JP7069470B2 - 陽極シールド - Google Patents

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Description

X線アセンブリ及びシステムは、一般に、電子の流れを真空中に導入する陰極及び電子を受け取る陽極を含み得る。電子が陽極上のターゲットにぶつかったとき、エネルギーの一部はX線として放出され得、エネルギーの一部は熱として排出され得る。放出されたX線は、試料に関する情報を決定するために試料に導かれてもよい。本明細書で別段の指示がない限り、このセクションで説明する手法は、この開示の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、このセクションに含めることによって従来技術であると認めるものではない。
X線アセンブリの断面図を示す。 Aは、陽極シールドを備えていない陽極の側面図を示す。Bは、陽極シールドを備えた陽極の側面図を示す。Cは、陽極シールドを備えた陽極の断面図を示す。 A及びBは、不均一な第1の断面寸法を有する陽極シールドを備えた陽極の断面図を示す。 A及びBは、陽極シールドのアセンブリの斜視図を示す。 陽極シールドを備えた陽極を製造する方法の実施例を示すフローチャートである。 銅(Cu)基板、ロジウム(Rh)ターゲット及びロジウムコーティングを備えたテーパー付き陽極から発生するX線エネルギー準位のスペクトルグラフを示す。 銅基板、ロジウムターゲット及びロジウム陽極シールドを備えた陽極から発生するX線エネルギー準位のスペクトルグラフを示す。 A及びBは、陽極基板の側壁に対して非直交角度を有する陽極シールドを備えた陽極の断面図を示す。
本発明の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その出願において、以下の説明に記載されるか、または以下の図面に示される、構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態とすることが可能であり、様々な方式で実施または実行することが可能である。フローチャート及びプロセスにおいて提供される番号は、ステップ及び操作の説明を分かりやすくするために提供されるものであり、必ずしも特定の順序またはシーケンスを示すものではない。特に定義されていない限り、「または」という用語は、選択肢の選択(例えば、論理和演算子もしくは排他的OR)、または選択肢の組み合わせ(例えば、論理積演算子、及び/または(and/or)、論理ORもしくはブールOR)を指すことができる。
開示された実施形態は、全体として、陽極ジオメトリ及び陽極シールドによって分析X線管から発生するX線ビームのスペクトル純度を改善するための構造、方法及びシステムに関する。開示された実施形態はまた、全体として、静止X線管用の陽極シールドに関する。
分析X線管のX線ビームのスペクトル純度は、陽極ジオメトリのいくつかの特徴によって損なわれる可能性がある。具体的には、陽極ジオメトリの特徴が形状において円錐であるか、またはX線管の出口窓に対して垂直である場合、後方散乱電子によってこれらの表面から固有X線が生じる確率が存在する。焦点の衝突領域(またはターゲット領域)と同一の材料によって表面が構成されていない場合、これらの表面から発生するX線は、管から意図される固有X線ではなく、スペクトル汚染をもたらす。開示された陽極シールドは、不必要なスペクトル汚染を測定可能に減少させる手段を提供する。
従来、静止陽極X線管では、陽極は、ターゲットと、ターゲットを支持し、ターゲットに当たる電子から発生するターゲットから出る熱を伝導する陽極基体または基板とを含む。陽極基体または基板において使用される基板材料に対するターゲットのターゲット材料の比較的高いコスト及び/またはより低い熱伝導率のため、ターゲット材料の組成は、通常、基板材料とは異なる。X線を発生させるためにターゲットの領域を大きくする必要がないにも関わらず、X線が発生しているときにターゲットによって生成される熱は、大きな影響を与える可能性がある。この熱によってターゲットの温度が上昇する可能性があり、それにより、発生した熱がターゲット領域から出る熱として伝導されない場合、ターゲット材料が気化し、ターゲットまたはX線管が劣化し、かつ/または陽極の他の特徴が融解する可能性がある。通常、高熱伝導性材料を使用する、ターゲット周囲の陽極部位の断面積を増加させる、かつ/またはターゲット周囲の陽極の特徴を冷却する液体を使用するなどして、ターゲットの温度を冷却するか、または低下させ、ターゲットから出る熱を伝導するために機構が使用される。
「X-ray Assemblies and Coating」と題する、2018年4月10日に付与された米国特許第9,941,092号(「‘092特許」)は、その全体が参照によって組み込まれるが、(「‘092特許」の図2A及び図3に示されるように)ターゲット82から陽極基体または基板74の他端までの断面積を徐々に増加させた従来の陽極の実施例を提供する。例えば、テーパー88は、(‘092特許の図2A及び図3に示されるように)第1の狭窄部分84と第2の幅広部分86との間で使用される。
