JP7072160B2 - 超薄膜光ルミネッセンスセンサー - Google Patents
超薄膜光ルミネッセンスセンサー Download PDFInfo
- Publication number
- JP7072160B2 JP7072160B2 JP2017547888A JP2017547888A JP7072160B2 JP 7072160 B2 JP7072160 B2 JP 7072160B2 JP 2017547888 A JP2017547888 A JP 2017547888A JP 2017547888 A JP2017547888 A JP 2017547888A JP 7072160 B2 JP7072160 B2 JP 7072160B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- sensor
- luminescence
- nanosheet
- sensitive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
- G01N21/62—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
- G01N21/63—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
- G01N21/64—Fluorescence; Phosphorescence
Description
前記ルミネッセンス化合物からのルミネッセンスの測定強度に対して、前記リファレンス化合物からのルミネッセンスの測定強度の比を算定し、
測定デバイスにおける測定値をレシオメトリック法によって補正する場合がある。
本発明の実施形態の1つは、複数の高分子ナノシートを含む積層膜からなる超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、前記積層膜は、測定対象である物理的又は化学的パラメータに対して光学特性が変化するルミネッセンス化合物を担持する少なくとも1つの高分子ナノシートを含む超薄膜光ルミネッセンスセンサーである。
a) 犠牲膜層として、PVAやプルランのような水溶性高分子を基板上に製膜する。
b) センサー化合物およびポリマーを溶媒に溶解させる。この際、溶媒は化合物およびポリマーに対し不活性のものを選択し、ポリマー溶液を作成する。
c) 前記ポリマー溶液を犠牲膜層の上にスピンコートし、ナノシートセンサーを作成する。
d) 水中に浸漬させることで犠牲膜層を溶解させ、自立性(self-standing)のナノシートセンサーを水中にて得る。
e) レシオメトリック測定に用いる際は、前記自立性のナノシートセンサーを水中からメッシュで掬い上げる。この操作はセンサー層、リファレンス層それぞれに対して行う。
f) センサー層をリファレンス層の上に重ね、センサー層側のメッシュをセンサー層から剥がす。この際、上からセンサー層、リファレンス層、メッシュとなる。また、リファレンス層をセンサー層の上に重ねることで、上からリファレンス層、センサー層、メッシュとすることも可能である。
g) 測定対象表面に対して二層ナノシートセンサーを、上からリファレンス層、センサー層、測定対象の順になるように貼り付け、メッシュ側に水や食塩水などの水性の溶媒を加えてメッシュのみを剥がし、測定対象に二層ナノシートセンサーを貼付又は密着させる。
我々は、膜厚が10から100ナノメーターのオーダーと極めて薄い高分子フィルムを製造し、酸素/温度に感受性を有する又は感受性を有しない蛍光分子が埋め込まれることでフィルムを機能的なものにする簡便な技術を発明した。ナノシートは高分子ポリマーの柔軟性によって高い追従性を有し、ファンデルワールス力により生体組織を含むさまざまな基体上に高い密着性を有する。センサー化合物をナノシート中に埋め込むために、我々は高分子ポリマー、蛍光/りん光化合物及び溶媒の適切な組み合わせを選択した。センサー化合物はナノシートの高分子マトリックス中で作用しなければならない。ポリマーはセンサー化合物の蛍光特性に対して不活性でなければならない。一方、溶媒はポリマーに対して充分な溶解性を持ってなければならない、また、センサー化合物の安定性に影響を与えてはならない。例えば、PMMA (ジクロロメタン、トルエン、エチルアセテート又はアセトン中に溶解する)は、前記化合物のリークが最小となり蛍光強度が安定するので、例えば、ローダミンB、EuTTA、EuDT、PtOEPの埋め込みに使用され得る。PS(ジクロロメタン、トルエン又はエチルアセテートに溶解する)は、さらにガス濃度に対する感受性がポリマーの組成を変えることで変化できる。そこでポリマーはPSやPMMAから選択されうる。例えば、我々はPSナノシートが窒素に対して高い感受性を示し、PMMAナノシートが酸素に対して高い感受性を示すことを実証した。しかし、ナノシートは、ポリエステル、エラストマー、導電性ポリマーや多糖類などのさまざまなポリマーを用いて製造され得る。本発明では、上記したポリマー、化合物、及び溶媒の適当な組み合わせが選択される。
本発明のもう1つの実施態様は、前記の超薄膜光ルミネッセンスセンサーによって被験体の物理的又は化学的パラメータを測定する方法、特に、レシオメトリック法を用いることによって、物理的又は化学的パラメーターを精度の高く測定する方法である。
以下はナノシートセンサーの作製方法のいくつかの例である。
