JP7061314B2 - 顕微鏡観察用培養装置 - Google Patents

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Description

本発明は、顕微鏡ステージ上に設置される培養容器と、前記培養容器への液体の供給と排出を行う給排部と、前記給排部をプログラム動作により制御可能なコントローラとを備えた顕微鏡観察用培養装置に関するものである。
特許文献1に開示された顕微鏡観察用培養装置では、培養容器を顕微鏡ステージに設置して使用するようになっている。
このような装置では、温度や湿度と言った培養環境を維持できるよう構成されており、潅流、培地の交換、薬液の投与、混合と言った作業は作業者が完全に手作業で行うか、或いは、ボタンの押下等によるマニュアル操作で行っている。
而して、完全な手作業では、作業者の熟練度に差があることから、標準化が難しい。マニュアル操作では、その欠点は幾分解消されるが、作業のタイミングを計ることも慣れが必要である。
最近では、長時間にわたって細胞等を所定の時間間隔で継続的に顕微鏡観察するようになってきており、途中の作業の失敗でこのような長時間試験が徒労に終わると、手間の損失が大きくなる。
一方、プログラム動作でコントローラから動作指令を発するようにすると、作業者の手から上記した作業が完全に離れることになるが、熟練された作業者は、細胞等へのダメージを極力抑えるよう、繊細且つ慎重な作業を行っており、そのような気配りも失われることになる。
特開2008-259430号公報
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、プログラム動作による潅流、培地の交換、薬液の投与、混合と言った作業が細胞へ刺激を極力与えることのないよう、特に、培養容器への液体の供給と排出を行う給排部の構成形状に工夫を凝らした、新規且つ有用な顕微鏡観察用培養装置を提供することを、その目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、顕微鏡ステージ上に設置される培養容器と、前記培養容器への液体の供給と排出を行う給排部と、前記給排部をプログラム動作により制御可能なコントローラとを備えた顕微鏡観察用培養装置において、前記給排部の供給専用端部は、前記培養容器内に垂下され、下端側が半割り状になって舌片状に連なったパイプで構成されており、液体の供給時に、前記液体が前記舌片状部分を伝わって流下し前記培養容器の液面に導かれることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載した顕微鏡観察用培養装置において、給排部の排出専用端部が、培養容器内に垂下され、横孔が形成されたパイプで構成されており、前記横孔は、液面の上限位置に配置されており、前記給排部の給排兼用端部が、前記培養容器内に垂下され、横孔が形成されたパイプで構成されており、前記横孔は、液面の下限位置に配置されており、互いの横孔が対向せずに外方を向いていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載した顕微鏡観察用培養装置において、給排部の排出専用端部と給排兼用端部は近接して垂下されており、互いの横孔が外方を向いて配置されることを特徴とすることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載した顕微鏡観察用培養装置において、給排兼用端部の横孔は、液体の供給時に培養容器に入れられた液体を囲む側面に沿って渦状の液流が発生する位置に設定可能になっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載した顕微鏡観察用培養装置において、培養容器は断面円形のディッシュになっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項6の発明は、請求項4または5に記載した顕微鏡観察用培養装置において、培養容器内にインサートが着脱自在になっており、且つ給排兼用端部の横孔の向きが変更可能になっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載した顕微鏡観察用培養装置において、給排兼用端部の保持部が複数位置に形成されており、給排兼用端部の保持位置を変更することで、インサートを使用した場合と前記インサートを使用しない場合とで横孔の向きが変更可能になっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載した顕微鏡観察用培養装置において、給排部はチューブポンプにより培養容器への液体の供給と排出を行うことを特徴とする顕微鏡観察用培養装置である。
