JP5214361B2 - X線管およびx線分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線管およびX線分析装置に関する。
X線を使用した分析は、試料に含まれる微量成分の分析などに利用されている。例えば、X線が試料に照射されると蛍光X線が放出されるが、この蛍光X線のスペクトル解析を行うことで試料に含まれる微量成分の分析をすることができる。そのため、これを試料の成分分析に利用している(蛍光X線元素分析法(XRF; X-ray Fluorescence Analysis))。
また、近年、蛍光X線元素分析の分野においては、微小領域の分析を行うことや超微量物質の高精度分析を行うことへの要求が高まっており、より高出力のX線を放射可能なX線管が必要となってきている。
そこで、高出力のX線を放射させるためのX線管が提案されている(特許文献1、2を参照)。ここで、高出力のX線を放射可能なX線管とするためには、ターゲット上における電子ビームの焦点寸法を小さくし、かつX線発生効率を向上させることが重要となる。
特許文献1に開示がされた技術においては、アノード電極の端面に設けられたターゲットにテーパをつけて耐電圧特性を向上させるようにしている。そのため、このことにより空間ギャップを小さくすることができる。しかしながら、ターゲットにテーパをつけるだけではリング状フィラメントからの電子ビームの軌道に影響を与えることができない。そのため、一般的なX線管と同様に、ターゲット上における電子ビームの焦点の形状がリング状となる。そして、焦点の形状がリング状となった場合には、焦点の中央部にX線の発生にとって無駄な部分が存在することになる。その結果、焦点の寸法を小さくすることができず、また、X線発生効率を低下させてしまうおそれもある。
特許文献2に開示がされた技術においては、ターゲット上における電子ビームの焦点の寸法を小さくするために、一般的に使用されるリング状フィラメントを使用せずにコイル状フィラメントを使用している。そして、コイル状フィラメントを非対称の電子銃構造に配置するようにしている。しかしながら、このようなコイル状フィラメントの配置とすれば、機械的な空間形状で決定される電子光学系電場ポテンシャルが非対称となるため、ターゲット上における電子ビームの焦点の形状も非対称となってしまう。そのため、適切な焦点とするための設計や製作が複雑になるという新たな問題が生じるおそれがある。
特開平9−82252号公報 特表2001−504988号公報
本発明は、電子ビームをターゲット上に略円形に収束させることができるX線管およびX線分析装置を提供する。
本発明の一態様によれば、先端に向かうにつれて断面寸法が漸減する第1のテーパ部を有するアノード電極と、前記アノード電極の端面に設けられたターゲットと、前記アノード電極の径外方向において前記アノード電極と略同軸に設けられ、先端に向かうにつれて断面寸法が漸減する第2のテーパ部を有するウェネルト電極と、前記ウェネルト電極の径外方向に設けられたリング状の陰極フィラメントと、を備え、前記第1のテーパ部と、前記第2のテーパ部と、は、略平行となるように設けられていること、を特徴とするX線管が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、上記のX線管と、前記X線管から放射されたX線が試料に入射することで放出された蛍光X線を取り込んで所定の分析を行う検出手段と、を備えることを特徴とするX線分析装置が提供される。
本発明によれば、電子ビームをターゲット上に略円形に収束させることができるX線管およびX線分析装置が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1〜図3は、本実施の形態に係るX線管を例示するための模式図である。なお、図1はX線管の要部模式断面図、図2は図1におけるA−A矢視模式断面図、図3はX線管の部分模式断面図である。
また、図4〜図6は、比較例に係るX線管を例示するための模式図である。
まず、図4〜図6に例示をする比較例について説明をする。
図4は、第1の比較例に係るX線管を例示するための模式図である。なお、図4(a)はX線管の要部模式断面図、図4(b)はターゲット上における電子ビームの焦点の形状を例示するための模式図である。
