JP7072948B1 - 合板用接着剤の製造法とその接着剤における充填剤の製造法並びに製造装置 - Google Patents

合板用接着剤の製造法とその接着剤における充填剤の製造法並びに製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】木質バイオマス燃焼灰の全量を無駄に廃棄処分せず、その燃焼灰から合板用接着剤の材料となる充填剤を製造する方法を提供する。【解決手段】木質バイオマスボイラー発電プラント(P)から排出される木質バイオマス燃焼灰(M)を、その備蓄供給装置(15)から乾燥機(45)までの所要長さだけ配管された搬送管路(30)に沿う搬送中での給水によりスラリー化して、その燃焼灰スラリーを40質量%未満の濃度で、その平均粒子径が4~50μm且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上になるまで湿式粉砕した後、上記ボイラー発電プラント(P)から供給される蒸気を加熱源とする乾燥機(45)により加熱乾燥して、合板用接着剤の充填剤になる固形物を得る。【選択図】図1

Description

本発明は合板用接着剤における充填剤の製造法と製造装置並びにその充填剤を使用した合板用接着剤の製造法に関する。
合板の製造工場において発生する樹皮や剥き芯、各種木屑は、カーボンニュートラルの観点から二酸化炭素(CO2)の排出削減に貢献できる木質バイオマス燃料になり、しかも化石燃料に比べて発熱量当たりの燃料単価が安くなるため、これを使う蒸気タービン式木質バイオマスボイラー発電プラントの普及に役立つ。
これによれば、合板の製造上必要な熱(蒸気)と電力を、そのボイラー発電プラントから供給されるエネルギーによって賄える利点がある反面、合板を大量生産すればする程、ますます大量のボイラー燃焼灰が発生すると共に、その製造ラインの貼り上げ工程で使う合板用接着剤も、ますます大量に必要となる。
上記木質バイオマスボイラー燃焼灰(以下、単に「木質バイオマス燃焼灰」という。)は建築廃材を含まないので、有効に活用されるものであれば、産業廃棄物とみなされないことになっているが、その処理コストや搬送コスト、製造コストなどがかかるため、有効利用されておらず、合板製造メーカーや発電事業者が未だ産業廃棄物として有償処分している現状であり、その有効利用が求められている。
この点、都市ゴミや建築廃材、その他の廃棄物を含まない単一の木質バイオマス燃焼灰を、例えば肥料や土壌改良剤、研磨剤、各種プラスチックの添加剤、建築資材としての保温材や耐火材などに利用することは、特許文献1~4に記載されているが、合板製造工場のボイラー発電プラントから発生した上記木質バイオマス燃焼灰を合板用接着剤の材料になる充填剤として、その合板を製造するために再資源化することについては開示されていない。このような用途を開発できれば、その燃焼灰の輸送コストや製造コストなどが不要になると考えられる。
特許第6391603号公報 特開2016-166115号公報 特開2009-35641号公報 特開2018-58717号公報
発明が解決しようとする課題並びにその課題を解決するための手段
本発明は上記のような現状の要請に応えて、特に木質バイオマスボイラー発電プラントから発生する木質バイオマス燃焼灰を、合板の製造上リサイクル的に有効利用できるように工夫したものであり、そのために提供する合板用接着剤における充填剤の製造法として、請求項1では木質バイオマスボイラー発電プラントから排出される木質バイオマス燃焼灰を、その備蓄供給装置から乾燥機まで配管された搬送管路に沿う搬送中での給水によりスラリー化して、そのスラリー化した燃焼灰スラリーを40質量%未満の濃度で、
その平均粒子径が4~50μmで、且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上になるまで湿式粉砕し、
その粉砕した燃焼灰スラリーを、上記ボイラー発電プラントから供給される蒸気を加熱源とする乾燥機により加熱乾燥して、
合板用接着剤の充填剤になる固形物を得ることを特徴とする。
請求項2では合板用接着剤の充填剤になる固形物の含水率を10%以下に設定したことを特徴とする。
また、請求項3では合板用接着剤における充填剤の製造装置として、合板製造ラインに熱電エネルギーを供給する木質バイオマスボイラー発電プラントと、
