以下、実施形態の用紙綴じ装置を、図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。
用紙綴じ装置1について説明する。
図1は、実施形態の用紙綴じ装置1を示す斜視図である。
図1に示すように、用紙綴じ装置1は、装置本体2、用紙保持部3A,3B、保持部静止機構4(図2参照)、幅方向移動機構5A,5B(図4参照)、テープ取付部6、テープ取付用移動機構7、テープ搬送部8、テープ保持部9、テープ切断部10、操作部11(図2参照)および制御部12(図2参照)を備える。
例えば、用紙綴じ装置1は、不図示の画像形成装置に設けられた水平な載置面に設置する。これにより、用紙綴じ装置1の姿勢を安定させることができる。例えば、用紙綴じ装置1は、不図示の画像形成装置の上面に置いて使用される。用紙綴じ装置1は、画像形成装置と連動しない。用紙綴じ装置1は、独立に使用される。用紙綴じ装置1を用いることによって、任意のタイミングで用紙束(被綴じ部材)を粘着テープ(以下単に「テープ」ともいう。)で綴じることができる。
装置本体2について説明する。
図2は、実施形態の用紙綴じ装置1の側面図である。
図2に示すように、装置本体2は、用紙綴じ装置1の構成要素を収容する筐体20を備える。
以下の図においては、用紙綴じ装置1を上下に起立させたときの姿勢を示す。以下の説明においては、上下方向のうち、装置本体2の側を下方、装置本体2とは反対側を上方とする。また、上下方向に直交する方向において、用紙保持部3A,3Bの隙間30の開口側を前方とし、隙間30の開口とは反対側を後方とする。また、上下方向および前後方向のそれぞれに直交する方向を左右方向とする。左右方向は、装置本体2の幅方向に相当する。以下、装置本体2の幅方向を単に「幅方向」ともいう。
装置本体2は、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束の縁部が差し込まれる開口部21を有する。開口部21は、装置本体2を上方に開口する。
用紙保持部3A,3Bについて説明する。
図1に示すように、用紙保持部3A,3Bは、幅方向に一対設けられている。以下、一対の用紙保持部3A,3Bのうち、左方に位置する用紙保持部3Aを「第1用紙保持部3A」、右方に位置する用紙保持部3Bを「第2用紙保持部3B」ともいう。図1においては、第1用紙保持部3Aが装置本体2の外部に位置する状態を示す。用紙保持部3A,3Bの隙間30は、幅方向外方に開口している。
図2に示すように、用紙保持部3A,3Bは、複数の用紙25を含む用紙束26を湾曲状態で保持する。用紙保持部3A,3Bは、第1平面部31、第2平面部32、第1湾曲部33、第2湾曲部34、当接部35、弾性部材36a~36d(押え部材)および湾曲部ロック機構37(図1参照)を備える。図2は、用紙保持部3A,3Bが用紙束26を湾曲状態で保持している状態(以下「束湾曲保持状態」ともいう。」を示す。
第1平面部31は、用紙の挿入方向に沿う平面を有する。第1平面部31の平面は、水平面に沿う。
第2平面部32は、複数の用紙を挿入可能に第1平面部31と隙間30をあけて配置されている。第2平面部32は、第1平面部31の上方に位置する。第2平面部32の前後長さは、第1平面部31と実質的に同じ長さを有する。
第1湾曲部33は、第1連結部38を介して第1平面部31に連結されている。例えば、第1湾曲部33および第1連結部38は、同一の部材で一体に形成されている。側面視で、第1湾曲部33は、下方に向けて湾曲している。
側面視で、第1連結部38は、第1平面部31の前端と第1湾曲部33の後端とをわたすように前後方向に直線状に延在する。第1連結部38には、用紙束を下方から付勢する下側用紙付勢部材38aが設けられている。下側用紙付勢部材38aは、第1連結部38の凹部38bに収容されている。例えば、下側用紙付勢部材38aは、圧縮コイルばねである。
第2湾曲部34は、第2連結部39を介して第2平面部32に回転可能に接続されている。例えば、第2湾曲部34および第2連結部39は、同一の部材で一体に形成されている。束湾曲保持状態において、第2湾曲部34は、第1湾曲部33に沿うように下方に向けて湾曲している。
束湾曲保持状態において、第2連結部39は、第2平面部32の前端と第2湾曲部34との後端とをわたすように前後方向に直線状に延在する。第2連結部39は、幅方向に延在するヒンジ軸32aを介して第2平面部32に回転可能に取り付けられている。一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34は、それぞれ別個独立に開閉可能とされている(図1参照)。
図1に示すように、第1湾曲部33および第2湾曲部34のそれぞれの先端部(束湾曲保持状態の用紙保持部3A,3Bの先端部)には、用紙束の縁部を押さえる縁部押さえ部33a,34aが設けられている。縁部押さえ部33a,34aは、用紙束の縁部においてテープが取り付けられる部分(以下「テープ綴じ部分」ともいう。)の両側を押さえる。束湾曲保持状態において、縁部押さえ部33a,34aは、用紙束の縁部におけるテープ綴じ部分を、前後方向および下方に開口させる。
図2に示すように、当接部35は、第1平面部31と第2平面部32とを連結する。当接部35は、用紙を隙間30に挿入したときに用紙の挿入方向下流端に当接する。側面視で、当接部35は、第1平面部31の後端と第2平面部32の後端とをわたすように上下方向に直線状に延在する。例えば、第1平面部31、第2平面部32および当接部35は、同一の部材で一体に形成されている。側面視で、第1平面部31、第2平面部32および当接部35の一体化部材(以下「U字部材」ともいう。)は、前方に開口するU字状を有する。
例えば、使用者が揃えた複数の用紙を隙間30に挿入し、当接部35に当接させる。その後、第2湾曲部34を閉じる。すると、第1湾曲部33および第2湾曲部34によって、複数の用紙が挟み込まれる。用紙束は、複数の用紙の挿入方向下流端が揃った状態のままで、第1湾曲部33および第2湾曲部34によって挟まれる。そのため、用紙束の厚みに応じて、複数の用紙間にずれが生じる。その結果、用紙束の縁部で複数の用紙が上下方向に階段状にずれた状態が形成される。以下の説明における「用紙束の縁部」とは、複数の用紙が階段状にずれた用紙束の縁部を意味する。
弾性部材36a~36dは、複数(例えば実施形態では4つ)設けられている。4つの弾性部材36a~36dは、第1弾性部材36a、第2弾性部材36b、第3弾性部材36cおよび第4弾性部材36dである。弾性部材36a~36dは、用紙束の一面に外方から接触する。例えば、弾性部材36a~36dは、ゴムパッドである。
第1弾性部材36aは、下側用紙付勢部材38aに取り付けられている。下側用紙付勢部材38aは、第1弾性部材36aを介して用紙束を下方から付勢する。
第2弾性部材36bは、第1湾曲部33の先端部(前下端部)において用紙と対向する面(前面)に取り付けられている。第1湾曲部33の先端部は、第2弾性部材36bを介して湾曲状態の用紙束を後方から支持する。
第3弾性部材36cは、第2連結部39において用紙と対向する面(束湾曲状態の下面)に取り付けられている。束湾曲保持状態において、第2連結部39は、第3弾性部材36cを介して用紙束を上方から支持する。
第4弾性部材36dは、第2湾曲部34の先端部(束湾曲保持状態の前下端部)において用紙と対向する面(束湾曲保持状態の後面)に取り付けられている。束湾曲保持状態において、第2湾曲部34の先端部は、第4弾性部材36dを介して湾曲状態の用紙束を前方から支持する。
図1に示すように、湾曲部ロック機構37は、第2湾曲部34が閉じている状態を維持する。これにより、第2湾曲部34が用紙の曲げに要する力の反力を受けた場合、第2湾曲部34が開くことを抑制することができる。例えば、湾曲部ロック機構37は、一対のリンク部材を備える。第2湾曲部34が開いているとき、一対のリンク部材は、L字状を有する(図1の二点鎖線参照)。一方、第2湾曲部34が閉じているとき、一対のリンク部材は、前後方向に延在する直線状を有する(図1の実線参照)。
保持部静止機構4について説明する。
保持部静止機構4(図2参照)は、用紙保持部3A,3Bを上下方向の定位置で静止させる。例えば、保持部静止機構4は、束湾曲保持状態において、用紙保持部3A,3Bを最上位の位置(図3(a)参照)で静止させる。保持部静止機構4は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置(図3(c)参照)で用紙保持部3A,3Bを静止させる。
図2に示すように、保持部静止機構4は、保持ブラケット40、保持機構41、ブラケット付勢部材42およびダンパー43を備える。
保持ブラケット40は、第1連結部38に取り付けられている。側面視で、保持ブラケット40は、L字状を有する。保持ブラケット40は、前後延在部40aおよび上下延在部40bを備える。例えば、前後延在部40aおよび上下延在部40bは、同一の部材で一体に形成されている。側面視で、前後延在部40aは、第1連結部38に沿うように前後方向に直線状に延在する。上下延在部40bは、上下方向に直線状に延在する。上下延在部40bの上端は、前後延在部40aの後端に連結されている。
保持機構41は、保持ブラケット40を上下方向の定位置で静止させる。保持機構41は、保持ブラケット40の上下延在部40bに取り付けられている。
ブラケット付勢部材42は、保持ブラケット40を用紙保持部3A,3Bに向けて付勢する。ブラケット付勢部材42は、保持ブラケット40を常時上方へ付勢する。ブラケット付勢部材42は、保持ブラケット40の前後延在部40aと幅方向移動機構5A,5Bとの間に配置されている。ブラケット付勢部材42は、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。例えば、ブラケット付勢部材42は、圧縮コイルばねである。
ダンパー43は、ブラケット付勢部材42の付勢力によって、用紙保持部3A,3Bが勢いよく上昇しないように用紙保持部3A,3Bの上昇速度を抑制する。ダンパー43は、筐体20の内部に固定されている。例えば、ダンパー43は、ラックアンドピニオン機構等の伝動機構(不図示)を介して保持ブラケット40の上昇速度を抑制する。
保持部静止機構4の作用について説明する。以下、保持部静止機構4の作用を用紙の綴じ手順に沿って説明する。
図3は、用紙の綴じ手順の説明図である。図3(a)は、用紙綴じ装置1の動作を示す側面図である。図3(b)は、図3(a)に続く用紙綴じ装置1の動作を示す側面図である。図3(c)は、図3(b)に続く用紙綴じ装置1の動作を示す側面図である。図3(d)は、図3(c)に続く用紙綴じ装置1の動作を示す側面図である。図3(e)は、図3(d)に続く用紙綴じ装置1の動作を示す側面図である。
図3(a)に示すように、用紙を隙間30に挿入したとき、保持部静止機構4は、用紙保持部3A,3Bを最上位の位置(上方向の定位置)で静止させる。隙間30への用紙の挿入時において、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bの上下方向の動きを一時的にロックする。これにより、第2湾曲部34を閉じる操作の際に、用紙保持部3A,3Bが下方へ変位しないようになっている。
図3(b)に示すように、束湾曲保持状態において、使用者が操作部11を操作すると、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bのロックを解除する。これにより、用紙保持部3A,3Bの下方への移動が許容される。
図3(c)に示すように、使用者が用紙保持部3A,3Bを下方へ押し下げると、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれる。用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれたとき、保持部静止機構4は、用紙保持部3A,3Bを最下位の位置(下方向の定位置)で静止させる。開口部21への用紙束の縁部の挿入時において、保持ブラケット40は、ブラケット付勢部材42の付勢力に抗して図3(b)の位置よりも下方に位置している。開口部21への用紙束の縁部の挿入時において、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bの上下方向の動きを一時的にロックする。