‘092特許に示されているように、ターゲット82に衝突する電子放出源によって放出された電子の一部のみがターゲットによって吸収され、その結果、放射線(「一次X線」と呼ばれる)が放出され得る。放出された放射線の特性(例えば、波長、周波数及び/またはエネルギー)は、ターゲットの材料、衝突する電子のエネルギー、X線管の電圧及び/または他の態様に依存し得る。ターゲットに衝突する残りの電子の一部は、ターゲットによって吸収される代わりに後方散乱され得る。後方散乱電子によって発生するX線(「後方散乱X線」と呼ばれる)の一部も、一次X線と共にX線管のX線透過窓を抜ける場合がある。ターゲット材料が基板材料とは異なり得るため、一次X線は、後方散乱されたX線とは異なる放射特性を有し得る。これにより、以下でより詳細に説明するように、スペクトル汚染と呼ばれる、画像または分光分析に対する悪影響がもたらされる可能性がある。
陽極基体または基板の基板材料からのスペクトル汚染を低減するための従来の手法は、‘092特許に示したように、(ターゲット82によって覆われていない)第1の部分84及びテーパー88などの、ターゲット近傍の表面上のターゲット材料のコーティングを使用することである。コーティングは、電気メッキによって施すことができる。残念なことに、ターゲット材料を電気メッキすることでは、コーティング下の基板材料によって発生するX線を遮断するのに十分な厚さの層が生成されない場合があり、それによってスペクトル汚染が引き起こされる可能性がある。例えば、ロジウム(Rh)の電気メッキは、X線管の動作温度におけるフレーキングなどの不所望の特性をコーティングが呈する以前に、1.5マイクロメートル(μmまたはミクロン)のコーティングを生成するに過ぎない場合がある。ロジウム下の銅から発生する後方散乱X線からの放射線の99.9%超を遮蔽するには、厚さ50ミクロンのロジウムが必要になる場合がある。熱スプレー(例えば、プラズマスプレー)、化学気相成長(CVD)、プラズマ強化型CVD(PECVD)、物理気相成長(PVD)、スパッタリングまたはスパッタ堆積、及び高速度酸素燃料スプレー(HVOF)を使用して、不所望の特性を伴わずに電気メッキよりも厚いコーティングを生成してもよいが、処理コストは、電気メッキに比べて非常に高くなり、従って陽極を製造するコストを増加させる場合がある。
別の実施例では、従来の陽極は、2004年2月10日に付与された、「Sleeve for a Stationary Anode in an X-ray Tube」と題する米国特許第6,690,765号(「‘765特許」)によって示されるように、静止陽極構造16の陽極基板17の一部を覆うために陽極スリーブ30または30’を使用してもよく、この特許は、その全体が参照によって組み込まれる。陽極スリーブは、陽極スリーブがより多くの表面を覆うため、以下で説明されるような陽極シールドを使用したものよりも製造がより困難かつより高コストになり得る。
図1は、真空エンクロージャ234を備えるX線管230の断面図を示す。この真空エンクロージャは、真空エンクロージャ234の開口228を覆うX線透過窓232を含む真空エンクロージャ234、真空エンクロージャ234内に配置された陰極アセンブリ236及び陽極アセンブリ238を含む。
陰極アセンブリ236は、電子放出面246と、電子を放出するように構成された電子放出源262(例えば、陰極フィラメント)などの電子源と、集束スロット264)と、集束電極260を含むことができる。集束電極260は、電子放出面246から移動する電子をターゲット282に集束させるように構成され得る。集束電極260は、少なくとも陽極アセンブリ238の陽極基板274の第1の部分284及び第2の部分286を向いた実質的に幾何学的に連続する表面220(例えば、角または鋭い縁部を持たない)を含むことができる。
陽極アセンブリ238または陽極は、ターゲット282に当たる電子からX線を発生させるように構成される。陽極238は、第1の断面寸法294を有する第1の部分284及び第1の断面寸法294よりも大きい第2の断面寸法296を有する第2の部分286を備えた基板材料を含む基板274、基板274の第1の部分284の第1の表面に取り付けられたターゲット材料を含むターゲット282、ならびに基板274の第2の部分286の第2の表面に取り付けられたシールド材料を含む陽極シールド272を備えることができる。基板材料は、ターゲット材料及びシールド材料とは異なる。
図2A~図2Cは、陽極238の拡大図を示す。基板274の第1の部分284、第2の部分286及び第3の部分292は、楕円柱(例えば、円柱)を形成することができる。テーパー付き部分290は、円錐台を形成することができる。基板274の第1の部分284、第2の部分286、テーパー付き部分290及び第3の部分292を一体化するか、または連続材料とすることが可能であるにも関わらず、線204は、第1の部分284と第2の部分286との間の仮想分離を示し、線206は第2の部分286とテーパー付き部分290との間の仮想分離を示し、線208はテーパー付き部分290と第3の部分292との間の仮想分離を示す。実質的に平行な表面を、第1の部分284とターゲット282との間に、さらに第1の部分284と第2の部分286との間に形成することができる。角度に関して「実質的に」とは、1°以内を指す。例えば、実質的に平行とは、互いに1°よりも小さい表面または平面を指す。実質的に垂直または実質的に直交とは、互いに89°~91°である表面または平面を指す。
