JP7064454B2 - 可変バルブタイミング装置の制御装置及び制御方法 - Google Patents

可変バルブタイミング装置の制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、可変バルブタイミング装置の制御装置及び制御方法に関し、詳しくは、実際の回転位相を求める技術に関する。
特許文献1が開示する可変バルブタイミング装置は、内燃機関の高回転域では、クランクシャフトとカムシャフトとの回転位相差に基づいてバルブタイミングを検出し、内燃機関の低回転域では、モータ回転角信号により検知されるアクチュエータの作動量に基づいて回転位相変化量を逐次演算し、回転位相変化量の積算値に基づいて実際のバルブタイミングを検出する。
特開2007-292038号公報
ところで、可変バルブタイミング装置の制御装置が、モータの駆動電流に基づき回転位相変化量を演算する場合、モータ回転角信号に基づき回転位相変化量を演算する場合に比べて変化量の演算精度が低下し、バルブタイミングの制御においてオーバーシュート、アンダーシュートが発生し易くなるという問題があった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータの駆動電流に基づき回転位相の変化量を求める場合に、オーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制できる、可変バルブタイミング装置の制御装置及び制御方法を提供することにある。
そのため、本願発明に係る可変バルブタイミング装置の制御装置は、その一態様として、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相に関する情報である第1位相情報を前記クランクシャフトの回転角信号と前記カムシャフトの回転角信号とに基づき求め、前記回転位相の単位期間当たりの変化量に関する情報である位相変化情報を可変バルブタイミング装置のモータの駆動電流に基づき求め、前記回転位相に関する情報である第2位相情報を、前記第1位相情報と前記位相変化情報とに基づき求める位相情報取得部と、前記位相情報取得部が前記第2位相情報の取得に用いる前記位相変化情報を、前記第1位相情報の更新タイミングでの前記第1位相情報と前記第2位相情報とのずれに基づき前記第1位相情報が次に更新されるまでの間において変更する変更部と、前記モータの操作信号を前記第2位相情報と目標値との比較に基づき生成して出力する操作部と、を備える。
また、本願発明に係る可変バルブタイミング装置の制御方法は、その一態様として、内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相に関する情報である第1位相情報を、前記クランクシャフトの回転角信号と前記カムシャフトの回転角信号とに基づき求める第1段階と、前記回転位相の単位期間当たりの変化量に関する情報である位相変化情報を、可変バルブタイミング装置のモータの駆動電流に基づき求める第2段階と、前記回転位相に関する情報である第2位相情報を、前記第1位相情報と前記位相変化情報とに基づき求める第3段階と、前記第3段階において前記第2位相情報の取得に用いる前記位相変化情報を、前記第1位相情報の更新タイミングでの前記第1位相情報と前記第2位相情報とのずれに基づき前記第1取得段階が前記第1位相情報を次に更新するまでの間において変更する第4段階と、前記モータの操作信号を前記第2位相情報と目標値との比較に基づき生成して出力する第5段階と、を含む。
上記発明によると、クランクシャフトの回転角信号とカムシャフトの回転角信号とに基づき求めた回転位相に関する情報と、モータの駆動電流に基づき求めた回転位相の変化量に関する情報とから、モータ制御に用いる回転位相の情報を求めるときに、回転位相情報の取得精度が向上し、回転位相のオーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制できる。
車両用内燃機関の一態様を示すシステム構成図である。 クランク角信号POS及びカム角信号CAMの出力パターンの一態様を示すタイムチャートである。 可変バルブタイミング装置の一態様を示す断面図である。 図3に示した可変バルブタイミング装置のA-A線断面図である。 図3に示した可変バルブタイミング装置のB-B線断面図である。 ECM及び電動VTCコントローラの制御機能の一態様を示す機能ブロック図である。 VTC角度変化量演算部及びVTC角度演算部の機能ブロック図である。 トルク/回転角変換部の機能ブロック図である。 変化量ΔRAPに基づく補間処理を示すタイムチャートである。 進角操作時における校正量の態様を示すタイムチャートである。 進角操作時における校正量と補正係数との相関を示す線図である。 遅角操作時における校正量の態様を示すタイムチャートである。 遅角操作時における校正量と補正係数との相関を示す線図である。 進角操作時における補正係数を校正量及び機関回転速度から求めるテーブルを示す図である。 遅角操作時における補正係数を校正量及び機関回転速度から求めるテーブルを示す図である。 回転位相が目標値近傍になったときの補正係数の切り替えを説明するためのタイムチャートである。 回転位相が目標値を行き過ぎたときの補正係数の切り替えを説明するためのタイムチャートである。 目標値近傍での補正係数の切り替え特性を説明するための図である。 目標値近傍での補正係数の切り替えを含む補正係数の設定処理を示すフローチャートである。 補正係数が過剰であるときの校正量の変化を示すタイムチャートである。 補正係数が過剰であるときの補正係数テーブルの変更を示す図である。 不感帯を有する補正係数テーブルを示す図である。 モータ駆動電流に基づく角度変化推定の学習を説明するためのタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、可変バルブタイミング装置を備えた車両用内燃機関の一態様を示す図である。
図1の内燃機関101は、吸気ダクト102に流量センサ103を備え、流量センサ103は、内燃機関101の吸入空気流量QAを検出する。
吸気バルブ105は、各気筒の燃焼室104の吸気口を開閉する。
燃料噴射装置の一態様である燃料噴射弁106は、各気筒の吸気ポート102a内に燃料としてのガソリンを噴射する。
内燃機関101は、4ストローク機関であり、ピストン108が下がって燃料を含んだ空気を吸気バルブ105を介して燃焼室104内に吸い込む吸入行程、ピストン108が上死点まで上がり混合気を圧縮する圧縮行程、点火プラグ107により点火された混合気が燃焼し、燃焼ガスが膨張してピストン108が下死点まで押し下げられる燃焼行程、慣性によりピストン108が上がり燃焼ガスを排気バルブ110を介して燃焼室104の外の排気管111に向けて押し出す排気行程を繰り返す。
三元触媒などの触媒を内蔵する触媒コンバータ112は排気管111に設置される。
吸気バルブ105は、クランクシャフト109によって回転駆動される吸気カムシャフト115aの回転に伴って開動作する。また、排気バルブ110は、クランクシャフト109によって回転駆動される排気カムシャフト115bの回転に伴って開動作する。
可変バルブタイミング装置114は、アクチュエータとしてのモータ12の回転速度によってクランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相を変化させることで、機関バルブである吸気バルブ105のバルブタイミングを連続的に変化させる装置である。
なお、モータ12は、例えば、DCブラシモータである。
また、点火モジュール116は点火プラグ107に直付けされ、点火プラグ107に点火エネルギーを供給する。点火モジュール116は、点火コイル及び点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタを備える。
