JP7070039B2 - モーター装置、印刷装置、モーターユニット、及びモーターの温度推定方法 - Google Patents

モーター装置、印刷装置、モーターユニット、及びモーターの温度推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、モーターユニット、当該モーターユニットを備える印刷装置、及び当該モーターユニットの温度推定方法に関する。
電動機(モーター)を構成する部材が劣化すると、摺動摩擦による発熱が大きくなり、モーターの温度が上昇する。このため、モーターの温度を観察すると、モーターを構成する部材の劣化状態が分かり、モーターが故障する時期を事前に把握し、モーターが故障する前に計画的にモーターを交換することが可能になる。
例えば、24時間稼働する産業用途の印刷装置において、モーターが故障する時期を事前に把握し、モーターが故障する前に計画的にモーターを交換することが可能になると、印刷装置の生産性を高めることができる。例えば、電気自動車において、モーターが故障する時期を事前に把握し、モーターが故障する前に計画的にモーターを交換することが可能になると、モーターの故障に起因するトラブル(例えば、事故)を予防することができる。
このように、モーターの温度を適正に推定し、モーターを構成する部材の劣化状態を把握することが望まれる。例えば、特許文献1では、磁気式センサーを使用してローター(モーター)の温度を推定する方法が提案されている。
特開2017-34811号公報
特許文献1では、磁気式センサーとしてホール素子が使用されている。ホール素子は、磁場の強さや極性に応じたアナログ電圧(アナログ信号)を出力し、磁石との間隔が変化すると出力波形が変化する。さらに、アナログ信号は、デジタル信号と比べてノイズの影響を受けやすく、ノイズや磁石との間隔の変化によって、精度が悪くなるおそれがある。例えば、ホール素子と比べて精度が良いとされる磁気抵抗素子では、出力波形が磁場強度に対して直線的に変化せず、強磁場で飽和するため、磁石との間隔が狭くなると出力波形が歪んでしまう。このため、磁気抵抗素子においても、磁石との間隔が変化し出力波形が歪むと、精度が悪くなる。
このように、磁気式センサーを使用する場合、磁石との間隔が変化すると、精度よくモーターの温度を推定することが難しくなるという課題があった。
本願のモーターユニットは、ローターを有するモーターと、前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、前記光学要素に光を照射する発光素子と、前記光学要素を透過する前記光、又は前記光学要素で反射される前記光を受光し、矩形波信号を出力する受光素子と、前記発光素子及び前記受光素子を支持する支持板と、を有し、前記光学要素の前記円に沿った長さと前記円の周長との比は、前記円の半径方向に沿って変化することを特徴とする。
本願のモーターユニットでは、前記基板の熱膨張率と前記支持板の熱膨張率とは異なることが好ましい。
本願のモーターユニットでは、前記光学要素の前記円に沿った長さは、前記半径方向に沿って短くなることが好ましい。
本願のモーターユニットでは、前記光学要素は、矩形状を有することが好ましい。
本願の印刷装置は、上記モーターユニットを有することを特徴とする。
本願のモーターユニットの温度推定方法は、ローターを有するモーターと、前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、前記光学要素に光を照射する発光素子と、前記光学要素を透過する前記光、又は反射する前記光を受光し、矩形波信号を出力する受光素子と、前記発光素子及び前記受光素子を支持する支持板と、を有するモーターユニットの温度推定方法であって、前記矩形波信号は、前記受光素子が前記光を受光する場合に出力されるオン信号と、前記受光素子が前記光を受光しない場合に出力されるオフ信号とを含み、前記オン信号の時間を、前記オン信号の時間と前記オフ信号の時間との合計で除したデューティ比から、前記モーターの温度変化を推定することを特徴とする。
実施形態1に係る印刷装置の構成を示す概略断面図。 モーターユニットの構成を示す概略図。 ギアボックスの構成を示す概略断面図。 エンコーダーの構成を示す概略断面図。 基板の概略平面図。 基板の他の概略平面図。 モーターの温度変化を推定する場合のモーターユニットの状態を示す概略図。 モーターの温度変化を推定する場合の基板の状態を示す概略平面図。 温度推定用エンコーダーパルス信号の概略図。 デューティ比D2とモーターの温度ΔTとの関係を示す図。 実施形態2に係る印刷装置に搭載されるモーターユニットのエンコーダーの概略断面図。 基板の概略平面図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
「印刷装置の概要」
図1は、実施形態1に係る印刷装置の構成を示す概略断面図である。
最初に、図1を参照し、本実施形態に係る印刷装置10の概要を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る印刷装置10は、長尺の媒体Aを扱うラージフォーマットプリンター(LFP)である。印刷装置10は、脚部11と、脚部11に支持された筐体部12と、筐体部12の両端に取り付けられたセット部20及び巻取部25と、筐体部12の一方の端に取付けられた表示部17とを備えている。媒体Aとしては、例えば、上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙、合成紙、及びPET(Polyethylene terephthalate)やPP(polypropylene)などから成るフィルムなどを使用することができる。
以降の説明では、印刷装置10の高さ方向をZ方向とし、媒体Aの幅方向をX方向とし、Z方向及びX方向に交差する方向をY方向とする。さらに、方向を示す矢印の先端側を(+)方向とし、方向を示す矢印の基端側を(-)方向とする。また、Y方向は、媒体Aが搬送される方向であり、搬送方向Yと称す場合がある。Z方向は、鉛直方向である。
筐体部12の内部には、媒体Aを搬送方向Yに搬送する搬送部30と、印刷部40(モーターユニット4)と、印刷装置10の各部を制御する制御部27と、媒体支持部22とが設けられている。すなわち、本実施形態に係る印刷装置10は、搬送部30と、印刷部40(モーターユニット4)と、制御部27と、媒体支持部22とを有する。
媒体Aは、セット部20に収納されたロール体Rから巻き解かれ、給送口13から筐体部12の内部に給送される。さらに、セット部20から給送される媒体Aは、媒体支持部22によって支持され、搬送部30に案内される。搬送部30に案内された媒体Aは、搬送部30によって印刷部40に向けて搬送される。媒体Aは、印刷部40で印刷された後に、排出口15から筐体部12の外部に排出され、巻取部25によってロール状に巻き取られる。
なお、媒体Aは、ロール紙でなく単票紙であってもよい。
搬送部30は、印刷部40に対して搬送方向Yの上流側に配置され、駆動ローラー31と従動ローラー32とを有している。従動ローラー32は、媒体Aを介して駆動ローラー31に圧接され、従動回転する。駆動ローラー31は、従動ローラー32との間で媒体Aを挟持する。搬送部30では、駆動ローラー31がモーターユニット(図示省略)によって回転駆動されることにより、媒体Aが搬送方向Yに搬送される。
表示部17は、例えばタッチパネルを有する液晶表示装置で構成される。作業者は、表示部17のタッチパネルによって、印刷装置10の各種設定を行うことができる。
印刷部40は、印刷ヘッド41と、印刷ヘッド41を保持するキャリッジ46と、媒体Aを支持するプラテン45と、キャリッジ46を支持するガイド軸47と、モーターユニット4(モーター6(図2参照))とを有している。
キャリッジ46は、モーターユニット4がベルト機構(図示省略)を駆動することにより、ガイド軸47に沿って主走査方向に移動する。
印刷ヘッド41は、圧力発生室(図示省略)と圧電素子(図示省略)とノズル(図示省略)を有する。圧電素子は、撓み振動モードの圧電アクチュエーター、または縦振動モードの圧電アクチュエーターである。圧電素子が圧力発生室の一部を形成する振動板を振動させ、圧力発生室に圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用することで、ノズルから媒体Aに対してインクが吐出される。印刷ヘッド41は、キャリッジ46に保持され、モーターユニット4の動力によって、キャリッジ46と一緒に、X方向またはX方向と反対方向(以降、主走査方向Xと称す)に移動する。
プラテン45は、印刷ヘッド41と対向する上面に媒体Aの幅方向(X方向)を長手方向とする略矩形状の上面を備えている。媒体Aは、プラテン45に付与される負圧によってプラテン45の上面に吸引支持される。これにより、媒体Aの浮き上がりによる印刷品質の低下が防止されるようになっている。