先行技術文献1、2に記載のセンサー化合物を担持するマイクロシートは柔軟性がなく、接着剤又は粘着剤を用いずに表面には物品に貼付することができない。一方、ナノシートで示される物品に対する高い密着性は、センサー化合物を担持するナノシートのセンサーとしての応用を広げる。
PtOEP担持ナノシート(ナノシート1)、及びPtOEP担持ナノシート(ナノシート1)とRhodamine 101担持ナノシート(ナノシート2)の積層膜を用い、各種酸素濃度環境下における酸素感受性、非感受性は、蛍光分光光度計を用いて定量的に解析した(図3、励起光の波長:560nm)。
ステンシル法を用いてガラスプレート(厚み0.12~0.17 mm)上に、マイクロ厚(膜厚:9μm)の酸素濃度センシングシートを作製した(ポリスチレン(PS)2.0 wt%、PtOEP 0.005 wt%)。さらに、同じガラスプレート上にPtOEPを担持するPSナノシート(膜厚:150nm)を貼付して、両シートに窒素ガスを同じ圧力で吹き付け、マイクロシートとナノシート中のPtOEPのりん光強度の変化の結果を29 fpsの撮影スピードでビデオカメラでモニターした。
PtOEPを担持するナノシート及びマイクロシートの両シート共UVランプ(励起光365nm)により励起された。窒素ガスフローに対するPtOEPのりん光強度の応答速度を比較したところ、ナノシートは酸素感受性に関してマイクロシートよりも高い時空間分解能を示した(空間分解能:約6.7倍、時間分解能:10~30倍) (図4A,図4B)。シートタイプのセンサーにおいては、シート厚の減少に伴って、センサー中の環境パラメータ(ガス、温度)を変化するのに要する時間も減少する。センサーの厚さが1μm未満の場合、膜厚方向に対するガス拡散や熱伝導はマイクロシートよりも早く飽和状態となるため、ナノシートの方が高い時空間分解能が示される。この結果は1マイクロメートル未満の膜厚の重要性を示し、また、環境や生物医学的な応用のための薄膜状光ルミネッセンスセンサーの感受性や有用性を向上した。
窒素ガスを通気したミリQ水、大気環境下に放置したミリQ水、酸素ガスを通気したミリQ水を、大気環境下、PtOEPを担持するナノシート(膜厚:150nm)上に留置し、その後の酸素濃度の変化に伴うりん光強度の変化をデジタルカメラ (NEX-C3, ソニー株式会社、東京)で測定した。
上記のとおり、ナノシートは膜厚が薄いところから種々の物品に対して優れた密着性を有し、粘着剤や接着剤を使用しなくとも種々の物品に貼付できる特性を有し、皮膚表面にも貼付できる。そこで、皮膚に貼付した状態で、酸素センサーとしての機能を発揮できるかについて検証した。
温度感受性蛍光化合物としてEuDT(Eu-tris(dinaphthoylmethane)- bis-trioctylphosphine oxide)を、温度非感受性のリファレンス化合物としてRhodamine 800を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、各化合物を担持するナノシート(以下、それぞれをナノシート3、ナノシート4と記載)を製造した(図1)。なお、ナノシート3の製造には、PMMA:2.0wt%とEuDT:0.05wt%の混合溶液を用い、ナノシート4の製造には、ポリスチレン(PS):2.0wt%とRhodamine 800:0.05wt%の混合溶液を使用した。得られたナノシート3の膜厚は163±13nm、表面粗さは9±4nm、ナノシート4の膜厚は167nm±14nm、表面粗さは8±4nmであった。
EuDT担持ナノシート(ナノシート3)及びRhodamine 800担持ナノシート(ナノシート4)の各種温度における蛍光強度を測定した。EuDT担持ナノシートの温度変化に対する光ルミネッセンスによる発光スペクトルの変化(温度変化; 29oC~45 oC、2 oCごと、図8A)、EuDT担持ナノシートの温度変化に対する発光スペクトルのピーク(619nm)の強度変化(図8B)、Rhodamine 800担持ナノシートの温度変化に対する発光スペクトル変化(温度変化; 29oC~b45 oC、2 oCごと、図8C)、及び、Rhodamine 800担持ナノシートの温度変化に対する発光スペクトルのピーク(702 nm)強度の変化(図8D)を表す。
Dicronorrhina derbyana(以下、「甲虫」(beetle)と記載)の背側背板を剥離し、飛翔筋(dorso-ventral muscle及びdorso-longitudinal muscle)を露出し、この露出された飛翔筋にナノシート3とナノシート4との積層膜(二重膜)を内側側をナノシート3として貼付した。この積層膜は、粘着剤や接着剤を使用しなくとも、甲虫の飛翔筋に貼付可能であった(図9A、B)。
ナノシート3と4との積層膜を貼付した甲虫の飛翔筋に赤外線レーザー光(波長:980nm, Viasho, 北京、中国)を間歇的に照射することにより、飛翔筋の温度を変化させた。このときのEuDT担持ナノシートとRhodamine 800担持ナノシートからの蛍光強度の時間的変化を観測した結果を図10に示した。左図は測定したROIを、右図は、EuDTとRhodamine 800の平均ルミネッセンス強度の経時的変化を表す。
上記と同様に飛翔筋に甲虫のEuDT担持ナノシートとRhodamine 800担持ナノシートの積層膜を貼付後、赤外線レーザーで飛翔筋を加熱し、EuDT及びRhodamine 800の蛍光強度比を測定することにより温度変化を測定した。また、同時に赤外線サーモグラフィー(Ti 400;Fluke, ワシントン州、米国)を使用し、前記積層膜と赤外線サーモグラフィーで得られる温度変化の値とを比較した。