図3(d)に示すように、用紙束の縁部にテープが取り付けられるとき、保持部静止機構4は、用紙保持部3A,3Bを最下位の位置で静止させる。用紙束の縁部へのテープ取付時において、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bの上下方向の動きを一時的にロックする。これにより、用紙束の縁部へのテープ取付時に、用紙保持部3A,3Bが上方へ変位しないようになっている。
図3(e)に示すように、用紙束の縁部へのテープ取付が完了したとき、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bのロックを解除する。これにより、用紙保持部3A,3Bの上方への移動が許容される。用紙保持部3A,3Bは、ブラケット付勢部材42の付勢力によって、上昇し、最上位の位置(もとの位置)に戻る。用紙保持部3A,3Bは、ダンパー43の作用により、もとの位置に戻る際に、勢いよく上昇しないようになっている。
幅方向移動機構5A,5Bについて説明する。
図2に示すように、幅方向移動機構5A,5Bは、用紙保持部3A,3Bを装置本体2の幅方向に移動させる。幅方向移動機構5A,5Bは、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。一対の幅方向移動機構5A,5Bは、ブラケット付勢部材42のそれぞれに対応する位置に配置されている。以下、一対の幅方向移動機構5A,5Bのうち、第1用紙保持部3Aを幅方向に移動させる幅方向移動機構5Aを「第1幅方向移動機構5A」、第2用紙保持部3Bを幅方向に移動させる幅方向移動機構5Bを「第2幅方向移動機構5B」ともいう。
図4は、実施形態の幅方向移動機構5A,5Bの説明図である。図4(a)は、第1幅方向移動機構5Aの収納時の一例を示す前面図である。図4(b)は、第1幅方向移動機構5Aの展開時の一例を示す前面図である。図4(c)は、第1幅方向移動機構5Aおよび第2幅方向移動機構5Bの収納時の一例を示す前面図である。図4(d)は、第2幅方向移動機構5Bの展開時の一例を示す前面図である。
図4(a)に示すように、第1幅方向移動機構5Aは、上レール50、下レール51、上ブロック52および下ブロック53を備える。
上レール50および下レール51は、幅方向に直線状に延在する。上レール50および下レール51の幅方向の長さLr(以下「レール長さLr」ともいう。)は、互いに実質的に同じ長さを有する。
上ブロック52は、上レール50の上部に沿って移動可能である。上ブロック52は、第1用紙保持部3Aを下方から支持する。
下ブロック53は、上レール50の下部および下レール51の上部のそれぞれに沿って移動可能である。
図4(b)に示すように、第1用紙保持部3Aは、下レール51に対して幅方向に移動可能である。図4(b)は、第1用紙保持部3Aを、下レール51に対して左方に移動させた状態(展開時)を示す。図4(b)において符号P1は、第1用紙保持部3Aの展開時におけるテープ取付位置(以下「第1展開時テープ取付位置」ともいう。)を示す。
図4(c)は、第1用紙保持部3Aおよび第2用紙保持部3Bのそれぞれを、幅方向中心線CLと重なるように移動させた初期状態(収納時)を示す。図4(c)において、符号P1cは第1用紙保持部3Aの収納時におけるテープ取付位置(以下「第1収納時テープ取付位置」ともいう。)、符号P2cは第2用紙保持部3Bの収納時におけるテープ取付位置(以下「第2収納時テープ取付位置」ともいう。)を示す。
図中符号55~58は、第2幅方向移動機構5Bにおける上レール、下レール、上ブロックおよび下ブロックをそれぞれ示す。収納時において、第2幅方向移動機構5Bにおける上レール55および下レール56は、第1幅方向移動機構5Aにおける上レール50および下レール51と実質的に同じ幅方向の長さを有する。収納時において、第2幅方向移動機構5Bにおける上ブロック57および下ブロック58は、幅方向中心線CLを挟んで第1幅方向移動機構5Aにおける上ブロック52および下ブロック53とは反対側に位置する。
図4(d)に示すように、第2用紙保持部3Bは、下レール55に対して幅方向に移動可能である。図4(d)は、第2用紙保持部3Bを、下レール55に対して右方に移動させた状態(展開時)を示す。図4(d)において符号P2は、第2用紙保持部3Bの展開時におけるテープ取付位置(以下「第2展開時テープ取付位置」ともいう。)を示す。
ここで、第1収納時テープ取付位置P1c(幅方向中心位置)と第1展開時テープ取付位置P1との幅方向の長さL1を「第1展開長さL1」、第2収納時テープ取付位置P2c(幅方向中心位置)と第2展開時テープ取付位置P2との幅方向の長さL2を「第2展開長さL2」とする。第1展開長さL1および第2展開長さL2は、互いに実質的に同じ長さ(展開長さ)を有する(L1≒L2)。例えば、展開長さL1,L2は、レール長さLrよりも大きい(L1>Lr,L2>Lr)。
図4では、各レールが筐体に近い側に取り付けられ、各ブロックが可動側(用紙保持部側)に取り付けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、レールとブロックとの上下関係が逆になっていてもよい。すなわち、筐体側にブロックが取り付けられ、可動側(用紙保持部側)にレールが取り付けられていてもよい。
装置本体2に対する用紙保持部3A,3Bの幅方向への移動について説明する。
図5は、装置本体2の幅方向への用紙保持部3A,3Bの移動の説明図である。図5(a)は、用紙束の縁部の第1位置を綴じるための動作を示す前面図である。図5(b)は、用紙束の縁部の第2位置を綴じるための動作を示す前面図である。第2位置は、幅方向において第1位置とは異なる位置を意味する。
図5(a)に示すように、第1用紙保持部3Aは、装置本体2の幅方向外へ移動している。第1用紙保持部3Aは、装置本体2に対して左方に移動している。第2用紙保持部3Bは、装置本体2の幅方向内に位置している。図5(a)の位置においては、第2用紙保持部3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部(第1位置)にテープを取り付けることができる。
図5(b)に示すように、第2用紙保持部3Bは、装置本体2の幅方向外へ移動している。第2用紙保持部3Bは、装置本体2に対して右方に移動している。第1用紙保持部3Aは、装置本体2の幅方向内に位置している。図5(a)および図5(b)のそれぞれにおいて、装置本体2は定位置にある。図5(b)の位置においては、第1用紙保持部3Aにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部(第2位置)にテープを取り付けることができる。
図6は、用紙保持部3A,3Bおよび装置本体2の位置関係の説明図である。図6(a)は、用紙綴じ装置1の使用前の初期状態を示す斜視図である。図6(b)は、用紙綴じ装置1の使用状態を示す斜視図である。
図6(a)に示すように、初期状態において、第1用紙保持部3Aおよび第2用紙保持部3Bのそれぞれは、装置本体2の幅方向内に収納されている。第1用紙保持部3Aの幅W1と第2用紙保持部3Bの幅W2とを足し合わせた長さWt(Wt=W1+W2)は、装置本体2の幅Wd以下である(Wt≦Wd)。これにより、初期状態において装置の小型化を図ることができる。
図6(b)の例では、使用状態において、第1用紙保持部3Aは、装置本体2の幅方向外(左方)に位置している。使用状態において、第2用紙保持部3Bは、装置本体2の幅方向内に位置している。
テープ取付部6について説明する。
図7は、実施形態の用紙綴じ装置1の内部構造を示す側面図である。図7は、束湾曲保持状態における装置本体2の内部構造を示す。
図7に示すように、テープ取付部6は、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部にテープを取り付ける。テープ取付部6は、切断された粘着テープ(以下「テープ切片16」ともいう。図9参照)を用紙束に貼り付ける。テープ取付部6は、装置本体2の下部に設けられている。テープ取付部6は、第1ローラ61、第2ローラ62、ローラ付勢機構63およびローラ回転機構64を備える。テープ取付部6は、装置本体2の幅方向の定位置に配置されている。
第1ローラ61および第2ローラ62は、それぞれ幅方向に延在する円柱状を有する。第1ローラ61および第2ローラ62は、互いに前後方向に対向する。第1ローラ61および第2ローラ62は、互いに実質的に同じ外形を有する。
ローラ付勢機構63は、第1アーム63a、第2アーム63b、支持ブロック63c、支持板63d、支持壁63e、第1連結片63f、第2連結片63gおよび付勢部材63hを備える。
第1アーム63aおよび第2アーム63bのそれぞれは、上下方向に延在している。第1アーム63aの上端部は、第1ローラ61を回転可能に支持する。第1アーム63aの下端部は、支持ブロック63cに回転可能に支持されている。
第2アーム63bは、第1アーム63aよりも長い。第2アーム63bの上端部は、第2ローラ62を回転可能に支持する。第2アーム63bの下端部は、支持板63dに固定されている。
支持板63dは、前後方向に延在している。支持ブロック63cは、支持板63dの上面に固定されている。
支持壁63eは、上下方向に延在している。支持壁63eの下端部は、支持板63dの前端部に固定されている。
第1連結片63fは、第1アーム63aの下端部に固定されている。側面視で、第1連結片63fは、L字状を有する。第1連結片63fには、付勢部材63hの下端(第1端)が接続されている。
第2連結片63gは、支持壁63eの上端部に固定されている。側面視で、第2連結片63gは、L字状を有する。第2連結片63gには、付勢部材63hの上端(第2端)が接続されている。
付勢部材63hは、第1ローラ61と第2ローラ62とが互いに近接するように第1ローラ61を付勢する。付勢部材63hは、第1連結片63fおよび第1アーム63aを介して第1ローラ61を付勢する。付勢部材63hは、第1ローラ61を第2ローラ62に向けて常時付勢している。例えば、付勢部材63hは、上下方向に伸縮可能な引張コイルばねである。
例えば、用紙束の縁部をテープ切片16とともに第1ローラ61と第2ローラ62との間に挿入する(図13参照)。すると、第1ローラ61と第2ローラ62とが用紙束に押され、ローラ付勢機構63の付勢力に抗して互いに離反する方向に移動する(図14参照)。第1ローラ61および第2ローラ62は、用紙束の縁部にテープ切片16を押し付ける。すると、用紙束の縁部を包むようにテープ切片16が曲げられる。これにより、テープ切片16が用紙束の縁部に貼り付けられる(図15参照)。
ローラ回転機構64は、第1ローラ61と第2ローラ62との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第2ローラ62を回転させる。ローラ回転機構64は、ベルト64a、プーリ64b、第1支持壁64c、第2支持壁64dおよび付勢部材64eを備える。
ベルト64aは、第2ローラ62およびプーリ64bに架け渡されている。
付勢部材64eは、ベルト64aの弛みを除去し、かつ、第2ローラ62の移動を許容するように牽引固定されている。例えば、付勢部材64eは、前後方向に伸縮可能な引張コイルバネである。
第1支持壁64cは、装置本体2の下部前部に取り付けられている。第1支持壁64cの上面には、ベルト64aの第1端が接続されている。ベルト64aの第2端には、付勢部材64eの前端が接続されている。
第2支持壁64dは、装置本体2の下部後部に取り付けられている。第2支持壁64dの前面には、付勢部材64eの後端が接続されている。
