以下、この開示をより詳細に説明するために、この開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空中ハプティクスシステムの要部を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係る空中ハプティクスシステムにおける空中ハプティクス装置の要部を示すブロック図である。図3は、実施の形態1に係る空中ハプティクスシステムにおける制御装置のうちの駆動制御部の要部を示すブロック図である。図1~図3を参照して、実施の形態1に係る空中ハプティクスシステムについて説明する。
図1に示す如く、空中ハプティクスシステム1は、制御装置2、視線検出装置3、空中ハプティクス装置4及び空中ディスプレイ装置5を含むものである。制御装置2は、システム制御部11、駆動制御部12、表示制御部13、電流検出部14及び操作検出部15を含むものである。また、制御装置2は、判定用情報取得部21、要求精度判定部22、ドライバ選択部23及び周波数設定部24を含むものである。判定用情報取得部21、要求精度判定部22、ドライバ選択部23及び周波数設定部24により、空中ハプティクス制御装置100の要部が構成されている。
制御装置2は、例えば、車載用の情報通信機器により構成されている。すなわち、制御装置2は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成されている。以下、制御装置2が車載用の情報通信機器により構成されている場合の例を中心に説明する。すなわち、空中ハプティクスシステム1が車載用である場合の例を中心に説明する。
空中ハプティクスシステム1のユーザUは、例えば、車両(不図示)の搭乗者である。すなわち、ユーザUは、例えば、当該車両の運転者、当該車両の同乗者、又は当該車両の運転者及び当該車両の同乗者の各々である。以下、ユーザUが当該車両の運転者である場合の例を中心に説明する。
視線検出装置3は、ユーザUの視線方向Lを検出するものである。視線検出装置3は、当該検出された視線方向Lを示す情報(以下「視線方向情報」という。)を出力するものである。視線検出装置3は、例えば、DMS(Driver Monitoring System)又はOMS(Occupant Monitoring System)により構成されている。視線方向Lの検出には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
図2に示す如く、空中ハプティクス装置4は、ハプティクスドライバ群DGを用いるものである。ハプティクスドライバ群DGは、複数個のハプティクスドライバDを含むものである。個々のハプティクスドライバDは、例えば、超音波トランスデューサにより構成されている。
複数個のハプティクスドライバDは、一次元状に配列されている。または、複数個のハプティクスドライバDは、二次元状に配列されている。図2に示す例においては、M×N個のハプティクスドライバDがN行M列のマトリクス状に配列されている。ここで、Nは、2以上の任意の整数である。また、Mは、2以上の任意の整数である。
以下、複数個のハプティクスドライバDが二次元状に配列されている場合の例を中心に説明する。より具体的には、M×N個のハプティクスドライバDがN行M列のマトリクス状に配列されている場合の例を中心に説明する。
空中ディスプレイ装置5は、空中に光を投影することにより、空中に映像を表示するものである。空中ディスプレイ装置5により映像が表示される領域(以下「表示領域」という。)A1は、空中ハプティクス装置4により触覚が提示される領域(以下「空中ハプティクス領域」という。)A2に対応している。すなわち、空中ディスプレイ装置5は、空中ハプティクス装置4に対応するものである。空中ディスプレイ装置5は、例えば、3D-HUD(Three-Dimensional Head-Up Display)により構成されている。
システム制御部11は、制御装置2全体の動作を制御するものである。これにより、システム制御部11は、空中ハプティクスシステム1全体の動作を制御するものである。システム制御部11は、例えば、専用の回路により構成されている。
駆動制御部12は、システム制御部11による指示に基づき、個々のハプティクスドライバDを駆動する制御を実行するものである。駆動制御部12は、例えば、専用の回路により構成されている。
すなわち、図3に示す如く、駆動制御部12は、搬送波信号生成部31、振動波信号生成部32、変調部33及び増幅部34を含むものである。
搬送波信号生成部31は、システム制御部11による指示に基づき、所定の周波数(以下「搬送波周波数」という。)fを有する超音波(以下「搬送波」という。)に対応する電気信号(以下「搬送波信号」という。)を生成するものである。搬送波信号生成部31は、当該生成された搬送波信号を変調部33に出力するものである。
振動波信号生成部32は、システム制御部11による指示に基づき、所望の触覚刺激に対応する振動を実現するための超音波(以下「振動波」という。)に対応する電気信号(以下「振動波信号」という。)を生成するものである。振動波信号生成部32は、当該生成された振動波信号を変調部33に出力するものである。
変調部33は、振動波信号生成部32により出力された振動波信号を用いて、搬送波信号生成部31により出力された搬送波信号を変調するものである。変調部33は、当該変調された搬送波信号(以下「変調波信号」という。)を増幅部34に出力するものである。
増幅部34は、変調部33により出力された変調波信号を増幅するものである。これにより、当該出力された変調波信号は、所定のレベルに増幅される。増幅部34は、当該増幅された変調波信号(以下「送信信号」という。)をハプティクスドライバ群DGに出力するものである。
ここで、搬送波信号生成部31は、個々のハプティクスドライバDに対応する搬送波信号を生成する。振動波信号生成部32は、個々のハプティクスドライバDに対応する振動波信号を生成する。変調部33は、個々のハプティクスドライバDについて、対応する振動波信号を用いて対応する搬送波信号を変調する。増幅部34は、個々のハプティクスドライバDに対応する変調波信号を増幅する。増幅部34は、個々のハプティクスドライバDに対応する送信信号を出力する。
これにより、個々のハプティクスドライバDが駆動する。すなわち、個々のハプティクスドライバDが空中に超音波USを送信する。これにより、空中ハプティクス領域A2に触覚が提示される。すなわち、空中ハプティクス領域A2におけるハプティクスが実現される。
なお、空中ハプティクス領域A2のうちの指示体(例えばユーザの指)Pが存在する領域においては、対応するハプティクスドライバDにより送信された超音波USが指示体Pにより反射されて、当該反射された超音波US’が当該対応するハプティクスドライバDにより受信される。当該対応するハプティクスドライバDは、当該受信された超音波US’に対応する電気信号(以下「受信信号」という。)を出力する。
表示制御部13は、システム制御部11による指示に基づき、空中ディスプレイ装置5を用いて、種々の画面に対応する映像を表示する制御を実行するものである。表示制御部13は、例えば、専用の回路により構成されている。
ここで、空中ディスプレイ装置5により表示される映像は、種々の操作用の画面(以下「操作画面」という。)に対応する映像を含むものである。個々の操作画面におけるUI(User Interface)は、ハンドジェスチャによる操作入力用のUIを含むものである。以下、個々の操作画面におけるUIを「画面UI」という。
具体的には、例えば、画面UIは、スライド操作による操作入力用のUI(以下「スライド操作用のUI」という。)を含むものである。または、例えば、画面UIは、フリック操作による操作入力用のUI(以下「フリック操作用のUI」という。)を含むものである。または、例えば、画面UIは、タップ操作による操作入力用のUI(以下「タップ操作用のUI」という。)を含むものである。
