JP7066167B2 - 余剰水回収装置、及びこの余剰水回収装置を備えた余剰水吸引車 - Google Patents

余剰水回収装置、及びこの余剰水回収装置を備えた余剰水吸引車 Download PDF

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Description

本発明は、被走査面に溜まる余剰水を走査体を用いて効率的に回収する技術に関し、例えばいまだ固まっていないコンクリート床から浮き出る余剰水を回収することが可能なコンクリート床のタンピング、余剰水の吸水、均し作業をする余剰水回収装置、及び当該余剰水回収装置を備えた余剰水吸引車に関する。
家屋などの基礎に代表されるように、現代の建築物において例えばコンクリートは非常に重宝されている。かようなコンクリートは、粒子の細かい細骨材と、粒子の粗い粗骨材と、セメントと、水を含んだ混合物として構成されている。そして完全に固化されない状態で目的の場所へ打設された後に、それが硬化することでコンクリート構造体が構成される。
コンクリートにおける硬化の過程では、コンクリートに含まれるセメントと水とが、水和反応によりセメント水和物となって硬化する。このとき、コンクリートを練り混ぜる際に含める水は、作業性を確保する理由などから、セメントの硬化に理論的に必要とされる水の量よりも多く混合されている。
そのため、多めに混合された練り混ぜ水の一部が、コンクリートを打設した直後から余剰水となってコンクリートの中から表面に浮き出ることがある(以下、この現象をブリージング現象ともいう)。この余剰水は、コンクリートの打設直後から時間の経過とともに、コンクリートが固まるまで徐々にコンクリート表面へと浮き出る。そして、コンクリート表面に浮き出た余剰水はコンクリート表面で水溜りの状態となり、このような水溜まりを放置しておくとコンクリート表面を精度良く仕上げることが困難になる。
さらに、上記したブリージング現象にあわせ、練り混ぜられた骨材に付着していた泥分等の微細な物質(「レイタンス」とも称される)が、余剰水とともにコンクリートの表面に浮き出ることがある。特に厚さの厚いコンクリートの場合にはレイタンスが発生し易く、レイタンスの発生によってもコンクリートの強度が低下してしまうという課題があった。
これに対して従来では、下記の特許文献に例示されるように、溜まった余剰水等の除去とコンクリート表面の均し作業を行う種々のコンクリート均し吸水装置が提案されている。
すなわち、例えば特許文献1に開示されたコンクリート床仕上用吸水作業車では、駆動走行される走行車体と、水の吸引装置と、打設コンクリートの表面硬度の検出手段を備え、駆動走行手段として無端帯、移動吸水手段としてスポンジ帯を無端帯とした吸水材がそれぞれ用いられている。
また、特許文献2に開示されたコンクリート床面均し機では、コンクリート床面均し機の底面に中空状の円盤を備えさせ、床コンクリート面に接する円盤下面に設けられた吸水孔から過剰な浮き水を吸水しながらコンクリート表面の仕上げ作業を行うこととしている。
また、特許文献3に開示されたコンクリート仕上げ装置では、コンクリートの表面の仕上げ作業を自動的に行うと共に、生コンクリートの表面に浮き出る余剰水を自動的に除去することが可能となっている。
また、特許文献4に開示された移動吸水車では、移動給水車本体の上部に基台を備え、基台上方には蓄電池と貯水槽が載置され、基台前方には吸水開口部が昇降可能に配設され、基台後方にはコンクリート床面均しローラからなるコンクリート床面均し手段が配設される構成が採用されている。
特開昭60-105758号公報 特開平11-217933号公報 特開平10-88804号公報 特許5839433号
しかしながら、上述した各特許文献に限らず現在の技術では市場のニーズを適切に満たしているとは言えず、上記各手法では以下に述べるごとき課題が存在する。
例えば特許文献1の構成においては、吸水自体は可能であるものの、コンクリートが固まる前の作業車の走行によってコンクリート表面に凹凸が発生した場合には、その凹凸に吸水体が引っ掛かってしまい吸水作業ができないという問題がある。
また、同様に特許文献2の構成においても、未だコンクリートの表面に起伏が残っている状態においては、均しのための円盤の外周面がコンクリートの起伏に引っ掛かりやすく、余剰水が多く発生するコンクリート打設してからあまり時間がたっていない時点では適用しにくい。
さらに特許文献3の構成においては、施工面に下端部が接するゴムべらで余剰水を掻き集めることで吸水効率は良いが、固まり始めているコンクリートの表面をゴムべらが掻き起してしまいコンクリート表面の平坦度が劣化してしまう。さらには、ゴムべらで掻き集めた余剰水の水面の高さが低くなって吸引パイプが水面に接しないようになる可能性もあり、この場合には毛細管現象により揚水することができなくなってしまう。
一方で特許文献4によれば、コンクリート床に起伏が多少残っていても余剰水を吸引処理できて効率的ではあるが、起伏が残る表面では吸水が不十分となってしまう場合もあり、その場合にはローラで均した後でも水溜まりが残ってしまう懸念も否めない。
このように既存の技術においては、例えばコンクリートの表面に起伏が残っている場合など、コンクリート表面が未だ平らでない場合には吸水効率が充分とは言えない。さらに、余剰水が多く発生するコンクリートを打設してからあまり時間が経過していない時点では、コンクリートが比較的軟らかく例えば作業車の走行などによってコンクリート表面に凹凸が発生しやすいため、上記した従来の各装置では適用しにくいといった課題を有している。
以上述べた点はコンクリートの表面についてではあるが、余剰水を効率的に回収したい要望はアスファルトや土壌面など他の表面にも当てはまる。
本発明は、上記した課題を一例に鑑みて為されたものであり、被走査面から効率的に余剰水を回収することができる余剰水回収装置及び当該余剰水回収装置を備えた余剰水吸引車を提供することを目的とする。このうち、例えば被走査面がコンクリートの場合には、コンクリートを打設してからなるべく早い時期に作業を行うことができ、さらに吸水作業と均し作業とを迅速で効率的に行うことが可能な余剰水回収装置及び当該余剰水回収装置を備えた余剰水吸引車を提供する。