例えば、ローラ付勢機構63を上昇させると、ベルト64aおよび付勢部材64hの作用により、第2ローラ62は回転しながら上昇する(図11参照)。第1ローラ61は、第2ローラ62の回転に従動して回転する。したがって、ローラ付勢機構63を上昇させると、第1ローラ61および第2ローラ62のそれぞれは、第1ローラ61と第2ローラ62との間に挟み込む物体(用紙束の縁部)を引き込むように回転しながら上昇する(図13参照)。
テープ取付用移動機構7について説明する。
テープ取付用移動機構7は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置に向けてテープ取付部6を移動させる。テープ取付用移動機構7は、テープ取付部6を上下方向に移動可能である。テープ取付用移動機構7は、昇降ブロック70、テープ取付用モータ71および動力伝達機構72を備える。
昇降ブロック70は、直方体のブロック状を有する。昇降ブロック70は、ローラ付勢機構63の支持壁63eに固定されている。
テープ取付用モータ71は、テープ搬送部8と異なる駆動源である。テープ取付用モータ71は、装置本体2の外部に配置されている。
動力伝達機構72は、テープ取付用モータ71の駆動力を昇降ブロック70に伝達する。動力伝達機構72は、テープ取付用モータ71の回転動力を昇降ブロック70の上下移動力に変換する。
テープ搬送部8について説明する。
テープ搬送部8は、帯状の粘着テープ15(テープ)を搬送する。テープ搬送部8は、巻き出し部80、搬送ローラ81、分離ローラ82、巻き取り部83、テープ搬送用モータ84およびガイド台85を備える。
巻き出し部80は、筒状の芯部材80aを備える。巻き出し部80は、筒状の芯部材80aにテープ15が巻回された原反ロールを保持する。巻き出し部80は、テープを、テープの長さ方向に沿って供給する。
テープ15は、巻き出し部80に保持された状態で、粘着層15a、保護フィルム15b(第1フィルム)および剥離フィルム15c(第2フィルム)を含む。
保護フィルム15bは、粘着層15aを一方から覆う。保護フィルム15bは、テープの使用時に粘着層15aと一体である。保護フィルム15bは、粘着層15aの片面に形成された非粘着層である。
剥離フィルム15cは、保護フィルム15bとは反対側から粘着層15aを覆う。剥離フィルム15cは、分離ローラ82によりテープの使用前に粘着層15aから剥離される。剥離フィルム15cは、分離ローラ82と巻き取り部83とによって巻き取られる。
搬送ローラ81は、巻き出し部80から供給されたテープを、テープの長さ方向に沿って搬送する。搬送ローラ81は、巻き出し部80から供給されたテープを、前方に搬送する。搬送ローラ81には、不図示のワンウエイクラッチが内蔵されている。搬送ローラ81は、分離ローラ82と共に搬送ローラ対を構成する。搬送ローラ81は、駆動ローラとして機能する。分離ローラ82は、搬送ローラ81の回転に従って回転する従動ローラとして機能する。
テープ搬送用モータ84は、搬送ローラ81の駆動源である。テープ搬送用モータ84は、装置本体2の内部に配置されている。
ガイド台85は、テープの搬送路を形成するテープ搬送ガイドの一例である。ガイド台85は、剥離フィルム15cが分離されたテープを案内する。ガイド台85は、テープの保持時および切断時にテープを支持する。
テープ保持部9について説明する。
テープ保持部9は、テープ搬送部8から搬送されたテープを保持する。テープ保持部9は、テープ搬送部8と共通の駆動源であるテープ搬送用モータ84により駆動される。テープ搬送用モータ84の駆動力は、不図示の移動機構を介して、テープ保持部9に伝達される。テープ保持部9は、不図示の移動機構によって、テープの長さ方向に沿って移動可能である。テープ保持部9は、不図示の移動機構によって、テープに近付く方向(下方向)と、テープから離れる方向(上方向)とに移動可能である。
テープ保持部9は、保持爪87、保持アーム88および保持軸89を備える。
保持爪87は、テープの接着面(粘着層15aの粘着面)に向けて先細りの先鋭形状を有する。これにより、テープ取付時において、テープの接着面から保持爪87を可及的に剥がし易くすることができる。
保持アーム88は、棒状の部材である。保持アーム88の先端部には、保持爪87が取り付けられている。保持アーム88の基端部には、保持軸89が取り付けられている。
テープ保持部9は、保持軸89を中心軸として回転可能である。
例えば、テープ保持部9は、テープ搬送部8の駆動(搬送ローラ81の回転)と同期して、テープ先端(搬送方向の下流端)を所定位置まで移動させる。これにより、テープ保持部9がテープ搬送部8の駆動と別個独立に駆動される場合と比較して、剥離フィルム15cが剥がされたテープが座屈する可能性を低くすることができる。したがって、テープの接着面同士が貼り付いてしまう可能性を低くすることができる。
テープ切断部10について説明する。
テープ切断部10は、テープ搬送部8から搬送されたテープを切断する。テープ切断部10は、一対の刃91,92が開閉する構造を有する。テープ切断部10は、第1刃91、第2刃92およびテープ切断用モータ93を備える。
第1刃91は、定位置に位置している。第1刃91は、ガイド台85の下方に配置されている。第1刃91は、刃先が上方に指向するように上下方向に延在している。第1刃91は、テープの接着面とは反対側の面に向けて指向している。
第2刃92は、テープの切断時に第1刃91と対向するようにテープ取付部6の上方に位置する。第2刃92は、巻き出し部80から供給された帯状のテープを切断して枚葉状のテープ切片16(図9参照)を形成する。第2刃92は、テープ取付部6の上昇時にテープ取付部6から退避する(図13参照)。
テープ切断用モータ93は、テープ搬送部8と異なる駆動源である。テープ切断用モータ93の駆動力は、不図示の移動機構を介して、第2刃92に伝達される。不図示の移動機構は、テープ切断用モータ93の回転動力を第2刃92の上下移動力に変換する。第2刃92は、不図示の移動機構によって、第1刃91に近づく方向(下方向)と、第1刃91から離れる方向(上方向)とに移動可能である。
図中符号95は、テープを下方から支持する一対のテープ保持バーを示す。一対のテープ保持バー95は、用紙束の縁部とともにテープ切片16(図13参照)を挿通可能に、前後方向に間隔をあけて配置されている。
操作部11(図2参照)について説明する。
操作部11は、使用者の操作を受け付ける。例えば、操作部11は、使用者が指で押圧可能なボタンである。例えば、操作部11は、装置本体2の筐体20前面に設けられている。これにより、操作部11が装置本体2の筐体20後面に設けられている場合と比較して、操作部11を操作しやすい。
制御部12(図2参照)について説明する。
制御部12は、用紙綴じ装置1に設けられたCPU、ROM、およびRAMを含む制御回路などで形成されている。例えば、制御部12は、CPUのようなプロセッサがプログラムを実行することで、用紙綴じ装置1の動作を制御する。例えば、制御部12は、テープ搬送部8、テープ保持部9、テープ切断部10およびテープ取付用移動機構7の各種動作を制御する。
例えば、制御部12は、操作部11が操作された場合、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束の縁部にテープが取り付けられるように制御する。
例えば、制御部12は、用紙保持部3A,3Bの最上位の位置において、用紙保持部3A,3Bが最上位の位置で静止するように、保持機構41を制御する(図3(a)参照)。これにより、第2湾曲部34を閉じる操作の際、用紙保持部3A,3Bの下方向への動きは一時的にロックされる。
例えば、制御部12は、用紙保持部3A,3Bの最上位の位置において、操作部11が操作された場合、用紙保持部3A,3Bのロックが解除されるように、保持機構41を制御する(図3(b)参照)。これにより、用紙保持部3A,3Bの下方への移動が許容される。そのため、使用者が用紙保持部3A,3Bを下方へ押し下げると、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれる(図3(c)参照)。
例えば、制御部12は、用紙保持部3A,3Bの最下位の位置において、操作部11が操作された場合、用紙保持部3A,3Bが最下位の位置で静止するように、保持機構41を制御する(図3(c)参照)。これにより、用紙束の縁部へのテープ取付時に、用紙保持部3A,3Bの上方向への動きは一時的にロックされる。
例えば、用紙束の縁部へのテープ取付が完了したとき、用紙保持部3A,3Bのロックが解除されるように、保持機構41を制御する(図3(e)参照)。これにより、用紙保持部3A,3Bの上方への移動が許容される。用紙保持部3A,3Bは、ブラケット付勢部材42の付勢力によって、最上位の位置に戻る。
次に、用紙綴じ装置1の動作例を説明する。図8から図19は、実施形態の用紙綴じ装置1の動作を示す側面図である。
まず、所望の用紙サイズに合わせて、用紙保持部3A,3Bを展開する。例えば、一対の用紙保持部3A,3Bのうち第1用紙保持部3Aを、装置本体2に対して左方に移動させ、第2用紙保持部3Bを装置本体2の幅方向中央に移動させる(図5(a)参照)。
次に、所望の枚数の用紙(例えば3~30枚)を揃えて用紙保持部3A,3BのU字部材にセットする(図3(a)参照)。次に、第2湾曲部34を下方に閉じる(図3(b)参照)。第2湾曲部34は、ヒンジ軸32aの周りに回転し、用紙束を挟み込む(図2参照)。これにより、用紙束の縁部で複数の用紙が上下方向に階段状にずれた状態が形成される。
次に、束湾曲保持状態の用紙保持部3A,3Bを押し下げる(図3(c)参照)。これにより、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれる(図8参照)。例えば、用紙サイズに合わせた用紙保持部3A,3Bの展開動作から用紙保持部3A,3Bを押し下げるまでの動作は、手動で行う。
図8に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ搬送用モータ84の駆動によって、テープ保持部9の保持爪87がテープに当接するように、テープ保持部9を移動させる。用紙綴じ装置1は、保持爪87をテープに当接させることで、テープの姿勢を保持した状態でテープを支持する。用紙綴じ装置1は、テープ保持部9の保持爪87をテープの搬送方向の下流端に当接させ、テープ保持部9を前方に移動させる。これにより、テープを前方に引き出し、テープ保持部9によって直線状のテープを支持する。
用紙綴じ装置1は、テープ保持部9を、用紙束26とテープ取付部6との間に移動させる。例えば、テープ保持部9は、一対の保持バー95に跨るようにテープを配置する。例えば、テープ保持部9は、用紙束26の階段状の端面が直線状のテープの粘着面に臨むようにテープを保持する。
次に、図9に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ切断部10によって、帯状のテープを切断する。例えば、不図示のボタンが押された場合、テープ切断部10はテープを切断する。これにより、枚葉状のテープ切片16を形成する。テープ切片16の長さは、綴じ対象の用紙枚数に応じて調整される。
第2刃92は、テープの切断時に第1刃91と対向するように、テープ取付部6における第2ローラ62の上方に位置する。テープ切片16の前端部は、テープ保持爪87に当接している。テープ切片16の後端部は、テープ保持バー95に保持されている。テープ保持バー95により、テープ切片16の落下を回避することができる。
次に、図10に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ切断用モータ93の駆動によって、第2刃92を一対のテープ保持バー95の上方に移動させる。これにより、第2刃92は、テープ取付部6の上昇時において、テープ取付部6から退避した位置に配置される(図11参照)。
次に、図11に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ取付用モータ71の駆動によって、テープ取付部6を上昇させる。テープ取付部6が上昇すると、第1ローラ61および第2ローラ62は上昇しながら、筐体20に固定されたベルト64a上を転がるように回転する。