印刷装置10では、印刷ヘッド41が主走査方向Xに移動しながら媒体Aにインクを吐出する主走査と、搬送部30が媒体Aを搬送方向Yに搬送する副走査とを交互に繰り返すことによって、媒体Aに対して文字や図形などを含む画像を印刷する。
なお、モーターユニット4(モーター6)は、印刷ヘッド41(キャリッジ46)を主走査方向Xに移動させるための動力源である。モーターユニット4(モーター6)は、間欠的に駆動され、主走査時に動作し、副走査時に停止する。さらに、搬送部30のモーターユニットは、媒体Aを搬送方向Yに搬送させるための動力源である。搬送部30のモーターユニットは、間欠的に駆動され、副走査時に動作し、主走査時に停止する。
「モーターユニットの概要」
図2は、モーターユニットの構成を示す概略図である。図3は、ギアボックスの構成を示す概略断面図である。図4は、エンコーダーの構成を示す概略断面図である。
図4では、モーター6のローター61の回転中心軸61aが一点鎖線で図示されている。
次に、図2~図4を参照し、モーターユニット4の詳細を説明する。
図2に示すように、モーターユニット4は、ギアボックス5と、モーター6と、エンコーダー7とを有する。ギアボックス5は、モーター6に対してZ(+)方向側に配置されている。ギアボックス5は、モーター6に固定され、モーター6から取り外し可能である。エンコーダー7は、モーター6に対してZ(-)方向側に配置されている。エンコーダー7は、モーター6に固定され、モーター6から取り外すことが難しい。
モーターユニット4では、ギアボックス5から出力軸51がZ(+)方向に突出している。さらに、モーターユニット4(ギアボックス5)のZ(+)方向側の面には、ネジ孔52が四隅に設けられ、他の部材にネジ止めできるようになっている。
なお、図示を省略するが、搬送部30のモーターユニットも、モーターユニット4と同じ構成を有し、ギアボックスとモーターとエンコーダーとを有する。
図3に示すように、ギアボックス5は、筐体50を有し、モーター6の出力軸62が、筐体50に接触しない状態で筐体50の中に挿入されている。
ギアボックス5は、出力軸51と、モーター6の出力軸62に取付けられたギア53と、出力軸51に取付けられたギア55と、ギア53とギア55との間に配置される2段ギア54とを有している。
モーター6の出力軸62に取付けられたギア53が2段ギア54における下段側ギア54Aにかみ合い、出力軸51の取付けられたギア55が2段ギア54における上段側ギア54Bにかみ合うように、2段ギア54が配置されている。さらに、ギア53の歯数は2段ギア54における下段側ギア54Aの歯数よりも少なく、ギア55の歯数は2段ギア54における上段側ギア54Bの歯数よりも多い。
かかる構成を有することによって、モーター6の出力軸62の回転は、ギア53と、2段ギア54(下段側ギア54A、上段側ギア54B)と、ギア55とを介して、ギアボックス5の出力軸51に伝達され、ギアボックス5の出力軸51の回転速度が、モーター6の出力軸62の回転速度よりも減速される。さらに、回転速度の減速に反比例して、ギアボックス5の出力軸51のトルク(駆動力)は、モーター6の出力軸62のトルクよりも高められる。
図4に示すように、エンコーダー7は、筐体70と、支持板71と、基板80と、発光素子73と、受光素子74とを有している。支持板71と、基板80と、発光素子73と、受光素子74とは、筐体70の中に配置されている。支持板71は筐体70に固定され、発光素子73及び受光素子74は支持板71に固定されている。
モーター6のローター61は、筐体70及び支持板71に接触しない状態で、筐体70及び支持板71に挿入されている。さらに、筐体70及び支持板71に挿入されたローター61の先端に、基板80が固定されている。
ローター61は、Z方向に沿った回転中心軸61aを有し、回転中心軸61aを回転中心として回転する。ローター61の先端に固定された基板80も、回転中心軸61aを回転中心として、ローター61と一緒に回転する(図中に矢印で示される方向に回転する)。
ローター61は、モーター6の駆動力を基板80に伝達することに加えて、モーター6の熱を基板80に伝達する役割を有する。詳細は後述するが、本願は、モーター6の熱が基板80に伝達され、基板80が熱膨張することによって、モーター6の温度を推定する。
モーター6のローター61は、熱伝導率が高い材料で構成されているので、モーター6の温度は、ローター61の温度と見なすことができる。例えば、モーター6のローター61の構成材料は、銅又は銅を主成分とする合金である。
基板80は、回転中心軸61aを中心とする円形の部材(円盤)であり、「光透過部」及び「光学要素」の一例である開口部81を有している。開口部81は、基板80に設けられたスリットである。基板80の構成材料は鉄である。支持板71の構成材料はアルミニウムである。支持板71の熱膨張率(線膨張係数)は基板80の熱膨張(線膨張係数)よりも大きい。
すなわち、本実施形態は、基板80の熱膨張率と、支持板71の熱膨張率とが異なる構成を有している。支持板71の構成材料は、アルミニウムに限定されず、基板80の熱膨張率と異なる材料であればよく、例えば、樹脂であってもよい。もちろん、基板80の構成材料も鉄に限定されず、支持板71の熱膨張率と異なる材料であればよい。
基板80の詳細は、後述する。
支持板71は、基板80の周縁部の一部を挟むように、先端側の一部が折り曲げられている。支持板71の折り曲げられた部分に発光素子73が固定されている。支持板71の折り曲げられた部分と対向する側に受光素子74が固定されている。
その結果、発光素子73及び受光素子74は基板80を挟んで対向配置され、発光素子73は、基板80に対してZ(-)方向側に配置され、受光素子74は、基板80に対してZ(+)方向側に配置される。
発光素子73は半導体レーザー(レーザー発光素子)であり、光Hを発する。受光素子74は、フォトダイオードであり、発光素子73から発せられる光Hを受光する。受光素子74は、フォトダイオードの他に、フォトトランジスター、CCDセンサー、及びCMOSセンサーなどを使用することができる。
発光素子73と受光素子74との間に、基板80に設けられた開口部81が配置される場合、図中に矢印で示すように、発光素子73から発せられる光Hは、基板80の開口部81を透過し、受光素子74に入射する。発光素子73と受光素子74との間に、開口部81が配置されない場合、発光素子73から発せられる光Hは、基板80(遮光部82(図5参照))によって遮られ、受光素子74に入射しない。
このように、モーターユニット4は、ローター61を有するモーター6と、ローター61に取付けられた基板80と、基板80に設けられた開口部81に光Hを照射する発光素子73と、開口部81を透過する光Hを受光する受光素子74と、発光素子73及び受光素子74を支持する支持板71とを有する。
「基板の概要」
図5は、基板の概略平面図である。図5には、基板80に加えてローター61が図示されローター61及び基板80の回転中心となる回転中心軸61aが黒丸で図示されている。さらに、図5には、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cが破線で図示され、円Cの半径方向Rが一点鎖線で図示されている。なお、円Cの半径方向Rとは、円Cの中心(回転中心軸61a)から、円Cの円周(輪郭)に向かう方向である。
次に、図5を参照し、基板80の概要を説明する。
図5に示すように、基板80では、開口部81が、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って円周状に複数配置されている。開口部81は、例えば、プレス加工や切削加工などの機械的な加工によって形成されている。基板80の構成材料が鉄である場合、支持板71の構成材料(アルミニウム)と比べて、低コストであり、強度が高く、加工性に優れる。
基板80において、複数配置される開口部81のうち一の開口部81と、当該一の開口部81に隣り合う開口部81との間の領域は、発光素子73から受光素子74に向かう光Hを遮る遮光部82である。また、開口部81の円Cに沿った長さはLであり、遮光部82の円Cに沿った長さはSである。
本実施形態では、開口部81が、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って等間隔で配置されている。すなわち、遮光部82の円Cに沿った長さSは一定である。
開口部81は、二つの同心円で囲まれた領域を扇型形状に切り取った環状扇型形状を有する。開口部81の円Cに沿った長さLは、円Cの半径方向Rに沿って短くなっている。このため、開口部81の円Cに沿った長さLと円Cの周長との比は、円Cの半径方向Rに沿って小さくなっている。なお、円Cの周長とは、円Cの直径と円周率との積で表される円Cの円周の長さである。
