一態様では、開示の再構成可能なアッド/ドロップマルチプレクサ(reconfigurable optical add-drop multiplexer:ROADM)は、第1波長選択スイッチ(wavelength selective switch:WSS)への入力として供給される波長分割多重化(wavelength division multiplexed:WDM)光信号に含まれる隣接チャネルグループ間で切り換える第1WSSを有して良い。ROADMでは、隣接チャネルグループは、WDM光信号により送信される光帯域を表して良い。ROADMは、第1WSSから隣接チャネルグループのうちの第1グループを受信する第1相互位相変調器(cross-phase modulation:XPM)補償器を更に有して良い。ROADMでは、第1XPM補償器は、XPM制御信号を生成する前方帰還XPM調整ループを更に有して良い。前方帰還XPM調整ループは、ROADMに続きWDM光信号を運ぶ光ファイバスパンの有効長の一部に対応する分散を追加するために分散補償モジュール(dispersion compensation module:DCM)を含む。第1XPM補償器は、第1グループを受信し、XPM制御信号を受信し、及びXPM補償済み第1グループを受信する位相変調器と、XPM補償済み第1グループを受信する第2WSSと、を更に有して良い。
開示の実施形態のうちの任意のものでは、ROADMは、第1XPM補償器に加えて、第1WSSから追加隣接チャネルグループをそれぞれ受信し、第2WSSへXPM補償済みグループを出力する、複数のXPM補償器、を更に有して良い。
ROADMの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第2WSSは、XPM補償済みグループを受信し、送信のためにWDM光信号に対応するチャネルを切り換えて良い。
ROADMの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、XPMの第1サブグループを排他的に補償して良く、第1グループは、第1サブグループと、第1WSSにより第1XPM補償器に切り換えられた少なくとも1つの追加隣接チャネルと、を含む。ROADMでは、第2WSSは、第1XPM補償器により受信された少なくとも1つの隣接チャネルをドロップして良い。
ROADMの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、WDM光信号を受信する、前方帰還XPM調整ループへの第2入力と、前方帰還XPM調整ループの中のWDM光信号から選択された隣接チャネルグループを通過させる、第2入力に適用される光帯域通過フィルタと、を更に有して良い。
ROADMの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、偏波ダイバーシチを有するXPMのX偏波成分及びY偏波成分を補償することができて良く、第1XPM補償器は、X偏波成分に対応する第1位相を補償する第1位相変調器と、Y偏波成分に対応する第2位相を補償する第2位相変調器と、を更に有する。
別の態様では、開示の光システムは、第1WSSへの入力として供給されるWDM光信号に含まれる隣接チャネルグループ間で切り換える第1WSSを有して良い。光システムでは、隣接チャネルグループは、WDM光信号により送信される光帯域を表して良い。光システムは、第1WSSから隣接チャネルグループのうちの第1グループを受信する第1XPM補償器を更に有して良い。光システムでは、第1XPM補償器は、XPM制御信号を生成する前方帰還XPM調整ループを更に有して良い。前方帰還XPM調整ループは、光システムに続きWDM光信号を運ぶ光ファイバスパンの有効長の一部に対応する分散を追加するためにDCMを含む。第1XPM補償器は、第1グループを受信し、XPM制御信号を受信し、及びXPM補償済み第1グループを受信する位相変調器と、XPM補償済み第1グループを受信する第2WSSと、を更に有して良い。
開示の実施形態のうちの任意のものでは、光システムは、第1XPM補償器に加えて、第1WSSから追加隣接チャネルグループをそれぞれ受信し、第2WSSへXPM補償済みグループを出力する、複数のXPM補償器、を更に有して良い。
光システムの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第2WSSは、XPM補償済みグループを受信し、送信のためにWDM光信号に対応するチャネルを切り換えて良い。
光システムの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、XPMの第1サブグループを排他的に補償して良く、第1グループは、第1サブグループと、第1WSSにより第1XPM補償器に切り換えられた少なくとも1つの追加隣接チャネルと、を含む。光システムでは、第2WSSは、第1XPM補償器により受信された少なくとも1つの隣接チャネルをドロップして良い。
光システムの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、WDM光信号を受信する、前方帰還XPM調整ループへの第2入力と、前方帰還XPM調整ループの中のWDM光信号から選択された隣接チャネルグループを通過させる、第2入力に適用される光帯域通過フィルタと、を更に有して良い。
光システムの開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、偏波ダイバーシチを有するXPMのX偏波成分及びY偏波成分を補償することができて良く、第1XPM補償器は、X偏波成分に対応する第1位相を補償する第1位相変調器と、Y偏波成分に対応する第2位相を補償する第2位相変調器と、を更に有する。
更なる態様では、光信号のXPM補償のための開示の方法は、第1WSSへの入力として供給されるWDM光信号に含まれる隣接チャネルグループ間で切り換えることを含んで良い。方法では、隣接チャネルグループは、WDM光信号により送信される光帯域を表して良い。方法は、第1XPM補償器において、第1WSSから隣接チャネルグループのうちの第1グループを受信することを更に有して良い。方法では、第1XPM補償器は、前方帰還XPM調整ループを用いてXPM制御信号を生成することができて良い。前方帰還XPM調整ループは、第2WSSに続きWDM光信号を運ぶ光ファイバスパンの有効長の一部に対応する分散を追加するDCMを含む。方法では、第1XPM補償器は、さらに、XPM補償済み第1グループを出力する位相変調器へ第1グループ及びXPM制御信号を送信し、及び第2WSSにおいてXPM補償済み第1グループを受信ことができて良い。
開示の実施形態のうちの任意のものでは、方法は、第1WSSから追加隣接チャネルグループをそれぞれ受信するステップと、第1XPM補償器に加えて、対応する複数のXPM補償器へ追加グループをそれぞれ送信するステップと、XPM補償器から第2WSSへXPM補償済みグループを出力するステップと、を更に有して良い。方法では、第2WSSは、XPM補償済みグループを受信して良く、送信のためにWDM光信号に対応するチャネルを選択して良い。
方法の開示の実施形態のうちの任意のものでは、第1XPM補償器は、XPMの第1サブグループを排他的に補償して良く、第1グループは、第1サブグループと、第1WSSにより第1XPM補償器に切り換えられた少なくとも1つの追加隣接チャネルと、を含む。
方法の開示の実施形態のうちの任意のもでは、第2WSSは、第1XPM補償器により受信された少なくとも1つの隣接チャネルをドロップして良い。
開示の実施形態のうちの任意のもでは、方法は、前方帰還XPM調整ループへの第2入力において、前記WDM光信号を受信するステップと、前記前方帰還XPM調整ループの中の前記第2入力に適用される光帯域通過フィルタにより、前記WDM光信号から選択された隣接チャネルグループを通過させるステップと、を更に有して良い。
開示の実施形態のうちの任意のもでは、方法は、偏波ダイバーシチを有するXPMのX偏波成分及びY偏波成分を補償するステップであって、第1位相変調器を用いて、前記X偏波成分に対応する第1位相を補償するステップと、第2位相変調器を用いて、前記Y偏波成分に対応する第2位相を補償するステップと、を含むステップ、を更に有して良い。
更なる態様では、選択的ノード毎XPM補償のための再構成可能光アッド/ドロップマルチプレクサ(reconfigurable optical add-drop multiplexer:ROADM)が開示される。ROADMは、第1グループの中の短距離伝搬波長(STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(LTW)を有する光信号を受信できる第1光スプリッタを有して良い。ROADMでは、第1グループ及び第2グループは、光信号の中で互いにスペクトル的に離されて良い。ROADMは、第1光スプリッタから光信号を受信できる波長選択スイッチ(WSS)も有して良い。ROADMでは、WSSは、STWを、出力光信号の中の第1グループへ通過させることができる。ROADMは、第1光スプリッタから光信号を受信できる第2光スプリッタ、及び第2光スプリッタからSTW及びLTWを受信できる第1相互位相変調(XPM)補償ユニットも有して良い。ROADMでは、LTWは、第1XPM補償ユニットによりXPM補償され、XPM補償LTWとして出力されて良く、一方で、STWは、第1XPM補償ユニットで終端されて良い。
開示の実施形態のいずれかで、ROADMは、XPM補償を伴わずSTWのうちの少なくとも1つをドロップできる、第2光スプリッタにある第1ドロップポートを更に有して良く、WSSは、第1ドロップポートでドロップされたSTWを終端できる。
開示の実施形態のいずれかで、ROADMは、第1XPMからXPM補償LTWを受信し、XPM補償LTWをWSSへ送信できる第3光スプリッタを更に有して良い。ROADMでは、WSSは、XPM補償LTWを、出力光信号の中の第2グループへ切り換えることができる。ROADMは、XPM補償LTWのうちの少なくとも1つをドロップできる、第3光スプリッタにある第2ドロップポートを更に有して良く、WSSは、第2ドロップポートでドロップされたXPM補償LTWを終端できる。
開示の実施形態のいずれかで、ROADMは、出力光信号の中の第1グループに少なくとも1つの新たなSTWをアッドできる、WSSにある第1アッドポートを更に有して良い。
開示の実施形態のいずれかで、ROADMは、第2アッドポート及びWSSへの出力を備える第2相互位相変調(XPM)補償ユニットを更に有して良い。ROADMでは、第2XPM補償ユニットは、少なくとも1つの新たなLTWを、出力光信号の中の第2グループにアッドでき、新たなLTWをXPM補償できる。
開示の実施形態のいずれかで、ROADMは、新たなLTW及び新たなSTWのうちの少なくとも1つの波長をシフトできる波長変換ユニットを更に有して良い。
更なる態様では、選択的ノード毎XPM補償のための光システムが開示される。光システムは、複数のノードを含む光ネットワークを有して良い。該ノードの少なくとも幾つかは、第1XPM補償ユニットを含むROADMノードを有する。光システムは、プロセッサと該プロセッサにアクセス可能な記憶媒体とを備えるネットワーク制御部を更に有して良い。記憶媒体は、光ネットワークに渡りプロビジョニングされた光経路の経路情報を受信するプロセッサにより実行可能な命令を格納し、経路情報は、光経路に含まれる共通始点ノード及び第1ROADMノードを指定し、第1ROADMノードの各々は、それぞれ第1XPM補償ユニットを含む。命令は、光経路に渡り送信され且つ第1ROADMノードの各々で受信される波長を割り当てるために、共通始点ノードにある少なくとも1つの送信機を構成するために更に実行可能であって良い。送信機により割り当てられる波長は、第1グループの中の短距離伝搬波長(STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(LTW)を有する。光システムでは、第1グループ及び第2グループは、光信号の中で互いにスペクトル的に離されて良い。命令は、第1XPM補償ユニットを用いて、第2グループの中のLTWのXPM補償を実行するよう第1ROADMノードを構成するために更に実行可能であって良い。
光システムの開示の実施形態のいずれかで、命令は、第1グループの中のSTWのうちの少なくとも1つを、XPM補償を伴わず、出力光信号へ通過させるために、第1ROADMノードを構成するための命令を更に有して良い。
