JP7061354B2 - 化粧用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水素を発生可能な化粧用組成物に関する。
クリーム等の化粧料に水素を含有することにより、水素の還元作用と化粧料自体の美容作用の相乗効果により、皮膚に生成した活性酸素を分解し、シミやくすみ、しわなどの予防や低減、改善など皮膚の若返り・柔軟性および血行促進等による美容効果が期待できる。
化粧料に水素を含有させる手法として、水と接触して水素を発生可能な水素発生パウダーを当該化粧料に配合することが可能である。水素発生パウダーを含む化粧料を例えば肌に塗布すると、肌にもともとある水分、並びに、外気に含まれる水蒸気が水素発生パウダーと反応して、当該化粧料中に水素が発生する。これにより、前記化粧料は還元作用を備えることができる。
特許文献1及び特許文献2には、そのような水素発生パウダーを含有するクリームが開示されている。
特開2015-42618号公報 特開2015-199672号公報
一方、水素を発生させる手段として、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等の水素発生可能なシリコーンを使用することが可能である。そこで、化粧料にそのような水素発生性シリコーンを配合することが考えられる。
但し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは比較的安定であり、水と接触するだけでは水素は発生せず、酸性又はアルカリ性の環境下に置くことが必要である。したがって、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと共に酸又はアルカリを化粧料に配合する必要がある。
しかし、人体への適用を前提とする化粧料の中に酸又はアルカリをそのままで配合すると不快な刺激を与えやすい。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び、酸又はアルカリをそのまま含む化粧料は大気中の水蒸気等の環境下の水分と接触すると経時的に不安定化する傾向がある。
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、使用時に水素を発生可能であり、低刺激であり、経時的に安定な化粧用組成物を提供しようとするものである。
本発明の目的は、組成物の全重量を基準として、
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1~30.0重量%、及び
(B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子 0.1~10.0重量%
を含む化粧用組成物によって達成される。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンはメチルハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましい。
前記酸はクエン酸又はグリコール酸であることが好ましい。
前記アルカリは炭酸水素ナトリウム又は水酸化カリウムであることが好ましい。
本発明の化粧用組成物は皮膚化粧料であることが好ましい。
本発明の化粧用組成物は、使用時に水素を発生可能であり、低刺激であり、経時的に安定である。
本発明の化粧用組成物を、例えば、肌に塗布すると、肌の水分及び/又は外気に含まれる水蒸気、並びに、当該化粧料に含まれる酸又はアルカリの作用により、オルガノハイドロジェンポリシロキサンから水素が発生する。これにより、本発明の化粧用組成物は還元作用を備えることができる。したがって、本発明の化粧用組成物は、皮膚に生成した活性酸素を分解し、シミやくすみ、しわなどの予防や低減、改善など皮膚の若返り・柔軟性および血行促進等による美容効果を発揮することができる。
また、本発明の化粧用組成物は、伸びが良く、自然な化粧膜を形成可能である。したがって、本発明の化粧用組成物は、水素による還元作用で美容効果のあらわれた肌を、生き生きとみせることができる。
一般に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、3以下のpH並びに8以上のpHの水存在条件下で水素を発生させる。したがって、オルガノハイドロジェンポリシロキサンから水素を発生させるためには酸又はアルカリを存在させる必要がある。しかし、酸又はアルカリをそのまま使用すると、肌への刺激性が高まり不快感をもたらす傾向が増大する。
そこで、本発明者は、鋭意検討の結果、酸又はアルカリをそのままでは使用せず、酸又はアルカリを多孔質微粒子に内包させたものを使用することにより、酸又はアルカリが肌に直接接触しないようにし、肌への刺激性を抑制することとした。
本発明の化粧用組成物では、非使用時には、酸又はアルカリはオルガノハイドロジェンポリシロキサンとは反応しないので水分の存在下でも水素が発生しない。したがって、組成物中に微量の水分が含まれていても、或いは、外気中の水蒸気と接触しても、本発明の化粧用組成物は水素を発生しない。したがって、本発明の化粧用組成物は経時安定性に優れている。