なお、本明細書において「余剰水」とは、被走査面に溜まった余剰な水分を言い、例えば被走査面がアスファルトの場合には当該アスファルト上に溜まる雨水などが含まれ、さらに例えば被走査面がコンクリートの場合には打設後のコンクリートからブリージング現象によって浮き出た水分やレイタンスなどを含む液体も含まれる。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態にかかる余剰水回収装置は、
[請求項1]被走査面を走行可能な移動車に牽引されて、前記被走査面の表面に溜まる余剰水を回収する余剰水回収装置であって、
前記被走査面の表面に接触して当該表面を走査する走査体を含み、
前記走査体は、
前記走査体の進行方向と直交する方向に延びるように当該走査体の底面に形成されて前記余剰水を取り入れ可能なスリットと、
吸引管と接続が可能であるとともに、前記スリットの内部の空間と通じる吸引口と、
を備え、
前記被走査面はコンクリートの表面であるとともに、前記走査体は前記コンクリートの表面に接触して当該表面を均すタンパー本体であり、
前記タンパー本体に搭載され、前記タンパー本体に対して上下方向の振動を付与する振動機構を更に備え、
前記タンパー本体で前記コンクリートの表面を均しながら、前記余剰水が前記スリットを介して回収されるようにし、
前記スリットは前記移動車の進行方向と交差する方向に延び、
前記スリットのうち前記進行方向の後方側には、前記コンクリートの盛り上がりを抑制可能な第1R部が形成されてなることを特徴とする。
また、上記した余剰水回収装置においては、
前記第1R部の曲率は、前記第2R部の曲率よりも大きいことが好ましい。
また、上記した余剰水回収装置においては、
前記走査体の底面のうち前記進行方向に関して前記スリットよりも前方側には、前記進行方向に延びる流路溝が形成されていることが好ましい。
また、上記した余剰水回収装置においては、
前記流路溝は、前記進行方向と交差する方向に関して所定の間隙を隔てて複数形成されていることが好ましい。
また、本発明の余剰水吸引車は、
被走査面を走行して前記被走査面の表面に溜まる余剰水を吸引する余剰水吸引車であって、
吸引した前記余剰水を貯留する貯留部と、
前記貯留部を搭載する移動車と、
前記移動車に牽引される請求項1~5のいずれか一項に記載の余剰水回収装置と、
前記移動車に搭載されるとともに、前記余剰水回収装置の吸引口に接続される吸引管を有する吸引機と、を含み、
牽引時における前記余剰水回収装置の傾きを矯正するディテント機構をさらに有することを特徴とする。
また、本発明の余剰水吸引車は、
前記移動車と前記余剰水回収装置とを接続する連結部を備え、
前記移動車は、前記連結部を介して前記余剰水回収装置が回転可能となるように牽引するようにしたことを特徴とする。
さらに、本発明の余剰水吸引車は、
前記貯留部に設置される圧力センサーを更に有し、
前記連結部は、検出された前記圧力センサーの値に応じて、前記余剰水回収装置を鉛直方向に移動させるようにしたことを特徴とする。
さらにまた、本発明の余剰水吸引車は、
前記移動車は、前記進行方向に沿って並ぶ2つのキャタピラを有し、
前記進行方向に関して前記キャタピラの軌跡と前記余剰水回収装置の吸引口が少なくとも部分的に重複するように、前記余剰水回収装置に複数の前記吸引口がそれぞれ配置されているようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、被走査面を走査体で均しながら走査しつつも、同時にこの走査体に形成されたスリットで余剰水を導き回収できるので、吸水作業と均し作業とを並行して迅速に行うことができる。
これにより、被走査面から余分な余剰水を迅速に除去することができ、コスト削減に寄与することが可能となっている。
第1実施形態における余剰水回収装置10Aを含む余剰水吸引車100を示す模式図である。 第1実施形態における余剰水回収装置10Aの外観を示す模式図である。 第1実施形態における余剰水回収装置10Aの詳細な構造を説明するための上面図、側面図及び背面図である。 コンクリートの表面に浮き出た液体が余剰水回収装置10Aに回収される際の状態図である。 余剰水吸引車100で貯留された液体を外部へ排出する際の状態図である。 第2実施形態における余剰水回収装置10Bの外観を示す模式図である。 第3実施形態における余剰水回収装置10Cの外観を示す模式図である。 第4実施形態における余剰水回収装置10Dの外観を示す模式図である。 第5実施形態における余剰水回収装置10Eを含む余剰水吸引車100を後方から斜視的に見た模式図である。 第5実施形態における余剰水回収装置10Eを含む余剰水吸引車100を前方から斜視的に見た模式図である。 第5実施形態における余剰水回収装置10Eを含む余剰水吸引車100を側方から見た外観模式図である。 第5実施形態における余剰水回収装置10Eを後方から斜視的に見た模式図である。 第5実施形態における余剰水回収装置10Eを上方から俯瞰的に見た模式図である。 第5実施形態における余剰水回収装置10Eを底面側から俯瞰的に見た模式図である。 第6実施形態における余剰水回収装置10Fを含む余剰水吸引車100を後方から斜視的に見た模式図である。 変形例における余剰水吸引車200の一部を示す外観斜視図である。
本発明を実施するための実施形態について説明する。なお、以下の説明では、便宜的に、余剰水吸引車100が進行する方向をX方向、スリット15が長手方向に延びる方向をY方向、高さ方向をZ方向とそれぞれ定義して説明する。しかしながら本発明は上述した方向の定義付けに左右されるものではなく、特許請求の範囲を不当に減縮するものでないことは言うまでもない。