このように、本実施形態は、開口部81の円Cに沿った長さLと円Cの周長との比が、円Cの半径方向Rに沿って変化する構成を有する。
一方、遮光部82の円Cに沿った長さSは、円Cの半径方向Rに沿って長くなっている。遮光部82の円Cに沿った長さSと円Cの周長との比は、円Cの半径方向Rに沿って大きくなっている。
以降の説明では、開口部81の円Cに沿った長さLを開口寸法Lと称し、遮光部82の円Cに沿った長さSを遮光寸法Sと称す場合がある。
本実施形態では、開口部81の円Cに沿った長さLは(開口寸法L)は、円Cの半径方向Rに沿って短くなっているので、開口寸法Lは、回転中心軸61aから離れるに従って短くなる。遮光部82の円Cに沿った長さS(遮光寸法S)は、円Cの半径方向Rに沿って長くなっているので、遮光寸法Sは、回転中心軸61aから離れるに従って長くなる。
図6は、図5に対応する図であり、基板の他の概略平面図である。
図6に示すように、基板80は、矩形状を有する開口部81が、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って配置される構成であってもよい。開口部81が矩形状である場合、開口部81が環状扇型形状である場合と同様に、開口寸法Lと円Cの周長との比は、円Cの半径方向Rに沿って小さくなる。
図6に示す矩形状の開口部81は、図5に示す環状扇型形状の開口部81と比べて、プレス加工や切削加工などの機械的な加工によって高精度な加工が可能であり、機械的な加工によって形成される場合の寸法公差を小さくすることができるという特徴を有する。一方、図5に示す環状扇型形状の開口部81は、図6に示す矩形状の開口部81と比べて、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化が大きくなるという特徴を有する。
詳細は後述するが、本実施形態では、円Cの半径方向Rにおける開口寸法Lと円Cの周長との比の変化を利用して、モーター6の温度変化ΔT(図10参照)を推定する。開口部81の加工精度が同じである場合、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化が大きくなる方が、モーター6の温度変化ΔTを推定しやすくなるので、図6に示す矩形状の開口部81よりも、図5に示す環状扇型形状の開口部81の方が好ましい。
ところが、機械的な加工法の制約で、図5に示す環状扇型形状の開口部81を高精度に形成することが難しい場合、図6に示す矩形状の開口部81の方が好ましい。
図5に示す環状扇型形状の開口部81の輪郭は、円Cの円周方向に延びる辺(図5における短い辺)と半径方向Rに延びる辺(図5における長い辺)とで構成され、円Cの円周方向に延びる辺は曲線であり、半径方向Rに延びる辺は直線である。
図5に示す環状扇型形状の開口部81において、半径方向Rに延びる辺が、開口寸法Lと円Cの周長との比に影響する。このため、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化を大きくするために、半径方向Rに延びる辺と半径方向Rとがなす角度は、大きい方が好ましい。すなわち、基板80の機械的強度が弱くならない範囲で、半径方向Rに延びる辺と半径方向Rとがなす角度は、大きい方が好ましい。
さらに、半径方向Rに延びる辺は、直線であってもよく、曲線であってもよい。同様に、円Cの円周方向に延びる辺も、直線であってもよく、曲線であってもよい。
例えば、開口部81の形状は、円Cの円周方向に延びる辺が直線であり、半径方向Rに延びる辺が直線である台形であってもよい。開口部81の形状が台形である場合、開口部81の形状が環状扇型形状である場合と同様に、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化を大きくすることができる。
さらに、開口寸法Lと円Cの周長との比が円Cの半径方向Rに沿って小さくなる構成であってもよく、逆に、開口寸法Lと円Cの周長との比が円Cの半径方向Rに沿って大きくなる構成であってもよい。すなわち、開口寸法Lと円Cの周長との比は、円Cの半径方向Rに沿って変化する構成を有していればよい。
「モーターユニットの温度推定方法」
制御部27は、受光素子74からA相・B相のエンコーダーパルス信号を入手し、エンコーダーパルス信号に含まれるA相とB相との位相差に基づき、ローター61の回転角度や回転位置を算出する。
本実施形態では、制御部27は、A相・B相のエンコーダーパルス信号からローター61の回転角度や回転位置を推定することに加えて、「矩形波信号」の一例である温度推定用エンコーダーパルス信号E1,E2(図9参照)からモーター6の温度変化ΔTを推定する。以下に、その詳細を説明する。
図7は、図4において基板が配置された部分の図であり、モーターの温度変化を推定する場合の基板の状態を示す概略図である。図8は、図5に対応する図であり、モーターの温度変化を推定する場合の基板の状態を示す概略平面図である。図9は、温度推定用エンコーダーパルス信号の概略図である。図10は、デューティ比D2とモーターの温度変化ΔTとの関係を示す図である。
図7では、モーター6を起動した時点における発光素子73及び受光素子74が実線で図示され、モーター6を起動した時点から一定時間が経過した時点における発光素子73及び受光素子74が破線で図示されている。さらに、図7では、モーター6を起動した時点において光Hが入射する基板80の部位P1が実線の白丸で図示され、モーター6を起動した時点から一定時間が経過した時点における基板80の部位P1が黒丸で図示され、モーター6を起動した時点から一定時間が経過した時点において光Hが入射する基板80の部位P2を破線の白丸で図示されている。
また、図9の縦軸は受光素子74から出力される信号の電圧であり、図9の横軸は時間である。
次に、図7~図10を参照し、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法(モーター6の温度変化ΔTの推定方法)を説明する。
なお、以降の説明では、モーター6を起動した時点を起動時と称し、モーター6を起動した時点から一定時間が経過した時点を稼働時と称す。
図7に示すように、起動時において発光素子73の光Hが入射する基板80の部位P1と、回転中心軸61aとの距離は、m1である。起動時において光Hを発する発光素子73と回転中心軸61aとの距離、及び光Hを受光する受光素子74と回転中心軸61aとの距離も、それぞれm1である。
起動時は、モーター6が発熱していなく、モーター6の温度及びエンコーダー7(基板80、支持板71)の温度は、共にT1(室温)である。
モーター6を駆動すると、モーター6を構成する部材が摺動して摩擦熱が生じ、モーター6の温度が上昇し、モーター6に固定されているエンコーダー7の温度も上昇する。稼働時において、モーター6の温度及びエンコーダー7(基板80、支持板71)の温度は、共にT2である。稼働時におけるモーター6の温度(エンコーダー7の温度)T2と起動時におけるモーター6の温度(エンコーダー7の温度)T1との差分は、ΔTである。すなわち、ΔTは、モーター6を駆動した場合のモーター6の温度変化である。
以降の説明では、モーター6を駆動し、エンコーダー7(基板80、支持板71)の温度が上昇すると、ローター61の回転中心である回転中心軸61aの位置は変化せず、基板80及び支持板71が回転中心軸61aから遠ざかる方向に熱膨張し、基板80の部位P1の位置、発光素子73の位置、及び受光素子74の位置が変化するものとする。
稼働時において、エンコーダー7の温度がT1からT2に上昇すると、基板80が熱膨張し、基板80の部位P1は、回転中心軸61aから離れる方向に位置が変化する。稼働時において、基板80の線膨張係数(熱膨張率)をα1とすると、基板80の部位P1の回転中心軸61aからの距離m2は、以下に示す式(1)で表される。
m2=α1×m1×ΔT…(1)
稼働時において、エンコーダー7の温度がT1からT2に上昇すると、支持板71が熱膨張し、支持板71に支持されている発光素子73及び受光素子74は、回転中心軸61aから離れる方向に位置が変化する。稼働時において、発光素子73の位置の変化及び受光素子74の位置の変化は同じであるので、以降、発光素子73の位置の変化を説明し、受光素子74の位置の変化の説明を省略する。
稼働時において、発光素子73の回転中心軸61aからの距離、及び基板80の部位P2の回転中心軸61aからの距離は、共にm3である。稼働時において、支持板71の線膨張係数(熱膨張率)をα2とすると、発光素子73の回転中心軸61aからの距離m3、及び基板80の部位P2の回転中心軸61aからの距離m3は、以下に示す式(2)で表される。
m3=α2×m1×ΔT…(2)