本発明の顕微鏡観察用培養装置によれば、培養容器への液体の供給と排出を行う給排部の構成形状に特徴があり、熟練作業者の手を介さずに、プログラム動作で作業させた場合でも潅流、培地の交換、薬液の投与、混合と言った作業を信頼性高く行わせることができる。
本発明の実施の形態に係る顕微鏡観察用培養装置の全体の斜視図である。 図1のコントロール側に設けられたピンチバルブの動作説明図である。 図1の培養容器を含む培養器の分解斜視図である。 図3の培養容器の斜視図である。 図4におけるインサート無しの場合のディッシュと各種パイプの概略的な配置関係図である。 図5の各種パイプの形状説明図である。 図5のディッシュ内のパイプの配置状態の説明図である。 図4のインサート有りの場合のディッシュと各種パイプの概略的な配置関係図である。 図8のディッシュ内のパイプの配置状態の説明図である。 図4の培養容器のパイプ保持溝の説明図である。 持続潅流のイメージ図である。 培地の交換のイメージ図である。 薬液の投与のイメージ図である。 薬液の混合の(インサート無しの場合の)イメージ図である。 薬液の混合の(インサート有りの場合の)イメージ図である。
本発明の実施の形態に係る顕微鏡観察用培養装置1を、図面にしたがって以下で説明する。
なお、培養環境を維持するために、湿度や温度等その他の維持機構も備えているが、本発明の特徴は、給排部にあるので、その他の部分の図示や記載は適宜省略している。
この顕微鏡観察用培養装置1では、図1に示すように、コントローラ3を利用している。このコントローラ3がマイクロコンピュータを備えており、そのプログラム動作によって制御手段が実現されるようになっている。
図1に示すように、コントローラ3のボックス状筐体5の外面にチューブポンプ7、9が取り付けられている。これらのチューブポンプ7、9は、加圧部材と円形状の内周を有する外側部材の間に可撓性チューブを配置し、加圧部材を偏心運動させて当該チューブを順次圧迫してポンプ作用を行うものであり、構造が簡単であり、当該チューブ内を汚染させずに送液できることから、液体培地の供給と排出に利用されている。
これらのチューブポンプ7、9は互いに独立して駆動される。これらの駆動用のモーター(図示省略)は共に筐体5内に設置されている。チューブポンプ7のモーターは正逆回転可能になっている。
チューブポンプ7に配設された可撓性チューブは、流通方向一方側が二つに分岐しており、一方が潅流OUT(上限)チューブ11、他方が潅流OUT(下限)チューブ15になっている。筐体5の同じ面側には、ピンチバルブ19も取り付けられており、潅流OUT(上限)チューブ11、潅流OUT(下限)チューブ15が、このピンチバルブ19に取り付けられている。図2に示すように、ピンチバルブ19のシャフト21がチューブ11、15の間に介装されており、未動作時には潅流OUT(上限)チューブ11を押し潰して不通にする一方で、潅流OUT(下限)チューブ15を開通させ、動作時には潅流OUT(上限)チューブ11を開通させる一方で、潅流OUT(下限)チューブ15を押し潰して不通にするようになっている。
流通方向他方側は廃液系(図示省略)に繋がっている。
チューブポンプ9に配設された可撓性チューブは、潅流INチューブ23になっている。この潅流INチューブ23の流通方向一方側は液体培地Bの供給系(図示省略)に繋がっている。
筐体5の外面には、更に、薬液投与用に、専用のエアポンプ接続部26が設けられている。筐体5の内部にはエアポンプ(図示省略)が設置されており、このエアポンプ接続部26を介してポンプ作用が働くようになっている。エアポンプ接続部26には筒状の薬液セット部27が着脱自在に接続される。図1には、この薬液セット部27の内部に薬液をセットした後でエアポンプ接続部26に一端側を接続した状態が示されている。薬液セット部27の他端側には可撓性チューブの流通方向一方側が着脱自在に接続されており、これが薬液INチューブ29になっている。
コントローラ3のプログラム動作によって実現された制御手段によって、上記したチューブポンプ7、9、ピンチバルブ19、エアポンプの動作が制御される。
潅流OUT(上限)チューブ11、潅流OUT(下限)チューブ15の流通方向一端側と、潅流INチューブ23、薬液INチューブ29の流通方向他端側は、それぞれ、剛性のパイプに接続されており、これらは潅流OUT(上限)パイプ13、潅流OUT(下限)パイプ17、潅流INパイプ25、薬液INパイプ31になっている。
