JP7060974B2 - 電動補助自転車及びその駆動システム - Google Patents

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    • B62J43/13Arrangements of batteries for propulsion on rider-propelled cycles with additional electric propulsion

Description

本発明は、電動補助自転車とその駆動システムに関する。
ライダーの漕ぎを電動モータで補助する電動補助自転車が利用されている。下記特許文献1、2、及び3は、電動モータの制御モードとして補助率が異なる複数のモードを有し、ライダーの手動操作によることなく自動でモードを変更する自転車を開示している。これらの自転車では、モード変更条件が予め規定されており、その変更条件が満たされたときに制御装置がモードを変更する。例えば、特許文献1では、ライダーの踏力が閾値を超えたときに、制御モードが省エネ運転から快走運転に変更される。
特開2010-264977号公報 特開2016-101761号公報 特開平11-034966号公報
ところが、モード変更条件が満たされたときに直ちに制御モードが変更され補助率が増大すると、モード変更条件が満たされたタイミングによっては、ライダーがペダルから受ける負荷(言い換えれば、ライダーがペダルに加える踏力)が大きく減少するために、ライダーにとって違和感を生じる可能性がある。
本開示の目的の一つは、快適なモード変更を実現できる電動補助自転車の駆動システム及び電動補助自転車を提案することにある。
(1)本開示で提案する電動補助自転車の駆動システムの一実施形態は、ペダルに加えられる踏力を検知するためのセンサと、前記ペダルの踏み込みを補助する動力を出力する電動モータと、前記電動モータによる補助率を算出する制御装置と、を有する。前記制御装置は、前記電動モータの制御として、第1モードと、前記第1モードとは異なる補助率が算出される第2モードとを有し、前記第1モードから前記第2モードへの変更について定められたモード変更条件を記憶している。前記制御装置は、前記2つのペダルの軌跡の最下点に45度を加算した回転位置と、前記最下点から45度を減算した回転位置との間に前記ペダル(言い換えれば、ペダルの位置に対応するクランク軸の回転位置)があるときに、前記第1モードから前記第2モードへのモード変更を実行する。
この駆動システムによれば、快適なモード変更をライダーに提供できる。なお、ペダルは駆動システムの構成要素ではない。また、制御装置は、モード変更の際に、ペダルの位置を検知し、最下点に45度を加算した回転位置と最下点から45度を減算した回転位置との間にペダルがあるか否かを判定しなくてもよい。すなわち、センサ(例えば踏力を検知するセンサ)の出力に基づいて特定されるタイミングでモード変更が実行され、そのタイミングが、結果的に、上述の2つの回転位置にペダルが位置している期間に一致している形態も、本開示の範囲である。
(2)(1)の駆動システムにおいて、前記モード変更条件が満たされた時点から遅れて前記第1モードから前記第2モードへの前記モード変更が実行されてもよい。この形態によれば、モード変更条件が満たされるか否かが判断されるタイミングと、モード変更が実行されるタイミングとをずらすことができるので、双方のタイミングを適切化できる。
(3)(1)又は(2)の駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記センサを通して検知した踏力に基づいて得られた回転位置で前記第1モードから前記第2モードへの前記モード変更を実行してもよい。この形態によれば、クランク軸の回転位置(絶対値)を検知する専用のセンサが不要となり、コストの低減又は部品数の低減を図ることができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれかの駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記センサを通して検知した踏力が極大となった時点からクランク軸の回転が予め定められた角度だけ進んだ回転位置で、前記第1モードから前記第2モードへの前記モード変更を実行してもよい。この形態によれば、クランク軸の回転量(角度変化)が検知できるセンサがあれば、クランク軸の回転位置(絶対値)を検知する専用のセンサが不要となり、コストの低減又は部品数の低減を図ることができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれかの駆動システムは、現在の制御モードを示す表示装置をさらに有してもよい。ライダーが現在の制御モードを正しく把握できるようになり、ライダーにとって利便性を向上できる。
(6)(1)乃至(5)のいずれかの駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記第1モードにおいて、前記ペダルに加えられる踏力と補助率との関係を規定する第1マップを利用し、前記制御装置は、前記第2モードにおいて、前記ペダルに加えられる踏力と補助率との関係を規定する第2マップを利用してもよい。
(7)(1)乃至(6)のいずれかの駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード及び前記第2モードとは補助率が異なる第3モードをさらに有してもよい。前記制御装置は、連続する2つのモード変更の間に、予め定められた変更不可期間を確保してもよい。すなわち、制御装置は、第1モードと第2モードと第3モードのいずれかのモードから別のモードへの変更(モード変更)と、その次のモード変更との間に、変更不可期間を確保してもよい。これによれば、モード変更の頻度を適切化できる。
(8)(7)の駆動システムにおいて、前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間は前記ペダルの1回の漕ぎに要する時間よりも短くてもよい。これによれば、例えば高い負荷が作用し且つクランク軸の回転速度が低い走行時(例えば、登坂での発進時)に、短い時間間隔でモード変更を行うことができる。
(9)(7)の駆動システムにおいて、前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間は、前記ペダルの1回の漕ぎに要する時間と同じ又は前記ペダルの1回の漕ぎに要する時間よりも長い。これによれば、モード変更の頻度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
(10)(7)の駆動システムにおいて、前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間として、第1不可期間と、前記第1不可期間よりも長い第2不可期間とが規定されており、前記第1のモード変更と前記第2のモード変更との間に、前記第1不可期間と前記第2不可期間のうち一方が前記自転車の運転状況に応じて確保されてもよい。これによって、運転状況に応じた適切な頻度でモード変更を実行できる。例えば、自転車が急加速する場合には比較的短い時間間隔で制御モードを段階的に変更できる。その一方で、例えば自転車が定常走行をしている場合には、制御モードの変更の時間間隔を長くできる。
(11)(7)の駆動システムにおいて、前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間は、漕ぎの回数又は前記クランク軸の回転量で規定されており、前記制御装置は、漕ぎの回数又は前記クランク軸の回転量を計数し、計数した漕ぎの回数又は前記クランク軸の回転量に基づいて前記予め定められた変更不可期間が経過したか否かを判断してもよい。これによると、例えばケイデンスが高い走行時には、比較的短い時間間隔でモード変更が実行され得る。その結果、漕ぎ方に応じた適切な頻度でモード変更が実行され得る。
(12)(1)乃至(11)の駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記センサによって検知した踏力に基づいて、前記モード変更条件が充足したか否かを判断してもよい。これによって、ライダーに高い負荷が作用したときや、ライダーに作用する負荷が減少したときに、制御モードが変更され得る。
(13)(1)乃至(12)の駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードを含む少なくとも3つのモードを有し、前記第2モードの補助率は前記第1モードの補助率より高く、前記第3モードの補助率は前記第2モードの補助率より高くてもよい。前記第1モードから前記第2モードへの変更についての前記モード変更条件は、前記センサの出力に基づいて算出され得る踏力が第1の閾値より高いことを含み、前記第2モードから前記第3モードへの変更についてのモード変更条件は、前記センサの出力に基づいて算出され得る踏力が第2の閾値より高いことを含んでもよい。そして、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも高くてもよい。これによると、第1モードから第2モードへの変更がなされた直後に第2モードから第3モードへの変更がなされることを、防ぐことができる。なお、「センサの出力に基づいて算出され得る踏力」とは、踏力自体や、踏力の極大、踏力の極小、踏力の平均などを含む。
(14)(1)乃至(13)の駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードを含む少なくとも3つのモードを有し、前記第1モードから前記第2モードへの変更についての前記モード変更条件と、前記第2モードから前記第3モードへの変更についてのモード変更条件のうち少なくとも一方は、作業者が操作可能な入力装置を通して調整可能であってもよい。ここで作業者とは、例えば、自転車のユーザや、自転車のメンテナンス作業者などを含む。これによると、個々のユーザにとって適したタイミングで制御モードが変更され得る。
(15)(1)乃至(14)の駆動システムにおいて、前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードを含む少なくとも3つの制御モードを有し、前記制御装置は、前記制御装置が利用する制御モードを前記少なくとも3つの制御モードのうちの1又は複数の制御モードに限定する指示を、作業者が操作可能な入力装置から受け付けてもよい。ここで作業者とは、例えば、自転車のユーザや、自転車のメンテナンス作業者などを含む。これによれば、自転車のユーザの好みに合った制御モードだけで電動モータを駆動できるようになる。
(16)(1)乃至(15)の駆動システムにおいて、前記第1モードから前記第2モードへの変更について定められたモード変更条件として、第1モード変更条件と第2モード変更条件とが規定されており、前記制御装置は、前記センサの出力に基づいて、第1の値と、前記第1の値とは異なる種類の第2の値とを算出し、前記第1モード変更条件は前記第1の値について規定され、前記第2モード変更条件は前記第2の値について規定されてもよい。これによれば、複数の種類の値が利用されるので、例えば1つの種類しか使用されない場合に比して、モード変更を適切なタイミングで実行できる。ここで「値の種類が異なる」とは、算出に利用される演算式が異なることを意味する。例えば、第1の値とは、踏力の極大や、極小などである場合、第2の値は、例えば、踏力の平均である。