まず本発明の余剰水回収装置は、被走査面を走行可能な移動車に牽引されて当該被走査面の表面に溜まる余剰水を回収する機能を有している。そしてこの機能を実現する具体的な構成として、本発明の余剰水回収装置は、上記した被走査面の表面に接触して当該表面を走査する走査体を具備している。そしてこの走査体は、より具体的には、走査体の進行方向と直交する方向に延びるように当該走査体の底面に形成されて前記余剰水を取り入れ可能なスリットと、吸引管と接続が可能であるとともに該スリットの内部の空間と通じる吸引口と、を備えることを主な特徴としている。
なお、本発明の余剰水回収装置が好適に用いられる「被走査面」としては、例えば固化前又は固化後のコンクリート面やアスファルト面、校庭のグラウンドなどの土壌面、ゴルフ場等の芝生面、テニスコートやフットサルあるいは野球場やゴルフ場などの屋外スポーツ施設の地面、などが例示できる。
≪第1実施形態≫
<余剰水吸引車100>
本発明の第1実施形態にかかる余剰水吸引車100の詳細な構造について、図1~図5を適宜参照しながら説明する。
なお本実施形態においては、上記した「被走査面」の一例として、固化前のコンクリートの表面を適用する場合を例にして説明する。また、「走査体」の一例として、振動機構を搭載可能なタンパー本体を適用する場合を例にして説明する。
また、以下で詳述する構成以外については公知の機構を適用してもよく、例えば上記した特許5839433号に開示された構成などを適宜採用してもよい。
まず図1等に示すとおり、本実施形態にかかる余剰水吸引車100は、固まる前のコンクリートの表面(被走査面)を走行して当該コンクリートから浮き出た余剰水を吸引する機能を備えている。
より詳細には、余剰水吸引車100は、余剰水回収装置10、移動車20、吸引機30、貯留部40、残留液均し体50、及び制御装置60などを含んで構成されている。
このうち第1実施形態の余剰水回収装置10Aは、固まる前のコンクリートの表面を走行可能な移動車20に牽引されてコンクリートの表面に浮き出た余剰水を回収する機能を備えている。
次に図2及び図3を用いて本実施形態の余剰水回収装置10Aの具体的な構造について詳述する。
同図に示されるように、余剰水回収装置10Aは、タンパー本体(走査体)11、タンパーカバー12、連結プレート13、吸引口14、スリット15、流路溝16、及び振動機構17を含んで構成されている。なお、上記した余剰水回収装置10Aの機能を達成するには、少なくともタンパー本体11とスリット15が含まれることが望ましい。
タンパー本体11は、打設したコンクリートの表面に接触して当該表面を均す機能を備えている。このタンパー本体11の材質に特に制限はないが、例えば、木材、ウレタンなどの樹脂、あるいはアルミニウムなどの金属材が例示できる。図2に示すとおり、タンパー本体11は、コンクリートの表面に接触可能な底面11aを有している。この底面11aのうち前方側(連結プレート13に近い側)には、後述するスリット15が形成されている。
なお、タンパー本体11の底面11aには、耐摩耗性、耐水性、耐アルカリ性等の機能を考慮した表面処理が施されてもよく、一例として公知のフッ素樹脂コーティングなど施してもよい。
また、タンパー本体11のうち進行方向(+X方向)の前方側の端面(側面)には、コンクリートの盛り上がりを抑制可能な第2R部11bが形成されている。そして図2に示されるとおり、この第2R部11bの一部が切欠かれることで、後述する流路溝16が形成されている。
一方、図3などにも示されるとおり、タンパー本体11のうちY方向の両端面(側面)には、それぞれ所定の曲率半径を持つR状の右端部RRおよび左端部LRが形成されている。これら右端部RRおよび左端部LRを有することで、例えばコンクリートが不要に盛り上がってしまうことを抑制し、移動車20が旋回するときなどスムーズに進行することが可能となる。なお、右端部RRと左端部LRのそれぞれの曲率は同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。
また、タンパー本体11をZ方向上方から見た場合の四隅には、所定の曲率半径のR部11C1~11C4が形成されている。上記した右端部RRおよび左端部LRと同様に、これら四隅のR部11C1~11C4が形成されることで、例えば移動車20が旋回するときなどスムーズに進行することが可能となっている。なお、R部11C1~11C4のそれぞれの曲率は、すべてほぼ同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。
タンパーカバー12は、タンパー本体11を覆う機能を有している。このタンパーカバー12の材質に特に制限はないが、例えば木材、硬質プラスチックなどの樹脂、あるいはアルミニウムなどの金属材が例示できる。本実施形態のタンパーカバー12は、例えばZ方向に関してほぼタンパー本体11と同じ外形を有している。また、図2(a)に示されるように、タンパーカバー12は、後述する振動機構17を更にカバーする形態であってもよい。
連結プレート13は、上記したタンパー本体11などを移動車20と連結させる機能を有する部材である。この連結プレート13の材質に特に制限はないが、例えば鋼材などの金属材を用いることができる。
また、本実施形態では、連結プレート13の一端は公知の締結手段を介してノズルプレート11に固定されている。この連結の態様としては、例えばボルト締めで締結されていてもよいし、溶接によって溶着されていてもよい。
そして連結プレート13の他端は移動車20と連結される。この移動車20との連結の態様も公知の部材を種々適用してもよいが、移動車20の姿勢による影響がノズルプレート11へ極力派生しないように、例えば移動車20に対する取り付け支点として、ルーズ穴などの可動可能な連結部材や、球面軸受などを用いて連結することもできる。
吸引口14は、後述する吸引管41と接続が可能であるとともに、スリット15の内部の空間と通じる部材である。また、本実施形態の吸引口14は、後述するスリット15のほぼ中央に位置してスリット15内部に形成された空間とつながっている。これにより、スリット15内に入った余剰水が吸引口14を介して吸引管41へと流通することが可能となっている。