これらのパイプ13、17、25、31で、給排部が構成されている。
図3に示すように、培養器33の本体は、収容ユニット35とその上側開口を閉鎖する蓋体37とで構成されており、収容ユニット35の内部縁側には水槽部が設けられ、中心部が液体培地Bと共に観察対象となる細胞や組織を入れる培養容器39の収容空間となっている。
培養容器39の容器本体は透明なディッシュ41になっている。このディッシュ41は底面が円形の浅い有底円筒状になっている。ディッシュ41には必要に応じてインサート43を入れて容量を変更可能になっている。このインサート43の中心には菱形孔が形成されており、インサート43を使用してもしなくとも、ディッシュ41の中心に細胞等を入れられるようになっている。ディッシュ41の開口上面はインサート43を使用した場合にはインサート抑え45で抑えた上で、固定蓋47で閉じられる。インサート43を使用しなかった場合には、ディッシュ41の開口上面は直接固定蓋47で閉じられる。固定蓋47の中心部は円状に開口して開口部49になっており、薬液投与蓋57で開閉可能になっている。この薬液投与蓋57は顕微鏡観察用の透光部を兼ねている。
図4の拡大図に示すように、固定蓋47に上記したパイプ13、17、25、31が位置決めされて固定される。
固定蓋47は開口部の縁に沿って横長に切り欠かれており、この切欠きの縁と薬液投与蓋57の縁とで囲まれた部分がパイプ挿通孔51になっている。このパイプ挿通孔51から固定蓋47の外周縁まで直線状にパイプ保持溝53が連なっている。このパイプ保持溝53は凹状になって上方に開口している。
パイプ挿通孔51と2つのパイプ保持溝53を一組として、合計で二組設けられており、固定蓋47の一つの直径方向両側にそれぞれ配置されている。同じ側で一組をなす二つのパイプ保持溝53、53は互いに平行に延びている。
更に、一方のパイプ挿通孔51には、パイプ保持溝53の他に、パイプ保持溝55が同様の構成で連なっている。このパイプ保持溝55とパイプ保持溝53は、ほぼ直交している。
ディッシュ41はアタッチメント59に装着するようになっている。このアタッチメント59には嵌込み穴61と押え片63が設けられており、ディッシュ41の底部を嵌込み穴61に嵌め込んで、押え片63で弾性的に抑えることで、ディッシュ41がアタッチメント59に固定される。アタッチメント59は培養器33の収容ユニット35の底部開口に装着される。
この顕微鏡観察用培養装置1を使用する際には、図4に示すように固定蓋47をディッシュ41に取り付けて培養容器39とした上で培養器33に収容し、この培養器33を顕微鏡ステージに設置する。
図5~図7で詳細に示すように、パイプ13、17、25、31は、いずれも、中間で垂直に屈曲されてL字状になっており、水平部分がパイプ保持溝53、53、……に載せられて保持され、鉛直部分がパイプ挿通孔51を通ってディッシュ41内に垂下されており、それぞれ垂下部分13a、17a、25a、31aになっている。
パイプ13、17の垂下部分13a、17aの下端部は共に閉塞されている。
図6に示すように、潅流OUT(上限)パイプ13の垂下部分13aには、断面円形の横孔13pが形成されており、潅流OUT(下限)パイプ17の垂下部分17aにも、同様な横孔17pが形成されているが、下端閉塞部からの距離が異なった個所に形成されており、横孔13pの高さ位置H1は、横孔17pの高さ位置H2よりも高くなっている。
この実施の形態では、ディッシュ41は市販の35mmサイズのものになっており、それに対応してH1は4mm、H2は1.2mmに設定されている。
潅流INパイプ25の垂下部分25aの下端側は、半割りされて舌片状に連なっている。この舌片状部分25bの基端25cがパイプの開口部となっている。この基端25cは、潅流OUT(上限)パイプ13の横孔13pよりも高さ位置が高くなっている。基端25cは、ディッシュ41に入れた培地の液面よりも高くなるように設計されている。
薬液INパイプ31は、潅流INパイプ25と同形状・同寸法で形成されている。
図5~図7では、インサート無しの場合で、ディッシュ41にパイプ13、17、25、31を配置した状態を示す。
一方のパイプ挿通孔51からは、潅流OUT(上限)パイプ13と潅流OUT(下限)パイプ17が垂下されている。垂下部分13a、17aは互いに平行に垂下されており、それぞれの下端部はディッシュ41の底上面に当接している。横孔13p、17pは互いに向かい合わないように外方を向いている。なお、図7では、横孔13p、17pは真逆(すなわち、180°)の方向を向いているが、これに限定されず、90°程度でもよい。