以下、スライド操作又はフリック操作に比して単純な操作(例えばタップ操作)を総称して「単純操作」ということがある。また、単純操作による操作入力用のUIを「単純操作用のUI」ということがある。
電流検出部14は、個々のハプティクスドライバDにおける電流値Iを検出するものである。より具体的には、電流検出部14は、個々のハプティクスドライバDについて、送信信号に対応する電流値I_1を検出するとともに、受信信号に対応する電流値I_2を検出するものである。電流検出部14は、例えば、専用の回路により構成されている。
操作検出部15は、電流検出部14により検出された電流値Iを用いて、ユーザUにより操作画面に対して入力された操作を検出するものである。操作検出部15は、例えば、専用の回路により構成されている。
すなわち、空中ハプティクス領域A2のうちの指示体Pが存在する領域においては、対応するハプティクスドライバDに送信信号が入力されるとともに、当該対応するハプティクスドライバDにより受信信号が出力される。通常、受信信号は、対応する送信信号に対して減衰したものとなる。また、受信信号は、対応する送信信号に対して位相差を有するものとなる。
このため、個々のハプティクスドライバDにおける電流値I_1,I_2の差分値ΔIに基づき、対応する領域における指示体Pの有無を判定することができる。操作検出部15は、かかる判定の結果に基づき、ハンドジェスチャによる操作を検出する。具体的には、例えば、操作検出部15は、スライド操作、フリック操作又はタップ操作を検出する。
判定用情報取得部21は、後述する要求精度判定部22による判定に用いられる情報(以下「判定用情報」という。)を取得するものである。ここで、判定用情報取得部21により取得される判定用情報は、視線方向情報を含むものである。すなわち、判定用情報取得部21は、視線検出装置3により出力された視線方向情報を取得するものである。
要求精度判定部22は、判定用情報取得部21により取得された判定用情報を用いて、空中ハプティクス装置4により実現される触覚刺激に要求される精度(すなわち要求精度)RAを判定するものである。
より具体的には、要求精度判定部22は、要求精度RAが互いに異なる第1要求精度RA_1及び第2要求精度RA_2のうちのいずれであるかを判定するものである。ここで、第1要求精度RA_1は、第2要求精度RA_2に比して高い精度に対応するものである。他方、第2要求精度RA_2は、第1要求精度RA_1に比して低い精度に対応するものである。
すなわち、要求精度判定部22は、上記取得された判定用情報に含まれる視線方向情報を用いて、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられているか否かを判定する。換言すれば、要求精度判定部22は、ユーザUの視線が空中ハプティクス領域A2に向けられているか否かを判定する。これにより、要求精度判定部22は、ユーザUによる操作入力が手探りよるものであるか目視によるものであるかを判定する。
ユーザUの視線が表示領域A1に向けられていない場合(すなわちユーザUによる操作入力が手探りによるものである場合)、要求精度判定部22は、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。他方、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている場合(すなわちユーザUによる操作入力が目視によるものである場合)、要求精度判定部22は、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する。
ドライバ選択部23は、ハプティクスドライバ群DGに含まれるM×N個のハプティクスドライバDのうちの複数個のハプティクスドライバ(以下「駆動対象ハプティクスドライバ」という。)D_Dを選択するものである。ここで、M×N個のハプティクスドライバDのうちの複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dの密度(以下「選択密度」という。)SDは、要求精度判定部22による判定結果に応じて異なるものである。
すなわち、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定された場合、ドライバ選択部23は、互いに異なる第1選択密度SD_1及び第2選択密度SD_2のうちの第1選択密度SD_1により複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを選択する。他方、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定された場合、ドライバ選択部23は、第2選択密度SD_2により複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを選択する。ここで、第1選択密度SD_1は、第2選択密度SD_2に比して高い密度に対応するものである。他方、第2選択密度SD_2は、第1選択密度SD_1に比して低い密度に対応するものである。
具体的には、例えば、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定された場合、ドライバ選択部23は、M×N個のハプティクスドライバDのうちの全てのハプティクスドライバDを駆動対象ハプティクスドライバD_Dに選択する。他方、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定された場合、ドライバ選択部23は、M×N個のハプティクスドライバDのうちの格子状に配置された複数個のハプティクスドライバDを駆動対象ハプティクスドライバD_Dに選択する。または、ドライバ選択部23は、M×N個のハプティクスドライバDのうちの市松模様状に配置された複数個のハプティクスドライバDを駆動対象ハプティクスドライバD_Dに選択する。
以下、M×N個のハプティクスドライバDのうちの複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを除く0個以上のハプティクスドライバDを「非駆動対象ハプティクスドライバ」ということがある。また、非駆動対象ハプティクスドライバに「D_ND」の符号を用いることがある。
図4は、格子状に配置された複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dの例を示している。すなわち、図4に示す如く、5行5列のマトリクス状に配列された25個のハプティクスドライバDがハプティクスドライバ群DGに含まれている。また、16個の駆動対象ハプティクスドライバD_D及び9個の非駆動対象ハプティクスドライバD_NDがハプティクスドライバ群DGに含まれている。16個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dは、格子状に配置されている。
図5は、市松模様状に配置された複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dの例を示している。すなわち、図5に示す如く、5行5列のマトリクス状に配列された25個のハプティクスドライバDがハプティクスドライバ群DGに含まれている。また、12個の駆動対象ハプティクスドライバD_D及び13個の非駆動対象ハプティクスドライバD_NDがハプティクスドライバ群DGに含まれている。12個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dは、市松模様状に配置されている。