レーザー光で飛翔筋を加熱し、温度を上昇させた場合の赤外線サーモグラフィーで測定して得られた飛翔筋の温度変化とEuDT/Rhodamine 800の蛍光強度比との関係を図11に示した。蛍光強度比は、イメージJ (https://imagej.nih.gov/ij/)で算出した。その結果、飛翔筋温度とEuDT/Rhodamine 800蛍光強度比とは良い直線関係を示し、加熱時は1.38%/℃の、放熱時は1.72%/℃の蛍光強度比の変化を示した(図11B)。
甲虫は後肢をピンセットでつかむ刺激を与えると、飛翔筋の温度が上昇する逃避運動を誘発される。そこで、飛翔筋に上記積層膜を貼付し、刺激を与える前、刺激後及び放熱後の蛍光強度の変化を測定することにより、飛翔筋温度の変化をマッピングした。
結果を図12に示した。飛翔筋正中線近傍であるROI(関心領域)4、5での温度上昇は各3.00℃及び3.55℃を示し、外側側にいくに従って温度上昇は大きくなり、ROI 1では4.10℃、ROI 8では4.79℃の温度上昇を示した。本温度マッピングの結果から、甲虫の飛翔筋の筋繊維の形状を描出することで、甲虫刺激時の飛翔筋の発熱の不均一性を明らかにできた。
被験体の位置変化による測定結果への影響へのレシオメトリック法による矯正
上記に、レシオメトリック法によって得られた画像は、測定対象の動きや顕微鏡のずれにより生じる焦点面変化に起因する強度変化を矯正できることを記載した。この点をより明確に表すため、細胞内温度分布を、温度感受性の蛍光化合物であるRhodamine Bと温度非感受性の蛍光化合物であるNIRrhod101で、焦点面をずらしながら得られた画像と、その蛍光強度比を表した図を図13に示した。
以上の結果をまとめると、従来の方法、デバイス、物質に対する本発明の優位性として以下が挙げられる。
ステンシル法を用いてガラスプレート(厚み0.12~0.17mm)上に、マイクロ厚の酸素濃度センシングシートを作製した(PS 2.0wt%, PtOEP 0.005wt%)。さらに、同じガラスプレート上にPtOEPを担持するPSナノシート(厚さ:150nm)を貼付した両シートに窒素ガスを同じ圧力で吹き付け、マイクロシートとナノシート中のPtOEPのりん光強度の変化の結果を29fpsの撮影速度でビデオカメラでモニターした。この実施形態では、両シート共UVランプ(励起光365nm)により励起された。窒素ガスフローに対するPtOEPのりん光強度の反応速度を比較したところ、ナノシートは酸素感受性に関してマイクロシートよりも高い時空間分解能を示した(すなわち、空間分解能>4倍、時間分解能>10倍) (図4)。シートタイプのセンサーにおいては、シート厚が減少するに従って、センサー中の環境パラメータ(ガス透過、温度増加)を変化するのに要する時間も減少する。センサーの厚さが1μm未満の場合、ガスや熱の交換はマイクロシートよりも早くなり、それにより、ナノシートに対する高い時空間分解能が示される。この結果は1マイクロメートル未満の膜厚の重要性を示し、また、環境や生物医学的な応用のための薄膜状光ルミネッセンスセンサーの感受性や有用性を向上した。図5は1μmシート(マイクロシートと言う)の時空間分解能を示す。時間分解能に関して、窒素ガスをマイクロシートに吹き付けた際に、強度が一定になるまで変化する時間が0.7秒であったのに対して、ナノシート(膜厚150nm)は0.1秒未満であった。空間分解能に関して、マイクロシートの強度の変化の領域はナノシートよりも大きい。したがって、ナノシートは、1μm以上の膜厚のマイクロシート に比較して高い時空間分解能を有する。この結果から、少なくとも1μm未満の厚さが高い時空間分解能を達成するために望ましい。
センサー化合物を担持するナノシートは、メッシュ、ワイヤループ、あるいは水圧を介してさまざまな表面に容易に貼付できる(図2及び図7)。特に、皮膚表面上のPtOEP担持PSナノシートの酸素感受性が示される(図7)。先行技術文献1及び2に見られる、センサー化合物を担持するマイクロシートは柔軟性がなく、接着剤や粘着剤を用いずに表面に貼付することができない。ナノシートで示した密着性は、センサー化合物を担持するナノシートのセンサーとしての応用を広げると理解される。
EuDT担持PMMAナノシートとRhodamine 800担持PSナノシートの2層構造ナノシートを、メッシュを介して甲虫の飛翔筋に貼付した。そして、甲虫の後肢をピンセットでつかむことで、飛翔筋の温度が上昇する逃避モードを誘発した。この温度変化が、ナノシートセンサー(EuDT担持)からの発光強度の変化によりモニターされた。測定対象の動きや顕微鏡のずれにより生じる焦点面変化に起因する強度変化は、EuDTチャネルの信号強度をRhodamine 800チャネルの信号強度で割るレシオメトリック法により補正された。計算した比の値は、飛翔筋由来の熱発生に伴って温度上昇、下降する温度変化に対して正確な変化を示していた(飛翔筋の温度変化は赤外線サーモグラフィーカメラを用いてモニターされ、相関があった)(図11)。このことから、このナノシートを利用したセンサーシステムは甲虫の飛翔筋のような微小な生体組織においても測定が可能であるといえる。赤外線サーモグラフィーカメラは生体イメージングに際して、赤外線の水による吸収、空間分解能の限界が10μmしかないという課題がある。それゆえ、このナノシートセンサーは組織のような濡れた表面の温度をマッピングする際の有望なツールになると期待される。このナノシートセンサーはイメージJの分析によって表面温度をマップできる(図12)。