パイプ13、17の垂下部分13a、17aどうしが近接していると、表面張力の影響を受け易いが、このように、横孔13p、17pは対向せずに外方、特に、この実施の形態の場合には反対方向を向いているので、液面のレベリングの精度や混合の作業に悪影響は出ない。
他方のパイプ挿通孔51からは、潅流INパイプ25と薬液INパイプ31が垂下されている。垂下部分25a、31aは互いに平行に垂下されており、それぞれの下端部はディッシュ41の底上面に当接している。舌片状部分25b、31bの凹面側は、共に、ディッシュ41の中心側を向いている。従って、図7の矢印に示すように、流下した液体は潅流OUT(上限)パイプ13、潅流OUT(下限)パイプ17に向かう、穏やかな流れとなる。
図8、図9は、インサート有りの場合で、ディッシュ41にパイプ13、17、25、31を配置した状態を示す。
インサート43をディッシュ41に入れた場合には、インサート43の菱形の孔縁のうち2つの鋭角部分43a、43aが、ディッシュ41の内側面に近づいており、そこに、パイプ13、17、25、31が垂下されるようになっている。このように、インサート43を使用した場合を考慮して、パイプ13、17どうし、パイプ25、31どうしは近接した状態で垂下するようになっているが、上記したように、パイプ13、17どうしは表面張力の悪影響が出ないように工夫されている。
また、図4、図5に示すように、インサート無しの場合には、全てパイプ保持溝53に保持させていたが、この場合には、潅流OUT(下限)パイプ17をパイプ保持溝55に保持させて、横孔17pの向く位置を変更させている。
図10に示すように、潅流OUT(下限)パイプ17の水平部分を、パイプ保持溝53、55のいずれかを選択して保持させることで、上記のように垂下部分17aの横孔17pの向きを変更することができる。
給排部は上記のように構成されており、ディッシュ41内に入れられた細胞等に対して、コントローラ3からの動作指令によって、上記したチューブポンプ7、9、ピンチバルブ19、エアポンプの動作が制御されて、持続潅流、培地の交換、薬液の投与、薬液の混合の作業が進行する。
(A)持続潅流(図11)
チューブポンプ9の作動により、潅流INパイプ25から、ディッシュ41内に液体培地Bが供給される。
チューブポンプ9はその構造上脈動が発生し、流量を一定にすることが難しいが、潅流INパイプ25の舌片状部分25bが液体培地B内に入り込んでいるので、チューブポンプ9で送られてきた液体培地Bが舌片状部分25bを伝わって流下し、ディッシュ41内の液体培地Bの液面B1に導かれており、吐出した際の脈動が消失した状態で供給される。舌片状部分25bは液面B1よりも下方に入り込んでいるので、供給する液体培地Bがぽたぽたと滴下することもない。
また、潅流INパイプ25内にエア(空気)Aが巻き込まれていても、基端25cと液面B1との間には十分な距離があるので、ディッシュ41内の液面B1に到達する前に矢印に示すように上方に逃げる。従って、バブリングの発生が阻止される。
並行して、チューブポンプ7の作動により、液面B1を超えようとする液体培地Bは、潅流OUT(上限)パイプ13を通して吸引排出される。横孔13pよりも、液体培地Bの液面B1が低い場合には、エア(空気)を吸引し、横孔13pに液体培地Bの液面B1が被ってくると、液体培地Bが吸引排出される。
吸引流量が供給流量よりも僅かに大きくなるように設定されるので、横孔13pによるレベリングは精度の高いものとなっている。
また、供給側のパイプ25と吸引側のパイプ13とがほぼ対角線上にあり、且つ、低流量で実施されるので、液の流れが液面B1を乱さない穏やかなものとなっている。
(B)培地の交換(図12)
チューブポンプ7の作動により、ディッシュ41内から、潅流OUT(下限)パイプ17を通して液体培地Bの液面B1が下限位置になるまで吸引排出される。直前まで持続潅流が実施されていた場合には、液体培地Bの液面B1が横孔13pの高さになっているので、液面B1が横孔17pの高さに下がるまで、排出が続行する。
その後、チューブポンプ9の作動により、潅流INパイプ25から、ディッシュ41内に液体培地Bが吐出供給される。供給と並行して、チューブポンプ7の作動により、潅流OUT(上限)パイプ13から排出されるので、液面B1は上限位置を超えることはない。潅流INパイプ25による吐出供給と、潅流OUT(上限)パイプ13による吸引排出の際には、上記「(A)持続潅流」と同様な作用が働く。