ドライバ選択部23は、個々の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを駆動の対象に含めることを駆動制御部12に指示するようになっている。換言すれば、ドライバ選択部23は、個々の非駆動対象ハプティクスドライバD_NDを駆動の対象から除外することを駆動制御部12に指示するようになっている。
周波数設定部24は、個々の駆動対象ハプティクスドライバD_Dにより送信される超音波USの周波数(以下「駆動周波数」という。)Fを、要求精度判定部22による判定結果に応じて異なる値に設定するものである。
すなわち、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定された場合、周波数設定部24は、駆動周波数Fを、互いに異なる駆動周波数F_1,F_2のうちのより高い駆動周波数(以下「第1駆動周波数」という。)F_1に設定する。これは、例えば、互いに異なる搬送波周波数f_1,f_2のうちのより高い搬送波周波数f_1に対応する搬送波信号の生成を搬送波信号生成部31に指示することにより実現される。
他方、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定された場合、周波数設定部24は、駆動周波数Fを、互いに異なる駆動周波数F_1,F_2のうちのより低い駆動周波数(以下「第2駆動周波数」という。)F_2に設定する。これは、例えば、互いに異なる搬送波周波数f_1,f_2のうちのより低い搬送波周波数f_2に対応する搬送波信号の生成を搬送波信号生成部31に指示することにより実現される。
駆動制御部12は、ドライバ選択部23による指示に基づき、個々の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを駆動の対象に含めるようになっている。換言すれば、駆動制御部12は、ドライバ選択部23による指示に基づき、個々の非駆動対象ハプティクスドライバD_NDを駆動の対象から除外するようになっている。このとき、搬送波信号生成部31は、周波数設定部24による指示に基づき、搬送波周波数f_1又は搬送波周波数f_2に対応する搬送波信号を生成するようになっている。
このようにして、空中ハプティクスシステム1の要部が構成されている。
以下、判定用情報取得部21により実行される処理を総称して「判定用情報取得処理」ということがある。また、要求精度判定部22により実行される処理を総称して「要求精度判定処理」ということがある。また、ドライバ選択部23により実行される処理を総称して「ドライバ選択処理」ということがある。また、周波数設定部24により実行される処理を総称して「周波数設定処理」ということがある。
以下、判定用情報取得部21が有する機能を総称して「判定用情報取得機能」ということがある。また、要求精度判定部22が有する機能を総称して「要求精度判定機能」ということがある。また、ドライバ選択部23が有する機能を総称して「ドライバ選択機能」ということがある。また、周波数設定部24が有する機能を総称して「周波数設定機能」ということがある。
以下、判定用情報取得機能に「F1」の符号を用いることがある。また、要求精度判定機能に「F2」の符号を用いることがある。また、ドライバ選択機能に「F3」の符号を用いることがある。また、周波数設定機能に「F4」に符号を用いることがある。
次に、図6~図8を参照して、空中ハプティクス制御装置100の要部のハードウェア構成について説明する。
図6に示す如く、空中ハプティクス制御装置100は、プロセッサ41及びメモリ42を有している。メモリ42には、複数個の機能(判定用情報取得機能、要求精度判定機能、ドライバ選択機能及び周波数設定機能を含む。)F1~F4に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ41は、メモリ42に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、複数個の機能F1~F4が実現される。
または、図7に示す如く、空中ハプティクス制御装置100は、処理回路43を有している。処理回路43は、複数個の機能F1~F4に対応する処理を実行する。これにより、複数個の機能F1~F4が実現される。
または、図8に示す如く、空中ハプティクス制御装置100は、プロセッサ41、メモリ42及び処理回路43を有している。メモリ42には、複数個の機能F1~F4のうちの一部の機能に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ41は、メモリ42に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、かかる一部の機能が実現される。また、処理回路43は、複数個の機能F1~F4のうちの残余の機能に対応する処理を実行する。これにより、かかる残余の機能が実現される。
プロセッサ41は、1個以上のプロセッサにより構成されている。個々のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
メモリ42は、1個以上の不揮発性メモリにより構成されている。または、メモリ42は、1個以上の不揮発性メモリ及び1個以上の揮発性メモリにより構成されている。すなわち、メモリ42は、1個以上のメモリにより構成されている。個々のメモリは、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、個々の揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を用いたものである。また、個々の不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ又はハードディスクドライブを用いたものである。
処理回路43は、1個以上のデジタル回路により構成されている。または、処理回路43は、1個以上のデジタル回路及び1個以上のアナログ回路により構成されている。すなわち、処理回路43は、1個以上の処理回路により構成されている。個々の処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)又はシステムLSI(Large Scale Integration)を用いたものである。
ここで、プロセッサ41が複数個のプロセッサにより構成されているとき、複数個の機能F1~F4と複数個のプロセッサとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のプロセッサの各々は、複数個の機能F1~F4のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを読み出して実行するものであっても良い。プロセッサ41は、複数個の機能F1~F4の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。
また、メモリ42が複数個のメモリにより構成されているとき、複数個の機能F1~F4と複数個のメモリとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のメモリの各々は、複数個の機能F1~F4のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを記憶するものであっても良い。メモリ42は、複数個の機能F1~F4の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。