内燃機関101の運転を制御する制御装置は、燃料噴射弁106による燃料噴射や点火プラグ107による点火などを制御するエンジン・コントロール・モジュール(以下、ECMと称する)201と、可変バルブタイミング装置114を制御する制御装置である電動VTCコントローラ202とを含む。
ECM201は、マイクロコンピュータ201aを備えた電子制御装置であり、電動VTCコントローラ202は、マイクロコンピュータ202aを備えた電子制御装置である。
ECM201は、各種センサの信号を入力し、メモリに格納されたプログラムに従って演算処理を行うことで、燃料噴射弁106、点火モジュール116などの操作信号を演算して出力する。
また、電動VTCコントローラ202は、ECM201が送信する信号などを受け、メモリに格納されたプログラムに従って演算処理を行うことで、可変バルブタイミング装置114の操作信号を演算して出力する。
ECM201と電動VTCコントローラ202とは、CAN(Controller Area Network)などの通信回路211を介して相互に通信可能に構成される。
上記の各種センサとして、内燃機関101は、流量センサ103の他、クランクシャフト109の所定角度位置毎にクランク角信号POSを出力するクランク角センサ203、アクセルペダル207の踏込み量、換言すればアクセル開度ACCを検出するアクセル開度センサ206、吸気カムシャフト115aの所定角度位置毎にカム角信号CAMを出力するカム角センサ204、内燃機関101の冷却水の温度TWを検出する水温センサ208、触媒コンバータ112の上流の排気管111に設置され、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比AFを検出する空燃比センサ209などを備える。
ECM201は、これら各種センサの信号を入力し、更に、内燃機関101の運転及び停止のメインスイッチであるイグニッションスイッチ(換言すれば、エンジンスイッチ)205の信号を入力する。
可変バルブタイミング装置114は、モータ12(DCブラシモータ)の駆動電流を検出する電流検出器210を備え、電動VTCコントローラ202は、電流検出器210が出力する駆動電流検出信号(シャント抵抗両端の電位差信号)を読み込む。
電動VTCコントローラ202は、モータ12の駆動電流の大きさ及び方向を、例えば、Hブリッジ回路を構成する半導体スイッチをPWM制御することで調整する。
また、電動VTCコントローラ202は、PWMにおけるデューティ比を、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相(バルブタイミング)に関する検出値(制御量)と目標値との差に基づき制御することで、回転位相のフィードバック制御を実施する。
ここで、電動VTCコントローラ202は、回転位相に関する検出値を求めるために、ECM201が複製したクランク角信号POS(クランクシャフト109の回転角信号)及びカム角信号CAM(吸気カムシャフト115aの回転角信号)を、専用の信号線を介して入力する。なお、電動VTCコントローラ202は、クランク角センサ203、カム角センサ204から回転角信号を直接受け取ることができる。
また、ECM201は、機関負荷、機関回転速度などの機関運転条件に基づき、回転位相のフィードバック制御における目標値(目標回転位相)に関する情報を演算し、演算した目標値に関する情報を、通信回路211を介して電動VTCコントローラ202に送信する。
図2は、クランク角信号POS及びカム角信号CAMの出力パターンの一態様を示す。
クランク角信号POSは、単位クランク角毎のパルス信号であって、気筒間の行程位相差に相当するクランク角毎に、1個若しくは連続する複数個のパルスが欠落するように信号出力パターンを設定してある。
クランク角信号POSの出力周期である単位クランク角は、例えばクランク角10deg CAである。また、気筒間の行程位相差は点火間隔に相当し、4気筒直列機関ではクランク角180degCAになる。
なお、クランク角センサ203を、欠落箇所の設定がない単位クランク角毎のクランク角信号POS、及び、気筒間の行程位相差に相当するクランク角毎の基準クランク角信号REFを出力するセンサとすることができる。
ここで、クランク角信号POSの欠落箇所若しくは基準クランク角信号REFの出力位置は、各気筒のピストンが基準ピストン位置に位置していることを示す。つまり、ECM201は、クランク角信号POSの欠落箇所の情報を、基準クランク角信号REFの代わりに基準クランク角位置の検出に用いる。
一方、カム角センサ204は、気筒間の行程位相差に相当するクランク角毎にカム角信号CAMを出力する。
吸気カムシャフト115aは、クランクシャフト109の回転速度の半分の速度で回転する。このため、内燃機関101が4気筒直列機関で、気筒間の行程位相差に相当するクランク角が180degCAである場合、クランク角180degCAは吸気カムシャフト115aの回転角90degに相当することになる。つまり、カム角センサ204は、吸気カムシャフト115aが90deg回転する毎にカム角信号CAMを出力する。
ECM201は、カム角センサ204が出力するカム角信号CAMに基づき、ピストン位置が基準位置になっている気筒を検出する処理(以下、気筒判別処理という)を実施する。
上記気筒判別処理のため、カム角センサ204は、例えば、4気筒直列機関においてクランク角180degCA毎に気筒番号を区別できるパルス数のカム角信号CAMを出力する。
一例として、カム角センサ204は、クランク角180degCA毎に、1個のパルス信号、連続する2個のパルス信号、連続する2個のパルス信号、1個のパルス信号をこの順で出力する。
ECM201は、クランク角180degCA毎にカム角信号CAMのパルス数を計数することで、4気筒のうちのいずれの気筒でピストンが基準ピストン位置に位置しているかを判別する気筒判別処理を実施する。
そして、ECM201は、気筒判別処理の結果に基づき、燃料噴射や点火を行わせる気筒を決定し、燃料噴射弁106、点火モジュール116を気筒別に制御する。
なお、気筒判別処理のためのカム角信号CAMのパルス数の設定は上記のパターンに限定されるものではない。
また、カム角信号CAMのパルス幅や振幅で気筒判別が実施できるように、カム角センサ204の出力特性を設定することができる。
図3-図5は、可変バルブタイミング装置114の構造の一態様を示す。
但し、可変バルブタイミング装置114の構造は、図3-図5に例示したものに限定されず、モータの回転速度によってクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を可変とする公知の可変バルブタイミング装置を適宜採用できる。
図3-図5に示した可変バルブタイミング装置114は、内燃機関101のクランクシャフト109によって回転駆動される駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド上に軸受44を介して回転自在に支持され、タイミングスプロケット1から伝達された回転力によって回転する吸気カムシャフト115aと、タイミングスプロケット1の前方位置に配置されて、チェーンカバー40にボルトによって固定されたカバー部材3と、タイミングスプロケット1と吸気カムシャフト115aの間に配置されて、タイミングスプロケット1に対する吸気カムシャフト115aの回転位相を変更する位相変更装置4と、を備える。
タイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aと、スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回されたタイミングチェーン42を介してクランクシャフト109からの回転力を受けるギア部1bと、で構成される。