一方、本発明の化粧用組成物は、使用時には、例えば、塗布時の指と肌との摩擦により、酸又はアルカリを含む多孔質微粒子が壊れ、酸又はアルカリが多孔質微粒子から排出される。したがって、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、肌の水分及び/又は外気に含まれる水蒸気、並びに、多孔質微粒子から排出された酸又はアルカリとの反応により水素を発生する。したがって、本発明の化粧用組成物は、使用時に水素を発生可能である。
斯くして、本発明の化粧用組成物は、組成物の全重量を基準として、
(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1~30.0重量%、及び
(B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子 0.1~10.0重量%
を含む。但し、本発明の化粧用組成物は、上記(A)及び(B)成分の他に化粧料に汎用の各種の任意成分を含むことができる。
本発明における各成分としては、いずれも一般に市販されているものを使用することができる。
以下、各成分について詳述する。
[オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
本発明の化粧用組成物は少なくとも1種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む。2種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含んでもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中に少なくとも1つのケイ素原子結合水素原子を有する。本発明で使用されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、3以下のpH並びに8以上のpHの水存在条件下で水素を発生させることができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部を水素原子で置換した、メチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、以下の化学式(1)で表されるものを挙げることができる。
Figure 0007061354000001
[上記式(1)中、Meはメチル基を表し、n及びmは整数である。]
上記式(1)中、n+mは7以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。また、n+mは50以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。また、nとmの比は、n:m=1:0.2~1:4であることが好ましく、1:0.5~1:2であることがより好ましい。
メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、「KF-99P」、「KF9901」(信越化学工業(株))製)、「SH1107C」、「AM-3100」(東レ・ダウコーニング(株)製)、「TSF484A」(モメンティブ社製)等が挙げられる。
本発明の化粧用組成物に含まれる(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの量は、組成物の全重量を基準として、0.1~30.0重量%である。(A)成分の量が0.1重量%未満では水素発生量が不足するおそれがある。一方、(A)成分の量が30.0重量%超では透明感が増して化粧膜の自然さが悪化するおそれがある。(A)成分の量は、組成物の全重量を基準として、0.5~30.0重量%が好ましく、0.5~20.0重量%がより好ましく、1.0~20.0重量%が更により好ましい。
[少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子]
本発明の化粧用組成物は、少なくとも1種の酸又はアルカリを含む、少なくとも1種の多孔質微粒子を含む。多孔質微粒子はそれぞれ独立して2種以上の酸又はアルカリを含んでもよい。また、本発明の化粧用組成物は2種以上の多孔質微粒子を含んでもよい。
(酸)
本発明で使用される酸は特には限定されるものではなく、化粧料に汎用される各種の有機酸又は無機酸或いはこれらの混合物を使用することができる。
酸としては、有機酸が好ましく、乳酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等のヒドロキシ酸がより好ましく、クエン酸及びグリコール酸が更により好ましい。本発明の好適な態様では、これらの有機酸のいずれか1種又は2種以上を使用することができる。
上記の酸を多孔質微粒子に含有(乃至包含)させることにより、酸自体が刺激性を有するものであっても、本発明の化粧用組成物の肌への刺激を抑制することができる。