そのボイラー発電プラントにおいて予め加水処理された木質バイオマス燃焼灰の備蓄供給装置から始まり、乾燥機で終わる所要長さだけ配管された搬送管路と、
上記木質バイオマス燃焼灰をその搬送管路に沿う搬送中において、合板製造ラインの合板貼り上げ工程から発生する洗浄水の供給によりスラリー化すると共に、そのスラリー化した燃焼灰スラリーを40質量%未満の濃度で湿式粉砕すべく、
上記搬送管路の途中に介挿設置された湿式粉砕装置と、
その粉砕装置による粉砕後の燃焼灰スラリーを、上記ボイラー発電プラントから供給される蒸気を加熱源として加熱乾燥すべく、同じく上記搬送管路の終点に設置された乾燥機とを備え、
上記粉砕装置によって燃焼灰スラリーをその平均粒子径が4~50μmで、且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上になるまで繰り返し微粉砕すると共に、
その粉砕後の燃焼灰スラリーを上記乾燥機により加熱乾燥して、合板用接着剤の充填剤になる固形物を得ることを特徴とする。
更に、請求項4では合板用接着剤の製造法として、請求項1記載の製造法により得た乾燥固形物を充填剤として使用し、主剤であるフェノール樹脂100重量部に対する20~30重量部の比率だけ混合することを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、合板の製造工場に言わば併設されている木質バイオマスボイラー発電プラントから発生する木質バイオマス燃焼灰の全量を、無駄に廃棄処分してしまうことなく、その木質バイオマス燃焼灰から合板用接着剤の材料として有効な充填剤を量産することができ、これを使用することにより、従来から充填剤として一般的に使われている炭酸カルシウムの調達費や維持管理費などを削減できる効果がある。
しかも、その合板用接着剤の充填剤は木質バイオマス燃焼灰のスラリー化した燃焼灰スラリーを、40質量%未満の濃度(固形分濃度)で湿式粉砕した後、加熱乾燥することにより、その平均粒子径が4~50μmで、且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上の固形物(粉粒体)として固形化されているため、接着剤(糊液)内の高い充填率と、延いては均一・安定な接着膜を得られるのであり、その接着剤における接着強度の向上に寄与する。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、上記乾燥固形物の含水率10%以下は充填剤に適しており、その乾燥固形物が凝集して、求められる粒子径が過大な固形物となることにより、合板用接着剤における接着力の低下を招来するおそれはない。
また、請求項3の構成によれば、上記木質バイオマス燃焼灰を所要長さの搬送管路に沿う搬送中において、そのスラリー化と湿式粉砕装置による繰り返し微粉砕並びに乾燥機による加熱乾燥が行われるようになっているため、上記燃焼灰の特別な輸送費が不要であり、そのボイラー発電プラントから排出される木質バイオマス燃焼灰を、効率良く合板用接着剤の充填剤として再資源化することができる。
その充填剤を製造するための装置としても、合板製造ラインの合板貼り上げ工程から発生する洗浄水を利用して、上記木質バイオマス燃焼灰をスラリー化するようになっているほか、その湿式粉砕された燃焼灰スラリーの乾燥機は、ボイラー発電プラントから供給される蒸気を加熱源として利用しているので、著しく合理的であり、合板製造工場の敷地内へ容易に設置することができる。
更に、請求項4の構成によれば、その燃焼灰スラリーの乾燥固形物から成る充填剤は、空気を含有しないため、高密度の性状を保ち、高い充填率を確保できる結果、合板用接着剤における接着強度の向上に役立つほか、その接着剤の主剤であるフェノール樹脂100重量部に対する20~30重量部は、上記乾燥固形物の充填剤を炭酸カルシウムの全量と置換できる混合比率であるため、その従来の充填剤である炭酸カルシウムに代えて、有効に使用することができる利点もある。