光システムの開示の実施形態のいずれかで、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかから選択された第2ROADMノードは、光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなLTWを受信する第1アッドポートを有する第2XPM補償ユニットを更に有して良く、命令は、第2XPM補償ユニットを用いて第1アッドポートで受信した新たなLTWをXPM補償するために、第2ROADMノードを構成するための命令を更に有して良い。
光システムの開示の実施形態のいずれかで、第2ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなSTWを受信できる第2アッドポートを有して良く、命令は新たなSTWのXPM補償を伴わず、第2アッドポートから出力光信号の中の第1グループに新たなSTWをアッドするために、第2ROADMノードを構成するための命令を更に有して良い。
光システムの開示の実施形態のいずれかで、第1ROADMのうちの少なくとも幾つかは、新たなLTW及び新たなSTWのうちの少なくとも1つの波長をシフトできる波長変換ユニットを有する。
光システムの開示の実施形態のいずれかで、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、XPM補償を伴わないSTWのうちの少なくとも1つをドロップできる第1ドロップポートを有する。
光システムの開示の実施形態のいずれかで、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、XPM補償LTWのうちの少なくとも1つをドロップできる第2ドロップポートを有する。
更なる態様では、光信号の選択的ノード毎XPM補償のための方法が開示される。方法は、光ネットワークに渡りプロビジョニングされた光経路の経路情報を受信するステップを有する。経路情報は、光経路に含まれる共通始点ノード及び第1再構成可能光アッド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードを指定する。第1ROADMノードの各々は、それぞれ第1XPM補償ユニットを含む。方法は、光経路に渡り送信され且つ第1ROADMノードの各々で受信される波長を割り当てるために、共通始点ノードにある少なくとも1つの送信機を構成するステップを更に有して良い。送信機により割り当てられる波長は、第1グループの中の短距離伝搬波長(STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(LTW)を有する。方法では、第1グループ及び第2グループは、光信号の中で互いにスペクトル的に離されて良い。方法は、第1XPM補償ユニットを用いて、第2グループの中のLTWのXPM補償を実行するよう第1ROADMノードを構成するステップを更に有して良い。
開示の実施形態のいずれかで、方法は、XPM補償を伴わない第1グループの中の前記STWを出力光信号へ通過させるために、第1ROADMノードを構成するステップ、を更に有して良い。
方法の開示の実施形態のいずれかで、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかから選択された第2ROADMノードは、光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなLTWを受信する第1アッドポートを有する第2XPM補償ユニットを更に有し、方法は、第2XPM補償ユニットを用いて第1アッドポートで受信した新たなLTWをXPM補償するために、第2ROADMノードを構成するステップを更に有して良い。
方法の開示の実施形態のいずれかで、第2ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなSTWを受信できる第2アッドポートを有し、方法は、新たなSTWのXPM補償を伴わず、第2アッドポートから新たなSTWを出力光信号の中の第1グループにアッドするために、第2ROADMノードを構成するステップを更に有して良い。
開示の実施形態のいずれかで、方法は、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかに含まれる波長変換ユニットを用いて、新たなLTW及び新たなSTWのうちの少なくとも1つの波長をシフトするステップ、を更に有して良い。
開示の実施形態のいずれかで、方法は、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかに含まれる第1ドロップポートを用いて、光信号からXPM補償を伴わないSTWのうちの少なくとも1つをドロップするステップ、を更に有して良い。
開示の実施形態のいずれかで、方法は、第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかに含まれる第2ドロップポートを用いて、XPM補償LTWのうちの少なくとも1つをドロップするステップ、を更に有して良い。
以下の説明では、開示の主題の議論を容易にするために例として詳細事項が説明される。しかしながら、当業者には、開示の実施形態が例示であること及び全ての可能な実施形態を網羅するものではないことが明らかである。
本開示を通じて、ハイフンで結んだ形式の参照符号は、1つの要素の特定のインスタンスを表し、ハイフンを有しない形式の参照符号は、要素を一般的又は集合的に表す。したがって、例として(図示しない)、装置12-1は、装置クラスのインスタンスを表し、装置12として集合的に言及されて良く、それらのうちの任意のものが装置12として一般的に言及されて良い。図及び説明の中で、同様の記号は同様の要素を表す。
図を参照すると、図1は、光通信システムを表し得る光ネットワーク101の例示的な実施形態を示す。光ネットワーク101は、光ネットワーク101のコンポーネントにより通信される1又は複数の光信号を運ぶために、1又は複数の光ファイバ106を有して良い。光ネットワーク101のネットワーク要素は、ファイバ106により互いに結合され、1又は複数の送信機102、1又は複数のマルチプレクサ(MUX)104、1又は複数の光増幅器108、1又は複数の光アド/ドロップマルチプレクサ(optical add/drop multiplexer:OADM)110、及び1又は複数のデマルチプレクサ(DEMUX)105、及び1又は複数の受信機112を有して良い。
光ネットワーク101は、端末ノードを有するポイントツーポイント型光ネットワーク、リング型光ネットワーク、メッシュ型光ネットワーク、又は任意の他の適切な光ネットワーク若しくは光ネットワークの組合せを有して良い。光ネットワーク101は、短距離都市域ネットワーク、長距離都市間ネットワーク、又は任意の他の適切なネットワーク若しくはネットワークの組合せの中で用いられて良い。光ネットワーク101の容量は、例えば、100Gbit/s、400Gbit/s、又は1Tbit/sを有して良い。光ファイバ106は、非常に低損失で長距離に渡り信号を伝達可能なガラスの細い紐を有して良い。光ファイバ106は、光伝送のために種々の異なるファイバから選択される適切な種類のファイバを有して良い。光ファイバ106は、SMF(Single-Mode Fiber)、E-LEAF(Enhanced Large Effective Area Fiber)、又はTW-RS(TrueWave(登録商標)Reduced Slope)ファイバのような任意の適切な種類のファイバを有して良い。
光ネットワーク101は、光ファイバ106を介して光信号を送信する装置を有して良い。情報は、波長に関する情報を符号化するために1又は複数の光の波長の変調により、光ネットワーク101を通じて送信及び受信されて良い。光ネットワークでは、光の波長は、光信号に含まれるチャネル(本願明細書では「波長チャネル」としても参照される)とも称されることがある。各チャネルは、光ネットワーク101を通じて特定量の情報を伝達して良い。
光ネットワーク101の情報容量及び伝送能力を増大するために、複数のチャネルで送信される複数の信号は、単一の広帯域光信号に結合されて良い。複数のチャネルで情報を通信するプロセスは、光学的にWDM(wavelength division multiplexing)として言及される。CWDM(Coarse wavelength division multiplexing)は、通常20nmより大きく16個の波長より少ない、少ないチャネル数を有する広く間隔の開けられた波長の、1本のファイバへの多重化を表す。また、DWDM(dense wavelength division multiplexing)は、通常0.8nmより狭い間隔で40個より多い、多くのチャネル数を有する密な間隔の波長の、1本のファイバへの多重化を表す。WDM又は他の複数波長多重送信技術は、光ファイバ当たりの集約帯域幅を増大するために、光ネットワークで用いられる。WDM無しでは、光ネットワークにおける帯域幅は、たった1波長のビットレートに制限され得る。より大きな帯域幅により、光ネットワークは、より多くの情報を送信できる。光ネットワーク101は、WDM又は何らかの他の適切な多チャネル多重化技術を用いて異なるチャネルを送信し、多チャネル信号を増幅して良い。
光ネットワーク101は、特定の波長又はチャネルで、光ネットワーク101を通じて光信号を送信する1又は複数の光送信機(Tx)102を有して良い。送信機102は、電気信号を光信号に変換し該光信号を送信するシステム、機器、又は装置を有して良い。例えば、送信機102は、それぞれ、レーザと、電気信号を受信し該電気信号に含まれる情報を特定の波長でレーザにより生成される光のビームに変調し光ネットワークを通じて信号を伝達するビームを送信する変調器と、を有して良い。
マルチプレクサ104は、送信機102に結合されて良く、送信機102により、例えばそれぞれ個々の波長で送信される信号を、WDM信号に結合するシステム、機器又は装置であって良い。
光増幅器108は、光ネットワーク101の中の多チャネル信号を増幅して良い。光増幅器108は、特定長のファイバ106の前又は後に置かれて良い。光増幅器108は、光信号を増幅するシステム、機器又は装置を有して良い。例えば、光増幅器108は、光信号を増幅する光リピータを有して良い。この増幅は、光-電気又は電気-光変換により実行されて良い。幾つかの実施形態では、光増幅器108は、希土類元素をドープされた光ファイバを有し、ドープ光ファイバ増幅素子を形成して良い。信号がファイバを通過するとき、外部エネルギがポンプの形式で印可され、光ファイバのドープされた部分の原子を励起し、光信号の強度を増大する。一例として、光増幅器108は、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium-doped fiber amplifier:EDFA)を有して良い。
OADM110は、ファイバ106を介して光ネットワーク101に結合されて良い。OADM110は、ファイバ106から光信号を(例えば、個々の波長で)アッド又はドロップするシステム、機器又は装置を有しても良いアッド/ドロップモジュールを有して良い。OADM110を通過した後に、光信号は、ファイバ106に沿って宛先へと直接進んで良く、或いは、信号は、宛先に達する前に、1又は複数の追加OADM110及び/又は光増幅器108を通過して良い。
光ネットワーク101の特定の実施形態では、OADM110は、WDM信号の個々の又は複数の波長をアッド又はドロップできるROADM(reconfigurable OADM)を表して良い。個々の又は複数の波長は、例えば、ROADMに含まれ得るWSS(wavelength selective switch)(図示しない)を用いて光ドメインの中でアッド又はドロップされて良い。
図1に示すように、光ネットワーク101は、ネットワーク101の1又は複数の宛先に、1又は複数のデマルチプレクサ105を有して良い。デマルチプレクサ105は、単一の合成WDM信号をそれぞれの波長において個々のチャネルに分離することによりデマルチプレクサとして動作するシステム、機器又は装置を有して良い。例えば、光ネットワーク101は、40チャネルDWDM信号を伝送して良い。デマルチプレクサ105は、40個の異なるチャネルに従って、信号、40チャネルDWDM信号を40個の別個の信号に分割して良い。
図1で、光ネットワーク101は、デマルチプレクサ105に結合される受信機112も有して良い。各受信機112は、特定の波長又はチャネルで送信される光信号を受信し、該光信号をそれらが含む情報(つまり、データ)を得る(例えば、復調する)ために処理して良い。したがって、ネットワーク101は、ネットワークの各チャネル毎に少なくとも1つの受信機112を有して良い。