また、処理回路43が複数個の処理回路により構成されているとき、複数個の機能F1~F4と複数個の処理回路との対応関係は任意である。すなわち、複数個の処理回路の各々は、複数個の機能F1~F4のうちの対応する1個以上の機能に対応する処理を実行するものであっても良い。処理回路43は、複数個の機能F1~F4の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図9に示すフローチャートを参照して、空中ハプティクス制御装置100の動作について説明する。
まず、判定用情報取得部21が判定用情報取得処理を実行する(ステップST1)。次いで、要求精度判定部22が要求精度判定処理を実行する(ステップST2)。次いで、ドライバ選択部23がドライバ選択処理を実行する(ステップST3)。次いで、周波数設定部24が周波数設定処理を実行する(ステップST4)。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、要求精度判定部22の動作について説明する。すなわち、ステップST2にて実行される処理について説明する。
まず、要求精度判定部22は、ステップST1にて取得された判定用情報に含まれる視線方向情報を用いて、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられているか否かを判定する(ステップST11)。
ユーザUの視線が表示領域A1に向けられていない場合(ステップST11“NO”)、すなわちユーザUによる操作入力が手探りによるものである場合、要求精度判定部22は、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する(ステップST12)。
他方、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている場合(ステップST11“YES”)、すなわちユーザUによる操作入力が目視によるものである場合、要求精度判定部22は、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する(ステップST13)。
次に、図11~図14を参照して、空中ハプティクス制御装置100におけるドライバ選択処理及び周波数設定処理の具体例について説明する。また、空中ハプティクス制御装置100の効果について説明する。
図11は、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられていない状態の例を示している。すなわち、図11は、ユーザUが手探りによる操作入力をしようとしている状態の例を示している。より具体的には、図11は、車両(不図示)の運転者の視線が前方に向けられている状態の例を示している。すなわち、図11は、当該車両の運転者が当該車両の走行中に操作入力をしようとしている状態の例を示している。
この場合、要求精度判定部22により、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定される。そして、ドライバ選択部23により、第1選択密度SD_1にて複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが選択される。具体的には、例えば、4行4列のマトリクス状に配列された16個のハプティクスドライバDのうちの全てのハプティクスドライバDが駆動対象ハプティクスドライバD_Dに選択される(図12参照)。そして、駆動周波数Fが第1駆動周波数F_1に設定される。
図13は、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている状態の例を示している。すなわち、図13は、ユーザUが目視による操作入力をしようとしている状態の例を示している。より具体的には、図13は、車両(不図示)の運転者の視線が表示領域A1に向けられている状態の例を示している。すなわち、図13は、当該車両の運転者が当該車両の停止中に操作入力をしようとしている状態の例を示している。
この場合、要求精度判定部22により、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定される。そして、ドライバ選択部23により、第2選択密度SD_2にて複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが選択される。具体的には、例えば、4行4列のマトリクス状に配列された16個のハプティクスドライバDのうちの市松模様状に配置された8個のハプティクスドライバDが駆動対象ハプティクスドライバD_Dに設定される(図14参照)。そして、駆動周波数Fが第2駆動周波数F_2に設定される。
ここで、第1選択密度SD_1を用いることにより、ドライバ選択部23により選択される駆動対象ハプティクスドライバD_Dの個数Xが多くなる。例えば、図12に示す例においては、X=16である。他方、第2選択密度SD_2を用いることにより、ドライバ選択部23により選択される駆動対象ハプティクスドライバD_Dの個数Xが少なくなる。例えば、図14に示す例においては、X=8である。
また、一般に、超音波の周波数が高いほど、かかる超音波の指向性が高くなる。換言すれば、超音波の周波数が低いほど、かかる超音波の指向性が低くなる。このため、駆動周波数Fが第1駆動周波数F_1に設定されることにより、個々の駆動対象ハプティクスドライバD_Dにより送信される超音波USの指向性が高くなる(図12参照)。他方、駆動周波数Fが第2駆動周波数F_2に設定されることにより、個々の駆動対象ハプティクスドライバD_Dにより送信される超音波USの指向性が低くなる(図14参照)。
ここで、個数Xを多くする(すなわち第1選択密度SD_1を用いる)とともに超音波USの指向性を高くする(すなわち第1駆動周波数F_1を用いる)ことにより、高精度な触覚刺激を実現することができる。
他方、個数Xを少なくする(すなわち第2選択密度SD_2を用いる)ことにより、触覚刺激の精度が低下するものの、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。また、このとき、超音波USの指向性を低くする(すなわち第2駆動周波数F_2を用いる)ことにより、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減しつつ、空中ハプティクス領域A2における触覚刺激が部分的に欠落するのを抑制することができる。すなわち、空中ハプティクス領域A2における触覚刺激が逆格子状に欠落したり、又は空中ハプティクス領域A2における触覚刺激が市松模様状に欠落したりするのを抑制することができる、
ユーザUが手探りによる操作入力をするときは(図11参照)、手探りによる操作入力をスムーズにする観点から、高精度な触覚刺激を実現するのが好適である。このとき、空中ハプティクスシステム1においては、図12に示す如く、個数Xが多くなる(すなわち第1選択密度SD_1が用いられる)とともに、超音波USの指向性が高くなる(すなわち第1駆動周波数F_1が用いられる)。これにより、高精度な触覚刺激を実現することができる。この結果、手探りによる操作入力をスムーズにすることができる。
他方、ユーザUが目視による操作入力をするときは(図13参照)、ユーザUが手探りによる操作入力をするときに比して、高精度な触覚刺激が不要である。このとき、空中ハプティクスシステム1においては、図14に示す如く、個数Xが少なくなる(すなわち第2選択密度SD_2が用いられる)とともに、超音波USの指向性が低くなる(すなわち第2駆動周波数F_2が用いられる)。これにより、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。