図4(a)に示すように、X線管100には、端部にテーパ部が設けられた外囲器101、陰極フィラメント102、ウェネルト電極103、アノード電極104、X線発生用のターゲット105、X線放射窓106が設けられている。
アノード電極104は、外囲器101の略中心に同軸に設けられている。また、アノード電極104の径外方向にはウェネルト電極103が同軸に設けられている。そして、ウェネルト電極103の径外方向にはリング状の陰極フィラメント102が同軸に設けられている。
また、アノード電極104の端面には平坦部104bが設けられ、平坦部104bにはターゲット105が設けられている。また、外囲器101の平坦部104b(ターゲット105)と対向する部分には、X線放射窓106が設けられている。
また、外囲器101とウェネルト電極103とは接地され、アノード電極104には正の高電圧が印加されるようになっている。
X線管100の主な構成要素の材質を例示するものとすれば、外囲器101には例えばステンレスなどを用いることができ、アノード電極104には銅(Cu)などを用いることができる。また、ウェネルト電極103には陰極フィラメント102からの高熱に耐え得る金属材料、例えば、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ステンレス(SUS)などを用いることができる。また、陰極フィラメント102には例えばタングステン(W)などを用いることができる。また、ターゲット105には例えばロジウム(Rh)などを用いることができ、X線出力窓106にはX線の減衰が少ない材料、例えばベリリウム(Be)などを用いることができる。
X線管100の動作時には、陰極フィラメント102から放出された電子を陰極−陽極間に印加された電圧により加速させ、外囲器101(シールド)、ウェネルト電極103、アノード電極104により形成される電子光学系電場ポテンシャルに基づいてターゲット105上に収束させるようにして衝突させる。この衝突によりターゲット105からX線108が放出され、放出されたX線108はX線出力窓106を透過して外部に向けて放射される。
陰極フィラメント102からの電子ビーム107の軌道は、外囲器101(シールド)、ウェネルト電極103、アノード電極104で形成される機械的な空間形状で決定される。すなわち、これらの要素により形成される電子光学系電場ポテンシャルにより変化することになる。
そのため、陰極フィラメント102からの電子ビーム107は、電子光学系電場ポテンシャルによりその軌道を変えられて平坦部104b(ターゲット105)上に収束することになる。そして、平坦部104b(ターゲット105)上に収束することで電子ビーム107の焦点109が形成される。
ここで、高出力のX線を放射可能なX線管とするためには、ターゲット上における電子ビームの焦点寸法を小さくし、かつX線発生効率を向上させることが重要となる。
ところが、X線管100のような一般的なX線管の場合には、図4(b)に示すように焦点109の形状がリング状となってしまうので、焦点109の中央部にX線の発生にとって無駄な部分が存在することになる。そのため、焦点109の寸法を小さくすることができず、また、X線発生効率を低下させてしまうおそれもある。
図5は、第2の比較例に係るX線管を例示するための模式図である。なお、図5(a)はX線管の要部模式断面図、図5(b)はターゲット上における電子ビームの焦点の形状を例示するための模式図である。
図5(a)に示すように、X線管100aには、端部にテーパ部が設けられた外囲器101、陰極フィラメント102、ウェネルト電極103、アノード電極104a、X線発生用のターゲット105、X線放射窓106が設けられている。
X線管100aにおいては、アノード電極104aの端部にテーパ部を設けて耐電圧特性を向上させ、そのことにより空間ギャップが小さくなるようにしている。しかしながら、アノード電極104aの端部にテーパ部を設けただけでは陰極フィラメント102からの電子ビーム107の軌道に影響を与えることができない。そのため、図5(b)に例示をしたようにターゲット105上における電子ビーム107の焦点109の形状はリング状となる。
すなわち、単にアノード電極104aの端部にテーパ部を設けるだけでは、ターゲット105上における電子ビーム107の焦点109の寸法を小さくすることができず、またX線発生効率も向上させることができない。
