JP7063665B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7063665B2
JP7063665B2 JP2018053201A JP2018053201A JP7063665B2 JP 7063665 B2 JP7063665 B2 JP 7063665B2 JP 2018053201 A JP2018053201 A JP 2018053201A JP 2018053201 A JP2018053201 A JP 2018053201A JP 7063665 B2 JP7063665 B2 JP 7063665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
engine
ignition timing
control device
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018053201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019163749A (ja
Inventor
宏和 加藤
健次 千田
正晃 山口
隆介 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Toyota Motor Corp, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2018053201A priority Critical patent/JP7063665B2/ja
Publication of JP2019163749A publication Critical patent/JP2019163749A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7063665B2 publication Critical patent/JP7063665B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、内燃機関の点火制御装置が開示されている。この点火制御装置は、内燃機関の冷却水温が温度閾値未満である低温時に、低温時用の点火時期学習を実行する。この点火時期学習では、非低温時用の点火時期学習と比べて、点火時期の遅角が制限される。このため、低温時には、点火時期の誤遅角が抑制される。また、特許文献1には、誤遅角の要因として、ピストンとシリンダ内壁との間で発生するノイズをノッキングと間違えて検出することが開示されている。
特開2013-087624号公報 特開2013-096301号公報 特開2008-057487号公報
特許文献1に記載の点火時期制御は、ピストンとシリンダ内壁とが接触することにより生じるピストン打音を抑制するものではない。つまり、この点火時期制御は、ピストン打音をノッキングであると誤検出することを抑制できるものではない。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、ピストン打音を抑制することによってノッキングの誤検出を抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、ノッキングを検出したときには点火時期を遅角し、ノッキングを検出しないときには点火時期を進角する。
前記制御装置は、エンジン冷却水温度が、ピストン打音が発生する特定温度範囲内にある場合には、ノッキングが検出されていない場合であっても、ピストン打音を抑制可能な所定点火時期よりも遅角され又は前記所定点火時期と同じとなるように、気筒列方向の端以外の特定気筒の点火時期を設定する。
本発明によれば、エンジン冷却水温度が、ピストン打音が発生する特定温度範囲内にある場合には、ピストン打音を抑制可能な所定点火時期よりも遅角され又は当該所定点火時期と同じとなるように点火時期が設定される。これにより、ピストン打音を抑制できるので、ピストン打音に起因するノッキングの誤検出を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るシステムの構成を説明するための図である。 ピストン打音発生のイメージ図である。 点火遅角によるピストン打音の抑制効果を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。 ステップS102の処理で用いられる特定範囲の一例を表した図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。 エンジン負荷KLとエンジン回転速度NEとにより特定される今回の点火遅角範囲の設定手法を説明するための図である。 エンジン冷却水温度と外気温度とにより特定される今回の点火遅角範囲の設定手法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.実施の形態1
まず、図1~図6を参照して、本発明の実施の形態1及びその変形例について説明する。
1-1.システムの構成
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステムの構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、火花点火式の内燃機関10を備えている。内燃機関10は、例えば、車両に搭載され、その動力源とされている。内燃機関10は、一例として直列4気筒エンジンである。