なお、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが市松模様状に配置されていることにより、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが格子状に配置されている場合に比して、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが格子状に配置されているとき、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dのうちの各2個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dについて、当該2個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが互いに隣接することがある(図4参照)。他方、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが市松模様状に配置されているとき、当該2個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが互いに隣接することはない(図5参照)。ここで、「隣接する」とは、N行M列のマトリクスにおける行方向又は列方向に隣接することを意味する。
換言すれば、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが格子状に配置されているときは、個々の駆動対象ハプティクスドライバD_Dに隣接する駆動対象ハプティクスドライバD_Dの個数Yが異なり得るものである。他方、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが市松模様状に配置されているときは、個数Yが一定である(Y=0)。
このため、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが市松模様状に配置されていることにより、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが格子状に配置されている場合に比して、空中ハプティクス領域A2における触覚刺激のむらの発生を抑制することができる。換言すれば、空中ハプティクス領域A2における触覚刺激を容易に均一にすることができる。また、かかる触覚刺激を効率良く実現することができる。
次に、図15を参照して、空中ハプティクスシステム1の変形例について説明する。
図15に示す如く、空中ハプティクス制御装置100は、周波数設定部24を含まないものであっても良い。すなわち、判定用情報取得部21、要求精度判定部22及びドライバ選択部23により空中ハプティクス制御装置100の要部が構成されているものであっても良い。
次に、図16及び図17を参照して、空中ハプティクスシステム1の他の変形例について説明する。
図16又は図17に示す如く、空中ハプティクスシステム1は、センサ6を含むものであっても良い。センサ6は、例えば、カメラ又は赤外線センサにより構成されている。操作検出部15は、ハンドジェスチャによる操作を検出するにあたり、電流値Iを用いるのに代えてセンサ6を用いるものであっても良い。センサ6による操作の検出には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
以上のように、実施の形態1に係る空中ハプティクス制御装置100は、空中ハプティクス装置4により実現される触覚刺激に対する要求精度RAの判定に用いられる判定用情報を取得する判定用情報取得部21と、判定用情報を用いて要求精度RAを判定する要求精度判定部22と、要求精度RAに応じて異なる選択密度SDにより、空中ハプティクス装置4におけるハプティクスドライバ群DGに含まれる複数個のハプティクスドライバDのうちの複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを選択するドライバ選択部23と、を備える。これにより、要求精度RAの変動に対応することができる。
また、ドライバ選択部23は、要求精度判定部22により要求精度RAが第2要求精度RA_2よりも高い第1要求精度RA_1であると判定された場合、第2選択密度SD_2よりも高い第1選択密度SD_1により複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを選択する。これにより、高精度な触覚刺激を実現することができる。
また、空中ハプティクス制御装置100は、要求精度判定部22により要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定された場合、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dの各々における駆動周波数Fを第2駆動周波数F_2よりも高い第1駆動周波数F_1に設定する周波数設定部24を備える。これにより、高精度な触覚刺激を実現することができる。
また、ドライバ選択部23は、要求精度判定部22により要求精度RAが第1要求精度RA_1よりも低い第2要求精度RA_2であると判定された場合、第1選択密度SD_1よりも低い第2選択密度SD_2により複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを選択するものであり、空中ハプティクス制御装置100は、要求精度判定部22により要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定された場合、複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dの各々における駆動周波数Fを第1駆動周波数F_1よりも低い第2駆動周波数F_2に設定する周波数設定部24を備える。これにより、空中ハプティクス装置4における消費電量を低減することができる。また、空中ハプティクス領域A2における触覚刺激が部分的に欠落するのを抑制することができる。
また、判定用情報は、空中ハプティクス装置4及び空中ハプティクス装置4に対応する空中ディスプレイ装置5を含む空中ハプティクスシステム1のユーザUの視線方向Lを示す視線方向情報を含む。これにより、ユーザUによる操作入力が手探りによるものであるか目視によるものであるかに応じた要求精度RAの判定を実現することができる。
また、要求精度判定部22は、ユーザUの視線が空中ディスプレイ装置5における表示領域A1に向けられていない場合、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。これにより、ユーザUによる操作入力が手探りによるものであるとき、高精度な触覚刺激を実現することができる。
また、要求精度判定部22は、ユーザUの視線が空中ディスプレイ装置5における表示領域A1に向けられている場合、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する。これにより、ユーザUによる操作入力が目視によるものであるとき、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。
また、実施の形態1に係る空中ハプティクス制御方法は、判定用情報取得部21が、空中ハプティクス装置4により実現される触覚刺激に対する要求精度RAの判定に用いられる判定用情報を取得するステップST1と、要求精度判定部22が、判定用情報を用いて要求精度RAを判定するステップST2と、ドライバ選択部23が、要求精度RAに応じて異なる選択密度SDにより、空中ハプティクス装置4におけるハプティクスドライバ群DGに含まれる複数個のハプティクスドライバDのうちの複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dを選択するステップST3と、を備える。これにより、要求精度RAの変動に対応することができる。
実施の形態2.