図6は、第3の比較例に係るX線管を例示するための模式図である。なお、図6(a)はX線管の要部模式断面図、図6(b)は図6(a)におけるB−B矢視模式断面図である。
図6(a)、図6(b)に示すように、X線管100bには、端部にテーパ部が設けられた外囲器101、陰極フィラメント102a、ウェネルト電極103a、アノード電極104、X線発生用のターゲット105、X線放射窓106が設けられている。
X線管100bに設けられた陰極フィラメント102aは、前述したリング状のものとは異なり線状を呈するコイル状フィラメントとなっている。また、ウェネルト電極103aは、円筒の一部が切除された略C字状を呈している。そして、陰極フィラメント102aはホルダ110に保持され、アノード電極104を挟んでウェネルト電極103aと対向する位置に配設されている。すなわち、陰極フィラメント102aは非対称の電子銃構造となるように配設されている。
陰極フィラメント102aの形態、配置をこのようにすれば、電子ビーム107aの焦点109aの形状はリング状とはならない。そのため、焦点109aの寸法を小さくすることができる。しかしながら、このような陰極フィラメント102aの形態、配置とすれば、機械的な空間形状で決定される電子光学系電場ポテンシャルが非対称となるため、ターゲット105上における焦点109aの形状も非対称となってしまう。また、焦点109aの形状が歪んでしまう場合もある。そのため、適切な焦点とするための設計や製作が複雑になるという新たな問題が生じるおそれがある。
次に、図1〜図3に戻って本実施の形態に係るX線管について例示をする。
図1〜図3に示すように、X線管1には、端部にテーパ部が設けられた外囲器11、陰極フィラメント2、ウェネルト電極3、アノード電極4、X線発生用のターゲット5、X線放射窓6が設けられている。
アノード電極4は、外囲器11の略中心に同軸に設けられている。また、アノード電極4の径外方向にはウェネルト電極3が略同軸に設けられている。そして、ウェネルト電極3の径外方向にはリング状の陰極フィラメント2が略同軸に設けられている。
また、アノード電極4の端部には先端に向かうにつれて断面寸法が漸減するテーパ部4aが設けられている。また、アノード電極4の端面が平坦となるように平坦部4bが設けられている。
また、平坦部4bにはターゲット5が設けられ、外囲器11のアノード電極4の端面(ターゲット5)と対向する部分には、X線放射窓6が設けられている。また、外囲器11とウェネルト電極3とは接地され、アノード電極4には正の高電圧が印加されるようになっている。
また、ウェネルト電極3の端部であって、アノード電極4のテーパ部4aと対向する部分には、先端に向かうにつれて断面寸法が漸減するテーパ部3aが設けられている。また、テーパ部4aとテーパ部3aとは略平行となるように設けられ、ウェネルト電極3とアノード電極4との間に形成される空間ギャップが略一定となるようにされている。
ここで、陰極フィラメント2からの電子ビーム7の軌道は、外囲器11(シールド)、ウェネルト電極3、アノード電極4で形成される機械的な空間形状で決定される。そのため、本実施の形態においては、テーパ部3a、テーパ部4aにより電子ビーム7の軌道を制御することで、図2に示すように電子ビーム7の焦点9の形状が略円形となるようにしている。なお、電子ビーム7の軌道制御に関しては後述する。
また、図3に示すようにアノード電極4の内部には空間4cが形成され、空間4c内に水などの冷却溶媒を流すことでアノード電極4を冷却できるようになっている。また、図2、図3に示すように、陰極フィラメント2は保持部10により保持されている。また、保持部10は、陰極フィラメント2を保持しその位置を決めるほかに、ウェネルト電極3の外周面と外囲器11の内周面とに当接させることでウェネルト電極3と外囲器11との間の位置関係を決めるようになっている。また、陰極フィラメント2には電気配線12が接続され、電気配線12が保持部10を挿通する部分には絶縁部13が設けられている。