図1は、冷却系を中心に内燃機関10の構成を表している。内燃機関10の本体に相当するシリンダブロック12及びシリンダヘッド14には、この本体を冷却するためのエンジン冷却水が流通するウォータジャケット16及び18がそれぞれ形成されている。これらのウォータジャケット16、18を流れるエンジン冷却水と、シリンダブロック12及びシリンダヘッド14との間で熱交換が行われる。
シリンダブロック12に形成されたウォータジャケット16の冷却水入口付近には、エンジン冷却水を圧送するための電動ウォータポンプ(電動WP)20が配置されている。電動WP20によれば、エンジン冷却水の流量をDuty制御によって可変に制御できる。ウォータジャケット16の上記冷却水入口からシリンダブロック12内に流入したエンジン冷却水は、ボア間流路(ドリルパス)を含むウォータジャケット16を通過した後にシリンダヘッド14内に流入する。シリンダヘッド14内では、エンジン冷却水は、排気弁間流路(Ex弁間WJ)を含むウォータジャケット18内を吸気側から排気側(排気冷却部22)に向けて流れる。
ウォータジャケット18の冷却水出口の1つには、シリンダヘッド14から出て電動WP20に戻るエンジン冷却水が流れるリターン流路24が接続されている。シリンダヘッド14側のリターン流路24の端部付近には、EGRクーラ(EGR/C)26が配置されている。リターン流路24は、EGRクーラ26を出たエンジン冷却水が一旦シリンダヘッド14内を再び流れた後に電動WP20に吸入されるように形成されている。また、電動WP20側のリターン流路24の端部付近には、電子サーモスタット28が配置されている。
リターン流路24には、分岐流路30が接続されている。分岐流路30は、EGRクーラ26の冷却水出口においてリターン流路24から分岐し、エンジン冷却水がシリンダヘッド14から再び流出した後の部位においてリターン流路24に再び合流している。分岐流路30には、エンジン冷却水の上流側から順にEGR弁(EGR/V)32及びスロットル34が配置されている。
ウォータジャケット18は、排気冷却部22の下流側に位置する2つの冷却水出口を含む。これらの冷却水出口の一方には、ラジエータ36に流入するエンジン冷却水が流れるラジエータ上流流路38が接続されている。また、ラジエータ36によって放熱された後のエンジン冷却水が流れるラジエータ下流流路40は、電子サーモスタット28に接続されている。電子サーモスタット28は、リターン流路24を流れるエンジン冷却水と、ラジエータ36を流れるエンジン冷却水との比率を任意に調整することができる。
エンジン冷却水は、他の各種デバイス、すなわち、オイルクーラ42、ヒータ(車室内暖房用)44及びATFクーラ46をも流通可能に構成されている。具体的には、ウォータジャケット16の冷却水出口には、エンジン冷却水がオイルクーラ42を流れた後にシリンダヘッド14の排気冷却部22に戻るように形成されたオイルクーラ流路48が接続されている。また、排気冷却部22の下流側に位置する2つの冷却水出口の他方には、エンジン冷却水がヒータ44及びATFクーラ46を流れた後にリターン流路24に流れるように形成されたデバイス流路50が接続されている。より詳細には、デバイス流路50は、ヒータ44用のヒータ流路50aと、ATFクーラ46用のATFクーラ流路50bとを含む。ヒータ流路50aは、エンジン冷却水がヒータ44を通過した後にEGRクーラ26の出口付近においてリターン流路24に合流するように形成されている。ATFクーラ流路50bは、エンジン冷却水がATFクーラ46を通過した後に、シリンダヘッド14から再び出た後の部位においてリターン流路24に合流するように形成されている。また、ヒータ流路50a及びATFクーラ流路50bには、それぞれを開閉するための電磁弁52及び54が配置されている。さらに、デバイス流路50のシリンダヘッド14側の端部には、エンジン冷却水の温度に応じた信号を出力するエンジン水温センサ56が配置されている。
本実施形態のシステムは、内燃機関10を制御するための制御装置60を備えている。制御装置60は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリと入出力インターフェースとを有するECU(Electronic Control Unit)である。入出力インターフェースは、内燃機関10に搭載された各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、内燃機関10の運転を制御するための各種アクチュエータに対して操作信号を出力する。上記の各種センサは、エアフローセンサ62、クランク角センサ64、外気温度センサ66及びノックセンサ68を含む。エアフローセンサ62は、吸入空気流量Gaに応じた信号を検出する。クランク角センサ64は、クランク角に応じた信号を出力する。制御装置60は、この信号を用いてエンジン回転速度NEを算出できる。外気温度センサ66は、外気温度に応じた信号を出力する。ノックセンサ68は、シリンダブロック12の外壁に取り付けられ、ノッキングの検出のためにシリンダブロック12の振動を計測する。また、上記の各種アクチュエータは、上述した電動WP20、電子サーモスタット28、EGR弁32、スロットル34、及び電磁弁52、54とともに、点火装置70を含む。点火装置70は、気筒別に点火時期を制御可能に構成されている。