図1の光ネットワーク101のような光ネットワークは、光ファイバを介して光信号の中で情報を伝達するために、変調技術を用いて良い。このような変調方式は、変調技術の他の例の中でも特に、PSK(phase-shift keying)、FSK(frequency-shift keying)、ASK(amplitude-shift keying)、及びQAM(quadrature amplitude modulation)を有して良い。PSKでは、光信号により伝達される情報は、搬送波又は単にキャリアとしても知られる参照信号の位相を変調することにより変換されて良い。情報は、2レベル又はBPSK(binary phase-shift keying)、4レベル又はQPSK(quadrature phase-shift keying)、M-PSK(multi-level phase-shift keying)及びDPSK(differential phase-shift keying)を用いて信号自体の位相を変調することにより搬送されて良い。QAMでは、光信号により運ばれる情報は、搬送波の振幅と位相の両方を変調することにより伝達されて良い。PSKは、QAMの一部であると考えられる。ここで、搬送波の振幅は、一定に維持される。
さらに、PDM(polarization division multiplexing)技術は、情報送信のために、より大きなビットレートを達成できる。PDM伝送は、チャネルに関連する光信号の異なる偏光成分に情報を独立に変調することを含む。この方法では、各偏光成分は、他の偏光成分と別個の信号を伝達できる。それにより、個々の偏光成分の数に従い、ビットレートを増大させることができる。光信号の偏波は、通常、光信号の振動方向を表し得る。用語「偏波」は、通常、光信号の伝搬方向に垂直な、空間内のある点における光信号の電場ベクトルの先端により追跡される経路を表し得る。
図1の光ネットワーク101のような光ネットワークでは、管理プレーン、制御プレーン、及びトランスポートプレーン(物理層と呼ばれることが多い)を言及することが通常である。中央管理ホスト(図示しない)は、管理プレーンに存在して良く、制御プレーンのコンポーネントを構成し管理して良い。管理プレーンは、トランスポートプレーン及び制御プレーンのエンティティ(例えば、ネットワーク要素)全てに渡る最終的な制御を有する。一例として、管理プレーンは、1又は複数の処理リソース、データ記憶コンポーネント、等を含む中央処理センタ(例えば、中央管理ホスト)を有して良い。管理プレーンは、制御プレーンの要素と電気的に通信して良く、トランスポートプレーンの1又は複数のネットワーク要素と電気的に通信して良い。管理プレーンは、システム全体の管理機能を実行し、ネットワーク要素、制御プレーン及びトランスポートプレーンの間の調整を提供して良い。例として、管理プレーンは、要素の観点から1又は複数のネットワーク要素を取り扱うEMS(element management system)、ネットワークの観点から多くの装置を取り扱うNMS(network management system)、及びネットワーク全体の動作を取り扱うOSS(operational support system)を有して良い。
本開示の範囲から逸脱することなく、光ネットワーク101に対し変更、追加又は省略が行われて良い。例えば、光ネットワーク101は、図1に示すものより多くの又は少ない要素を有して良い。また、上述のように、ポイントツーポイントネットワークとして図示されたが、光ネットワーク101は、リング、メッシュ、及び/又は階層構造のネットワークトポロジのような光信号を送信する任意の適切なネットワークトポロジを有して良い。
上述のように、WDM光信号のチャネル間でのように、1つの光波長が別の光波長の位相を変更し得るXPMが生じ得る。あるWDMチャネルから別のWDMチャネルへの位相変調は、光信号の分散に起因して生じるパワー変動として現れ得る。したがって、2つのノード間の光経路又は光スパン全体を変調するXPM補償器が知られている。幾つかのXPM補償システムは、比較的少数のチャネル(約15チャネルより少ない)が存在するとき信号品質を向上するのに効果的である場合があるが、特定のXPM補償システムは、実際には、チャネル数が増大するにつれ(約15チャネルより多い)、光信号対雑音比(optical signal-to-noise ratio:OSNR)に負の効果を与えることがある。
本願明細書に更に詳述するように、マルチチャネル光XPM補償器を実装する方法及びシステムが本願明細書に開示される。本願明細書に開示されるマルチチャネル光XPM補償器は、15チャネルより多くの多数のチャネルについても、マルチチャネルWDM光信号の中の全部のチャネルについてXPMが補償されることを可能にできる。本願明細書に開示のマルチチャネル光XPM補償器は、後段の光ファイバスパンの有効長に沿う分散をシミュレートする分散補償モジュール(dispersion compensation module:DCM)を有する前方帰還XPM補償ループを提供し得る。本願明細書に開示のマルチチャネル光XPM補償器は、個々のWDMチャネルの伝搬に遅延を導入することなく、全てのWDMチャネルについて同時XPM補償を可能にする構成において更に使用され得る。本願明細書に開示のマルチチャネル光XPM補償器は、XPM補償を最適化する種々のスペクトルオーバラップ方式を用いて実装され得る。
光ネットワーク101の動作において、例えば、光ネットワーク101に含まれるROADMノードは、本願明細書に開示のマルチチャネル光XPM補償器を備えられて良い。
図2Aを参照すると、XPM補償器200-1の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図2Aでは、XPM補償器200-1は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器200-1は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図2Aで、XPM補償器200-1は、入力WDM光信号210及び出力WDM光信号220を有するWDM光経路に沿って配置される光タップ202から位相変調器204まで延びる、前方帰還制御ループを含む。異なる実施形態では、光及び電気ドメインの両者において、前方帰還ループ内のコンポーネントの異なる構成が実施され得ることに留意する。光タップ202(光スプリッタとしても参照される)で、入力WDM光信号210の一部は、前方帰還制御ループへ向けられる。具体的に、DCM206は、光タップ202から光信号を受信し、及び、XPM補償器200-1の後段の光ファイバの有効長の中で光信号のXPM補償を可能にするために、前方帰還制御ループに特定量の分散を追加することができる。色分散(chromatic dispersion:CD)は、結果としてパルスの広がり及びシンボル間干渉(inter-symbol interference:ISI)を生じるので、DCM206における分散の追加は、有効長に沿った光信号のパワー変動により引き起こされるXPMをシミュレートすることにより、前方帰還ループ内のXPM補償を向上し得る。具体的に、分散は、有効長の計算された部分に対応して良い。ここで、該部分は0と1の間である。DCM206の後に、フォトダイオード212(又は別の種類の光センサ)は、前方帰還ループ内の光信号を受信し、対応する電気信号を生成する。XPM補償器200-1に示すように、RF増幅器208は、次に、フォトダイオード212から受信した電気信号を増幅して良い。次に、低域通過フィルタ(low pass filter:LPF)213が、RF増幅器208により出力された電気信号に適用されて良い。LPF213の後、位相変調器204に電気信号を出力する前に、可変遅延214が、経路長変動を補償するために時間遅延を適用する。図2Aの例示的構成では、タップ202と位相変調器204との間の光経路は、可変遅延214が、位相変調器204に到着する光信号と可変遅延214における前方帰還信号との間の遅延を調整し又は一致させることができるように、十分長いと想定される。位相変調器204は、光タップ202からのWDM入力光信号210の受信した部分に基づき、WDM入力光信号210の位相を変調して、XPM補償された出力WDM光信号220を生成するよう動作し得る。
図2Bを参照すると、XPM補償器200-2の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図2Bでは、XPM補償器200-2は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器200-2は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図2Bでは、XPM補償器200-2は、図2AのXPM補償器200-1に関して示されたものと同じ要素を全て含む。追加で、XPM補償器200-2は、不連続の数の光チャネルを含む光帯域のような光帯域を入力WDM光信号210から選択するために使用され得る光帯域通過フィルタ(optical bandpass filter:OBPF)216を含む。PBPF216が中心波長(非エッジ波長)チャネルを分離するために使用されるとき、中心波長チャネルについてXPMにおける幾らかの向上が観察され得る。しかしながら、OBPF216は、入力WDM光信号210より狭い帯域を前方帰還ループのために使用するので、エッジ波長チャネルのXPM補償は損害を被る場合がある。なぜなら、OBPF216の帯域通過の範囲外の近隣チャネルからの信号強度は、前方帰還補償のために検出されず、XPM補償器200-2においてXPM補償に貢献しないからである。
図2Cを参照すると、XPM補償器200-3の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図2Cでは、XPM補償器200-3は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器200-3は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図2Cでは、XPM補償器200-3は、外部入力222を受信し且つ入力WDM光信号210からの光タップ202に依存しない前方帰還制御ループを含む。この方法では、XPM補償器200-3は、WSS(図6も参照)を用いる種々のROADM環境に統合されて良い。外部入力222を受信した後に、XPM補償器200-3内の前方帰還ループは、図2BのXPM補償器200-2に関して上述したものと同じ要素を含み得る。
図3を参照すると、XPM補償例300の一実施形態の選択された要素が示される。図3では、XPM補償例300は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償例300は、追加の又はより少ない要素を含んで良い。
図3に示すXPM補償例300では、入力WDM光信号310は、λ1~λ9のように連続的に示される9個の波長チャネルで構成されると想定される。種々の実施形態では、異なる数のチャネルが入力WDM光信号310に含まれて良く、異なる数のXPM補償器200が、必要に応じて種々の異なるスペクトル割り当て方式において使用されて良いことに留意する。XPM補償例300は、XPM補償器200-1の3個の例が入力WDM光信号310のサブ帯域におけるXPMを補償するために並列に使用されるスペクトル割り当て方式を示す。スプリッタ304において、入力WDM光信号310は、並列のOBPF308-1、308-2、308-3への3つの別個のファイバに分けられる。各OBPF308は、入力WDM光信号310の特定のサブ帯域を通過させるようプログラムされて良い。図3に示す例示的な実施形態では、各OBPF308は、3個の波長チャネルを含むサブ帯域を通過させる。したがって、OBPF308-1は波長λ1、λ2、λ3を通過させ、OBPF308-2は波長λ4、λ5、λ6を通過させ、OBPF308-3は波長λ7、λ8、λ9を通過させる。結合器306で、XPM補償済みサブ帯域は、結合されて、出力WDM光信号320を形成する。
図4を参照すると、XPM補償例400の一実施形態の選択された要素が示される。図4では、XPM補償例400は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償例400は、追加の又はより少ない要素を含んで良い。