合板製造工場における設備のレイアウトと工程フローの全体を示す模式図である。 合板製造ラインの工程フロー図である。 合板用接着剤における充填剤製造ラインの構成を示す模式図である。 図1と対応する変形実施形態の全体を示す模式図である。 図3と対応する同じく変形実施形態の構成を示す模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述する。図1は合板製造工場における設備のレイアウトと工程フローの模式図であり、合板製造ラインの工程フローを太い実線の矢印、その製造工程から発生する各種木屑の搬送フローを鎖線の矢印、合板用接着剤における充填剤製造ラインの工程フローを細い実線の矢印によって各々示している。
図1から全体を鳥瞰できるように、合板製造工場(F)がある敷地内には、木質バイオマスボイラー発電プラント(バイオマスエネルギーセンター)(P)が併設されており、そのボイラー発電プラント(P)から供給される熱(蒸気)エネルギーと電気エネルギーが、合板製造工場(F)内の合板製造ライン(A)と木質バイオマス燃焼灰から合板用接着剤の充填剤を製造するライン(B)において有効利用されるようになっている。
上記ボイラー発電プラント(P)は蒸気タービン方式のそれであって、木質バイオマスボイラー(10)とその木質バイオマス燃料を貯蔵するサイロ(11)並びに水中コンベア(12)を備えており、その水中コンベア(12)での加水処理によって、上記ボイラー(10)内における負圧の維持や木質バイオマス燃焼灰(M)の消火、その燃焼灰(M)の飛散防止などを達成している。
その場合、上記燃焼灰(M)は加水処理を受けて濡れた状態にあるが、含水率が高いと、付着性が増大し、コンベアによる搬送困難やその他の設備トラブルを起こしやすくなるため、30%以下の低い含水率に保つことが好ましい。
そして、その木質バイオマス燃焼灰(M)は上記ボイラー発電プラント(P)の外部に隣接する灰置き場(13)から、ホイールローダーなどの車両(14)によって、合板用接着剤の充填剤製造ライン(B)の搬送始点に位置する灰備蓄供給装置(15)まで運搬され、そこに一旦備蓄されることとなる。
他方、合板製造工場(F)内に配列設置されている合板製造ライン(A)は、主に構造用合板のそれとして、図1の太い実線矢印や図2の工程フローで示すように、原木蒸煮工程(16)から原木剥き出し工程(17)→単板乾燥工程(18)→単板選別・調板工程(19)→貼り上げ(接合)工程(20)→冷圧(仮圧締)工程(21)→熱圧(本成型)工程(22)→寸法切断・サンダー掛け(表面仕上げ)工程(23)→検査工程(24)に至るまでの諸工程を備えており、これら複数の工程を経由することによって、目的とする合板の製造が行われる。
上記合板製造ライン(A)の工程フローによる製造法は、従来から一般的に実施されているそれであるため、その詳細な説明は省略するが、上記貼り上げ工程(20)において使用される合板用接着剤、就中その材料となる充填剤は後述するように本発明だけに特有のものであり、新規性を有する。
また、上記合板製造工程のうち、原木剥き出し工程(17)から発生する剥き芯や鉋屑と、単板調板工程(19)から発生する単板屑と、寸法切断・サンダー掛け工程(23)から発生する切断屑やサンダー粉などは、図1の鎖線矢印で示す如く、すべて図外のスクリューコンベアやチエンコンベア、風送、その他の搬送手段により木屑搬送管路(25a)(25b)(25c)に沿って、上記ボイラー発電プラント(P)のサイロ(11)へ集中・搬送され、そこに貯蔵されるようになっている。
尚、合板製造工場(F)に隣接する屋外の原木置き場(26)や原木蒸煮工程(16)から発生する樹皮と、上記貼り上げ工程(20)や冷圧工程(21)、熱圧工程(22)並びに単板乾燥工程(18)から発生する単板屑と、使用できない原木はウッドホッガー(27)によって粉砕された後、ホイールローダーなどの車両により一旦燃料投入ライン(28)へ集中的に運搬され、その燃料投入ライン(28)の底部からやはり木屑搬送管路(25d)のスクリューコンベアやチエンコンベア、その他の搬送手段(図示省略)によって、上記サイロ(11)へ搬送され、そのすべての各種木屑が木質バイオマス燃料として、上記ボイラー発電プラント(P)のボイラー(10)へ無駄なく供給・利用されるようになっている。(29)はウッドホッガー(粉砕機)用置き場である。
次に、木質バイオマス燃焼灰(M)から合板用接着剤の充填剤を製造するライン(B)について、図1、3に基づき説明すると、これはその予め加水処理された上記木質バイオマス燃焼灰(M)の備蓄供給装置(15)から、後述のスラリー用乾燥機に至るまでの所要長さだけ敷設された搬送管路(30)と、上記燃焼灰(M)をスラリー化すると共にその燃焼灰スラリーを湿式粉砕すべく、その搬送管路(30)の途中に介挿設置された粉砕装置(塔式粉砕機)(31)と、その湿式粉砕後の燃焼灰スラリーを一旦備蓄するための撹拌機(32)付きスラリー受けタンク(33)を備えている。