制御装置60のメモリには、内燃機関10の制御のための各種のプログラムや各種のデータ(マップを含む)が記憶されている。メモリに記憶されているプログラムがプロセッサで実行されることで、制御装置60の様々な機能が実現される。例えば、点火装置70の操作による点火時期制御は、プログラムが実行されることによって実現される機能の1つである。なお、制御装置60は、複数のECUから構成されていてもよい。
1-2.点火時期制御
制御装置60が行う点火時期制御は、ノックコントロールシステム(KCS)による点火時期の制御と、ピストン打音の検知に基づく点火時期の制御(点火遅角制御)とを含む。
1-2-1.KCSによる点火時期制御
KCSは、基本的にはノックセンサ68と点火装置70と制御装置60によって構成されている。KCSによれば、ノックセンサ68を用いてノッキングを検出したときには、点火時期が遅角され、ノッキングを検出しないときには、点火時期が進角される。
1-2-2.ピストン打音
ピストン・クランク機構において往復運動を行うピストンには、コンロッドの傾きに起因して、ピストン側面をシリンダ壁に押し付ける力(いわゆる、サイドスラスト)が作用する。このサイドスラストの影響でピストンとシリンダ内壁とが接触することにより、ピストン打音が生じる可能性がある。KCSを利用する内燃機関においてピストン打音が生じると、振動騒音性能の低下だけでなく、次のような課題が生じる。
図1に示すシステム構成によれば、エンジン暖機中に電動WP20の作動を停止してウォータジャケット16、18内での水の流通をほぼ停止させることにより、暖機を促進して燃費向上を図ることができる(水止め制御)。なお、水止め制御は、電動WP20に代え、多機能弁を利用する流路の切り替えによって行うこともできる。しかしながら、このような水止め制御が行われると、燃焼によって生じる熱の影響によってシリンダヘッド14の上部が偏って高温となる。その結果、特に端以外の気筒(一端から#1~#4の4つの気筒を有する内燃機関10の例では、端以外の#2、#3気筒)が変形することによりピストン打音が発生し易くなる。
図2は、ピストン打音発生のイメージ図である。図2は、端以外の気筒の1つである#3気筒(#2気筒も同様)について説明している。図2中の「挙動1」は、圧縮上死点の直前のピストン72を示している。「挙動2」は、図2中の時計回り方向に傾きながら圧縮上死点に到達したピストン72に対して上記のサイドスラストが作用する様子を示している。なお、シリンダ内壁74に関し、図2中に「Th」と付された側は、圧縮上死点の直後にサイドスラストを受ける「スラスト側」に相当し、「ATh」と付された側は、その反対側である「反スラスト側」に相当する。
「挙動3」は、圧縮上死点を過ぎて下降し始めたピストン72の下部がサイドスラストによってスラスト側のシリンダ内壁74に衝突した様子を表している(衝突1)。「挙動4」は、その後に、衝突した下部を支点としてピストン72がサイドスラストによって反時計周りに回転する様子を示している。「挙動5」は、反時計周りの回転の結果として、ピストン72の全体がスラスト側のシリンダ内壁74に衝突した様子を表している(衝突2)。
上記の衝突1及び2に伴ってピストン打音が発生すると、図3に示すように、これらの衝突1及び2に由来の振動がシリンダブロック12の外壁に発生する。ノックセンサ68は、このような振動をノイズとして検知する。そして、図3に示すように、ピストン打音を伴う振動の発生時期は、圧縮上死点直後の時期であり、ノッキングの発生時期と重なる。その結果、KCSは、ピストン打音を伴う振動の発生を受けて、ノッキングが発生したと誤検出してしまう可能性がある。このような誤検出の回避のためには、ピストン打音の発生を抑制することが考えられる。具体的には、水止め制御によってエンジン暖機性を向上させたい状況下において、冷却水流量を一定量確保することによって内燃機関10の本体の上下の温度差を抑制し、ピストン打音の発生を抑制することが考えられる。しかしながら、このような対策がなされると、水止め制御の効果が目減りするため、本来であればエンジン暖機の促進によって改善可能な燃費が犠牲となってしまう。
1-2-3.点火遅角によるピストン打音の抑制
図3は、点火遅角によるピストン打音の抑制効果を説明するための図である。図3の縦軸は、ノックセンサ68により検出される振動の強度である。図3は、ピストン打音が発生する状況下において所定サイクル数分取得された振動強度の波形の中から最も大きなピーク値を有する波形を抽出して表したものである。
図3中の左側の図は、最適点火時期(MBT)が選択された時の波形であり、右側の図は、同一エンジン運転条件の下で点火時期をMBTよりも遅角された時(例えば、MBTから3°CA遅角)の波形である。図3中の直線Lは、ノックセンサ68の誤検出抑制のための振動強度の許容限界に相当する。
図3に示す例では、点火時期がMBTである場合には、圧縮上死点直後のタイミングにおいて、振動強度のピーク値が許容限界(直線L)を上回ってしまう。これに対し、MBTよりも遅角された所定点火時期(例えば、MBTよりも3°CA遅角)が用いられると、圧縮上死点直後における振動強度のピーク値が許容限界よりも低下する。すなわち、ノックセンサ68に重畳するノイズが減少する。これは、点火時期の遅角を行うことにより、燃焼圧のピーク値が下がり、その結果、ピストン打音が抑制されたためである。
本実施形態においてピストン打音の抑制のための点火遅角制御の対象となる状況は、一例として、ピストン打音の一因となる水止め制御が行われているエンジン暖機中である。そして、ピストン打音は、特定のエンジン冷却水温度範囲(例えば、60℃~75℃)内で発生すると考えられる。このため、この点火遅角制御の実行条件は、第1に、エンジン冷却水温度が上記の特定温度範囲内にあることを含む。