高エネルギー電子がターゲット材料に当たったときに有意なX線を発生させる材料によってターゲットが形成される。同様に、陽極シールド272内で使用されるシールド材料は、ターゲット材料と類似の材料を使用してもよい。例えば、ターゲット材料及びシールド材料は、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)、炭化ニオブ(NbCもしくはNb2C)、炭化タンタル(TaCx)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。一実施例では、ターゲット材料及びシールド材料は、実質的に同一の材料を含む。その結果、ターゲット282と類似の材料を使用した陽極シールド272において、陽極シールド272が段付きターゲットまたはターゲットシールドとも呼ばれてもよく、陽極238がシールド付き陽極と呼ばれてもよい。実質的に同一の材料とは、別の材料と同一の化学的組成の90%、95%または99%を有する材料を指すことができる。
X線管及び真空環境に適した基板材料の材料特性には、高温環境において使用するための高融点、ターゲットから出る熱を伝導する高熱伝導性、及び製造の収益性を改善するための低材料コストが含まれる。融点は、材料が固体から液体に状態を変えるときの温度である。熱伝導率は、熱を伝導する材料の能力の尺度である。列挙された特性を有する好適な基板材料は、銅(Cu)、銀(Ag)、熱分解炭素もしくは熱分解グラファイト(C)、またはこれらの組み合わせを含む。銅は、1084.62セルシウス度(C)または1357.77ケルビン(K)の融点及び401ワット/メートル-ケルビン(W/(m・K))の熱伝導率を有する。銀(Ag)は、961.78℃または1244.93ケルビン(K)の融点及び429W/(m・K)の熱伝導率を有する。熱分解炭素または熱分解グラファイト(C)は、700℃で、堆積平面に対して垂直に1.2~4.6W/(m・K)の熱伝導率を有し、堆積平面に対して平行に150~310W/(m・K)の熱伝導率を有する。熱分解炭素(または熱分解グラファイト)は、グラファイトに類似した材料であるが、そのグラフェンシート間には多少の共有結合性がある。それにより、グラファイトと比べると劈開面に沿ってより熱導電性であり、良好な平面熱伝導体を作る。
一実施例では、基板材料は、900℃よりも高い融点を有する。一実施例では、基板材料は、300W/(m・K)よりも大きい熱伝導率を有する。
ターゲット282は、ろう付けによって基板274の第1の部分284に結合されてもよい。ターゲット282をろう付けすることは、ろう付けによって公差のより厳密な制御が容易になり、材料の均一な加熱が容易になり、接合された材料の熱的歪みが減少し、かつ/または汚れのない接合部の生成が容易になり得るために有利であり得る。同様に、陽極シールド272は、ろう付けによって基板274の第2の部分286の平坦な表面226(図3A~図3B)に結合されてもよく、または陽極シールドは、基板の第1の部分284と第2の部分286との間のテーパー付き表面(図示せず)にろう付けによって結合されてもよい。陽極シールドは、第1の部分284(もしくは第2の部分286)の側壁またはターゲット近傍の陽極構造の円錐部分(焦点を生じさせるために使用される)に対して実質的に垂直な任意の平坦な表面をターゲットと同一の材料で覆うことができる。陽極シールド272は、リングまたはワッシャなどの、環状楕円柱または楕円柱シェルとすることができる。陽極シールド272は、少なくとも1つの縁部において平坦とするか、または傾斜付きとすることができる。一実施例では、陽極シールド272の平坦なシールド表面216(図3A~図3B)及び外側表面は、斜面を有する。一実施例では、ターゲット材料の厚さは、シールド材料の厚さよりも大きい。別の実施例では、シールド材料の厚さは20ミクロンよりも大きい。別の実施例では、シールド材料の厚さは、陽極シールド272下の基板材料から放出されたK放射線の99%超を遮断する。
図3A~図3Bは、不均一な第1の断面寸法を有する陽極シールドを備えた陽極の断面図を示す。一実施例では、ターゲット282の平坦なターゲット表面212は、陽極シールド272の平坦なシールド表面216に対して実質的に平行である。一実施例では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214または218に対して実質的に直交(すなわち、直交または90°の1°以内)222とすることができる。別の実施例では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214または218に関して88°~92°(すなわち、直交の2°以内)の角度Φを有する。別の実施例では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214または218に関して85°~95°(すなわち、直交の5°以内)の角度Φを有する。別の実施例では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214または218に関して80°~90°(すなわち、直交の10°以内)の角度Φを有する。第1の部分284の側壁214の角度Φn(ファイナロー)が90°よりも小さくなると、基板は、第1の部分284と第2の部分286との交線204(図2A~図2Cに示す)において最も狭くなり、陽極の熱伝導が抑制される。これにより、第1の部分284の直交側壁222を備えた陽極に同様の電圧及び電力が印加されたときと比較してターゲットの温度が上昇する可能性があり、これによってX線管の電力定格及び/または寿命が低下する可能性がある。第1の部分284の側壁218の角度Φw(ファイワイド)が90°よりも大きくなると、基板は、ターゲット282と第2の部分286との間の第1の部分284の側壁218上にテーパーを有し、陽極の熱伝導が改善する。これにより、第1の部分284の直交側壁222を備えた陽極に同様の電圧及び電力が印加されたときと比較してターゲットの温度を下げることができ、これによってX線管の電力定格及び/または寿命を高めることができる。しかし、90°よりも大きい角度Φw(ファイワイド)は、基板材料特性による未遮断の後方散乱X線が第1の部分284の側壁218のテーパー付き領域からより多く放出されるため、スペクトル汚染を増加させる場合がある。実験及びシミュレーションでは、90°よりも大きい角度Φを有する側壁(第2の部分286の第2の断面寸法296と同様[例えば、20%以内]の開口断面寸法を有する真空エンクロージャ開口228の場合)は、X線透過窓232を通過させる放出角を有する基板材料特性によって後方散乱X線を放出することが示される。