次に、図12に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ取付用モータ71の駆動によって、テープ取付部6を図11の位置よりも上昇させる。用紙綴じ装置1は、テープ搬送用モータ84の駆動によって、テープ切片16が直線状をなすようにテープ保持部9を移動(所定角度だけ回転)させる。用紙綴じ装置1は、用紙束26の縁部がテープ切片16の粘着面に当接するように、一対のテープ保持バー95を上昇させる。例えば、一対のテープ保持バー95は、テープ取付部6の上昇(図11の位置からの上昇)に連動して上昇する。例えば、一対のテープ保持バー95は、不図示の付勢部材の付勢力に抗して上昇する。
次に、図13に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ取付用モータ71の駆動によって、テープ取付部6を図12の位置よりも上昇させる。用紙綴じ装置1は、テープ保持部9で保持したテープ切片16を、用紙束26を構成する複数の用紙に接触させる。そして、用紙綴じ装置1は、テープ保持部9で保持したテープ切片16を用紙束26に接触させることにより、テープ保持部9からテープ切片16を剥がす。そして、用紙綴じ装置1は、用紙束26の縁部をテープ切片16ともに第1ローラ61と第2ローラ62との間に挿入する。
テープ取付部6が上昇すると、第1ローラ61および第2ローラ62は、第1ローラ61と第2ローラ62との間に接近した用紙束26の縁部を挟み込みながら回転する。第1ローラ61および第2ローラ62は、一定の挟み込み力を確保しながら、用紙束26の縁部に乗りあがる。
次に、図14に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ取付用モータ71の駆動によって、テープ取付部6を図13の位置よりも上昇させる。用紙束26の縁部をテープ切片16とともに第1ローラ61と第2ローラ62との間に挿入すると、第1ローラ61および第2ローラ62は用紙束26の縁部の外形に沿うように移動する。これにより、第1ローラ61および第2ローラ62は、用紙束26の縁部にテープ切片16を押し付ける。その結果、テープ切片16は、用紙束26の階段状の部分に順次追従して密着していく。これにより、用紙束26の中間頁を含む全ての用紙がテープ切片16によって一体化される。これにより、用紙束26の縁部にテープ切片16を取り付ける処理が完了する。
なお、用紙束26の縁部に対するテープ切片16の貼り付き状態をより確実にするため、テープ取付部6の昇降動作を複数回繰り替えしてもよい。
次に、図15に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ取付用モータ71の駆動によって、テープ取付部6を下降させる。テープ取付部6が下降すると、一対のテープ保持バー95は、不図示の付勢部材の付勢力によって、もとの位置に戻る。
次に、図16に示すように、用紙綴じ装置1は、用紙保持部3A,3Bを上昇させる。用紙保持部3A,3Bは、保持部静止機構4(図2参照)のブラケット付勢部材42の復元力(付勢力)によって、もとの位置に戻る。
次に、図17に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ搬送用モータ84の駆動によって、テープ保持部9をガイド台85の上方に向けて後方に移動させる。用紙綴じ装置1は、搬送ローラ81とテープ保持部9との同期を解除するように、搬送ローラ81に内蔵されたワンウエイクラッチ(不図示)を切断状態とする。これにより、テープ保持部9が後方に移動する際に、搬送ローラ81は回転しないようになっている。
次に、図18に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ搬送用モータ84の駆動によって、テープ保持部9の保持爪87がガイド台85に保持されたテープ(テープの搬送方向の下流端部)に当接するように、テープ保持部9を移動(所定角度だけ回転)させる。
次に、図19に示すように、用紙綴じ装置1は、テープ保持部9の保持爪87をテープの搬送方向の下流端に当接させ、テープ保持部9を前方に移動させる。これにより、テープを前方に引き出し、テープ保持部9によって直線状のテープを支持する。
用紙綴じ装置1は、搬送ローラ81とテープ保持部9とが同期するように、搬送ローラ81に内蔵されたワンウエイクラッチ(不図示)を接続状態とする。これにより、搬送ローラ81の回転に同期して、テープ保持部9が前方に移動するようになっている。
そして、用紙保持部3A,3Bからテープ取付処理が完了した用紙束を取り出す。例えば、用紙束の取り出しは、手動で行う。
または、2箇所目(第2位置)の綴じ処理のために、用紙保持部3A,3Bを幅方向に移動させる。例えば、用紙保持部3A,3Bの幅方向への移動は、手動で行う。
実施形態によれば、用紙綴じ装置1は、用紙保持部3A,3Bと、テープ取付部6と、を持つ。用紙保持部3A,3Bは、複数の用紙25を含む用紙束26を湾曲状態で保持する。テープ取付部6は、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部にテープ16を取り付ける。以上の構成によって、以下の効果を奏する。用紙保持部3A,3Bにより用紙束が湾曲状態で保持されるため、複数の用紙を用紙搬送方向に少しずつ順にずらす構造と比較して、用紙保持部3A,3Bを小型化することができる。したがって、装置の小型化を図ることができる用紙綴じ装置1を提供することができる。加えて、用紙束をいったん曲げて階段状の縁部を形成した後に、用紙束を直線状に戻す場合と比較して、用紙束を戻す分の工程が減るため、工数を削減することができる。
用紙保持部3A,3Bは、第1平面部31、第2平面部32、第1湾曲部33および第2湾曲部34を備える。第1平面部31は、用紙の挿入方向に沿う平面を有する。第2平面部32は、複数の用紙を挿入可能に第1平面部31と隙間30をあけて配置されている。第1湾曲部33は、第1平面部31に連結されている。第2湾曲部34は、第2平面部32に回転可能に接続されている。以上の構成によって、以下の効果を奏する。複数の用紙を隙間30に挿入した後に、第2湾曲部34を閉じることによって、階段状の用紙束の縁部を容易に形成することができる。例えば、装置の操作に不慣れな使用者であっても、粘着テープ15を用いた用紙綴じを簡単に行うことができる。
用紙保持部3A,3Bは、第1平面部31と第2平面部32とを連結する当接部35を更に備える。当接部35は、用紙を隙間30に挿入したときに用紙の挿入方向下流端に当接する。以上の構成によって、以下の効果を奏する。複数の用紙の挿入方向下流端を当接部35に当接することにより、複数の用紙を整列させることができる。そのため、整列状態の複数の用紙を、第2湾曲部34の閉じ動作によって、湾曲させることができる。したがって、用紙束を形成する複数の用紙が縁部で互いに略均一にずれた状態にすることができる。
第1平面部31の平面は、水平面に沿う。第1湾曲部33は、下方に向けて湾曲している。以上の構成によって、以下の効果を奏する。用紙束の自重を利用して、用紙束を湾曲させることができるため、第2湾曲部34が用紙の曲げに要する力の反力を可及的に低減することができる。したがって、第2湾曲部34の閉じ動作をより容易に行うことができる。
用紙保持部3A,3Bは、用紙束の一面に外方から接触する弾性部材36a~36dを更に備えることで、以下の効果を奏する。弾性部材36a~36dが用紙束の一面に接触することによって、用紙束のずれを抑制することができる。
用紙保持部3A,3Bは、装置本体2の幅方向に一対設けられている。一対の用紙保持部3A,3Bの幅W1,W2を足し合わせた長さWtは、装置本体2の幅Wd以下である(Wt≦Wd)。以上の構成によって、以下の効果を奏する。一対の用紙保持部3A,3Bの幅を足し合わせた長さが装置本体2の幅を超える場合(Wt>Wd)と比較して、装置の小型化に寄与する。
用紙綴じ装置1は、装置本体2、保持部静止機構4およびテープ取付用移動機構7を更に備える。装置本体2は、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束の縁部が挿し込まれる開口部21を有する。保持部静止機構4は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置で用紙保持部3A,3Bを静止させる。テープ取付用移動機構7は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置に向けてテープ取付部6を移動させる。以上の構成によって、以下の効果を奏する。用紙束の縁部が定位置にある状態で、用紙束の縁部にテープを取り付けることができるため、テープの取付精度が向上する。
テープ取付部6は、第1ローラ61、第2ローラ62、付勢部材63hおよびローラ回転機構64を備える。 第1ローラ61および第2ローラ62は、互いに対向する。付勢部材63hは、第1ローラ61と第2ローラ62とが互いに近接するように第1ローラ61を付勢する。ローラ回転機構64は、第1ローラ61と第2ローラ62との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第1ローラ61および第2ローラ62を回転させる。以上の構成によって、以下の効果を奏する。ローラ回転機構64を有しない構造と比較して、第1ローラ61と第2ローラ62との間に用紙束の縁部を引き込み易い。したがって、用紙束の縁部にテープをスムーズに取り付けることができる。例えば、テープ取付時に用紙が座屈することを回避することができる。
用紙綴じ装置1は、テープ搬送部8、テープ保持部9、テープ切断部10およびテープ取付用移動機構7を備える。テープ搬送部8は、テープを搬送する。テープ保持部9は、テープ搬送部8から搬送されたテープを保持する。テープ切断部10は、テープ搬送部8から搬送されたテープを切断する。テープ取付用移動機構7は、テープ取付部6を上下方向に移動可能である。テープ搬送部8は、テープ搬送用モータ84を備える。テープ保持部9は、テープ搬送部8と共通の駆動源であるテープ搬送用モータ84により駆動される。テープ切断部10は、テープ搬送部8と異なる駆動源であるテープ切断用モータ93を備える。テープ取付用移動機構7は、テープ搬送部8と異なる駆動源であるテープ取付用モータ71を備える。以上の構成によって、以下の効果を奏する。テープ保持部9は、テープ搬送部8と共通の駆動源であるテープ搬送用モータ84により駆動されることで、テープ保持部9とテープ搬送部8とを同期して動作させることができる。これにより、テープ保持部9がテープ搬送部8の駆動と別個独立に駆動される場合と比較して、剥離フィルム15cが剥がされたテープが座屈する可能性を低くすることができる。したがって、テープの接着面同士が貼り付いてしまう可能性を低くすることができる。加えて、テープ保持部9が、テープ搬送部8と異なる駆動源であるテープ保持用モータを備える場合と比較して、部品点数を削減し、低コスト化を図ることができる。
用紙綴じ装置1は、用紙保持部3A,3Bを上下方向の定位置で静止させる保持部静止機構4を更に備えることで、以下の効果を奏する。用紙保持部3A,3Bを上下方向の任意の位置で静止させることで、装置の操作性の向上に寄与する。例えば、用紙保持部3A,3Bを最上位の位置で静止させることで、第2湾曲部34を閉じる操作の際に、用紙保持部3A,3Bが下方へ変位しないようにすることができる。したがって、第2湾曲部34を閉じやすくすることができる。
用紙綴じ装置1は、テープを切断するテープ切断部10を更に備える。テープ切断部10は、一対の刃91,92が開閉する構造を有する。以上の構成によって、以下の効果を奏する。テープ切断部10がカッターマットとロータリーカッターとを備える場合と比較して、テープ切断部10の耐久性の向上に寄与する。したがって、テープ切断部10によりテープを繰り返し切断する場合でも、テープの切断品質を維持しやすい。