また、ピストン打音は、特定のエンジン負荷KL(又は吸入空気流量Ga)及びエンジン回転速度NEの範囲内で発生し易いと考えられる。このため、この点火遅角制御の実行条件は、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEが特定範囲(例えば、後述の図5)にあることを含むのが望ましい。そこで、本実施形態では、エンジン冷却水温度だけでなく、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEもパラメータとして、点火遅角制御の実行条件が特定される。ただし、点火遅角制御の実行条件は、エンジン冷却水温度が特定温度範囲内にあることだけであってもよい。
また、本点火遅角制御は、上述の水止め制御の実行に起因するピストン打音を対象としている。このため、本点火遅角制御は、当該ピストン打音が生じ易い気筒(すなわち、端以外の特定気筒(#2、#3)を対象として実行される。これにより、実行対象の気筒を必要最小限に抑えつつ、点火遅角制御を行えるようになる。ただし、水止め制御の実行に起因するピストン打音を対象とする場合であっても、本点火遅角制御は、例えば、端の気筒をも対象として実行されてもよい。
そして、本点火遅角制御は、ピストン打音を抑制可能な「所定点火時期」よりも遅角され又は同じとなるように点火時期を設定する。換言すると、所定点火時期よりも進角しないように点火時期が設定される。また、ここでいう所定点火時期は、例えば、図3を参照して説明したMBTよりも所定量(3°CA)だけ遅角した値である。なお、MBTに対する所定点火時期の遅角量は、一律の値(例えば、3°CA)であってもよいし、或いは、エンジン冷却水温度、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NE、更にはその他の要因に応じた可変値であってもよい。
1-2-4.ピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する制御装置の処理
図4は、本発明の実施の形態1に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。制御装置60は、エンジン始動後のエンジン暖機中に、本ルーチンの処理を所定の制御周期で繰り返し実行する。
図4に示すルーチンでは、まず、制御装置60は、エンジン水温センサ56により検出されるエンジン冷却水温度が、ピストン打音が発生する特定温度範囲(例えば、60℃~75℃)内にあるか否かを判定する(ステップS100)。その結果、この判定結果が否定的である場合には、制御装置60は、今回の処理サイクルを終了する。
一方、ステップS100の判定結果が肯定的である場合には、処理はステップS102に進む。ステップS102では、制御装置60は、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEが特定範囲内にあるか否かを判定する。図5は、ステップS102の処理で用いられる特定範囲の一例を表した図である。図5では、点火遅角制御の対象となる特定範囲(点火遅角範囲)は、一例として、エンジン負荷KLが30~70%であって、エンジン回転速度NEが2000~4000rpmとなるように設定されている。このようなエンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEの観点での特定範囲は、ピストン打音が発生する範囲として事前に試験等を行って特定することができる。なお、特定範囲(点火遅角範囲)の境界は、図5に示すように矩形でなくてもよく、例えば、内燃機関10の等出力線によって特定されてもよい。なお、エンジン負荷(負荷率)KLは、例えば、吸入空気流量Ga及びエンジン回転速度NE等に基づいて算出できる。
ステップS102の判定結果が否定的である場合には、制御装置60は、今回の処理サイクルを終了する。一方、ステップS102の判定結果が肯定的である場合には、処理はステップS104に進む。ステップS104では、制御装置60は、端以外の特定気筒(内燃機関10では、#2、#3)を対象として、点火遅角制御を実行する。具体的には、上記所定点火時期と同じ又は遅角されるように点火時期を設定する。このため、現在の目標点火時期が所定点火時期よりも進角側の値である場合には、所定点火時期と同じとなるように目標点火時期が修正される。一方、現在の目標点火時期が所定点火時期と同じ又は遅角側の値である場合には、目標点火時期の変更は行われない。
1-3.効果
以上説明したように、本実施形態によれば、エンジン冷却水温度が、ピストン打音が発生する特定温度範囲内にある場合には、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEが特定範囲内にあることを条件として、点火遅角制御が実行される。この点火遅角制御によれば、ピストン打音を抑制可能な所定点火時期よりも遅角され又は同じとなるように点火時期が設定される。これにより、ピストン打音を抑制できるので、ピストン打音に起因するノッキングの誤検出を抑制することができる。
1-4.実施の形態1に関する変形例