図4A~図4Bは、陽極シールドのアセンブリの斜視図を示す。図5は、陽極シールドを備えた陽極を製造する方法400を示すフローチャートである。陽極は、ステップ410のように、基板材料を含む基板274を提供することと、ステップ420のように、ターゲット材料を含むターゲット282を基板274にろう付けすることと、ステップ430のように、第1の断面積294を有する基板274の第1の部分284及び第1の断面積294よりも大きい第2の断面積296を有する第2の部分286を形成することであって、第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224にターゲット282がろう付けされる、形成することと、ステップ440のように、シールド材料を含む陽極シールド272を第2の部分286の平坦な第2の部分の表面226にろう付けすることとを含むプロセスによって製造することができる。基板274の第1の部分284及び第2の部分286を形成することは、第1の部分284を第2の部分286よりも小さい断面寸法に機械加工することを含むことができる。陽極シールド272をろう付けすることは、基板274を陽極シールド272に付着させるためのろう付け材料を追加することを含むことができる。自動化を利用して陽極を製造してもよい。いくつかの実施形態では、ターゲット282を基板274の第1の部分284にろう付けする前に、陽極シールド272を基板274の第2の部分286にろう付けしてもよい。
分析X線管を使用して蛍光X線(XRF)を発生させてもよい。この蛍光X線は、高エネルギーのX線またはガンマ線を射突させることによって励起された材料からの固有の「二次」(または蛍光)X線の放出である。XRF現象は、元素分析及び化学分析のために広く使用されている。X線分光法とは、X線励起を使用することによって材料を特徴付けるためのいくつかの分光技術を指す。X線などの光子のエネルギーによって原子の内殻からの電子が励起されるとき、電子は、より高いエネルギー準位に移動する。電子が低いエネルギー準位に再度戻るとき、励起によって電子が予め得たエネルギーは、元素に固有の波長を有する光子として放出され、これは、元素毎にいくつかの固有波長を含むことができる。X線分光法では、アルファ線は、多くの産業用途において注目される(元素に固有の様々なスペクトル線からの)主要なスペクトル線であることが多い。例えば、K-アルファ輝線は、2番目の殻すなわち「L」殻(主量子数2を有する)の2p電子軌道から最内の「K」殻(主量子数1)に電子が遷移するときに生じる。K-アルファ放射は、K-アルファ1及びK-アルファ2の2つのスペクトル線で構成される。K-アルファ1放射はよりエネルギーが高いため、K-アルファ2放射よりも短い波長を有する。K-アルファ2(L2-->K)遷移と比較してより多数の電子がK-アルファ1遷移(L3-->K)に従うことにより、K-アルファ1放射がK-アルファ2よりも強くなる。K-アルファ放射に類似したK-ベータ放射は、3番目の殻すなわち「M」殻(主量子数3を有する)の3p軌道から最内の「K」殻(主量子数1)に電子が遷移するときに生じる。K-ベータ放射によって発生するエネルギーは、通常、K-アルファ放射よりも小さい。元素に固有のスペクトル線に名前を付けるために、X線分光法ではジークバーン表記及び国際純正・応用化学連合(IUPAC)表記が使用される。
図6は、銅(Cu)基板、ロジウム(Rh)ターゲット、及び第1の部分84(184)上の1.5ミクロンのロジウムコーティング、‘092特許の図2A及び図3(図4)に示したようなテーパー88(188)を備えたテーパー付き陽極から発生するX線エネルギー準位のスペクトルグラフを示す。銅は、シーグバーン表記を使用した8.05キロ電子ボルト(keV)のK-アルファ1(Kα1)及びIUPAC表記を使用した8.05keVのK-L3、ならびにシーグバーン表記を使用した8.90keVのK-ベータ1(Kβ1)及びIUPAC表記を使用した8.90keVのK-M3を有する。ロジウムは、20.21keVのK-アルファ1(Kα1)及び22.72keVのK-ベータ1(Kβ1)を有する。ロジウムターゲットから発生するK-アルファ1(Kα1)及びK-ベータ1(Kβ1)スペクトル線と共に、図示したように、銅基板から発生するK-アルファ1(Kα1)スペクトル線もまた、薄い1.5ミクロンのロジウムコーティングを用いても発生している。このコーティングは、銅基板から発生し、X線透過窓232を抜ける後方散乱X線の実質的に全て(すなわち、99%よりも大きい)を遮断またはフィルタ除去しない。銅基板から寄与するK-アルファ1(Kα1)スペクトル線の追加によってスペクトル汚染(銅汚染または銅スペクトル汚染)が発生する。これにより、銅を有する工業材料の分析が困難かつ不正確になる。