スリット15は、タンパー本体11の底面11aに形成され、コンクリートの表面へと浮き出た余剰水を取り入れる機能を有している。図2(b)に示すとおり、本実施形態のスリット15は、X方向における幅よりもY方向における幅の方が大きくなるように形成されている。換言すれば、スリット15は、長手方向が移動車20の進行方向と交差する方向(Y方向など)に延びるように、底面11aに形成されている。
また、同図に示すように、スリット15のうち移動車20の進行方向(X方向)の後方側には、コンクリートの盛り上がりを抑制可能な第1R部15aが形成されている。この第1R部15aは、スリット15内においてY方向に沿って連続しており、所定の曲率半径を有している。
なお、本実施形態では、第1R部15aの曲率は、上記した第2R部11bの曲率と実質的に等しくなるように設定されている。しかしながらこの態様には限られず、第1R部15aの曲率は、第2R部11bの曲率よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。換言すれば、第1R部15aの曲率と第2R部11bの曲率とは、互いに異なっていてもよい。
流路溝16(「吸引流路」とも称する)は、タンパー本体11の前方にある余剰水を吸引口14に誘導する機能を備えている。すなわち、図2(b)及び図3に示すように、タンパー本体11の底面11aのうち進行方向(X方向)に関してスリット15よりも前方側には、この進行方向に延びる流路溝16が形成されている。
同図に示すように、本実施形態では、複数の流路溝16は、進行方向(X方向)と交差する方向(Y方向など)に関して所定の間隙を隔ててタンパー本体11の底面11aに形成されている。なお、隣り合う流路溝16同士の間隔は、互いに等しくともよいし、中央部と周縁部で間隔の大きさを異ならせてもよい。
いずれにしても、余剰水を効率的に吸引口14まで導ける最適な間隔は、実験等を通じて設定することができる。なお、本実施形態では、流路溝16は複数形成されていたが、スリット15に入る余剰水を吸引口14まで導けるのであれば、単一の流路溝16としてもよい。
振動機構17は、タンパー本体11に搭載され、当該タンパー本体11に対して上下方向の振動を付与する機能を備えている。この振動機構17の具体的な構成としては種々の電気モーターなどが適用できる。そして振動機構17は、後述する電力部27から電力を得ることで、タンパー本体11に対して上下方向の振動を付与することが可能となっている。これにより、タンパー本体11は、振動機構17によって上下方向に振動してコンクリート面をタンピングしつつ、移動車20に牽引されながらX方向に進むことが可能となっている。
以上で説明した本実施形態の余剰水回収装置10Aによれば、タンパー本体11でコンクリートの表面をタンピング、均しながら、浮き出た余剰水をスリット15を介して回収することが可能となっている。また、スリット15よりも前方側に流路溝16を設けたことで、余剰水を効率的に吸引口14まで導くことが可能となっている。
図1に戻り、余剰水吸引車100の他の構成について説明する。
移動車20は、固まる前のコンクリートの表面を走行する機能を備えている。この移動車20は、車両躯体21、キャタピラ22、を少なくとも具備し、さらに本実施形態では前方カメラ23、前上方カメラ24、後方カメラ25、スキャナー26及び電力部27を含んで構成されている。
この移動車20の大きさは、一例として、進行方向に対して、幅50cm~100cm、長さ1~2m、高さ1~2m程度が例示できる。また、この移動車20には、後述する電力部27の電力によってキャタピラ22を駆動するモータ(不図示)が搭載されている。
車両躯体21は、移動車20のフレームであり、後述する吸引機30や貯留部40を搭載する機能を備えている。この車両躯体21の材質に特に制限はないが、例えば鋼材など金属材を用いることができる。
キャタピラ22は、例えばゴムやプラスチック製の無端帯で形成されている。なお、このキャタピラ22の表面には、公知の滑り止めが施されていてもよい。
前方カメラ23は、移動車20の前方を撮像する機能を備えている。この前方カメラ23は、例えば電力部27からの電力を得て駆動することが可能となっている。
前上方カメラ24は、移動車20の前上方を撮像する機能を備えている。この前上方カメラ24は、例えば電力部27からの電力を得て駆動することが可能となっている。
これら前方カメラ23と前上方カメラ24によって、作業場所における安全確認や動作の確認を容易に行うことが可能となっている。
一方、後方カメラ25は、移動車20の後方を撮像する機能を備えている。この後方カメラ25は、例えば電力部27からの電力を得て駆動することが可能となっている。この後方カメラ25により、例えば操作者は移動車20後方の水残りの有無などを検知することが可能となっている。
スキャナー26は、移動車20の前方に障害物があるか否かを検出する機能を備えている。このスキャナー26は、例えば電力部27からの電力を得て駆動することが可能となっている。
電力部27は、上記した移動車20の各要素に対して必要な電力を供給する部位である。本実施形態では、電力部27には、不図示の蓄電池が収容されている。この蓄電池としては、例えば鉛蓄電池やリチウムイオン二次電池など公知の種々の電池を適用してもよい。また、本実施形態の電力部27は蓄電池から電力を得る構成となっているが、この態様に限られず、例えば延長コードなどを介して近隣の商用電源から電力を得るようにしてもよい。
吸引機30は、後述する吸引管41を介してスリット15内に進入した余剰水を吸引する機能を有している。この吸引機30の具体例としては特に制限はないが、例えば公知の真空ポンプなどが例示できる。また、この吸引機30は、上記した電力部27から駆動に必要な動力を得ることが可能となっている。
