で質量を精秤した(z)。以下の式で洗浄率を求めた。洗浄率の数値は大きい方が好ましく、この方法では50%以上が合格水準である。
洗浄率(%)={(y)-(z)}/{(y)-(x)}×100
表に記載の液体洗浄剤組成物(調製直後又は保存後)を、ポンプフォーマー(ビオレu泡ハンドソープ用、花王(株)製、一回のストロークで1g吐出)に充填した。内径3.5mmのプラスチック製200mlメスシリンダーの質量(g)を下2桁天秤で測定した(a)。組成物を、200mlメスシリンダー内に5回泡状に吐出させ、吐出から10秒後、200mlメスシリンダーと泡の質量(g)を下2桁天秤で測定し(b)、またメスシリンダー内の泡の容量(ml)を測定した(c)。以下の式を用いて泡比容を求めた。この泡比容を、前記(3-3)で接触させた泡の泡比容とした。
泡比容(ml/g)=(c)/{(b)-(a)}
(4-1)リパーゼ残存活性の測定
リパーゼキットS(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を用いて行った。発色液、反応停止液、基質液、エステラーゼ阻害液を添付のマニュアルに従って調製した。
1つの組成物について、ガラス製試験管を2本用意し、1本を評価用(A)、もう1本をコントロール用(B)とした。A、B、両方の試験管に、発色液1mL、表の組成物50μLを加えて混和した後に、エステラーゼ阻害液20μL添加した。その後、各試験管を30℃5分間プレインキュベートした。
更に試験管Aにのみ基質液100μLを加えて、直ちに30±1℃で正確に30分間インキュベートした。インキュベーション終了後に反応停止液2mLを、A、B、両方の試験管に加え混和した。その後、試験管Bにのみ基質液を100μL加えて混和した。
イオン交換水でゼロ点補正を行い、A、B各サンプルの412nmにおける吸光度AbsA、AbsBを測定し、下記式に従って残存活性を算出した。リパーゼの残存活性率が大きいほど、酵素の保存安定性に優れているため好ましい。
リパーゼの残存活性率(%)=100×(保存後のAbsA-保存後のAbsB)/(保存前のAbsA-保存前のAbsB)
表の液体洗浄剤組成物をガラス製透明容器(規格瓶No.11)に入れ、25℃の恒温室に1週間保存し、保存前の組成物と保存後の組成物の酵素活性をそれぞれ次に示す方法で測定し、酵素(アミラーゼ)の残存活性率を求めた。
保存前後の液体洗浄剤組成物0.5gを秤量してあらかじめ氷冷したイオン交換水4.5mL加え撹拌した。これを希釈液(1)とした。
別の試験管に前記希釈液(1)0.5mLと氷冷しておいたイオン交換水4.5mLとPMSFエタノール希釈液(フッ化フェニルメチルスルホニル(phenylmethylsulfonyl fluoride)0.0348gを2mLのエタノール(1級)に溶解させたもの)50μLを加えて撹拌した。これを希釈液(2)とした。50μM Britton-Robinson Buffer(阿南功一ら著. 基礎生化学実験法6. P277. 丸善株式会社を参照して作製)4mLを試験管に準備(50℃)した。これを希釈液(3)とした。前記希釈液(3)の入った試験管にファデバスアミラーゼテスト(シノテスト社製)を1錠加えて、撹拌した後、50℃で10分間保持した。次いで、前記希釈液(3)の液に、前記希釈液(2)200μL加えて、50℃で15分間保持した。1N-NaOHを1μL加え、撹拌して反応を停止させた。400Gで5分間遠心分離後、得られた遠心上澄の620nmにおける吸光度を測定し、次式によりアミラーゼの残存活性率を計算した。アミラーゼの残存活性率が大きいほど、酵素の保存安定性に優れているため好ましい。
アミラーゼの残存活性率(%)=100×保存後の吸光度/保存前の吸光度
Claims (5)
- (a)陰イオン界面活性剤〔以下(a)成分という〕を0.01質量%以上5.0質量%以下、(b)半極性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤〔以下(b)成分という〕を0.01質量%以上5.0質量%以下、(c)酵素をタンパク質として0.1ppm以上1000ppm以下、並びに水を含有し、(a)成分/(b)成分の質量比が0.01以上1未満である、食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物。
- (a)成分及び(b)成分を合計で0.1質量%以上10質量%以下含有する、請求項1記載の食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物。
- 20℃における粘度が10mPa・s以下である、請求項1又は2記載の食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物。
- 請求項1~3の何れか1項記載の食器及び/又は台所周りの硬質物品用液体洗浄剤組成物を希釈せずに泡の状態で、食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れが付着した食器及び/又は台所周りの硬質物品に接触させる、食器及び/又は台所周りの硬質物品の洗浄方法。
- 前記液体洗浄剤組成物を、泡比容が2mL/g以上の泡の状態で食品に由来する油脂及び/又はデンプンを含む汚れに接触させる、請求項4記載の洗浄方法。
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