図18は、実施の形態2に係る空中ハプティクスシステムの要部を示すブロック図である。図18を参照して、実施の形態2に係る空中ハプティクスシステムについて説明する。なお、図18において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図18に示す如く、空中ハプティクスシステム1aは、制御装置2a、空中ハプティクス装置4及び空中ディスプレイ装置5を含むものである。制御装置2aは、システム制御部11、駆動制御部12、表示制御部13、電流検出部14及び操作検出部15を含むものである。また、制御装置2aは、判定用情報取得部21a、要求精度判定部22a、ドライバ選択部23及び周波数設定部24を含むものである。判定用情報取得部21a、要求精度判定部22a、ドライバ選択部23及び周波数設定部24により、空中ハプティクス制御装置100aの要部が構成されている。
判定用情報取得部21aは、後述する要求精度判定部22aによる判定に用いられる情報(すなわち判定用情報)を取得するものである。ここで、判定用情報取得部21aにより取得される判定用情報は、空中ディスプレイ装置5における表示中の画面UIを示す情報(以下「画面UI情報」という。)を含むものである。画面UI情報は、例えば、システム制御部11から取得される。
要求精度判定部22aは、判定用情報取得部21aにより取得された判定用情報を用いて、空中ハプティクス装置4により実現される触覚刺激に要求される精度(すなわち要求精度)RAを判定するものである。より具体的には、要求精度判定部22aは、要求精度RAが互いに異なる第1要求精度RA_1及び第2要求精度RA_2のうちのいずれであるかを判定するものである。
すなわち、要求精度判定部22aは、上記取得された判定用情報に含まれる画面UI情報を用いて、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるか否かを判定する。表示中の画面UIが単純操作用のUIでない場合(例えば表示中の画面UIがスライド操作用のUI又はフリック操作用のUIである場合)、要求精度判定部22aは、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。他方、表示中の画面UIが単純操作用のUIである場合(例えば表示中の画面UIがタップ作用のUIである場合)、要求精度判定部22aは、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する。
このようにして、空中ハプティクスシステム1aの要部が構成されている。
以下、判定用情報取得部21aにより実行される処理を総称して「判定用情報取得処理」ということがある。また、判定用情報取得部21aが有する機能を総称して「判定用情報取得機能」ということがある。また、かかる判定用情報取得機能に「F1a」の符号を用いることがある。
以下、要求精度判定部22aにより実行される処理を総称して「要求精度判定処理」ということがある。また、要求精度判定部22aが有する機能を総称して「要求精度判定機能」ということがある。また、かかる要求精度判定機能に「F2a」の符号を用いることがある。
空中ハプティクス制御装置100aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図6~図8を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
すなわち、空中ハプティクス制御装置100aは、複数個の機能(判定用情報取得機能、要求精度判定機能、ドライバ選択機能及び周波数設定機能を含む。)F1a,F2a,F3,F4を有している。複数個の機能F1a,F2a,F3,F4の各々は、プロセッサ41及びメモリ42により実現されるものであっても良く、又は処理回路43により実現されるものであっても良い。
ここで、プロセッサ41は、複数個の機能F1a,F2a,F3,F4の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ42は、複数個の機能F1a,F2a,F3,F4の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。また、処理回路43は、複数個の機能F1a,F2a,F3,F4の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図19に示すフローチャートを参照して、空中ハプティクス制御装置100aの動作について説明する。なお、図19において、図9に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
まず、判定用情報取得部21aが判定用情報取得処理を実行する(ステップST1a)。次いで、要求精度判定部22aが要求精度判定処理を実行する(ステップST2a)。次いで、ドライバ選択部23がドライバ選択処理を実行する(ステップST3)。次いで、周波数設定部24が周波数設定処理を実行する(ステップST4)。
次に、図20に示すフローチャートを参照して、要求精度判定部22aの動作について説明する。すなわち、ステップST2aにて実行される処理について説明する。
まず、要求精度判定部22aは、ステップST1aにて取得された判定用情報に含まれる画面UI情報を用いて、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるか否かを判定する(ステップST21)。
表示中の画面UIが単純操作用のUIでない場合(ステップST21“NO”)、要求精度判定部22aは、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する(ステップST22)。他方、表示中の画面UIが単純操作用のUIである場合(ステップST21“YES”)、要求精度判定部22aは、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する(ステップST23)。
次に、図21~図24を参照して、空中ハプティクス制御装置100aにおけるドライバ選択処理及び周波数設定処理の具体例について説明する。また、空中ハプティクス制御装置100aの効果について説明する。
図21は、スライド操作用のUIを含む操作画面に対応する映像の例を示している。より具体的には、地図画面に対応する映像の例を示している。図中、矢印Aは、スライド操作における指示体Pのスライド範囲を示している。
この場合、要求精度判定部22aにより、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定される。そして、ドライバ選択部23により、第1選択密度SD_1にて複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが選択される。具体的には、例えば、4行4列のマトリクス状に配列された16個のハプティクスドライバDのうちの全てのハプティクスドライバDが駆動対象ハプティクスドライバD_Dに選択される(図22参照)。そして、駆動周波数Fが第1駆動周波数F_1に設定される。
図23は、タップ操作用のUIを含む操作画面に対応する映像の例を示している。より具体的には、メニュー画面に対応する映像の例を示している。図23に示す如く、メニュー画面は、4個のボタンB_1~B_4を含むものである。