上記ボイラー発電プラント(P)の水中コンベア(12)による加水処理を受けて、好ましくは含水率30%以下の濡れた状態にある燃焼灰(M)は上記備蓄供給装置(15)から、その底部に具備されている図外のスクリューコンベアにより、図3に示す如く上記充填剤製造ライン(B)のフライトコンベア(34)とスクリューコンベア(35)を介して湿式粉砕装置(31)へ搬送され、その粉砕装置(31)の上部(投入口)から定量投入されるようになっている。
同じく粉砕装置(31)の別な上部(投入口)からは、上記燃焼灰(M)をスラリー化するための希釈液(調整液)となる工業用水(新水)又は工程排水も投入されるようになっている。その場合、その粉砕装置(31)の水投入口と上記合板製造ライン(A)の就中貼り上げ工程(20)とは、図外の給水管路により連結されており、その貼り上げ工程(20)から発生する洗浄水が、上記スラリー化するための希釈液(調整液)として利用されるようになっている。合板製造工場(F)の休み明けなどにおいて、洗浄水がないような場合には、その代わりとなる工業用水(新水)を使えば良い。
上記湿式粉砕装置(31)は図3から明白なように、撹拌機(36)のスクリュー(螺旋状のライナー)(37)により粉砕ボール(38)を撹拌して、そのボール(38)により上記燃焼灰スラリーを湿式粉砕する装置であり、その粉砕処理された燃焼灰スラリーはオーバーフローによって、自ずと水簸槽(39)に送られ、その水簸槽(39)内でも撹拌機(40)により撹拌されて、大きな粒子径のそれが水簸槽(39)の底部に沈降し、分離される。
その沈降した未だ大きな粒子径の燃焼灰スラリーは、ホースポンプなどの循環用ポンプ(41)によって、再び粉砕装置(31)に送られ、その循環中に目標とする粒子径まで繰り返し粉砕されるようになっている。その目標とする燃焼灰スラリーの粒子径としては、合板用接着剤の材料である充填剤に適した平均粒子径が4~50μmで、且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上に定める。
その場合、上記燃焼灰スラリーの平均粒子径が4μmよりも小さく、また最小粒子径が0.3μmよりも小さいと、合板用接着剤の時間経過による粘度上昇が起こりやすく、貼り上げ作業性に劣るため、好ましくない。他方、平均粒子径が50μmよりも大きく、また最大粒子径が100μmよりも大きいと、上記接着剤における充填剤の沈降が起こりやすく、単板へ均一に塗布し難くなるため、好ましくない。
また、上記粉砕装置(31)に対する木質バイオマス燃焼灰(M)の定量投入については、図3に示すような燃料灰スラリーの循環経路に介挿設置したスラリー濃度計(ガンマ線式密度計)(42)によって、その粉砕装置(31)内における燃焼灰スラリーの濃度(固形分濃度)を常時監視し、その濃度を調整制御する必要がある。
この点、上記濃度を上げるために、未粉砕の燃焼灰を追加投入すると、その燃焼灰スラリーの粒度が粗くなってしまうので、工業用水又は工程排水の投入による希釈(調整)のみにする必要があり、そのため粉砕装置(31)に対する上記燃焼灰の投入量については、湿式粉砕中の濃度変動に備えて、目標とする濃度よりも約2~5%だけ高くなるように投入することが望ましい。
何れにしても、上記粉砕装置(31)による木質バイオマス燃焼灰のスラリー化とその湿式粉砕中には、その粉砕装置(31)へ合板製造工程から発生する工程排水又は工業用水を投入して、その燃焼灰スラリーの濃度(固形分濃度)が最終的に40質量%未満となるように希釈(調整)するのである。
上記スラリー濃度については合板用接着剤における粘度調整との関係上、その燃焼灰スラリーに含まれる水分量が接着剤における水配合量の基準を越えないように、その水投入量を制限する必要があり、その意味から言えばスラリー濃度が高く、水分量の少ない程、木質バイオマス燃焼灰をますます多く利用できることになるため、望ましいけれども、40質量%を超える程高濃度であると、これを合板用接着剤の材料である充填剤として使用した時、その接着剤における接着力の低下するおそれがあり、流動性も悪くなって、粉砕や搬送などの困難を招くため、好ましくない。