(17)(1)乃至(16)の駆動システムにおいて、前記第1モードから前記第2モードへの変更について定められたモード変更条件として、第1モード変更条件と第2モード変更条件とが規定されており、前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記第1モード変更条件は、前記ペダルの1回の漕ぎにおける踏力について規定され、前記第2モード変更条件は、前記ペダルの複数の漕ぎにおける踏力について規定されてもよい。これによると、瞬間的に高い負荷がライダーに作用する場合(第1モード変更条件が満たされる場合)だけでなく、定常的に高い負荷がライダーに作用している場合(第2モード変更条件が満たされる場合)においても、制御モードが変更され得る。
(18)本開示で提案する電動補助自転車は(1)に記載の前記駆動システムと前記ペダルとを有している。この電動補助自転車によれば、快適なモード変更をライダーに提供できる。
本開示で提案する車両の一例を示す側面図である。 電動補助自転車の構成を示すブロック図である。 制御装置が有している機能を示すブロック図である。 制御装置が有している補助率マップの例を示す図である。 モード変更が実行されるタイミング(モード変更が実行されるクランク軸の回転位置)を説明するための図である。 制御モード管理部が有している機能を示すブロック図である。 踏力の変動と、モード変更を実行するタイミングとを説明するためのタイムチャートである。 制御装置が有している変更条件調整部が行う処理の例を説明するための表である。 制御装置が有している制御モード管理部が実行する処理の例を示すフロー図である。 強漕ぎ判定部が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。 定常高負荷判定部が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。 定常低負荷判定部が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。 高負荷発進判定部が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。 負荷急減判定部が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態の一例である電動補助自転車100の側面図である。図2は電動補助自転車100の構成を示すブロック図である。図2において太い実線は動力の伝達を表し、細い実線は信号や電流を表している。電動補助自転車100は運転者の踏力を補助するための駆動システム10を有している。駆動システム10は、後述する電動モータ21や、制御装置30、モータ駆動装置39、及び操作入力装置58などの電装品で構成される。以下では、電動補助自転車100を単に自転車と記載する。
[全体構成]
図1に示すように、自転車100はクランク軸2を有している。クランク軸2の右端と左端とにはクランク2bを介して右ペダル2aと左ペダル2aとがそれぞれ取り付けられている。左右のペダル2aはクランク軸2を中心として回転する。クランク軸2はシートチューブ11の下端で支持されている。シートチューブ11の上端にはサドル18が固定されている。自転車100の前部には、ハンドルステム8と、ハンドルステム8の上部に固定されているハンドル7と、ハンドルステム8の下部に固定されているフロントフォーク19と、フロントフォーク19の下端で支持されている前輪9とが設けられている。ハンドルステム8はフレーム17の前端に設けられているヘッドパイプ17aで支持されている。フレーム17の形状は図1に示す例に限られず、適宜変更されてもよい。
図1に示すように、自転車100はドライブユニット20を有している。ドライブユニット20は、運転者による後輪6の駆動を補助する補助力(補助トルク)を出力する電動モータ21(図2参照)や減速機25(図2参照)で構成される。電動モータ21はバッテリ22から供給される電力で駆動する。自転車100の例では、バッテリ22はシートチューブ11の後側に取り付けられ、ドライブユニット20はクランク軸2の後側に配置されている。電動モータ21とバッテリ22の位置は自転車100の例に限られず、適宜変更されてよい。
ペダル2aを通してクランク軸2に加えられた力は、図2に示すように一方向クラッチ23を通して合力伝達機構24に伝えられる。また、自転車100の例では、電動モータ21から出力される動力(補助力)は減速機25と一方向クラッチ26とを通して合力伝達機構24に伝えられる。合力伝達機構24は軸や、軸に設けられている回転部材、チェーン5(図1)などによって構成され、クランク軸2に加えられた力と電動モータ21から出力される動力とを合成する。合力伝達機構24の一例では、2つの力は共通の軸や共通の回転部材に入力されることによって合成される。他の例として、クランク軸2に加えられた力と電動モータ21から出力される力の双方がチェーン5に入力されて、合成されてもよい。合力伝達機構24で合成された動力は、図2に示すように、例えば変速機構27と一方向クラッチ28とを通して後輪6に伝えられる。変速機構27は、例えばハンドル7に設けられた操作部材(例えば、レバー)の操作によって変速可能な機構である。
自転車100は運転者がペダル2aに加える踏力を検知するためのセンサを有している。このセンサは、例えばクランク軸2に生じたトルクに応じた信号を出力するトルクセンサ41(図2参照)である。トルクセンサ41は、例えばクランク軸2に設けられている磁歪式のセンサであるが、他の種類のセンサでもよい。以下では、トルクセンサ41で検知するトルク、すなわち、クランク軸2のトルクを単に「踏力」と称する。
自転車100は、クランク軸2の回転に応じた信号を出力するクランク回転センサ45を有している。クランク回転センサ45は、例えばクランク軸2の回転によってパルス信号を発生するセンサである。制御装置30は、クランク回転センサ45の出力に基づいて、クランク軸2の回転量(角度変化)や、クランク軸2の回転速度などを算出する。以下では、クランク軸2の回転量を「クランク角変化」と称する。なお、クランク回転センサ45として、クランク軸2の回転位置(角度位置)を検知可能なセンサが利用されてもよい。
さらに、自転車100は、電動モータ21の回転に応じた信号を出力するモータ回転センサ(エンコーダ)42と、前輪9の回転に応じた信号を出力する前輪回転センサ43を有している。制御装置30は、モータ回転センサ42の出力に基づいて、電動モータ21の回転速度を算出し、前輪回転センサ43の出力に基づいて車速を算出する。
また、自転車100は、操作入力装置58と表示装置59とを有している。表示装置59は、例えば表示パネルやLED(Light Emitting Diode)などを含み、制御装置30による制御にかかる情報や、バッテリ22の残量、走行に係る情報(例えば、距離)などを表示する。自転車100において、表示装置59は電動モータ21の制御モード(例えば、強モードや標準モードなど)を表示する。制御モードについては後において詳説する。操作入力装置58は、ライダーが操作可能な操作部材(例えば、ボタンやレバー)を含み、それらの操作に応じた信号を制御装置30に入力する。自転車100においては、ライダーは、操作入力装置58を通して、電動モータ21の制御モードを選択できる。操作入力装置58として、表示装置59に取り付けられ、表示装置59に触れたライダーの指の位置を検知するタッチセンサが利用されてもよい。
[制御装置]
自転車100はトルクセンサ41の出力に基づいて、電動モータ21を制御する制御装置30を有している。制御装置30は、電動モータ21の制御に係るプログラムやマップを保持している1又は複数のメモリと、そのプログラムを実行する1又は複数のマイクロプロセッサとを有している。制御装置30のメモリには、補助率と車速との関係を表すマップや、後述する制御モードの変更条件などが予め記録されている。自転車100の走行時、制御装置30は、例えば、車速に応じた補助率を算出し、トルクセンサ41の出力に基づいて検知した踏力と補助率とに応じた補助力を算出し、補助力に応じた指令値をモータ駆動装置39に出力する。モータ駆動装置39はバッテリ22の電力を受け、指令値に応じた電力を電動モータ21に供給する。
図3は、制御装置30が有している機能を示すブロック図である。制御装置30は、制御モード管理部31と、モータ制御部32と、表示制御部33とを有している。これらは、制御装置30を構成するマイクロプロセッサがメモリに保存されているプログラムを実行することによって実現される。
[複数の制御モードとモータ制御部]
制御装置30は、電動モータ21の制御モードとして、補助率が異なる複数の制御モードを有している。制御装置30は、例えば4つの制御モードを有する(以下では、これらのモードをそれぞれ「強モード」、「標準モード」、「エコモード」、及び「超エコモード」と称する。)。制御モードの数は、4つより少なくてもよいし、4つより多くてもよい。補助率は、例えば車速に対応させて予め規定されており、4つの制御モードは、同じ車速で比較したときに、その補助率が異なっている。補助率は、例えば、強モード>標準モード>エコモード>超エコモードとなる。なお、4つの制御モードは、補助率が同じとなる車速域(例えば高車速域)を有していてもよい。すなわち、強モードの補助率が標準モードの補助率と等しくなる車速域や、標準モードの補助率がエコモードの補助率と等しくなる車速域や、エコモードの補助率が超エコモードの補助率と等しくなる車速域が規定されてもよい。
モータ制御部32は、回転センサ(例えば、前輪回転センサ43)の出力に基づいて車速を算出し、その車速に応じた補助率を算出する。制御装置30のメモリは、車速に対応させて補助率を規定する複数のマップ(以下では「補助率マップ」と称する)が記録されている。複数の補助率マップは複数の制御モードにそれぞれ対応している。自転車100の走行時、モータ制御部32は、選択されている制御モードに対応する補助率マップを参照して、補助率を算出する。そして、モータ制御部32は、トルクセンサ41の出力に基づいて検知した踏力と補助率とに応じた補助力を算出し、補助力に応じた指令値をモータ駆動装置39に出力する。
図4は複数の補助率マップの例を説明するための図である。この図において横軸は車速であり、縦軸は補助率である。この図では、線E1、E2、E3、E4は、4つの制御モード(強モード、標準モード、エコモード、超エコモード)における、車速と補助率との関係の例をそれぞれ示している。同図で示す強モード(線E1)では、0からV3までの車速域で補助率は一定で、V3より高い車速域で補助率は漸減している。他のモードについても、補助率は、0からある車速(図4においてV1、V2)までの車速域では一定で、その車速を超える車速域では漸減している。この図に示すように、同じ車速で各制御モードの補助率を比較すると、4つの補助率は強モード>標準モード>エコモード>超エコモードとなっている。なお、図4に示す補助率マップは例に過ぎず、適宜変更されてよい。例えば、上述したように、強モードの補助率が標準モードの補助率と等しくなる車速域や、標準モードの補助率がエコモードの補助率と等しくなる車速域や、エコモードの補助率が超エコモードの補助率と等しくなる車速域が規定されてもよい。