上述した実施の形態1においては、点火遅角制御の実行条件を規定するパラメータとして、エンジン冷却水温度とともに、エンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEが用いられた。しかしながら、これらのパラメータ以外にも、ピストン打音に寄与し得るパラメータとしては、例えば、外気温度やエンジン冷却水温度の上昇勾配が考えられる。そこで、点火遅角制御の実行条件は、例えば、以下の図6に示すルーチンのように、これらのパラメータをも考慮して規定されてもよい。これにより、点火遅角制御を真に実行すべき状況をより適切に判定できるようになる。
図6は、本発明の実施の形態1の変形例に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。図6に示すルーチン中のステップS100~S104の処理については、実施の形態1において既述した通りである。
図6に示すルーチンでは、制御装置60は、ステップS102の判定結果が肯定的である場合にはステップS200に進む。ステップS200では、制御装置60は、外気温度が特定温度範囲内にあるか否かを判定する。このような外気温度の特定温度範囲は、ピストン打音が発生する温度範囲として事前に試験等を行って特定することができる。この判定に用いられる外気温度は、外気温度センサ66の検出値であってもよいし、或いは、エンジン水温センサ56により検出されるエンジン始動時のエンジン冷却水温度であってもよい。
ステップS200の判定結果が否定的である場合には、制御装置60は、今回の処理サイクルを終了する。一方、ステップS200の判定結果が肯定的である場合には、処理はステップS202に進む。ステップS202では、制御装置60は、所定時間中のエンジン冷却水温度の上昇勾配が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。エンジン冷却水温度の上昇勾配が大きい場合には、気筒の変形に起因するピストン打音が発生し易いためである。
ステップS202の判定結果が否定的である場合には、制御装置60は、今回の処理サイクルを終了する。一方、ステップS202の判定結果が肯定的である場合には、制御装置60は、点火遅角制御を実行する(ステップS104)。
また、点火遅角制御の実行条件の他の例は、図6に示す例に代え、ステップS100及びS102とともに、ステップS200及びS202のうちの少なくとも一方を用いるものであってもよい。或いは、上記実行条件の他の例は、ステップS102に代え、ステップS200及びS202のうちの少なくとも一方をステップS100とともに用いるものであってもよい。
2.実施の形態2
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。以下の説明では、実施の形態2に係るシステムの構成の一例として、図1に示す構成が用いられているものとする。このことは、後述の実施の形態3についても同様である。
2-1.点火時期制御
本実施形態に係る点火時期制御は、ピストン打音の抑制のための点火遅角制御の実行条件において、実施の形態1に係る点火遅角制御と相違している。すなわち、本実施形態では、この実行条件として、エンジン冷却水温度が特定温度範囲内にあること、及びノックセンサ68がピストン打音を検知したことである。なお、上記実行条件は、これら2つの条件に対して、上述のステップS102、S200及びS202の判定条件の少なくとも1つが加えられたものであってもよい。
2-2.ピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する制御装置の処理
図7は、本発明の実施の形態2に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。図7に示すルーチン中のステップS100及びS104の処理については、実施の形態1において既述した通りである。
図7に示すルーチンでは、制御装置60は、ステップS100の判定結果が肯定的である場合にはステップS300に進む。ステップS300では、制御装置60は、ノックセンサ68がピストン打音を検知したか否かを判定する。既述したように、ピストン打音が発生すると、シリンダブロック12の外壁が振動するため、その振動がノックセンサ68の出力に重畳する。このため、例えば、ピストン打音に起因する振動が重畳したことを判別可能な閾値を事前に設定しておくことにより、ノックセンサ68の出力に基づいてピストン打音を検知することができる。なお、ピストン打音を検知可能な他のセンサであれば、そのようなセンサが本ステップS300の判定のために、ノックセンサ68に代えて用いられてもよい。
ステップS300の判定結果が否定的である場合には、制御装置60は、今回の処理サイクルを終了する。一方、ステップS300の判定結果が肯定的である場合には、制御装置60は、点火遅角制御を実行する(ステップS104)。
2-3.効果
以上説明した実施の形態2に係る点火遅角制御によれば、ノックセンサ68を用いたピストン打音の検知結果を利用して、点火遅角制御を真に実行すべき条件を適切に判定することができる。また、本実施形態では、ノックセンサ68を用いたピストン打音の検知結果だけでなく、ピストン打音が発生する特定温度範囲内にエンジン冷却水温度があることも、実行条件として用いられている。これにより、ノックセンサ68によるピストン打音の検知をより正確に行えるようになる。
3.実施の形態3
次に、図8~10を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
3-1.点火時期制御