図4に示すXPM補償例400では、図3からのスプリッタ304及び結合器306の代わりに、WSS404、406を使用する構成が示される。スプリッタ304及び結合器306と比べて、2個のWSSの使用は、サブ帯域からアッド及びドロップすべき個別のチャネルを選択する能力を提供する。ある例示的な実施形態では、図3に関して上述したものと同じスペクトル割り当て方式が、XPM補償例400を用いて実施されて良い。ここで、WSS404は、入力WDM光信号310から個々のXPM補償器200-1へ並列に各サブ帯域を通過させる。一方で、WSS406は、サブ帯域を、XPM補償された出力WDM光信号320に再結合するために使用される。種々の実施形態では、異なる数のチャネルが入力WDM光信号310に含まれて良く、異なる数のXPM補償器200が、必要に応じて種々の異なるスペクトル割り当て方式において使用されて良いことに留意する。
さらに、図4のXPM補償例400は、図5に関して後述するように、種々の異なるスペクトル割り当て方式を実施するために使用されて良いことに留意する。
図5を参照すると、XPM補償例500の一実施形態の選択された要素が示される。図5では、XPM補償例500は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償例500は、追加の又はより少ない要素を含んで良い。
図5に示すXPM補償例500では、入力WDM光信号310は図3に示すように9個の波長チャネルで構成されると想定される。種々の実施形態では、異なる数のチャネルが入力WDM光信号310に含まれて良く、異なる数のXPM補償器200が、必要に応じて種々の異なるスペクトル割り当て方式において使用されて良いことに留意する。XPM補償例500は、XPM補償器200-1の3個の例が入力WDM光信号310のサブ帯域におけるXPMを補償するために並列に使用されるスペクトル割り当て方式を示す。スプリッタ304において、入力WDM光信号310は、並列のOBPF308-1、308-2、308-3への3つの別個のファイバに分けられる。各OBPF308は、入力WDM光信号310の特定のサブ帯域を通過させるようプログラムされて良い。図5に示す例示的な実施形態では、各OBPF308は、異なる数の波長チャネルを含むサブ帯域を通過させる。図示のように、OBPF308-1は波長λ1、λ2、λ3、λ4を通過させ、OBPF308-2は波長λ2、λ3、λ4、λ5、λ6、λ7を通過させ、OBPF308-3は波長λ5、λ6、λ7、λ8、λ9を通過させる。次に、XPM補償例500では、オーバラップした波長チャネルを除去するために第2OBPF516が使用される。したがって、OBPF516-1は波長λ1、λ2、λ3を通過させ、OBPF516-2は波長λ4、λ5、λ6を通過させ、OBPF516-3は波長λ7、λ8、λ9を通過させる。XPM補償例500におけるオーバラップしたスペクトルの使用は、XPM補償器200-1の個々の前方帰還ループ内のXPM補償を向上でき、一方で、粗悪なXPM補償を有するチャネルはドロップされ得る。使用される実際のスペクトルオーバラップ方式に依存して、OBPF516の後にXPM補償例500において、利得等化(図示しない)が適用されて良いことに留意する。次に、XPM補償済みサブ帯域は、結合器306で結合されて、出力WDM光信号320を形成する。
上述のスペクトル割り当ては、図4に示したXPM補償例400を用いて実施されて良いことに留意する。例えば、第1WSS404は、波長チャネルのスペクトルサブ帯域を個々のXPM補償器200-1へ切り換え、一方で、第2WSS406は、オーバラップした波長チャネルをドロップして良い。
図6を参照すると、XPM補償例600の一実施形態の選択された要素が示される。図6では、XPM補償例600は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償例600は、追加の又はより少ない要素を含んで良い。
図6に示すXPM補償例600では、入力WDM光信号310は図3に示すように9個の波長チャネルで構成されると想定される。種々の実施形態では、異なる数のチャネルが入力WDM光信号310に含まれて良く、異なる数のXPM補償器200が、必要に応じて種々の異なるスペクトル割り当て方式において使用されて良いことに留意する。XPM補償例600は、XPM補償器200-3の3個の例が入力WDM光信号310のサブ帯域におけるXPMを補償するために並列に使用されるスペクトル割り当て方式を示す。スプリッタ304において、入力WDM光信号310は、4本の別個のファイバに並列に分けられて良い。1本のファイバは、WSS404の入力段(degree)602として使用されて良く、一方で、他の3本のファイバは、個々のXPM補償器200-3の外部入力222として使用されて良い。XPM補償器200-3内の各OBPF216(図2Cを参照)は、外部入力222の特定サブ帯域を通過させるようプログラムされて良い。ここで、該特定サブ帯域は、入力WDM光信号310を運ぶ。図6に示す例示的な実施形態では、WSS404からの出力段610-1は波長λ1、λ2、λ3を通過させて良く、WSS404からの出力段610-2は波長λ4、λ5、λ6を通過させて良く、WSS404からの出力段610-3は波長λ7、λ8、λ9を通過させて良い。同時に、各外部入力信号222は、個々のXPM補償器200-3内のOBPF216を通る。したがって、外部入力信号222-1は、波長λ1、λ2、λ3、λ4を有する通過サブ帯域までスペクトル上狭められ、外部入力信号222-2は、波長λ2、λ3、λ4、λ5、λ6、λ7を有する通過サブ帯域までスペクトル上狭められ、外部入力信号222-3は、波長λ5、λ6、λ7、λ8、λ9を有する通過サブ帯域までスペクトル上狭められる。幾つかの実施形態では、外部入力信号222-2は、XPM補償器200-3の外部にあるOBPFを用いて狭められて良いことに留意する。次に、XPM補償済みサブ帯域620-1は、波長λ1、λ2、λ3を含み、XPM補償済みサブ帯域620-2は、波長λ4、λ5、λ6を含み、XPM補償済みサブ帯域620-3は、波長λ7、λ8、λ9を含む。XPM補償例600におけるオーバラップしたスペクトルの使用は、XPM補償器200-3の個々の前方帰還ループ内のXPM補償を向上でき、一方で、粗悪なXPM補償を有するチャネルはドロップされ得る。使用される実際のスペクトルオーバラップ方式に依存して、XPM補償例600において、利得等化(図示しない)が適用されて良いことに留意する。次に、XPM補償済みサブ帯域620は、WSS406で結合されて、出力WDM光信号320を形成する。
図7Aを参照すると、偏波ダイバーシチを有するXPM補償器700-1の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図7Aでは、XPM補償器700-1は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器700-1は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図7Aでは、入力WDM光信号710は偏波ダイバーシチを有し、したがって、光信号のX偏波成分及びY偏波成分が存在すると想定される。XPM補償器700-1は、入力WDM光信号710及び出力WDM光信号720を有するWDM光経路に沿って配置される光タップ202から位相変調器704まで延びる、前方帰還制御ループを含む。光タップ202(光スプリッタとしても参照される)で、入力WDM光信号710の一部は、前方帰還制御ループへ向けられる。具体的に、図2Aに関して上述したように、DCM206は、光タップ202から光信号を受信し、特定量の分散を前方帰還制御ループに追加できる。DCM206の後に、偏波ビームスプリッタ(polarization beam splitter:PBS)702は、光信号をX偏波成分及びY偏波成分に更に分ける。X偏波成分は、PBS702からフォトダイオード212-Xへ供給される。フォトダイオード212-Xは、RF増幅器208-Xにより増幅され且つLPF213-Xを用いてフィルタリングされた電気信号を生成する。Y偏波成分は、PBS702からフォトダイオード212-Yへ供給される。フォトダイオード212-Yは、RF増幅器208-Yにより増幅され且つLPF213-Yを用いてフィルタリングされた電気信号を生成する。次に、可変結合器722が、入力p、q及び出力r、sを用いて、r=h11p+h12q、s=h21p+h22qとなるよう、LPF213-X、213-Yからの電気信号に適用されて良い。ここで、hは重み付け係数である。一例では、h11=h12=h21=h22=0.5である。しかしながら、実施形態において異なる値が異なる使用されて良い。さらに、可変遅延714-X及び718-Xが、X偏波成分信号について、可変結合器722の前及び後に使用され、一方で、可変遅延714-Y及び718-Yが、Y偏波成分について、可変結合器722の前及び後に使用される。次に、可変遅延718-Xは、X偏波成分のための制御信号をX位相変調器704-Xへと出力し、可変遅延718-Yは、Y偏波成分のための制御信号をY位相変調器704-Yへと出力して、偏波ダイバーシチを有するXPM補償された出力WDM光信号702を生成する。
図7Bを参照すると、偏波ダイバーシチを有するXPM補償器700-2の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図7Bでは、XPM補償器700-2は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器700-2は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図7Bでは、入力WDM光信号710は偏波ダイバーシチを有し、したがって、光信号のX偏波成分及びY偏波成分が存在すると想定される。XPM補償器700-2は、入力WDM光信号710及び出力WDM光信号720を有するWDM光経路に沿って配置される光タップ202から位相変調器204まで延びる、前方帰還制御ループを含む。入力WDM光信号710は、PBS702において受信される。PBS702は、異なる光ファイバに沿って、X偏波成分及びY偏波成分を分離する。光タップ202-Xにおいて、X偏波成分の一部は、X偏波前方帰還制御ループへ向けられる。一方で、光タップ202-Yにおいて、Y偏波成分の一部は、Y偏波前方帰還制御ループへ向けられる。具体的に、図2Aに関して上述したように、X偏波前方帰還制御ループ内で、DCM206-Xは、光タップ202-Xから光信号を受信し、特定量の分散をX前方帰還制御ループに追加できる。一方で、Y偏波前方帰還制御ループ内で、DCM206-Yは、光タップ202-Yから光信号を受信し、特定量の分散をY前方帰還制御ループに追加できる。DCM206-Xの後、X偏波成分は、フォトダイオード212-Xへ供給される。フォトダイオード212-Xは、RF増幅器208-Xにより増幅され且つLPF213-Xを用いてフィルタリングされた電気信号を生成する。DCM206-Yの後、Y偏波成分は、フォトダイオード212-Yへ供給される。フォトダイオード212-Yは、RF増幅器208-Yにより増幅され且つLPF213-Yを用いてフィルタリングされた電気信号を生成する。図7Aに関して上述したように、可変結合器722は、LPF213-X、213-Yからの電気信号に適用されて良く、X偏波成分信号について可変結合器722の前及び後に使用される可変遅延714-X及び718-X、及びY偏波成分信号について可変結合器722の前及び後に使用される可変遅延714-Y及び718-Yを含む。次に、可変遅延718-Xは、X偏波成分のための制御信号を第1位相変調器204-1へと出力し、可変遅延718-Yは、Y偏波成分のための制御信号を第2位相変調器204-2へと出力する。位相変調器204からの出力信号は、偏波ビーム結合器724において結合されて、偏波ダイバーシチを有するXPM補償された出力WDM光信号720を生成する。