本実施形態では、支持板71の線膨張係数は、基板80の線膨張係数よりも大きいので、稼働時において、発光素子73の回転中心軸61aからの距離m3(基板80の部位P2の回転中心軸61aからの距離m3)は、基板80の部位P1の回転中心軸61aからの距離m2よりも大きくなる。このため、稼働時において発光素子73の光Hが入射する基板80の部位P2は、稼働時における基板80の部位P1よりも、回転中心軸61aから離れて配置される。
以降の説明では、稼働時において発光素子73の光Hが入射する基板80の部位P2を、単に部位P2と称し、稼働時における基板80の部位P1を、単に部位P1と称す。
部位P1と部位P2との距離Δmは、以下に示す式(3)で表される。
Δm=m3-m2=(α2-α1)×m1×ΔT…(3)
部位P1と部位P2との距離Δmは、部位P2の回転中心軸61aからの距離m3と、部位P1の回転中心軸61aからの距離m2との差分で求められる。
式(3)より、稼働時におけるモーター6の温度T2と、起動時におけるモーター6の温度T1との差分ΔT(以降、モーター6の温度変化ΔTと称す)は、以下に示す式(4)で表される。
ΔT=T2-T1=Δm/{(α2-α1)×m1}…(4)
基板80の線膨張係数α1と、支持板71の線膨張係数α2と、回転中心軸61aからの距離m1とは一定であるので、モーター6の温度変化ΔTと、部位P1と部位P2との距離Δmとは比例関係(正の相関関係)にある。すなわち、モーター6の温度変化ΔTが大きくなると、部位P1と部位P2との距離Δmが長くなり、モーター6の温度変化ΔTが小さくなると、部位P1と部位P2との距離Δmが短くなる。
図8では、部位P1が実線で図示され、部位P2が破線で図示されている。
図8に示すように、部位P1と回転中心軸61aとの距離はm2であるので、部位P1は、回転中心軸61aを中心とする半径m2の円C1で表される。部位P2と回転中心軸61aとの距離はm3であるので、部位P2は、回転中心軸61aを中心とする半径m3の円C2で表される。
さらに、図8における円C2の半径m3と円C1の半径m2との差分Δmは、図7における部位P1と部位P2との距離Δmである。
上述したように、稼働時において、モーター6を駆動すると、モーター6を構成する部材が摺動して摩擦熱が生じ、モーター6の温度が上昇する。さらに、支持板71の線膨張係数は、基板80の線膨張係数よりも大きいので、回転中心軸61aからの距離m3は、回転中心軸61aからの距離m2よりも長くなり、部位P2(円C2)は、部位P1(円C1)よりも、回転中心軸61aから離れて配置される。
開口寸法Lは回転中心軸61aから離れるに従って短くなるので、部位P2における開口寸法L2は、部位P1における開口寸法L1よりも短くなる。遮光寸法Sは回転中心軸61aから離れるに従って長くなるので、部位P2における遮光寸法S2は、部位P1における遮光寸法S1よりも長くなる。
図9において符号F1で示される図は、部位P1に対して、発光素子73の光Hが入射する場合に受光素子74から出力される温度推定用エンコーダーパルス信号E1の状態を示している。図9において符号F2で示される図は、部位P2に対して、発光素子73の光Hが入射する場合に受光素子74から出力される温度推定用エンコーダーパルス信号E2の状態を示している。
図9において符号F1で示される図に示すように、部位P1に開口部81が配置される場合、発光素子73の光Hは、開口部81を透過し、受光素子74に入射し、受光素子74はHighレベルの信号H1を出力する。部位P1に遮光部82が配置される場合、発光素子73の光Hは、遮光部82によって遮られ、受光素子74に入射せず、受光素子74はLowレベルの信号L1を出力する。
基板80は、回転中心軸61aを回転中心として一定速度で回転しているので、部位P1において取得される温度推定用エンコーダーパルス信号E1は、Highレベルの信号H1とLowレベルの信号L1とが規則的に繰り返される矩形波信号(デジタル信号)になる。また、部位P1において取得される温度推定用エンコーダーパルス信号E1では、Highレベルの信号H1が出力される時間はTH1であり、Lowレベルの信号L1が出力される時間はTL1である。
以降の説明では、Highレベルの信号H1が出力される時間TH1を、Highレベル信号出力時間TH1と称し、Lowレベルの信号L1が出力される時間TL1を、Lowレベル信号出力時間TL1と称す。
さらに、部位P1の温度推定用エンコーダーパルス信号E1から取得されるデューティ比D1は、以下に示す式(5)で求められる。
D1=TH1/(TH1+TL1)…(5)
すなわち、部位P1におけるデューティ比D1は、Highレベル信号出力時間TH1を、Highレベル信号出力時間TH1とLowレベル信号出力時間TL1との合計で除することで求められる。
図9において符号F2で示される図に示すように、部位P2に開口部81が配置される場合、発光素子73の光Hは、開口部81を透過し、受光素子74に入射し、受光素子74はHighレベルの信号H2を出力する。部位P2に遮光部82が配置される場合、発光素子73の光Hは、遮光部82によって遮られ、受光素子74に入射せず、受光素子74はLowレベルの信号L2を出力する。
部位P2において取得される温度推定用エンコーダーパルス信号E2は、Highレベルの信号H2とLowレベルの信号L2とが規則的に繰り返される矩形波信号(デジタル信号)になる。また、部位P2において取得される温度推定用エンコーダーパルス信号E2では、Highレベルの信号H2が出力される時間はTH2であり、Lowレベルの信号L2が出力される時間はTL2である。
さらに、部位P2の温度推定用エンコーダーパルス信号E2から取得されるデューティ比D2は、以下に示す式(6)で求められる。
D2=TH2/(TH2+TL2)…(6)
すなわち、部位P2におけるデューティ比D2は、Highレベル信号出力時間TH2を、Highレベル信号出力時間TH2とLowレベル信号出力時間TL2との合計で除した値で求められる。
基板80は、回転中心軸61aを回転中心として一定速度で回転しているので、部位P1及び部位P2のそれぞれで、Highレベルの信号H1,H2とLowレベルの信号L1,L2とが同じ周期で出力されることになる。このため、式(5)における分母(TH1+TL1))と、式(6)における分母(TH2+TL2)とは同じであり、以降、周期Tと称す(図9参照)。
すると、部位P1の温度推定用エンコーダーパルス信号E1から取得されるデューティ比D1と、部位P2の温度推定用エンコーダーパルス信号E2から取得されるデューティ比D2との差分ΔD(以降、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDと称す)は、以下に示す式(7)で求められる。
ΔD=(TH1-TH2)/周期T…(7)
開口寸法Lは回転中心軸61aから離れるに従って短くなるので、Highレベル信号出力時間THは、回転中心軸61aから離れるに従って短くなる。このため、Highレベル信号出力時間TH2は、Highレベル信号出力時間TH1よりも短くなる。
さらに、部位P1と部位P2との距離Δmが大きくなると、式(7)の分子(TH1-TH2)が大きくなり、部位P1と部位P2との距離Δmが小さくなると、式(7)の分子(TH1-TH2)が小さくなる。
よって、部位P1と部位P2との距離Δmと、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDとは、正の相関関係を有する。さらに、モーター6の温度変化ΔTと、部位P1と部位P2との距離Δmとは比例関係(正の相関関係)にあるので、モーター6の温度変化ΔTと、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDとは正の相関関係を有するようになる。
従って、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDから、モーター6の温度変化ΔTを推定することができる。すなわち、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDが小さい場合、モーター6の温度変化ΔTが小さく、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDが大きい場合、モーター6の温度変化ΔTが大きいと推定することができる。
さらに、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDとモーター6の温度変化ΔTとの関係を詳細に評価し、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDとモーター6の温度変化ΔTとの相関関係を示すテーブルを作成し、制御部27の記憶部(図示省略)に格納しておくと、制御部27は、記憶部に格納されているテーブルから、モーター6の温度変化ΔTに加えて、モーター6の温度を推定することができる。