X線管1に設けられた主な構成要素の材質を例示するものとすれば、外囲器11には例えばステンレスなどを用いることができ、アノード電極4には銅(Cu)などを用いることができる。また、ウェネルト電極3には陰極フィラメント2からの高熱に耐え得る金属材料、例えば、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ステンレス(SUS)などを用いることができる。また、陰極フィラメント2には例えばタングステン(W)などを用いることができる。また、ターゲット5には例えばロジウム(Rh)などを用いることができ、X線出力窓6にはX線の減衰が少ない材料、例えばベリリウム(Be)などを用いることができる。
X線管1の動作時には、陰極フィラメント2から放出された電子を陰極−陽極間に印加された電圧により加速させ、外囲器11(シールド)、ウェネルト電極3、アノード電極4により形成される電子光学系電場ポテンシャルに基づいてターゲット5上に収束させるようにして衝突させる。この衝突によりターゲット5からX線8が放出され、放出されたX線8はX線出力窓6を透過して外部に向けて放射される。
ここで、陰極フィラメント2からの電子ビーム7の軌道は、外囲器11(シールド)、ウェネルト電極3、アノード電極4で形成される機械的な空間形状で決定される。すなわち、これらの要素により形成される電子光学系電場ポテンシャルにより変化することになる。
そのため、これらの要素により形成される機械的な空間形状により電子光学系電場ポテンシャルを変化させるようにすれば、電子ビーム7の軌道制御を行うことができる。その結果、ターゲット5上に収束させる電子ビームの焦点9の大きさや形状を制御できることになる。
次に、電子ビーム7の軌道制御に関してさらに例示をする。
図7は、X線管内部の機械的な空間形状を例示するための模式断面図である。
なお、ターゲット5の厚み寸法は非常に薄い(例えば数十μm程度)ので、機械的な空間形状を検討する場合にはこれを考慮しないようにすることもできる。そのため、本実施の形態においてはターゲット5を考慮しないことにした。
図7に示すように、アノード電極4の円筒状部分の直径をd1、アノード電極4の端面部直径(平坦部4bの直径)をd2、テーパ部4aの長さ(高さ)をz1、テーパ部4aの角度をθとする。
この場合、アノード電極4の円筒状部分の直径d1と端面部直径d2との関係は以下の式(1)で表すことができる。

d2=d1/(1+2*tanθ/2) ・・・(1)

ここで、本発明者の得た知見によれば、テーパ部4aの角度θを20°以上、60°以下とすれば電子ビーム7の適切な軌道制御を行うことができる。この場合、テーパ部4aの長さz1とアノード電極4の端面部直径d2とを略同一寸法とすることが好ましい。
そして、テーパ部4aの角度θを40°前後とすれば、ターゲット105上に略円形の焦点9を形成させることが容易となるとの知見をも得た。
例えば、テーパ部4aの角度θを40°とした場合、アノード電極4の円筒状部分の直径d1と端面部直径d2との関係は以下の式(2)で表すことができる。

d2=d1/(1+2*tan20°)=0.58*d1 ・・・(2)

この場合、例えば、円筒状部分の直径d1がΦ20mmのアノード電極4を用いるとすれば、端面部直径d2をΦ11.6mm、テーパ部4aの長さz1を11.6mmとすることができる。
また、本発明者の得た知見によれば、電子ビーム7の適切な軌道制御を行うためには、アノード電極4のテーパ部4aと、ウェネルト電極3のテーパ部3aとが略平行となるように設けることが好ましい。
また、ウェネルト電極3とアノード電極4との間に形成される空間ギャップ(テーパ部における空間ギャップg2、円筒状部分における空間ギャップg3)は、耐電圧を考慮した寸法とすることが好ましい。この場合、形成される空間ギャップ(テーパ部における空間ギャップg2、円筒状部分における空間ギャップg3)を略一定(g2=g3)とすることが好ましい。
また、アノード電極4の平坦部4bとX線放射窓6との間の空間ギャップg1も耐電圧を考慮した寸法とすることが好ましい。この場合、空間ギャップg1〜g3の寸法を略同一とすることができる。すなわち、g1=g2=g3とすることができる。
この場合、アノード電極4に印加される電圧(アノード電位)を+50kV、ギャップ耐電圧を最大10kV/mmとすれば、空間ギャップg1、g2、g3を5mm程度とすることができる。
また、ウェネルト電極3の先端とアノード電極4の平坦部4bとの間の軸方向の空間ギャップz2は、リング状の陰極フィラメント2からの電子ビーム7の軌道の妨げとならないようにすることが好ましい。