なお、1つの制御モードについて複数の補助率マップが規定されていてもよい。この場合、モータ制御部32は、選択されている制御モードに対応する複数の補助率マップ(ここではマップ群と称する)の中から、運転状況に応じていずれかを選択し、選択した補助力マップを参照して補助率を算出する。例えば、標準モードについて複数の補助率マップを含むマップ群が規定されてもよい。そして、モータ制御部32は、標準モードが選択されているとき、マップ群から運転状況に応じていずれかの補助率マップを選択し、選択した補助力マップを参照して補助率を算出してもよい。このように、各制御モードについて複数の補助率マップを含むマップ群が規定されている場合、「制御モードの変更」は補助率マップ群の変更を意味する。
自転車100の例では、複数の制御モードのそれぞれについて補助率マップが規定され、各制御モードの補助率マップは他の制御モードの補助率マップと相違している。しかしながら、一部の制御モード(例えば、2つ又は3つの制御モード)では、共通の補助率マップが使用されてもよい。例えば、エコモードと超エコモードとでは、共通の補助率マップが使用されてもよい。そして、例えば、エコモードでは共通の補助率マップから得られた値がそのまま補助率として利用される一方で、超エコモードにおいては、共通の補助率マップから得られる値を補正して得られる値が補助率として利用されてもよい。補正としては、例えば、補助率マップから得られる値に補正係数K(K<1)が乗じられる。つまり、複数の制御モードで共通の補助率マップが使用され、それらの制御モードでは、補助率を算出するための演算式(演算式に含まれる係数や定数)が相違していてもよい。このような方法でも、各制御モードにおいて算出される補助率を異ならせることができる。
[制御モード管理部]
制御モード管理部31は、自転車100の運転状況や運転者の指示に応じて制御モードを選択・変更する。言い換えれば、制御モード管理部31は、モータ制御部32の制御において利用される補助率マップを選択・変更する。制御モード管理部31は、予め規定されたモード変更条件が満たされるときに、ライダーの操作によらず自動的に制御モードを変更する。モード変更条件は踏力について規定された条件であり、制御モード管理部31は、トルクセンサ41の出力に基づいて算出した踏力(例えば、極大や平均など)がモード変更条件を満たすか否かを判定する。例えば、制御モード管理部31は、トルクセンサ41の出力に基づいて算出した踏力が閾値を上回るか否かと、算出した踏力が閾値を下回るか否かと、を判定する。算出した踏力が閾値を上回ったとき、制御モード管理部31は制御モードをアップ側に変更する(「アップ側への変更」は、より高い補助率が算出されるモードに制御モードを変更することを意味する。自転車100の例では、制御モードを「強モード」に近づけることを意味する。)。また、算出した踏力が閾値を下回ったとき、制御モード管理部31は制御モードをダウン側に変更する(「ダウン側への変更」は、より低い補助率が算出されるモードに制御モードを変更することを意味する。自転車100の例では、制御モードを「超エコモード」に近づけることを意味する。)。
なお、自転車100では、ライダーによるモード変更指示が操作入力装置58を通して制御装置30に入力可能となっている。モード変更条件の一つは、このようなモード変更指示が操作入力装置58から制御装置30に入力されることであってもよい。この場合、モード変更指示が操作入力装置58から制御装置30に入力されたときに、制御モード管理部31はモード変更を実行する。
[モード変更のタイミング]
図5はモード変更が実行されるタイミング(モード変更が実行されるクランク軸2の回転位置)を説明するための図である(以下では、「クランク軸2の回転位置」をクランク位置と称する。)。ペダル2aは、クランク軸2を中心とする円の軌跡Loを有する。モード変更条件が満たされたとき、制御モード管理部31は、ペダル2aが軌跡Loの最下点P1(或いは最下点P1に近い位置)にあるときに、モード変更を実行する。
より具体的には、最下点P1に45度を加算した回転位置(以下において、後限界位置P3)と、最下点P1から45度を減算した回転位置(以下において、前限界位置P2)との間にペダル2aがあるときに、制御モード管理部31はモード変更を実行する。すなわち、前限界位置P2と後限界位置P3との間にペダル2aがあるときに、制御装置30は制御モードの変更に起因する補助率の変更を実行する。モード変更が実行されるクランク位置は、好ましくは、最下点P1に30度を加算した位置と、最下点から30度を減算した位置との間である。モード変更が実行されるクランク位置は、さらに好ましくは、最下点P1に20度を加算した回転位置と、最下点から20度を減算した回転位置との間である。モード変更が実行されるクランク位置は、さらに好ましくは、最下点P1に10度を加算した回転位置と、最下点から10度を減算した回転位置との間である。最も好ましくは、最下点である。
ペダル2aの1サイクルの間に踏力は変化する。一般的に、いずれか一方のペダル2aが最下点P1にあるときに、踏力は最小となる。したがって、制御モード管理部31が上述したクランク位置でモード変更を実行することによって、ライダーが発揮する踏力が比較的小さいときにモード変更が実行されることとなる。その結果、ライダーに作用する負荷が急変すること、及び急変に起因する違和感を、防ぐことができる。なお、本明細書においてペダル2aの最下点P1とは軌跡Loにおける最も低い位置であり、軌跡Loと鉛直線との交点である。
一般的に、最上点P0から90度だけ回転した位置(図5において位置P4)にペダル2aがあるときに、ライダーがペダル2aに加える踏力は最大となる(以下では、この位置P4を「水平位置」と称する。)。ペダル2aが水平位置P4であるときに踏力が上述したモード変更条件を満たしたとき、制御モード管理部31は、踏力がモード変更条件を満たした時点から遅れて(すなわち、ペダル2aが最下点P1の近くに到来してから)、モード変更を実行する。
また、制御モード管理部31は、連続する2つのモード変更(ここでは「第1のモード変更」と「第2のモード変更」と称する)の間に、予め規定されている期間を確保する(以下では、この期間を「変更不可期間」と称する。)。すなわち、第1のモード変更を実行した直後にモード変更条件が満たされた場合、制御モード管理部31は、第1のモード変更の実行から変更不可期間が経過していなければ、第2のモード変更を実行しない。こうすることによって、モード変更が実行される頻度を適切化できる。言い換えれば、必要以上に高い頻度でモード変更が実行されることを防ぐことができる。
[表示制御部]
表示制御部33は、表示装置59で表示する情報(信号)を出力する。自転車100の例では、表示制御部33は、現在選択されている制御モードを表示装置59で表示する。また、制御モード管理部31において制御モードが変更されたときには、表示制御部33は、表示装置59に表示する制御モードを変更する。したがって、モード変更条件が満たされたときには、ライダーの操作を要することなく自動的に表示装置59の表示内容が切り替わる。
[制御モード管理部]
図6は、制御モード管理部31が有している機能を、さらに具体的に示すブロック図である。制御モード管理部31は、クランク位置判定部31Aと、自動変更部31Bと、変更条件調整部31Fと、利用可能モード制限部31Gとを有している。また、自動変更部31Bは、踏力判定部31Cと、変更不可期間判定部31Eとを有している。さらに、制御モード管理部31は、手動変更部31Hを有している。これらも、制御装置30を構成するマイクロプロセッサがメモリに保存されているプログラムを実行することによって実現される。
[クランク位置判定部]
クランク位置判定部31Aは、モード変更の実行が許容される回転位置にペダル2aがあるか否か、言い換えれば、モード変更の実行が許容される位置にクランク位置が達したか否かを判定する。自転車100では、クランク位置判定部31Aは、トルクセンサ41で検知した踏力に基づいて、モード変更の実行が許容される位置にクランク位置が達したか否かを判定する。クランク位置判定部31Aは、例えば、以下のような処理を行う。
クランク位置判定部31Aは、踏力の極大を探索する(「踏力の極大」をピーク踏力と称する。)。そして、クランク位置判定部31Aは、ピーク踏力が見つかった時点でのクランク位置(図5では水平位置P4)からのクランク角変化(クランク軸2の回転量)が予め定められた角度に達したか否かを判定する。クランク角変化が予め定められた角度に達したときに、ペダル2aが最下点P1(或いは、最下点P1に近い位置)にあると推定され、クランク位置がモード変更許容位置に達したと判定する(「モード変更許容位置」とはモード変更(補助率の変更)の実行が許容されるクランク位置である。)。「予め定められた角度」は、例えば45度より大きく135度よりも小さい角度である。角度をこのように設定することによって、モード変更は、図5に示す前限界位置P2と後限界位置P3との間で実行される。「予め定められた角度」は、好ましくは、60度より大きく120度よりも小さい角度である。さらに好ましくは、「予め定められた角度」は、70度より大きく110度よりも小さい角度である。さらに好ましくは、「予め定められた角度」は、80度より大きく100度よりも小さい角度である。自転車100の例では、「予め定められた角度」は90度である。
図7は、踏力の変動と、モード変更を実行するタイミング(クランク位置)とを説明するためのタイムチャートである。同図に示すように、踏力は周期的に変動している。例えば、ピーク踏力が得られるt1では、一方のペダル2a(例えば、右ペダル2a)は水平位置P4にあると推定され、踏力が極小となるt2では、この一方のペダル2aは最下点P1にあると推定される。また、次のピーク踏力Pk1が得られるt3では、他方のペダル2a(例えば、左ペダル2a)が水平位置P4にあると推定され、踏力が極小となるt4では、この他方のペダル2aは最下点P1にあると推定される。クランク位置判定部31Aは、例えば、「1回の漕ぎ」における踏力の極大(すなわち、ピーク踏力)を探索する。「1回の漕ぎ」とは各ペダル2aの最上点P0から最下点P1までの動きに相当する。上の例では、右ペダル2aについての「1回の漕ぎ」は、踏力が極小となるt0から踏力が次の極小となるt2までの期間に対応し、左ペダル2aについての「1回の漕ぎ」は踏力が極小となるt2から踏力が次の極小となるt4までの期間に対応する。クランク位置判定部31Aは、例えばピーク踏力Pk1を見つけたとき、ピーク踏力Pk1が見つかった時点(t3)からクランク角変化(クランク軸2の回転量)の計数を開始する。そして、そのクランク角変化が90度に達したとき(t4)、クランク位置判定部31Aは、ペダル2a(上の例では左ペダル2a)が最下点P1にあると推定し、クランク位置がモード変更許容位置に達したと判断する。クランク位置判定部31Aは、右ペダル2aと左ペダル2aのそれぞれについて上の処理を行う。
なお、クランク位置判定部31Aの処理は、上述した例に限られない。例えば、以下のような処理が可能である。
(例1)クランク位置判定部31Aは、ペダル2aの軌跡Loにおける最上点P0から最下点P1までの範囲での踏力の極大(ピーク踏力)を探索する。そして、トルクセンサ41で検知する踏力が、そのピーク踏力の70%や、ピーク踏力の50%となったときに、クランク位置判定部31Aはクランク位置がモード変更許容位置に達したと判定する。すなわち、クランク位置判定部31Aは、トルクセンサ41で検知する踏力が「ピーク踏力×k」(kは1より小さい係数)となったときに、クランク位置はモード変更許容位置に達したと判断する。
(例2)クランク位置判定部31Aは、1回の漕ぎにおける踏力の極小を探索してもよい。そして、クランク位置判定部31Aは踏力が極小となったときにクランク位置がモード変更許容位置に達したと判断してもよい。
