JP5722615B2 - ジェル状組成物 - Google Patents
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一方、皮脂は過剰に分泌されると、テカリやべたつきの原因となる。そのため、過剰に分泌された皮脂を有機粉体等の吸油性物質で物理的に吸着させる方法が検討されてきた。特に吸油性物質であるシリコーン粉体は、さらりとしたべたつきのない使用感を有していることから、多くの化粧料に配合されている。例えば、シリコーン粉体と有機粉体や無機粉体を配合することによって、べたつきが抑制され、サラサラ感のある官能特性に優れた化粧料が提案されている(特許文献1)。しかし、シリコーン粉体が疎水性で、水性化粧料中での安定性が悪いため、シリコーン粉体を揮発性油剤で分散させた後、架橋型ポリアクリル系高分子を含有する水相に分散させる方法(特許文献2)や、シリコーン粉体を水に分散させてなるシリコーン粉体分散液を化粧料に用いる方法(特許文献3、4)が提案されている。
従って、本発明の課題は、皮脂によるテカリやべたつきが抑制され、保存安定性に優れたジェル状組成物を提供することにある。
(A)表面がシリカ微粉末で被覆された架橋型メチルポリシロキサン粉体、
(B)水溶性高分子、
(C)1価〜3価のアルコールから選ばれる1種又は2種以上、及び
(D)HLBが1〜8の25℃で液状又はペースト状の非イオン性界面活性剤、
を含有することを特徴とするジェル状組成物を提供するものである。
本発明においてジェル状組成物とは、25℃において粘性を有する水含有組成物をいう。その粘度は25℃において2500mPa・s以上が好ましく、さらに好ましくは3000〜70000mPa.sであり、より好ましくは5000〜40000mPa・sである。かかるジェル状組成物は手に取ったときに適度な粘度を有するため、肌に塗布しやすい。
ここで、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡写真中、任意の視野の任意の粒子20個についての粒子径の平均値を平均粒子径とすることができる。
ここで、エラストマー硬度は、成分(A)をシート状に硬化させて、JIS K 6301に規定されるJIS A硬度計により測定することができる。
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性)×10
ここで、Σ無機性値/Σ有機性は、IOB値(Inorganic-Organic Balance)と呼ばれ、各種原子及び官能基毎に設定された「無機性値」、「有機性値」に基づいて、界面活性剤等の有機化合物を構成する原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することにより算出することができる(甲田善生著、「有機概念図−基礎と応用−」、11〜17頁、三共出版、1984年発行参照)。
表1に示した処方に従い、ジェル状美容液を常法により調製した。これらを用いて、下記の(1)皮脂抑制試験、(2)保存安定性試験を実施し、それぞれ評価した。結果は表1に併せて示した。なお、得られた実施例1〜5のジェル状美容液の25℃における粘度(B型粘度計で測定)は、約10000〜25000mPa・sの範囲であった。
本試験は、皮膚疑似モデル(ビューラックス社製)により評価した。すなわち、上記美容液(0.04mL)を皮膚疑似モデルに塗布し、その上から擬似皮脂(精製マカデミア油:スクワラン:オレイン酸=2:1:1)(0.06μl)を塗布した。そして0.5時間後、並びに2時間後の皮膚疑似モデルのテカリの状態について観察した。評価は、皮膚疑似モデルに疑似皮脂のみを塗布したコントロールと比較し、下記基準に従って判定した。
5:全くテカリが見られない
4:ほとんどテカリが見られない
3:テカリはみられるが目立たない
2:ややテカリが目立つ
1:非常にテカリが目立つ
3:ベタツキはほとんど感じない
2:少しベタツキを感じる
1:ベタツキがある
表1に示したジェル状美容液をガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に1ヶ月間保管した。調製直後の状態を基準として、1ヶ月後の外観の変化を下記基準より判定した。
(評価基準)
○:分離が見られる
×:分離が見られない
注2:シリコンBY29−123(東レ・ダウコーニング社製)
注3:トレフィルE−506S(東レ・ダウコーニング社製)
注4:EP−9261TI COSMETIC POWDER(東レ・ダウコーニング社製)
注5:EP−9289LL COSMETIC POWDER(東レ・ダウコーニング社製)
注6:EP−9293AL COSMETIC POWDER(東レ・ダウコーニング社製)
次に、以下の処方に従い、常法にてジェル状美容液を調製し、上記各種試験を行ったところ、いずれも皮脂抑制効果に優れ良好な保存安定性を有するものであった。
実施例6 実施例7
シリカ被覆架橋型メチルポリシロキサン粉体(注1) 10 10
カルボキシビニルポリマー 0.24 −
アルキル変性ビニルポリマー − 0.24
エタノール 10 10
ジプロピレングリコール 5 5
1,3−ブチレングリコール 2 2
グリセリン 2 2
モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB:5) 0.5 0.5
