JP7063032B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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かかる知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(P1-P2)/{(T2-T1)/V}≦R ・・・式(1)
ここで、上記式(1)において、P1:第1脱炭焼鈍過程における酸素ポテンシャルPH2O/PH2、P2:第2脱炭焼鈍過程における酸素ポテンシャルPH2O/PH2である。
[2]前記鋼は、残部のFeの一部に替えて、質量%で、Ni:0.010~1.500%、Cr:0.01~0.50%、Cu:0.01~0.50%、Sb:0.005~0.500%、Se:0.001~0.050%、Sn:0.005~0.500%、Bi:0.0003~0.0100%、Mo:0.005~0.100%、B:0.0002~0.0025%、Te:0.0005~0.0100%、Nb:0.0010~0.0100%、V:0.001~0.010%、Ta:0.001~0.010%からなる群より選択される1種又は2種以上を更に含有する、[1]に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明の実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法について説明するに先立ち、本発明者らが行った検討について、簡単に説明する。
まず、脱炭焼鈍工程の昇温過程では、急速加熱技術を適用するために、550℃以上750℃以下の範囲での平均昇温速度を400℃/秒以上3000℃/秒以下とし、かつ、冷延鋼板を850℃以上950℃以下の温度まで加熱することが重要である。
(P1-P2)/{(T2-T1)/V}≦R ・・・式(101)
<方向性電磁鋼板の製造方法の全体的な流れについて>
以下では、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の全体的な流れについて、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の流れの一例を示した流れ図である。
熱間圧延工程(ステップS101)は、所定の化学成分を有する鋼(より詳細には、スラブ等の鋼塊)を熱間圧延して、熱延鋼板とする工程である。以下では、まず、本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法に供される鋼の化学成分について、詳細に説明する。なお、以下では特に断りのない限り、「%」との表記は「質量%」を表わすものとする。
C(炭素)は、不可避的に含有される元素であるとともに、鉄損劣化を引き起こす元素である。Cの含有量が0.02%未満である場合では、熱間圧延に先立つスラブ加熱時において結晶粒が異常粒成長し、製品において線状細粒と呼ばれる二次再結晶不良を起こすため、好ましくない。一方、Cの含有量が0.10%を超える場合には、冷間圧延後の脱炭焼鈍において焼鈍時間が長時間必要となり、経済的でないばかりでなく、脱炭が不完全となりやすく、製品での磁気時効と呼ばれる磁性不良を起こすため、好ましくない。従って、Cの含有量は、0.02~0.10%とする。なお、Cの含有量は、好ましくは、0.04~0.10%であり、より好ましくは、0.06~0.10%である。
Si(ケイ素)は、鋼の電気抵抗(比抵抗)を高めて鉄損の一部を構成する渦電流損失を低減するのに、極めて有効な元素である。しかしながら、Siの含有量が2.0%未満である場合には、製品の渦電流損失を抑制できないため、好ましくない。また、Siの含有量が4.5%を超える場合には、加工性が著しく劣化して、常温での冷間圧延が困難になるため、好ましくない。従って、Siの含有量は、2.0~4.5%とする。なお、Siの含有量は、好ましくは、2.50%~4.25%であり、より好ましくは、3.0~4.0%である。
