JP5312073B2 - 流動床ボイラ用木質系バイオマスの粉砕方法 - Google Patents

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Description

この発明は、流動床ボイラに木質系バイオマスを燃料として供給する際の木質系バイオマスの粉砕方法に関する。
近年、電気事業者による新エネルギ等の利用に関する特別措置法(RPS法)の施行などに伴い、バイオマスを燃料として活用する試みや実運用が広く行われている。このような状況の下、間伐材や建築廃木材などの木質系バイオマスを、燃料としてボイラに供給するための粉砕方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この粉砕方法は、木質系バイオマスをチップの状態から少なくとも2段以上に粉砕して3mm以下の粒度にするとともに、最終段の粉砕前に木質系のペレットを混合して粉砕してバイオマス燃料を得る。そして、粉砕性に優れた木質系のペレットを混合するため、木質系バイオマスの粉砕動力が低減され、木質系バイオマスの入手量の季節変動などがあっても、安定的に木質系バイオマスを供給することができる、というものである。
特開2005−291536号公報
ところで、加圧流動床複合発電(PFBC:Pressurized Fluidized Bed Combustion)などでは、下側から空気を吹き付けて燃料と流動媒体(ベッドマテリアル)とを浮遊(流動)させ、浮遊状態の燃料を燃やす流動床(流動層)ボイラが用いられている。このような流動床ボイラに木質系バイオマスを燃料として使用する試みは、これまでになされておらず、木質系バイオマスを燃料として使用する場合に、木質系バイオマスをどのくらいの大きさにして流動床ボイラに供給すべきであるかが不明であった。また、流動床ボイラでは、石炭と石灰石と水などを混合した湿式でペースト状の燃料(CWP:Coal Water Paste)を使用する、という特徴を有する。
このため、このような流動床ボイラに対して木質系バイオマスを燃料として供給するための粉砕方法が求められる。これに対して上記特許文献1の粉砕方法では、3mm以下の粒度に粉砕するが、流動床ボイラに供給するのに必ずしも3mm以下に粉砕する必要がない場合がある。また、特許文献1の粉砕方法では、木質系バイオマスをチップ状に破砕する工程を含めて、3段階以上の粉砕工程を経なければならないため、設備費がかさむことになる。
そこでこの発明は、適正かつ簡易に木質系バイオマスを燃料として流動床ボイラに供給することを可能にする木質系バイオマスの粉砕方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、木質系バイオマスを石炭と水などと混合、撹拌してペースト状の燃料を生成した際に、前記ペースト状の燃料が流動床ボイラへの供給に適した粘度になるような大きさを適正大とし、第1の粉砕手段によって素材状態の木質系バイオマスを切断するとともに粉砕し、前記第1の粉砕手段で粉砕されたチップ状の木質系バイオマスを、選別手段で選別して、前記適正大以下のチップ状の木質系バイオマスを前記燃料用として保管し、前記適正大よりも大きいチップ状の木質系バイオマスを第2の粉砕手段によってさらに細かく粉砕し、前記第2の粉砕手段で粉砕されたチップ状の木質系バイオマスを、前記選別手段で選別して、前記適正大以下のチップ状の木質系バイオマスを前記燃料用として保管する、ことを特徴とする流動床ボイラ用木質系バイオマスの粉砕方法である。
請求項1に記載の発明によれば、木質系バイオマスをペースト状の燃料とした場合に、流動床ボイラへの供給に適した粘度になるような大きさに、木質系バイオマスを粉砕すればよいため、適正かつ簡易に木質系バイオマスを燃料として流動床ボイラに供給することが可能となる。すなわち、流動床ボイラへの供給に適した粘度になるような大きさ(適正大)であれば、それ以上に(必要以上に)細かく粉砕する必要がないため、粉砕に要する工程、工数を削減できる。しかも、適正大であれば、ペースト状の燃料が流動床ボイラへの供給に適した粘度になるため、木質系バイオマスを燃料として適正に流動床ボイラに供給することが可能となる。
また、第1の粉砕手段で素材状態の木質系バイオマスを粉砕し、適正大よりも大きいチップ状の木質系バイオマスのみを、第2の粉砕手段でさらに細かく粉砕するだけである。つまり、多くとも2工程(2段階)の粉砕によって、流動床ボイラへの供給に適した大きさの木質系バイオマスを生成するため、工数や設備費を抑えることが可能となる。