本発明の超薄膜センサーは、レシオメトリック法を用いる。レシオメトリック法の使用により、図13で示されたように被写体の動作や焦点ずれに起因する物理的又は化学的パラメータに感受性を有するルミネッセンス化合物からのルミネッセンスの強度低下に対して、このルミネッセンス強度に対するリファレンス化合物からのルミネッセンス強度の比を使用して、測定対象の物理的又は化学的パラメーターのマッピングを行う。これにより被写体の動作や焦点ずれに起因する測定装置での受光量の変化を補正することが可能である。
物理的又は化学的パラメータに感受性のルミネッセンス化合物と、物理的又は化学的パラメータに非感受性のルミネッセンス化合物の少なくとも2種のルミネッセンス化合物をレシオメトリック法で使用する。これらの多種のルミネッセンス化合物は、相互に、又は一方に蛍光共鳴エネルギ-移動を惹起し、ルミネッセンスを減弱させることにより、正確な物理的又は化学的パラメータの測定を妨害する可能性が高いと考えられる。
ガス濃度測定においてナノシート1(PtOEP担持PSナノシート、酸素センサー)は高い時空間分解能を示した(図4、図5)。本発明は、宇宙空間、海底、災害及び安全保障での環境測定、特に高い時空間分解能が求められる極限環境下での事故防止に有用である。
我々は、ナノシート3(EuDT担持PMMAナノシート:温度センサー)とナノシート4(Rhodamine 800担持PSナノシート:温度センサーのリファレンス)を生体組織イメージングとして開示した(図9~12)。2層型の構造は容易に構築でき、接着剤や粘着剤を介せず、筋組織に貼付可能であった(図2、図7及び図9~12)。これらのナノシートセンサーは微小な組織における温度変化を測定可能であった(図11、12)。また、生体組織のような濡れた表面にも適用可能である。これらの結果から、ナノシートセンサーは顕微鏡や内視鏡を用いた生体表面マッピングに有望である。
Claims (9)
- 複数の高分子ナノシートを含む積層膜からなる超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、
前記積層膜は、測定対象である物理的又は化学的パラメータの値の変化に対して光学特性が変化するルミネッセンス化合物を担持する少なくとも1つの高分子ナノシートを含み、
前記物理的又は化学的パラメータの値の変化に対して非感受性のルミネッセンス化合物をリファレンス化合物として担持する高分子ナノシートをレシオメトリック法のためのリファレンスナノシートとして含む、
ことを特徴とする超薄膜光ルミネッセンスセンサー。 - 請求項1に記載の超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、
前記物理的又は化学的パラメータが、ガス濃度、酸素濃度、窒素濃度、圧力、温度、金属イオン濃度、pH、膜電位及び活性酸素濃度からなる群から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする超薄膜光ルミネッセンスセンサー。 - 請求項1又は2に記載の超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、
前記ルミネッセンス化合物は、酸素又は圧力の感受性を有する化合物としてPtOEP(platinum octaethylporphyrin)から、温度感受化合物を有する化合物としてEuDT(Eu-tris(dinaphthoylmethane)-bis-trioctylphosphine oxide)、EuTTA(Eu-thenolytrifluoroacetonate)又はローダミンB(Rhodamine B)から、pH感受性を有する化合物として2',7'-Dichlorofluorescein又はfluoresceinから、CO2ガス感受性を有する化合物としてベンゾビスイミダゾリウム(Benzobisimidazolium)から、カルシウム感受性を有する化合物として(1-[2-アミノ-5-(2,7-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-3-オキソ-9-キサンテニル)フェノキシ]-2-(2-アミノ-5-メチルフェノキシ)エタン-N,N,N',N'-四酢酸,ベンタアセトキシメチルエステル)から、亜鉛感受性を有する化合物として2-[N-(carboxymethyl)-4-(2,7-difluoro-3-oxido-6-oxoxanthen-9-yl)-2-methoxyanilino]acetate、Glycine,N-(carboxymethyl)-N-[4-[[(2',7'-difluoro-3',6'-dihydroxy-3-oxospiro[isobenzofuran-1(3H),9'-[9H]xanthen]-5-yl]carbonyl]amino]2-methoxyphenyl]-,tetrapotassium salt又は2-[2-[2-[2-[bis(carboxylatomethyl)amino]-5-methoxyphenoxy]ethoxy]-4-(2,7-difluoro-3-oxido-6-oxo-4a,9a-dihydroxanthen-9-yl)anilino]acetate)から、マグネシウム感受性を有する化合物として5-Oxazolecarboxylic acid,2-[5-[2-[(acetyloxy)methoxy]-2-oxoethoxy]-6-[bis[2-[(acetyloxy)methoxy]-2-oxoethyl]amino]-2-benzofuranyl]-(acetyloxy)methyl esterから、及び、膜電位感受性を有する化合物としてANEPPS から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする超薄膜光ルミネッセンスセンサー。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、