Mn(マンガン)は、二次再結晶を左右するインヒビターと呼ばれる化合物であるMnSを形成する、重要な元素である。Mnの含有量が0.01%未満である場合には、二次再結晶を生じさせるのに必要なMnSの絶対量が不足するため、好ましくない。一方、Mnの含有量が0.30%を超える場合には、スラブ加熱時の固溶が困難になるばかりでなく、熱間圧延時の析出サイズが粗大化しやすくインヒビターとしての最適サイズ分布が損なわれるため、好ましくない。従って、Mnの含有量は、0.01%~0.30%とする。なお、Mnの含有量は、好ましくは、0.04~0.25%であり、より好ましくは、0.06~0.20%である。
S(硫黄)は、上記Mnと反応することで、インヒビターであるMnSを形成する重要な元素である。Sの含有量が0.001%未満である場合や、Sの含有量が0.050%を超える場合には、十分なインヒビター効果を得ることができない。従って、Sの含有量を、0.001~0.050%とする。なお、Sの含有量は、好ましくは、0.005%~0.040%であり、より好ましくは、0.010~0.035%である。
酸可溶性アルミニウム(sol.Al)は、方向性電磁鋼板のための主要インヒビター構成元素である。酸可溶性Alの含有量が0.010%未満である場合には、インヒビターが量的に不足し、インヒビター強度が不足するので好ましくない。一方、酸可溶性Alの含有量が0.065%を超える場合には、インヒビターとして析出させるAlNが粗大化し、結果としてインヒビター強度を低下させるので好ましくない。従って、酸可溶性Alの含有量は、0.010%~0.065%とする。なお、酸可溶性Alの含有量は、好ましくは、0.015%~0.040%であり、より好ましくは、0.018~0.035%である。
N(窒素)は、上記の酸可溶性Alと反応してAlNを形成する、重要な元素である。Nの含有量が0.002%未満である場合や、Nの含有量が0.015%を超える場合には、十分なインヒビター効果を得ることができないため、好ましくない。従って、Nの含有量は、0.002~0.015%とする。なお、Nの含有量は、好ましくは、0.003%~0.14%であり、より好ましくは、0.004~0.013%である。
Ni(ニッケル)は、比抵抗を高めて鉄損を低減させるのに有効な元素である。かかる鉄損の低減効果は、残部のFeの一部に替えて、Niを0.010%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Niを過剰に含有させると、磁束密度が劣化する。かかる磁束密度の劣化は、Niの含有量が1.500%を超えた場合に顕著となるため、Niの含有量は、1.500%以下とすることが好ましい。Niの含有量は、より好ましくは、0.050~1.000%である。
Cr(クロム)は、比抵抗を高めて鉄損を低減させるのに有効な元素である。かかる鉄損の低減効果は、残部のFeの一部に替えて、Crを0.01%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Crを過剰に含有させると、磁束密度が劣化する。かかる磁束密度の劣化は、Crの含有量が0.50%を超えた場合に顕著となるため、Crの含有量は、0.50%以下とすることが好ましい。Crの含有量は、より好ましくは、0.02~0.04%である。
Cu(銅)は、比抵抗を高めて鉄損を低減させるのに有効な元素である。かかる鉄損の低減効果は、残部のFeの一部に替えて、Cuを0.01%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Cuを過剰に含有させると、磁束密度が劣化する。かかる磁束密度の劣化は、Cuの含有量が0.50%を超えた場合に顕著となるため、Cuの含有量は、0.50%以下とすることが好ましい。Cuの含有量は、より好ましくは、0.05~0.30%である。
[Sb:0.005~0.500%]
Sn(スズ)及びSb(アンチモン)は、二次再結晶を安定して得るとともに、二次再結晶粒径を微細化して高周波鉄損の低減に有効な元素である。これらの効果は、残部のFeの一部に替えて、Snを0.005%以上含有させる場合や、残部のFeの一部に替えて、Sbを0.005%以上含有させる場合に得ることが可能である。一方、Snの含有量が0.500%を超える場合や、Sbの含有量が0.500%を超える場合には、上記効果が飽和するため、経済的な観点から好ましくない。従って、Snの含有量及びSbの含有量は、0.500%以下とすることが好ましい。なお、Snの含有量は、より好ましくは、0.010~0.300%であり、Sbの含有量は、より好ましくは、0.010~0.300%である。