(アルカリ)
本発明で使用されるアルカリ(塩基)は特には限定されるものではなく、化粧料に汎用される各種の有機塩基又は無機塩基或いはこれらの混合物を使用することができる。
無機塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。有機塩基としては、例えば、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類を挙げることができる。アルカリとしては無機塩基が好ましく、重曹及び水酸化カリウムがより好ましい。本発明の好適な態様では、これらの無機塩基のいずれか1種又は2種以上を使用することができる。
上記のアルカリを多孔質微粒子に含有(乃至包含)させることにより、アルカリ自体が刺激性を有するものであっても、本発明の化粧用組成物の肌への刺激を抑制することができる。
[多孔質微粒子]
酸又はアルカリを含有する多孔質微粒子としては、多孔質の微粒子である限り任意のものを使用することが可能であり、その材質も、各種の無機物質及び/又は有機物質を使用することができる。
前記無機物質としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム等の珪酸塩、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸マグネシウム、リン酸ジルコニウム、アパタイト等のリン酸塩;アルミナ、二酸化珪素(シリカ)等の金属酸化物;ゼオライト等のアルミノ珪酸塩のいずれか1種又は2種以上を使用することができる。
前記有機物質としては、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、セルロース、ポリアミド、ポリビニルホルマール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂及び天然繊維物質のいずれか1種又は2種以上を使用することができる。前記天然繊維物質としては、セルロース等の多糖類が好ましい。
多孔質微粒子の平均粒子径は1~100μmが好ましく、1~10μmがより好ましく、1~5μmが更により好ましい。平均粒子径は重量平均粒子径又は体積平均粒子径として測定することができる。
多孔質微粒子に酸又はアルカリを含有させることにより、(B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子とすることができる。
多孔質微粒子が酸又はアルカリを含むとは、多孔質微粒子の内部及び表面の孔に酸又はアルカリが含まれることをいう。
多孔質微粒子に酸又はアルカリを含有させるための方法は、多孔質微粒子の材質及び作成方法にもよるが、例えば、無機物質からなる多孔質微粒子に酸又はアルカリを含有させるためには、加圧状態及び/又は減圧状態にて、液体状態の酸又はアルカリ(例えば、酸又はアルカリの溶液若しくは分散液、或いは、酸又はアルカリ自体が液体である場合はそのまま)を多孔質微粒子に含浸させるとよい。ここで、酸又はアルカリを多孔質微粒子に含浸させる際の圧力は0.1~2.0MPaが好ましく、1.2~1.5MPaがより好ましい。含浸させる時間については、酸又はアルカリが多孔質微粒子に充分に含浸されれば特に限定はなく、また酸又はアルカリ及び多孔質微粒子の種類にもよるが、例えば10分~2時間とすることができる。なお、多孔質微粒子を酸又はアルカリが存在する気体媒体(例えば、酸又はアルカリが粒子の状態で浮遊している気体)中に置き、当該気体媒体の圧力を高めることによっても、酸又はアルカリ含有多孔質微粒子を製造することができる。酸又はアルカリを多孔質微粒子に含有させる際に、例えば、溶媒、界面活性剤等の酸又はアルカリ以外の物質を併用して、当該物質をも多孔質微粒子に含有させてもよい。
酸含有多孔質微粒子としては、市販品としては、「クエン酸MC」、「グリコール酸MC」(エネックス(株))社製)等が挙げられる。含有される酸の量は特には限定されるものではないが、酸含有多孔質微粒子の全重量を基準として、例えば、10~60重量%とすることができ、20~50重量%が好ましく、30~40重量%が更により好ましい。
アルカリ含有多孔質微粒子としては、市販品としては「KOH―MC」、「重曹MC」(エネックス(株))社製)等があげられる。含有されるアルカリの量は特には限定されるものではないが、アルカリ含有多孔質微粒子の全重量を基準として、例えば、10~60重量%とすることができ、20~50重量%が好ましく、30~40重量%が更により好ましい。
本発明の化粧用組成物は多孔質微粒子を含んでいるので、汗、油分を吸収することも可能となり、本発明により得られる化粧膜をマットな自然な外観とすることができる。
本発明の化粧用組成物に含まれる(B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子の量は、組成物の全重量を基準として、0.1~10.0重量%である。(B)成分の量が0.1重量%未満では水素発生量が不足するおそれがある。一方、(B)成分の量が10.0重量%超では刺激性が高まるおそれがある。(B)成分の量は、組成物の全重量を基準として、0.5~10.0重量%が好ましく、0.5~5重量%がより好ましく、0.5~3.5重量%が更により好ましい。