図7は、銅基板274、ロジウムターゲット282及びロジウム陽極シールド272を備えた陽極から発生するX線エネルギー準位のスペクトルグラフを示す。図示したように、K-アルファ1(Kα1)及びK-ベータ1(Kβ1)スペクトル線は、何らかのスペクトル線または汚染も伴わず、銅基板から寄与する量の実質的な減少も伴わずにロジウムターゲットから発生する。50ミクロンの厚さを有する陽極シールド272は、銅基板から発生し、X線透過窓232を抜ける後方散乱X線からのCu K放射線を99.9%超遮蔽することができる。陽極シールド272の厚さの実施例として50ミクロンが使用されているが、他の実施形態では、厚さは上記の説明とは異なってもよく、銅基板からの寄与を依然として低減し得る。
図8A~図8Bは、基板274の第1の部分284の側面222に対して非直交角度θを有する陽極シールドを備えた陽極の断面図を示す。図3A~図3Bと同様に、ターゲット282の平坦なターゲット表面212は、陽極シールド272の平坦なシールド表面216に対して実質的に平行である。図8Aでは、第1の部分284と第2の部分286との間の基板274の領域または部位は、第1の部分284から第2の部分286へのテーパー226Bを備えた楕円または円形の円錐台形状を有することができる。第1の部分284の側面222からのテーパー226Bの角度θw(シータワイド)は90°よりも大きい。一実施例では、角度θwは90°~95°(すなわち、直交の5度以内)である。別の実施例では、角度θwは91°~100°(すなわち、直交の10°以内)である。別の実施例では、角度θwは95°~120°(すなわち、直交の30°以内)である。別の実施例では、角度θwは95°~135°(すなわち、直交の45°以内)である。陽極シールド272Bは、テーパー226Bに対応する形状を有する。一実施例では、陽極シールド272Bは、中空の楕円円錐台である。一実施例では、外向きの表面216Bは、内向きの表面226Bと実質的に平行である。
図8Bでは、第1の部分284と第2の部分286との間の基板274の領域または部位は、楕円形もしくは円形の球面キャップ形状、ボウル形状、または第1の部分284から第2の部分286への傾斜226Cを備えた逆の楕円形もしくは円形の円錐台形状を含むことができる。第1の部分284の側面222からの傾斜226Cの角度θn(シータナロー)は90°よりも小さい。一実施例では、角度θnは85°~90°(すなわち、直交の5°以内)である。別の実施例では、角度θnは80°~89°(すなわち、直交の10°以内)である。別の実施例では、角度θnは60°~85°(すなわち、直交の30°以内)である。別の実施例では、角度θnは45°~85°(すなわち、直交の45°以内)である。陽極シールド272Cは、傾斜226Cに対応する形状を有する。一実施例では、陽極シールド272Cは、中空の楕円円錐台である。一実施例では、外向きの表面216Cは、内向きの表面226Cに関して実質的に平行である。
図8A~図8Bは、陽極の第1の部分284の均一な第1の断面寸法294を示す。他の実施例では、図8A~図8Bに示した陽極基板及び陽極シールド272B、272Cは、図3A~図3Bに記載した不均一な第1の断面寸法294と組み合わせることができる。
図1~図4B及び図8A~図8Bは、均一な厚さ及び比較的滑らかな外表面216、216B、216Cを有する陽極シールド272、272A、272B、272Cを示す。いくつかの実施例では、厚さは、外縁部をより薄くし、内縁部をより厚くする(図示せず)、または外縁部をより厚くし、内縁部をより薄くする(図示せず)、または外表面216、216B、216C上の何らかの他の不均一な厚さもしくはパターンなど、不均一なものにすることができる。いくつかの実施例では、陽極シールド272、272A、272B、272Cの外表面216、216B、216Cは、撚り、表面の起伏、及びうねりの様々な特性を備えた表面テクスチャまたは表面仕上げを有することができる。
いくつかの実施形態は、基板材料を含む基板274であって、第1の断面寸法294を有する第1の部分284と、第1の断面寸法294よりも大きい第2の断面寸法296を有する第2の部分286とを含む基板274と、基板の第1の部分284の第1の表面224に取り付けられたターゲット材料を含むターゲット282と、基板の第2の部分286の第2の表面に取り付けられたシールド材料を含む陽極シールド272であって、基板材料がターゲット材料及びシールド材料とは異なる、陽極シールド272とを備える、陽極を含む。
いくつかの実施形態では、ターゲット282は、基板274の第1の部分284にろう付けされ、陽極シールド272は、基板274の第2の部分286にろう付けされる。いくつかの実施形態では、陽極は、陽極シールド272と、第2の部分286の平坦な第2の部分の表面226との間にろう付け材料をさらに含む。
いくつかの実施形態では、陽極シールド272は、環状楕円柱、楕円柱シェル、または中空楕円円錐台である。いくつかの実施形態では、ターゲット282の平坦なターゲット表面212は、陽極シールド272の平坦なシールド表面216に対して実質的に平行である。いくつかの実施形態では、基板の第1の部分284及び第2の部分286は、実質的に平行な表面を有する楕円柱を形成する。いくつかの実施形態では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214に対して実質的に直交する。
いくつかの実施形態では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214に関して85°~95°の角度Φを有する。いくつかの実施形態では、基板の第1の部分284の平坦な第1の部分の表面224は、第1の部分284の側面214に関して90°よりも小さい角度Φnを有する。