この発明の実施の形態に係る竹破砕設備を含む木質系バイオマス供給設備を示す概略構成図である。 図1の木質系バイオマス供給設備の一部を示す図である。 この発明の実施の形態に係る竹破砕設備による粉砕工程を示す図である。 図3の粉砕工程において10mm以下チップを貯蔵する工程を示す図である。 図4の工程で貯蔵された10mm以下チップをチップホッパに投入する工程を示す図である。 図5の工程の後に、10mm以下チップを混練機用給炭機側に送る工程を示す図である。 この発明の実施の形態における発電所内の空気系統を示す図である。 図1の木質系バイオマス供給設備以降の設備の一部を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る竹破砕設備(流動床ボイラ用木質系バイオマスの粉砕設備)2を含む木質系バイオマス供給設備を示す概略構成図である。この木質系バイオマス供給設備は、木質系バイオマスを燃料として加圧流動床ボイラ(流動床ボイラ)7に供給する設備であり、主として、混練機用給炭機1と、竹破砕設備2と、混練機3と、粘度計4と、CWPタンク5と、CWPポンプ6とを備えている。ここで、木質系バイオマスには間伐材や建築廃木材、コーヒーかすなどが含まれ、この実施の形態では、木質系バイオマスが竹の場合について説明する。
混練機用給炭機1は、中継ホッパから供給された粗粉砕炭(石炭)と、石灰石コンベヤを介して石灰石バンカから供給された石灰石とを受け入れて、これらを混練機3に供給するコンベヤである。すなわち、図2に示すように、混練機用給炭機1のコンベヤ11の一端側で粗粉砕炭と石灰石とを受け入れ、他端側から粗粉砕炭と石灰石とを混練機3に供給するものである。
竹破砕設備2は、木質系バイオマスである竹をチップ状に破砕(粉砕)する設備であり、図3に示すように、1次破砕装置(第1の粉砕手段)21と、選別機(選別手段)22と、2次破砕装置(第2の粉砕手段)23とを備えている。1次破砕装置21は、素材状態の竹Mを破砕する装置であり、この実施の形態では、移動式のカッターミルから構成されている。すなわち、まず2枚のチッパーナイフで竹Mを切断し、続いて複数枚のハンマーナイフと固定刃で、切断した竹Mをさらに細かく粉砕するものである。
選別機22は、1次破砕装置21で粉砕されたチップ状の竹Mのうち、後述するようにして竹Mを石炭と水などと混練してペースト状の燃料を生成した際に、ペースト状の燃料が加圧流動床ボイラ7への供給に適した粘度になるような大きさ(以下、適宜「適正大」という)のもと、適正大よりも大きいものとを選別するふるい(スクリーン)である。ここで、加圧流動床ボイラ7への供給に適した粘度とは、後述する混練機3において均一性状のペースト状の燃料が得られ、CWPポンプ6や配管などによる搬送が詰まりなどなく円滑に行われ、かつ加圧流動床ボイラ7による燃焼が適正に行われる粘度を意味する。
具体的には、この実施の形態では、直径が2mm以下で長さが10mm以下の大きさを適正大とし、適正大の竹チップ(以下、「10mm以下チップ」という)と、それよりも大きい竹チップ(以下、「10mm超チップ」という)とに選別できるように、ふるいの目の大きさが設定されている。また、木質系バイオマスが竹M以外の場合には、その性状などに応じて、加圧流動床ボイラ7への供給に適した粘度になるような大きさとする。例えば、建設廃材の場合、直径が2mm以下で長さが6mm以下の大きさを適正大とし、バーク(樹皮)の場合には、直径が2mm以下で長さが10mm以下の大きさを適正大とする。
2次破砕装置23は、選別機22で選別された10mm超チップをさらに細かく粉砕する装置であり、この実施の形態では、加湿式のロッドミルから構成されている。すなわち、円筒形のドラム内に複数の鋼棒が配設され、ドラム内に竹チップを収容した状態でドラムに円振動を与えることで、鋼棒が竹チップに激しく衝突し、竹チップを細かく粉砕するものである。