本発明の化粧用組成物は、好ましくは、
(A)メチルハイドロジェンポリシロキサン 1.0~20.0重量%、
(B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子 0.5~3.5重量%
を含む。
[その他の成分]
本発明の化粧用組成物は、少なくとも1種のその他の任意成分も含んでもよい。
その他の任意成分としては、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、(A)成分以外のシリコーン類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、保湿剤、増粘剤、被膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、香料、顔料、染料等を挙げることができる。
本発明の化粧用組成物は水を含むことができるが、安定性の向上のためには、水を実質的に含まない方が好ましい。例えば、本発明の化粧用組成物に含まれる水は、組成物の全重量を基準として、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下が更により好ましい。本発明の化粧用組成物は添加成分としての水を含まない無水組成物であることが特に好ましい。但し、無水組成物であっても、例えば、大気中に含まれる水蒸気等に由来する微量の水分を含んでもよい。
本発明の化粧用組成物の製造方法は特には限定されるものではなく、上記(A)及び(B)成分、そして、必要に応じて、その他の任意成分を適宜混合することによって本発明の化粧用組成物を製造することができる。好ましくは、上記(A)及び(B)成分を化粧料に好適な媒体に混合することによって本発明の化粧用組成物を好適に製造することができる。
前記媒体は特には限定されるものではないが、グリセリン、アルキルポリグリセリン等のグリセリン類、或いは、シリコーンエラストマー、シクロペンタシロキサン等のシリコーン類を含むことが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
実施例1~15及び比較例1及び2の組成物を表1及び表2に示されている成分を混合することにより調製した。成分量の数値は有効成分の「重量%(質量%)」に基づく。
Figure 0007061354000002
表1に示す「実施例1」~「実施例7」は、本発明者が、(A)メチルハイドロジェンポリシロキサン、(B)重曹(炭酸水素ナトリウム)含有多孔質微粒子、及び、(C)クエン酸含有多孔質微粒子を含む組成物において(B)成分及び(C)成分の配合量を2.0重量%に固定し、(A)成分の配合量を変えて、又、アルカリ剤若しくは酸の種類変えて、本発明が目的とする、水素発生可能な化粧用組成物であって、低刺激であり、経時安定性の高い化粧用組成物を製造するのに最適な配合量を見つけ出すためにテストを繰り返した際に採用した配合量を示したものである。なお、実施例1~6はグリセリンゲルベースであるのに対し、実施例7はシリコーンゲルベースである。また、「比較例1」は(B)成分の重曹含有多孔質微粒子の代わりに含有する重曹だけを配合し、マイクロカプセル化されたもの(実施例3)との差をみるものである。
「実施例1」~「実施例6」及び「比較例1」において、「メチルハイドロジェンポリシロキサン」は信越化学工業社製の「KF-99P」を、「プロパンジオール」はデュポン社製の「Zemea Select」を、「グリセリン」は阪本薬品工業社製の「化粧品用濃グリセリン」を、「アルキルポリグリセリル」は日清オイリオグループ社製「ノムコートHK-P」を、それぞれ使用した。「実施例7」において、「メチルハイドロジェンポリシロキサン」は信越化学工業社製のKF-99Pを、「シリコーンエラストマー」は東レダウコーニング社製「9040 SILICONE ELASTOMER BLEND」を、「ポリエチレングリコール1500」は東邦化学社製「PEG-1500」をそれぞれ使用した。また、比較例1の「重曹」として関東化学(株)社製「炭酸水素ナトリウム」を使用した。
Figure 0007061354000003
表2に示す「実施例8」~「実施例15」は、本発明者が、(A)メチルハイドロジェンポリシロキサン、(B)重曹(炭酸水素ナトリウム)若しくは水酸化カリウム(KOH)を含む多孔質微粒子、又は、(C)クエン酸若しくはグリコール酸を含む多孔質微粒子を含む組成物において(A)成分の配合量を10.0重量%に固定し、(B)成分又は(C)成分の種類を変えて、本発明が目的とする、水素発生可能な化粧用組成物で、低刺激であり、経時安定性の高い化粧用組成物を製造するのに最適な配合量を見つけ出すためにテストを繰り返した際に採用した配合量を示したものである。また、「比較例2」は、上記(B)成分及び(C)成分が配合されていない例を示す。