Se(セレン)は、上記Mnと反応することで、インヒビターであるMnSeを形成する元素である。かかるインヒビター効果は、残部のFeの一部に替えて、Seの含有量を0.001%以上とすることで得ることが出来る。一方、Seの含有量が0.050%を超える場合には、十分なインヒビター効果を得ることができない。従って、Seの含有量は、0.050%以下であることが好ましい。Seの含有量は、より好ましくは、0.005~0.040%である。
Bi(ビスマス)は、磁束密度を向上させることが可能な元素である。かかる磁束密度向上効果は、残部のFeの一部に替えて、Biを0.0003%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Biの含有量が0.0100%を超える場合には、磁束密度向上効果が飽和するだけでなく、一次被膜不良の可能性が高まる可能性がある。従って、Biの含有量は0.0100%以下とすることが好ましい。Biの含有量は、より好ましくは、0.0005~0.0090%である。
Mo(モリブデン)は、二次再結晶を安定して得るための元素として有効である。かかる二次再結晶の安定化効果は、残部のFeの一部に替えて、Moを0.005%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Moの含有量が0.100%を超える場合には、上記効果が飽和するため、経済的な観点から好ましくない。従って、Moの含有量は、0.100%以下とすることが好ましい。Moの含有量は、より好ましくは、0.010~0.080%である。
B(ホウ素)は、インヒビターの働きを強化して、二次再結晶を安定して得るために有効な元素である。かかる効果は、残部のFeの一部に替えて、Bを0.0002%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Bの含有量が0.0025%を超える場合には、上記効果を得ることができないため、好ましくない。従って、Bの含有量は、0.0025%以下とすることが好ましい。なお、Bの含有量は、より好ましくは、0.0003~0.0020%である。
Te(テルル)は、インヒビターの働きを強化して、二次再結晶を安定して得るために有効な元素である。かかる効果は、残部のFeの一部に替えて、Teを0.0005%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Teの含有量が0.0100%を超える場合には、上記効果を得ることができないため、好ましくない。従って、Teの含有量は、0.0100%以下とすることが好ましい。なお、Teの含有量は、より好ましくは、0.0007~0.0090%である。
Nb(ニオブ)は、インヒビターの働きを強化して、二次再結晶を安定して得るために有効な元素である。かかる効果は、残部のFeの一部に替えて、Nbを0.0010%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Nbの含有量が0.0100%を超える場合には、上記効果を得ることができないため、好ましくない。従って、Nbの含有量は、0.0100%以下とすることが好ましい。なお、Nbの含有量は、より好ましくは、0.0030~0.0080%である。
V(バナジウム)は、インヒビターの働きを強化して、二次再結晶を安定して得るために有効な元素である。かかる効果は、残部のFeの一部に替えて、Vを0.001%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Vの含有量が0.010%を超える場合には、上記効果を得ることができないため、好ましくない。従って、Vの含有量は、0.010%以下とすることが好ましい。なお、Vの含有量は、より好ましくは、0.002~0.009%である。
Ta(タンタル)は、インヒビターの働きを強化して、二次再結晶を安定して得るために有効な元素である。かかる効果は、残部のFeの一部に替えて、Taを0.001%以上含有させることで得ることが可能である。一方、Taの含有量が0.010%を超える場合には、上記効果を得ることができないため、好ましくない。従って、Taの含有量は、0.010%以下とすることが好ましい。なお、Taの含有量は、より好ましくは、0.002~0.009%である。