図7Cを参照すると、偏波ダイバーシチを有するXPM補償器700-3の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図7Cでは、XPM補償器700-3は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器700-3は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図7Cでは、入力WDM光信号710は偏波ダイバーシチを有し、したがって、光信号のX偏波成分及びY偏波成分が存在すると想定される。XPM補償器700-3は、入力WDM光信号710及び出力WDM光信号720を有するWDM光経路に沿って配置される光タップ202から位相変調器704まで延びる、前方帰還制御ループを含む。光タップ202で、入力WDM光信号710の一部は、前方帰還制御ループへ向けられる。具体的に、図2Aに関して上述したように、DCM206は、光タップ202から光信号を受信し、特定量の分散を前方帰還制御ループに追加できる。フォトダイオード212、RF増幅器208、及びLPF213は、図2Aに関して上述したものと実質的に同様の方法で動作する。LPF213の後、電気信号は、X偏波成分及びY偏波成分に対して調整するために、可変遅延714-X及び可変遅延714-Yに供給される。図7Cに示す構成は、図7Aに示すような、h11=h12=h21=h22=0.5による可変結合器の使用と実質的に等価であって良い。次に、可変遅延714-Xは、X偏波成分のための制御信号をX位相変調器704-Xへと出力し、可変遅延714-Yは、Y偏波成分のための制御信号をY位相変調器704-Yへと出力して、偏波ダイバーシチを有するXPM補償された出力WDM光信号702を生成する。
図7Dを参照すると、偏波ダイバーシチを有するXPM補償器700-4の例示的な実施形態の選択された要素のブロック図が示される。図7Dでは、XPM補償器700-4は、概略的表現で示され、実寸通りではない。留意すべきことに、異なる実施形態では、XPM補償器700-4は、追加の又はより少ない要素により動作されても良い。
図7Dでは、入力WDM光信号710は偏波ダイバーシチを有し、したがって、光信号のX偏波成分及びY偏波成分が存在すると想定される。XPM補償器700-4は、入力WDM光信号710及び出力WDM光信号720を有するWDM光経路に沿って配置される光タップ202から位相変調器204まで延びる、前方帰還制御ループを含む。光タップ202で、入力WDM光信号710の一部は、前方帰還制御ループへ向けられ、一方で、残りの部分はPBS702へ向けられる。具体的に、図2Aに関して上述したように、DCM206は、光タップ202から光信号を受信し、特定量の分散を前方帰還制御ループに追加できる。フォトダイオード212、RF増幅器208、及びLPF213は、図2Aに関して上述したものと実質的に同様の方法で動作する。LPF213の後、電気信号は、X偏波成分及びY偏波成分に対して調整するために、可変遅延714-X及び可変遅延714-Yに供給される。図7Dに示す構成は、図7Aに示すような、h11=h12=h21=h22=0.5による可変結合器の使用と実質的に等価であって良い。次に、可変遅延714-Xは、X偏波成分のための制御信号を第1位相変調器204-1へと出力し、可変遅延714-Yは、Y偏波成分のための制御信号を第2位相変調器204-2へと出力する。第1位相変調器204-1は、X偏波成分をPBS702から受信し、一方で、第2位相変調器204-2は、Y偏波成分をPBS702から受信する。X偏波成分及びY偏波成分に対応する第1及び第2位相変調器204からの出力は、PBC724において結合されて、偏波ダイバーシチを有するXPM補償された出力WDM光信号720を生成する。
図8を参照すると、本願明細書で記載されるような、XPM補償の方法800の一実施形態の選択された要素のフローチャートが示される。種々の実施形態では、方法800は、例えばXPM補償例400、600に対応する、光ネットワークにおけるROADMノード内のXPM補償器200、700を用いて実行されて良い。留意すべきことに、方法800で記載される特定の動作は、異なる実施形態では任意であって良く或いは再配置されて良い。
方法800は、ステップ802で開始して良く、第1WSSへの入力として供給されるWDM光信号に含まれる隣接チャネルグループ間で切り換える。ステップ8024で、隣接チャネルグループのうちの第1グループは、DCMを含む第1XPM補償器において、第1WSSから受信される。ステップ806で、XPM補償された第1グループは、第2WSSにおいて受信される。
図9を参照すると、本願明細書で記載されるような、XPM補償の方法900の一実施形態の選択された要素のフローチャートが示される。種々の実施形態では、方法900は、例えばXPM補償例400、600の中の、光ネットワークにおけるROADMノード内のXPM補償器200、700を用いて実行されて良い。留意すべきことに、方法900で記載される特定の動作は、異なる実施形態では任意であって良く或いは再配置されて良い。
方法900は、ステップ902で開始して良く、前方帰還XPM調整ループを用いてXPM制御信号を生成する。前方帰還XPM調整ループは、第2WSSに続きWDM光信号を運ぶ光ファイバスパンの有効長の一部に対応する分散を追加するためにDCMを含む。ステップ902で、第1グループ及びXPM制御信号は、位相変調器へ送信されて、XPM補償済み第1グループを出力する。
本願明細書に開示されるように、マルチチャネル光XPM補償のための方法及びシステムは、光ネットワーク内の光経路の中の前方帰還制御ループの性能を向上するDCMを含み得る。さらに、種々のスペクトルオーバラップ方式が、ROADMノードにおけるように、XPM補償器を並列に用いてマルチチャネルWDM光信号と共に使用されて良い。偏波ダイバーシチも、DCMを含むXPM補償のためにサポートされて良い。
<ノード毎相互位相変調(XPM)補償によるネットワーク管理:選択的(XPM)補償>
光XPM補償の種々の態様は、図1乃至9に関して詳細に記載された。図10~16では、ノード毎XPM補償によるネットワーク管理が、特定の波長に対する選択的XPM補償を用いて記載される。
更なる態様では、光信号の選択的XPM補償も実行されて良い。選択的XPM補償は、異なる宛先へ送信するための少なくとも2つの波長グループが、それら個々の光経路の共通始点ノードに存在するとき、実行されて良い。各波長グループは、共通始点ノードからそれら個々の宛先ノードへの光経路の距離に基づき選択されて良い。例えば、光経路長は、波長毎に、共通始点ノードと宛先ノードとの間で計算される。相互接続し得る及び異なる波長を異なる宛先へルーティングするために使用され得る線形、リング、メッシュ、等のような異なるネットワークトポロジのために、光信号の中の特定波長は、異なる距離に渡り光ネットワークを伝搬することがある。
具体的に、波長は、各々の個々のグループの光経路長に基づき、短距離伝搬波長(short traveling wavelengths:STW)及び長距離伝搬波長(long traveling wavelengths:LTW)にグループ化できる。共通始点ノードの送信機において、STWとLTWとの間を区別するために、種々の実施形態において10km、50km、100km、150km、200km、又は250kmのような、光経路長の特定閾が使用されて良い。幾つかの実施形態では、STWとLTWとの間を区別するために使用される閾経路距離は、各波長により伝達されている光信号のXPM特性に少なくとも部分的に基づき決定されて良い。特定の実施形態では、共通始点ノードにある送信機102は、ネットワーク制御部(図17も参照のこと)の経路計算エンジン(path computation engine:PCE)から各波長の経路情報を受信して良い。経路情報は、各々の個々の波長の共通始点ノードからの光経路の長さを有して良い。次に、光経路長及び使用される閾に基づき、各波長は、共通始点ノードにおいてLTW又はSTWとして割り当てられて良い。
追加で、共通始点ノードにおいて波長をSTW及びLTWにグループ化した後に、光経路に沿った任意の後続のノードにおいてSTW及びLTWの分離を実現するために、波長グループは送信機102によりスペクトル的に間隔を空けられて良い。言い換えると、スペクトル的に間隔を空けてグループを互いに離すために、保護帯がSTWグループとLTWグループとの間に適用されて良い。スペクトル間隔は、少なくとも1つの波長スロット幅に基づき選択されて良く、幾つかの波長スロット幅であって良い。幾つかの実装では、特定の光帯域幅は、共通始点ノードの送信機102における波長グループ(STW及びLTWの両者)の送信のために割り当てられて良い。したがって、STWグループは、光帯域幅の一端に割り当てられ、一方で、LTWは、光帯域幅の他端に割り当てられ、STWグループとLTWグループとの間に結果として生じる保護帯は、全ての波長がそれら個々の波長スロットに割り当てられた後に残された残り帯域幅により定められる。STW及びLTWを離してグループ化する種々の他の方法が考えられる。
共通始点ノードから開始した後に、STW及びLTWは、STWグループとLTWグループとの間のスペクトル距離間隔を伴い、それら個々の光経路の少なくとも最初の部分の間、一緒に伝搬して良い。次に、STW及びLTWは、ROADMを有する特定ノードへ送信されて良い。ROADMで、波長固有スイッチ及びルーティングが実行されて良い。ROADMノードでは、本願明細書に記載するように、選択的XPM補償のためのROADMが可能であって良い。具体的に、XPM補償は、STW及びLTWを送信するROADMにおいて、LTWに対して実行されて良く、STWに対しては省略されて良い。XPM補償の選択的適用は、LTWへのXPMの影響がより大きいことと比べて、STWへのXPMの影響が小さいことから、理にかなう。XPM補償を受ける波長の数を削減することにより、本願明細書に記載のように、全ての波長にXPM補償を適用することと比べて、各ノードにおいてXPM補償に関連するリソースが削減され得る。これは、経済的に有利である。例えば、選択的XPM補償の可能な特定のROADMノードは、より少数のWSSポート及びより少数の光帯域通過フィルタ(optical band pass filter:OPBF)を備えられて良い。これは、光信号の送信に実質的悪影響を生じることなく、このようなノードにおける設備コストを削減できる。
図10は、LTW及びSTWにグループ化された光信号の中のスペクトル的にグループ化された波長のスペクトル1000を示す。具体的に、スペクトル1000の中で、波長λ1、λ2、λ3、λ4は、スペクトルの片側にLTWとして一緒にグループ化されて示される。一方で、波長λ5、λ6、λ7、λ8は、スペクトルの別の側にSTWとして一緒にグループ化されて示される。スペクトルギャップ又は保護帯は、λ4とλ5との間の空き領域として図10に示され、ROADMノードにおいて光フィルタリング又は光逆多重化を用いることにより個々の波長グループとしてLTW及びSTWの分離を実現し得る。スペクトル1000に示すグループ化は、光信号が共通始点ノードから送信されるときに、例えば上述のように、各々の個別波長毎に送信機102(図1を参照)を制御することにより、及び経路長決定のためにPCEを使用することにより、実行されて良い。図10において説明目的で、STW及びLTWはそれぞれ4個の波長によりグループ化されると示されるが、異なる実施形態では、異なる数のSTW及びLTWがそれぞれ一緒にグループ化されて良いことが理解される。
図11を参照すると、選択的XPM補償を有するROADM1100の一実施形態の選択された要素のブロック図が示される。ROADM1100では、光信号の送信後にXPMが補償される後補償方式が示され、アッドされる光信号はXPM補償されない。ROADM1100は、したがって、光ネットワーク101内のノードの内部のような、光信号の光経路に沿って使用されて良い。ROADM1100は、異なる実施形態において図11に示したものより少数の又は多数の要素を備えられて良いことに留意する。図11で、XPM補償ユニット1101は、ROADM1100に実装されて示され、以下でROADM1100の機能を説明するために使用される。図11に示すように、XPM補償ユニット1101は、前述の例示的な構成300、400、500、又は600(図3~6を参照)のうちの任意のものを表して良い。特に、XPM補償ユニット1101は、XPM補償を含む波長固有光処理のために、図10のスペクトル1000に示すように第1グループのSTWを第2グループのLTWから分離可能にするために、OPBF308又はWSS404のような特定の波長選択要素を有する。
したがって、図11、ROADM1100は、上述のように第1グループのSTW及び第2グループのLTWにスペクトル的に分けられる、図10のスペクトル1000の中の例示的な光信号のような、複数の波長を含む光信号1102を受信して良い。受動フィルタであって良い光ファイバスプリッタ1104で、光信号1102は、WSS1106へ及びスプリッタ1108へ向けられるために、例えば同じ光パワーを有して分離され、スプリッタ1104からの各出力は第1グループのSTW及び第2グループのLTWを含む。WSS1106は、STW及びLTWの両者をスプリッタ1104から受信して良いが、STWのうちの特定のものだけを出力光信号1112へ送信して良く、一方で、XPM補償されていない、スプリッタ1104から直接到着するLTWをブロックする。このように、光信号1102の中のSTWのうちの任意の選択されたものが、XPM補償を伴わずに出力光信号1112へ通過されて良い。