また、タイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aの内周に形成された円形溝1cと吸気カムシャフト115aの前端部に一体に設けられたフランジ部2aの外周との間に介装された第3ボールベアリング43によって、吸気カムシャフト115aに回転自在に支持されている。
スプロケット本体1aの前端部外周縁には、環状突起1eが一体に形成されている。
スプロケット本体1aの前端部には、環状突起1eの内周に同軸に位置決めされ内周に波形状の噛み合い部である内歯19aが形成された環状部材19と、円環状のプレート6とが、ボルト7によって軸方向から共締め固定されている。
また、スプロケット本体1aの内周面の一部には、図5に示すように、円弧状の係合部であるストッパ凸部1dが、周方向に沿って所定範囲に亘り形成されている。
プレート6の前端外周には、位相変更装置4を構成する減速機8やモータ12などを覆う円筒状のハウジング5がボルト11によって固定されている。
なお、モータ12は、可変バルブタイミング装置114のアクチュエータである。
ハウジング5は、鉄系金属によって形成されてヨークとして機能し、前端に円環プレート状のハウジング保持部5aを一体に有すると共に、ハウジング保持部5aを含めた外周全体がカバー部材3によって所定の隙間をもって覆われるように配置されている。
吸気カムシャフト115aは、外周に吸気バルブ105を開作動させる駆動カム(図示省略)を有すると共に、前端部に従動回転体である従動部材9がカムボルト10によって軸方向から結合されている。
また、吸気カムシャフト115aのフランジ部2aには、図5に示すように、スプロケット本体1aのストッパ凸部1dが係入する係止部であるストッパ凹溝2bが円周方向に沿って形成されている。
このストッパ凹溝2bは、円周方向に沿って所定長さの円弧状に形成され、この長さ範囲内で回動したストッパ凸部1dの両端縁が周方向の対向縁2c、2dにそれぞれ当接することによって、タイミングスプロケット1に対する吸気カムシャフト115aの進角方向及び遅角方向の相対回転位置を機械的に規制するようになっている。
つまり、ストッパ凸部1d及びストッパ凹溝2bで機械的ストッパが構成され、ストッパ凸部1dがストッパ凹溝2b内で移動できる角度範囲が、可変バルブタイミング装置114の作動範囲、換言すれば、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相の可変範囲となる。
そして、ストッパ凸部1dの端縁がストッパ凹溝2bの対向縁2c、2dの一方に当接する位置が、機械的ストッパで制限されるバルブタイミングの最進角位置となり、他方に当接する位置が、機械的ストッパで制限されるバルブタイミングの最遅角位置となる。
カムボルト10の頭部10aの端縁には、フランジ状の座面部10cが一体に形成される。そして、軸部10bの外周には、吸気カムシャフト115aの端部から内部軸方向に形成された雌ねじ部に螺着する雄ねじ部が形成されている。
従動部材9は、鉄系金属材によって形成され、図4に示すように、前端に形成された円板部9aと、後端に一体に形成された円筒状の円筒部9bとで構成される。
従動部材9の円板部9aには、後端面の径方向ほぼ中央位置に吸気カムシャフト115aのフランジ部2aとほぼ同外径の環状段差突起9cが一体に設けられる。
そして、環状段差突起9cの外周面とフランジ部2aの外周面が第3ボールベアリング43の内輪43aの内周に挿通配置される。第3ボールベアリング43の外輪43bは、スプロケット本体1aの円形溝1cの内周面に圧入固定される。
また、従動部材9の円板部9aの外周部には、複数のローラ34を保持する保持器41が一体に設けられている。
保持器41は、円板部9aの外周部から円筒部9bと同方向に突出し、円周方向のほぼ等間隔の位置に所定の隙間を有して複数の細長い突起部41aが形成されている。
円筒部9bは、中央にカムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9dが貫通形成され、円筒部9bの外周には第1ニードルベアリング28が設けられる。
カバー部材3は、合成樹脂材によって形成され、カップ状に膨出したカバー本体3aと、カバー本体3aの後端部外周に一体に設けたブラケット3bとで構成される。
カバー本体3aは、位相変更装置4の前端、つまりハウジング5の軸方向の保持部5bから後端部のほぼ全体を、所定隙間をもって覆うように配置される。一方、ブラケット3bは、ほぼ円環状に形成され、6つのボス部にそれぞれボルト挿通孔3fが貫通形成されている。
また、ブラケット3bは、チェーンカバー40に複数のボルト47を介して固定され、カバー本体3aの前端部3cの内周面には、内外2重のスリップリング48a,48bが各内端面を露出した状態で埋設固定されている。
さらに、カバー部材3の上端部には、スリップリング48a,48bに導電部材を介して接続されたコネクタ端子49aを有するコネクタ部49を設けてある。
なお、コネクタ端子49aには、電動VTCコントローラ202を介して図外のバッテリー電源からの電力が供給される。
カバー本体3aの後端部の内周面とハウジング5の外周面との間には、シール部材である第1オイルシール50が介装されている。
第1オイルシール50は、横断面がほぼコ字形状に形成され、合成ゴムの基材の内部に芯金が埋設されている。また、第1オイルシール50の外周の円環状基部50aは、カバー本体3a後端部の内周面に形成された円形溝3d内に嵌着固定される。
更に、第1オイルシール50の円環状基部50aの内周には、ハウジング5の外周面に当接するシール面50bが一体に形成されている。
位相変更装置4は、吸気カムシャフト115aのほぼ同軸上前端に配置されたモータ12と、モータ12の回転速度を減速して吸気カムシャフト115aに伝達する減速機8と、で構成される。
モータ12は、ブラシ付きのDCモータ(DCブラシモータ)であって、タイミングスプロケット1と一体に回転するヨークであるハウジング5と、ハウジング5の内部に回転自在に設けられた出力軸であるモータ軸13と、ハウジング5の内周面に固定された半円弧状の一対の永久磁石14,15と、ハウジング保持部5aの内底面に固定された固定子16と、を備えている。
モータ軸13は、筒状に形成されてアーマチュアとして機能し、軸方向のほぼ中央位置の外周に複数の極を持つ鉄心ロータ17が固定され、鉄心ロータ17の外周には電磁コイル18が巻回されている。
また、モータ軸13の前端部外周には、コミュテータ20が圧入固定されており、コミュテータ20には、鉄心ロータ17の極数と同数に分割された各セグメントに電磁コイル18が接続されている。
モータ軸13は、軸部10bの外周面に、第1軸受である第1ニードルベアリング28と該第1ニードルベアリング28の軸方向の側部に配置された軸受である第4ボールベアリング35とを介して回転自在に支持されている。
また、モータ軸13の後端部には、減速機8の一部を構成する円筒状の偏心軸部30が一体に設けられている。
また、モータ軸13の外周面とプレート6の内周面との間には、減速機8内部からモータ12内への潤滑油のリークを阻止する第2オイルシール32が設けられている。
第2オイルシール32は、内周部がモータ軸13の外周面に弾接することによって、モータ軸13の回転に摩擦抵抗を付与する。
減速機8は、偏心回転運動を行う偏心軸部30と、偏心軸部30の外周に設けられた第2軸受である第2ボールベアリング33と、第2ボールベアリング33の外周に設けられたローラ34と、ローラ34を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する保持器41と、保持器41と一体の従動部材9とで主に構成される。