この場合、ウェネルト電極3の軸方向において、ウェネルト電極3の先端が、アノード電極4の端面と略同一位置、または突出した位置に設けられているようにすることができる。ただし、ウェネルト電極3の先端を突出させる場合には、電子ビーム7の軌道の妨げとならないように微小寸法とすることが好ましい。
また、リング状の陰極フィラメント2の設定位置は、アノード電極4の平坦部4b(ターゲット5)上に形成される焦点寸法との関係から適宜決定するようにする。
X線管内部の機械的な空間形状をこのようにすれば、電子ビーム7を略円形の焦点9となるように収束させることができる。すなわち、前述したアノード電極4のテーパ部4aとウェネルト電極3のテーパ部3aとの形状による効果により、電子ビーム7をアノード電極4の平坦部4b(ターゲット5)の中心近傍に向かわせることができる。そのため、略円形で高輝度(高い収束度)の焦点9を形成させることができる。
図8は、焦点の様子を例示するための模式グラフ図である。なお、縦軸は輝度を表し、横軸はアノード電極4の平坦部4b(ターゲット5)における位置(アノード電極4端面上の位置)を表している。また、図8(a)は図4において例示をした第1の比較例に係るX線管100の場合、図8(b)は図1〜図3において例示をした本実施の形態に係るX線管1の場合である。
図8(a)に示すように、第1の比較例に係るX線管100の場合には、焦点の直径寸法(断面寸法)が大きくなり、その中央部には電子ビームがあたらない部分ができてしまう。すなわち、焦点の形状がリング状となり焦点の中央部にX線の発生にとって無駄な部分ができてしまう。また、リング状の焦点となってしまうので輝度も低くなることがわかる。
これに対し、図8(b)に示すように、本実施の形態に係るX線管1の場合には、焦点の直径寸法(断面寸法)を小さくすることができる。また、焦点の中央部分にも電子ビームをあてることができる。すなわち、焦点の形状が略円形となり焦点の中央部にX線の発生にとって無駄な部分が生じることがない。また、焦点の形状を略円形とすることができるので輝度も高くすることができる。例えば、図8(a)に示すものと比べて、焦点の直径寸法(断面寸法)を1/2.8程度、輝度を2.5倍程度とすることができる。
以上例示をしたように、本実施の形態に係るX線管によればターゲット上に形成される焦点の形状を略円形とすることができ、またその大きさを小さくすることができる。また、高輝度の焦点とすることができ、X線発生効率を向上させることもできる。そのため、高出力のX線を放射可能なX線管とすることができる。また、このようなX線管とすることができるので、蛍光X線元素分析の分野において微小領域の分析を行うことや超微量物質の高精度分析を行うことができるようになる。
次に、他の実施の形態に係るX線管について例示をする。
図9は、他の実施の形態に係るX線管について例示をするための要部模式断面図である。
電子ビームの適切な軌道制御を行うためには、ウェネルト電極とアノード電極との間に形成される空間ギャップ(テーパ部における空間ギャップg2、円筒状部分における空間ギャップg3)を小さくすることが好ましい。この場合、ウェネルト電極の肉厚をなるべく薄くすれば有利である。しかしながら、そのようにすればウェネルト電極の強度が低下してしまうおそれがある。
そのため、本実施の形態においては、ウェネルト電極とアノード電極との間に形成される空間ギャップを変えずに、ウェネルト電極の肉厚を径外方向に向けて厚くするようにしている。すなわち、図1や図7において例示をしたウェネルト電極3の内周面側の位置は変えずに、外周面側の位置を径外方向にずらすようにしている。
なお、テーパ部3aの強度が特に弱くなりやすいので、テーパ部3aは根元に向かうにつれて肉厚寸法が増加するようにすることが好ましい。
この場合、図9(a)に示すウェネルト電極23のように円筒状部分、テーパ部分の肉厚を径外方向に向けて厚くすることもできるし、図9(b)に示すウェネルト電極33のようにテーパ部分のみの肉厚を径外方向に向けて厚くすることもできる。
本実施の形態によれば、ウェネルト電極とアノード電極との間に形成される空間ギャップを小さくした場合であってもウェネルト電極の強度の低下を抑制することができる。そのため、X線管の特性を向上させることができ、また動作の安定化を図ることができる。