いくつかの実施形態では、ターゲット材料の厚さは、シールド材料の厚さよりも大きい。いくつかの実施形態では、シールド材料の厚さは、20ミクロン(μm)よりも大きい。いくつかの実施形態では、シールド材料の厚さは、陽極シールド272下の基板材料から放出されたK放射線の99%超を遮断する。
いくつかの実施形態では、基板材料は、銅(Cu)、銀(Ag)、熱分解炭素もしくは熱分解グラファイト、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ターゲット材料及びシールド材料は、それぞれ、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)、炭化ニオブ(NbCもしくはNb2C)、炭化タンタル(TaCx)、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ターゲット材料及びシールド材料は、実質的に同一の材料を含む。いくつかの実施形態では、ターゲット材料及びシールド材料は、基板材料のK-アルファ1(Kα1)エネルギーレベルよりも1.5倍大きいK-アルファ1エネルギーレベルを有する。いくつかの実施形態では、陽極シールド272の平坦なシールド表面216及び外側表面は斜面を有する。
いくつかの実施形態は、真空エンクロージャ234であって、この真空エンクロージャの開口228を覆うX線透過窓232を含む真空エンクロージャ234と、真空エンクロージャ内に配置された陰極アセンブリ236であって、電子を放出するように構成された電子源262を含む陰極アセンブリ236と、真空エンクロージャ内に配置された先に記載の陽極であって、ターゲット282に当たる電子からX線を発生させるように構成された陽極とを備えるX線管を含む。
いくつかの実施形態では、陰極アセンブリ236は、基板の第1の部分284及び第2の部分286と向き合う実質的に幾何学的に連続する表面220を含む集束電極をさらに含む。いくつかの実施形態では、真空エンクロージャの開口228は、第2の部分286の第2の断面寸法の20%以内の開口断面寸法を有する。
いくつかの実施形態は、陽極を製造する方法を使用し、この方法は、基板材料を含む基板を提供することと、ターゲット材料を含むターゲット282を基板にろう付けすることと、第1の断面積を有する基板274の第1の部分284及び第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有する第2の部分286を形成することであって、ターゲットが第1の部分286の平坦な第1の部分の表面224にろう付けされる、形成することと、シールド材料を含む陽極シールド272を第2の部分286の平坦な第2の部分の表面226にろう付けすることとを含む。
いくつかの実施形態では、基板274の第1の部分284及び第2の部分286を形成することは、第1の部分284を第2の部分286よりも小さい断面寸法に機械加工することを含む。いくつかの実施形態では、陽極シールドをろう付けすることは、基板274を陽極シールド272に付着させるためのろう付け材料を追加することを含む。いくつかの実施形態では、複数の命令を含む少なくとも1つの非一時的な機械可読記憶媒体が、上記の方法を実施すべく実行されるように適合される。
いくつかの実施形態は、電子がターゲットに当たったときにX線を発生させるためのターゲット材料を含むターゲット手段と、ターゲットを支持し、ターゲットから出る熱を伝導するための基板材料を含む基板手段であって、第2の断面寸法よりも小さい第1の断面寸法を有する、基板手段と、基板手段の第1の断面寸法と重なっていない第2の断面寸法から発生する後方散乱X線を遮断するためのシールド材料を含む陽極シールド手段とを備える陽極を含む。基板材料は、ターゲット材料及びシールド材料とは異なる。ターゲット手段の実施例はターゲット282を含む。基板手段の実施例は、基板274、第1の部分284、第2の部分286、テーパー付き部分290、及び第3の部分292を含む。一実施例では、第1の断面寸法294と重なっていない第2の断面寸法296とは、第1の部分284によって覆われていない第2の部分286の領域を指す。陽極シールド手段の実施例は、陽極シールド272、272A、272B、272Cを含む。
いくつかの実施例では、基板手段の基板材料は、900℃よりも高い融点を有する。いくつかの実施例では、基板手段の基板材料は、300W/(m・K)よりも大きい熱伝導率を有する。いくつかの実施例では、ターゲット材料及びシールド材料は、基板材料のK-アルファ1(Kα1)エネルギーレベルよりも50%大きいK-アルファ1エネルギーレベルを有する。いくつかの実施例では、シールド材料の厚さは、陽極シールド手段の基板材料から放出されたK放射線の99%超を遮断する。
上記で提供された要約は例示であり、決して限定を意図するものではない。上記で説明された実施例に加えて、本発明のさらなる態様、特徴及び利点は、図面、以下の詳細な説明、及び添付された特許請求の範囲を参照することによって明らかになるであろう。
本明細書全体を通した「実施例(example)」または「実施形態(embodiment)」への言及は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通した様々な箇所における「実施例」または「実施形態」の語の出現が、必ずしも全て同じ実施形態を言及しているわけではない。