前記測定対象の物理的又は化学的パラメータの値の変化に対して非感受性のリファレンス化合物が、有機蛍光化合物、有機金属錯体、又は無機蛍光材料から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする超薄膜光ルミネッセンスセンサー。 - 請求項4に記載の超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、
前記有機蛍光化合物がRhodamine101又はRhodamine800から、有機金属錯体がイリジウム錯体(Irppy3)から選択され、及び、無機蛍光材料がQuantum Dotである、
ことを特徴とする超薄膜光ルミネッセンスセンサー。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載の超薄膜光ルミネッセンスセンサーであって、
前記超薄膜光ルミネッセンスセンサーの厚さが1μm未満である、
ことを特徴とする超薄膜光ルミネッセンスセンサー。 - 超薄膜光ルミネッセンスセンサーを使用して、被験体の物理的若しくは化学的パラメータの値又はその変化を測定する方法であって、
前記超薄膜光ルミネッセンスセンサーは、複数の高分子ナノシートの積層膜であり、
前記積層膜は、測定対象である物理的又は化学的パラメータの値の変化に対して光学特性が変化するルミネッセンス化合物を担持する少なくとも1つの高分子ナノシートを含み、
前記物理的又は化学的パラメータの値の変化に対して非感受性のルミネッセンス化合物をリファレンス化合物として担持する高分子ナノシートをリファレンスナノシートとして用い、
前記ルミネッセンス化合物からのルミネッセンスの測定強度に対して、前記リファレンス化合物からのルミネッセンスの測定強度の比を算定し、
測定デバイスにおける測定値をレシオメトリック法によって補正する、
ことを特徴とする、方法。 - 請求項7に記載の方法であって、
前記物理的又は化学的パラメータが、ガス濃度、酸素濃度、窒素濃度、圧力、温度、金属イオン濃度、pH、膜電位及び活性酸素濃度からなる群から選択される少なくとも1種である、
ことを特徴とする、方法。 - 請求項7又は8に記載の方法であって、
前記超薄膜光ルミネッセンスセンサーの厚さが1μm未満である、
ことを特徴とする方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
SG10201508989W | 2015-10-30 | ||
SG10201508989W | 2015-10-30 | ||
PCT/JP2016/082056 WO2017073728A1 (ja) | 2015-10-30 | 2016-10-28 | 超薄膜光ルミネッセンスセンサー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2017073728A1 JPWO2017073728A1 (ja) | 2018-09-13 |
JP7072160B2 true JP7072160B2 (ja) | 2022-05-20 |
Family
ID=58631530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017547888A Active JP7072160B2 (ja) | 2015-10-30 | 2016-10-28 | 超薄膜光ルミネッセンスセンサー |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7072160B2 (ja) |
WO (1) | WO2017073728A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019017030A1 (ja) * | 2017-07-19 | 2019-01-24 | ソニー株式会社 | センサデバイス、検出装置 |
TWI661186B (zh) * | 2018-01-25 | 2019-06-01 | 長庚大學 | 光學式氣體感測器與其系統及製作方法 |
CN108333162B (zh) * | 2018-02-07 | 2021-09-21 | 南方科技大学 | 一种荧光氧探针及其制备方法和用途 |
CN109580570B (zh) * | 2019-01-02 | 2021-03-12 | 齐鲁工业大学 | 一种生物组织荧光显微分析方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007086040A (ja) | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Univ Nagoya | 酸素感応膜及びその製造方法 |
JP2008232853A (ja) | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Tohoku Univ | 局在表面プラズモン励起型超薄膜発光型センサー |