次に、本実施の形態に係るX線分析装置について例示をする。
図10は、本実施の形態に係るX線分析装置について例示をするための模式図である。 図10に示すように、X線分析装置50には、本実施の形態に係るX線管1、検出手段2が設けられている。
X線管1は、図示しない試料ホルダに載置した試料Wの照射面に対して所定の角度となるように、傾斜させて設けられている。このX線管1から放射されたX線8は試料Wに入射し、X線8が試料Wに入射することで蛍光X線58が放出される。
検出手段2は、X線管1から放射されたX線8が試料Wに入射することで放出された蛍光X線58を取り込んで所定の分析を行う。例えば、蛍光X線58のスペクトル解析を行うことで試料Wに含まれる微量成分の分析をすることができる。また、試料Wの表面に設けられた薄膜の厚みなどを測定することもできる。なお、検出手段2に関しては既知の技術を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
本実施の形態によれば、高出力のX線を試料Wの照射面に放射することができるので、微小領域の分析を行うことや超微量物質の高精度分析を行うことができる。
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本実施の形態に係るX線管を例示するための要部模式断面図である。 図1におけるA−A矢視模式断面図である。 本実施の形態に係るX線管の部分模式断面図である。 第1の比較例に係るX線管を例示するための模式図である。 第2の比較例に係るX線管を例示するための模式図である。 第3の比較例に係るX線管を例示するための模式図である。 X線管内部の機械的な空間形状を例示するための模式断面図である。 焦点の様子を例示するための模式グラフ図である。 他の実施の形態に係るX線管について例示をするための要部模式断面図である。 本実施の形態に係るX線分析装置について例示をするための模式図である。
符号の説明
1 X線管、2 陰極フィラメント、3 ウェネルト電極、3a テーパ部、4 アノード電極、4a テーパ部、4b 平坦部、5 ターゲット、6 X線放射窓、7 電子ビーム、8 X線、9 焦点、11 外囲器、50 X線分析装置、58 蛍光X線、g1〜g3 空間ギャップ、W 試料、θ テーパ部4aの角度

Claims (6)

  1. 先端に向かうにつれて断面寸法が漸減する第1のテーパ部を有するアノード電極と、
    前記アノード電極の端面に設けられたターゲットと、
    前記アノード電極の径外方向において前記アノード電極と略同軸に設けられ、先端に向かうにつれて断面寸法が漸減する第2のテーパ部を有するウェネルト電極と、
    前記ウェネルト電極の径外方向に設けられたリング状の陰極フィラメントと、
    を備え、
    前記第1のテーパ部と、前記第2のテーパ部と、は、略平行となるように設けられていること、を特徴とするX線管。
  2. 前記第1のテーパ部の端面部直径と、前記第1のテーパ部の長さと、は、略同一寸法とされていることを特徴とする請求項1記載のX線管。
  3. 前記ウェネルト電極と、前記アノード電極と、の間に形成される空間ギャップは、略一定とされていること、を特徴とする請求項1または2に記載のX線管。
  4. 前記第2のテーパ部は、根元に向かうにつれて肉厚寸法が増加していること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のX線管。
  5. 前記ウェネルト電極の軸方向において、前記ウェネルト電極の先端は、前記アノード電極の端面と略同一位置、または突出した位置に設けられていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のX線管。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のX線管と、
    前記X線管から放射されたX線が試料に入射することで放出された蛍光X線を取り込んで所定の分析を行う検出手段と、
    を備えたことを特徴とするX線分析装置。
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