テープ切断部10は、第1刃91および第2刃92を備える。第1刃91は、定位置に位置する。第2刃92は、テープの切断時に第1刃91と対向するようにテープ取付部6の上方に位置する。第2刃92は、テープ取付部6の上昇時にテープ取付部6から退避する。テープ取付部6の上昇動作を加味して第2刃92がテープ取付部6の邪魔にならない最適な位置に配置されるため、装置の更なる小型化に寄与する。
用紙綴じ装置1は、操作部11および制御部12を備える。操作部11は、使用者の操作を受け付ける。制御部12は、操作部11が操作された場合、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束の縁部にテープが取り付けられるように制御する。操作部11の操作によって、用紙束の縁部にテープを自動的に取り付けることができるため、テープの取付精度の更なる向上に寄与する。
以下、実施形態の変形例について説明する。
実施形態の第1変形例について説明する。
実施形態では、ブラケット付勢部材42およびダンパー43のそれぞれが前後方向に間隔をあけて一対設けられている場合について説明したが、これに限らない。
図20は、実施形態の第1変形例の用紙綴じ装置101の側面図である。
図20に示すように、ブラケット付勢部材42およびダンパー43は、それぞれ1つのみ設けられていてもよい。ブラケット付勢部材42およびダンパー43は、装置本体2の上面の前後中央位置に配置されている。
用紙保持部103は、第1平面部31に対して昇降可能に設けられた昇降ピン129を更に備えていてもよい。第2平面部132には、昇降ピン129を挿通可能な貫通孔132hが設けられている。昇降ピン129は、当接部35よりも前方に配置されている。昇降ピン129の下端が第2平面部132の下面以上の高さにある場合、用紙を隙間30に挿入したときに用紙の挿入方向下流端の当接部35への当接が許容される。昇降ピン129の下端が第1平面部31の上面に接している場合、用紙を隙間30に挿入したときに用紙の挿入方向下流端は昇降ピン129に当接する。
第1変形例によれば、ブラケット付勢部材42およびダンパー43がそれぞれ1つのみ設けられていることで、以下の効果を奏する。ブラケット付勢部材42およびダンパー43が複数設けられた場合と比較して、部品点数を削減し、低コスト化を図ることができる。
用紙保持部103は、第1平面部31に対して昇降可能に設けられた昇降ピン129を更に備えることで、以下の効果を奏する。昇降ピン129を昇降させることにより、複数種類の用紙サイズに適用可能な用紙綴じ装置101を提供することができる。例えば、昇降ピン129を第2平面部132以上に上昇させることにより、第1用紙サイズ(例えばA3サイズ)に適用できる。例えば、昇降ピン129を第1平面部31まで下降させることにより、第1用紙サイズよりも小さい第2用紙サイズ(例えばA4サイズ)に適用できる。
実施形態の第2変形例について説明する。
実施形態では、第2連結部239の下面に弾性部材36a~36dが取り付けられている場合について説明したが、これに限らない。
図21は、実施形態の第2変形例の用紙保持部203の側面図である。図21は、第2湾曲部34が開いている状態を示す。
図21に示すように、第3弾性部材36c(弾性部材)は、第2連結部239に設けられた上側用紙付勢部材239a(用紙付勢部材)に取り付けられていてもよい。
用紙保持部203は、用紙束を上方から付勢する上側用紙付勢部材239aを備える。上側用紙付勢部材239aは、第2湾曲部34の先端が用紙束の上面に沿う仮想水平面H1以下に下がる前に、第3弾性部材36cが用紙束の上面に接触するように、第3弾性部材36cを支持する(図22参照)。
上側用紙付勢部材239aは、第2連結部239の収容部239cに収容されている。上側用紙付勢部材239aには、用紙付勢アーム239bが取り付けられている。例えば、上側用紙付勢部材239aは、圧縮コイルばねである。上側用紙付勢部材239aは、用紙付勢アーム239bと収容部239cの上壁との間に配置されている。
側面視で、用紙付勢アーム239bは、L字状を有する。用紙付勢アーム239bの第1端部には、第3弾性部材36cが取り付けられている。用紙付勢アーム239bの第2端部は、ヒンジ軸32aに連結されている。用紙付勢アーム239bは、ヒンジ軸32aの周りに回転可能である。
図22から図23は、実施形態の第2変形例の用紙保持部203の動作を示す側面図である。
図21の位置では、第3弾性部材36cは用紙束から上方に離反している。第1連結部38の下側用紙付勢部材38aは、第1弾性部材36aを介して用紙束を下方から付勢する。図21の位置では、用紙束の端面は揃っている。
図22に示すように、第2湾曲部34を閉じていくと、第2湾曲部34の先端が仮想水平面H1以下に下がる前に、第3弾性部材36cが用紙束の上面に接触する。図22の位置では、上側用紙付勢部材239aは、第3弾性部材36cおよび用紙付勢アーム239bを介して用紙束を上方から付勢する。図22の位置では、用紙束の端面は揃っている。用紙束は、湾曲状態になる前に、上下一対の弾性部材36a,36cにより保持される。
図23に示すように、第2湾曲部34を完全に閉じると、第1湾曲部33および第2湾曲部34によって、複数の用紙が挟み込まれる。その結果、用紙束の縁部で複数の用紙が上下方向に階段状にずれた状態が形成される。用紙束は、湾曲状態において、複数の弾性部材36a~36dにより保持される。
第2変形例によれば、用紙保持部203は、用紙束を上方から付勢する上側用紙付勢部材239aを備える。上側用紙付勢部材239aは、第2湾曲部34の先端が用紙束の上面に沿う仮想水平面H1以下に下がる前に、第3弾性部材36cが用紙束の上面に接触するように、第3弾性部材36cを支持する。以上の構成によって、以下の効果を奏する。第2湾曲部34の先端が用紙束の上面以下に下がる前に、第3弾性部材36cが用紙束の上面に接触するため、湾曲状態になる前の用紙束がずれることを抑制することができる。そのため、ずれが抑えられた複数の用紙を、第2湾曲部34の閉じ動作によって、湾曲させることができる。したがって、用紙束を形成する複数の用紙が縁部で互いに略均一にずれた状態にすることができる。
実施形態の第3変形例について説明する。
実施形態では、一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34がそれぞれ別個独立に開閉可能とされている場合について説明したが、これに限らない。
図24は、実施形態の第3変形例の用紙保持部3A,3Bの斜視図である。図24は、一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34の連結構造を示す。
図24に示すように、一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34は、互いに同時に開閉可能とされていてもよい。
一対の第2湾曲部34には、一対の第2湾曲部34を連結する連結機構310が設けられている。連結機構310は、一対の第2湾曲部34の幅方向への移動を許容する。連結機構310は、一対の第2湾曲部34の開閉動作を同期させる。
連結機構310は、一対のリンク部材311A,311Bを備える。一対のリンク部材311A,311Bの第1端部(幅方向内端部)は、連結軸312を介して互いに接続されている。一対のリンク部材311A,311Bは、連結軸312の周りに相対回転可能とされている。一対のリンク部材311A,311Bの第2端部(幅方向外端部)は、支持ピン313A,313Bを介して一対の第2湾曲部34にそれぞれ接続されている。一対のリンク部材311A,311Bは、支持ピン313A,313Bの周りにそれぞれ回転可能とされている。
例えば、一対の第2湾曲部34が幅方向の最外位置よりも幅方向内方に近接しているとき、一対のリンク部材311A,311Bは、V字状を有する。一方、一対の第2湾曲部34が幅方向の最外位置まで離れているとき、一対のリンク部材311A,311Bは、幅方向に延在する直線状を有する。
第3変形例によれば、一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34を連結する連結機構310を更に備えることで、以下の効果を奏する。一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34を、互いに同時に開閉することができるため、装置の操作性の向上に寄与する。
実施形態の第4変形例について説明する。
第3変形例では、連結機構310が一対のリンク部材311A,311Bを備える場合について説明したが、これに限らない。
図25は、実施形態の第4変形例の用紙保持部3A,3Bの斜視図である。図25は、一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34の連結構造を示す。
図25に示すように、連結機構410は、一対の筒状部材411A,411Bを備えていてもよい。
筒状部材411A,411Bは、幅方向外端に底壁を有する有底の円筒形状をなす。筒状部材411A,411Bの内部空間には、円柱状の柱状部材412が幅方向に移動可能に収容されている。柱状部材412の幅方向外端と筒状部材411A,411Bの底壁との間には、圧縮コイルばね等の付勢部材413A,413Bが配置されている。
第4変形例によれば、一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34を連結する連結機構410を更に備えることで、以下の効果を奏する。一対の用紙保持部3A,3Bにおける第2湾曲部34を、互いに同時に開閉することができるため、装置の操作性の向上に寄与する。
実施形態の第5変形例について説明する。
実施形態では、用紙保持部3A,3Bの幅方向への移動を手動で行う場合について説明したが、これに限らない。
図26は、実施形態の第5変形例の用紙保持部3A,3Bの移動の説明図である。図26(a)は、用紙束の縁部の第1位置を綴じるための動作を示す前面図である。図26(b)は、用紙束の縁部の第2位置を綴じるための動作を示す前面図である。
図26に示すように、用紙綴じ装置501は、用紙保持部3A,3Bを装置本体2の幅方向に移動させる幅方向移動機構510を更に備えていてもよい。
幅方向移動機構510は、ガイドレール511、幅方向移動用モータ512および動力伝達機構513を備える。
ガイドレール511は、幅方向に延在する直線状を有する。ガイドレール511は、一対の用紙保持部3A,3Bを幅方向に移動可能に支持する。
幅方向移動用モータ512は、一対の用紙保持部3A,3Bを幅方向に移動させるための駆動源である。幅方向移動用モータ512は、装置本体2の外部に配置されている。
動力伝達機構513は、幅方向移動用モータ512の駆動力を一対の用紙保持部3A,3Bに伝達する。動力伝達機構513は、幅方向移動用モータ512の回転動力を一対の用紙保持部3A,3Bの幅方向移動力に変換する。
図26(a)に示すように、第1用紙保持部3Aは、装置本体2に対して左方に移動している。第2用紙保持部3Bは、装置本体2の幅方向内に位置している。図26(a)の位置においては、第2用紙保持部3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部(第1位置)にテープを取り付けることができる。例えば、制御部は、不図示の第1ボタンが押された場合、各用紙保持部3A,3Bが図26(a)の位置に移動するように制御する。
図26(b)に示すように、第2用紙保持部3Bは、装置本体2に対して右方に移動している。第1用紙保持部3Aは、装置本体2の幅方向内に位置している。図26(a)および図26(b)のそれぞれにおいて、装置本体2は定位置にある。図26(b)の位置においては、第1用紙保持部3Aにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部(第2位置)にテープを取り付けることができる。例えば、制御部は、不図示の第2ボタンが押された場合、各用紙保持部3A,3Bが図26(b)の位置に移動するように制御する。
第5変形例によれば、用紙保持部3A,3Bを装置本体2の幅方向に移動させる幅方向移動機構510を更に備えることで、以下の効果を奏する。用紙保持部3A,3Bの幅方向への移動を自動的に行うことができるため、装置の操作性の更なる向上に寄与する。