US20110236986A1 (en) | 2010-03-29 | 2011-09-29 | University College Cork, National University Of Ireland, Cork | Sensor material and uses thereof to simultaneously sense two analytes |
US20110244592A1 (en) | 2008-12-11 | 2011-10-06 | Luxcel Biosciences Limited | Optochemical sensor active element, method of its preparation and use |
JP2013053901A (ja) | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Gunma Univ | レシオ法に基づいた酸素センサー |
JP2013200192A (ja) | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Ehime Univ | ハイブリッド膜、ガスセンサおよび発光性センサ |
-
2016
- 2016-10-28 WO PCT/JP2016/082056 patent/WO2017073728A1/ja active Application Filing
- 2016-10-28 JP JP2017547888A patent/JP7072160B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007086040A (ja) | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Univ Nagoya | 酸素感応膜及びその製造方法 |
JP2008232853A (ja) | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Tohoku Univ | 局在表面プラズモン励起型超薄膜発光型センサー |
US20110244592A1 (en) | 2008-12-11 | 2011-10-06 | Luxcel Biosciences Limited | Optochemical sensor active element, method of its preparation and use |
US20110236986A1 (en) | 2010-03-29 | 2011-09-29 | University College Cork, National University Of Ireland, Cork | Sensor material and uses thereof to simultaneously sense two analytes |
JP2013053901A (ja) | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Gunma Univ | レシオ法に基づいた酸素センサー |
JP2013200192A (ja) | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Ehime Univ | ハイブリッド膜、ガスセンサおよび発光性センサ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2017073728A1 (ja) | 2017-05-04 |
JPWO2017073728A1 (ja) | 2018-09-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7072160B2 (ja) | 超薄膜光ルミネッセンスセンサー | |
Zhang et al. | Supramolecular self-assembly bioinspired synthesis of luminescent gold nanocluster-embedded peptide nanofibers for temperature sensing and cellular imaging | |
JP6076738B2 (ja) | ナノ構造の変形、破壊、および変換に基づくモニタリング装置およびモニタリング方法 | |
Liu et al. | Near‐infrared mechanoluminescence of Cr3+ doped gallate spinel and magnetoplumbite smart materials | |
Huang et al. | One‐pot synthesis of highly luminescent carbon quantum dots and their nontoxic ingestion by zebrafish for in vivo imaging | |
Elanjeitsenni et al. | A review on thin films, conducting polymers as sensor devices | |
Stahl et al. | Time‐resolved pH imaging in marine sediments with a luminescent planar optode | |
Stewart et al. | Cathodic quantum dot facilitated electrochemiluminescent detection in blood | |