このように、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法は、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDから、モーター6の温度変化ΔTを推定する。
さらに、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法は、部位P1,P2におけるデューティ比の差分ΔDからモーター6の温度変化ΔTを推定することに加えて、部位P2におけるデューティ比D2からモーター6の温度変化ΔTを推定するので、以下にその概要を説明する。
モーター6の温度が上昇し、基板80の温度が上昇すると、部位P2は回転中心軸61aから離れる方向に移動するので、Highレベル信号出力時間TH2が短くなる。このため、モーター6の温度が上昇し、モーター6の温度変化ΔTが大きくなると、式(6)で表される部位P2におけるデューティ比D2は小さくなる。一方、モーター6の温度上昇が小さく、モーター6の温度変化ΔTが小さい場合、部位P2におけるデューティ比D2は大きくなる。すると、図10の実線で示すように、モーター6の温度変化ΔTと、部位P2におけるデューティ比D2とは負の相関関係を有するようになる。
すなわち、発光素子73及び受光素子74を支持する支持板71の線膨張係数が、基板80の線膨張係数よりも大きく、且つ、開口部81の円Cに沿った長さL(開口寸法L)と、円Cの周長との比が、円Cの半径方向Rに沿って小さくなる構成を有すると、図10の実線で示すように、モーター6の温度変化ΔTと、部位P2のデューティ比D2とは、負の相関関係を有するようになる。
例えば、発光素子73及び受光素子74を支持する支持板71の線膨張係数が、基板80の線膨張係数よりも大きく、且つ、開口部81の円Cに沿った長さL(開口寸法L)と、円Cの周長との比が、円Cの半径方向Rに沿って大きくなる構成を有すると、図10の破線で示すように、モーター6の温度変化ΔTと、部位P2のデューティ比D2とは、正の相関関係を有するようになる。
従って、制御部27は、部位P2におけるデューティ比D2を観察することによっても、モーター6の温度変化ΔTを推定することができる。すなわち、制御部27は、部位P2におけるデューティ比D2が小さい場合にモーター6の温度変化ΔTが大きいと推定し、部位P2におけるデューティ比D2が大きい場合にモーター6の温度変化ΔTが小さいと推定することができる。
さらに、部位P2におけるデューティ比D2とモーター6の温度変化ΔTとの関係を詳細に評価し、部位P2におけるデューティ比D2とモーター6の温度変化ΔTとの相関関係を示すテーブルを作成し、制御部27の記憶部(図示省略)に格納しておくと、制御部27は、記憶部に格納されているテーブルから、モーター6の温度変化ΔTに加えて、モーター6の温度を推定することができる。
このように、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法は、部位P2において取得されるHighレベルの信号H2が出力される時間TH2を、部位P2において取得されるHighレベルの信号H2が出力される時間TH2とLowレベルの信号L2が出力される時間TL2との合計で除したデューティ比D2から、モーター6の温度変化ΔTを推定する。
換言すれば、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法では、部位P2におけるデューティ比D2の変化量から、モーター6の温度変化ΔTを推定する。
なお、部位P2におけるデューティ比D2の変化量とは、図7において実線の白丸で示される起動時の部位P1において取得されるデューティ比D2と、図7において破線の白丸で示される部位P2において取得されるデューティ比D2との差分である。そして、制御部27は、部位P2におけるデューティ比D2の変化量が小さい場合にモーター6の温度変化ΔTが小さいと推定し、部位P2におけるデューティ比D2の変化量が大きい場合にモーター6の温度変化ΔTが大きいと推定することができる。
さらに、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化が大きい方が、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化が小さい場合と比べて、部位P2におけるデューティ比D2の変化量が大きくなるので、モーター6の温度変化ΔTが推定しやすくなる。このため、モーター6の温度変化ΔTを推定しやすくするためには、開口寸法Lと円Cの周長との比の円Cの半径方向Rに沿った変化が大きくなる条件が好ましい。従って、図5に示す環状扇型形状の開口部81では、基板80の機械的強度が弱くならない範囲で、半径方向Rに延びる辺と半径方向Rとがなす角度は、大きい方が好ましい。
モーター6を長期間使用すると、摺動系部材の劣化や潤滑油の消耗などによってモーター6の温度が徐々に上昇し、モーター6が故障する時期、又はモーター6が寿命を迎える時期を推定することができる。
本実施形態では、モーター6が故障する時期に近付いたと判定するモーター6の温度変化ΔTに対応する部位P2のデューティ比D2が、警告値として、制御部27の記憶部に登録されている。さらに、モーター6が故障したと判定するモーター6の温度変化ΔTに対応する部位P2のデューティ比D2が、使用限界値として、制御部27の記憶部に登録されている。
さらに、モーター6が寿命を迎える時期に近付いたと判定する累積使用時間が、標準累積時間として、制御部27の記憶部に登録されている。
制御部27は、モーター6の使用累積時間と、部位P2のデューティ比D2との両方を観察し、モーター6の使用累積時間が標準累積時間よりも短く、部位P2のデューティ比D2が警告値を超えると、モーター6が故障する時期に近付いたと判断する。さらに、制御部27は、表示部17を介してモーター6が故障する時期に近付いたことを作業者に報知し、作業者にモーター6の点検やメンテナンス(又は、修理)を促す。
かかる構成によって、モーター6の故障を未然に防止する予防保全が可能となり、印刷装置10の生産性を高めることができる。
制御部27は、モーター6の使用累積時間と、部位P2のデューティ比D2との両方を観察し、モーター6の使用累積時間が標準累積時間よりも短く、部位P2のデューティ比D2が使用限界値を超えると、モーター6が故障したと判断し、印刷装置10を強制的に停止させ、表示部17を介してモーター6が故障したことを作業者に報知し、作業者にモーター6の修理を促す。
かかる構成によって、モーター6が正常でない状態で使用され、印刷装置10が異常な印刷物を多量に生産する虞を未然に防止することができる。
制御部27は、モーター6の使用累積時間と、部位P2のデューティ比D2との両方を観察し、モーター6の使用累積時間が標準累積時間以上であり、部位P2のデューティ比D2が警告値を超えると、モーター6が寿命を迎える時期に近付いたと判断する。さらに、制御部27は、表示部17を介してモーター6が寿命を迎える時期に近付いたことを作業者に報知し、作業者に新しいモーター6への交換を促す。
かかる構成によって、作業者は新しいモーター6への交換時期を把握し、仮に新しいモーター6を在庫として保有していない場合であっても、新しいモーター6を手配し、事前に新しいモーター6への交換が可能になる。その結果、突然印刷装置10が使用できなくなる虞を防止することができる。さらに、新しいモーター6を在庫として保有していない場合、新しいモーター6を手配する間、印刷装置10が印刷物を生産できないという虞を防止することができる。
制御部27は、モーター6の使用累積時間と、部位P2のデューティ比D2との両方を観察し、モーター6の使用累積時間が標準累積時間以上であり、部位P2のデューティ比D2が使用限界値を超えると、モーター6が寿命を迎えた判断し、印刷装置10を強制的に停止させ、表示部17を介してモーター6が寿命を迎えたことを作業者に報知し、作業者に新しいモーター6への交換を促す。
かかる構成によって、モーター6が正常でない状態で使用され、印刷装置10が異常な印刷物を多量に生産する虞を未然に防止することができる。
以上述べたように、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法は、ローター61を有するモーター6と、ローター61に取付けられ、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って配置された開口部81を有する基板80と、開口部81に光Hを照射する発光素子73と、開口部81を透過する光Hを受光し、温度推定用エンコーダーパルス信号E2を出力する受光素子74と、発光素子73及び受光素子74を支持する支持板71と、を有するモーターユニット4の温度推定方法であって、温度推定用エンコーダーパルス信号E2は、受光素子74が光Hを受光する場合に出力されるオン信号H2と、受光素子74が光Hを受光しない場合に出力されるオフ信号L2とを含み、オン信号H2の時間TH2を、オン信号H2の時間TH2とオフ信号L2の時間TL2との合計で除したデューティ比D2から、モーター6の温度変化ΔTを推定する。