この場合、要求精度判定部22aにより、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定される。そして、ドライバ選択部23により、第2選択密度SD_2にて複数個の駆動対象ハプティクスドライバD_Dが選択される。具体的には、例えば、4行4列のマトリクス状に配列された16個のハプティクスドライバDのうちの格子状に配置された8個のハプティクスドライバDが駆動対象ハプティクスドライバD_Dに選択される(図24参照)。そして、駆動周波数Fが第2駆動周波数F_2に設定される。
通常、画面UIがスライド操作用のUI又はフリック操作用のUIであるときは、画面UIがタップ操作用のUIであるときに比して、高精度な触覚刺激が要求される。換言すれば、画面UIがタップ操作用のUIであるときは、画面UIがスライド操作用のUI又はフリック操作用のUIであるときに比して、高精度な触覚刺激が不要である。
そこで、空中ハプティクスシステム1aにおいては、表示中の画面UIが単純操作用のUIでない場合(図21参照)、図22に示す如く、個数Xが多くなる(すなわち第1選択密度SD_1が用いられる)とともに、超音波USの指向性が高くする(すなわち第1駆動周波数F_1が用いられる)。これにより、高精度な触覚刺激を実現することができる。他方、表示中の画面UIが単純操作用のUIである場合(図23参照)、図24に示す如く、個数Xが少なくなる(すなわち第2選択密度SD_2が用いられる)とともに、超音波USの指向性が低くなる(すなわち第2駆動周波数F_2が用いられる)。これにより、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。
次に、図25を参照して、空中ハプティクスシステム1aの変形例について説明する。
図25に示す如く、空中ハプティクス制御装置100aは、周波数設定部24を含まないものであっても良い。すなわち、判定用情報取得部21a、要求精度判定部22a及びドライバ選択部23により空中ハプティクス制御装置100aの要部が構成されているものであっても良い。
次に、図26及び図27を参照して、空中ハプティクスシステム1aの他の変形例について説明する。
図26又は図27に示す如く、空中ハプティクスシステム1aは、センサ6を含むものであっても良い。操作検出部15は、ハンドジェスチャによる操作を検出するにあたり、電流値Iを用いるのに代えてセンサ6を用いるものであっても良い。
以上のように、実施の形態2に係る空中ハプティクス制御装置100aにおいて、判定用情報は、空中ハプティクス装置4に対応する空中ディスプレイ装置5における画面UIを示す画面UI情報を含む。これにより、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるか否かに応じた要求精度RAの判定を実現することができる。
また、要求精度判定部22aは、画面UIが単純操作用のUIでない場合、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。これにより、表示中の画面UIが単純操作用のUIでないとき、高精度な触覚刺激を実現することができる。具体的には、例えば、表示中の画面UIがスライド操作用のUI又はフリック操作用のUIであるとき、高精度な触覚刺激を実現することができる。
また、要求精度判定部22aは、画面UIが単純操作用のUIである場合、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する。これにより、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるとき、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。具体的には、例えば、表示中の画面UIがタップ操作用のUIであるとき、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。
実施の形態3.
図28は、実施の形態3に係る空中ハプティクスシステムの要部を示すブロック図である。図28を参照して、実施の形態3に係る空中ハプティクスシステムについて説明する。なお、図28において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図28に示す如く、空中ハプティクスシステム1bは、制御装置2b、視線検出装置3、空中ハプティクス装置4及び空中ディスプレイ装置5を含むものである。制御装置2bは、システム制御部11、駆動制御部12、表示制御部13、電流検出部14及び操作検出部15を含むものである。また、制御装置2bは、判定用情報取得部21b、要求精度判定部22b、ドライバ選択部23及び周波数設定部24を含むものである。判定用情報取得部21b、要求精度判定部22b、ドライバ選択部23及び周波数設定部24により、空中ハプティクス制御装置100bの要部が構成されている。
判定用情報取得部21bは、後述する要求精度判定部22bによる判定に用いられる情報(すなわち判定用情報)を取得するものである。ここで、判定用情報取得部21bにより取得される判定用情報は、視線方向情報及び画面UI情報を含むものである。視線方向情報は、視線検出装置3から取得される。画面UI情報は、例えば、システム制御部11から取得される。
要求精度判定部22bは、判定用情報取得部21bにより取得された判定用情報を用いて、空中ハプティクス装置4により実現される触覚刺激に要求される精度(すなわち要求精度)RAを判定するものである。より具体的には、要求精度判定部22bは、要求精度RAが互いに異なる第1要求精度RA_1及び第2要求精度RA_2のうちのいずれであるかを判定するものである。
すなわち、要求精度判定部22bは、上記取得された判定用情報に含まれる視線方向情報を用いて、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられているか否かを判定する。また、要求精度判定部22bは、上記取得された判定用情報に含まれる画面UI情報を用いて、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるか否かを判定する。
ユーザUの視線が表示領域A1に向けられていない場合(すなわちユーザUによる操作入力が手探りによるものである場合)、要求精度判定部22bは、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。また、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている場合(すなわちユーザUによる操作入力が目視によるものである場合)において、表示中の画面UIが単純操作用のUIでないとき(例えば表示中の画面UIがスライド操作用のUI又はフリック操作用のUIであるとき)、要求精度判定部22bは、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。
他方、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている場合(すなわちユーザUによる操作入力が目視によるものである場合)において、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるとき(例えば表示中の画面UIがタップ操作用のUIであるとき)、要求精度判定部22bは、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する。