上記の目標とする粒子径まで微粉砕された燃焼灰スラリーは、その後図3に示す粉砕装置(塔式粉砕機)(31)の中途高さ位置(排出口)から第1ポンプ(43)により、撹拌機(32)付きスラリー受けタンク(33)へ排出されて、そのタンク(33)内に一旦貯溜され、そこから引き続き第2ポンプ(44)により乾燥機(45)へ圧送され、その乾燥機(45)の循環用ポンプ(46)と相俟って繰り返し加熱乾燥されるようになっている。
上記乾燥機(45)は木質バイオマスボイラー発電プラント(P)から供給される蒸気を加熱源として、上記燃焼灰スラリーを繰り返し乾燥することにより、合板の製造上必要な合板用接着剤の充填剤となる固形物を形成するものであり、上記搬送管路(30)の終点位置に設置されている。(47)はその乾燥機(45)の排気用ファンを示している。
その場合、その燃焼灰スラリーにおける乾燥固形物の含水率としては、合板用接着剤の充填剤に適した10%以下、好ましくは5~10%に設定する。その含水率が10%を超えると、乾燥固形物が凝集してしまい、要求される粒子径よりも大きな固形物となり、接着剤における接着力の低下するおそれがある。
何れにしても、合板用接着剤の充填剤になる上記燃焼灰スラリーの乾燥固形物は、その乾燥機(45)から固形物置き場(48)に受け入れられ、接着剤の充填剤として使用に供されるまでの間、その置き場(48)に言わば備蓄されることとなる。
そして、本発明では上記湿式粉砕された燃焼灰スラリーの乾燥固形物から成る充填剤を、主剤であるフェノール樹脂(水溶液)の100重量部に対する20~30重量部の比率として、その他の例えば硬化促進剤(重炭酸ナトリウム)1重量部、小麦粉10重量部並びに粘度調整剤(水)4重量部と混合することにより、合板用接着剤を調製するのである。
そうすれば、その燃焼灰スラリーの乾燥固形物から成る充填剤は、従来公知の充填剤である木粉や樹皮の粉末のような空隙がなく、空気を含有しないため、既に説明した粒子径の数値とも相俟って、高密度の性状を保ち、その結果合板用接着剤(糊液)中の充填率が高くなり、充填剤としてふさわしく、延いては接着剤における接着強度の向上に役立つ。
また、合板用接着剤の充填剤として一般的に使用されている炭酸カルシウムは、たとえ安価であっても、その調達費や維持管理費などが必要となるほか、高硬度の固形物であるため、合板製造ライン(A)の寸法切断工程(23)において使用する刃物が摩耗しやすく、早期の交換を余儀なくされる問題もある。
この点、上記燃焼灰スラリーの乾燥固形物から成る充填剤は、合板製造工場(F)のボイラー発電プラント(P)から発生した木質バイオマス燃焼灰を有効利用しており、その硬度についても炭酸カルシウムよりはるかに軟らかいため、上記問題がないばかりでなく、炭酸カルシウムよりも高アルカリ性(pH:11.75以上)であるため、合板用接着剤の主剤であるフェノール樹脂の水溶液を製造する際のアルカリ性反応触媒として有効に働き、合板用接着剤を短時間での効率良く硬化させることができる利点もある。
次に、図4、5は図1、3と対応する本発明の変形実施形態を示す模式図であり、その変形実施形態では図4、5から明白なように、上記固形物置き場(48)に代わる固形物受け入れタンク(49)が設置されていて、上記燃焼灰スラリーの乾燥固形物が乾燥機(45)からスクリューコンベア(50)により、その固形物受け入れタンク(49)へ搬送され、一旦備蓄できるようになっている。
そして、その固形物受け入れタンク(49)からは上記乾燥固形物が合板用接着剤の充填剤として使用されるたびに、そこから第1、2スクリューコンベア(51)(52)並びにバケットコンベア(53)によって計量タンク(54)へ搬送され、その計量タンク(54)において計量された上記乾燥固形物の必要量ずつが、更に第3スクリューコンベア(55)によってミキサー(撹拌機付き混合タンク)(56)へ送り込まれるようになっている。
上記燃焼灰スラリーの乾燥固形物が合板用接着剤の充填剤として、ミキサー(56)により既に例示した主剤のフェノール樹脂(水溶液)やその他の必要な材料と所定比率に混合・調製されるのであり、その調製された合板用接着剤は上記ミキサー(56)から第3ポンプ(57)によって、合板製造ライン(A)の貼り上げ工程(20)へ圧送され、その貼り上げ工程(20)において単板を接着するために使用されることとなる。