そして、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法は、光学的な方法によってモーター6の温度変化ΔTを推定するので、開口部81と光学式センサー(発光素子73、受光素子74と)の間隔が変化しても、光学式センサーから出力される信号が変化しにくいので、安定してモーター6の温度変化ΔTを推定することができる。さらに、光学式センサーから出力される温度推定用エンコーダーパルス信号E2は矩形波信号(デジタル信号)であり、アナログ信号が出力される場合と比べて、ノイズの影響を受けにくく、精度よくモーター6の温度変化ΔTを推定することができる。
(実施形態2)
図11は、図4に対応する図であり、実施形態2に係る印刷装置に搭載されるモーターユニットのエンコーダーの概略断面図である。図12は、基板の概略平面図である。
本実施形態では、発光素子73及び受光素子74が基板80に対して同じ側に配置され、発光素子73が基板80に光Hを照射し、受光素子74が基板80によって反射される光Hを受光する構成を有している。
一方、実施形態1では、発光素子73及び受光素子74が基板80を挟んで対向配置され、発光素子73が基板80に光Hを照射し、受光素子74が基板80を透過する光Hを受光する構成を有している。
この点が、本実施形態に係る印刷装置と、実施形態1に係る印刷装置10との主な相違点である。
以下、図11及び図12を参照し、本実施形態に係る印刷装置の概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図11に示すように、エンコーダー7Aは、筐体70と、支持板71Aと、基板80Aと、光学ユニット76とを有している。支持板71Aと、基板80Aと、光学ユニット76とは、筐体70の中に配置されている。光学ユニット76は、発光素子73と受光素子74とを有している。
基板80Aは、モーター6のローター61の先端に固定され、ローター61の回転中心軸61aを回転中心として、ローター61と一緒に回転する。基板80Aは、回転中心軸61aを中心とする円形の部材(円盤)であり、本体部84と反射防止膜85と反射膜86とを有している。基板80Aの本体部84の構成材料はガラスである。基板80Aの本体部84の支持板71Aに対向する面には、反射防止膜85と反射膜86とが順に積層されている。
反射防止膜85は、屈折率が異なる誘電膜の積層膜で構成される。反射膜86は、「光反射部」及び「光学要素」の一例であり、例えばアルミニウムや銀で構成され、反射防止膜85の上に形成されている。
支持板71Aは、基板80Aに対向配置され、筐体70に固定されている。支持板71Aの構成材料はアルミニウムである。支持板71A(アルミニウム)の熱膨張率は、基板80A(ガラス)の熱膨張率よりも大きい。すなわち。本実施形態は、基板80Aの本体部84の熱膨張率と、支持板71Aの熱膨張率とが異なるという実施形態1と同じ構成を有している。
光学ユニット76(発光素子73、受光素子74)は、支持板71Aの基板80Aに対向する面に固定されている。
発光素子73から発せられる光Hが基板80Aの反射膜86に入射する場合、光Hは反射膜86によって反射され、受光素子74に入射する。発光素子73から発せられる光Hが基板80Aの反射防止膜85に入射する場合、反射防止膜85によって光Hの反射が抑制され、光Hは受光素子74に入射しにくい。
このように、モーターユニット4は、ローター61を有するモーター6と、ローター61に取付けられた基板80Aと、基板80Aに設けられた反射膜86に光Hを照射する発光素子73と、反射膜86によって反射された光Hを受光する受光素子74と、発光素子73及び受光素子74を支持する支持板71Aとを有する。
図12に示すように、基板80では、反射膜86が、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って円周状に複数配置されている。複数配置される反射膜86のうち一の反射膜86と、当該一の反射膜86に隣り合う反射膜86との間の領域は、発光素子73から発せられる光Hの反射を抑制する遮光部82であり、反射防止膜85が配置されている。また、反射膜86の円Cに沿った長さはLであり、遮光部82(反射防止膜85)の円Cに沿った長さはSである。
本実施形態では、遮光部82(反射防止膜85)が、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って等間隔で配置されている。すなわち、遮光部82の円Cに沿った長さSは一定である。
反射膜86は、実施形態1の開口部81と同じ形状を有している。すなわち、反射膜86の円Cに沿った長さLは、円Cの半径方向Rに沿って短くなっている。このため、反射膜86の円Cに沿った長さLと円Cの周長との比は、円Cの半径方向Rに沿って小さくなっている。
反射膜86の円Cに沿った長さLは、円Cの半径方向Rに沿って短くなっているので、回転中心軸61aから離れるに従って短くなる。遮光部82の円Cに沿った長さSは、円Cの半径方向Rに沿って長くなっているので、回転中心軸61aから離れるに従って長くなる。
部位P1,P2に反射膜86が配置される場合、発光素子73の光Hは、反射膜86によって反射されて受光素子74に入射し、受光素子74はHighレベルの信号H1,H2を出力する。部位P1,P2に遮光部82(反射防止膜85)が配置される場合、発光素子73の光Hは、遮光部82によって反射が抑制され、受光素子74に入射せず、受光素子74はLowレベルの信号L1,L2を出力する。
その結果、受光素子74は、実施形態1と同じ温度推定用エンコーダーパルス信号E1,E2(図9参照)を出力する。
制御部27は、部位P2におけるデューティ比D2を観察することによって、モーター6の温度変化ΔTを推定することができる。すなわち、部位P2におけるデューティ比D2が小さい場合、モーター6の温度変化ΔTが大きく、部位P2におけるデューティ比D2が大きい場合、モーター6の温度変化ΔTが小さいと推定することができる。
さらに、制御部27は、記憶部に格納されている部位P2におけるデューティ比D2とモーター6の温度変化ΔTとの相関関係を示すテーブルから、モーター6の温度変化ΔTに加えて、モーター6の温度を推定することができる。
このように、本実施形態に係るモーターユニット4の温度推定方法は、部位P2において取得されるHighレベルの信号H2が出力される時間TH2を、部位P2において取得されるHighレベルの信号H2が出力される時間TH2とLowレベルの信号L2が出力される時間TL2との合計で除したデューティ比D2から、モーター6の温度変化ΔTを推定する。
さらに、制御部27は、部位P2のデューティ比D2を観察し、部位P2のデューティ比D2から、モーター6が故障する時期を推定し、表示部17を介してモーター6が故障する時期を事前に作業者に報知する。作業者は、モーター6が故障する前に、新しいモーター6に交換し、モーター6の故障を予防する。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
上述した実施形態において、開口部81又は反射膜86は、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って等間隔で配置されており、遮光部82の円Cに沿った長さSは一定であった。
開口部81又は反射膜86は、ローター61の回転中心軸61aを中心とする円Cに沿って等間隔で配置されていない構成であってもよい。
例えば、一の開口部81と、一の遮光部82と、二の開口部81と、二の遮光部82と、三の開口部81と、三の遮光部82とが、円Cに沿って順に配置され、一の開口部81の円Cに沿った長さをL1とし、一の遮光部82の円Cに沿った長さをS1とし、二の開口部81の円Cに沿った長さをL2とし、二の遮光部82の円Cに沿った長さをS2とし、三の開口部81の円Cに沿った長さをL3とし、三の遮光部82の円Cに沿った長さをS3とした場合、L1=L2=L3並びにS1>S2>S3という関係を満たすように、開口部81と遮光部82とが、円Cに沿って交互に配置される構成であってもよい。
すなわち、長さS1の一の遮光部82と、長さS1よりも短い長さS2の二の遮光部82と、長さS2よりも短い長さS3の三の遮光部82とが、この順番で円Cに沿って繰り返し配置されるように、円Cに沿った長さが異なる三つの遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82、三の遮光部82)の間に、円Cに沿った長さが同じある開口部81(一の開口部81、二の開口部81、三の開口部81)が配置される構成であってもよい。換言すれば、図5に示す基板80において、円Cに沿った長さが大中小である三種類の遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82、三の遮光部82)が、円Cに沿って繰り返し配置される構成であってもよい。