エデト酸2ナトリウム 0.02 0.02
フェノキシエタノール 0.1 0.1
イソプロピルメチルフェノール 0.1 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 0.1
ニコチン酸アミド 0.1 0.1
水酸化カリウム 0.12 0.12
純水 残量 残量
配合量(質量%)
(1)シリカ被覆架橋型メチルポリシロキサン粉体(注1) 10
(2)カルボキシビニルポリマー 0.24
(3)エタノール 10
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)1,3−ブチレングリコール 2
(6)グリセリン 2
(7)モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB:5) 0.5
(8)エデト酸2ナトリウム 0.02
(9)フェノキシエタノール 0.1
(10)イソプロピルメチルフェノール 0.1
(11)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(12)ニコチン酸アミド 0.1
(13)プルーン酵素分解物 0.1
(14)タイムエキス 0.1
(15)エイジツエキス 0.1
(16)N−メチル−L−セリン 0.1
(17)豆乳発酵液 0.1
(18)スギノリ 0.1
(19)サンショウ 0.1
(20)タチバナエキス 0.1
(21)水酸化カリウム 0.12
(22)純水 残量
配合量(質量%)
(1)シリカ被覆架橋型メチルポリシロキサン粉体(注1) 10
(2)アルキル変性ビニルポリマー 0.24
(3)エタノール 10
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)1,3−ブチレングリコール 2
(6)グリセリン 2
(7)セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB:7) 0.5
(8)エデト酸2ナトリウム 0.02
(9)フェノキシエタノール 0.1
(10)イソプロピルメチルフェノール 0.1
(11)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(12)ニコチン酸アミド 0.1
(13)プルーン酵素分解物 0.1
(14)タイムエキス 0.1
(15)エイジツエキス 0.1
(16)N−メチル−L−セリン 0.1
(17)豆乳発酵液 0.1
(18)シルクプロテインエキス 0.1
(19)ディオスコレアコンポジータ根エキス 0.1
(20)ミネラル酵母 0.1
(21)水酸化カリウム 0.12
(22)純水 残量
配合量(質量%)
(1)シリカ被覆架橋型メチルポリシロキサン粉体(注1) 10
(2)カルボキシビニルポリマー 0.4
(3)エタノール 5
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)1,3−ブチレングリコール 5
(6)ジグリセリン 4
(7)モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB:5) 0.5
(8)トリス(トリメチルトリシロキシ)メチルシラン 0.5
(8)エデト酸2ナトリウム 0.02
(9)フェノキシエタノール 0.1
(11)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(12)ニコチン酸アミド 0.1
(13)プルーン酵素分解物 0.1
(14)タイムエキス 0.1
(15)エイジツエキス 0.1
(16)N−メチル−L−セリン 0.1
(17)エチルグルコシド液 0.1
(18)ジオウエキス 0.1
(19)マリンコラーゲン 0.1
(20)水酸化カリウム 0.12
(21)純水 残 量
Claims (7)
- 下記成分(A)〜(D)を含有し、油分の含有量が5質量%以下であるジェル状組成物。
(A)表面がシリカ微粉末で被覆された架橋型メチルポリシロキサン粉体 3〜18質量%
(B)水溶性高分子
(C)1価〜3価のアルコールから選ばれる1種又は2種以上
(D)HLBが1〜8の25℃で液状又はペースト状の非イオン性界面活性剤 - 成分(D)と成分(A)の含有質量比(D)/(A)が、0.03〜0.1である請求項1に記載のジェル状組成物。
- 成分(D)が、25℃で液状の非イオン性界面活性剤である請求項1又は2に記載のジェル状組成物。
- 成分(D)が、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
- 成分(A)が、平均粒子径0.1〜100μmであり、エラストマー硬度15〜65である請求項1〜4のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
- 成分(B)が、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
- 成分(C)が、炭素数1〜4の1価アルコール、炭素数2〜6の2価アルコール及び炭素数3〜6の3価アルコールからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のジェル状組成物。
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