本実施形態に係る点火時期制御は、ピストン打音の抑制のための点火遅角制御に関し、以下の内容が追加された点において、実施の形態2に係る点火遅角制御と相違している。すなわち、本実施形態では、上記の点火遅角制御は、実施の形態2と同じ実行条件に従って実行される。さらに、本実施形態では、点火遅角制御が前回行われた時と近い条件(エンジン負荷KL、エンジン回転速度NE、エンジン冷却水温度及び外気温度)で内燃機関10が運転される場合にも、点火遅角制御が実行される。
3-2.ピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する制御装置の処理
図8は、本発明の実施の形態3に係るピストン打音抑制のための点火遅角制御に関する処理のルーチンを示すフローチャートである。この図8に示すルーチンは、上述した実施の形態2の図7に示すルーチンと並行して実行される。
図8に示すルーチンでは、制御装置60は、エンジン負荷KLとエンジン回転速度NEとにより特定されるエンジン運転範囲、及び、エンジン冷却水温度と外気温度とにより特定される温度範囲の少なくとも一方が、今回の点火遅角範囲内にあるか否かを判定する(ステップS400)。
図9は、エンジン負荷KLとエンジン回転速度NEとにより特定される今回の点火遅角範囲の設定手法を説明するための図である。本ステップS400では、制御装置60は、図9に示すように前回の遅角実施点を中心として、エンジン負荷KLとエンジン回転速度NEの観点で、今回の点火遅角範囲を設定する。図9に示す例では、前回の遅角実施点のエンジン負荷KLの±5%の範囲、かつ、前回の遅角実施点のエンジン回転速度NEの±5000rpmの範囲が、今回の点火遅角範囲として設定される。なお、制御装置60は、図7に示すルーチンに従って点火遅角を実施する度に、点火遅角を実施した時のエンジン負荷KL及びエンジン回転速度NEの値を前回の遅角実施点として記憶しているものとする。
図10は、エンジン冷却水温度と外気温度とにより特定される今回の点火遅角範囲の設定手法を説明するための図である。本ステップS400では、制御装置60は、さらに、図10に示すように前回の遅角実施点を中心として、エンジン冷却水温度と外気温度の観点で、今回の点火遅角範囲を設定する。図10に示す例では、前回の遅角実施点のエンジン冷却水温度の±5℃の範囲、かつ、前回の遅角実施点の外気温度の±1℃の範囲が、今回の点火遅角範囲として設定される。なお、制御装置60は、図7に示すルーチンに従って点火遅角を実施する度に、点火遅角を実施した時のエンジン冷却水温度及び外気温度の値を前回の遅角実施点として記憶しているものとする。
ステップS400の判定結果が否定的である場合には、制御装置60は、今回の処理サイクルを終了する。一方、ステップS400の判定結果が肯定的である場合には、制御装置60は、点火遅角制御を実行する(ステップS104)。
3-3.効果
以上説明した実施の形態3に係る点火遅角制御によれば、点火遅角制御が前回行われた時の各種条件(エンジン負荷KL及びエンジン冷却水温度など)が学習される。そして、前回と近い条件(すなわち、ピストン打音が前回と同様に生じ易い条件)で内燃機関10が運転されるときには、点火遅角制御が実行されることになる。このため、ピストン打音をより効果的に抑制できるようになる。
また、以上説明した各実施の形態に記載の例及び他の各変形例は、明示した組み合わせ以外にも可能な範囲内で適宜組み合わせてもよいし、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形してもよい。
10 内燃機関
12 シリンダブロック
14 シリンダヘッド
16、18 ウォータジャケット
20 電動ウォータポンプ(電動WP)
56 エンジン水温センサ
60 制御装置
62 エアフローセンサ
64 クランク角センサ
66 外気温度センサ
68 ノックセンサ
70 点火装置
72 ピストン
74 シリンダ内壁

Claims (1)

  1. ノッキングを検出したときには点火時期を遅角し、ノッキングを検出しないときには点火時期を進角する、内燃機関の制御装置であって、
    前記制御装置は、エンジン冷却水温度が、ピストン打音が発生する特定温度範囲内にある場合には、ノッキングが検出されていない場合であっても、ピストン打音を抑制可能な所定点火時期よりも遅角され又は前記所定点火時期と同じとなるように、気筒列方向の端以外の特定気筒の点火時期を設定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
JP2018053201A 2018-03-20 2018-03-20 内燃機関の制御装置 Active JP7063665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018053201A JP7063665B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018053201A JP7063665B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019163749A JP2019163749A (ja) 2019-09-26
JP7063665B2 true JP7063665B2 (ja) 2022-05-09

Family

ID=68064813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018053201A Active JP7063665B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7063665B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057487A (ja) 2006-09-01 2008-03-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2013087624A (ja) 2011-10-13 2013-05-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の点火制御装置
JP2018009502A (ja) 2016-07-13 2018-01-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0988785A (ja) * 1995-09-27 1997-03-31 Mazda Motor Corp エンジンのノッキング検出方法及び装置及びエンジンの制御方法及び装置
US6997149B1 (en) * 2005-03-30 2006-02-14 Gm Global Technology Operations, Inc. Spark timing control and method

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057487A (ja) 2006-09-01 2008-03-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2013087624A (ja) 2011-10-13 2013-05-13 Toyota Motor Corp 内燃機関の点火制御装置
JP2018009502A (ja) 2016-07-13 2018-01-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019163749A (ja) 2019-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5273317B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6307811B2 (ja) エンジンの制御装置
WO2019163459A1 (ja) 内燃機関の制御装置、内燃機関の制御方法
JP2001289143A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP7063665B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4229142B2 (ja) 内燃機関のノック制御装置
JP2020026751A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007056784A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2018131948A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6264325B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2018150861A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009281239A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2017145757A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6287349B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006291795A (ja) ノッキング抑制装置
JP2006118441A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005273572A (ja) 内燃機関の燃焼制御装置
JP6626383B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2009216035A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2015203388A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6332141B2 (ja) 内燃機関の異常診断装置
JP6496613B2 (ja) 点火プラグの碍子先端温度推定システム
JP7432544B2 (ja) 点火制御装置
JP7268580B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010159678A (ja) 内燃機関の排気系冷却システムの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180402

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220421

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7063665

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151