(例3)クランク回転センサ45として、クランク軸2の回転量(クランク角変化)だけでなく、クランク軸2の位置(角度)が検知可能なセンサが利用されてもよい。この場合、クランク位置判定部31Aは、踏力を利用することなく、クランク回転センサ45の出力に基づいてクランク位置がモード変更許容位置に達したか否かを判定してもよい。
制御モード管理部31は、クランク位置がモード変更許容位置(ペダル2aの最下点P1)に達し且つモード変更条件が満たされた場合に、モード変更を実行する。しかしながら、制御モード管理部31は、自転車100の運転状況によっては、クランク位置がモード変更許容位置に達したか否かに関わらず、モード変更を実行してもよい。すなわち、モード変更をライダーに気付かせたくない運転状況(例えば、定常走行)においては、制御モード管理部31は、クランク位置がモード変更許容位置に達したときに、モード変更を実行する。その一方で、モード変更の実行を優先したい運転状況においては、クランク位置に関わらず、制御モード管理部31はモード変更を実行してもよい。自転車100の例では、図6に示す強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、及び定常低負荷判定部U3の判定においてモード変更条件が満たされたとき、制御モード管理部31はモード変更許容位置でモード変更を実行する。その一方で、図6に示す高負荷発進判定部U4及び負荷急減判定部U5の判定においてモード変更条件が満たされたときには、制御モード管理部31はクランク位置に関わらず、モード変更を実行する。このように、自転車100では、予め規定された運転状況においては、クランク位置がモード変更許容位置にあるときにモード変更(補助率の変更)が実行され、別の運転状況においてはクランク位置に関わらずモード変更(補助率の変更)が実行される。こうすることによって、運転状況に最も適したタイミングでモード変更(補助率の変更)が実行され得る。判定部U1~U5の処理については、後において詳説する。
[踏力判定部]
モード変更条件は、踏力についての条件を含んでいる。踏力判定部31Cは、トルクセンサ41で検知した踏力に基づいて、モード変更条件が満たされるか否かを判断する。具体的には、踏力判定部31Cは、1回又は複数の漕ぎにおける踏力の極大(すなわちピーク踏力)や、1回又は複数の漕ぎにおける踏力の平均などが閾値よりも高いか否か、或いは、これらの値が閾値よりも低いか否かを判定する。以下では、判定に利用される踏力の極大や平均などを、まとめて「判定踏力」と称する。
図6に示すように、踏力判定部31Cは判定踏力算出部31Dを含んでいる。判定踏力算出部31Dは、トルクセンサ41の出力に基づいて、モード変更条件の判定に利用される判定踏力を算出する。図6に示すように、踏力判定部31Cは、強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、定常低負荷判定部U3、高負荷発進判定部U4、及び負荷急減判定部U5を含んでいる。各判定部U1~U5は、判定踏力算出部31Dが算出する判定踏力の1又は複数がモード変更条件を満たすか否かを判定する。
判定踏力の例としては、以下のような種類をあげることができる。
・1回の漕ぎにおける踏力の極大(ピーク踏力、図7において例えばPk1)
・1回の漕ぎにおける踏力の極小(図7において例えばBt1)
・連続する複数回の漕ぎにおける踏力の極大(連続する複数のピーク踏力、図7において例えばPk1、Pk2、Pk3など)
・連続する複数回の漕ぎにおける踏力の極小(図7において例えばBt1、Bt2、Bt3、Bt4)
・連続する複数回の漕ぎにおける踏力の極大の移動平均(図7において例えばPk1、Pk2、Pk3の平均)
・連続する複数回の漕ぎにおける踏力の極小の移動平均(図7において例えばBt1、Bt2、Bt3、Bt4の平均)
・1回の漕ぎにおける踏力の平均(図7において例えばMd1、以下において「ミドル踏力」と称する)自転車100の例において、ミドル踏力は、例えば、ピーク踏力が得られた時点からのクランク角変化が90度に達した時点と、その次のピーク踏力が得られた時点からのクランク角変化が90度に達した時点との間の踏力の平均である。
・複数回の漕ぎにおけるミドル踏力の平均(図7において例えばMd1、Md2、Md3の平均)
・踏力の瞬時値(例えば、予め規定されたクランク位置での踏力、図7において例えばC1、C2)
踏力判定部31C(具体的には、強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、及び高負荷発進判定部U4)は、上述の判定踏力のうちの1つ又は複数の判定踏力が閾値よりも高いか否かを判定する。そして、判定踏力が閾値よりも高い場合に、制御モード管理部31は制御モードをアップ側に変更する(すなわち、自転車100の例では、制御モードを「強モード」に近づける。)。判定部U1、U2、U4について規定されてモード変更条件は相互に異なっており、制御モード管理部31は、判定部U1、U2、U4のいずれかにおいてモード変更条件が満たされたと判断されたときに、制御モードをアップ側に変更する。図7の例では、ピーク踏力Pk1が閾値Th11を上回っている。そのため、制御モード管理部31はピーク踏力Pk1が得られた時点からのクランク角変化が90度に達した時点(t4)で、制御モードをアップ側に変更している。
また、踏力判定部31C(具体的には、定常低負荷判定部U3、及び負荷急減判定部U5)は、上述の判定踏力のうちの1つ又は複数の判定踏力が閾値よりも低いか否かを判定する。そして、判定踏力が閾値よりも低い場合に、制御モード管理部31は制御モードをダウン側に変更する(すなわち、制御モードを超エコモードに近づける。)。判定部U3、U5について規定されているモード変更条件は相互に異なっており、制御モード管理部31は、判定部U3、U5のいずれかにおいてモード変更条件が満たされたと判断されたときに、制御モードをダウン側に変更する。
上述したように、制御モード管理部31は、クランク位置がモード変更許容位置あるか否かを判定するクランク位置判定部31Aを有している。したがって、クランク位置がモード変更許容位置に到来するより前に判定踏力がモード変更条件を満たす場合には、判定踏力がモード変更条件を満たす時点から遅れて、モード変更が実行されることとなる。例えば、ピーク踏力が閾値を上回ることがモード変更条件である場合には、閾値よりも高いピーク踏力が見つかった時点から遅れてモード変更が実行される。また、ピーク踏力が閾値を下回ることがモード変更条件である場合には、閾値よりも低いピーク踏力が見つかった時点から遅れてモード変更が実行されることとなる。
[制御モードによって異なる閾値]
なお、モード変更条件は、各制御モードによって異なっていてもよい。例えば、アップ側へのモード変更について規定される判定踏力の閾値は、制御モードが上がるにしたがって(制御モードが強モードに近くなるにしたがって)、高くなってもよい。「アップ側へのモード変更について規定される判定踏力の閾値」は、自転車100の例では、強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、及び高負荷発進判定部U4の判定において利用される閾値である。
図7を例にすると、エコモードから標準モードへの変更について規定される閾値Th11は、超エコモードからエコモードへの変更について規定される閾値Th11より高くてもよい。また、標準モードから強モードへの変更について規定される閾値Th11は、エコモードから標準モードへの変更について規定される閾値Th11より高くてもよい。こうすることによって、アップ側への1回目のモード変更がなされた後、必要以上に簡単に2回目のアップ側へのモード変更が生じることを防ぐことができる。
また、ダウン側へのモード変更について規定される判定踏力の閾値は、制御モードが下がるにしたがって(制御モードが超エコモードに近くなるにしたがって)、低くなってもよい。「ダウン側へのモード変更について規定される判定踏力の閾値」は、自転車100の例では、後述する定常低負荷判定部U3、及び負荷急減判定部U5の判定において利用される閾値である。こうすることによって、ダウン側への1回目のモード変更がなされた後、必要以上に簡単に2回目のダウン側へのモード変更が生じることを防ぐことができる。
なお、踏力の平均が高いけれども、踏力の変動が小さい(踏力の振幅が小さい)漕ぎがなされる場合がある(ここでは、このような漕ぎ方を「スムーズ漕ぎ」と称する。)。スムーズ漕ぎではピーク踏力が低い。そのため、スムーズ漕ぎにおいてピーク踏力だけを利用した判定がなされると、適切なモード変更がなされない可能性がある。そこで、判定踏力としては、上述したように、1回の漕ぎにおけるミドル踏力(図7において例えばMd1)や、複数回の漕ぎにおけるミドル踏力の平均(図7において例えばMd1、Md2、Md3の平均)が利用されてもよい。後において説明するように、自転車100の例では、定常低負荷判定部U3の処理において、ミドル踏力が利用される。
また、判定踏力としては、上述したように、連続する複数回の漕ぎにおける踏力の極大(ピーク踏力)の平均や、踏力の極小の平均が用いられてもよい。このような平均を用いることによって、漕ぎ方の乱れや変速機構27における変速などの影響を緩和できる。後において説明するように、自転車100の例では、定常高負荷判定部U2と定常低負荷判定部U3の処理において、連続する複数の漕ぎで得られたピーク踏力の平均が使用されている。
[変更不可期間判定部]
上述したように、制御モード管理部31は、連続する2つのモード変更の間に、予め規定されている変更不可期間を確保する。変更不可期間判定部31Eは、前回のモード変更から変更不可期間が経過したか否かを判断する。制御モード管理部31は、判定踏力がモード変更条件を満たしている場合であっても、変更不可期間判定部31Eの判定において前回のモード変更から変更不可期間が経過していない場合には、制御モードの変更を実行しない。
[運転状況に応じて定められている変更不可期間]
自転車100の例では、長さが異なる複数の変更不可期間が規定されている。例えば、1回の漕ぎに要する時間よりも短い期間や、1回の漕ぎに相当する期間、1回の漕ぎに要する時間よりも長い期間(例えば、複数回の漕ぎに相当する期間)などが、変更不可期間として規定される。変更不可期間判定部31Eは、複数の変更不可期間のうち自転車100の運転状況に応じた期間を、連続する2つのモード変更の間に確保する。すなわち、自転車100の運転状態に応じて定められた変更不可期間が、前回のモード変更から経過したか否かを、変更不可期間判定部31Eは判断する。このように、変更不可期間として複数の期間を規定することによって、運転状況に応じた適切な頻度でモード変更を実行できる。例えば、自転車100が急加速する場合には比較的短い時間間隔で制御モードを段階的にアップ側に変更できる。その一方で、例えば自転車100が定常走行をしている場合には、制御モードの変更の時間間隔を長くできる。