本実施形態に係る熱間圧延工程では、公知の方法に従い、上記のような化学成分を有する鋼(より詳細には、スラブ等の鋼塊)を熱間圧延して、熱延鋼板を製造すればよい。
熱延板焼鈍工程(ステップS103)は、熱間圧延工程を経て製造された熱延鋼板を焼鈍して、熱延焼鈍鋼板とする工程である。本実施形態に係る熱延板焼鈍工程では、公知の方法に従い、熱間圧延工程を経て製造された熱延鋼板を焼鈍して、熱延焼鈍鋼板とすればよい。
冷間圧延工程(ステップS105)は、熱延焼鈍鋼板に対して、一回又は中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延を実施して、冷延鋼板とする工程である。本実施形態に係る冷間圧延工程では、公知の方法に従い、熱延板焼鈍工程を経て製造された熱延焼鈍鋼板を冷間圧延し、冷延鋼板とすればよい。
脱炭焼鈍工程(ステップS107)は、得られた冷延鋼板に対して脱炭焼鈍を行って、脱炭焼鈍鋼板とする工程である。本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法では、鉄損の低減を目的として、急速加熱技術を利用した脱炭焼鈍を実施する。
以下に、式(101)を再掲する。
(P1-P2)/{(T2-T1)/V}≦R ・・・式(101)
脱炭焼鈍工程を経て製造された脱炭焼鈍鋼板の表面に、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を水スラリーにて塗布した後、脱炭焼鈍鋼板に対して仕上げ焼鈍を施す仕上げ焼鈍工程(ステップS109)が実施される。本実施形態に係る仕上げ焼鈍工程では、公知の方法に従い、脱炭焼鈍鋼板を焼鈍すればよい。
上記のような仕上げ焼鈍工程の後には、必要に応じて、絶縁被膜の形成工程が実施される。ここで、絶縁被膜の形成工程については、特に限定されるものではなく、下記のような公知の絶縁被膜処理液を用いて、公知の方法により処理液の塗布及び乾燥を行えばよい。方向性電磁鋼板の表面に絶縁被膜を更に形成することで、方向性電磁鋼板の磁気特性を更に向上させることが可能となる。
本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法に則して製造された方向性電磁鋼板は、鉄損が低く、優れた磁気特性を示すものとなる。方向性電磁鋼板の示す各種の磁気特性は、JIS C2550に規定されたエプスタイン法や、JIS C2556に規定された単板磁気特性測定法(Single Sheet Tester:SST)に則して、測定することが可能である。
まず、質量%で、C:0.075%、Si:3.24%、Mn:0.075%、S:0.028%、酸可溶性Al:0.028%、N:0.008%を含有し、残部がFe及び不純物からなるケイ素鋼スラブを製造した。次に、得られたケイ素鋼スラブを1350℃で加熱する、スラブ加熱を行った。その後、加熱されたケイ素鋼スラブの熱間圧延を行って、厚さが2.3mmの熱間圧延鋼帯を得た。次に、得られた熱間圧延鋼帯の焼鈍を行って、熱延焼鈍鋼帯を得た。かかる熱間圧延鋼帯の焼鈍工程では、鋼帯を1120℃まで加熱して再結晶させた後、かかる加熱温度よりも低い900℃の温度で30秒間焼鈍した。次に、得られた熱延焼鈍鋼帯に1回の冷間圧延を行って、厚さが0.23mmの冷間圧延鋼帯を得た。
まず、質量%で、C:0.075%、Si:3.24%、Mn:0.075%、S:0.028%、酸可溶性Al:0.028%、N:0.008%を含有し、残部がFe及び不純物からなるケイ素鋼スラブを製造した。次に、得られたケイ素鋼スラブを1350℃で加熱する、スラブ加熱を行った。その後、加熱されたケイ素鋼スラブの熱間圧延を行って、厚さが2.3mmの熱間圧延鋼帯を得た。次に、得られた熱間圧延鋼帯の焼鈍を行って、熱延焼鈍鋼帯を得た。かかる熱間圧延鋼帯の焼鈍では、鋼帯を1120℃まで加熱して再結晶させた後、かかる加熱温度よりも低い900℃の温度で30秒間焼鈍した。次に、熱延焼鈍鋼帯に1回の冷間圧延を行って、厚さが0.23mmの冷間圧延鋼帯を得た。