貯留部40は、例えば可撓性の吸引管41を有し、この吸引管41を介して吸引した余剰水を貯留する機能を有している。この吸引管41の一方の端部は吸引口14と接続され、他方の端部は貯留部40と接続される。本実施形態の貯留部40としては、車両躯体21に搭載可能な公知のタンクが例示できる。
なお、貯留部40の内部に、例えば貯留した余剰水の水圧を検知する圧力センサーを配設してもよい。これにより、余剰水の吸引の有無や、満水状態となったか否かなどを検出することができる。また吸引の有無や満水の検出は、上記した圧力センサーに代えて、赤外線センサーなどの他の公知のセンサーを用いてもよい。
残留液均し体50は、タンパー本体11のスリット15で回収ができなかった余剰水等を均す機能を備えている。この残留液均し体50としては、例えば底面にスポンジなどポーラス状の吸収体が配された板状部材などが例示できる。本実施形態では、残留液均し体50は、余剰水回収装置10AのうちX方向後端に着脱可能となっている。
なお、残留液均し体50は、余剰水回収装置10AのうちX方向後端に固定されていてもよい。また、残留液均し体50の底面には、上記した吸収体に代えて、ゴムべらが配置されていてもよい。
制御装置60は、上記した余剰水吸引車100の動作を統括して制御する機能を有している。この制御装置60としては、例えば演算機能とメモリなどを備えたノートPCや据え置き型PCなど公知の汎用コンピューターを適用してもよい。また、制御装置60は移動車20に搭載されていてもよいし、移動車20とは距離的に離間して遠隔操作を行う態様となっていてもよい。
<余剰水の回収方法>
次に図4を用いてコンクリートの表面から余剰水を吸引する態様について説明する。
まず始めに現場ではコンクリートが打設される。このとき、上述のとおり、コンクリートを練り混ぜる際に含める水は、作業性を確保する理由などから、理論的に必要とされる水の量よりも多く混合されている。したがって、多くの場合には、打設後で余剰水がコンクリート内から浮き出て水溜まりを形成する。このとき、水溜まりを放置するとコンクリートの品質などに重大な影響を及ぼす可能性がある。
そのため、コンクリート打設後であってなるべく早い時期に、余剰水吸引車100を用いて、固まる前のコンクリート面のタンピング、均し、吸水作業を実施する。
すなわち、本実施形態では、移動車20が、余剰水回収装置10Aを牽引して、打設してさほど時間が経過していない、固まる前のコンクリート表面を移動する。
このとき、図4(a)に示されるように、コンクリートの表面に存在する余剰水は、移動車20の移動に伴って流路溝16からスリット15内へと流入する。本実施形態では、この余剰水の流入動作と並行して、タンパー本体11の底面11aによってコンクリートの表面が均一に均される。
ここで、例えば従来技術のごとく吸水機構が前側にある場合、吸水対象の余剰水は自然の状態で滲出したものである。そしてこの場合においては、例えば車体が傾いた時などは吸水口と水面との離間距離を維持するのが難しく吸引が困難となってしまう。
これに対して本実施形態によれば、図4(b)に示すように、タンパー本体11の前段でスリット15を介してコンクリートCFの表面に存在する余剰水SWが吸引管41へ吸引されるとともに、タンパー本体11の後段で底面11aを介して当該表面を均一に均すことが可能となっている。しかも、タンパー本体11の自重が作用するので、スリット15がコンクリート表面に無理なく接地しながら余剰水を吸引することができる。
さらに本実施形態によれば、例えば振動機構17によるタンピング中に余剰水を吸引するのでより効果的にコンクリート表面を均すことができる。
また、余剰水回収装置10Aが所定の曲率を有する第1R部15aと第2R部11bを備えることで、万が一の場合のコンクリート表面の盛り上がりも抑制することが可能となっている。
<余剰水の排出方法>
次に図5を用いて貯留部40に貯留された余剰水を外部へ排出する態様について説明する。
上述のとおり、本実施形態の余剰水吸引車100は、所定量の余剰水を吸引すると貯留部40が満水状態となる。このとき、例えば制御装置60は、上記したセンサーなどの検出信号に基づいて余剰水の排出動作を行ってもよい。
すなわちは図5(a)に示すように、作業場近傍に大容量の排水用タンク45を別途準備しておき、例えば貯留部40が規定量(満水状態など)となったときには貯留部40から排水用タンク45へ余剰水を排出する作業を行う。
より具体的には、本実施形態の貯留部40の内部には水中ポンプ44が配置されており、余剰水の排出時には当該水中ポンプ44と接続される排出水管42を介して排水用タンク45へ余剰水が排出される。なお、この水中ポンプ44の駆動に必要な電力は、例えば上記した電力部27から得るようにしてもよいし、水中ポンプ44を簡易的に着脱可能としてバッテリー駆動にしてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、コンクリートの打設後でなるべく早い時期にタンパー本体11の底面11aでタンピングしつつ、且つ、同時にレイタンス等を含んだ余剰水をタンパー本体11に設けたスリット15を介して効率的に吸引することが可能となっている。
これにより、打設したコンクリートの品質の向上につながり、左官の作業時間の短縮も実現することができる。
≪第2実施形態≫
次に図6を用いて本発明の第2実施形態における余剰水回収装置10Bを説明する。この第2実施形態における余剰水回収装置10Bは、スリット15とつながる吸引口の数が複数であることに主とした特徴がある。よって以下では、第1実施形態と同じ機能/構造のものには同一の参照番号を付してその説明は適宜省略する(後述する他の実施形態や変形例でも同様)。
図6に示すように、余剰水回収装置10Bは、スリット15とつながる複数の吸引口を有している。すなわち、図6(a)では、吸引口14a及び吸引口14bの2つの吸引口が余剰水回収装置10Bに形成されている。このとき、スリット15内のY方向における間隔は、それぞれL1~L3となっている。
このL1~L3の大小については特に制限はないが、吸引口からの吸水効率に基づいて適宜設定でき、例えば以下のいずれかの関係を有していてもよい。
L2>L1=L3
L1=L2=L3
L1≠L2≠L3
一方で図6(b)では、吸引口14c~及び吸引口14fの4つの吸引口が余剰水回収装置10Bに形成されている。このとき、スリット15内のY方向における間隔は、それぞれL4~L8となっている。
このL4~L8の大小については特に制限はないが、吸引口からの吸水効率に基づいて適宜設定でき、例えばすべてほぼ等しくしてもよいし、互いに異なっていてもよい。
なお第2実施形態では、偶数個の吸引口14が開示されているが、この態様に限られず奇数個の吸引口14であってもよい。また、流路溝16が複数形成される場合には、この流路溝16と吸引口14がペアとなってX方向に並ぶように、流路溝16の個数に対応して複数の吸引口14を形成してもよい。
≪第3実施形態≫
次に図7を用いて本発明の第3実施形態における余剰水回収装置10Cを説明する。この第3実施形態における余剰水回収装置10Cは、スリット15の形状に主とした特徴がある。
すなわち、上記した実施形態ではスリット15の形状は、Z方向上方から見た場合に矩形状となっていた。しかしながら本発明はこの態様に限られず、スリット15は種々の形状を用いることができる。
図7(a)は、Z方向上方から見た場合にV字状となるスリット15を示している。このとき、V字のうち2つの頂部V1は、余剰水回収装置10Cの進行方向(+X方向)に関して底部V2よりも前方に位置するように形成されている。
さらに本実施形態では、スリット15のうち底部V2の位置に対応するように吸引口14が配置されている。これにより、スリット15内に進入した余剰水は、余剰水回収装置10Cの移動に伴って底部V2に凝集されるため、この位置に配置された吸引口14を介して効率的に回収される。
同様に、図7(b)は、Z方向上方から見た場合にU字状となるスリット15を示している。このとき、U字のうち2つの頂部U1は、余剰水回収装置10Cの進行方向(+X方向)に関して底部U2よりも前方に位置するように形成されている。このU字状のスリット15によっても、上記したV字状のスリット15と同様の作用効果を得ることができる。
≪第4実施形態≫
次に図8を用いて本発明の第4実施形態における余剰水回収装置10Dを説明する。この第4実施形態における余剰水回収装置10Dは、流路溝16の形状に主とした特徴がある。
すなわち、上記した各実施形態では、流路溝16は進行方向に真っ直ぐ延びる形状であったが、この態様に限られない。すなわち、本発明の流路溝16は、進行方向(X方向)に対して交差する形状であってもよく、流路溝16をZ方向上方から見た場合に、流路溝16を流れる余剰水が吸引口14へ向かうように傾斜する態様を含むものであってもよい。
なお、本実施形態では、進行方向(X方向)に平行な流路溝16と、進行方向(X方向)と交差する流路溝16とは、互いに同じ幅としている。しかしながらこの態様に限られず、例えば進行方向に平行な流路溝16の幅を、進行方向と交差する流路溝16の幅よりも大きく設定してもよい。
≪第5実施形態≫
次に図9~図14を用いて本発明の第5実施形態における余剰水回収装置10Eおよびこの余剰水回収装置10Eを備えた余剰水吸引車100について説明する。この第5実施形態における余剰水回収装置10Eは、移動車と前記余剰水回収装置とを接続する連結部(連結プレート13、回転支点部18、タンパー高さ調整機構80)を備える点、余剰水回収装置10Eの傾きを矯正するディテント機構19を備える点、貯留部40内に設置される圧力センサー43を備える点、などに主とした特徴がある。
すなわち図9及び図10に示すとおり、本実施形態の余剰水吸引車100は、移動車20と余剰水回収装置10Eとを接続する連結部を備えている。なお本実施形態の連結部は、連結プレート13、回転支点部18、およびタンパー高さ調整機構80を含んで構成されているが、これらのうち少なくとも1つを具備している形態であってもよい。
そして本実施形態における移動車20は、上記した連結部を介して余剰水回収装置10Eが回転可能となるように牽引する。より具体的には、本実施形態の連結部は回転支点部18を含んでおり、この連結部を起点にして余剰水回収装置10EがZ軸周りに回転可能となっている。従って、例えば移動車20が左に旋回しながら移動すれば、いわゆる列車のごとく、この連結部(回転支点部18)を起点にして余剰水回収装置10Eに対して移動車20が左方向へ傾くことが可能となっている。
なお、本実施形態の回転支持部18の具体的な構造としては、特に限定されず、回転可能な軸受機構など公知の種々の連結機構を採用できる。
また、本実施形態の回転支持部18は、余剰水回収装置10Eが移動車20に対してZ軸周りに回転可能となるようにこれらを連結したが、回転する方向はZ軸周り(ヨーイング)に限られない。すなわち、余剰水回収装置10Eが回転支持部18を起点に移動車20に対してX軸周り(ローリング)に回転可能となっていてもよく、さらにはY軸周り(ピッチング)に回転可能となっていてもよい。換言すれば、回転支持部18は、ローリング、ヨーイング、及びピッチングの少なくとも1つの回転を許容するように、余剰水回収装置10Eと移動車20との間に介在していればよい。
また同図に示されるとおり、本実施形態の余剰水回収装置10Eは、牽引時における前記余剰水回収装置の傾きを矯正するディテント機構19をさらに有するように構成されている。これにより、例えば走行時にタンパー本体11の左右で抵抗の僅かなアンバランスが発生したとしても、このアンバランスに起因して傾いたまま走行してしまうことなく走行時の傾きを矯正することが可能となる。
さらに図11に示すとおり、本実施形態では、貯留部40には圧力センサー43が配設されている。すなわち本実施形態では、圧力センサー43が貯留部40に設置されており、この圧力センサー43によって当該貯留部40内の圧力(気圧)を任意の時に検出することが可能となっている。
そして本実施形態の連結部(タンパー高さ調整機構80)は、検出された圧力センサー43の値(気圧の値)に応じて、余剰水回収装置10Eを上下方向(鉛直方向)に移動させることが可能となっている。
より具体的には、例えば圧力センサー43で検出された圧力値が下がったらタンパー高さ調整機構80を介して余剰水回収装置10Eを上方へ移動させる制御を行うことが考えられる。これにより、例えば被走査面からスリット15を僅かに離した状態を維持することなどの制御が可能となり、被走査面上の水や微小なゴミを余剰水回収装置10Eで効率的に回収できる一方で不必要なもの(砂礫など)まで余計に回収してしまうことを抑制できる。
次に図11に加えて図12~図14も用いて、本実施形態における余剰水回収装置10Eの主な特徴についてさらに説明する。
まず図11に示すとおり、余剰水回収装置10Eを構成するタンパー本体11のうち進行方向(+X方向)の前方側の端面(側面)には、被走査面の盛り上がりを抑制可能な第2R部11b´が形成されている。なお第1実施形態などと同様に、例えば図14などに示されるとおりこの第2R部11b´の一部が切欠かれることで吸引口(流路溝16)が形成されている。
ここで、本実施形態における第2R部11b´は、上記した第1実施形態などの第2R部11bに比して大きなR形状となっている。本実施形態では、第2R部11b´のXZ断面は、ほぼ1/4の球状となる程度の弧状となっている。これにより、被走査面に砂礫などが存在する場合にはこの砂礫の溜まりを解消することが可能となっている。
また、図9と図13及び図14から明らかなとおり、本実施形態においては、移動車20は進行方向(X方向)に沿って並ぶ2つのキャタピラ22を有しており、このキャタピラ22の数に対応して余剰水回収装置10Eの吸引口14が配置されている。すなわち、本実施形態においては、貯留部40とつながる吸引管41はまず余剰水回収装置10Eの吸引口14iと接続される。そしてこの吸引口14iは、2つの吸引口14g及び14hにそれぞれ分岐してスリット15の内部の空間と通じる構造となっている。
従って本実施形態においては、第1実施形態の場合(吸引口は1つ)に比して、複数の吸引口でスリット15の内部の空間と通じているため、吸引成分の均一化と吸引効率のアップが実現されることになる。
そして図13及び図14に示すとおり、前記した進行方向(X方向)に関してキャタピラ22の2つの軌跡22a及び22bが余剰水回収装置10Eの吸引口14g及び14hと少なくとも部分的にそれぞれ重複するように、余剰水回収装置10Eに複数の吸引口14gと14hがそれぞれ配置されている。
なお、図13及び図14に示すとおり、余剰水回収装置10Eに形成された2つの流路溝16も、進行方向(X方向)に関してキャタピラ22の軌跡22a及び22bと少なくとも部分的にそれぞれ重複するように配置されていてもよい。
また、本実施形態のタンパー本体11は、軽量化および量産性向上などを目的として、ウレタンモールドをアルミニウム合金などの金属材で挟持(サンドイッチ)する構造となっている。
≪第6実施形態≫
次に図15を用いて本発明の第6実施形態における余剰水回収装置10Fおよびこの余剰水回収装置10Fを備えた余剰水吸引車100について説明する。この第6実施形態では、余剰水回収装置10Fが振動機構17を搭載しておらずシンプルな構造となっている点、余剰水吸引車100はキャタピラ22を備えておらず車輪28を備える点などに主とした特徴がある。換言すれば、本実施形態における「走査体」は、振動機構17を装備していないタンパー本体11を含むと言える。
すなわち同図に示すとおり、本実施形態における余剰水回収装置10Fは、上述した余剰水回収装置10Eから振動機構17を除外した構成を有している。なお、ベースとなる構成は余剰水回収装置10Eでもよいし、他の余剰水回収装置10A~10Dをベースとして振動機構17を除外するようにしてもよい。
さらに本実施形態では、移動車20はキャタピラ22の代わりに駆動輪である車輪28を具備している。この車輪28としては、例えば自動車などに好適なタイヤなどが例示できる。そして本実施形態では原動機は搭載しておらず不図示の把持部などで作業者が移動車20を牽引する形態となっている。しかしながら本実施形態はこの形態に限られず、例えば車両躯体21にガソリンエンジンなどの公知の原動機を搭載して車輪28を自動で駆動するように構成してもよい。
このように本実施形態では、まずキャタピラ22に代えて車輪28を移動車20に搭載することができる。これにより、被走査面への損傷をキャタピラ22に比して抑制することが可能となる。また本実施形態では、余剰水回収装置10Fが振動機構17を具備しておらず簡素で軽量化が実現されている。また、振動機構17を搭載しないことからコストダウンも図ることが可能となっている。
なお本実施形態の余剰水吸引車100は、振動機構17を具備しないことと、キャタピラ22から車輪28に変更したことの双方を同時に行っているが、いずれか一方だけを行う形態であってもよい。
上記した実施形態は、各実施形態を組み合わせたりするなど本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、上述した実施形態に適用が可能な変形例について説明する。
図16は、変形例における余剰水吸引車200を示している。
同図に示されるとおり、この余剰水吸引車200は、残留液均し体50に代えて残留液均し体70と、上記したタンパー高さ調整機構80を備えている。
残留液均し体70は、レーキ状の本体70、連結部71、取り付け部72を含んで構成されている。このうち、本体70の底面には、上記したスポンジ状の吸収体やゴムべらが装着されていてもよい。本変形例においては、残留液均し体70は、タンパー本体11に対して着脱されず、連結部71と取り付け部72を介して連結プレート13に接続されている。これにより、例えばタンパー本体11を外した状態で残留液均し体70を移動車20で牽引することも可能となる。
なお、取り付け部72に公知の電動モータ(不図示)を配し、制御装置60の制御の下で、電力部27の電力を利用して残留液均し体70をコンクリート表面から適宜離間させるようにしてもよい。
タンパー高さ調整機構80は、連結プレート13が移動車20と連結する支点の高さを可変する機構であり、例えば油圧シリンダなど公知の昇降機構を適用できる。これにより、例えば打設したコンクリートが想定以上に柔らかく、キャタピラ22が沈んでしまったとしても、タンパー本体11まで沈んでしまうことを抑制することができる。
そしてタンパー高さ調整機構80を採用したとしても、上記した実施形態と同様に、移動車20が旋回するときは連結プレート13の移動車20に対する取り付け支点を中心にタンパー本体11が水平を保って回転可能であることは変わらない。
なお、上記各実施形態や変形例では、タンパー本体11の底面11aは進行方向(+X方向)に対してスリット15の後ろ側に配置されていたが、必ずしもこの態様に限られず底面11aが進行方向に対してスリット15の前側に配置されている態様でもよい。
また、上記の説明はコンクリートの表面に対するものであったが、本発明の余剰水吸引車は、コンクリート以外の他の建築物や土壌などに適用してもよい。
また、上記した実施形態や変形例は一例であって、本願の趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記の実施形態および変形例の要素を適宜組み合わせることができる。
以上説明したように、本発明の余剰水回収装置および余剰水吸引車は、様々な被走査面から余剰水を回収するのに適しており、打設後であまり時間が経過していないコンクリートやアスファルトの均し作業や吸水作業を実行するのに特に適している。
100、200 余剰水吸引車
10,10A、10B、10C、10D、10E、10F 余剰水回収装置
11 タンパー本体
11a 底面
11b、11b´ 第2R部
11C1~11C4 R部
12 タンパーカバー
13 連結プレート
14、14a~14i 吸引口
15 スリット
15a 第1R部
16 流路溝
17 振動機構
18 回転支持部
19 ディテント機構
20 移動車
21 車両躯体
22 キャタピラ
23 前方カメラ
24 前上方カメラ
25 後方カメラ
26 スキャナー
27 電力部
28 車輪
30 吸引機
40 貯留部
41 吸引管
42 排出水管
43 圧力センサー
44 水中ポンプ
45 排水用タンク
50 残留液均し体
60 制御装置
70 残留液均し体(本体)
71 連結部
72 取り付け部
80 タンパー高さ調整機構
CF コンクリート
L1~L8 スリット15内のY方向における間隔
LR 左端部
RR 右端部
SW 余剰水
U1 頂部
U2 底部
V1 頂部
V2 底部
X 余剰水吸引車100が進行する方向
Y スリット15が長手方向に延びる方向
Z 高さ方向

Claims (9)

  1. 被走査面を走行可能な移動車に牽引されて、前記被走査面の表面に溜まる余剰水を回収する余剰水回収装置であって、
    前記被走査面の表面に接触して当該表面を走査する走査体を含み、
    前記走査体は、
    前記走査体の進行方向と直交する方向に延びるように当該走査体の底面に形成されて前記余剰水を取り入れ可能なスリットと、
    吸引管と接続が可能であるとともに、前記スリットの内部の空間と通じる吸引口と、
    を備え、
    前記被走査面はコンクリートの表面であるとともに、前記走査体は前記コンクリートの表面に接触して当該表面を均すタンパー本体であり、
    前記タンパー本体に搭載され、前記タンパー本体に対して上下方向の振動を付与する振動機構を更に備え、
    前記タンパー本体で前記コンクリートの表面を均しながら、前記余剰水が前記スリットを介して回収されるようにし、
    前記スリットは前記移動車の進行方向と交差する方向に延び、
    前記スリットのうち前記進行方向の後方側には、前記コンクリートの盛り上がりを抑制可能な第1R部が形成されてなることを特徴とする余剰水回収装置。
  2. 前記タンパー本体のうち前記進行方向の前方側の端面には、前記コンクリートの盛り上がりを抑制可能な第2R部が形成されてなる請求項1に記載の余剰水回収装置。
  3. 前記第1R部の曲率は、前記第2R部の曲率と実質的に等しい請求項2に記載の余剰水回収装置。
  4. 前記走査体の底面のうち前記進行方向に関して前記スリットよりも前方側には、前記進行方向に延びる流路溝が形成されている請求項1~3のいずれか一項に記載の余剰水回収装置。
  5. 前記流路溝は、前記進行方向と交差する方向に関して所定の間隙を隔てて複数形成されている請求項4に記載の余剰水回収装置。
  6. 被走査面を走行して前記被走査面の表面に溜まる余剰水を吸引する余剰水吸引車であって、
    吸引した前記余剰水を貯留する貯留部と、
    前記貯留部を搭載する移動車と、
    前記移動車に牽引される請求項1~5のいずれか一項に記載の余剰水回収装置と、
    前記移動車に搭載されるとともに、前記余剰水回収装置の吸引口に接続される吸引管を有する吸引機と、を含み、
    牽引時における前記余剰水回収装置の傾きを矯正するディテント機構をさらに有することを特徴とする余剰水吸引車。
  7. 前記移動車と前記余剰水回収装置とを接続する連結部を備え、
    前記移動車は、前記連結部を介して前記余剰水回収装置が回転可能となるように牽引する請求項6に記載の余剰水吸引車。
  8. 前記貯留部に設置される圧力センサーを更に有し、
    前記連結部は、検出された前記圧力センサーの値に応じて、前記余剰水回収装置を鉛直方向に移動させる請求項7に記載の余剰水吸引車。
  9. 前記移動車は、前記進行方向に沿って並ぶ2つのキャタピラを有し、
    前記進行方向に関して前記キャタピラの軌跡と前記余剰水回収装置の吸引口が少なくとも部分的に重複するように、前記余剰水回収装置に複数の前記吸引口がそれぞれ配置されている請求項8に記載の余剰水吸引車。
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