さらに、説明された特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において適切な方法で組み合わされてもよい。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が提供される(例えば、レイアウト及びデザインの実施例)。しかしながら、当業者は、特定の詳細のうちの1つ以上を用いずに、または他の方法、構成要素、レイアウトなどを用いて本発明が実施可能であることを認識するであろう。他の例では、本発明の態様を曖昧にすることを避けるために、周知の構造、構成要素または操作は、図示されていないか、または詳細に説明されていない。
この書面での開示に続く特許請求の範囲は、ここで本書面での開示に明確に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態としてそれ自体で成立する。本開示は、独立請求項とその従属請求項についての全ての変形例を含む。さらに、以下の独立請求項及び従属請求項から派生することが可能である追加の実施形態も、本書面での説明に明示的に組み込まれる。これらの追加の実施形態は、所与の従属請求項の依存関係を語句「請求項[x]で始まり、この請求項の直前の請求項で終わる請求項のいずれか」に置き換えることによって決定される。ここで、括弧付きの用語「[x]」は、直近に記載された独立請求項の番号に置き換えられる。例えば、独立請求項1で始まる第1の請求項の組について、請求項3が請求項1及び2のいずれかに従属し、これらの別々の従属関係によって2つの異なる実施形態を得ることができ、請求項4が請求項1、2または3のいずれか1項に従属し、これらの別々の従属関係によって3つの異なる実施形態を得ることができ、請求項5が請求項1、2、3または4のいずれか1項に従属し、これらの別々の従属関係によって4つの異なる実施形態を得ることができ、以下同様である。
特徴または要素に関する用語「第1」の請求項における記載は、第2の、または追加のそのような特徴または要素の存在を必ずしも示唆するものではない。存在する場合、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で具体的に記載された要素は、35U.S.Cセクション112(f)に従って、本明細書で説明された対応する構造、材料または動作及びそれらの均等物を網羅するように解釈されることが意図される。排他的な所有または特権が請求される本発明の実施形態は、以下のように定められる。

Claims (20)

  1. ターゲットが取り付けられ、ターゲット方向に電子を放出する陽極であって、
    基板材料を含む基板(274)であって、
    前記ターゲット方向に直交する方向に第1の断面寸法(294)を有する第1の部分(284)と、
    前記第1の断面寸法(294)よりも大きく、前記ターゲット方向に直交する方向に第2の断面寸法(296)を有し、第1の部分に対して前記ターゲット方向とは反対の方向に位置する第2の部分(286)と
    を含む、前記基板(274)と、
    前記基板(274)の前記第1の部分(284)の前記ターゲット方向を向いた第1の表面に取り付けられたターゲット材料を含むターゲット(282)と、
    前記基板(274)の前記第2の部分(286)の前記ターゲット方向を向いた第2の表面に取り付けられたシールド材料を含む陽極シールド(272)であって、前記陽極シールド(272)が前記第1の部分(284)の前記ターゲット方向と平行な側面を開放し、前記基板材料が前記ターゲット材料及び前記シールド材料とは異なる、前記陽極シールド(272)と
    を備える、陽極。
  2. 前記ターゲット(282)が前記基板(274)の前記第1の部分(284)にろう付けされ、前記陽極シールド(272)が前記基板(274)の前記第2の部分(286)にろう付けされる、請求項1に記載の陽極。
  3. 前記陽極シールド(272)が、環状楕円柱、楕円柱シェル、または中空楕円円錐台である、請求項1または2に記載の陽極。
  4. 前記基板の前記第1の部分(284)及び第2の部分(286)が、実質的に平行な表面を有する楕円柱を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の陽極。
  5. 前記ターゲット(282)の平坦なターゲット表面(212)が前記陽極シールド(272)の平坦なシールド表面(216)に対して実質的に平行であるか、または
    前記基板の前記第1の部分(284)の平坦な第1の部分の前記ターゲット方向を向いた端面である表面(224)が、前記第1の部分(284)の側面(214)に対して実質的に直交する、請求項1~4のいずれか1項に記載の陽極。
  6. 前記基板の前記第1の部分(284)の平坦な第1の部分の前記ターゲット方向を向いた端面である表面(224)が、
    前記第1の部分(284)の側面(214)に関して85°~95°の角度(Φ)を有するか、または
    前記第1の部分(284)の側面(214)に関して90°よりも小さい角度(Φn)を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の陽極。
  7. 前記ターゲット材料の厚さが、
    前記シールド材料の厚さよりも大きいか、または
    20ミクロンよりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の陽極。
  8. 前記基板材料が、銅(Cu)、銀(Ag)、熱分解炭素もしくは熱分解グラファイト、またはこれらの組み合わせを含み、