このようにして、空中ハプティクスシステム1bの要部が構成されている。
以下、判定用情報取得部21bにより実行される処理を総称して「判定用情報取得処理」ということがある。また、判定用情報取得部21bが有する機能を総称して「判定用情報取得機能」ということがある。また、かかる判定用情報取得機能に「F1b」の符号を用いることがある。
以下、要求精度判定部22bにより実行される処理を総称して「要求精度判定処理」ということがある。また、要求精度判定部22bが有する機能を総称して「要求精度判定機能」ということがある。また、かかる要求精度判定機能に「F2b」の符号を用いることがある。
空中ハプティクス制御装置100bの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図6~図8を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
すなわち、空中ハプティクス制御装置100bは、複数個の機能(判定用情報取得機能、要求精度判定機能、ドライバ選択機能及び周波数設定機能を含む。)F1b,F2b,F3,F4を有している。複数個の機能F1b,F2b,F3,F4の各々は、プロセッサ41及びメモリ42により実現されるものであっても良く、又は処理回路43により実現されるものであっても良い。
ここで、プロセッサ41は、複数個の機能F1b,F2b,F3,F4の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ42は、複数個の機能F1b,F2b,F3,F4の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。また、処理回路43は、複数個の機能F1b,F2b,F3,F4の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図29に示すフローチャートを参照して、空中ハプティクス制御装置100bの動作について説明する。なお、図29において、図9に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
まず、判定用情報取得部21bが判定用情報取得処理を実行する(ステップST1b)。次いで、要求精度判定部22bが要求精度判定処理を実行する(ステップST2b)。次いで、ドライバ選択部23がドライバ選択処理を実行する(ステップST3)。次いで、周波数設定部24が周波数設定処理を実行する(ステップST4)。
次に、図30に示すフローチャートを参照して、要求精度判定部22bの動作について説明する。すなわち、ステップST2bにて実行される処理について説明する。
まず、要求精度判定部22bは、ステップST1bにて取得された判定用情報に含まれる視線方向情報を用いて、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられているか否かを判定する(ステップST31)。また、要求精度判定部22bは、ステップST1bにて取得された判定用情報に含まれる画面UI情報を用いて、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるか否かを判定する(ステップST32)。
ユーザUの視線が表示領域A1に向けられていない場合(ステップST31“NO”)、要求精度判定部22bは、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する(ステップST33)。また、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている場合において(ステップST31“YES”)、表示中の画面UIが単純操作用のUIでないとき(ステップST32“NO”)、要求精度判定部22bは、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する(ステップST33)。
他方、ユーザUの視線が表示領域A1に向けられている場合において(ステップST31“YES”)、表示中の画面UIが単純操作用のUIであるとき(ステップST32“YES”)、要求精度判定部22bは、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する(ステップST34)。
このように、視線方向情報及び画面UI情報を用いることにより、視線方向L及び画面UIに応じて要求精度RAを判定することができる。そして、当該判定された要求精度RAに応じて、高精度な触覚刺激を実現したり、又は空中ハプティクス装置4における消費電力を低減したりすることができる。
次に、図31を参照して、空中ハプティクスシステム1bの変形例について説明する。
図31に示す如く、空中ハプティクス制御装置100bは、周波数設定部24を含まないものであっても良い。すなわち、判定用情報取得部21b、要求精度判定部22b及びドライバ選択部23により空中ハプティクス制御装置100bの要部が構成されているものであっても良い。
次に、図32及び図33を参照して、空中ハプティクスシステム1bの他の変形例について説明する。
図32又は図33に示す如く、空中ハプティクスシステム1bは、センサ6を含むものであっても良い。操作検出部15は、ハンドジェスチャによる操作を検出するにあたり、電流値Iを用いるのに代えてセンサ6を用いるものであっても良い。
以上のように、実施の形態3に係る空中ハプティクス制御装置100bにおいて、判定用情報は、空中ハプティクス装置4及び空中ハプティクス装置4に対応する空中ディスプレイ装置5を含む空中ハプティクスシステム1bのユーザUの視線方向Lを示す視線方向情報を含み、かつ、空中ディスプレイ装置5における画面UIを示す画面UI情報を含む。これにより、視線方向L及び画面UIに応じた要求精度RAの判定を実現することができる。
また、要求精度判定部22bは、ユーザUの視線が空中ディスプレイ装置5における表示領域A1に向けられていない場合、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。これにより、ユーザUによる操作入力が手探りによるものであるとき、高精度な触覚刺激を実現することができる。
また、要求精度判定部22bは、ユーザUの視線が空中ディスプレイ装置5における表示領域A1に向けられている場合において、画面UIが単純操作用のUIでないとき、要求精度RAが第1要求精度RA_1であると判定する。これにより、ユーザUによる操作入力が目視によるものである場合において、画面UIが単純操作用のUIでないとき(例えば画面UIがスライド操作用のUI又はフリック操作用のUIであるとき)、高精度な触覚刺激を実現することができる。
また、要求精度判定部22bは、ユーザUの視線が空中ディスプレイ装置5における表示領域A1に向けられている場合において、画面UIが単純操作用のUIであるとき、要求精度RAが第2要求精度RA_2であると判定する。これにより、ユーザUによる操作入力が目視によるものである場合において、画面UIが単純操作用のUIであるとき(例えば画面UIがタップ操作用のUIであるとき)、空中ハプティクス装置4における消費電力を低減することができる。
なお、本願開示はその開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。