実施形態の第6変形例について説明する。
実施形態では、用紙保持部3A,3Bの押し下げ(下方への移動)を手動で行う場合について説明したが、これに限らない。
図27は、実施形態の第6変形例の用紙保持部3A,3Bの昇降動作の説明図である。図27(a)は、用紙保持部3A,3Bが最上位に位置する状態を示す側面図である。図27(b)は、用紙保持部3A,3Bが下方に移動した状態を示す側面図である。
図27に示すように、用紙綴じ装置601は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置に向けて用紙保持部3A,3Bを移動させる用紙保持用移動機構610を更に備えていてもよい。
用紙保持用移動機構610は、保持ブロック611、用紙保持用モータ612および動力伝達機構613を備える。
保持ブロック611は、直方体のブロック状を有する。保持ブロック611は、保持ブラケット40の上下延在部40bに固定されている。
用紙保持用モータ612は、用紙保持部3A,3Bを上下方向に移動させるための駆動源である。用紙保持用モータ612は、装置本体2の外部に配置されている。
動力伝達機構613は、用紙保持用モータ612の駆動力を保持ブロック611に伝達する。動力伝達機構613は、用紙保持用モータ612の回転動力を保持ブロック611の上下移動力に変換する。
図27(a)に示すように、用紙保持部3A,3Bは、最上位に位置するとき、束湾曲保持状態にある。束湾曲保持状態において、使用者が操作部11を操作すると、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bのロックを解除する。これにより、用紙保持部3A,3Bの下方への移動が許容される。例えば、制御部は、不図示のボタンが押された場合、用紙保持部3A,3Bが用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置(図26(b)の位置)に向けて移動するように制御する。
図27(b)に示すように、用紙保持部3A,3Bが下方に移動したとき、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれる。用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれたとき、保持部静止機構4は、用紙保持部3A,3Bを最下位の位置(下方向の定位置)で静止させる。開口部21への用紙束の縁部の挿入時において、保持機構41は、用紙保持部3A,3Bの上下方向の動きを一時的にロックする。
用紙綴じ装置601は、用紙保持部3A,3Bと装置本体2との間の空間を幅方向外方から覆うカバー部材620を更に備えていてもよい。カバー部材620は、用紙保持部3A,3Bと装置本体2との間で伸縮可能な部材である。例えば、カバー部材620は、蛇腹構造を有していてもよい。
図27(a)に示すように、用紙保持部3A,3Bが最上位に位置するとき、カバー部材620は、伸張状態で用紙保持部3A,3Bと装置本体2との間の空間を幅方向外方から覆う。図27(b)に示すように、用紙保持部3A,3Bが下方に移動したとき、カバー部材620は、圧縮状態で用紙保持部3A,3Bと装置本体2との間の空間を幅方向外方から覆う。
第6変形例によれば、用紙綴じ装置601は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置に向けて用紙保持部3A,3Bを移動させる用紙保持用移動機構610を更に備えることで、以下の効果を奏する。用紙保持部3A,3Bの下方への移動を自動で行うことができるため、装置の操作性の更なる向上に寄与する。
実施形態の第7変形例について説明する。
実施形態では、テープ取付部6が、第1ローラ61、第2ローラ62、ローラ付勢機構63およびローラ回転機構64を備える場合について説明したが、これに限らない。
図28は、実施形態の第7変形例のテープ取付部706の側面図である。
図28に示すように、テープ取付部706は、第1小径ローラ761、第2小径ローラ762、第1大径ローラ763、第2大径ローラ764、小径ローラ付勢機構765および大径ローラ回転機構766を備えていてもよい。
第1小径ローラ761および第2小径ローラ762は、それぞれ幅方向に延在する円柱状を有する。第1小径ローラ761および第2小径ローラ762は、互いに前後方向に対向する。第1小径ローラ761および第2小径ローラ762は、互いに実質的に同じ外形を有する。
第1大径ローラ763および第2大径ローラ764は、それぞれ幅方向に延在する円柱状を有する。第1大径ローラ763および第2大径ローラ764は、互いに前後方向に対向する。第1大径ローラ763は、第1小径ローラ761の上方に位置する。第2大径ローラ764は、第2小径ローラ762の上方に位置する。第1大径ローラ763および第2大径ローラ764は、互いに実質的に同じ外形を有する。大径ローラ763,764は、それぞれ小径ローラ761,762よりも大きい外形を有する。
小径ローラ付勢機構765は、第1小径付勢部材765a、第2小径付勢部材765b、前壁765cおよび後壁765dを備える。
前壁765cおよび後壁765dは、前後方向に間隔をあけて配置されている。前壁765cおよび後壁765dは、装置本体の下部に取り付けられている。前壁765cには、第1小径付勢部材765aの前端が接続されている。第1小径付勢部材765aの後端は、第1小径ローラ761の回転軸に接続されている。後壁765dには、第2小径付勢部材765bの後端が接続されている。第2小径付勢部材765bの前端は、第2小径ローラ762の回転軸に接続されている。
小径付勢部材765a,765bは、第1小径ローラ761と第2小径ローラ762とが互いに近接するように第1小径ローラ761および第2小径ローラ762をそれぞれ付勢する。小径付勢部材765a,765bは、第1小径ローラ761と第2小径ローラ762とが互いに近接するように常時付勢している。例えば、小径付勢部材765a,765bは、前後方向に伸縮可能な圧縮コイルばねである。
例えば、用紙束の縁部をテープ切片16とともに第1小径ローラ761と第2小径ローラ762との間に挿入する。すると、第1小径ローラ761と第2小径ローラ762とが用紙束に押され、小径付勢部材765a,765bの付勢力に抗して互いに離反する方向に移動する。第1小径ローラ761および第2小径ローラ762は、用紙束の縁部にテープ切片16を押し付ける。すると、用紙束の縁部を包むようにテープ切片16が曲げられる。これにより、テープ切片16が用紙束の縁部に貼り付けられる。
大径ローラ回転機構766は、第1大径ローラ763と第2大径ローラ764との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第1大径ローラ763および第2大径ローラ764のそれぞれを回転させる。大径ローラ回転機構766は、第1ベルト766a、第2ベルト766b、ワイヤ766c、連結部材766d、プーリ766e、牽引用モータ766f、第1下壁766g、第2下壁766h、第1大径付勢部材766iおよび第2大径付勢部材766jを備える。
第1ベルト766aは、第1大径ローラ763に架け渡されている。
第2ベルト766bは、第2大径ローラ764に架け渡されている。
ワイヤ766cの第1端は、牽引用モータ766fの回転軸に接続されている。ワイヤ766cの第2端は、連結部材766dを介して、第1ベルト766aの第1端および第2ベルト766bの第1端のそれぞれに接続されている。
第1下壁766gおよび第2下壁766hは、前後方向に間隔をあけて配置されている。第1下壁766gおよび第2下壁766hは、装置本体の下部に取り付けられている。
第1大径付勢部材766iは、第1ベルト766aの弛みを除去し、かつ、第1大径ローラ763の移動を許容するように牽引固定されている。第1ベルト766aの第2端は、第1大径付勢部材766iの上端に接続されている。第1大径付勢部材766iの下端は、第1下壁766gに接続されている。例えば、第1大径付勢部材766iは、上下方向に伸縮可能な引張コイルばねである。
第2大径付勢部材766jは、第2ベルト766bの弛みを除去し、かつ、第2大径ローラ764の移動を許容するように牽引固定されている。第2ベルト766bの第2端は、第2大径付勢部材766jの上端に接続されている。第2大径付勢部材766jの下端は、第2下壁766hに接続されている。例えば、第2大径付勢部材766jは、上下方向に伸縮可能な引張コイルばねである。
例えば、牽引用モータ766fを駆動すると、ベルト64aおよび大径付勢部材766i,766jの作用により、第1大径ローラ763および第2大径ローラ764のそれぞれは、第1大径ローラ763と第2大径ローラ764との間に挟み込む物体(用紙束の縁部)を引き込むように回転する。
図29は、実施形態の第7変形例のテープ取付部706の前面図である。図29においては、第1ベルト766aなどの図示を省略する。
図29に示すように、用紙綴じ装置は、用紙束26の縁部が開口部21に挿し込まれた位置にあることを検知するセンサ769を更に備えていてもよい。
前面視で、センサ769は、用紙束26の縁部が開口部21に挿し込まれた位置にあるときの用紙束26の縁部と重なる位置に配置されている。前面視で、センサ769は、第1小径ローラ761および第1大径ローラ763を避けた位置に配置されている。例えば、センサ769は、レーザ変位センサ等の非接触変位センサである。
制御部12は、センサ769の検知結果に基づいて、テープ取付用移動機構7(図7参照)を制御する。例えば、制御部12は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置にあるとの検知結果に基づいて、用紙束の縁部に向けてテープ取付部706が移動するようにテープ取付用移動機構7を制御する。
第7変形例によれば、テープ取付部706は、第1小径ローラ761、第2小径ローラ762、第1大径ローラ763、第2大径ローラ764、小径ローラ付勢機構765および大径ローラ回転機構766を備える。第1小径ローラ761および第2小径ローラ762は、互いに対向する。小径ローラ付勢機構765は、第1小径ローラ761と第2小径ローラ762とが互いに近接するように第1小径ローラ761および第2小径ローラ762をそれぞれ付勢する。大径ローラ回転機構766は、第1大径ローラ763と第2大径ローラ764との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第1大径ローラ763および第2大径ローラ764のそれぞれを回転させる。以上の構成によって、以下の効果を奏する。第1小径ローラ761または第2小径ローラ762のいずれか一方のみを付勢する構造と比較して、用紙束の縁部にテープを取り付け易い。加えて、第1大径ローラ763または第2大径ローラ764のいずれか一方のみを回転させる構造と比較して、第1大径ローラ763と第2大径ローラ764との間に用紙束の縁部を引き込み易い。したがって、用紙束の縁部にテープをスムーズに取り付けることができる。例えば、テープ取付時に用紙が座屈することをより確実に回避することができる。
用紙綴じ装置は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置にあることを検知するセンサ769を更に備える。制御部12は、センサ769の検知結果に基づいて、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置にあるとき、用紙束の縁部に向けてテープ取付部706が移動するようにテープ取付用移動機構7を制御する。以上の構成によって、以下の効果を奏する。用紙束の縁部が定位置にある状態で、用紙束の縁部にテープを自動的に取り付けることができるため、テープの取付精度の更なる向上に寄与する。
実施形態の第8変形例について説明する。
図30は、実施形態の第8変形例のテープ取付部806の側面図である。図30においては、テープ切片の図示を省略する。