さらに、長さS1の一の遮光部82と、長さS1よりも短い長さS2の二の遮光部82と、長さS2よりも短い長さS3の三の遮光部82とが、この順番で円Cに沿って繰り返し配置されるように、円Cに沿った長さが異なる三つの遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82、三の遮光部82)の間に、円Cに沿った長さが同じある反射膜86(一の反射膜86、二の反射膜86、三の反射膜86)が配置される構成であってもよい。換言すれば、図12に示す基板80Aにおいて、円Cに沿った長さが大中小である三種類の遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82、三の遮光部82)が、円Cに沿って繰り返し配置される構成であってもよい。
例えば、一の開口部81と、一の遮光部82と、二の開口部81と、二の遮光部82とが、円Cに沿って順に配置され、一の開口部81の円Cに沿った長さをL1とし、一の遮光部82の円Cに沿った長さをS1とし、二の開口部の円Cに沿った長さをL2とし、二の遮光部82の円Cに沿った長さをS2とした場合、L1=L2並びにS1>S2という関係で、開口部81と遮光部82とが、円Cに沿って交互に配置される構成であってもよい。
すなわち、長さS1の一の遮光部82と、長さS1よりも短い長さS2の二の遮光部82とが、円Cに沿って交互に繰り返し配置されるように、円Cに沿った長さが異なる二つの遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82)の間に、円Cに沿った長さが同じである開口部81(一の開口部81、二の開口部81)が配置される構成であってもよい。換言すれば、図5に示す基板80において、円Cに沿った長さが大小である二種類の遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82)が、円Cに沿って繰り返し配置される構成であってもよい。
さらに、長さS1の一の遮光部82と、長さS1よりも短い長さS2の二の遮光部82とが、円Cに沿って交互に繰り返し配置されるように、円Cに沿った長さが異なる二つの遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82)の間に、円Cに沿った長さが同じである反射膜86(一の反射膜86、二の反射膜86)が配置される構成であってもよい。換言すれば、図12に示す基板80Aにおいて、円Cに沿った長さが大小である二種類の遮光部82(一の遮光部82、二の遮光部82)が、円Cに沿って繰り返し配置される構成であってもよい。
なお、図5に示す基板80において、円Cに沿った長さが異なる遮光部82が、円Cに沿って繰り返し配置される構成において、円Cに沿った長さが異なる遮光部82の種類は、上述した二つ(一の遮光部82、二の遮光部82)、または三つ(一の遮光部82、二の遮光部82、三の遮光部)に限定されず、三つより多くてもよい。
さらに、図12に示す基板80Aにおいて、円Cに沿った長さが異なる遮光部82が、円Cに沿って繰り返し配置される構成において、円Cに沿った長さが異なる遮光部82の種類は、上述した二つ(一の遮光部82、二の遮光部82)、または三つ(一の遮光部82、二の遮光部82、三の遮光部)に限定されず、三つより多くてもよい。
(変形例2)
上述した実施形態において、搬送部30のモーターユニットは、媒体Aを搬送方向Yに搬送し、印刷精度に影響する重要部材であり、印刷部40のモーターユニット4と同じ構成であり、エンコーダーを有している。さらに、搬送部30のモーターユニットのモーターは、間欠的に駆動されるので、印刷部40のモーターユニット4のモーター6と同様に劣化しやすい。
このため、搬送部30のモーターユニットのエンコーダーに対して、本実施形態を適用してもよい。搬送部30のモーターユニットのエンコーダーに対して、本実施形態を適用すると、当該モーターの温度変化を推定し、当該モーターの故障や当該モーターの寿命を予測することができる。
もちろん、エンコーダーを有する他のモーターユニットに対して、本実施形態を適用してもよい。
(変形例3)
上述した実施形態を、エンコーダーを有していないモーターに対して適用してもよい。
詳しくは、モーターのローターに取付けられ、ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、光学要素に光を照射する発光素子と、光学要素を透過する光又は光学要素によって反射される光を受光する受光素子と、発光素子及び受光素子を支持する支持板とを有し、光学要素の円に沿った長さと当該円の周長との比が円の半径方向に沿って変化し、基板の熱膨張率と支持板の熱膨張率とが変化する検査ユニットを、エンコーダーを有していないモーターに取付け、当該検査ユニットによって、モーターの温度変化を推定し、モーターの故障や寿命を予測してもよい。
(変形例4)
上述した実施形態において、モーター6とエンコーダー7との間に、例えば、複数の歯車を有する減速機を設け、モーター6の回転を減速した状態でエンコーダー7に伝達してもよい。減速機によってエンコーダー7における基板80,80Aの回転速度を遅くすると、エンコーダー7における基板80,80Aの回転速度が速い場合と比べて、受光素子74の読み飛ばしが無くなり、受光素子74は光Hを確実に受光し、受光素子74の読み取り精度を高めることができる。
(変形例5)
印刷装置10に搭載されるモーターを一例として、本願に係る実施形態を説明した。本願は、印刷装置10以外の電子機器のモーターに対して適用してもよい。
例えば、風力発電機において、プロペラが取付けられるモーターに対して、モーターの温度を推定可能な検査ユニットを取付け、当該検査ユニットに対して、モーターの温度を推定し、モーターの故障やモーターの寿命を予測してもよい。
詳しくは、モーターのローターに取付けられ、ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、光学要素に光を照射する発光素子と、光学要素を透過する光又は光学要素によって反射される光を受光する受光素子と、発光素子及び受光素子を支持する支持板とを有し、光学要素の円に沿った長さと当該円の周長との比が円の半径方向に沿って変化し、基板の熱膨張率と支持板の熱膨張率とが変化する検査ユニットを、風力発電機のモーターに取付け、当該検査ユニットによって、風力発電機のモーターの温度変化を推定し、風力発電機のモーターの故障や寿命を予測してもよい。
さらに、風力発電機では、外気(空気)の温度によって空気の重さ(密度)が変化し、プロペラに対する負荷が変化する。このため、風力発電機では、外気の温度が変化し、プロペラに対する負荷が変化し、プロペラに対する負荷が過負荷になると、プロペラが破損するおそれがある。
例えば、風力発電機において、プロペラが取付けられるモーターの筐体に、外気が通り抜ける換気口を設け、検査ユニットが設けられた部屋の中を外気が通り抜けるようにして、検査ユニットによって、モーターの温度に加えて外気の温度を推定する。さらに、推定された外気の温度によって、プロペラに対して過負荷が作用しないように、プロペラの角度を調整すると、過負荷によるプロペラの破損を防止することができる。
もちろん、風力発電機以外の電子機器のモーターに対して、同じ構成の検査ユニットを適用し、モーターの温度に加えて、外気の温度を推定するようにしてもよい。さらに、風力発電機以外の電子機器のモーターに対して、同じ構成の検査ユニットを適用する場合、モーターにファンを設け、当該ファンによって送風される外気(空気)が、検査ユニットが設けられた部屋を通り抜けるようにすると、検査ユニットによって外気の温度をより適正に推定することができる。
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
本願のモーターユニットは、ローターを有するモーターと、前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、前記光学要素に光を照射する発光素子と、前記光学要素を透過する前記光、又は前記光学要素で反射される前記光を受光し、矩形波信号を出力する受光素子と、前記発光素子及び前記受光素子を支持する支持板と、を有し、前記光学要素の前記円に沿った長さと前記円の周長との比は、前記円の半径方向に沿って変化することを特徴とする。