「実施例8」~「実施例15」及び「比較例2」において、「メチルハイドロジェンポリシロキサン」は信越化学工業社製の「KF-99P」を、「プロパンジオール」はデュポン社製の「Zemea Select」を、「グリセリン」は阪本薬品工業社製の「化粧品用濃グリセリン」を、「アルキルポリグリセリン」は日清オイリオグループ社製「ノムコートHK-P」を、それぞれ使用した。
実施例1~15及び比較例1~2の組成物の特性を評価した。評価項目及び評価法は以下のとおりである。
(評価項目)
(1)官能テストによる使用感(伸びの良さ、刺激の無さ、化粧膜の自然さ)
(2)経時安定性
(3)溶存水素量測定
(評価法)
(1)官能テスト
専門パネル10名による使用テストを実施した。具体的には、使用時の、上記(1)の項目について絶対評価5段階(*1)で評価した。各パネルに各試料ごとに評点をつけてもらい、平均値を算出した。その平均値により、判定基準4段階(*2)で判定した。
*1 絶対評価における評点
5:非常によい。
4:良い。
3:良いか悪いかどちらとも言えない。
2:やや悪い。
1:悪い。
*2 判定基準
4.0~5.0:非常に良いとして◎印を付した。
3.0~4.0未満:良いとして○印を付した。
2.0~3.0未満:どちらとも言えないとして△印を付した。
1.0~2.0未満:悪いとして×印を付した。
(2)経時安定性
検査員1名による目視観察を実施した。具体的には、20mlの密閉性透明プラスチックボトル(PP製)に試料15gをいれて、40℃の恒温槽に7日間放置して、外観(ボトルの中身)の変化を目視で観察した。そして、下記の判定基準(*3)に基づき安定性を判定した。
*3 判定基準
全く変化が見られない:非常に安定として◎印を付した。
変化がみられない:安定として○印を付した。
少し変化が見られる:不安定として△印を付した。
非常に変化が見られる:非常に安定性が悪いとして×印を付した。
(3)溶存水素量測定
溶存水素分析計(KM2100DH、共栄電子研究所製)にて、溶存水素量を測定して評価した。具体的には、各試料1.0gを、溶存水素分析計の専用フローセル(内容積:220mL)にイオン交換水215mL中に分散させ、室温で、マグネチックスタラーで250rpmで撹拌しつつ、60分後までの水素量を5分毎に測定した。その値で、最大値をもって溶存水素量値とした。
判定は次のように行った。その値が300ppb以上ならば、非常によく水素が発生しているとして、◎印を付した。その値が100~300ppb未満ならば、良く水素が発生しているとして、○印を付した。その値が30~100ppb未満ならば一応水素が発生しているとして、△印を付した。その値が0~30ppb未満ならば十分な水素が発生していないとして、×印を付した。
更に、上記評価の結果に基づき、実施例1~14及び比較例1~2の総合評価を行った。
結果を表3及び表4に示す。
Figure 0007061354000004
Figure 0007061354000005
表3及び表4に示すように、実施例1~実施例15の組成物のうち、最も優れていると評価されたものは実施例3の組成物であった。実施例8及び9の組成物もかなり優れているという評価を得た。その他の実施例1、2、4~7及び10~15の組成物も、優れていると評価され、化粧用組成物としては普通に使用することができるという評価であった。
一方、比較例1の組成物は、「刺激の無さ」、「化粧膜の自然さ」及び「経時安定性」が劣っていた。また、比較例2の組成物は「溶存水素量」が劣っていた。
すなわち、実施例1~実施例15に示す本発明の化粧用組成物は、所定量の、(A)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子を含むことにより、いずれも、比較例1及び比較例2の組成物と比べて、低刺激性であり、且つ、経時安定性及び溶存水素量に優れる。すなわち、実施例1~実施例15に示す本発明の化粧用組成物は、使用時に水素を発生可能であり、低刺激であり、経時的に安定である。更に、実施例1~実施例15に示す本発明の化粧用組成物は、比較例1及び比較例2の組成物よりも、伸びが良く、自然な化粧膜をもたらすことが可能である。

Claims (2)

  1. 組成物の全重量を基準として、
    (A)メチルハイドロジェンポリシロキサン 0.5~30.0重量%、及び
    (B)少なくとも1種の酸又はアルカリを含む多孔質微粒子 0.55.0重量%
    (C)多価アルコール
    を含む化粧用組成物であって、
    前記酸がクエン酸又はグリコール酸であり、
    前記アルカリが炭酸水素ナトリウム又は水酸化カリウムであり、
    前記酸又はアルカリの量が、酸又はアルカリを含む多孔質粒子の全重量を基準として20~50重量%である、化粧用組成物
  2. 皮膚化粧料である、請求項に記載の化粧用組成物。
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