図30に示すように、テープ取付部806は、第1押圧ローラ861、第2押圧ローラ862および小径ローラ回転機構863を備えていてもよい。
第1押圧ローラ861および第2押圧ローラ862は、それぞれ幅方向に延在する円柱状を有する。第1押圧ローラ861および第2押圧ローラ862は、互いに前後方向に対向する。第1押圧ローラ861および第2押圧ローラ862は、互いに実質的に同じ外形を有する。例えば、押圧ローラは、ゴムローラ等の弾性ローラである。第1押圧ローラ861および第2押圧ローラ862は、前後方向に用紙束26の厚みよりも小さい間隔をあけて配置されている。
例えば、用紙束の縁部をテープ切片(不図示)とともに第1押圧ローラ861と第2押圧ローラ862との間に挿入する。すると、第1押圧ローラ861と第2押圧ローラ862とが用紙束に押され、互いに離反するように弾性変形する。第1押圧ローラ861および第2押圧ローラ862は、自身の復元力によって、用紙束の縁部にテープ切片を押し付ける。すると、用紙束の縁部を包むようにテープ切片が曲げられる。これにより、テープ切片が用紙束の縁部に貼り付けられる。
小径ローラ回転機構863は、第1小径ローラ863a、第2小径ローラ863b、第1ベルト863cおよび第2ベルト863dを備える。小径ローラ回転機構863は、第1小径ローラ863aと第2小径ローラ863bとの間に用紙束の縁部が引き込まれるように第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bのそれぞれを回転させる。
第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bは、それぞれ幅方向に延在する円柱状を有する。第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bは、互いに前後方向に対向する。第1小径ローラ863aは、第1押圧ローラ861の上方に位置する。第2小径ローラ863bは、第2押圧ローラ862の上方に位置する。第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bは、互いに実質的に同じ外形を有する。小径ローラ863a,863bは、それぞれ押圧ローラ861,862よりも小さい外形を有する。
第1ベルト863cは、第1小径ローラ863aおよび第1押圧ローラ861に架け渡されている。
第2ベルト863dは、第2小径ローラ863bおよび第2押圧ローラ862に架け渡されている。
例えば、第1押圧ローラ861および第2押圧ローラ862のそれぞれを回転させると、第1ベルト863cおよび第2ベルト863dの作用により、第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bがそれぞれ回転する。第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bのそれぞれは、第1小径ローラ863aと第2小径ローラ863bとの間に挟み込む物体(用紙束の縁部)を引き込むように回転する。
第8変形例によれば、テープ取付部806は、第1押圧ローラ861、第2押圧ローラ862および小径ローラ回転機構863を備える。小径ローラ回転機構863は、第1小径ローラ863aと第2小径ローラ863bとの間に用紙束の縁部が引き込まれるように第1小径ローラ863aおよび第2小径ローラ863bのそれぞれを回転させる。以上の構成によって、以下の効果を奏する。第1小径ローラ863aまたは第2小径ローラ863bのいずれか一方のみを回転させる構造と比較して、第1小径ローラ863aと第2小径ローラ863bとの間に用紙束の縁部を引き込み易い。したがって、用紙束の縁部にテープをスムーズに取り付けることができる。例えば、テープ取付時に用紙が座屈することをより確実に回避することができる。
実施形態の第9変形例について説明する。
実施形態では、テープ取付部6におけるローラ回転機構64がベルト64aを備える場合について説明したが、これに限らない。
図31は、実施形態の第9変形例のテープ取付部906の側面図である。
図31に示すように、テープ取付部906におけるローラ回転機構964は、ベルトを備えていなくてもよい。
テープ取付部906は、第1ローラ961、第2ローラ962、ローラ付勢機構963およびローラ回転機構964を備える。
第1ローラ961および第2ローラ962は、それぞれ幅方向に延在する円柱状を有する。第1ローラ961および第2ローラ962は、互いに前後方向に対向する。第1ローラ961および第2ローラ962は、互いに実質的に同じ外形を有する。
ローラ付勢機構963は、付勢部材963a、支持部材963b、前壁963cおよび後壁963dを備える。
前壁963cおよび後壁963dは、前後方向に間隔をあけて配置されている。前壁963cおよび後壁963dは、装置本体の下部に取り付けられている。前壁963cには、付勢部材963aの前端が接続されている。付勢部材963aの後端は、第1ローラ961の回転軸に接続されている。後壁963dには、支持部材963bの後端が接続されている。支持部材963bの前端は、第2ローラ962の回転軸に接続されている。
付勢部材963aは、第1ローラ961と第2ローラ962とが互いに近接するように第1ローラ961を付勢する。付勢部材963aは、第1ローラ961を第2ローラ962に向けて常時付勢している。例えば、付勢部材963aは、前後方向に伸縮可能な圧縮コイルばねである。
例えば、用紙束の縁部をテープ切片(不図示)とともに第1ローラ961と第2ローラ962との間に挿入する。すると、第1ローラ961と第2ローラ962とが用紙束に押され、付勢部材963aの付勢力に抗して互いに離反する方向に移動する。第1ローラ961および第2ローラ962は、用紙束の縁部にテープ切片を押し付ける。すると、用紙束の縁部を包むようにテープ切片が曲げられる。これにより、テープ切片が用紙束の縁部に貼り付けられる。
図中符号965は、用紙束の縁部を第1ローラ961と第2ローラ962との間に挿入したとき、用紙束の縁部が過度に下方に移動しないように用紙束の縁部を受ける受け部材を示す。
ローラ回転機構964は、第1ローラ961と第2ローラ962との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第2ローラ962を回転させる。ローラ回転機構964は、ローラ回転用モータ964aおよび動力伝達部材964bを備える。
ローラ回転用モータ964aは、第2ローラ962を回転させるための駆動源である。
動力伝達部材964bは、ローラ回転用モータ964aの回転軸と第2ローラ962の回転軸とを連結する。動力伝達部材964bは、ローラ回転用モータ964aの駆動力を第2ローラ962に伝達する。動力伝達部材964bは、ローラ回転用モータ964aの回転動力を第2ローラ962の回転動力に変換する。
例えば、ローラ回転用モータ964aを駆動すると、動力伝達部材964bの作用により、第2ローラ962が回転する。第1ローラ961は、第2ローラ962の回転に従動して回転する。したがって、ローラ回転用モータ964aを駆動すると、第1ローラ961および第2ローラ962のそれぞれは、第1ローラ961と第2ローラ962との間に挟み込む物体(用紙束の縁部)を引き込むように回転する。
第9変形例によれば、ローラ回転機構964は、ローラ回転用モータ964aおよび動力伝達部材964bを備えることで、以下の効果を奏する。ローラ回転用モータ964aの駆動によって、第1ローラ961と第2ローラ962との間に用紙束の縁部を引き込むことができる。したがって、ベルトを有しない簡単な構成で、用紙束の縁部にテープをスムーズに取り付けることができる。
実施形態の第10変形例について説明する。
第9変形例では、ローラ回転機構964は、第1ローラ961と第2ローラ962との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第2ローラ962を回転させる場合について説明したが、これに限らない。
図32は、実施形態の第10変形例のテープ取付部1006の側面図である。
図32に示すように、テープ取付部1006におけるローラ回転機構1064は、第1ローラ961と第2ローラ962との間に用紙束の縁部が引き込まれるように第1ローラ961を回転させてもよい。
ローラ回転機構1064は、ローラ回転用モータ1064aおよび動力伝達部材1064bを備える。
ローラ回転用モータ1064aは、第1ローラ961を回転させるための駆動源である。
動力伝達部材1064bは、ローラ回転用モータ1064aの回転軸と第1ローラ961の回転軸とを連結する。動力伝達部材1064bは、ローラ回転用モータ1064aの駆動力を第1ローラ961に伝達する。動力伝達部材1064bは、ローラ回転用モータ1064aの回転動力を第1ローラ961の回転動力に変換する。
例えば、ローラ回転用モータ1064aを駆動すると、動力伝達部材1064bの作用により、第1ローラ961が回転する。第2ローラ962は、第1ローラ961の回転に従動して回転する。したがって、ローラ回転用モータ1064aを駆動すると、第1ローラ961および第2ローラ962のそれぞれは、第1ローラ961と第2ローラ962との間に挟み込む物体(用紙束の縁部)を引き込むように回転する。
第10変形例によれば、ローラ回転機構1064は、ローラ回転用モータ1064aおよび動力伝達部材1064bを備えることで、以下の効果を奏する。ローラ回転用モータ1064aの駆動によって、第1ローラ961と第2ローラ962との間に用紙束の縁部を引き込むことができる。したがって、ベルトを有しない簡単な構成で、用紙束の縁部にテープをスムーズに取り付けることができる。
実施形態の第11変形例について説明する。
第9変形例では、第1ローラ961および第2ローラ962が互いに実質的に同じ外形を有する場合について説明したが、これに限らない。
図33は、実施形態の第11変形例のテープ取付部1106の側面図である。
図33に示すように、第2ローラ1162は、第1ローラ961よりも大きい外形を有していてもよい。言い換えると、ローラ回転用モータ964aが取り付けられるローラは、ローラ回転用モータ964aが取り付けられないローラよりも大きい外形を有していてもよい。
第2ローラ1162は、ローラ回転用モータ964aよりも大きい外形を有する。第2ローラ1162は、ローラ回転用モータ964aを図31の位置よりも受け部材965から遠ざけるような外形を有する。ローラ回転用モータ964aと受け部材965との間には、図31の構造よりも広い空間が形成される。
第11変形例によれば、第2ローラ1162は、第1ローラ961よりも大きい外形を有することで、以下の効果を奏する。第2ローラが第1ローラ以下の外形を有する場合と比較して、用紙束の縁部を第1ローラ961と第2ローラ1162との間に挿入したときに、用紙束をローラ回転用モータ964aから遠く離反させることができる。
実施形態の第12変形例について説明する。
実施形態では、テープ取付部6における第1ローラ61および第2ローラ62がそれぞれ幅方向に延在する円柱状(側面視で真円形状)を有する場合について説明したが、これに限らない。
図34は、実施形態の第12変形例のテープ取付部1206の側面図である。
図34に示すように、側面視で、テープ取付部1206における第1ローラ1261および第2ローラ1262のそれぞれは、楕円形状を有していてもよい。
第1ローラ1261および第2ローラ1262のそれぞれの回転軸1261a,1262aは、第1ローラ1261および第2ローラ1262のそれぞれの中心位置に対してオフセットしている。第1ローラ1261および第2ローラ1262のそれぞれの回転軸1261a,1262aは、用紙束26の差込側とは反対側(下側)に配置されている。
第12変形例によれば、側面視で第1ローラ1261および第2ローラ1262のそれぞれが楕円形状を有することで、以下の効果を奏する。てこの原理により、第1ローラ1261と第2ローラ1262との間に用紙束の縁部を引き込み易くなる。したがって、側面視で第1ローラおよび第2ローラのそれぞれが真円形状を有する場合と比較して、用紙束の縁部にテープをスムーズに取り付け易い。
実施形態の第13変形例について説明する。
実施形態では、テープ取付部6が装置本体2の幅方向の定位置に配置されている場合について説明したが、これに限らない。
図35は、実施形態の第13変形例のテープ取付部6の移動の説明図である。図35(a)は、用紙束の縁部の第1位置を綴じるための動作を示す前面図である。図35(b)は、用紙束の縁部の第2位置を綴じるための動作を示す前面図である。
図35に示すように、用紙綴じ装置1301は、テープ取付部6を装置本体1302の幅方向に移動させるテープ取付用幅方向移動機構1310を更に備えていてもよい。
テープ取付用幅方向移動機構1310は、ガイドレール1311、幅方向移動用モータ1312および動力伝達機構1313を備える。
ガイドレール1311は、幅方向に延在する直線状を有する。ガイドレール1311は、テープ取付部6を幅方向に移動可能に支持する。
幅方向移動用モータ1312は、テープ取付部6を幅方向に移動させるための駆動源である。幅方向移動用モータ1312は、装置本体1302の外部に配置されている。
動力伝達機構1313は、幅方向移動用モータ1312の駆動力をテープ取付部6に伝達する。動力伝達機構1313は、幅方向移動用モータ1312の回転動力をテープ取付部6の幅方向移動力に変換する。
図35(a)に示すように、第1用紙保持部3Aおよび第2用紙保持部3Bは、装置本体1302の幅方向内に位置している。テープ取付部6は、第2用紙保持部3Bの下方に位置している。図35(a)の位置においては、第2用紙保持部3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部(第1位置)にテープを取り付けることができる。例えば、制御部は、不図示の第1ボタンが押された場合、テープ取付部6が図35(a)の位置に移動するように制御する。
図35(b)に示すように、第1用紙保持部3Aおよび第2用紙保持部3Bは、装置本体1302の幅方向内に位置している。テープ取付部6は、第1用紙保持部3Aの下方に位置している。図35(a)および図35(b)のそれぞれにおいて、装置本体1302は定位置にある。図35(b)の位置においては、第1用紙保持部3Aにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部(第2位置)にテープを取り付けることができる。例えば、制御部は、不図示の第2ボタンが押された場合、テープ取付部6が図35(b)の位置に移動するように制御する。
第13変形例によれば、テープ取付部6を装置本体1302の幅方向に移動させるテープ取付用幅方向移動機構1310を更に備えることで、以下の効果を奏する。テープ取付部6の幅方向への移動を自動的に行うことができるため、装置の操作性の更なる向上に寄与する。
実施形態の第14変形例について説明する。
実施形態では、保持部静止機構4が保持機構41を備える場合について説明したが、これに限らない。
図36は、実施形態の第14変形例の用紙綴じ装置1401の側面図である。
図36に示すように、用紙綴じ装置1401における保持部静止機構1404は、保持ピン1441を備えていてもよい。
保持ピン1441は、保持ブラケット40を上下方向の定位置で静止させる。保持ピン1441は、不図示の駆動機構によって前後方向に移動する。保持ピン1441は、装置本体2の内部と外部との間で移動する。保持ピン1441は、装置本体2の内部への退避位置において、保持ブラケット40の上下方向の移動を許容する(図36の実線参照)。保持ピン1441は、装置本体2の外部への突出位置において、保持ブラケット40の上下方向の移動を停止する(図36の二点鎖線参照)。
例えば、保持ブラケット40の上下延在部40bには、保持ピン1441を挿通可能に開口する上下一対の貫通孔44,45が設けられている。上貫通孔44は、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれた位置(図37(c)参照)で用紙保持部3A,3Bを静止させるための孔である。下貫通孔45は、用紙保持部3A,3Bを最上位の位置(図37(a)参照)で静止させるための孔である。
ブラケット付勢部材1442は、保持ブラケット40を用紙保持部3A,3Bに向けて付勢する。ブラケット付勢部材1442は、保持ブラケット40を常時上方へ付勢する。ブラケット付勢部材1442は、保持ブラケット40の前後延在部40aと幅方向移動機構5A,5Bとの間に配置されている。ブラケット付勢部材1442は、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。例えば、ブラケット付勢部材1442は、圧縮コイルばねである。
ダンパー1443は、ブラケット付勢部材1442の付勢力によって、用紙保持部3A,3Bが勢いよく上昇しないように用紙保持部3A,3Bの上昇速度を抑制する。ダンパー1443は、保持ブラケット40の前後延在部40aと幅方向移動機構5A,5Bとの間に配置されている。ダンパー1443は、ブラケット付勢部材1442に対応する位置に、前後方向に間隔をあけて一対設けられている。
保持部静止機構1404の作用について説明する。以下、保持部静止機構1404の作用を用紙の綴じ手順に沿って説明する。
図37は、用紙の綴じ手順の説明図である。図37(a)は、用紙綴じ装置1401の動作を示す側面図である。図37(b)は、図37(a)に続く用紙綴じ装置1401の動作を示す側面図である。図37(c)は、図37(b)に続く用紙綴じ装置1401の動作を示す側面図である。図37(d)は、図37(c)に続く用紙綴じ装置1401の動作を示す側面図である。図37(e)は、図37(d)に続く用紙綴じ装置1401の動作を示す側面図である。
図37(a)に示すように、用紙を隙間30に挿入したとき、保持部静止機構1404は、用紙保持部3A,3Bを最上位の位置(上方向の定位置)で静止させる。隙間30への用紙の挿入時において、保持ピン1441は、保持ブラケット40の下貫通孔45に挿入されている。そのため、用紙保持部3A,3Bの上下方向の動きは一時的にロックされている。これにより、第2湾曲部34を閉じる操作の際に、用紙保持部3A,3Bが下方へ変位しないようになっている。
図37(b)に示すように、束湾曲保持状態において、使用者が操作部11を操作すると、用紙保持部3A,3Bのロックは解除される。操作部11の操作により、保持ピン1441は、装置本体2の内部の退避位置へ移動する。これにより、用紙保持部3A,3Bの下方への移動が許容される。
図37(c)に示すように、使用者が用紙保持部3A,3Bを下方へ押し下げると、用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれる。用紙束の縁部が開口部21に挿し込まれたとき、保持部静止機構1404は、用紙保持部3A,3Bを最下位の位置(下方向の定位置)で静止させる。開口部21への用紙束の縁部の挿入時において、保持ブラケット40は、ブラケット付勢部材1442の付勢力に抗して図37(b)の位置よりも下方に位置している。開口部21への用紙束の縁部の挿入時において、保持ピン1441は、保持ブラケット40の上貫通孔44に挿入されている。
図37(d)に示すように、用紙束の縁部にテープが取り付けられるとき、保持部静止機構1404は、用紙保持部3A,3Bを最下位の位置で静止させる。用紙束の縁部へのテープ取付時において、保持ピン1441は、保持ブラケット40の上貫通孔44に挿入されている。そのため、用紙保持部3A,3Bの上下方向の動きは一時的にロックされている。これにより、用紙束の縁部へのテープ取付時に、用紙保持部3A,3Bが上方へ変位しないようになっている。
図37(e)に示すように、用紙束の縁部へのテープ取付が完了したとき、自動的に用紙保持部3A,3Bのロックは解除される。保持ピン1441は、装置本体2の内部の退避位置へ移動する。これにより、用紙保持部3A,3Bの上方への移動が許容される。用紙保持部3A,3Bは、ブラケット付勢部材1442の付勢力によって、上昇し、最上位の位置(もとの位置)に戻る。用紙保持部3A,3Bは、ダンパー1443の作用により、もとの位置に戻る際に、勢いよく上昇しないようになっている。
実施形態の他の変形例について説明する。
実施形態では、用紙綴じ装置は、不図示の画像形成装置の上面に置いて独立に使用される場合について説明したが、これに限らない。例えば、用紙綴じ装置は、画像形成装置の隣に配置され、画像形成装置から搬送される用紙に後処理を行う後処理装置に内蔵されていてもよい。例えば、用紙綴じ装置は、画像形成装置と連動して使用される装置でもよい。
実施形態では、用紙保持部が一対設けられている場合について説明したが、これに限らない。例えば、用紙保持部は、1つ又は3つ以上設けられていてもよい。
実施形態では、付勢部材がコイルばねである場合について説明したが、これに限らない。例えば、付勢部材は、板バネであってもよいし、ゴム等の弾性体であってもよい。
実施形態では、粘着テープ15が剥離フィルム15cを含む場合について説明したが、これに限らない。例えば、粘着テープ15は、剥離フィルム15cを含まなくてもよい。剥離フィルム15cを有しないテープであれば、剥離リール等の巻き取り部83を有しない構成とし、部品点数を削減することができる。
例えば、粘着テープは、非粘着層の表面に易剥離処理を施したテープであってもよい。
実施形態では、剥離フィルム15cが分離ローラ82により粘着層15aから剥離される場合について説明したが、これに限らない。例えば、剥離フィルム15cは、分離ローラ82よりも小径の小径ローラを分離ローラ82と並列に配置することにより、粘着層15aから剥離されてもよい。小径ローラを用いると、分離ローラ82を用いた場合と比較して、剥離フィルム15cを剥離する際の剥離フィルム15cの折れ曲がり半径が小さくなる。そのため、粘着層15aへの剥離フィルム15cの再付着を抑制する上で良い場合がある。
実施形態では、巻き出し部80は、筒状の芯部材80aを備える場合について説明したが、これに限らない。例えば、巻き出し部80は、筒状の芯部材80aを有しなくてもよい。筒状の芯部材80aを有しない構成とすることにより、部品点数を削減することができる。
実施形態では、テープ切断部10は一対の刃91,92が開閉する構造を有する場合について説明したが、これに限らない。例えば、テープ切断部は、カッターマットと、ロータリーカッターとを備えていてもよい。テープ切断部の構成は、巻き出し部80から供給されたテープを切断できる構成であればいかなる構成でもよい。
実施形態では、湾曲部ロック機構37が一対のリンク部材を備える場合について説明したが、これに限らない。例えば、湾曲部ロック機構は、永久磁石および金属板を備えていてもよい。例えば、湾曲部ロック機構は、磁力の作用により第2湾曲部34が閉じている状態を維持してもよい。
実施形態では、用紙束の一面に外方から接触する押え部材が弾性部材である場合について説明したが、これに限らない。例えば、押え部材は、弾性を有しない部材(剛体)であってもよい。押え部材は、用紙束の一面に接触することによって、用紙束のずれを抑制することができる構成であればいかなる部材であってもよい。
実施形態では、用紙綴じ装置を上下に起立させたときの姿勢を基準とし、はじめの用紙の挿入方向は水平方向(前方から後方へ挿入)、用紙保持部によって曲げられる用紙束の縁部は下向き、粘着テープの接着面は上向きとした場合について説明したが、これに限らない。例えば、用紙綴じ装置の姿勢は、使用者の操作性を考慮して、水平面を基準に任意の角度で傾けて設計されていてもよい。
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、用紙綴じ装置1は、複数の用紙25を含む用紙束26を湾曲状態で保持する用紙保持部3A,3Bと、用紙保持部3A,3Bにより湾曲状態で保持されている用紙束26の縁部にテープ16を取り付けるテープ取付部6と、を備えることにより、装置の小型化を図ることができる用紙綴じ装置1を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。