(C)薬液の投与(図13)
エアポンプの作動により、薬液INパイプ31から、ディッシュ41内に薬液Yが吐出供給される。供給と並行して、チューブポンプ7の作動により、潅流OUT(上限)パイプ13から排出されるので、液面B1は上限位置を超えることはない。
薬液INパイプ31は上記「(A)持続潅流」の潅流INパイプ25と同様な作用が働く。エアポンプを利用しているので、エア(空気)が巻き込まれ易いが、上記したようにエア(空気)が逃げられるので、バブリングの発生が効果的に阻止される。
(D)薬液の混合(図14、15)
チューブポンプ7の作動方向を吸引用と吐出用とに交互に替える。
チューブポンプ7の吸引作動により、潅流OUT(下限)パイプ17に液体培地Bと共に薬液Yが吸引排出され、チューブ内に留まった後に、今度は、チューブポンプ7の吐出作動により、潅流OUT(下限)パイプ17から吐出供給されて、液体培地Bと共に薬液Yがディッシュ41内に戻される。
この吸引排出と吐出供給が繰り返される。
混合の目的に沿って流量を大きく設定するので、供給・排出のいずれの場合にも液流が発生する。パイプの下端を開口し、ディッシュ41の底上面から離して下孔として利用されると、特に、供給の際に、近接したディッシュ41の底上面に、下孔から出てきた液体培地Bの液流が衝突して、その勢いが急速に削がれることになるが、この実施の形態では、横孔17pが利用されるので勢いがディッシュ41の底上面との衝突により削がれることはない。
図14の左図に示すように、インサート無しの場合には横孔17pからの吐出し方向が矢印に示すようになり、液体培地Bの液流がディッシュ41の対向する内側面41aに衝突し、その後は内側面全体に沿って流れる渦流となるので、液流の勢いは削がれずに、混合が促進される。また、ディッシュ41の中心に置かれた細胞等Sに与えるダメージは最小限になっている。
液体培地Bが吸引されるときにも、同様に液流が渦流になる。
従って、図14の右図に示すように、吐出・吸引により、反対方向の渦流が交互に発生することになり、この交互作用からも混合が促進される。
インサート有りの場合に、上記のインサート無しの場合と同様に横孔17pの向きを配置すると、非常に近接したインサート43の内側面に横孔17pから吐出された液体培地Bの液流が衝突するので、液体培地Bが噴き上がると共に、勢いが急速に削がれるが、潅流OUT(下限)パイプ17をパイプ保持溝55に保持させることで、図9に示す位置に横孔17pがくることになり、図15に示すように、横孔17pからの吐出し方向を矢印のように変更できる。容量の限られたインサート43内での混合を考慮して流量が下げられるが、インサート43の容量に対応してそこに供給された液体培地Bの混合に十分な勢いの液流は確保される。
このように、インサート43を使用した場合にも対応できるようになっている。なお、横孔17pは横孔13pの真逆の位置になっていないが、90°は離れているので、表面張力の影響は抑えられる。
上記したように、作業(A)、(B)、(C)、(D)では、給排部の端部をなすパイプ13、17、25、31の形状的特徴や配置上の工夫が生かされて、細胞等Sへのダメージを最小限としつつ、それぞれの作業が信頼性高く遂行される。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、培養容器はディッシュに限定されず、ウエルプレートなども含まれる。但し、断面円形のディッシュを使用した場合には、その形状的利点を生かして、混合作業の際には、液流が綺麗な渦流を描くように容易に誘導できるので、好ましい培養容器になっている。
1…顕微鏡観察用培養装置 3…コントローラ 5…筐体
7、9…チューブポンプ 11…潅流OUT(上限)チューブ
13…潅流OUT(上限)パイプ 13a…垂下部分 13p…横孔
15…潅流OUT(下限)チューブ 17…潅流OUT(下限)パイプ
17a…垂下部分 17p…横孔 19…ピンチバルブ 21…シャフト
23…潅流INチューブ 25…潅流INパイプ 25a…垂下部分
25b…舌片状部分 25c…基端 26…エアポンプ接続部 27…薬液セット部
29…薬液INチューブ 31…薬液INパルプ 31a…垂下部分
31b…舌片状部分 31c…基端 33…培養器 35…収容ユニット
37…蓋体 39…培養容器 41…ディッシュ
41a…(ディッシュの)内側面 43…インサート
43a…(インサートの)鋭角部分 45…インサート抑え 47…固定蓋
49…開口部 51…パイプ挿通孔 53…パイプ保持溝