図6に示すように、自転車100の例では、変更不可期間判定部31Eは、強漕ぎ_期間判定部V1、定常_期間判定部V2、発進_期間判定部V4、負荷急減_期間判定部V5を有している。判定部V1、V2、V4、V5には、長さの異なる変更不可期間がそれぞれ規定されている。判定部V1、V2、V4、V5は、踏力判定部31Cの強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、定常低負荷判定部U3、高負荷発進判定部U4、及び負荷急減判定部U5にそれぞれ対応している。すなわち、強漕ぎ_期間判定部V1は、強漕ぎ判定部U1において判定踏力がモード変更条件を満たした判断されたときに、前回のモード変更から変更不可期間(例えば、1回の漕ぎに相当する期間)が経過したか否かを判定する。定常_期間判定部V2は、定常高負荷判定部U2及び定常低負荷判定部U3において判定踏力がモード変更条件を満たしたと判断されたときに、前回のモード変更から変更不可期間が経過したか否かを判定する。また、発進_期間判定部V4は、高負荷発進判定部U4において判定踏力がモード変更条件を満たした判断されたときに、前回のモード変更から変更不可期間が経過したか否かを判定する。負荷急減_期間判定部V5は、負荷急減判定部U5において判定踏力がモード変更条件を満たした判断されたときに、前回のモード変更から変更不可期間が経過したか否かを判定する。各期間判定部V1、V2、V4、V5について規定されている期間については、後において詳説する。
[漕ぎ回数で規定される変更不可期間]
また、自転車100の例では、複数の変更不可期間として、時間で規定される期間だけでなく、例えば、漕ぎの回数(言い換えれば、クランク角変化)で規定される期間とがある。変更不可期間が漕ぎの回数で規定されている場合、変更不可期間判定部31Eは、前回のモード変更からのクランク角変化を計数し、踏力判定部31C(具体的には、判定部U1、U2、U3)において判定踏力がモード変更条件を満たしたと判定されたときに、計数したクランク角変化が変更不可期間に相当する閾値に達したか否かを判定する。
図7の例では、変更不可期間として3回の漕ぎ(180度×3)が規定されている。アップ側へのモード変更(t4)に続く2回の漕ぎのピーク踏力Pk2、Pk3は、閾値Th11を超えている。しかしながら、これらピーク踏力Pk2、Pk3が取得された時点は変更不可期間を経過していないため、モード変更は実行されていない。さらに次のピーク踏力Pk4も閾値Th11を上回っている。また、ピーク踏力Pk4が取得された時点でのクランク位置からのクランク角変化が90度に達した時点(t5)では、前回のモード変更がなされた時点から3回の漕ぎがなされている。そのため、t5において制御モードがさらにアップ側に変更されている。
このように、変更不可期間を漕ぎの回数(言い換えれば、クランク角変化)で規定することによって、例えばクランク軸2の回転速度が高いときには(ケイデンスが高いときには)、変更不可期間が時間的に早く経過し、クランク軸2の回転速度が低いときに比べて短い時間間隔でモード変更が実行され得る。その結果、漕ぎ方に応じた適切な頻度でモード変更を行うことができる。
なお、図7の例では、変更不可期間として3回の漕ぎが規定されていたが、変更不可期間は3回の漕ぎよりも少なくてもよいし、3回の漕ぎよりも多くてもよい。自転車100の例では、強漕ぎ_期間判定部V1と定常_期間判定部V2とで利用される変更不可期間が漕ぎの回数で規定されている。
また、自転車100の例では、複数の変更不可期間の一部は、時間で規定されている。具体的には、発進_期間判定部V4と負荷急減_期間判定部V5とで利用される変更不可期間として、1回の漕ぎに相当する期間よりも短い期間が時間で規定されている。例えば、自転車の発進時にはケイデンスが低く、約30rpmの場合がある(この場合、1回の漕ぎ(ペダルの最上点から最下点までの移動)には1秒を要する。)。そのため、発進時の変更不可期間としては、例えば1秒よりも短い時間が規定される。このように時間で規定される変更不可期間を利用することによって、ケイデンスの高低によることなく、比較的短い時間間隔で複数のモード変更を行うことができる。
なお、変更不可期間は、自転車100の例に限られない。例えば、複数の変更不可期間の全てが、漕ぎの回数やクランク角変化で規定されてもよい。また、複数の変更不可期間の全てが、時間で規定されてもよい。
[変更条件調整部]
自転車100では、モード変更の生じ易さを作業者(例えば、自転車100のユーザや、メンテナンス作業者)が調整可能となっている。変更条件調整部31Fは、例えば操作入力装置58を通して入力される指示を受け付け、その指示に従ってモード変更条件を調整する。具体的には、変更条件調整部31Fは踏力判定部31Cの処理で利用される閾値を調整する。このように閾値を調整可能とすることによって、ライダーの体格差などによらず適切なタイミングでモード変更の生じさせることができるようになる。
図8は、変更条件調整部31Fが行う処理を説明するための表である。この図に示すように、各閾値について複数のレベルが規定されている。各レベルは、踏力判定部31Cが有している各判定部U1~U5の判定で利用される複数の閾値で構成されている。図8では、例として、強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、及び定常低負荷判定部U3の処理で利用される閾値が示されている。複数の閾値は各レベルに対応付けて制御装置30のメモリに予め記録されており、変更条件調整部31Fは、操作入力装置58を通して入力される指示に従っていずれかのレベルを選択する。言い換えれば、変更条件調整部31Fは、操作入力装置58を通して入力される指示に従って、各レベルに規定されている複数の閾値を一括で選択する。踏力判定部31Cは、選択されたレベルに含まれる閾値を利用して、モード変更条件が満たされるか否かを判定する。このようにレベルの選択によって複数の閾値を一括で選択できる自転車100によれば、閾値の調整作業を容易化できる。
なお、変更条件調整部31Fへの指示は、必ずしも操作入力装置58を通したものでなくてもよい。例えば、制御装置30には、外部の装置、例えば自転車100のメンテナンス業者が利用する情報処理装置が接続可能であってもよい。この場合、変更条件調整部31Fは、その情報処理装置から入力される指示に従って、閾値について規定された複数のレベルのいずれかを選択してもよい。また、閾値の調整は一括して行われなくてもよい。図8を例にすると、強漕ぎ判定部U1で利用される閾値と、定常高負荷判定部U2で利用される閾値と、定常低負荷判定部U3で利用される閾値は、別個に調整可能であってもよい。
[利用可能モード制限部]
自転車100では、制御装置30が利用可能な制御モードを作業者(自転車100のユーザや、メンテナンス作業者など)が制限できる。利用可能モード制限部31Gは、例えば操作入力装置58を通して入力される指示を受け付け、その指示に従って制御モード管理部31が選択する制御モードを制限できる。自転車100の例では、利用可能モード制限部31Gは、例えば強モードの選択を規制したり、超エコモードの選択を規制する。言い換えれば、利用可能モード制限部31Gは、最も高い補助率が算出される制御モードの選択を規制したり、最も低い補助率が算出される制御モードの選択を規制する。利用可能モード制限部31Gが、例えば超エコモードの選択を規制した場合、制御モード管理部31は他の3つの制御モードのなかでモード変更を行う。利用可能モード制限部31Gが、例えば強モードの選択を規制した場合には、制御モード管理部31は他の3つの制御モードのなかでモード変更を行う。すなわち、制御モード管理部31が選択可能な制御モードを利用可能モード制限部31Gが制限した場合、制御モード管理部31は残りの制御モードのなかでモード変更を行う。これによると、ユーザの好みに合った制御モードだけで電動モータ21を駆動できるようになる。
なお、利用可能モード制限部31Gへの指示は、必ずしも操作入力装置58を通したものでなくてもよい。例えば、制御装置30には、外部の装置、例えば自転車100のメンテナンス業者が利用する情報処理装置が接続可能であってもよい。この場合、利用可能モード制限部31Gは、その情報処理装置から入力される指示に従って、最も高い補助率が算出される制御モードの選択を規制したり、最も低い補助率が算出される制御モードの選択を規制してもよい。また、利用可能モード制限部31Gによって制限される制御モードは、最も高い補助率が算出される制御モードや、最も低い補助率が算出される制御モードでなくてもよい。自転車100の例では、標準モードの選択や、エコモードの選択が利用可能モード制限部31Gによって制限されてもよい。
[手動変更部]
上述したように、制御モード管理部31は手動変更部31Hを含んでいる。手動変更部31Hは、操作入力装置58から入力される制御モードの変更指示を受け付けて、その指示に応じて制御モードを変更する。このような操作入力装置58から入力される指示に応じて制御モードを変更するときも、モード変更(補助率の変更)は、ペダル2aが図5に示す前限界位置P2と後限界位置P3との間にあるときに実行されてよい。すなわち、手動変更部31Hは、制御モードの変更指示を受けた後、クランク位置判定部31Aの処理によってクランク位置がモード変更許容位置に達したと判定されたとき、例えばピーク踏力が得られた後のクランク角変化が予め規定された角度(例えば、90度)に達したときに、制御モードを変更してもよい。
[制御モード管理部の処理の流れ]
図9は、制御モード管理部31が実行する処理の例を示すフロー図である。同図に示す処理は自転車100の走行時に繰り返し実行される。ここでは、図7を参照して説明したように、ピーク踏力が得られた後のクランク角変化(ピーク踏力の候補が見つかった時点からのクランク角変化)が90度に達し、且つ変更不可期間が経過していることを条件としてモード変更を実行するための処理を説明する。
制御モード管理部31はピーク踏力の候補を探索する(S101)。ピーク踏力の探索は例えば次のように行うことができる。すなわち、トルクセンサ41の出力に基づいて踏力を所定の周期で検知し、検知した各踏力と既にメモリに記録されているピーク踏力の候補とを比較し、検知した踏力が既にメモリに記録されているピーク踏力の候補より大きい場合に、ピーク踏力の候補をその大きな踏力で更新する。検知した踏力が既にメモリに記録されているピーク踏力の候補より小さい場合には、ピーク踏力の候補が更新されないので、メモリには踏力の極大(すなわちピーク踏力)が残ることとなる。
ピーク踏力の候補が見つかると、クランク位置判定部31Aは、クランク位置がモード変更許容位置に達したか否かを判定する(S102)。具合的には、クランク位置判定部31Aは、ピーク踏力の候補が見つかった時点からのクランク角変化が予め定めた角度(具体的には、90度)に達したか否かを判定する。そして、クランク角変化が予め定めた角度に達している場合、すなわち、クランク位置がモード変更許容位置に達したときに、モード変更条件が満たされるか否かを判定する。つまり、制御モード管理部31は、ピーク踏力の候補が見つかる度に(すなわち、踏力の極大が得られる度に)クランク角変化の計数を開始し、クランク角変化が90度に達したときにモード変更条件が満たされたか否かを判定する。
判定踏力算出部31Dが、ピーク踏力の候補をピーク踏力として確定し(S103)、これをメモリに記録するとともに、判定踏力を算出する(S104)。上述したように、判定踏力算出部31Dは、例えば、連続する複数の漕ぎのピーク踏力の平均(移動平均)を判定踏力として算出する。また、判定踏力算出部31Dは、1回の漕ぎにおける踏力の平均(すなわち、ミドル踏力)や、連続する複数の漕ぎにおけるミドル踏力の平均(移動平均)などを、判定踏力として算出する。そして、踏力判定部31Cは、算出された判定踏力(確定したピーク踏力を含む)に基づいて、モード変更条件が満たされるか否かを判定する。
具体的には、踏力判定部31C(自転車100の例では、強漕ぎ判定部U1及び定常高負荷判定部U2)は、算出された判定踏力のそれぞれがアップ側へのモード変更の閾値を上回るか否かを判定する(S105)。算出された判定踏力が閾値を上回っている場合、変更不可期間判定部31E(自転車100の例では、強漕ぎ_期間判定部V1及び定常_期間判定部V2)は、漕ぎの回数(クランク角変化)で規定されている変更不可期間が前回のモード変更から経過したか否かを判断する(S106)。変更不可期間として規定された回数の漕ぎ(クランク角変化)が未だ経過していない場合、制御モード管理部31はモード変更を行うこと無く、S101の処理に戻る。一方、変更不可期間として規定された回数の漕ぎが既に経過している場合、制御モード管理部31はアップ側へのモード変更を行い(S107)、今回の処理を終了する。
S105の判定において、判定踏力が閾値を上回っていない場合、踏力判定部31C(自転車100の例では、定常低負荷判定部U3)は、判定踏力がダウン側へのモード変更の閾値を下回っているか否かを判定する(S108)。判定踏力が閾値を下回っている場合、変更不可期間判定部31E(自転車100の例では、定常_期間判定部V2)は、漕ぎの回数(クランク角変化)で規定されている変更不可期間が前回のモード変更から経過したか否かを判断する(S109)。変更不可期間として規定された回数の漕ぎ(クランク角変化)が未だ経過していない場合、制御モード管理部31はモード変更を行うこと無く、S101の処理に戻る。一方、変更不可期間として規定された回数の漕ぎが既に経過している場合、制御モード管理部31はダウン側へのモード変更を行い(S110)、今回の処理を終了する。
図9に示す制御モード管理部31の処理によると、図7を参照して説明したように、ピーク踏力が得られた時点からのクランク角変化が90度に達し、且つ漕ぎの回数(クランク角変化)で規定されている変更不可期間が経過した場合に、モード変更が実行される。
なお、制御モード管理部31が実行する処理は、図9の例に限られない。(1)例えば、図9の例とは反対に、漕ぎの回数(クランク角変化)で規定されている変更不可期間が前回のモード変更から経過したか否かを判定し(S106、S109)、変更不可期間が既に経過している場合にだけ、判定踏力と閾値との比較(S105、S108)の処理が行われてもよい。(2)さらに他の例として、クランク回転センサ45がクランク軸2の回転位置(角度位置)を検知可能なセンサである場合には、ペダル2aが水平位置P4にあるときに検知される踏力をピーク踏力として利用してもよい。(3)また、図9の例では、ピーク踏力の候補(踏力の極大)が見つかった時点からのクランク角変化が90度に達したときに、ピーク踏力が確定され(S103)、判定踏力が算出され(S104)、判定踏力がモード変更条件を満たすか否かが判定されている(S105、S108)。しかしながら、S103、S104、S105、及びS108の処理は、踏力の極大が見つかった時点からのクランク角変化が90度に達する前に実行されてもよい。例えば、極大が見つかった後の踏力が予め規定された割合(例えば、20%や30%)だけその極大から下がったときに、ピーク踏力が確定され、判定踏力が算出され、その判定踏力がモード変更条件を満たすか否かが判定されてもよい。その後に、踏力の極大が見つかった時点からのクランク角変化が90度に達したときに、モード変更が実行されてもよい。(4)さらに他の例として、モード変更条件が満たされるか否かの判定は、踏力が検出される度に実行されてもよい。例えば、踏力が閾値を上回ることがモード変更条件である場合には、踏力が検出される度にその踏力が閾値よりも高いか否かが判定されてもよい。
以下において、図6に示す強漕ぎ判定部U1、定常高負荷判定部U2、定常低負荷判定部U3、高負荷発進判定部U4、及び負荷急減判定部U5について説明する。なお、各判定部U1~U5について規定している閾値の種類や変更不可期間は、一例に過ぎず、適宜変更されてよい。
[強漕ぎ判定]
急加速時や急坂を上る場合など、ペダルが強く漕がれる場合がある。強漕ぎ判定部U1は、このような走行を判定する。例えば、強漕ぎ判定部U1は、ピーク踏力が閾値よりも高いか否かを判断する(以下では、この閾値を強漕ぎ判定閾値と称する。)。図10は、強漕ぎ判定部U1が行う処理を説明するためのタイムチャートである。強漕ぎ判定部U1は、各ピーク踏力が強漕ぎ判定閾値Th11よりも高いか否かを判断する。この図の例では、t1でのピーク踏力Pk1は強漕ぎ判定閾値Th11よりも高いので、t1の後、クランク角変化が90度に達した時点t2において、制御モードがアップ側に変更されている。また、この図の例では、t3でのピーク踏力Pk2も強漕ぎ判定閾値Th11よりも高く、t5でのピーク踏力Pk3も強漕ぎ判定閾値Th11よりも高いので、t3の後、クランク角変化が90度に達した時点t4において、制御モードがアップ側に変更され、さらに、t5の後、クランク角変化が90度に達した時点t6において、制御モードがさらにアップ側に変更されている。
なお、図10の例では、強漕ぎ判定部U1についての変更不可期間が1回の漕ぎ(クランク角変化の180度に相当)と設定されている。t2でのクランク位置からt4でのクランク位置までの間に180度あり、t4でのクランク位置からt6でのクランク位置までの間に180度あるので、t4、t6のそれぞれにおいて制御モードがアップ側に変更されている。変更不可期間をこのように設定することによって、図10に示すように、ペダル2aを1回漕ぐ度に、制御モードをアップ側に変更できる。
[定常高負荷判定]
緩い登坂を走行する場合や逆風下で走行する場合など、定常的に高い負荷が作用する状況で走行する場合がある。定常高負荷判定部U2は、このような走行を判定する。例えば、定常高負荷判定部U2は、連続する複数回の漕ぎのピーク踏力と、それらピーク踏力の平均とを判定踏力として利用し、連続する複数回の漕ぎのピーク踏力のそれぞれが閾値よりも高いか否か、及び、それらピーク踏力の平均が閾値よりも高いか否かを判定する(以下ではこの2つの閾値をそれぞれ「各漕ぎ_高負荷判定閾値」、「平均_高負荷判定閾値」と称する。)。
図11は、定常高負荷判定部U2が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。定常高負荷判定部U2は、連続する複数(例えば、4つ)のピーク踏力Pk1、Pk2、Pk3、Pk4のそれぞれが各漕ぎ_高負荷判定閾値Th21よりも高いか否かを判定する。また、定常高負荷判定部U2は、連続する複数(例えば、4つ)のピーク踏力Pk1、Pk2、Pk3、Pk4の平均(移動平均)が平均_高負荷判定閾値Th22よりも高いか否かを判定する。この図の例では、t1で得られるピーク踏力Pk4によって上述の2つの条件が満たされ、t1の後、クランク角変化が90度に達した時点t2において、制御モードがアップ側に変更されている。
なお、変更不可期間判定部31Eは、図6に示すように、定常高負荷判定部U2のための定常_期間判定部V2を有している。定常_期間判定部V2は前回のモード変更から複数回の漕ぎ(n回の漕ぎ)が経過したか否かを判定する。すなわち、定常_期間判定部V2は、前回のモード変更からのクランク角変化がn×180度に達したか否かを判定する。自転車100の例では、定常_期間判定部V2の変更不可期間として4回の漕ぎ(クランク角変化の720度に相当)が設定されている。そのため、ピーク踏力Pk5も各漕ぎ_高負荷判定閾値Th21及び平均_高負荷判定閾値Th22よりも高いものの、ピーク踏力Pk5が得られたことに起因するモード変更は実行されない。
このように、定常高負荷判定部U2の判定では、判定踏力として、連続する複数のピーク踏力と、それらの平均とが利用されている。ピーク踏力の平均を利用することによって、ライダーの漕ぎの乱れや変速機構27の変速に起因する踏力の変化が判定に影響することを抑えることができる。
なお、定常高負荷判定部U2の判定処理は、上述した例に限られない。例えば、連続する複数のピーク踏力Pk1、Pk2、Pk3、Pk4の平均を利用した判定は実行されなくてもよい。さらに他の例として、定常高負荷判定部U2の判定処理では、1回の漕ぎにおける踏力の平均(すなわち、上述した「ミドル踏力」)や、連続する複数回の漕ぎにおけるミドル踏力の平均と、閾値とが比較されてもよい。
なお、自転車100の例では、図11に示すように、各漕ぎ_高負荷判定閾値Th21は平均_高負荷判定閾値Th22よりも低い。2つの閾値をこのように設定することによって、右脚での踏力と左脚での踏力とが均等でない漕ぎがなされる場合でも、判定が適切に実行され得る。すなわち、各漕ぎ_高負荷判定閾値Th21が平均_高負荷判定閾値Th22と同じであると、例えば右脚での踏力が左脚での踏力に比して小さいために、定常高負荷判定部U2の判定条件が満たされず、モード変更がなされない場合が生じ得る。各漕ぎ_高負荷判定閾値Th21を平均_高負荷判定閾値Th22よりも低くすることによって、そのような事態の発生を防ぐことができる。
[定常低負荷判定]
下り坂を走行する場合や、追い風下で走行する場合など、定常的に負荷が低い状況で走行する場合がある。定常低負荷判定部U3は、このような走行を判定する。例えば、定常低負荷判定部U3は、連続する複数回の漕ぎのピーク踏力のそれぞれが閾値よりも低いか否か、及び、それらピーク踏力の平均が閾値よりも低いか否かを判定する(以下ではこの2つの閾値をそれぞれ「各漕ぎ_低負荷判定閾値」、「平均_低負荷判定閾値」と称する。)。また、定常低負荷判定部U3は、連続する複数回の漕ぎのミドル踏力の平均(移動平均)が閾値よりも低いか否かを判定する(この閾値を「ミドル_低負荷判定閾値」と称する。)。「ミドル踏力」とは、上述したように、1回の漕ぎにおける踏力の平均である。制御モード管理部31は、例えばこれら3つの条件の全てが満たされるときに、ダウン側へのモード変更を実行する。他の例として、定常低負荷判定部U3は、連続する複数回の漕ぎのミドル踏力のそれぞれが閾値よりも低いか否かを判定してもよい。
図12は、定常低負荷判定部U3が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。定常低負荷判定部U3は、連続する複数(例えば、4つ)のピーク踏力Pk1、Pk2、Pk3、Pk4のそれぞれが各漕ぎ_低負荷判定閾値Th31よりも低いか否かを判定する。また、定常低負荷判定部U3は、連続する複数(例えば、4つ)のピーク踏力Pk1、Pk2、Pk3、Pk4の平均(移動平均)が平均_低負荷判定閾値Th32よりも低いか否かを判定する。さらに、定常低負荷判定部U3は、連続する複数回の漕ぎのミドル踏力Md1、Md2、Md3、Md4の平均(移動平均)がミドル_低負荷判定閾値Th33よりも低いか否かを判定する。図12の例では、ピーク踏力Pk4が得られ且つミドル踏力Md4が確定した時点t2で、上述した3つの条件の全てが満たされている。そして、ピーク踏力Pk4が得られた時点t1からのクランク角変化が90度に達した時点(t2)において、クランク軸2がモード変更許容位置に達しており、制御モードがダウン側に変更されている。
上述したように、変更不可期間判定部31Eは定常_期間判定部V2を有している。定常_期間判定部V2は、定常低負荷判定部U3で規定するモード変更条件が満たされた場合にも、前回のモード変更から複数回の漕ぎ(n回の漕ぎ)が経過したか否かを判定する。そのため、ピーク踏力Pk5も閾値Th31、Th32よりも低いものの、ピーク踏力Pk5が得られたことに起因するモード変更は実行されない。
上述したように、踏力の平均が高いけれども、踏力の変動が小さいスムーズ漕ぎがなされる場合がある。スムーズ漕ぎにおいてピーク踏力だけを利用した判定がなされると、スムーズ漕ぎではピーク踏力が低いために、適切なモード変更がなされない可能性がある。例えば、定常低負荷判定部U3の判定においてピーク踏力だけが利用されると、このようなスムーズ漕ぎにおいて、踏力の平均は高いにも関わらず、制御モードがダウン側に変更されてしまう。これに対して、自転車100の例では、定常低負荷判定部U3の判定においてミドル踏力が利用されているので、このようなスムーズ漕ぎにおいても制御モードが必要以上に変更されることを防ぐことができる。
なお、このようなミドル踏力を利用した判定は、定常高負荷判定部U2においても実行されてよい。すなわち、定常高負荷判定部U2は、連続する複数回の漕ぎのミドル踏力のそれぞれが閾値よりも低いか否か、及び/又は、連続する複数回の漕ぎのミドル踏力の平均(移動平均)が閾値よりも低いか否かを判定してもよい。
なお、自転車100の例では、図12に示すように、各漕ぎ_低負荷判定閾値Th31は平均_低負荷判定閾値Th32よりも高い。2つの閾値をこのように設定することによって、右脚での踏力と左脚での踏力とが均等でない場合でも、判定が適切に実行され得る。すなわち、各漕ぎ_高負荷判定閾値Th31が平均_高負荷判定閾値Th32と同じであると、例えば右脚での踏力が左脚での踏力に比して大きいために、定常低負荷判定部U3の判定条件が満たされず、モード変更がなされない場合が生じ得る。各漕ぎ_低負荷判定閾値Th31を平均_低負荷判定閾値Th32よりも高くすることによって、そのような事態の発生を防ぐことができる。
[高負荷発進判定]
急坂で走行を開始する場合など、クランク軸2の回転速度が低く且つ高い負荷が作用する場合がある。高負荷発進判定部U4は、このような走行を判定する。例えば、高負荷発進判定部U4は、閾値よりも高い踏力が予め規定した時間以上継続するか否かを判定する(以下において、この閾値を「高負荷発進閾値」と称する。また、予め規定した時間を「継続時間閾値」と称する。)。そして、高負荷発進閾値よりも高い踏力が続く時間が継続時間閾値に達したときに、制御モード管理部31は制御モードをアップ側に変更する。したがって、高負荷発進判定部U4の処理においてモード変更条件が満たされたと判定された場合には、クランク位置がモード変更許容位置にあるか否かに関わらず、モード変更が実行される。
図13は高負荷発進判定部U4が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。この図の例では、t0で走行が開始され、t1で踏力は高負荷発進閾値Th41に達している。その後も、踏力は上昇し、t2において、高負荷発進閾値Th41に踏力が達した時点からの継続時間が継続時間閾値に達している。そのため、制御モードがアップ側に変更されている。
上述したように、変更不可期間判定部31Eは、高負荷発進判定部U4のための発進_期間判定部V4を有している。発進_期間判定部V4は前回のモード変更から予め規定された変更不可期間が経過したか否かを判定する。自転車100の例では、高負荷発進判定部U4についての変更不可期間は時間で規定され、継続時間閾値よりも長く、且つ低ケイデンスでの走行において1回の漕ぎに要する時間(約1秒以上)よりも短くなるように設定されている。こうすることによって、1回目の漕ぎが終了する前においても制御モードが速やかにアップ側にされる。高負荷発進判定部U4についての変更不可期間は、例えば、0.3秒以上、0.7秒以下である。変更不可期間は、より好ましくは、例えば0.4秒以上、0.6秒以下である。変更不可期間は例えば0.5秒である。図13の例では、t2においてモード変更が実行された後も高い踏力が維持され、t3において、制御モードがアップ側に変更された時点t2からの継続時間が継続時間閾値に達している。しかしながら、時点t3では、前回のモード変更からの経過時間が変更不可期間に達していないので、t3ではモード変更は実行されない。図13の例では、t3の後においても、高負荷発進閾値よりも高い踏力が維持されており、前回のモード変更(t2)から経過時間が変更不可期間に達したときに(t4)、制御モードがアップ側に変更されている。
[負荷急減判定]
下り坂に入ったとき場合など、負荷が急激に低下する場合がある。負荷急減判定部U5は、このような走行を判定する。例えば、負荷急減判定部U5は、閾値よりも低い踏力が予め規定した時間以上継続するか否かを判定する(以下において、この閾値を「負荷急減判定閾値」と称する。また、予め規定した時間を「継続時間閾値」と称する。)。そして、負荷急減判定閾値よりも低い踏力の継続時間が継続時間閾値に達したときに、制御モード管理部31は制御モードをダウン側に変更する。
図14は負荷急減判定部U5が行う処理の例を説明するためのタイムチャートである。この図の例では、t0で踏力は負荷急減判定閾値Th51に達している。その後の漕ぎにおいても、負荷急減判定閾値Th51よりも低い踏力が出力されており、負荷急減判定閾値Th51に踏力が達した時点からの継続時間がt1において継続時間閾値に達している。そのため、制御モードがダウン側に変更されている。
上述したように、変更不可期間判定部31Eは負荷急減_期間判定部V5を有している。負荷急減_期間判定部V5は前回のモード変更から予め規定された変更不可期間が経過したか否かを判定する。負荷急減判定部U5についての変更不可期間も時間で規定される。例えば、変更不可期間は、1回の漕ぎに要する時間よりも長くなるように設定される。また、負荷急減判定部U5についての変更不可期間は、漕ぎの回数(クランク角変化)で規定されてもよい。負荷急減判定部U5についての変更不可期間は、時間と漕ぎの回数の双方で規定されてもよい。図14の例では、t1の後においても、負荷急減判定閾値Th51よりも低い踏力が出力され、前回のモード変更(t1)から経過時間が変更不可期間に達したときに(t2)、制御モードがダウン側に変更されている。
[まとめ]
(1)以上説明したように、制御装置30は、電動モータ21の制御として、異なる補助率が算出される複数の制御モードを有し、制御モードの変更について定められたモード変更条件を記憶している。制御装置30は、ペダルの軌跡の最下点に45度を加算した回転位置P3(図5)と、最下点から45度を減算した回転位置P2(図5)との間にペダル2a(言い換えれば、ペダルの位置に対応するクランク位置)があるときに、モード変更を実行する。これによれば、ライダーが発揮する踏力が比較的小さいときにモード変更を実行することとなる。その結果、ライダーに作用する負荷が急変することに起因する違和感を防ぐことができる。
なお、自転車100において、「モード変更条件」は、踏力や車速などの運転状況に関する条件だけでなく、ライダーによるモード変更指示が操作入力装置58を通して制御装置30に入力されることも含む。すなわち、操作入力装置58を通してモード変更指示が制御装置30に入力されたときに、「モード変更条件」が満たされたと判断され、制御モードが変更される。自転車100では、制御装置30は、自動変更部31Bと手動変更部31Hとを有している。自転車100の例とは異なり、制御装置30は、自動変更部31Bと手動変更部31Hのうち一方を有していなくてもよい。例えば、制御装置30は手動変更部31Hだけを有し、自動変更部31Bを有していなくてもよい。
(2)制御装置30は、モード変更条件が満たされた時点から遅れてモード変更を実行する。これによると、モード変更条件が満たされるか否かが判断されるタイミングと、モード変更が実行されるタイミングとをずらすことができるので、双方のタイミングを適切化できる。
(3)制御装置30は、トルクセンサ41で検知した踏力に基づいて得られた回転位置でモード変更を実行している。この形態によれば、クランク軸の回転位置(絶対値)を検知する専用のセンサが不要となり、コストの低減又は部品数の低減を図ることができる。
(4)制御装置30は、ペダル2aの軌跡Loにおける最上点P0から最下点P1までの範囲でトルクセンサ41を通して検知した踏力が極大となった回転位置から予め定められた角度(例えば、90度)だけ進んだ回転位置で、モード変更を実行している。これによると、クランク軸2の回転量(クランク角変化)が検知できるセンサがあれば、クランク軸2の回転位置(絶対値)を検知する専用のセンサが不要となり、コストの低減又は部品数の低減を図ることができる。
(5)自転車100は、現在の制御モードを示す表示装置59を有している。これによると、ライダーが現在の制御モードを正しく把握できるようになり、ライダーにとって利便性を向上できる。
(6)制御装置は、前記第1モードにおいて、前記ペダルに加えられる踏力と補助率との関係を規定する第1マップを利用し、前記制御装置は、前記第2モードにおいて、前記ペダルに加えられる踏力と補助率との関係を規定する第2マップを利用してもよい。
(7)制御装置30は、連続する2つのモード変更の間に、予め定められた変更不可期間を確保している。すなわち、制御装置30は、複数のモードのいずれかから別のモードへの変更(モード変更)と、その次のモード変更との間に、変更不可期間を確保している。これによれば、モード変更の頻度を適切化できる。
(8)変更不可期間はペダル2aの1回の漕ぎに要する時間よりも短い。これによれば、例えば高い負荷が作用し且つクランク軸の回転速度が低い走行時(例えば、登坂での発進時)に、短い時間間隔でモード変更を行うことができる。
(9)変更不可期間は、ペダル2aの1回の漕ぎに要する時間と同じ又はペダル2aの1回の漕ぎに要する時間よりも長い。これによれば、モード変更の頻度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
(10)変更不可期間として、第1不可期間(例えば、1回の漕ぎに相当する期間)と、第1不可期間よりも長い第2不可期間(例えば、複数回の漕ぎに相当する期間)とが規定されており、2つのモード変更の間に、第1不可期間と第2不可期間のうち一方が自転車100の運転状況に応じて確保される。これによって、運転状況に応じた適切な頻度でモード変更を実行できる。例えば、自転車100が急加速する場合には比較的短い時間間隔で制御モードを段階的に変更できる。その一方で、例えば自転車が定常走行をしている場合には、制御モードの変更の時間間隔を長くできる。
(11)変更不可期間は、漕ぎの回数又はクランク軸2の回転量(クランク角変化)で規定されており、制御装置30は、漕ぎの回数又はクランク角変化を計数し、計数した漕ぎの回数又はクランク角変化に基づいて変更不可期間が経過したか否かを判定している。これによると、例えばケイデンスが高い走行状態では比較的短い時間間隔でモード変更を行うことができる。その結果、漕ぎ方に応じた適切な頻度でモード変更を行うことができる。
(12)制御装置30は、トルクセンサ41によって検知した踏力に基づいて、モード変更条件が充足したか否かを判断している。これによって、ライダーに高い負荷が作用したときや、ライダーに作用する負荷が減少したときに、制御モードを変更できる。
(13)上述したように、エコモードから標準モードへの変更について規定される閾値Th11は、超エコモードからエコモードへの変更について規定される閾値Th11より高くてもよい。また、標準モードから強モードへの変更について規定される閾値Th11は、エコモードから標準モードへの変更について規定される閾値Th11より高くてもよい。これによると、1回目のモード変更がなされた直後に2回目のモード変更がなされることを、防ぐことができる。
(14)制御装置30では、モード変更条件(より具体的には、閾値)が、操作入力装置58を通して調整可能となっている。これによると、個々のユーザにとって適したタイミングで制御モードを変更できるようになる。
(15)制御装置30は、制御装置30が利用する制御モードを1又は複数の制御モードに限定する指示を、操作入力装置58から受け付ける。これによれば、ユーザの好みに合った制御モードだけで電動モータ21を駆動できるようになる。