偏心軸部30の外周面に形成されたカム面の軸心は、モータ軸13の軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。なお、第2ボールベアリング33、ローラ34などが遊星噛み合い部として構成されている。
第2ボールベアリング33は、第1ニードルベアリング28の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置される。
そして、第2ボールベアリング33の内輪33aが偏心軸部30の外周面に圧入固定されると共に、第2ボールベアリング33の外輪33bの外周面にはローラ34が常時当接している。
また、外輪33bの外周には円環状の隙間Cが形成され、この隙間Cによって第2ボールベアリング33全体が偏心軸部30の偏心回転に伴って径方向へ移動可能、つまり偏心動可能になっている。
各ローラ34は、第2ボールベアリング33の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ環状部材19の内歯19aに嵌入すると共に、保持器41の突起部41aによって周方向にガイドされつつ径方向に揺動運動するようになっている。
減速機8の内部には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給される。
潤滑油供給手段は、シリンダヘッドの軸受44の内部に形成されて図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路44aと、吸気カムシャフト115aの内部軸方向に形成されて油供給通路44aにグルーブ溝を介して連通した油供給孔48と、従動部材9の内部軸方向に貫通形成されて一端が油供給孔48に開口し他端が第1ニードルベアリング28と第2ボールベアリング33の付近に開口した小径なオイル供給孔45と、同じく従動部材9に貫通形成された図外の大径な3つのオイル排出孔と、から構成されている。
以下では、可変バルブタイミング装置114の作動を説明する。
クランクシャフト109が回転すると、タイミングチェーン42を介してタイミングスプロケット1が回転し、その回転力によりハウジング5、環状部材19及びプレート6を介してモータ12が同期回転する。
一方、環状部材19の回転力が、ローラ34から保持器41及び従動部材9を経由して吸気カムシャフト115aに伝達され、吸気カムシャフト115aが回転する。そして、吸気カムシャフト115aが回転することで、吸気カムシャフト115aに設けたカムが吸気バルブ105を開閉動作させる。
電動VTCコントローラ202は、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相、つまり、吸気バルブ105のバルブタイミングを進角又は遅角させる場合、可変バルブタイミング装置114のモータ12に通電してトルクを発生させる。モータ12の出力トルクは、減速機8を介して吸気カムシャフト115aに伝達される。
すなわち、モータ軸13の回転に伴い偏心軸部30が偏心回転すると、各ローラ34がモータ軸13の1回転毎に保持器41の突起部41aに径方向へガイドされながら環状部材19の1つの内歯19aを乗り越えて隣接する他の内歯19aに転動しながら移動し、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。
この各ローラ34の転接によってモータ軸13の回転が減速されつつ従動部材9に回転力が伝達される。なお、モータ軸13の回転が従動部材9に伝達されるときの減速比は、ローラ34の個数などによって任意に設定することが可能である。
これにより、吸気カムシャフト115aがタイミングスプロケット1に対して正逆方向に相対回転して回転位相が変換され、吸気バルブ105の開閉タイミング(バルブタイミング)が進角方向、遅角方向に変化する。
つまり、モータ12がタイミングスプロケット1から回転駆動力を受けて従動回転し、モータ軸13がタイミングスプロケット1と同じ回転速度で回転するときは、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相は変化しない。
一方、モータ12が正転方向の回転トルクを発生し、モータ軸13の回転速度がタイミングスプロケット1の回転速度よりも速くなると、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相は遅角方向に変化する。
逆に、モータ12が逆転方向の回転トルクを発生し、モータ軸13の回転速度がタイミングスプロケット1の回転速度よりも遅くなると、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相は進角方向に変化する。
すなわち、可変バルブタイミング装置114は、モータ軸13の回転量とタイミングスプロケット1の回転量との差、換言すれば、モータ軸13のタイミングスプロケット1に対する回転速度に応じてバルブタイミングを進角方向若しくは遅角方向に変化させる装置である。
電動VTCコントローラ202は、モータ12の回転速度を調整することによって、クランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの回転位相を可変に制御する機能をソフトウェアとして備える。ここで、電動VTCコントローラ202は、位相検出値RAを目標値TAに近づけるようにモータ12の操作量を演算する、回転位相のフィードバック制御を実施する。
図6は、ECM201及び電動VTCコントローラ202における可変バルブタイミング装置114の制御機能を示す機能ブロック図である。
ECM201は、VTC目標値演算部201A及び複製回路201Bを備える。
VTC目標値演算部201Aは、内燃機関101の負荷や回転速度などの運転状態に基づいて回転位相(換言すれば、吸気バルブ105のバルブタイミング)の目標値TAを演算し、演算した目標値TAの情報を電動VTCコントローラ202に送信する。
複製回路201Bは、クランク角センサ203が出力するクランク角信号POS、及び、カム角センサ204が出力するカム角信号CAMを複製し、複製したクランク角信号POS及びカム角信号CAMを電動VTCコントローラ202に送信する。
電動VTCコントローラ202は、VTC絶対角度演算部202A、VTC角度変化量演算部202B、VTC角度演算部202C、駆動制御部202D、モータ駆動回路202Eを備える。
ここで、VTC絶対角度演算部202A、VTC角度変化量演算部202B、及び、VTC角度演算部202Cは、可変バルブタイミング装置114の制御に用いる位相情報を取得する位相情報取得部を構成する。
VTC絶対角度演算部202Aは、ECM201が送信する複製信号であるクランク角信号POS及びカム角信号CAMに基づき、回転位相の絶対角度の検出情報である位相検出値RAPを演算する。
つまり、VTC絶対角度演算部202Aは、クランクシャフト109の回転角信号と吸気カムシャフト115aの回転角信号とに基づき、回転位相に関する第1位相情報としての位相検出値RAPを求める処理(第1段階)を実施する。
VTC絶対角度演算部202Aは、クランク角信号POSに基づき検出した基準クランク角位置からカム角信号CAMを入力するまでのクランク角度[deg CA]を計測することで、カム角信号CAMを入力する毎にクランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの位相検出値RAP[deg CA]を演算する。
VTC角度変化量演算部202Bは、電流検出器210の出力から求めたモータ12の駆動電流に基づき、単位期間当たりの回転位相の変化量ΔRAPを演算する。
つまり、VTC角度変化量演算部202Bは、モータ12の駆動電流に基づき、回転位相の単位期間当たりの変化量に関する位相変化情報である変化量ΔRAPを求める処理(第2段階)を実施する。