Lim et al. | Wearable, luminescent oxygen sensor for transcutaneous oxygen monitoring | |
US10520435B2 (en) | Optical sensor and sensing system for oxygen monitoring in fluids using molybdenum cluster phosphorescence | |
JP2012112939A (ja) | 湿度に対する交差感度を低減させた光ルミネセンス酸素プローブ | |
Chang-Yen et al. | Electrostatic self-assembly of a ruthenium-based oxygen sensitive dye using polyion–dye interpolyelectrolyte formation | |
Zátonyi et al. | Transparent, low-autofluorescence microECoG device for simultaneous Ca2+ imaging and cortical electrophysiology in vivo | |
Nie et al. | Multifunctional room-temperature phosphorescent carbon dots for relative humidity determination and information encryption | |
Pacheco-Liñán et al. | Functionalized CdSe/ZnS quantum dots for intracellular pH measurements by fluorescence lifetime imaging microscopy | |
de Acha et al. | Enhancement of luminescence-based optical fiber oxygen sensors by tuning the distance between fluorophore layers | |
Kalytchuk et al. | Sodium chloride protected CdHgTe quantum dot based solid-state near-infrared luminophore for light-emitting devices and luminescence thermometry | |
Lin et al. | All-marine based random lasers | |
Ghahrizjani et al. | ZnO–SrAl2O4: Eu nanocomposite-based optical sensors for luminescence thermometry | |
US8569703B2 (en) | System and methods using quantum dots as general dosimeters | |
RU2541422C1 (ru) | Зонд атомно-силового микроскопа с нанокомпозитным излучающим элементом, легированным квантовыми точками структуры ядро-оболочка | |
Wu et al. | Microfabricable ratiometric gaseous oxygen sensors based on inorganic perovskite nanocrystals and PtTFPP | |
CN105572046B (zh) | 荧光检测样品池及其制备方法 | |
Hou et al. | A Versatile, Incubator‐Compatible, Monolithic GaN Photonic Chipscope for Label‐Free Monitoring of Live Cell Activities | |
RO135058A0 (ro) | Procedeu de obţinere a unei reţele de nanopiloni poli- merici metalizaţi utilizată ca substrat sers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200616 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200904 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210423 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211005 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211126 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20220217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220421 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7072160 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |