JP7066119B2 - セルロースエーテル粒子 - Google Patents

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本発明は、セルロースエーテルの粒子とその製造方法、当該粒子を含む粉粒体、並びに当該粒子を含有する固形製剤に関する。
ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロースエーテルは、例えば、医薬品の顆粒剤や錠剤などの固形製剤に添加される結合剤、成形基材、あるいは崩壊剤として用いられている。またセルロースエーテルの種類や存在状態によっては、活性成分の徐放性等の効果を与えることもできる。
セルロースエーテルは、通常、粒子状で供給され、直接打錠、あるいは、溶液とした上で造粒材料とする等の方法で使用される。この粒子の性状及び製造法、特に直接打錠に適した粒子に関しては多数の提案がある。
一般的には、直接打錠する場合に、粉体の比表面積が高い程結合性が高いことが知られている。また平均粒子径を小さくすることにより比表面積を増大させることができる。しかしながら、平均粒子径が小さくなり過ぎると粉体の凝集性が増し、粉体の流動性が低下する(特許文献1参照)ため、単純に粉砕することで実用的な材料とすることはできない。
特許文献2には、体積平均粒子径が0.1μm以上15μm未満の球状であるヒドロキシアルキルセルロース微粒子が開示され、当該微粒子の製造方法として、パルス衝撃波の発生領域にヒドロキシアルキルセルロース水溶液を供給して粉砕乾燥させる方法が記載されている。
特許文献3には、40μm未満の粒子長を有する微粒子と繊維状粒子との含有量が限定された、多糖類誘導体粒子が開示されており、流動性が改善され、活性成分に徐放性を与えるといった効果が記載されている。しかしこのような粒子は、予め確定した方法を使用して容易に製造できるものではなく、多糖類誘導体の種類毎に製造方法を検討する必要がある。また特許文献2、3とも、球状に近い形態を有する粒子が好ましいことを示唆している。
一方、高分子化合物を溶媒に溶解し、この溶液から電界紡糸により繊維を形成させる方法が知られている。電界紡糸は、通常の方法では製造が困難な、直径がナノメートルないしマイクロメートルオーダーの極細繊維を比較的容易に製造でき、しかも条件を調整することによりサイズの異なるマイクロファイバー又はナノファイバーを得ることができる点で注目されている。例えば非特許文献1、2や特許文献4には、水溶性ヒドロキシアルキルセルロースを電界紡糸してなるナノファイバーが記載されている。
さらに電界紡糸時に薬剤等の活性成分を共存させて電界紡糸繊維を含有する剤形とすることも可能である。例えば特許文献4には、電界紡糸シート中に殺菌成分、消炎成分等の機能性成分を含有してもよいこと、これを皮膚に貼付して使用し得ることや、市販のフィルム製剤に代えて利用し得ることが記載されている。特許文献5には、特定の活性成分を、セルロースエーテル等の水溶性ポリマー系担体中に含有させることにより無定形とした剤形が開示され、これをフィルム剤等に利用し得ることも記載されている。しかし、これによる効果として記載されているのは、担体中に含有された活性成分の放出制御効果のみであり、これをさらに錠剤化した場合の、強度に対する影響や、上記以外の活性成分に対する効果については、示唆されていない。また、この方法を適用し得る活性成分は、電界紡糸工程に用いられる溶媒に溶解または分散し、かつ該工程が活性成分の活性及び安定性に悪影響を及ぼさないものに限られる。
直径がマイクロメートルオーダーの繊維を製造する方法としては、メルトブロー法も知られている。従来、この方法では、繊維直径をマイクロメートル以下のオーダーにすることが困難であったが、近年ではこの欠点を解決する技術(特許文献6、7を参照)も提案されている。
特開2008-133258号公報 国際公開WO2011/065350号パンフレット 特表2014-510137号公報 国際公開WO2009/031620号パンフレット 特表2008-531534号公報 特開2016-183435号公報 国際公開WO2015/145880号パンフレット
Shukla et al.: Polymer 46 (2005)12130-12145 Periasamy et al.: Journal of Fiber Bioengineering & Informatics 5:2 (2012) 191-205.
本発明は、錠剤に用いることができる結合剤等の材料に適したセルロースエーテルの粒子を提供することを課題とする。
本発明者は、直接打錠に適したセルロースエーテル粒子に関して、特にその形状と製造法に関して、鋭意検討を重ねた。その結果、従来技術の示唆とは異なり、電界紡糸繊維を加工して得られる繊維状粒子が、流動性等の打錠工程における特性に関しても、得られた錠剤の強度や徐放性等の特性に関しても、優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
(1)平均直径が0.01~5μm、平均長が1~50μm、平均アスペクト比が3以上であり、セルロースエーテルを主成分とする繊維状粒子。
(2)セルロースエーテルを主成分とする、平均長径が0.1~20μmであり前記繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分を一体又は独立して有する、(1)に記載の粒子。
(3)前記の平均長径が0.1~20μmであり前記繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分が、円盤状ないし紡錘状であって、円盤状ないし紡錘状の部分の平均直径が0.1~10μm、平均長が0.01~20μmである、(2)に記載の粒子。
(4)セルロースエーテルが、水溶性セルロースエーテルである、(1)~(3)のいずれかに記載の粒子。
(5)セルロースエーテルが、ヒドロキシアルキルセルロースである、(1)~(3)のいずれかに記載の粒子。
(6)ヒドロキシアルキルセルロースのヒドロキシアルコキシル基による置換度が20%以上である、(5)に記載の粒子。
(7)中空又は多孔質である、(1)~(6)のいずれかに記載の粒子。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の粒子を含む粉粒体。
(9)(8)に記載の粉粒体を含有する、固形製剤製造用結合剤。
(10)(1)~(7)のいずれかに記載の粒子を含有してなる固形製剤。
(11)(1)~(7)のいずれかに記載の粒子を含有してなる錠剤。
(12)少なくともセルロースエーテルと、当該セルロースエーテルを溶解する溶媒とを含有する溶液から得られた繊維を、粉砕する工程を含む、(1)~(7)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
(13)前記の溶液から繊維を得る方法が、電界紡糸による方法である、(12)に記載の粒子の製造方法。
(14)前記溶媒がC1~C5アルコールを主成分とする、(12)又は(13)に記載の粒子の製造方法。
(15)前記粉砕が、凍結粉砕である、(12)~(14)のいずれかに記載の粒子の製造方法。
本発明により、固形製剤の結合剤等の成分に適した、セルロースエーテル粒子が得られる。
実施例1のシート状堆積物の低倍率SEM(走査型電子顕微鏡)像である。図中のバーが100μmに対応し、シートの厚さは79.7μmである。 実施例1のシート状堆積物の高倍率SEM像である。図中のバーが1μmに対応する。 実施例1の粉砕品の高倍率SEM像である。図中のバーが1μmに対応する。 実施例2のシート状堆積物の低倍率SEM像である。図中のバーが100μmに対応し、シートの厚さは211.1μmである。 実施例2のシート状堆積物の高倍率SEM像である。図中のバーが1μmに対応する。 実施例2の粉砕品の高倍率SEM像である。図中のバーが1μmに対応する。 比較例1(HPC-SL粉砕品)の低倍率SEM像である。図中のバーが100μmに対応する。 比較例2(HPC-SL非粉砕品)の低倍率SEM像である。図中のバーが100μmに対応する。
(繊維状粒子)
本発明のセルロースエーテルを主成分とする繊維状粒子は、平均直径0.01~5μm、平均長1~50μm、平均アスペクト比3以上であることを特徴とする、繊維状粒子である。
「繊維状」とは、粒子を特定の方向に測定した長さ(粒子長)のみが長く、それと直交し互いに直交する2方向に測定した直径が互いに同程度であり前記粒子長より短いことを意味する。粒子の形態は特に限定されない。粒子全体の形状は、直線的であってもよく、弯曲又は屈曲していてもよい。直径は測定する粒子中での位置によって異なっていてもよく、位置によらず同程度であってもよい。粒子の末端の形状も特に限定されず、末端がほぼ垂直に切断された棒状、棒状粒子が斜めに切断された形状、直径が次第に減少する針状ないし紡錘状等のいずれでもよい。
また「平均」とは、粒子の個数による平均を意味する。具体的には、粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)等によって観察し、偏りがないように数個以上の粒子を選び、それらの粒子直径、粒子長、アスペクト比(単一粒子での粒子長/粒子直径の比。)を測定し、各個数平均を算出し、これらの値を各々「平均直径」、「平均長」、「平均アスペクト比」と称する。
前記粒子直径については、単一粒子中で部分による違いがあれば、その粒子全体の中でほぼ平均的な直径を有する部分を選びその直径を採用する。また、粒子の中に、特に後記の「平均長径が0.1~20μmであり前記繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分」に該当する部分があれば、その部分を除外した部分のみの直径を採用する。
平均直径は、一般に0.01~5μmである。0.01μm未満であると粒子間の凝集が強くなるため、製剤工程において流動性が劣り、また他成分との混合が困難になり、一方5μmを超えると固形製剤中での均一性が得られず、そのため固形製剤の強度も劣る。平均直径は、0.1~1μmであることが好ましい。
平均長は、一般に1~50μmである。1μm未満であると粒子間の凝集が強くなるため、製剤工程において流動性が劣り、また他成分との混合が困難になり、一方50μmを超えると固形製剤中での均一性が得られず、そのため固形製剤の強度も劣る。平均長は、5~30μmであることが好ましい。
平均アスペクト比は、一般に3以上である。本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子は、製剤工程において流動性、混合性が優れるとともに、固形製剤中での均一性及び強度が優れるという効果を発揮する。平均アスペクト比が3未満であると、これらの効果を両立させることが困難になる。平均アスペクト比は、5~100であることが好ましい。
本発明の繊維状粒子において、アスペクト比が3未満の粒子が含まれていてもよいが、全個別粒子のアスペクト比が3以上であることが好ましい。
また本発明の繊維状粒子は、次項に説明する「平均長径が0.1~20μmであり前記繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分」に該当する部分を有していてもよいが、この場合には、当該部分を除外した部分のみの直径から、上記アスペクト比を算出する。
(粒状部)
本発明の繊維状粒子は、部分的に、その直径が前記平均直径より大きくてもよい。特に、セルロースエーテルを主成分とする、平均長径が0.1~20μmであり繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分(以下「粒状部」と称する。)を有していてもよい。
この粒状部は、独立した粒子であってもよく、前記の繊維状粒子と一体となっていてもよい。独立した粒子である場合には、前記の繊維状粒子と共存して粉粒体を構成しており、平均長径が共存する繊維状粒子の平均直径の5倍以上であることが好ましい。
「長径」とは、粒状部の最も長い方向(繊維状粒子と一体となっている場合にはその長手方向以外の方向で、特定されず粒子毎に異なり得る。)に測定した径であり、これから前記と同様に算出した平均値を「平均長径」と称する。
平均長径が0.1μm未満であると流動性が劣り、一方20μmを超えると固形製剤中での均一性が得られず強度も劣る。
粒状部の形状は特に限定されないが、SEM等による観察で、その表面の少なくとも一部が平滑であることが好ましく、これにより流動性が優れる効果が得られる。
この粒状部は、電界紡糸法やメルトブロー法を用いた場合、条件に応じて独立した粒子として繊維状粒子とともに得られ、又は繊維状粒子と一体となった粒子として得られるものであり、平滑な表面を有するため、単に粉砕して得られた同程度のサイズを有する微細粒子と異なり、凝集しにくく、流動性に優れている。
粒状部の形状としては、球状、楕円体状や、特に典型的な形状として、以下の円盤状ないし紡錘状が挙げられる。
(円盤状ないし紡錘状の部分を有する粒子)
本発明のセルロースエーテルを主成分とする円盤状ないし紡錘状の部分を有する粒子は、円盤状ないし紡錘状の部分の平均直径が0.1~10μm、平均長が0.01~20μmであることを特徴とする粒子である。
この円盤状ないし紡錘状の部分は、独立した粒子であってもよく、前記の繊維状粒子と一体となっていてもよい(以下、これらをまとめて「円盤状ないし紡錘状の粒子」と称する。)。
この円盤状ないし紡錘状の部分は、特に電界紡糸法を用いた場合、条件に応じて独立した粒子として繊維状粒子とともに得られ、又は繊維状粒子と一体となった粒子として得られるものであり、平滑な表面を有するため、凝集しにくく、流動性に優れている。
「円盤状」とは、1次元方向の寸法(厚み)に比較して、それと直交する2次元方向の寸法(直径)が大きく、前記1次元方向から見た形状が略円形ないし略楕円形であるような粒子の形状を指す。より具体的には、前記1次元方向から見た形状において、長径が短径の4倍以下であるような粒子の形状を指す。
特に、円盤状粒子が繊維状粒子と一体となっている場合、この粒子は、円盤状部分の中心付近で繊維状部分と連続し、繊維状粒子からなる「車軸」を有する「車輪状」粒子と言うこともできる。
さらに前記の「厚み」は、前記直径と同程度、又は直径よりも大きい場合もあり(この場合には通常「厚み」に代えて「長さ」と表現する。)、このような場合には、当該粒子の末端部の直径が次第に細くなる「紡錘状」粒子であり、末端部が繊維状部分に連続していてもよい。
円盤状ないし紡錘状の部分に関しても、「平均」とは前記と同様の意味を有する。独立した粒子の場合、「平均長」は、前記の「厚み」ないし「長さ」から算出される数値である。また繊維状粒子と一体となった粒子の場合、「平均長」は、繊維状部分を含めた長さから算出される数値である。「平均直径」は、円盤状ないし紡錘状の部分に関する前記の直径から算出される数値である。
平均直径は、一般に0.1~10μmである。0.1μm未満であると流動性が劣り、一方10μmを超えると固形製剤中での均一性が得られず強度も劣る。平均直径は、0.5~5μmであることが好ましい。
平均長は、一般に0.01~20μmである。円盤状ないし紡錘状の部分を有する粒子に関しては、表面が平滑であるため、短くても流動性が劣ることはない。一方20μmを超えると固形製剤中での均一性が得られず強度も劣る。平均長は、0.1~10μmであることが好ましい。
円盤状ないし紡錘状の部分を有する粒子は、繊維状粒子と一体となった粒子である場合、又は独立した粒子であっても繊維状粒子と共存している場合(共に後述の粉粒体を構成している場合)には、その部分の平均直径が、繊維状粒子の平均直径の5倍以上であることが好ましい。
本発明の粒子は、中空又は多孔質であることが好ましい。このような粒子は、特に電界紡糸法を用いた場合に得られる。中空又は多孔質であることは、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等によって観察することにより確認することができる。
(粉粒体)
本発明の粉粒体は、前記の繊維状粒子、前記の粒状部を含む粒子の少なくともいずれかを含む粒子の集合体である。特に、他の任意の粉粒体と混合して使用できる汎用性のある材料であるために、少なくとも前記の繊維状粒子を含む粉粒体であることが好ましい。繊維状粒子と粒状部との比率は特に限定されないが、繊維状粒子が粉粒体全体の0.1体積%以上を占めることが好ましい。
以上のような形状を有する、セルロースエーテルを主成分とする粒子を含む粉粒体を、肉眼的に観察すると、部分的に塊を形成している場合がある。しかしこれは容易にほぐれ、粒子の流動性にも問題はない。円盤状ないし紡錘状の粒子が含まれていても、流動性に関して問題はない。また直接打錠するために、活性成分、賦形剤等の他の成分とも容易に均一に混合することができる。
従来公知のセルロースエーテル粒子は、直径1μm程度以下の微粒子にすると、却って凝集塊を形成しやすく、しかもそれが容易に崩壊しないため、流動性が劣り、従って他の成分と均一に混合することも困難であった。
本発明の粉粒体は、以上の特長から、固形製剤の成分として好適に使用される。また水等の溶媒に短時間で容易に溶解することから、溶液として使用する用途にも好ましく、フィルム製剤、カプセル剤等の剤形の成分として使用することもできる。
(セルロースエーテル)
本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子は、必ずしもセルロースエーテルのみからなるものである必要はないが、セルロースエーテルの含有量が80質量%以上であることが好ましい。
セルロースエーテルは、特に限定されるものではないが、メチルセルロース等のC-C-アルキルセルロース;ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はエチルヒドロキシエチルセルロース等のC-C-アルキルヒドロキシ-C-C-アルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシ-C-C-アルキルセルロース;ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、又はアルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースであって、アルコキシ基が、直鎖又は分岐鎖であり、2~8個の炭素原子を含有するものなどの混合ヒドロキシ-C-C-アルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース等のカルボキシ-C-C-アルキルセルロース、又はそのナトリウム塩等の塩;カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等のカルボキシ-C-C-アルキルヒドロキシ-C-C-アルキルセルロース、又はそのナトリウム塩等の塩;等が例示される。またこれらから選ばれる2種以上を予め混合して本発明の粒子としてもよい。また、これらから選ばれる1種又は2種以上から本発明の粒子を得て、このような粒子を2種以上混合することにより、本発明の粉粒体を得てもよい。好ましいセルロースエーテルは、水溶性のセルロースエーテルであり、特にヒドロキシアルキルセルロースであり、中でも好ましくはヒドロキシプロピルセルロースである。
ヒドロキシアルキルセルロースは、セルロースの構成単位であるグルコース単位中の3個の水酸基の少なくともいずれかがヒドロキシアルコキシ基で置換された構造を有し、全グルコース単位中の水酸基の全3個が置換されたものを置換度100%として、グルコース単位当たりの平均置換基数から置換度が表示される。ヒドロキシアルキルセルロースには、置換度が異なる種類がある。例えば「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」は、ヒドロキシプロポキシル基による置換度が5~16%程度であり、水及びアルコールに不溶であるが、吸水により膨潤し、主として錠剤の崩壊剤として用いられる。一方、単に「ヒドロキシプロピルセルロース」と呼ばれる材料は、通常、ヒドロキシプロポキシル基による置換度が60%前後であり、水及びアルコールに可溶である。本発明に用いるヒドロキシプロピルセルロースは、一般的な製造方法において溶媒に溶解する必要があり、置換度が20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
またヒドロキシアルキルセルロースには、平均分子量が異なる製品があり、同程度の置換度を有する製品で比較すると、分子量が高いほど、溶媒に溶解してなる溶液の粘度が高くなる。電界紡糸においても、分子量によって、紡糸の難易度や、繊維あるいは粉砕後に得られる粒子の形状が異なる。一般に、低分子量では、繊維を得るには溶液濃度を溶解度に達しない範囲で高くする必要があり、低濃度にすると不定形の粒子が生成するのみとなる。また高分子量では繊維を得るには溶液濃度を低くする必要があり、高濃度にすると粘度が高すぎるため紡糸は不可能になる。
以上の影響を考慮し、質量平均分子量は、10000~1000000であることが好ましく、40000~200000であることがより好ましい。
本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子は、セルロースエーテル以外の高分子又は低分子の成分を含有してもよい。例えば、セルロースエーテル以外の水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子;カラギーナン、アルギン酸又はその塩、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガム等の多糖類等を含有してもよい。しかし、水溶性ポリマーの総含有量が80質量%以上であることが好ましい。また、難水溶性物質が含有される場合、それは粒子中に分散していることが好ましい。
本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子には、可能であれば、何らかの活性成分を含有してもよい。しかし本発明の目的は、セルロースエーテルに含有させることのできない一般の活性成分に関して、錠剤強度の向上や徐放性等の効果を発揮させる汎用的技術の提供であるから、セルロースエーテルを主成分とする粒子には活性成分は含有されないことが好ましい。
(製造方法)
本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、液状にした材料を直径5μm程度以下の繊維として成形する方法を利用することが好ましい。このような成形方法として具体的には、電界紡糸法、メルトブロー法等が挙げられ、このうち特に実施が容易で好ましい方法としては、電界紡糸法がある。
電界紡糸は、高分子材料を、溶融させ(溶融法)、若しくは溶媒に溶解させる(溶液法)ことで、原料液を作製し、原料液を吐出するノズルと、帯電電極との間に高電圧を与え、ノズルから帯電電極へ向けて原料液を吐出させ、高分子材料からなる繊維を生じさせる方法である。
上記の2方法のうち、溶融法では材料を高温に加熱する必要があることから、材料が溶融しかつ加熱による悪影響を受けないものに限定される。一方、溶液法では、材料に化学反応等の悪影響を与えずかつ揮発しやすい溶媒を用いる限り問題はないので、一般に使用しやすい。本発明においても、セルロースエーテルを溶解し得る溶媒は多数存在し、必要に応じて選択できることから、溶液法を使用することが好ましい。また、溶液法を使用することによって粒子内部を中空又は多孔質にすることができる。
一方、メルトブロー法は、溶融又は溶解した高分子材料をノズルから吐出させ、これを高速高温の気体で吹き飛ばして繊維状とする方法である。従来、この方法では、繊維直径をマイクロメートル以下のオーダーにすることが困難であったが、近年ではこの欠点を解決する技術も提案されており、これらの方法も採用し得る。
(電界紡糸工程)
本発明の繊維状粒子の製造に好ましい方法としては、まず、セルロースエーテルを主成分とする材料を、適切な溶媒に溶解して溶液を作製する。
溶媒としては、材料を溶解し、揮発が容易なものであれば限定されず、一般的な溶媒として、水;低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン;ジエチルエーテル等の低級エーテル;酢酸メチル、酢酸エチル等の低級カルボン酸エステル;これらの複数からなる混合溶媒等が挙げられ、材料に適したものを選択すればよい。これらのうち、多くのセルロースエーテルの溶解に適している点で、低級アルコール、より具体的にはC~Cの1価アルコールが好ましく、特に、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、又はこれらの複数からなる混合溶媒、若しくはこれらを主成分としてさらに水等の成分を含有する混合溶媒が好ましい。
溶液の濃度は、特に限定されないが、セルロースエーテルの種類と分子量、溶媒の種類、溶液の粘度等に応じて、生成する繊維の形態が大幅に変化し得るため、特に電界紡糸によって本発明に適した直径を有する繊維を作製し得るように調整することが好ましい。一般に用いられる濃度範囲は、0.1~60質量%である。前記濃度範囲より低濃度では、円盤状の形状は得られるが、繊維は得難く、製造効率は悪くなる。このような円盤状粒子が生じるよりも少し高濃度にすれば、円盤状ないし紡錘状の形状と繊維とが共に得られ、これを粉砕すれば本発明の粒子が容易に得られる。一方、前記濃度範囲より高濃度では、溶液となってもゲル状態若しくはペースト状態となり、電界紡糸が困難となる。
また、低分子量のセルロースエーテルを用いた場合、溶液の粘度が低くなるため、高濃度が必要で、繊維の直径が大きくなる傾向がある。一方、高分子量のセルロースエーテルを用いた場合、溶液の粘度が高くなるため、低濃度とすることが適しており、繊維の直径が小さくなる傾向がある。
以上の影響を考慮して、濃度範囲は、1~40質量%であることが好ましい。
電界紡糸工程における、印加電圧、雰囲気の温度、湿度等の条件としては、以上の溶媒の種類、セルロースエーテルや併用する高分子材料の分子量や溶液中での濃度、粘度等に応じて、適切なものを選ぶことができる。
(ヒドロキシプロピルセルロースによる電界紡糸工程)
以下、高分子材料としてヒドロキシプロピルセルロースを用い、溶媒としてエタノール、1-プロパノール等を用いた場合について例示する。
日本曹達株式会社製のヒドロシキプロピルセルロース(HPC)には、HPC-SSL(質量平均分子量40000)、SL(100000)、L(140000)、M(620000)、H(910000)等の銘柄があり、分子量が高いほど溶液の粘度も高い。
HPC-SSLを用いた場合、10~40質量%の溶液から繊維が得られる。これより低濃度では不定形の粒子が生成し、繊維はほとんど得られない。10質量%付近では円盤状粒子と繊維(直径0.1μm前後)が得られる。40質量%付近では直径1μm前後の繊維が得られる。
HPC-SLを用いた場合、10~28質量%の溶液から繊維が得られる。これより低濃度では繊維がほとんど得られず、平滑な表面を有する円盤状粒子が生成する。またこれより高濃度では溶液の粘度が高すぎるため紡糸は不可能である。10質量%付近では円盤状粒子と繊維(直径は0.1~1μm程度でばらつきが大きい。)が得られる。28質量%付近では直径1μm前後の繊維が得られる。
HPC-Lを用いた場合、10質量%付近の溶液から繊維が得られる。これより低濃度では繊維がほとんど得られず、平滑な表面を有し、楕円形の粒子が生成する。またこれより高濃度では溶液の粘度が高すぎるため紡糸は不可能である。10質量%付近では紡錘形粒子とそれに連続した繊維(直径0.1μm程度)が得られる。
HPC-Mを用いた場合、3~5質量%の溶液から繊維が得られる。3質量%では、紡錘形、又はやや扁平な粒子とそれに連続した繊維(直径0.1μm程度)が得られ、5質量%では、専ら直径0.1μm程度の繊維が得られる。これより高濃度では溶液の粘度が極めて高くなりゲル化するため紡糸は不可能である。
HPC-Hを用いた場合、3~5質量%の溶液から、専ら直径0.1μm程度の繊維が得られる。これより高濃度では溶液の粘度が極めて高くなりゲル化するため紡糸は不可能である。
電界紡糸で得られた繊維は、通常、帯電電極上又はその上に設置した支持基材上に、繊維の方向がランダムなシート状(不織布状)ないしマット状に堆積させることができる。また、用いたセルロースエーテル等の高分子材料が溶解しない適切な液体の中に堆積させることで、3次元的な固まりとすることもできる。また、生じた繊維を巻き取ることで、繊維が方向性を有するシート状にすることもできる。後の工程に応じて、これらの方法のいずれをも採用することができる。
なお、同様に得られた繊維からなるシート又はマットを、そのまま、若しくは次の粉砕工程を経て、フィルム製剤、カプセル剤等の剤形の成分として用いることもできる。
(粉砕工程)
次に、以上で得られた繊維を粉砕して繊維状粒子とする。粉砕には、乾式粉砕、あるいは用いたセルロースエーテル等の材料が溶解しない適切な液体を用いて湿式粉砕することも可能であるが、凍結粉砕することが好ましい。凍結粉砕により、高効率で繊維状粒子を得ることができ、熱によってセルロースエーテルが変性することもない。
(固形製剤)
本発明の固形製剤は、本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子の少なくともいずれかを含有してなることを特徴とする。
固形製剤は一般に、活性成分、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の成分からなる。本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子を含む粉粒体は、このうち、結合剤又は崩壊剤として用いることが好ましく、結合剤として用いることが特に好ましい。
結合剤は、固形製剤中において、その他の成分の各微粒子間を結合する成分である。一般には水中で製剤が崩壊し得るよう、水溶性成分が用いられる。本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子を結合剤として含有する固形製剤は、従来の固形製剤に比較して、結合剤がより微視的レベルで均一に存在して微粒子間を結合していることから、強度が優れたものとなり、特に錠剤に好ましく使用される。結合剤として用いられるセルロースエーテル成分としては、水溶性の、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が例示される。
崩壊剤は、固形製剤の水中での崩壊を促進する成分、より具体的には水を吸収して膨潤する効果を有する成分であり、必ずしも水溶性である必要はない。特に、口腔内崩壊錠等の、使用時に短時間での崩壊又は溶解を要する製剤には、崩壊剤を使用することが好ましい。本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子を崩壊剤として含有する固形製剤は、従来の固形製剤に比較して、崩壊剤がより微視的レベルで均一に存在することから、短時間でむらなく崩壊する効果が得られる。崩壊剤として用いられるセルロースエーテル成分としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩等が挙げられる。
固形製剤としては、顆粒剤や錠剤がある。これらの剤形は、活性成分、あるいはその他必要とされる成分に応じ、また使用方法に応じて、適宜選択される。
顆粒剤は、上記の各成分を混合し、造粒して得られる剤形である。造粒法としては、通常、各成分を乾式混合し、該混合物を圧縮する工程を含む乾式造粒法や、水等の液体成分を加えて混合し造粒した後に乾燥する湿式造粒法が使用される。このうち、本発明の固形製剤の製造に適しているのは、乾式造粒法である。
錠剤は、上記の各成分を混合して打錠する方法(直接打錠)、または上記と同様の造粒工程で得られた造粒物を、必要に応じてさらに他の成分と混合した上で、打錠する方法(造粒打錠)により、得られる剤形である。
本発明の固形製剤は、以上の剤形のうち、本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子の少なくともいずれかを含有してなることを特徴とするものである。
本発明のセルロースエーテルを主成分とする粒子は、流動性や混合性に優れる点から、上記いずれの剤形にも好ましく使用できるものであるが、特に、結合剤として用いた場合に錠剤の強度を向上させる効果を有することから、錠剤に使用することが好ましく、中でも、錠剤中で均一に分布させることができる点で、直接打錠してなる錠剤に使用することが好ましい。
本発明の固形製剤は、以上の各剤形のうち、製造後に本発明の粒子に由来する構造を、少なくとも部分的に残している剤形である。すなわち、製造工程で、溶媒に溶解することにより、あるいは溶融により、本発明の粒子に由来する構造を完全に失った剤形を除外した剤形である。
本発明の固形製剤の使用目的は特に限定されず、医薬品、特に人畜に経口投与される医薬品のほか、サプリメント、錠剤状菓子、食品用保存剤、乾燥剤、入浴剤、消臭・芳香剤、農薬・殺虫剤・防虫剤・防カビ剤等の生物防除剤、また衣類・食器・入れ歯等の器具や浴室・流し・便器・排水管等の設備を使用対象とする洗浄剤・消毒剤等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(実施例1:繊維状粒子の製造)
ヒドロキシプロピルセルロースHPC-SL(日本曹達社製、質量平均分子量約100,000、直径100μm前後の不定形粒子からなる粉粒体)をイソプロピルアルコールに溶解し、15質量%の溶液を作製した。
電界紡糸装置NF-500(株式会社メック製)により、前記溶液を用いて、電圧27kV、送液量1.2mL/h、捕集距離150mm、ドラムコレクター(100mmφ、100rpm)、シリンジ針27G 15mm×3本、チャンバー内環境は温度30℃以下、湿度50%以下の条件で、8時間かけて紡糸し、シート状堆積物を得た(SEM像を図1及び図2に示す。)。
このシート状堆積物を、凍結粉砕機(6775フリーザーミル:SPEX社製)で凍結粉砕した(SEM像を図3に示す。)。
以上により得られた粉砕物は、肉眼ではやや塊のある粉粒体であったが、塊は軽く押すだけで容易に崩壊し、計量、混合等の取り扱いに下記の比較例と比較して問題はなかった。電子顕微鏡観察によれば、繊維状粒子の直径は0.1~1μm程度、長さは0.5~10μm程度であった。
(実施例2:繊維状粒子と円盤・紡錘状粒子の製造)
実施例1に用いたものと同じヒドロキシプロピルセルロースHPC-SLをイソプロピルアルコールに溶解し、10質量%の溶液を作製した。
電界紡糸装置NF-500(株式会社メック製)により、前記溶液を用いて、電圧25kV、送液量2.4mL/h、捕集距離150mm、ドラムコレクター(100mmφ、100rpm)、シリンジ針27G 15mm×3本、チャンバー内環境は温度30℃以下、湿度50%以下の条件で、12時間かけて紡糸し、シート状堆積物を得た(SEM像を図4及び図5に示す。)。
得られたシート状堆積物を、同様に凍結粉砕機にて粉砕した(SEM像を図6に示す。)。
以上により得られた粉砕物は、肉眼ではやや塊のある粉粒体であったが、塊は軽く押すだけで容易に崩壊し、計量、混合等の取り扱いに下記の比較例と比較して問題はなかった。電子顕微鏡観察によれば、円盤状ないし紡錘状の粒子を主とし、また実施例1と同様の繊維状粒子を含む粉粒体であった。円盤・紡錘状粒子の直径は0.5~10μm程度、長さは0.5~10μm程度で、表面は平滑であった。
(比較例1及び2)
実施例に用いたものと同じHPC-SLを、前記と同じ条件で凍結粉砕し、直径1~100μm程度の不定形粒子からなる粉粒体を得た。これを比較例1とした(SEM像を図7に示す。)。
また粉砕していないHPC-SLを比較例2とした(SEM像を図8に示す。)。
(各HPC粒子を含有する錠剤の製造)
以上で得られた各HPC粉粒体を結合剤として用い、以下の各成分を混合した。
アセトアミノフェン 60質量部
微結晶セルロース 34.5質量部
結合剤(実施例又は比較例) 3質量部
シリカ 0.5質量部
クロスポビドン 2質量部
ステアリン酸マグネシウム 0.5質量部
混合後、打錠機AUTOTAB-200(市橋精機社製)を用い、打錠圧:1000kgfで打錠した。得られた錠剤は、いずれも直径約10.1mm、厚み約5.3mm、質量約390mgであった。
(評価方法)
錠剤の評価方法は、以下の通りである。
硬度:
デジタル硬度計KHT-40N(藤原製作所製)を用い、錠剤が圧砕した時の加圧重を測定した。
崩壊時間:
容器に入れた37℃の精製水中に各錠剤を水没させ、目視で完全に崩壊する時間を測定した。
(錠剤の評価結果)
各錠剤につき、硬度及び崩壊時間を測定した。結果は表1の通りであった。
Figure 0007066119000001
以上の結果から、HPC-SLから本発明の粒子を製造し、これを錠剤の結合剤として使用すれば、HPC-SLを単に粉砕したものよりもはるかに優れた硬度を有する錠剤が得られることが明らかになった。円盤・紡錘状粒子が多く含まれていても同様の効果が得られた。また、本発明の粒子を結合剤として使用すれば、少ない使用量でも同等の硬度を有する錠剤が得られることが容易に予想される。

Claims (11)

  1. 平均直径が0.01~5μm、平均長が1~50μm、平均アスペクト比が3以上であり、
    平均長径が0.1~20μmであり前記繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分を一体又は独立して有する、
    ヒドロキシプロピルセルロースを主成分とする繊維状粒子。
  2. 前記の平均長径が0.1~20μmであり前記繊維状粒子の平均直径の5倍以上である部分が、円盤状ないし紡錘状であって、円盤状ないし紡錘状の部分の平均直径が0.1~10μm、平均長が0.01~20μmである、請求項に記載の粒子。
  3. ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロポキシル基による置換度が20%以上である、請求項1又は2に記載の粒子。
  4. 中空又は多孔質である、請求項1~のいずれかに記載の粒子。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の粒子を含む粉粒体。
  6. 請求項に記載の粉粒体を含有する、固形製剤製造用結合剤。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の粒子を含有してなる固形製剤。
  8. 請求項1~のいずれかに記載の粒子を含有してなる錠剤。
  9. 電界紡糸法又はメルトブロー法による製造方法であり、
    少なくともヒドロキシプロピルセルロースと、当該ヒドロキシプロピルセルロースを溶解する溶媒とを含有する溶液から得られた繊維を、粉砕する工程を含む、請求項1~のいずれかに記載の粒子の製造方法。
  10. 前記溶媒がC1~C5アルコールを主成分とする、請求項に記載の粒子の製造方法。
  11. 前記粉砕が、凍結粉砕である、請求項9又は10に記載の粒子の製造方法。
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