まず、質量%で、C:0.075%、Si:3.24%、Mn:0.075%、S:0.028%、酸可溶性Al:0.028%、N:0.008%を含有し、残部がFe及び不純物からなるケイ素鋼スラブを製造した。次に、得られたケイ素鋼スラブを1350℃で加熱する、スラブ加熱を行った。その後、加熱されたケイ素鋼スラブの熱間圧延を行って、厚さが2.3mmの熱間圧延鋼帯を得た。次に、得られた熱間圧延鋼帯の焼鈍を行って、熱延焼鈍鋼帯を得た。かかる熱間圧延鋼帯の焼鈍では、鋼帯を1120℃まで加熱して再結晶させた後、かかる加熱温度よりも低い900℃の温度で30秒間焼鈍した。次に、熱延焼鈍鋼帯に1回の冷間圧延を行って、厚さが0.23mmの冷間圧延鋼帯を得た。
まず、以下の表4に示した成分組成を有し、残部がFe及び不純物からなる種々のケイ素鋼スラブを製造した。次に、得られたケイ素鋼スラブを1350℃で加熱する、スラブ加熱を行った。その後、加熱されたケイ素鋼スラブの熱間圧延を行って、厚さが2.3mmの熱間圧延鋼帯を得た。次に、得られた熱間圧延鋼帯の焼鈍を行って、熱延焼鈍鋼帯を得た。かかる熱間圧延鋼帯の焼鈍では、鋼帯を1120℃まで加熱して再結晶させた後、かかる加熱温度よりも低い900℃の温度で30秒間焼鈍した。次に、熱延焼鈍鋼帯に1回の冷間圧延を行って、厚さが0.23mmの冷間圧延鋼帯を得た。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.02~0.10%
Si:2.0~4.5%
Mn:0.01~0.30%
S:0.001~0.050%
酸可溶性Al:0.010~0.065%
N:0.002~0.015%
を含有し、残部がFe及び不純物からなる鋼を熱間圧延して熱延鋼板とする熱間圧延工程と、
得られた前記熱延鋼板を焼鈍する熱延板焼鈍工程と、
焼鈍後の前記熱延鋼板に対して、一回又は中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延を実施して冷延鋼板とする冷間圧延工程と、
得られた前記冷延鋼板に対して脱炭焼鈍を行って脱炭焼鈍鋼板とする脱炭焼鈍工程と、
得られた前記脱炭焼鈍鋼板に対して仕上げ焼鈍を施す仕上げ焼鈍工程と、
を含み、
前記脱炭焼鈍工程の昇温過程では、550℃以上750℃以下の範囲での平均昇温速度を400℃/秒以上3000℃/秒以下として、前記冷延鋼板を、850℃以上950℃以下の温度まで加熱し、
前記昇温過程後の第1脱炭焼鈍過程では、酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.2以上0.9以下に制御した上で、800℃以上870℃未満の温度T1で、少なくとも60秒以上保持し、
前記第1脱炭焼鈍過程後の第2脱炭焼鈍過程では、酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.10以下に制御した上で、870℃以上1000℃未満の温度T2で、10秒以上60秒以下保持し、
前記第1脱炭焼鈍過程から前記第2脱炭焼鈍過程への昇温過程では、平均昇温速度Vを、5℃/秒以上30℃/秒以下とし、かつ、酸素ポテンシャルPH2O/PH2の単位時間当たりの変化率R[1/s]が、以下の式(1)を満足する、方向性電磁鋼板の製造方法。
(P1-P2)/{(T2-T1)/V}≦R ・・・式(1)
ここで、上記式(1)において、
P1:第1脱炭焼鈍過程における酸素ポテンシャルPH2O/PH2
P2:第2脱炭焼鈍過程における酸素ポテンシャルPH2O/PH2
である。 - 前記鋼は、残部のFeの一部に替えて、質量%で、
Ni:0.010~1.500%
Cr:0.01~0.50%
Cu:0.01~0.50%
Sb:0.005~0.500%
Se:0.001~0.050%
Sn:0.005~0.500%
Bi:0.0003~0.0100%
Mo:0.005~0.100%
B:0.0002~0.0025%
Te:0.0005~0.0100%
Nb:0.0010~0.0100%
V:0.001~0.010%
Ta:0.001~0.010%
からなる群より選択される1種又は2種以上を更に含有する、請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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