発光素子及び受光素子の位置を円の半径方向に変化させると、受光素子から出力される矩形波信号(デジタル信号)を、光学要素の円に沿った長さと円の周長との比に対応して、変化させることができる。例えば、発光素子の光が基板(光学要素)を透過し受光素子に入射する場合に、受光素子から出力される信号をオン信号とし、発光素子の光が基板によって遮られ受光素子に入射しない場合に、受光素子から出力される信号をオフ信号とした場合、発光素子及び受光素子の円の半径方向の位置によって、オン信号が出力される時間、及びオフ信号が出力される時間を変化させることができる。
さらに、発光素子及び受光素子の円の半径方向に沿った位置を、ローターの温度(モーターの温度)によって変化させると、オン信号が出力される時間及びオフ信号が出力される時間の変化量から、モーターの温度変化を推定することができるようになる。換言すれば、発光素子と受光素子とからなる光学式センサーを用いた光学的な方法によって、モーターの温度を推定することが可能なる。
本願における光学要素は、磁気式センサーを用いた磁気的な方法によって、モーターの温度を推定する場合の磁石に相当する。磁気的な方法によってモーターの温度を推定する場合、磁石と磁気式センサーとの間隔が変化すると、磁気式センサーから出力される信号が変化し、モーター温度の推定精度が悪くなるおそれがある。
光学的な方法によってモーターの温度を推定する場合、光学要素と光学式センサーとの間隔が変化しても、光学式センサーから出力される信号が変化しにくいので、安定してモーターの温度変化を推定することができる。さらに、光学式センサーから出力される信号は矩形波信号(デジタル信号)であり、アナログ信号が出力される場合と比べて、ノイズの影響を受けにくく、精度よくモーターの温度変化を推定することができる。
本願のモーターユニットでは、前記基板の熱膨張率と前記支持板の熱膨張率とは異なることが好ましい。
発光素子及び受光素子の位置は支持板によって制御されるので、基板の熱膨張率と支持板の熱膨張率とが異なると、発光素子及び受光素子の基板に対する相対位置、すなわち、発光素子及び受光素子の円の半径方向に沿った位置を、ローターの温度(モーターの温度)によって変化させることができる。
本願のモーターユニットでは、前記光学要素の前記円に沿った長さは、前記半径方向に沿って短くなることが好ましい。
光学要素の円に沿った長さが半径方向に沿って短くなると、光学要素の円に沿った長さが半径方向に沿って短くならない場合(光学要素の円に沿った長さが一定である場合)と比べて、光学要素の円に沿った長さと円の周長との比を、円の半径方向に沿って大きく変化させることができる。
本願のモーターユニットでは、前記光学要素は、矩形状を有することが好ましい。
機械的な加工によって基板に矩形状の光透過部(例えば、開口部)を形成する場合、機械的な加工によって基板に曲線の形状の光透過部(例えば、開口部)を形成する場合と比べて、加工寸法の公差を小さくし、精度よく光透過部を基板に形成することができる。
本願の印刷装置は、上記モーターユニットを有することを特徴とする。
モーターを構成する部材が劣化すると、摺動摩擦による発熱が大きくなるので、モーターの温度変化から、モーターの劣化状態を推定し、さらに、モーターの故障やモーターの寿命を推定することができる。すると、モーターの故障を未然に予防する予防保全が可能となり、モーターの故障を未然に予防し、印刷装置の生産性を高めることができる。さらに、モーターが寿命を迎える前に、事前に正常なモーターに交換できるので、寿命を迎えた異常なモーターを使用する虞を防止できる。
本願のモーターユニットの温度推定方法は、ローターを有するモーターと、前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、前記光学要素に光を照射する発光素子と、前記光学要素を透過する前記光、又は反射する前記光を受光し、矩形波信号を出力する受光素子と、前記発光素子及び前記受光素子を支持する支持板と、を有するモーターユニットの温度推定方法であって、前記矩形波信号は、前記受光素子が前記光を受光する場合に出力されるオン信号と、前記受光素子が前記光を受光しない場合に出力されるオフ信号とを含み、前記オン信号の時間を、前記オン信号の時間と前記オフ信号の時間との合計で除したデューティ比から、前記モーターの温度変化を推定することを特徴とする。
例えば、発光素子の光が基板の光学要素を透過し受光素子に入射する場合、受光素子から出力される信号がオン信号であり、発光素子の光が基板によって遮られ受光素子に入射しない場合、受光素子から出力される信号がオフ信号である。
光学要素の円に沿った長さと円の周長との比を円の半径方向に変化させ、且つ、発光素子及び受光素子の円の半径方向に沿った位置を、ローターの温度(モーターの温度)によって変化させると、オン信号の時間を、オン信号の時間とオフ信号の時間との合計で除したデューティ比を、モーターの温度に対応して変化させることができる。
すると、オン信号の時間を、オン信号の時間とオフ信号の時間との合計で除したデューティ比から、モーターの温度変化を推定することができるようになる。
4…モーターユニット、5…ギアボックス、6…モーター、7…エンコーダー、10…印刷装置、61…ローター、61a…回転中心軸、62…主力軸、70…筐体、71…支持板、73…発光素子、74…受光素子、76…光学ユニット、80…基板、81…開口部、82…遮光部、84…本体部、85…反射防止膜、86…反射膜。

Claims (6)

  1. ローターを有するモーターと、
    前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って、前記円に沿った長さと前記円の周長との比が前記円の半径方向に沿って変化するように配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、
    前記光学要素に光を照射する発光素子と、
    前記光学要素を透過する前記光、又は前記光学要素で反射される前記光を受光し、前記光を受光する場合に出力されるオン信号と、前記光を受光しない場合に出力されるオフ信号とを含む信号を出力する受光素子と、
    前記発光素子及び前記受光素子を支持し、熱膨張率が前記基板とは異なる支持板と、
    前記オン信号の時間と、前記オン信号の時間と前記オフ信号の時間との合計と、の比であるデューティ比から、前記モーターの温度変化を推定する制御部と、を有することを特徴とするモーター装置
  2. 前記光学要素の前記円に沿った長さは、前記半径方向に沿って短くなることを特徴とする請求項1に記載のモーター装置
  3. 前記光学要素は、矩形状を有することを特徴とする請求項1に記載のモーター装置
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のモーター装置を有することを特徴とする印刷装置。
  5. オン信号とオフ信号とを含む信号の入力を受け、前記オン信号の時間と、前記オン信号の時間と前記オフ信号の時間との合計と、の比であるデューティ比から、前記モーターの温度変化を推定する制御部に対して、前記信号を出力するモーターユニットであって、
    ローターを有する前記対象物としてのモーターと、
    前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って、前記円に沿った長さと前記円の周長との比が前記円の半径方向に沿って変化するように配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、
    前記光学要素に光を照射する発光素子と、
    前記光学要素を透過する前記光、又は前記光学要素で反射される前記光を受光し、前記光を受光する場合に出力される前記オン信号と、前記光を受光しない場合に出力される前記オフ信号とを含む前記信号を出力する受光素子と、
    前記発光素子及び前記受光素子を支持し、熱膨張率が前記基板とは異なる支持板と、を有することを特徴とするモーターユニット。
  6. ローターを有するモーターと、
    前記ローターに取付けられ、前記ローターの回転中心軸を中心とする円に沿って、前記円に沿った長さと前記円の周長との比が前記円の半径方向に沿って変化するように配置された光透過部又は光反射部の光学要素を有する基板と、
    前記光学要素に光を照射する発光素子と、
    前記光学要素を透過する前記光、又は前記光学要素で反射される前記光を受光し、前記光を受光する場合に出力されるオン信号と、前記光を受光しない場合に出力されるオフ信号とを含む信号を出力する受光素子と、
    前記発光素子及び前記受光素子を支持し、熱膨張率が前記基板とは異なる支持板と、
    前記モーターの温度変化を推定する制御部と、を有する装置におけるモーターの温度推定方法であって、
    前記オン信号の時間を、前記オン信号の時間と前記オフ信号の時間との合計と、の比であるデューティ比から、前記モーターの温度変化を推定することを特徴とするモーターの温度推定方法。
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