このような竹破砕設備2により、まず、竹Mを1次破砕装置21に投入して竹チップを生成し、この竹チップを選別機22で選別する。そして、10mm以下チップはそのままフレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコンバッグ」という)に入れて保管し、10mm超チップは2次破砕装置23でさらに粉砕して、10mm以下チップにした後にフレコンバッグに入れて保管するものである。すなわち、図4に示すように、10mm超チップを収容したフレコンバッグ100を、搬送モノレール24によって2次破砕装置23まで搬送し、10mm超チップを投入シュート231から2次破砕装置23に投入する。そして、2次破砕装置23で粉砕した竹チップを選別機22で選別し、10mm以下チップのみを保管するものである。なお、10mm以下チップは、ユニック車101などで保管場所(積揚げ場所)まで搬送する。
次に、竹チップ(10mm以下チップ)の搬送経路について説明する。まず、図5に示すように、竹チップを収容したフレコンバッグ100を、クレーン車102などによってチップホッパ103の上方に運び、竹チップをチップホッパ103に投入する。投入された竹チップは、チップホッパ103の下側に配設されたサークルフィーダ104によって2つのシュート105に送られる。各シュート105の排出側には、空気輸送機(ジェクタ)106が配設され、この空気輸送機106には、図6に示すように、後述する所内用エアヘッダ132からの空気(発電設備内の余剰空気)が供給されるようになっている。
また、空気輸送機106の排出口には輸送管107が接続され、この輸送管107の他端部は集塵装置(サイクロンセパレータ)108に接続されている。これにより、シュート105から排出された竹チップが、空気輸送機106から噴出された空気によって輸送管107内に流入し、輸送管107を通って集塵装置108に送られる(空気圧送される)ようになっている。また、集塵装置108の排出口108aは、混練機用給炭機1のコンベヤ11の前記他端よりも外側で混練機用給炭機1に接続され、排出口108aから排出された竹チップが、コンベヤ11上に載らないようになっている。これは、竹チップをコンベヤ11上に載せると、コンベヤ11の可動部に竹チップが詰まり、コンベヤ11の稼働に支障が生じる場合があるからである。そして、図2に示すように、混練機用給炭機1内の粗粉砕炭と石灰石と竹チップとが、供給口12から混練機3に供給されるものである。なお、集塵装置108には排気ダクト109が接続され、集塵装置108からの排気が排気ダクト109を通って屋外に排出されるようになっている。
上記のように、竹チップは所内用エアヘッダ132からの空気によって混練機3側に搬送されるが、この空気は、次のような発電設備内の余剰空気となっている。すなわち、図7に示すように、発電所内には、制御用空気圧縮機と所内用空気圧縮機とを複数備えている。制御用空気圧縮機は、空気式自動制御機器で使用される高圧空気を供給する圧縮機で、生成された高圧空気が制御用エアヘッダ131に送られ、この制御用エアヘッダ131内の高圧空気が必要に応じて所内ボイラや軸油受入装置などに供給されるようになっている。所内用空気圧縮機は、各系統で使用される高圧空気や作業用空気を供給する圧縮機で、生成された空気が所内用エアヘッダ132に送られ、この所内用エアヘッダ132内の空気が必要に応じてボイラ・タービン作業用や石灰石搬送用などに供給されるようになっている。
このような制御用空気圧縮機や所内用空気圧縮機、エアヘッダ131、132は既存の設備であり、この既存の設備を利用して竹チップを混練機3(集塵装置108)側に搬送している。すなわち、図6、7に示すように、既存の所内用エアヘッダ132と各空気輸送機106とをエアホース133で接続し、エアホース133を介して所内用エアヘッダ132から各空気輸送機106に空気を供給することで、上記のようにして竹チップを集塵装置108側に搬送するものである。ここで、制御用空気圧縮機と所内用空気圧縮機としては、例えば、低圧段圧縮エレメントで圧縮された空気をインタクーラで冷却し、高圧段圧縮エレメントで再度圧縮してアフタークーラで冷却するものが挙げられる。
混練機3は、10mm以下チップと粗粉砕炭と石灰石と水などとを混合、撹拌(混練)してペースト状の燃料を生成する装置である。すなわち、図2に示すように、主軸31に複数の羽根32が配設され、投入口から投入された10mm以下チップ、粗粉砕炭、石灰石、水およびスラリを、羽根32の回転によって混練するものである。ここで、粗粉砕炭、石灰石、水およびスラリによって、加圧流動床ボイラ7への燃料として通常使用されるCWPが生成され、このCWPに竹Mの10mm以下チップが混合されたペースト状の燃料となる。また、10mm以下チップの割合は、後述するペースト状の燃料の粘度や燃焼性などを考慮して、この実施の形態では、2重量%に設定されている。