図4、5に示す充填剤製造ラインの上記構成によれば、木質バイオマス燃焼灰スラリーの乾燥固形物から成る充填剤を、その製造後合板用接着剤のそれとして使用すべく、上記固形物受け入れタンク(49)から主剤のフェノール樹脂(水溶液)やその他の材料と混合・調製するミキサー(56)まで送り込むと共に、その調製した接着剤をミキサー(56)から更に合板製造ライン(A)の貼り上げ工程(20)まで供給することを、言わば自動化されたラインとして行うこともできる利点がある。
何れにしても、上記燃焼灰スラリーの乾燥固形物(粉粒体)から成る充填剤は、従来から一般的に充填剤として採用されている炭酸カルシウムの全量に代えて、合板用接着剤の主剤であるフェノール樹脂(水溶液)の100重量部に対する20~30重量部の混合比率として使用することができるが、その置換率25%程度として炭酸カルシウムと併用してもさしつかえない。
(10)・・・木質バイオマスボイラー
(11)・・・サイロ
(12)・・・水中コンベア
(13)・・・灰置き場
(14)・・・運搬車両
(15)・・・灰備蓄供給装置
(30)・・・搬送管路
(31)・・・粉砕装置
(32)(36)(40)・・・撹拌機
(33)・・・スラリー受けタンク
(34)・・・フライトコンベア
(35)(50)(51)(52)(55)・・・スクリューコンベア
(37)・・・スクリュー
(38)・・・粉砕ボール
(39)・・・水簸槽
(41)(46)・・・循環用ポンプ
(42)・・・スラリー濃度計
(43)(44)(57)・・・ポンプ
(45)・・・乾燥機
(48)・・・固形物置き場
(49)・・・固形物受け入れタンク
(53)・・・バケットコンベア
(54)・・・計量タンク
(56)・・・ミキサー
(A)・・・・合板製造ライン
(B)・・・・合板用接着剤の充填剤製造ライン
(F)・・・・合板製造工場
(M)・・・・木質バイオマス燃焼灰
(P)・・・・ボイラー発電プラント

Claims (4)

  1. 木質バイオマスボイラー発電プラントから排出される木質バイオマス燃焼灰を、その備蓄供給装置から乾燥機まで配管された搬送管路に沿う搬送中での給水によりスラリー化して、そのスラリー化した燃焼灰スラリーを40質量%未満の濃度で、
    その平均粒子径が4~50μmで、且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上になるまで湿式粉砕し、
    その粉砕した燃焼灰スラリーを、上記ボイラー発電プラントから供給される蒸気を加熱源とする乾燥機により加熱乾燥して、
    合板用接着剤の充填剤になる固形物を得ることを特徴とする合板用接着剤における充填剤の製造法。
  2. 合板用接着剤の充填剤になる固形物の含水率を10%以下に設定したことを特徴とする請求項1記載の合板用接着剤における充填剤の製造法。
  3. 合板製造ラインに熱電エネルギーを供給する木質バイオマスボイラー発電プラントと、
    そのボイラー発電プラントにおいて予め加水処理された木質バイオマス燃焼灰の備蓄供給装置から始まり、乾燥機で終わる所要長さだけ配管された搬送管路と、
    上記木質バイオマス燃焼灰をその搬送管路に沿う搬送中において、合板製造ラインの合板貼り上げ工程から発生する洗浄水の供給によりスラリー化すると共に、そのスラリー化した燃焼灰スラリーを40質量%未満の濃度で湿式粉砕すべく、
    上記搬送管路の途中に介挿設置された湿式粉砕装置と、
    その粉砕装置による粉砕後の燃焼灰スラリーを、上記ボイラー発電プラントから供給される蒸気を加熱源として加熱乾燥すべく、同じく上記搬送管路の終点に設置された乾燥機とを備え、
    上記粉砕装置によって燃焼灰スラリーをその平均粒子径が4~50μmで、且つ最大粒子径が100μm以下、最小粒子径が0.3μm以上になるまで繰り返し微粉砕すると共に、
    その粉砕後の燃焼灰スラリーを上記乾燥機により加熱乾燥して、合板用接着剤の充填剤になる固形物を得ることを特徴とする合板用接着剤における充填剤の製造装置。
  4. 請求項1記載の製造法により得た乾燥固形物を充填剤として、主剤であるフェノール樹脂100重量部に対する20~30重量部の比率だけ混合することを特徴とする合板用接着剤の製造法。
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