さらに、スプリッタ1108は、第1グループのSTW及び第2グループのLTWの両者をスプリッタ1104から受信して良い。スプリッタ1108は、出力光パワーの対応する低下を伴う受動スプリッタであって良く、第1グループのSTW及び第2グループのLTWをXPM補償ユニット1101へ及びドロップポート1116へ出力して良い。
ドロップポート1116で、ROADM1100が宛先ノードにある場合のSTWのような、STWのうちの特定の幾つかが、XPM補償を伴わずにドロップされて良い。具体的に、ドロップポート1116でドロップされるSTWは、受信機あたり1波長を受信し及び復調するために、スペクトルフィルタリング能力を有する1又は複数の受信機(図11に図示しない)により受信されて良い。したがって、複数のSTWがドロップポート1116でドロップされるとき、複数の対応する受信機が使用される。ドロップポート1116に到着するLTWは、ドロップされないSTWも同様に、任意の受信機により受信されず、したがって、事実上終端される。ドロップポート1116でドロップされ受信される特定のSTWについて、WSS1106は、出力光信号1112からこれらの特定のSTWをブロックし、同じSTWの重複送信を防ぐよう構成されて良い。スプリッタ1108から、第1グループのSTW及び第2グループのLTWの両方は、本願明細書に開示するように、XPM補償のためにXPM補償ユニット1101へ渡されて良い。
XPM補償ユニット1101において、第1グループのSTW及び第2グループのLTWの両者がスプリッタ1108から受信され、上述のように、第1グループのSTWは終端されて良く、一方で第2グループのLTWはXPM補償されて良い。例えば、OPBF308又はWSS404は、異なる実装において、XPM補償ユニット1101の中でSTWを終端するために使用されて良い。
XPM補償ユニット1101の後に、受動スプリッタであって良い第2光ファイバスプリッタ1110は、WSS1106へ及びドロップポート1118へXPM補償LTWを出力して良い。ドロップポート1118で、ROADM1100においてそれぞれの宛先ノードに到着するXPM補償LTWは、ドロップポート1116について上述したように、ドロップされ受信される。ドロップポート1116と同様に、ドロップポート1118でドロップされる特定のXPM補償LTWについて、WSS1106は、ドロップポート1118でドロップされる特定のLTWを出力光信号1112からブロックし、ドロップしたLTWの所望の単一の光経路を維持するよう構成されて良い。ドロップポート1118でドロップされないLTWは、WSS1106により、XPM補償された第2グループのLTWに含めるために、出力光信号1112へとスイッチングされる。
ROADM1100には、後続のROADMノード(図示しない)においてXPM補償され得る出力光信号1112に新たなSTW又はLTW又は両者をアッドするために使用され得る、WSS1106への入力段1114も示される。ROADM1100は3個の光ファイバスプリッタ1104、1108、及び1110を用いて構成され示されたが、異なる数の光ファイバスプリッタ、光フィルタ、及びデマルチプレクサが異なる構成で使用されて良いことが理解される。特定の実施形態では、1又は複数の追加WSS(図11に図示しない)が、例えばスプリッタ1104、1108、1110の代わりに、動的又はプログラマブル波長スイッチングを可能にするために又は光パワーの所望の制御のために、使用されて良い。
図12を参照すると、選択的XPM補償を有するROADM1200の一実施形態の選択された要素のブロック図が示される。ROADM1200では、アッドされたLTWを送信する前にXPMが補償され得る前補償方式が示される。ROADM1200は、したがって、2つのネットワークセグメントを相互接続する光ネットワーク101内のノードの内部のような、光信号の光経路に沿って使用されて良い。ROADM1200は、異なる実施形態において図12に示したものより少数の又は多数の要素を備えられて良いことに留意する。図12で、XPM補償ユニット1101-A、1101-Bは、ROADM1200に実装されて示され、以下でROADM1200の機能を説明するために使用される。図12に示すように、XPM補償ユニット1101-A、1101-Bは、前述の例示的な構成300、400、500、又は600(図3~6を参照)のうちの任意のものを表して良い。特に、XPM補償ユニット1101-A、1101-Bは、XPM補償を含む波長固有光処理のために、図10のスペクトル1000に示すように第1グループのSTWを第2グループのLTWから分離可能にするために、OPBF308又はWSS404のような特定の波長選択要素を有する。
図12のROADM1200は、図11で上述したROADM1100の動作と同様である。具体的に、ROADM1200は、第1グループのSTW及び第2グループのLTWにスペクトル的に分けられる、スペクトル1000の中に示される例示的な光信号のような、複数の波長を含む光信号1102を受信して良い。受動フィルタであって良い光ファイバスプリッタ1104で、光信号1102は、WSS1106へ及び第2スプリッタ1108へ向けられるために、例えば同じ光パワーを有して分離され、スプリッタ1104からの各出力は第1グループのSTW及び第2グループのLTWを含む。スプリッタ1108で、ドロップポート1216は、例えばドロップされたSTW/LTWがそれらの宛先ノードに到着し、単一の受信機を用いて単一の波長を隔離するスペクトルフィルタリング能力を有する受信機により受信されるとき、XPM未補償STW及びLTWのドロップを可能にする。したがって、複数のSTW又はLTWがドロップポート1216でドロップされ受信されるとき、複数の対応する受信機が使用される。ドロップポート1216に到着するドロップされないLTW/STWは、任意の受信機により受信されず、したがって、事実上終端される。ドロップポート1216でドロップされ受信される特定のSTW/LTWについて、WSS1106は、ドロップされたSTW/LTWを終端し、それらの出力光信号1112への送信をブロックするよう構成される。スプリッタ1108からも、第1グループのSTW及び第2グループのLTWが、XPM補償ユニット1101-Aにおいて受信される。XPM補償ユニット1101-Aにおいて、第1グループのSTWは、例えばOPBF308又はWSS404を用いる波長固有ブロックにより、終端されて良い。次に、XPM補償ユニット1101-Aにおいて、第2グループのLTWは、XPM補償され、WSS1106へ出力されて良い。別のXPM補償ユニット1101-Bは、アッドポート1218においてXPM補償を伴わずアッドされるLTWを受信して良く、アッドされるLTWをXPM補償して良い。XPM補償ユニット1101-Bから、XPM補償されたアッドされるLTWは、次にWSS1106へ出力される。
ROADM1200には、追加STWを出力光信号1112にアッドするために使用され得る、WSS1106への入力段1202も示される。ROADM1200は光ファイバスプリッタ1104及び1108を用いて構成され示されたが、異なる数の光ファイバスプリッタ、光フィルタ、及びデマルチプレクサが異なる構成で使用されて良いことが理解される。特定の実施形態では、1又は複数の追加WSS(図12に図示しない)が、例えばスプリッタ1104の代わりに、動的又はプログラマブル波長スイッチングを可能にするために又は光パワーの所望の制御のために、使用されて良い。
図13~15は、2つの光ネットワークが融合するリング相互接続の異なる実施形態を示す。具体的に、ノードN、N+1及びN+2を有する第1リングは、ノードMを有する別のリングと、ノードN+1において融合するよう示される。それぞれの図で、特定のスペクトルが示され、スペクトルでそれぞれラベルを付されたノード毎の光信号の出力を示す。
図13を参照すると、選択的XPM補償を有するリング相互接続1300の一実施形態の選択された要素のネットワーク図が示される。リング相互接続1300では、第1リング1302は、ノード1304-N、1304-N+1、及び1304-N+2により構成される。ノード1304-Mを有する第2リング1306は、ノード1304N+1において第1リング1302に相互接続する。リング相互接続1300では、ノード1304は、例えば本願明細書に記載のような選択的XPM補償を有するROADMを含むことにより、XPM補償を含むと想定される。したがって、第1リング1302及び第2リング1306は、XPM補償リングである。
第1リング1302に沿ってノード1304-Nの後、スペクトルNは、それぞれ、LTWグループ及びSTWグループについてそれぞれ4個の波長を示す。第2リング1306に沿ってノード1304-Mの後、スペクトルMは、それぞれ、LTWグループ及びSTWグループについてそれぞれ2個の波長を示す。第2リング1306が第1リング1302とノード1304-N+1において融合した後に、スペクトルN+1は、各LTWグループ及びSTWグループが6個の波長を含むことを示す。したがって、リング相互接続1300の中のノード1304は、LTWグループに対してXPM補償を実行して良く、一方で、STWグループを通過させることにより、STWグループをXPM補償されないままにする。
リング相互接続1300の一実施形態では、第1リング1302及び第2リング1306は、同じファイバ種類を有する。リング相互接続1300の別の実施形態では、第1リング1302は、SMF型ファイバを有して良く、一方、第2リング1306はNZ-DSF型ファイバを有する。第1リング1302及び第2リング1306は両者ともLTWに対してXPM補償されるので、NZ-DSF型ファイバであっても、SMF型ファイバより大きな非線形性を有し、STWは補償されないままであって良い。
図14を参照すると、選択的XPM補償を有するリング相互接続1400の一実施形態の選択された要素のネットワーク図が示される。リング相互接続1400では、第1リング1402は、ノード1404-N、1404-N+1、及び1404-N+2により構成される。ノード1404-Mを有する第2リング1406は、ノード1404N+1において第1リング1402に相互接続する。リング相互接続1400では、第1リング1402の中のノード1404は、例えば本願明細書に記載のような選択的XPM補償を有するROADMを含むことにより、XPM補償を含むと想定される。一方で、第2リング1406の中のノード1404は、XPM補償されない。したがって、第1リング1402はXPM補償され、一方で、第2リング1406はXPM補償されない。さらに、リング相互接続1400では、第1リング1402は、SMF型ファイバを有して良く、一方、第2リング1406は、より強力なファイバ非線形性を有するNZ-DSF型ファイバを有する。
第1リング1402に沿ってノード1404-Nの後、スペクトルNは、それぞれ、LTWグループ及びSTWグループについてそれぞれ4個の波長を示す。第2リング1406に沿ってノード1404-Mの後、スペクトルMは、混合され且つグループ化されないLTW及びSTWについてそれぞれ2個の波長を示し、LTW及びSTWの任意の混合構成を表す。本構成では、ノード1404-N+1に到着するSTWでも、XPM補償の利益を享受し得る。この場合、スペクトルMの中の全ての波長が、ノード1404-N+1におけるスペクトルN+1においてLTWにアッドされ、今や8個のLTWを有する。したがって、ノード1404-N+1は、XPM補償を目的としてLTWとして第2リング1406から入来する全ての波長を扱いうことができ、第2リング1406から入来する波長をSTW又はLTWとして区別しない。ノード1404-N+1における8個のLTWのXPM補償の後、ノード1404-N+2において、第2リング1406からのSTWは、O-E-O変換、波長シフタ、又は第1リング1402及び第2リング1406の特定波長割り当てを予め計画することによるような、波長変換を用いてSTWに再割り当てされる。例えば、ノード1404-N+2は、各ノード1404における波長割り当てを追跡し又は制御するネットワーク制御部(図17を参照)から波長割り当て情報を受信して良く、スペクトルN+1内のどのLTW波長がスペクトルN+2内のSTWに再割り当てされるべきかを決定できる。ノード1404-N+2の後、LTWグループ及びSTWグループは、一緒にグループ化された4個のLTW及び4個のSTWをそれぞれ有するスペクトルN+2内に示されるように、再割り当てされている。