    前記ターゲット材料及び前記シールド材料が、それぞれ、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、プラチナ(Pt)、炭化ニオブ(NbCもしくはNb2C)、炭化タンタル(TaCx)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の陽極。
  9. 前記ターゲット材料及び前記シールド材料が、実質的に同一の材料を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の陽極。
  10. 前記ターゲット材料及び前記シールド材料が、前記基板材料のK-アルファ1(Kα1)エネルギーレベルよりも1.5倍大きいK-アルファ1エネルギーレベルを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の陽極。
  11. X線管であって、
    真空エンクロージャ(234)であって、前記真空エンクロージャの開口(228)を覆うX線透過窓(232)を含む、前記真空エンクロージャ(234)と、
    前記真空エンクロージャ内に配置された陰極アセンブリ(236)であって、電子を放出するように構成された電子源(262)を含む、前記陰極アセンブリ(236)と、
    前記真空エンクロージャ内に配置された請求項1~10のいずれか1項に記載の陽極であって、前記ターゲット(282)に当たる電子からX線を発生させるように構成された、前記陽極と
    を備える、X線管。
  12. 前記陰極アセンブリ(236)が、前記基板の前記第1の部分(284)及び前記第2の部分(286)と向き合う実質的に幾何学的に連続する表面(220)を含む集束電極をさらに含む、請求項11に記載のX線管。
  13. 前記真空エンクロージャの前記開口(228)が、前記第2の部分(286)の前記第2の断面寸法の20%以内の開口断面寸法を有する、請求項11または12に記載のX線管。
  14. ターゲットが取り付けられ、ターゲット方向に電子を放出する陽極を製造する方法であって、
    基板材料を含む基板を提供することと、
    ターゲット材料を含むターゲット(282)を前記基板にろう付けすることと、
    前記ターゲット方向に直交する方向に第1の断面積を有する前記基板(274)の第1の部分(284)及び前記ターゲット方向に直交する方向に前記第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有し、前記第1の部分に対して前記ターゲット方向とは反対の方向に位置する第2の部分(286)を形成することであって、前記ターゲットが前記第1の部分(286)の平坦な前記ターゲット方向を向いた第1の部分の表面(224)にろう付けされる、前記形成することと、
    シールド材料を含む陽極シールド(272)を前記第2の部分(286)の平坦な前記ターゲット方向を向いた第2の部分の表面(226)にろう付けすることであって、前記陽極シールド(272)が前記第1の部分(284)の前記ターゲット方向と平行な側面を開放することと、
    を含む、方法。
  15. 前記基板(274)の前記第1の部分(284)及び前記第2の部分(286)を形成することが、前記第1の部分(284)を前記第2の部分(286)よりも小さい断面寸法に機械加工することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記陽極シールドをろう付けすることが、前記基板(274)を前記陽極シールド(272)に付着させるためのろう付け材料を追加することを含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. ターゲットが取り付けられ、ターゲット方向に電子を放出する陽極であって、
    電子がターゲットに当たったときにX線を発生させるためのターゲット材料を含むターゲット手段と、
    前記ターゲットを支持し、前記ターゲットから出る熱を伝導するための基板材料を含む基板手段であって、前記ターゲット方向に直交する方向に第2の断面寸法を有する第2の部分よりも小さい、前記ターゲット方向に直交する方向に第1の断面寸法を有する第1の部分を有し前記第2の部分は前記第1の部分に対して前記ターゲット方向とは反対の方向に位置する、前記基板手段と、
    前記基板手段の前記第1の部分と重なっていない前記第2の部分から発生する後方散乱X線を遮断するためのシールド材料を含む陽極シールド手段であって、前記陽極シールド手段が前記基板手段の前記第1の部分の前記ターゲット方向と平行な側面を開放し、前記基板材料が前記ターゲット材料及び前記シールド材料とは異なる、前記陽極シールド手段と
    を備える、陽極。
  18. 前記基板手段の前記基板材料が、900℃よりも高い融点を有するか、または300W/(m・K)よりも大きい熱伝導率を有する、請求項17に記載の陽極。
  19. 前記ターゲット材料及び前記シールド材料が、前記基板材料のK-アルファ1(Kα1)エネルギーレベルよりも50%大きいK-アルファ1エネルギーレベルを有する、請求項17または18に記載の陽極。
  20. 前記シールド材料の厚さが、前記基板材料から放出されたK放射線の99%超を遮断する、請求項1~10または請求項17~19のいずれか1項に記載の陽極。
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