VTC角度演算部202Cは、VTC絶対角度演算部202Aが演算した位相検出値RAP、及び、VTC角度変化量演算部202Bが演算した変化量ΔRAPを取得し、位相検出値RAPの更新周期の間での回転位相の変化を変化量ΔRAPの積分値に基づき求める補間処理を行って最終的な位相検出値RAを算出する。
そして、VTC角度演算部202Cは、位相検出値RAPが更新されると、位相検出値RAを位相検出値RAPにリセットする校正処理を実施する。
つまり、VTC角度演算部202Cは、回転位相に関する第2位相情報である位相検出値RAを、位相検出値RAPを変化量ΔRAPに基づき補間して求める処理(第3段階)を実施する。
操作部としての駆動制御部202Dは、位相検出値RAと目標値TAとの比較に基づきモータ12の操作量を演算し、係る操作量をモータ駆動回路202Eに出力する。
つまり、駆動制御部202Dは、モータ12の操作信号を、位相検出値RAと目標値TAとの比較に基づき生成して出力する処理(第5段階)を実施する。
モータ駆動回路202Eは、モータ12に与える駆動電圧を出力する。
図7は、VTC角度変化量演算部202B及びVTC角度演算部202Cの詳細を示す機能ブロック図である。
VTC角度変化量演算部202Bは、電流/トルク変換部202B1、トルク/回転角度変換部202B2、単位換算部202B3を備える。
電流/トルク変換部202B1は、入力したモータ駆動電流[A]を、変換テーブル又はモータ駆動電流を変数とする関数を用いてモータトルク[N・m]に変換して出力する。
トルク/回転角度変換部202B2は、電流/トルク変換部202B1が演算したモータトルク[N・m]からモータ回転角度[deg]を求めて出力する。
単位換算部202B3は、トルク/回転角度変換部202B2が演算したモータ回転角度[deg]を、単位時間当たりの回転位相の変化量(VTC角度変化量)ΔRAP[deg CA]に換算し、VTC角度演算部202Cに出力する。
上記の変化量ΔRAP[deg CA]は、回転位相の単位期間当たりの変化量に関する情報である位相変化情報に相当する。
図8は、モータトルクからモータ回転角度を求めるトルク/回転角度変換部202B2の詳細を示すブロック図である。
トルク/回転角度変換部202B2は、モータトルク[N・m]の他、カムトルク[N・m]、機関回転速度[rpm]の情報などを取得する。
そして、トルク/回転角度変換部202B2は、カムトルク、減速比、及びギヤ効率に基づき回転位相の変化に作用するトルクを求める一方、機関回転速度及びモータ回転角速度に基づき摩擦トルクを求め、これらでモータトルクを補正することで、回転位相の変化に寄与する正味のモータトルクを推定する。
次いで、トルク/回転角度変換部202B2は、モータトルク、ロータ部慣性モーメント、カムシャフト部慣性モーメントからモータ回転角加速度[rad/sec2]を求め、モータ回転角加速度[rad/sec2]からモータ回転角速度[rad/sec]を求める。
更に、トルク/回転角度変換部202B2は、モータ回転角速度[rad/sec]からモータ回転角度[rad]を求め、モータ回転角度[rad]をモータ回転角度[deg]に変換する。
VTC角度演算部202Cは、図7に示すように、積算処理部202C1、リセット部202C2、補間部202C3、推定角度補正部202C4を備える。
積算処理部202C1は、VTC角度変化量演算部202Bが演算した変化量ΔRAP[deg CA]を積算する。
リセット部202C2は、位相検出値RAP[deg CA]の更新演算毎、換言すれば、カム角信号CAMの入力毎に、積算処理部202C1における積算結果を零にリセットする。
補間部202C3は、図9に示すように、積算処理部202C1が求めた変化量ΔRAPの積算値[deg CA]を位相検出値RAP[deg CA]に加算し、加算結果を最終的な位相検出値RA[deg CA]として駆動制御部202Dに出力し、位相検出値RAP[deg CA]の更新時には、位相検出値RA[deg CA]を位相検出値RAP[deg CA]に一致させる校正処理を実施する。
VTC絶対角度演算部202Aは、位相検出値RAP[deg CA]をカム角信号CAMの入力毎に更新演算するが、更新演算後から次にカム角信号CAMの入力があるまでは、直前に演算した位相検出値RAP[deg CA]を保持することになる。
しかし、実際の回転位相は、カム角信号CAMが出力される間においても変化し得るので、電動VTCコントローラ202は、係る回転位相の変化をモータ駆動電流から推定する補間処理を行って、モータ制御に用いる位相検出値RAが実際値に近い変化を示すようにする。
但し、VTC角度変化量演算部202Bがモータ駆動電流に基づき推定する変化量ΔRAP[deg CA]には誤差が生じ、変化量ΔRAP[deg CA]に基づき推定した位相検出値RA(推定角度)と実位相との偏差(推定誤差)が大きくなると、回転位相のフィードバック制御におけるオーバーシュート、アンダーシュートが大きくなる。
そこで、推定角度補正部202C4は、更新時における位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)と、位相検出値RAPに校正される直前での位相検出値RA(推定角度)との間のずれを示す校正量RADEに基づき、次に位相検出値RAP[deg CA]が更新されるまでの間において位相検出値RA(推定角度)を補正するための補正係数KIN(補正値)を設定する。
そして、推定角度補正部202C4は、求めた補正係数KINによって位相検出値RA(推定角度)を補正し、補正後の位相検出値RA(推定角度)に基づきモータ12の操作量を演算させる。
つまり、推定角度補正部202C4は、位相検出値RAP[deg CA]の更新時における校正量RADEに基づき補正係数KINを決定し、係る補正係数KINによる位相検出値RA(推定角度)の補正を次の位相検出値RAP[deg CA]の更新時まで継続し、位相検出値RAP[deg CA]の更新時には新たに補正係数KINを決定することを繰り返す。
換言すれば、推定角度補正部202C4は、VTC角度変化量演算部202BがVTC角度演算部202Cに与える変化量ΔRAPの情報を、位相検出値RAPの更新タイミングでの位相検出値RAP(絶対角度)と位相検出値RA(変化量ΔRAPに基づく推定角度)とのずれに基づき、VTC絶対角度演算部202Aが位相検出値RAPを次に更新するまでの間において変更する変更部であり、換言すれば、位相検出値RAの取得に用いる変化量ΔRAPの情報を変更する処理(第4段階)を実施する。
なお、推定角度補正部202C4は、補正係数KINによる位相検出値RA(推定角度)の補正において、補正係数KINを乗算するパラメータ(補正係数KINで直接的に補正するパラメータ)を、例えば、VTC角度変化量、モータ回転速度、モータトルク、モータ駆動電流などのうちのいずれか1つ或いは複数とし、回転位相の変化量の推定値(推定角度)を補正係数KINで補正する。
つまり、推定角度補正部202C4は、位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)の更新周期における回転位相の変化量をモータ駆動電流に基づき推定するときに、回転位相の変化量を実際よりも小さく推定するか大きく推定するかの傾向に基づき、回転位相の変化量の推定値を実際値に近づけるように補正係数KINで補正し、結果的に位相検出値RA(推定角度)を実際の回転位相に近づける。
以下では、推定角度補正部202C4における校正量RADEと補正係数KINとの相関を説明する。
図10、図11は、吸気バルブ105のバルブタイミングを進角させる操作時(進角操作時)における校正量RADEと補正係数KINとの相関を示す。
なお、本実施形態では、吸気バルブ105のバルブタイミングの最遅角位置を基準位置とし、係る基準位置からの進角角度で回転位相を表すものとする。
モータ駆動電流に基づく回転位相の変化量の推定処理が実際よりも大きな進角変化を推定する場合(図10における一点鎖線の場合)、位相検出値RAP[deg CA]が更新されるときの推定角度(補間で求めた位相検出値RA)と絶対角度である位相検出値RAPとは“推定角度>絶対角度”の関係になり、校正量RADEを“校正量RADE=絶対角度-推定角度”とすると、推定誤差が大きいほど校正量RADEは絶対値が大きな負の値になる。
ここで、校正量RADEは、絶対角度と推定角度とのずれ量、及び、ずれの方向を示す情報である。
このとき、推定角度補正部202C4は、校正量RADEが零より小さくなるほど補正係数KINを1.0より小さい値に設定し、設定した補正係数KINによる変化量ΔRAP[deg CA]の補正を、次に位相検出値RAP(絶対角度)が更新されるまでの間において実施する。
これによって、モータ駆動電流に基づく変化量ΔRAP[deg CA]が実際よりも大きな進角変化を示す傾向のときに、進角変化をより小さく推定させることができ、推定角度の誤差を縮小させることができる。
一方、進角操作時で、モータ駆動電流に基づく推定処理が実際よりも小さい進角変化を推定する場合(図10における二点鎖線の場合)、位相検出値RAP[deg CA]が更新されるときに“推定角度<絶対角度”の関係になり、推定誤差が大きいほど校正量RADEは絶対値が大きな正の値になる。
このとき、推定角度補正部202C4は、校正量RADEが零より大きくなるほど補正係数KINを1.0より大きな値に設定する。
これによって、モータ駆動電流に基づく変化量ΔRAP[deg CA]が実際よりも小さな進角変化を示す傾向のときに、進角変化をより大きく推定させることができ、推定角度の誤差を縮小させることができる。
なお、位相検出値RAP[deg CA]が更新されるときに“推定角度≒絶対角度”の関係になり校正量RADEが略零であるとき、推定誤差は殆どなく推定角度を補正する必要性が略無いから、推定角度補正部202C4は、校正量RADEが零であるときは補正係数KINを実質的の補正を行わない1.0に設定する。
また、位相検出値RAが目標値TAに収束した後、目標値TAが次に変更されるまでの間において、推定角度補正部202C4は、補正係数KINによる補正を停止することができる。
図12、図13は、遅角操作時における校正量RADEと補正係数KINとの相関を示す。
遅角操作時で、モータ駆動電流に基づく回転位相の変化量の推定処理が実際よりも小さい遅角変化を推定する場合(図12における二点鎖線の場合)、位相検出値RAP[deg CA]が更新されるときに“推定角度>絶対角度”の関係になり、推定誤差が大きいほど校正量RADE(校正量RADE=絶対角度-推定角度)は絶対値が大きな負の値になる。
このとき、推定角度補正部202C4は、校正量RADEが零より小さくなるほど補正係数KINを1.0より大きな値に設定する。これによって、モータ駆動電流に基づく変化量ΔRAP[deg CA]が実際よりも小さな遅角変化を示す傾向のときに、遅角変化をより大きく推定させることができ、推定角度の誤差を縮小させることができる。
一方、遅角操作時で、モータ駆動電流に基づく推定処理が実際よりも大きな遅角変化を推定する場合(図12における一点鎖線の場合)、位相検出値RAP[deg CA]が更新されるときに“推定角度<絶対角度”の関係になり、推定誤差が大きいほど校正量RADE(校正量RADE=絶対角度-推定角度)は絶対値が大きな正の値になる。
このとき、推定角度補正部202C4は、校正量RADEが零より大きくなるほど補正係数KINを1.0より小さな値に設定する。これによって、モータ駆動電流に基づく変化量ΔRAP[deg CA]が実際よりも大きな遅角変化を示す傾向のときに、遅角変化をより小さく推定させることができ、推定角度の誤差を縮小させることができる。
つまり、推定角度補正部202C4は、校正量RADEに基づき推定角度の誤差の大きさと誤差の方向とを判断し、誤差が小さくなるように推定角度を補正する。
したがって、モータ駆動電流に基づき回転位相変化の推定に誤差があっても係る誤差を補償でき、回転位相のフィードバック制御におけるオーバーシュート、アンダーシュートの発生を抑制できる。
ところで、内燃機関101の回転速度が低いほど、位相検出値RAP(絶対角度)の更新周期が長くなって、モータ駆動電流に基づく変化量ΔRAP[deg CA]の積算期間が長くなり、推定誤差が溜まり易くなる。
つまり、単位時間当たりの変化量ΔRAPの誤差が同程度であっても、内燃機関101が低速で運転されていて変化量ΔRAPの積算時間が長くなると、位相検出値RAP(絶対角度)の更新時における校正量RADEはより拡大することになる。
また、内燃機関101の回転速度が高くなって位相検出値RAP(絶対角度)の更新周期が短くなり、更新周期がモータ操作量の演算周期と同程度以下になると、補間の実効性が低下する。
そこで、推定角度補正部202C4は、校正量RADEに基づく変化量ΔRAPの補正処理の実施/停止或いは補正度合いを機関回転速度に応じて切り替えることで、補間処理(推定角度)の精度向上や演算負荷の軽減などを図ることができる。
詳細には、推定角度補正部202C4は、機関回転速度が閾値を超えるとき(換言すれば、位相検出値RAP(絶対角度)の更新周期が閾値よりも短いとき)に、校正量RADEに基づく変化量ΔRAPの補正処理を停止させ、機関回転速度が前記閾値以下であるとき(換言すれば、位相検出値RAP(絶対角度)の更新周期が閾値以上であるとき)に、校正量RADEに基づく変化量ΔRAPの補正処理を実施することができる。
これによって、電動VTCコントローラ202は、補間の実効性が低い高回転域において無用に補間演算を実施することを抑止し、演算負荷を軽減することができる。
また、前述のように、内燃機関101の回転速度が低いほど推定誤差が溜まり易く、回転位相変化の推定誤差の影響が大きくなるから、推定角度補正部202C4は、図14、図15に示すように、進角操作時用の補正係数テーブル及び遅角操作時用の補正係数テーブルを、複数の異なる機関回転速度条件毎に備え、校正処理の実施時における機関回転速度(位相検出値RAP(絶対角度)の更新周期)に基づき選択した補正係数テーブルを参照して、補正係数KINを決定することができる。
ここで、機関回転速度が低く位相検出値RAP(絶対角度)の更新周期が長いほど推定誤差が溜まり易く、推定誤差の影響を受け易いから、推定角度補正部202C4は、機関回転速度が低いときは、同じ校正量RADEに対する補正度合いを高回転時に比べて大きくする(校正量RADEに対する補正係数KINの傾きを急にする)ことができる。
推定角度補正部202C4は、補正係数KINを校正量RADE及び機関回転速度に応じて設定することで、機関回転速度が異なる条件であっても補正係数KIN(補正値、補正度合い)を適切に設定して、補正の過不足が生じることを抑止することができる。
また、推定角度補正部202C4は、機関回転速度以外のモータ駆動条件であってモータ駆動電流に基づく回転位相変化の推定精度に影響を与える運転条件(内燃機関101の油水温、モータ12の電源電圧、モータ12の通電履歴など)及び校正量RADEを用いて補正係数KINを算出することができる。
つまり、推定角度補正部202C4は、運転条件(油水温、電源電圧、通電履歴などの影響因子)が、単位時間当たりの変化量ΔRAPを実際よりも大きく推定するように作用するか、実際よりも小さく推定するように作用するかに応じて、校正量RADE(及び機関回転速度)に応じた補正係数KINの特性を変更することができる。
また、推定角度補正部202C4が、位相検出値RAP(絶対角度)の更新時に校正量RADEに基づき補正係数KINを設定し、次の更新タイミングまで補正係数KINを保持する場合、補正係数KINによる補正が目標値TAへの収束性を損なう可能性がある。
そこで、推定角度補正部202C4は、位相検出値RAP(絶対角度)の更新時に校正量RADEに基づき設定した補正係数KINを、次の絶対角度の更新を待たずに、位相検出値RAと目標値TAとの相関(角度変換状態、制御エラー状態)に応じて切り替える処理を実施することで、補正係数KINによる補正によって回転位相の収束性が低下することを抑止できる。
例えば、目標値TAに向けた遅角操作時であって、位相検出値RAP(絶対角度)の更新時に推定角度>絶対角度であった場合、補正係数KINは1.0よりも大きな値に設定され、その後変化量ΔRAPを増大補正することになる(図12、図13参照)。
ここで、係る補正係数KINの更新設定が、目標値TA近傍であって実回転位相の変化方向が遅角から進角に切り替わるタイミングでなされると、変化量ΔRAPの増大補正が実角度と推定角度との乖離を増大させてアンダーシュート(ハンチング現象)を助長する方向に作用する可能性がある(図16、図17参照)。
つまり、回転位相の変化を実際よりも小さく推定する場合、補正係数KINによる変化量ΔRAPの増大補正がアンダーシュート(ハンチング現象)を助長する可能性があり、補正係数KINによる変化量ΔRAPの増大補正を縮小或いは停止させることが、アンダーシュート(ハンチング現象)を抑制する方向に作用する。
一方、回転位相の変化を実際よりも大きく推定する場合、補正係数KINは1.0よりも小さい値に設定され、その後変化量ΔRAPを減少補正することになるが、目標値TA付近では、変化量ΔRAPを更に大きく減少させれば、アンダーシュート(ハンチング現象)を抑制する方向に作用することになる。
そこで、推定角度補正部202C4は、位相検出値RAが目標値TAの所定近傍状態であることを検知したときに、アンダーシュート(ハンチング現象)を抑制する方向に補正係数KIN(換言すれば、変化量ΔRAPの変更度合い)を切り替える。
図18は、目標値TAの近傍での補正係数KINの切り替え処理の概念を説明するための図である。
回転位相の変化を実際よりも小さく推定する場合、推定角度補正部202C4は、目標付近になったときに補正係数テーブルBから補正係数テーブルAへの切り替えを行うことで、同じ校正量RADEでの補正係数KINを1.0に近づけ、補正係数KINによる変化量ΔRAPの増大補正を縮小させる。
一方、回転位相の変化を実際よりも大きく推定する場合、推定角度補正部202C4は、目標付近になったときに補正係数テーブルAから補正係数テーブルBへの切り替えを行うことで、同じ校正量RADEでの補正係数KINを1.0から遠ざけ、補正係数KINによる変化量ΔRAPの減少補正を増大させる。
図19は、推定角度補正部202C4による補正係数KINの設定処理の流れを示すフローチャートである。
推定角度補正部202C4は、ステップS501で、回転位相が目標値TAを行き過ぎた状態(オーバーシュート状態)であるか否かを判断する(図17参照)。
そして、行き過ぎ状態であるとき、推定角度補正部202C4は、ステップS502に進み、回転位相の変化を実際よりも大きく推定するか小さく推定するかの条件に応じて補正係数KINを切り替える。
一方、行き過ぎ状態でないとき、推定角度補正部202C4は、ステップS501からステップS503に進み、回転位相が所定の目標値TA近傍状態(回転位相が目標値TAに到達する直前の状態であるか否かを判断する(図16参照)。
そして、回転位相が所定の目標値TA近傍状態であるとき、推定角度補正部202C4は、ステップS504に進み、回転位相の変化を実際よりも大きく推定するか小さく推定するかの条件に応じて補正係数KINを切り替える。
なお、推定角度補正部202C4は、回転位相が所定の目標値TA近傍状態になったときにステップS504で補正係数KINを切り替えた後、行き過ぎが発生してステップS502に進んだ場合は、ステップS104で切り替えた補正係数KINをベースとして、更に、同じ方向に補正係数KINを変化させる。
例えば、回転位相の変化を実際よりも小さく推定する場合であって、ステップS504で、校正量RADEに基づく補正係数KINを1.0に近づけた後に、行き過ぎが発生してステップS502に進んだときに、推定角度補正部202C4は、ステップS504で切り替えた補正係数KINを更に1.0に近づける。
なお、推定角度補正部202C4は、ステップS501、ステップS503における角度変換状態の判別を、目標値TAと現在角度(絶対角度及び/又は推定角度)との相関、目標値TAに対するモータ操作量の相関、推定角度の変化速度/加速度、モータ回転速度などに基づき行うことができる。
また、推定角度補正部202C4は、ステップS503で、目標値TAの変化幅の所定割合(例えば、所定割合=90%)だけ位相検出値RAが変化したときや、目標値TAと位相検出値RAとの偏差が閾値以下になったときに、回転位相が所定の目標値TA近傍状態になったと判断できる。
一方、推定角度補正部202C4は、ステップS503で目標近傍ではないと判断すると、ステップS505に進み、位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)の更新に伴う位相検出値RAの校正タイミングであるか否かを判断する。
そして、校正タイミングになると、推定角度補正部202C4は、ステップS505からステップS506に進み、校正量RADE(誤差の大きさ及び方向)に基づく補正係数KINの設定を実施する。
また、推定角度補正部202C4は、ステップS505で校正タイミングでないと判断すると、ステップS507に進み、現時点での補正係数KINを保持する。
このように、推定角度補正部202C4は、校正タイミングで補正係数KINの更新設定を行うとともに、校正タイミングの間で目標値TAに近づけば目標値TAへの収束安定性を向上させるための補正係数KINの切り替えを実施する。
また、推定角度補正部202C4は、校正タイミングで補正係数KINの更新設定において、継続して進角操作又は遅角操作が行われているときに、校正量RADEの符号が切り替わる(換言すれば、推定誤差の方向が切り替わる)と過剰補正を判断し、補正係数テーブルの更新(校正量RADEと補正係数KINとの相関の補正)を行うことができる。
以下で、図20、図21を参照しつつ、補正係数テーブルの更新処理を説明する。
例えば遅角操作時の時刻t1にて、位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)が更新され、このとき推定角度>絶対角度であることから校正量RADE(1)がマイナスになり、1.0より大きな補正係数KIN(1)が設定される。
そして、補正係数KIN(1)による補正状態である時刻t2にて位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)が更新されたときに、推定角度<絶対角度であったとすると、補正係数KIN(1)による推定角度の増大補正が過剰であったことになる。
そこで、推定角度補正部202C4は、過剰補正を抑制するために、参照する補正係数テーブルの更新を実施する。
ここで、校正量RADEが小さくなるほど補正係数KINがより大きな値に設定されるから、推定角度補正部202C4は、少なくとも校正量RADE(1)以下の領域で補正過剰になると推定して、校正量RADE(1)以下の領域の補正係数KINを一律に一定値だけ減少方向にシフトさせることができる。
なお、過剰補正に対する補正係数テーブルの更新は、図21に示したシフト補正に限定されず、例えば、傾きの補正とすることができる。
また、図21に示すようなシフト補正において、校正量RADE(1)付近で補正係数KINが徐々に変化するように更新することができる。
また、補正係数KINが校正量RADEを変数とする1次関数で求められる構成に限定されず、補正係数KINと校正量RADEとの相関は任意に設定できる。
また、図22に示すように、校正量RADEが0を含む所定範囲内であるときに、補正係数KINが1.0に保持される不感帯を設けることができ、不感帯の大きさを、角度変換の開始時であるか否かの応答状態や、運転状態(機関回転速度、モータ12の電源電圧、内燃機関101の油水温)などに応じて可変とすることができる。
また、電動VTCコントローラ202は、VTC角度変化量演算部202Bがモータ駆動電流から変化量ΔRAPの推定に用いる各パラメータを学習する学習機能(学習部)を備えることができる。
電動VTCコントローラ202は、内燃機関101の油水温、モータ電源電圧、内燃機関101の回転速度などが設定値である定常状態で、図23に示すように、モータ12に一定電圧を印加し、このときのモータ駆動電流や回転位相変化に基づき、推定処理に用いるパラメータ値(電気抵抗、フリクションなど)の学習を行うことができる。
電動VTCコントローラ202は、上記の学習を実施することで、内燃機関101や可変バルブタイミング装置114のばらつき、作動環境、経年変化などによる推定誤差を補償することができる。
そして、係る学習機能を備える場合、学習完了までの間において補正係数KINによる補正を実施し、学習完了後は補正係数KINによる補正を停止することができる。
つまり、学習の完了前は、推定角度の誤差を校正量RADEに基づく補正係数KINで補償し、学習完了によって推定角度の誤差が十分に小さくなれば、補正係数KINによる補正要求が小さくなるので、補正係数KINによる補正を停止しても、回転位相の制御を高精度に実施できる。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、電動VTCコントローラ202の機能とECM201の機能とを備える1つの電子制御装置を設けることができる。
また、ECM201が位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)を求め、求めた位相検出値RAPを電動VTCコントローラ202に送信することができる。
また、電動VTCコントローラ202は、位相検出値RAP[deg CA](絶対角度)の更新タイミングにおける校正量RADEに基づき、今回の更新タイミングからの経過時間毎に補正係数KINを定めることができる。つまり、今回の更新タイミングから次の更新タイミングまでの間で、一定の補正係数KINで変化量ΔRAPを補正する構成に限定されず、今回の更新タイミングから次の更新タイミングまでの間で補正係数KINを変化させることができる。
また、可変バルブタイミング装置114は、図3-図5に示した装置に限定されず、例えば特開2008-069719号公報に開示される、スプロケット、カムプレート、リンク装置、ガイドプレート、減速機、及びモータで構成される可変バルブタイミング装置などを採用することができる。
また、可変バルブタイミング装置114を、クランクシャフト109に対する排気カムシャフト115bの回転位相を変化させる装置として内燃機関101に設けることができ、この場合も、ECM201及び電動VTCコントローラ202は、上記と同様な構成及び処理によって可変バルブタイミング装置114を制御して、同様な作用効果を奏することができる。
また、電動VTCコントローラ202は、モータ駆動電流から変化量ΔRAPの推定に用いる各パラメータを学習する学習機能を備える場合に、学習完了後も校正量RADEに基づく補正係数KINによる補正を継続させることができる。
また、電動VTCコントローラ202は、学習完了後も補正係数KINによる補正を継続させる場合に、補正係数KINによる補正度合いを小さく変更したり、校正量RADEが閾値を超えたときに再学習を実施したりすることができる。
また、電動VTCコントローラ202は、校正量RADEが閾値を超えたときに、変化量ΔRAPに基づく補間処理を停止することができる。
12…モータ、101…内燃機関、105…吸気バルブ、109…クランクシャフト、114…可変バルブタイミング装置、115a…吸気カムシャフト、201…ECM(エンジン・コントロール・モジュール)、202…電動VTCコントローラ、203…クランク角センサ、204…カム角センサ、210…電流検出器

Claims (7)

  1. 内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相をモータの回転によって可変とする可変バルブタイミング装置の制御装置であって、
    前記回転位相に関する情報である第1位相情報を前記クランクシャフトの回転角信号と前記カムシャフトの回転角信号とに基づき求め、前記回転位相の単位期間当たりの変化量に関する情報である位相変化情報を前記モータの駆動電流に基づき求め、前記回転位相に関する情報である第2位相情報を、前記第1位相情報と前記位相変化情報とに基づき求める位相情報取得部と、
    前記位相情報取得部が前記第2位相情報の取得に用いる前記位相変化情報を、前記第1位相情報の更新タイミングでの前記第1位相情報と前記第2位相情報とのずれに基づき前記第1位相情報が次に更新されるまでの間において変更する変更部と、
    前記モータの操作信号を前記第2位相情報と目標値との比較に基づき生成して出力する操作部と、
    を備える、可変バルブタイミング装置の制御装置。
  2. 請求項1記載の可変バルブタイミング装置の制御装置において、
    前記変更部は、前記位相変化情報を、前記第1位相情報の更新タイミングでの前記第1位相情報と前記第2位相情報とのずれ及び前記内燃機関の回転速度に基づき変更する、
    可変バルブタイミング装置の制御装置。
  3. 請求項1記載の可変バルブタイミング装置の制御装置において、
    前記変更部は、前記位相変化情報の変更度合いを、前記第1位相情報又は前記第2位相情報が前記目標値の近傍になったときに切り替える、
    可変バルブタイミング装置の制御装置。
  4. 請求項1記載の可変バルブタイミング装置の制御装置において、
    前記変更部は、前記位相変化情報の変更度合いを、前記ずれの方向が切り替わったときに切り替える、
    可変バルブタイミング装置の制御装置。
  5. 請求項1記載の可変バルブタイミング装置の制御装置において、
    前記モータの駆動電流に基づき前記位相変化情報を求めるためのパラメータを学習する学習部を更に備え、
    前記変更部は、前記位相変化情報の変更を、前記学習部による学習の完了に基づき停止する、
    可変バルブタイミング装置の制御装置。
  6. 請求項1記載の可変バルブタイミング装置の制御装置において、
    前記変更部は、前記位相変化情報を、前記ずれ及び前記モータの駆動条件に基づき変更する、
    可変バルブタイミング装置の制御装置。
  7. 内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相をモータの回転によって可変とする可変バルブタイミング装置の制御方法であって、
    前記回転位相に関する情報である第1位相情報を、前記クランクシャフトの回転角信号と前記カムシャフトの回転角信号とに基づき求める第1段階と、
    前記回転位相の単位期間当たりの変化量に関する情報である位相変化情報を、前記モータの駆動電流に基づき求める第2段階と、
    前記回転位相に関する情報である第2位相情報を、前記第1位相情報と前記位相変化情報とに基づき求める第3段階と、
    前記第3段階において前記第2位相情報の取得に用いる前記位相変化情報を、前記第1位相情報の更新タイミングでの前記第1位相情報と前記第2位相情報とのずれに基づき前記第1位相情報が次に更新されるまでの間において変更する第4段階と、
    前記モータの操作信号を前記第2位相情報と目標値との比較に基づき生成して出力する第5段階と、
    を含む、可変バルブタイミング装置の制御方法。
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