図15を参照すると、選択的XPM補償を有するリング相互接続1500の一実施形態の選択された要素のネットワーク図が示される。リング相互接続1500では、第1リング1502は、ノード1504-N、1504-N+1、及び1504-N+2により構成される。ノード1504-Mを有する第2リング1506は、ノード1504N+1において第1リング1502に相互接続する。リング相互接続1500では、第1リング1502の中のノード1504は、例えば本願明細書に記載のような選択的XPM補償を有するROADMを含むことにより、XPM補償を含むと想定される。一方で、第2リング1506の中のノード1504は、XPM補償されない。したがって、第1リング1502はXPM補償され、一方で、第2リング1506はXPM補償されない。
リング相互接続1500の一実施形態では、第1リング1502及び第2リング1506は、同じファイバ種類を有する。リング相互接続1500の別の実施形態では、第1リング1502は、NZ-DSF型ファイバを有して良く、一方、第2リング1506は、より少ないファイバ非線形性を有するSMF型ファイバを有する。
第1リング1502に沿ってノード1504-Nの後、スペクトルNは、それぞれ、LTWグループ及びSTWグループについてそれぞれ4個の波長を示す。第2リング1506に沿ってノード1504-Mの後、スペクトルMは、混合され且つグループ化されないLTW及びSTWについてそれぞれ2個の波長を示し、LTW及びSTWの任意の混合構成を表す。この構成では、ノード1504-N+1に到着するSTWは、ファイバ種類が同じか、又は第2リング1506がSMF型ファイバを有し第1リング1502がNZ-DSF型ファイバを有するかに拘わらず、XPM補償を伴わず送信されて良い。この場合、スペクトルMの中の全てのLTWは、ノード1504-N+1においてスペクトルN+1の中のLTWにアッドされ、スペクトルMの中の全てのSTWは、ノード1504-N+1においてスペクトルN+1の中のSTWにアッドされる。第2リング1506からのSTW及びLTWは、O-E-O変換、波長シフタ、又は第1リング1502及び第2リング1506の特定波長割り当てを予め計画することによるような、波長変換を用いて再割り当てされる。例えば、ノード1504-N+2は、各ノード1504における波長割り当てを追跡し又は制御するネットワーク制御部(図17を参照)から波長割り当て情報を受信して良く、スペクトルM内のどの波長がLTW又はSTWであるかを決定できる。ノード1504-N+1の後、LTWグループ及びSTWグループは、一緒にグループ化された6個のLTW及び6個のSTWをそれぞれ有する、図15のスペクトルN+1内に示されるように、割り当られている。
図16を参照すると、本願明細書で記載されるような、選択的XPM補償の方法1600の一実施形態の選択された要素のフローチャートが示される。種々の実施形態において、方法1600は、例えばXPM補償ユニット1101を用いて、光ネットワーク内のROADMノード1100又は1200により実行されて良い。留意すべきことに、方法1600で記載される特定の動作は、異なる実施形態では任意であって良く或いは再配置されて良い。
方法1600は、ステップ1602で、光ネットワークに渡りプロビジョニングされた光経路の経路情報を受信することにより、開始して良い。経路情報は、光経路に含まれる共通始点ノード及び第1ROADMノードを指定する。第1ROADMノードの各々は、それぞれ第1XPM補償ユニットを含む。ステップ1604で、少なくとも1つの送信機は、共通始点ノードにおいて、光経路に渡り送信され且つ第1ROADMノードの各々で受信される波長を割り当てるよう構成される。送信機により割り当てられる波長は、第1グループの中の短距離伝搬波長(short-traveling wavelengths:STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(long-traveling wavelengths:LTW)を含む。ここで、第1グループ及び第2グループは、光信号の中で互いにスペクトル的に離れている。ステップ1606で、第1ROADMノードは、第1XPM補償ユニットを用いて、第2グループの中のLTWのXPM補償を実行するよう構成される。ステップ1608で、第1ROADMノードは、XPM補償を伴わず、第1グループの中のSTWを出力光信号へ通過させるよう構成される。
図17を参照すると、例えば光トランスポートネットワーク101(図1を参照)におけるような光ネットワークにおける制御プレーン機能を実装するネットワーク制御部1700の一実施形態の選択された要素のブロック図が示される。さらに、ネットワーク制御部1700は、ソフトウェア定義ネットワーキング(software-defined networking:SDN)制御部として機能して良く、又はそれを更に含んで良い。制御プレーンは、ネットワーク知能及び制御のための機能を有して良く、更に詳細に記載するように発見、ルーティング、経路計算、及びシグナリングのためのアプリケーション又はモジュールを含むネットワークサービスを確立する能力をサポートするアプリケーションを有して良い。特に、ネットワーク制御部1700は、本願明細書に開示のように、XPM及び選択的ノード毎XPMを実施するために使用される制御システムの少なくとも特定部分を表して良い。例えば、ネットワーク制御部1700は、選択的ノード毎XPM及び本願明細書に開示の他の動作を実施するために、適切なコマンドを送信機102、受信機112、及びROADMノードへ送信して良い。
図17では、ネットワーク制御部1700により実行される制御プレーンアプリケーションは、光ネットワークの中でサービスを自動的に確立するために一緒に動作して良い。発見モジュール1712は、近隣同士を接続するローカルリンクを発見して良い。ルーティングモジュール1710は、データベース1704を移植する(populate)間に、光ネットワークノードへローカルリンク情報をブロードキャストして良い。光ネットワークからのサービスに対する要求が受信されると、経路計算エンジン1702は、データベース1704を用いてネットワーク経路を計算するために呼び出されて良い。このネットワーク経路は、次に、要求されたサービスを確立するために、シグナリングモジュール1706に提供されて良い。
図17に示すように、ネットワーク制御部1700は、プロセッサ1708と、記憶媒体1720とを有する。記憶媒体1720は、記憶媒体1720へのアクセスを有するプロセッサ1708により実行可能な実行可能命令(つまり、実行可能コード)を格納して良い。プロセッサ1708は、ネットワーク制御部1700に本願明細書に記載の機能及び動作を実行させる命令を実行して良い。本開示の目的のために、記憶媒体1720は、少なくともある時間期間の間、データ及び命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。記憶媒体1720は、永続的及び揮発性媒体、固定及び取り外し可能媒体、磁気及び半導体媒体を含み得る。記憶媒体1720は、直接アクセス記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ又はフロッピーディスク)、順次アクセス記憶装置(例えば、テープディスクドライブ)、CD(compact disk)、RAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、CD-ROM、DVD(digital versatile disc)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、及びフラッシュメモリのような記憶媒体、非一時的媒体、又はこれらの種々の組合せを有して良いが、これらに限定されない。記憶媒体1720は、命令、データ、又はそれらの両方を格納するよう動作する。図示のような記憶媒体1720は、実行可能コンピュータプログラム、つまり経路計算エンジン1702、シグナリングモジュール1706、発見モジュール1712、及びルーティングモジュール1710を表し得る命令のセット又はシーケンスを有する。
図示のように、図17のネットワーク制御部1700には、ネットワークインタフェース1714も含まれる。ネットワークインタフェース1714は、プロセッサ1708とネットワーク1730との間のインタフェースとして機能するよう動作する適切なシステム、機器又は装置であって良い。ネットワークインタフェース1714は、ネットワーク制御部1700が適切な送信プロトコル又は規格を用いてネットワーク1730を介して通信することを可能にして良い。幾つかの実施形態では、ネットワークインタフェース1714は、ネットワーク1730を介してネットワーク記憶リソースに通信可能に結合されて良い。幾つかの実施形態では、ネットワーク1730は、光トランスポートネットワーク101の少なくとも特定の部分を表す。ネットワーク1730は、ガルバニック又は電子媒体を用いるネットワークの特定部分を有して良い。特定の実施形態では、ネットワーク1730は、インターネットのような公共ネットワークの少なくとも特定部分を有して良い。ネットワーク1730は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの種々の組合せを用いて実装されて良い。
特定の実施形態では、ネットワーク制御部1700は、人(ユーザ)と相互作用し、光信号送信経路に関するデータを受信するよう構成されて良い。例えば、ネットワーク制御部1700は、ユーザからの光信号送信経路に関するデータの受信を実現するために及びユーザに結果を出力するために、1又は複数の入力装置及び出力装置を有し又はそれらに結合されて良い。1又は複数の入力又は出力装置(図示しない)は、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクロフォン、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、オーディオスピーカ、等を有して良いが、これらに限定されない。代替又は追加で、ネットワーク制御部1700は、例えばネットワーク1730を介して、別のコンピューティング装置又はネットワークノードのような装置から光信号送信経路に関するデータを受信するよう構成されて良い。
図17に示すように、幾つかの実施形態では、発見モジュール1712は、光ネットワークにおける光信号送信経路に関するデータを受信するよう構成されて良く、近隣及び近隣同士の間のリンクの発見を担って良い。言い換えると、発見モジュール1712は、発見プロトコルに従って発見メッセージを送信して良く、光信号送信経路に関するデータを受信して良い。幾つかの実施形態では、発見モジュール1712は、特に、ファイバ種類、ファイバ長、コンポーネントの数及び種類、データレート、データの変調フォーマット、光信号の入力パワー、信号搬送波長(つまり、チャネル)の数、チャネル間隔、トラフィック要求、及びネットワークトポロジ、のような特徴を決定して良いが、これらに限定されない。
図17に示すように、ルーティングモジュール1710は、光トランスポートネットワーク101のような光ネットワークの中の種々のノードにリンク接続性情報を伝搬することを担って良い。特定の実施形態では、ルーティングモジュール1710は、リンク帯域幅可用性を含み得る、トラフィックエンジニアリングをサポートするためのリソース情報をデータベース1704に移植して良い。したがって、データベース1704は、ルーティングモジュール1710により、光ネットワークのネットワークトポロジを決定するのに有用な情報を移植されて良い。
経路計算エンジン1702は、光経路長を含む、光信号送信経路の送信特性を決定するために、ルーティングモジュール1710によりデータベース1704に提供される情報を用いるよう構成されて良い。光信号送信経路の送信特性は、特に、色分散(chromatic dispersion:CD)、非線形(nonlinear:NL)効果、偏光モード分散(polarization mode dispersion:PMD)及び偏光依存損失(polarization dependent loss:PDL)のような偏光効果、並びに自然放出雑音(amplified spontaneous emission:ASE)のような送信劣化因子が、光信号送信経路内で光信号にどれ位影響を与え得るかについての見識を提供して良い。光信号送信経路の送信特性を決定するために、経路計算エンジン1702は、送信劣化因子の間の相互作用を検討して良い。種々の実施形態では、経路計算エンジン1702は、特定の送信劣化因子の値を生成して良い。経路計算エンジン1702は、光信号送信経路を記述するデータをデータベース1704に更に格納して良い。