55…パイプ保持溝 57…薬液投与蓋 59…アタッチメント 61…嵌込み穴
63…押え片 B…液体培地 B1…(液体培地の)液面
Y…薬液 S…細胞等 H1、H2…横孔の高さ

Claims (8)

  1. 顕微鏡ステージ上に設置される培養容器と、前記培養容器への液体の供給と排出を行う給排部と、前記給排部をプログラム動作により制御可能なコントローラとを備えた顕微鏡観察用培養装置において、
    前記給排部の供給専用端部は、前記培養容器内に垂下され、下端側が半割り状になって舌片状に連なったパイプで構成されており、
    液体の供給時に、前記液体が前記舌片状部分を伝わって流下し前記培養容器の液面に導かれることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  2. 請求項1に記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    給排部の排出専用端部が、培養容器内に垂下され、横孔が形成されたパイプで構成されており、前記横孔は、液面の上限位置に配置されており、
    前記給排部の給排兼用端部が、前記培養容器内に垂下され、横孔が形成されたパイプで構成されており、前記横孔は、液面の下限位置に配置されており、互いの横孔が対向せずに外方を向いていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  3. 請求項2に記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    給排部の排出専用端部と給排兼用端部は近接して垂下されており、互いの横孔が外方を向いて配置されることを特徴とすることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  4. 請求項2または3に記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    給排兼用端部の横孔は、液体の供給時に培養容器に入れられた液体を囲む側面に沿って渦状の液流が発生する位置に設定可能になっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  5. 請求項4に記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    培養容器は断面円形のディッシュになっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  6. 請求項4または5に記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    培養容器内にインサートが着脱自在になっており、且つ給排兼用端部の横孔の向きが変更可能になっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  7. 請求項6に記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    給排兼用端部の保持部が複数位置に形成されており、給排兼用端部の保持位置を変更することで、インサートを使用した場合と前記インサートを使用しない場合とで横孔の向きが変更可能になっていることを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載した顕微鏡観察用培養装置において、
    給排部はチューブポンプにより培養容器への液体の供給と排出を行うことを特徴とする顕微鏡観察用培養装置。
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WO2005077258A1 (ja) * 2004-02-17 2005-08-25 National University Corporation Shizuoka University 距離イメージセンサを用いた視線検出装置

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JP3115673U (ja) 2005-08-11 2005-11-10 株式会社東海ヒット シャーレの蓋及びシャーレ
JP2016118681A (ja) 2014-12-22 2016-06-30 株式会社東海ヒット 顕微鏡観察用培養装置

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