(16)制御装置30には複数のモード変更条件が既定されている。そして、各モード変更条件で使用される踏力の種類は異なっている。これによれば、複数の種類の値が利用されるので、例えば1つの種類しか使用されない場合に比して、モード変更を適切なタイミングで実行できる。例えば、第1モード変更条件(例えば、強漕ぎ判定)は、ペダル2aの1回の漕ぎにおける踏力の極大について規定され、第2モード変更条件(例えば、定常低負荷判定)は、ペダル2aの1回の漕ぎにおける踏力の平均について規定されている。これによれば、第2モード変更条件を利用することによって、例えば踏力の変動が小さい漕ぎ方(極大が小さい漕ぎ方)がなされる場合であっても、適切に制御モードを変更できる。
(17)第1モード変更条件(例えば、強漕ぎ判定)は、ペダル2aの1回の漕ぎにおける踏力について規定され、第2モード変更条件(例えば、定常高負荷判定)は、ペダル2aの複数の漕ぎにおける踏力について規定されている。これによると、瞬間的に高い負荷が作用する場合(第1モード変更条件)だけでなく、定常的に高い負荷が作用している場合(第2モード変更条件)においても、制御モードを変更できる。
[変形例]
本開示は、以上説明した自転車100の例に限られない。例えば、以下のような変更が可能である。
制御モード管理部31は、ペダル2aが最下点P1又は最下点P1に近い位置になくてもモード変更を実行する高負荷発進判定部U4や負荷急減判定部U5を有していなくてもよい。
また、踏力判定部31Cの判定部U1、U2、U3、U4、U5は、ピーク踏力とともに、ピーク踏力に変えて、踏力の極小を利用してもよい。
また、連続する2つのモード変更の間に確保される変更不可期間は、アップ側のモード変更とダウン側のモード変更とのうち一方にだけ規定されてもよい。例えば、変更不可期間は、アップ側のモード変更についてだけ規定されてもよい。反対に、変更不可期間は、ダウン側のモード変更についてだけ規定されてもよい。
上述したように、1つの制御モードに複数の補助率マップが対応づけられていてもよい。この場合、各制御モードでの補助率マップの変更は、ペダル2aが最下点P1又は最下点P1に近い位置にあるときに実行されてもよい。この場合、各補助率マップが本開示で言う制御モードを構成する。
また、現在選択されている制御モードは表示装置59に表示されなくてもよい。この場合、制御装置30が利用する複数の補助率マップが、本開示でいう複数の制御モードをそれぞれ構成する。
2 クランク軸、2a ペダル、5 チェーン、6 後輪、7 ハンドル、8 ハンドルステム、9 前輪、10 駆動システム、11 シートチューブ、17 フレーム、17a ヘッドパイプ、18 サドル、19 フロントフォーク、20 ドライブユニット、21 電動モータ、22 バッテリ、23 一方向クラッチ、24 合力伝達機構、25 減速機、26 一方向クラッチ、27 変速機構、28 一方向クラッチ、30 制御装置、31 制御モード管理部、31A クランク位置判定部、31B 自動変更部、31C 踏力判定部、31D 判定踏力算出部、31E 変更不可期間判定部、31F 変更条件調整部、31G 利用可能モード制限部、31H 手動変更部、32 モータ制御部、33 表示制御部、39 モータ駆動装置、41 トルクセンサ、42 モータ回転センサ、43 前輪回転センサ、45 クランク回転センサ、58 操作入力装置、59 表示装置、U1 強漕ぎ判定部、U2 定常高負荷判定部、U3 定常低負荷判定部、U4 高負荷発進判定部、U5 負荷急減判定部、100 電動補助自転車。

Claims (18)

  1. ペダルに加えられる踏力を検知するためのセンサと、
    前記ペダルの踏み込みを補助する動力を出力する電動モータと、
    前記電動モータによる補助率を算出する制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記ペダルの踏み込みを第1の補助率で補助する第1モードと、前記第1の補助率とは異なる第2の補助率で前記ペダルの踏み込みを補助する第2モードとを有し、前記第1モードから前記第2モードへの変更について定められたモード変更条件が満たされるか否かを判定し、
    前記制御装置は、前記ペダルの軌跡の最下点に45度を加算した回転位置と、前記最下点から45度を減算した回転位置との間に前記ペダルがあるときに、前記第1モードから前記第2モードへのモード変更を実行する
    ことを特徴とする電動補助自転車の駆動システム。
  2. 前記モード変更条件が満たされた時点から遅れて前記第1モードから前記第2モードへの前記モード変更が実行される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動補助自転車の駆動システム。
  3. 前記制御装置は、前記センサを通して検知した踏力に基づいて得られた回転位置で前記第1モードから前記第2モードへの前記モード変更を実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動補助自転車の駆動システム。
  4. 前記制御装置は、踏力が極大となった時点からクランク軸の回転が予め定められた角度だけ進んだ回転位置で、前記第1モードから前記第2モードへの前記モード変更を実行する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  5. 現在の制御モードを示す表示装置をさらに有している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  6. 前記制御装置は、前記第1モードにおいて、前記ペダルに加えられる踏力と補助率との関係を規定する第1マップを利用し、
    前記制御装置は、前記第2モードにおいて、前記ペダルに加えられる踏力と補助率との関係を規定する第2マップを利用する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  7. 前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード及び前記第2モードとは補助率が異なる第3モードをさらに有し、
    前記制御装置は、連続する2つのモード変更の間に、予め定められた変更不可期間を確保する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  8. 前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間は前記ペダルの1回の漕ぎに要する時間よりも短い
    ことを特徴とする請求項7に記載の電動補助自転車の駆動システム。
  9. 前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間は、前記ペダルの1回の漕ぎに要する時間と同じ又は前記ペダルの1回の漕ぎに要する時間よりも長い
    ことを特徴とする請求項7に記載の電動補助自転車の駆動システム。
  10. 前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間として、第1不可期間と、前記第1不可期間よりも長い第2不可期間とが規定されており、
    前記第1のモード変更と前記第2のモード変更との間に、前記第1不可期間と前記第2不可期間のうち一方が前記自転車の運転状況に応じて確保される
    ことを特徴とする請求項7に記載の電動補助自転車の駆動システム。
  11. 前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記予め定められた変更不可期間は、漕ぎの回数又は前記クランク軸の回転量で規定されており、前記制御装置は、漕ぎの回数又は前記クランク軸の回転量を計数し、計数した漕ぎの回数又は前記クランク軸の回転量に基づいて前記予め定められた変更不可期間が経過したか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項7に記載の電動補助自転車の駆動システム。
  12. 前記制御装置は、前記センサによって検知した踏力に基づいて、前記モード変更条件が充足したか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  13. 前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードを含む少なくとも3つのモードを有し、
    前記第2モードの補助率は前記第1モードの補助率より高く、
    前記第3モードの補助率は前記第2モードの補助率より高く、
    前記第1モードから前記第2モードへの変更についての前記モード変更条件は、前記センサの出力に基づいて算出され得る踏力が第1の閾値より高いことを含み、
    前記第2モードから前記第3モードへの変更についてのモード変更条件は、前記センサの出力に基づいて算出され得る踏力が第2の閾値より高いこと含み、
    前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも高い
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  14. 前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードを含む少なくとも3つのモードを有し、
    前記第1モードから前記第2モードへの変更についての前記モード変更条件と、前記第2モードから前記第3モードへの変更についてのモード変更条件のうち少なくとも一方は、作業者が操作可能な入力装置を通して調整可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  15. 前記制御装置は、前記電動モータの制御モードとして、前記第1モード、前記第2モード、及び第3モードを含む少なくとも3つの制御モードを有し、
    前記制御装置は、前記制御装置が利用する制御モードを前記少なくとも3つの制御モードのうちの1又は複数の制御モードに限定する指示を、作業者が操作可能な入力装置から受け付ける
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  16. 前記第1モードから前記第2モードへの変更について定められたモード変更条件として、第1モード変更条件と第2モード変更条件とが規定されており、
    前記制御装置は、前記センサの出力に基づいて、第1の値と、前記第1の値とは異なる種類の第2の値とを算出し、
    前記第1モード変更条件は前記第1の値について規定され、
    前記第2モード変更条件は前記第2の値について規定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  17. 前記第1モードから前記第2モードへの変更について定められたモード変更条件として、第1モード変更条件と第2モード変更条件とが規定されており、
    前記ペダルの最上点から最下点への回転を1回の漕ぎとしたとき、前記第1モード変更条件は、前記ペダルの1回の漕ぎにおける踏力について規定され、前記第2モード変更条件は、前記ペダルの複数の漕ぎにおける踏力について規定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の電動補助自転車の駆動システム。
  18. 請求項1に記載される駆動システムと前記ペダルとを有している電動補助自転車。
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