図17で、シグナリングモジュール1706は、光トランスポートネットワーク101のような光ネットワークにおいてエンド-エンドネットワークサービスの設定、変更、及び取り壊しに関連する機能を提供して良い。例えば、光ネットワーク内のイングレスノードがサービス要求を受信すると、ネットワーク制御部1700は、シグナリングモジュール1706を用いて、帯域幅、コスト、等のような異なる基準に従って最適化され得る経路計算エンジン1702からのネットワーク経路を要求して良い。所望のネットワーク経路が識別されると、次に、シグナリングモジュール1706は、要求されたネットワークサービスを確立するために、ネットワーク経路に沿って個々のノードと通信して良い。異なる実施形態では、シグナリングモジュール1706は、ネットワーク経路に沿ってノードへ及びノードから後続の通信を伝搬するために、シグナリングプロトコルを用いて良い。
動作中、ネットワーク制御部1700のモジュールは、本願明細書に開示のような選択的ノード毎XPM補償を備える種々の態様のネットワーク管理を実施して良い。
本願明細書に開示のように、選択的且つノード毎XPM補償のための方法及び装置は、波長のそれぞれの光経路に渡る送信距離に基づき、波長を短距離伝搬波長(STW)及び長距離伝搬波長(LTW)に分けて良い。ROADMノードにおける他の機能の中でも、ROADMノードにおけるXPM補償は、LTWに対して選択的に実行されて良い。一方で、STWは、XPM補償を伴わずに通過されて良い。
以上に開示した主題は、説明のためであり、限定ではないと考えられるべきである。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神及び範囲に包含される全ての変更、拡張及び他の実施形態を包含することを意図している。したがって、法により認められる最大範囲まで、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物の最も広い許容可能な解釈により決定されるべきであり、前述の詳細な説明により限定又は制限されるべきではない。
以上の実施形態に加えて、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 選択的ノード毎相互位相変調(XPM)補償のための再構成可能光アッド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)であって、前記ROADMは、
第1グループの中の短距離伝搬波長(STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(LTW)を含む光信号を受信できる第1光スプリッタであって、前記第1グループ及び前記第2グループは前記光信号の中で互いにスペクトル的に離れている、第1光スプリッタと、
前記第1光スプリッタから前記光信号を受信できる波長選択スイッチ(WSS)であって、前記WSSは、前記STWを出力光信号の中の前記第1グループへ通過させることができる、WSSと、
前記第1光スプリッタから前記光信号を受信できる第2光スプリッタと、
前記第2光スプリッタから前記STW及び前記LTWを受信できる第1相互位相変調(XPM)補償ユニットであって、前記LTWは、前記第1XPM補償ユニットによりXPM補償され、XPM補償LTWとして出力され、前記STWは、前記第1XPM補償ユニットにおいて終端される、第1XPM補償ユニットと、
を有するROADM。
(付記2) XPM補償を伴わず前記STWのうちの少なくとも1つをドロップできる、前記第2光スプリッタにある第1ドロップポートであって、前記WSSは、前記第1ドロップポートでドロップされた前記STWを終端できる、第1ドロップポート、
を更に有する付記1に記載のROADM。
(付記3) 前記第1XPM補償ユニットから前記XPM補償LTWを受信し、前記WSSへ前記XPM補償LTWを送信できる第3光スプリッタであって、前記WSSは、前記出力光信号の中の前記第2グループへと前記XPM補償LTWを切り換えることができる、第3光スプリッタと、
前記XPM補償LTWのうちの少なくとも1つをドロップできる、前記第3光スプリッタにある第2ドロップポートであって、前記WSSは、前記第2ドロップポートでドロップされた前記XPM補償LTWを終端できる、第2ドロップポートと、
を更に有する付記1に記載のROADM。
(付記4) 前記出力光信号の中の前記第1グループに少なくとも1つの新たなSTWをアッドできる、前記WSSにある第1アッドポート、
を更に有する付記1に記載のROADM。
(付記5) 第2アッドポート及び前記WSSへの出力を有する第2相互位相変調(XPM)補償ユニットであって、前記第2XPM補償ユニットは、少なくとも1つの新たなLTWを前記出力光信号の中の前記第2グループにアッドでき、前記新たなLTWをXPM補償できる、第2XPM補償ユニット、
を更に有する付記4に記載のROADM。
(付記6) 前記新たなLTW及び前記新たなSTWのうちの少なくとも1つの波長をシフトできる波長変換ユニット、
を更に有する付記5に記載のROADM。
(付記7) 選択的ノード毎相互位相変調(XPM)補償のための光システムであって、前記光システムは、
複数のノードを有する光ネットワークであって、前記ノードのうちの少なくとも幾つかは、第1相互位相変調(XPM)補償ユニットを備える再構成可能光アッド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードを有する、光ネットワークと、
プロセッサ及び該プロセッサにアクセス可能な記憶媒体を備えるネットワーク制御部と、
を有し、前記記憶媒体は、
前記光ネットワークに渡りプロビジョニングされた光経路の経路情報を受信し、前記経路情報は、前記光経路に含まれる共通始点ノード及び第1ROADMノードを指定し、前記第1ROADMノードの各々は、前記第1XPM補償ユニットをそれぞれ含み、
前記光経路に渡り送信され及び前記第1ROADMノードの各々で受信される波長を割り当てるために、前記共通始点ノードにある少なくとも1つの送信機を構成し、前記送信機により割り当てられる前記波長は、第1グループの中の短距離伝搬波長(STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(LTW)を有し、前記第1グループ及び前記第2グループは、光信号の中で互いにスペクトル的に離れており、
前記第1XPM補償ユニットを用いて前記第2グループの中の前記LTWのXPM補償を実行するために、前記第1ROADMノードを構成する、
ために前記プロセッサにより実行可能な命令を格納する、光システム。
(付記8) 前記命令は、
前記第1グループの中の前記STWのうちの少なくとも1つを、XPM補償を伴わず、出力光信号へ通過させるために、前記第1ROADMノードを構成する、
ための命令を更に有する、付記7に記載の光システム。
(付記9) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかから選択された第2ROADMノードは、前記光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなLTWを受信する第1アッドポートを有する第2XPM補償ユニットを更に有し、前記命令は、
前記第2XPM補償ユニットを用いて前記第1アッドポートで受信した前記新たなLTWをXPM補償するために、前記第2ROADMノードを構成する、
ための命令を更に有する、付記7に記載の光システム。
(付記10) 前記第2ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、前記光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなSTWを受信できる第2アッドポートを有し、前記命令は、
前記新たなSTWのXPM補償を伴わず、前記第2アッドポートからの前記新たなSTWを出力光信号の中の第1グループにアッドするために、前記第2ROADMノードを構成する、
ための命令を更に有する、付記9に記載の光システム。
(付記11) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、前記新たなLTW及び前記新たなSTWのうちの少なくとも1つの波長をシフトできる波長変換ユニットを有する、付記10に記載の光システム。
(付記12) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、XPM補償を伴わない前記STWのうちの少なくとも1つをドロップできる第1ドロップポートを有する、付記7に記載の光システム。
(付記13) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、XPM補償LTWのうちの少なくとも1つをドロップできる第2ドロップポートを有する、付記12に記載の光システム。
(付記14) 光信号の選択的ノード毎相互位相変調(XPM)補償のための方法であって、前記方法は、
光ネットワークに渡りプロビジョニングされた光経路の経路情報を受信するステップであって、前記経路情報は、前記光経路に含まれる共通始点ノード及び第1再構成可能光アッド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)ノードを指定し、前記第1ROADMノードの各々は、第1XPM補償ユニットをそれぞれ含む、ステップと、
前記光経路に渡り送信され及び前記第1ROADMノードの各々で受信される波長を割り当てるために、前記共通始点ノードにある少なくとも1つの送信機を構成するステップであって、前記送信機により割り当てられる前記波長は、第1グループの中の短距離伝搬波長(STW)及び第2グループの中の長距離伝搬波長(LTW)を含み、前記第1グループ及び前記第2グループは、前記光信号の中で互いにスペクトル的に離れている、ステップと、
前記第1XPM補償ユニットを用いて、前記第2グループの中の前記LTWのXPM補償を実行するために、前記第1ROADMノードを構成するステップと、
を有する方法。
(付記15) 前記第1グループの中の前記STWを、XPM補償を伴わず、出力光信号へ通過させるために、前記第1ROADMノードを構成するステップ、
を更に有する付記14に記載の方法。
(付記16) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかから選択された第2ROADMノードは、前記光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなLTWを受信する第1アッドポートを有する第2XPM補償ユニットを更に有し、
前記第2XPM補償ユニットを用いて前記第1アッドポートで受信した前記新たなLTWをXPM補償するために、前記第2ROADMノードを構成するステップ、
を更に有する付記14に記載の方法。
(付記17) 前記第2ROADMノードのうちの少なくとも幾つかは、前記光信号にアッドされる少なくとも1つの新たなSTWを受信できる第2アッドポートを有し、
前記新たなSTWのXPM補償を伴わず、前記第2アッドポートからの前記新たなSTWを出力光信号の中の前記第1グループにアッドするために、前記第2ROADMノードを構成するステップ、
を更に有する付記16に記載の方法。
(付記18) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかに含まれる波長変換ユニットを用いて、前記新たなLTW及び前記新たなSTWのうちの少なくとも1つの波長をシフトするステップ、
を更に有する付記17に記載の方法。
(付記19) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかに含まれる第1ドロップポートを用いて、前記光信号からXPM補償を伴わない前記STWのうちの少なくとも1つをドロップするステップ、
を更に有する付記14に記載の方法。
(付記20) 前記第1ROADMノードのうちの少なくとも幾つかに含まれる第2ドロップポートを用いて、前記XPM補償LTWのうちの少なくとも1つをドロップするステップ、
を更に有する付記19に記載の方法。