粘度計4は、混練機3から排出されるペースト状の燃料の粘度を測定する計器であり、混練機3の稼働中に粘度を測定できるようになっている。すなわち、混練機3から排出されたペースト状の燃料を燃料容器に受け入れ、燃料容器が燃料で満たされるとそれ以降流入する燃料は後述するCWPタンク5側に流れる。そして、燃料容器内の燃料をロータで撹拌し、一定の回転数で撹拌するのに要するトルクを測定することで、燃料の粘度を測定するものである。
このような粘度計4による測定結果は制御装置(図示せず)に送信され、燃料の粘度が規定粘度外の場合には、混練機3に供給する水量が調整されるようになっている。例えば、規定粘度が4〜10Pa・Sで、ペースト状の燃料の粘度が10Pa・Sを超える場合には、水量を調整する制御弁41(図1参照)が開閉制御され、水量が調整される。このように、粘度計4と制御弁41と制御装置とによって、混練機3で生成される燃料の粘度が規定粘度内になるように調整される。ここで、規定粘度とは、加圧流動床ボイラ7への供給に適した粘度であり、具体的には、混練機3において均一性状のペースト状の燃料が得られ、CWPポンプ6や配管などによる搬送が詰まりなどなく円滑に行われ、かつ加圧流動床ボイラ7による燃焼が適正に行われる粘度である。
以上のようにして混練機3で生成されたペースト状の燃料は、図2に示すように、第1の分配コンベヤ81上に排出され、第1の分配コンベヤ81によって第2の分配コンベヤ82と第3の分配コンベヤ83とに送られる。さらに、第2の分配コンベヤ82と第3の分配コンベヤ83とから、複数のCWPタンク5に対して燃料が投入されるようになっている。これらの分配コンベヤ81〜83は、回転方向を替えることにより搬送方向を替え、燃料を目的の分配コンベヤ82、83やCWPタンク5に送るようになっている。また、CWPタンク5はペースト状の燃料を貯留するタンクであり、モータによって回転する回転軸51に複数の羽根52が配設され、投入された燃料を羽根52の回転によって撹拌しながら貯留するようになっている。
このようなCWPタンク5の排出口にCWPポンプ6が取り付けられている。このCWPポンプ6は、排出口から排出されたペースト状の燃料を、加圧流動床ボイラ7側に搬送するポンプである。すなわち、CWPポンプ6の吐出口と加圧流動床ボイラ7内に配設された燃料ノズルとが輸送管を介して接続され、CWPポンプ6から送られたペースト状の燃料が、燃料ノズルから噴射して加圧流動床ボイラ7内に供給され、燃焼されるようになっている。
加圧流動床ボイラ7で燃料が燃焼され発電が行われると、図8に示すように、加圧流動床ボイラ7から排出された排ガスが、無触媒脱硝装置141で脱硝(窒素酸化物が除去)された後、サイクロン142、143で集塵される。さらに、有触媒脱硝装置144で脱硝され、粉塵を除去するバグフィルタ145を介して、煙突146から排出されるようになっている。
次に、このような構成の竹破砕設備2の作動と流動床ボイラ用木質系バイオマスの粉砕方法、および木質系バイオマス供給設備の作動などについて説明する。
まず、竹破砕設備2によって竹Mが、適正大のチップ状に破砕される。すなわち、1次破砕装置21によって素材状態の竹Mが粉砕され、粉砕されたチップ状の竹Mが、選別機22によって10mm以下チップと10mm超チップとに選別される。そして、10mm超チップが2次破砕装置23に投入され、さらに細かく粉砕されて、10mm以下チップとなる。
次に、10mm以下チップが上記のようにして空気圧送されて、混練機3に投入される。同時に、混練機用給炭機1を介して粗粉砕炭と石灰石とが混練機3に投入されるとともに、水およびスラリなどが混練機3に投入される。続いて、混練機3によって10mm以下チップと粗粉砕炭と石灰石と水などとが、均一性状になるように混練され、ペースト状の燃料が生成される。このとき、上記のようにして粘度計4で燃料の粘度が測定され、燃料の粘度が規定粘度内になるように、水量が調整される。
次に、ペースト状の燃料が、分配コンベヤ81〜83を介してCWPタンク5内に投入、貯留され、CWPポンプ6によって燃料ノズルに送られる。そして、燃料が燃料ノズルから加圧流動床ボイラ7内に供給(噴射)され、燃焼される。その後、加圧流動床ボイラ7から排出された排ガスが、上記のような無触媒脱硝装置141やサイクロン142、143などを介して、煙突146から排出されるものである。
以上のように、この竹破砕設備2および粉砕方法によれば、上記のような適正大に竹Mを粉砕すればよいため、適正かつ簡易に竹Mを燃料として加圧流動床ボイラ7に供給することが可能となる。すなわち、10mm以下チップにすれば、それ以上に細かく粉砕する必要がないため、粉砕に要する工程、工数を削減できる。具体的には、上記のように、多くとも1次破砕装置21と2次破砕装置23による2工程(2段階)の粉砕で済み、工数や設備費を抑えることができる。実際に、この竹破砕設備2および粉砕方法により、竹Mを加圧流動床ボイラ7の燃料として使用可能な大きさに、100%近く粉砕できることが確認されている。
しかも、10mm以下チップであれば、ペースト状の燃料が加圧流動床ボイラ7への供給に適した粘度になるため、竹Mを燃料として適正に加圧流動床ボイラ7に供給することが可能となる。すなわち、所定の粘度かつ均一性状のペースト状の燃料が得られ、CWPポンプ6や配管などによる搬送が円滑に行われ、かつ加圧流動床ボイラ7による燃焼が適正に行われる。
また、上記の木質系バイオマス供給設備およびその供給方法によれば、竹Mを直接加圧流動床ボイラ7に投入せずに、チップ状の竹MとCWPとを混合、撹拌し、加圧流動床ボイラ7に適したペースト状の燃料として加圧流動床ボイラ7に供給するため、竹Mが適正に燃焼可能となる。さらに、発電設備内の余剰空気によってチップ状の竹Mを搬送するため、既存の設備、資源を活用して、簡易かつ低コストで竹Mを燃料として加圧流動床ボイラ7に供給することができる。
実際に、この木質系バイオマス供給設備および供給方法により、竹Mが燃料として適正に加圧流動床ボイラ7に供給され、竹Mが適正に燃焼されることが確認されている。すなわち、CWPポンプ6の吐出圧力や制御油圧力などに異常(チップ状の竹Mを供給しない場合と比較しての大きな変化)がなくCWPポンプ6が適正に稼動し、混練機3のモータ電流値にも異常がないことが確認された。また、混練機3から排出されたペースト状の燃料の粘度および水分量、CWPタンク5内のペースト状の燃料の粘度および水分量が、ともに適正な範囲内にあることが確認された。さらに、加圧流動床ボイラ7内の流動床の層高、層温度および層温度分布などにも異常がなく、また、燃焼効率に大きな変化もなく、加圧流動床ボイラ7による燃焼が適正に行われていることが確認された。加えて、サイクロン142、143における粉塵の粒径などにも異常がないことが確認された。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、混練機用給炭機1を介して竹チップを混練機3に供給しているが、直接供給してもよい。また、1次破砕装置21を移動式のカッターミルで構成し、2次破砕装置23を加湿式のロッドミルで構成しているが、その他の切断機(例えば高速シュレッダ)、粉砕機(例えばフレーカ)などで構成してもよい。
1 混練機用給炭機
11 コンベヤ
2 竹破砕設備(流動床ボイラ用木質系バイオマスの粉砕設備)
21 1次破砕装置(第1の粉砕手段)
22 選別機(選別手段)
23 2次破砕装置(第2の粉砕手段)
3 混練機
4 粘度計
41 制御弁
5 CWPタンク
6 CWPポンプ
7 加圧流動床ボイラ(流動床ボイラ)
81〜83 分配コンベヤ
100 フレコンバッグ
103 チップホッパ
104 サークルフィーダ
105 シュート
106 空気輸送機
108 集塵装置
131 制御用エアヘッダ
132 所内用エアヘッダ
M 竹(木質系バイオマス)

Claims (1)

  1. 木質系バイオマスを石炭と水などと混合、撹拌してペースト状の燃料を生成した際に、前記ペースト状の燃料が流動床ボイラへの供給に適した粘度になるような大きさを適正大とし、
    第1の粉砕手段によって素材状態の木質系バイオマスを切断するとともに粉砕し、
    前記第1の粉砕手段で粉砕されたチップ状の木質系バイオマスを、選別手段で選別して、前記適正大以下のチップ状の木質系バイオマスを前記燃料用として保管し、前記適正大よりも大きいチップ状の木質系バイオマスを第2の粉砕手段によってさらに細かく粉砕し、
    前記第2の粉砕手段で粉砕されたチップ状の木質系バイオマスを、前記選別手段で選別して、前記適正大以下のチップ状の木質系バイオマスを前記燃料用として保管する、
    ことを特徴とする流動床ボイラ用木質系バイオマスの粉砕方法。
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