JP7057440B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

本開示は、蓄電装置に関する。
従来、集電体の一方の面上に正極活物質層が設けられ、他方の面上に負極活物質層が設けられたバイポーラ電極を備えた、いわゆるバイポーラ型の蓄電装置が知られている。このような蓄電装置のケース内には電解液が封入されている。
特開2014-56799号公報
上述した蓄電装置では、充電時および放電時に、ケース内において電解液がある程度流動する。たとえば正極活物質層では、充電時に正極活物質が膨張して電解液が流れ込み、放電時に正極活物質が収縮して電解液が流れ出す。充電時において正極活物質層に流れ込む電解液が不足する場合には電池特性が劣化し得る。
本開示は、電池特性の向上が図られた蓄電装置を説明する。
本開示の一側面に係る蓄電装置は、集電体と、集電体の第1面に設けられた正極活物質層と、集電体の第2面に設けられた負極活物質層と、をそれぞれ含む複数のバイポーラ電極が、セパレータを介して積層された積層体と、積層体の側面を囲むケースと、ケース内に封入された電解液とを備える。集電体の第1面は、粗面化された粗面領域を第1面の少なくとも一部に有する。正極活物質層の少なくとも一部は粗面領域に設けられている。正極活物質層は、粗面領域を露出させる溝部を有する。
上記蓄電装置では、正極活物質層に溝部が設けられており、溝部から集電体の第1面の粗面領域が露出している。粗面領域では、粗面化されていない平滑面に比べて、電解液が留まりやすい。そのため、溝部から露出した粗面領域は電解液を保液することができる。このように、正極活物質層が設けられた集電体の第1面において電解液を粗面領域に保液することで、粗面領域に保液された電解液を正極活物質層内に供給することができ、正極活物質層内で電解液が不足する事態が生じにくくなる。そのため、上記蓄電装置によれば、高い電池特性を実現することができる。
他の側面に係る蓄電装置において、溝部は、正極活物質層の側端面に2つの開口を有してもよく、2つの開口を連通していてもよい。この場合、ケース内に電解液を注入したときに、電解液が正極活物質層に設けられた溝部を通って速やかに流れるので、効率良く注液することができる。
他の側面に係る蓄電装置において、粗面領域は、正極活物質層よりも広い領域であってもよく、正極活物質層は、粗面領域内に設けられていてもよい。
他の側面に係る蓄電装置においては、積層体の積層方向において正極活物質層と隣り合うセパレータの一部が、溝部に入り込んでいてもよい。正極活物質層の溝部に入り込んだ部分のセパレータに電解液が保液されることで、溝部に入り込んだ部分のセパレータに含まれる電解液を正極活物質層内に供給することができ、電解液が不足する事態がさらに生じにくくなる。
他の側面に係る蓄電装置において、溝部は、集電体の面内方向のうちの一方向に沿って延在していてもよい。正極活物質層は、溝部の延在方向に交差する幅方向に溝部を挟む少なくとも一対の帯状部分を有していてもよい。溝部の幅方向における長さは、帯状部分の幅方向における長さの0.04倍以上0.80倍以下であってもよい。たとえば、蓄電装置が電池容量に対して過剰に充電された場合、ケース内において電解液中の水が電気分解されて酸素が発生する。この酸素は、バイポーラ電極の正極活物質層において発生し、積層方向に隣り合う別のバイポーラ電極の負極活物質に吸収される。バイポーラ電極同士はセパレータを介して積層されているので、正極活物質層から負極活物質層に移動する酸素は、溝部を介してセパレータの縁部を回り込むように移動する。溝部の幅方向における長さが帯状部分の幅方向における長さの0.04倍以上である場合、バイポーラ電極の正極活物質層において発生した酸素を溝部によって円滑に導くことができる。溝部の幅方向における長さが帯状部分の幅方向における長さの0.80倍以下である場合、所望の電池容量を確保しやすい。
他の側面に係る蓄電装置において、帯状部分の幅方向における長さは、25mm以上50mm以下であってもよい。帯状部分の幅方向における長さが25mm以上である場合、所望の電池容量を確保しやすい。帯状部分の幅方向における長さが50mm以下である場合、バイポーラ電極の正極活物質層において発生した酸素が溝部に到達しやすい。
他の側面に係る蓄電装置において、粗面領域は、複数の突起を有するメッキ層であってもよい。突起は、複数の析出金属が積層体の積層方向に互いに積み重なった構造であってもよい。
本開示に係る蓄電装置によれば、電池特性の向上が図られる。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を示す断面図である。 図2(a)は、図1に示したバイポーラ電極の集電体の要部拡大図である。図2(b)は、図2(a)に示した集電体をさらに拡大した図である。 図3は、図1に示した集電体、正極活物質層、および、セパレータの要部拡大図である。 図4は、集電体の第1面に設けられた正極活物質層を示した平面図である。 図5は、図1のV-V線に沿った断面図である。 図6は、サイクル数と容量変化率との関係を示すグラフである。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一または相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る蓄電装置を模式的に示す断面図である。蓄電装置1は、たとえば、ニッケル水素二次電池、およびリチウムイオン二次電池等の二次電池、または、電気二重層キャパシタである。蓄電装置1は、たとえば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、および電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いることができる。以下、一例として、蓄電装置1がニッケル水素二次電池である場合について説明する。
蓄電装置1は、バイポーラ電極3の積層体2を備えたバイポーラ電池である。蓄電装置1は、バイポーラ電極3の積層体2と、積層体2を保持するケース5と、積層体2を拘束する拘束体6とを備えている。
積層体2は、セパレータ7を介して複数のバイポーラ電極3を第1方向D1に沿って積層することによって構成されている。第1方向D1は、ここではZ軸方向に沿う方向であり、以下では上下方向または積層方向とも称する。たとえば、後述する端子部材(負極端子部材25A,正極端子部材25B)から離れたバイポーラ電極3を基準とした場合、当該バイポーラ電極3の上下にはセパレータ7を間に挟んで別のバイポーラ電極3がそれぞれ設けられている。バイポーラ電極3のそれぞれは、集電体11と、集電体11の第1面11aに設けられた正極活物質層12と、集電体11の第2面11bに設けられた負極活物質層13とを有している。第2面11bは、集電体11の厚み方向において第1面11aとは反対側の面である。正極活物質層12および負極活物質層13のそれぞれは、集電体11の中央部に設けられている。すなわち、集電体11の周縁部11cには、正極活物質層12および負極活物質層13が設けられていない。周縁部11cは、集電体11の表面が露出した未塗工部である。積層体2において、一のバイポーラ電極3の正極活物質層12は、第1方向D1において隣り合う一方のバイポーラ電極3の負極活物質層13とセパレータ7を介して向かい合い、一のバイポーラ電極3の負極活物質層13は、第1方向D1において隣り合う他方のバイポーラ電極の正極活物質層12とセパレータ7を介して向かい合っている。
正極活物質層12を構成する正極活物質としては、たとえば水酸化ニッケルが挙げられる。負極活物質層13を構成する負極活物質としては、たとえば水素吸蔵合金が挙げられる。集電体11の第2面11bにおける負極活物質層13の形成領域は、集電体11の第1面11aにおける正極活物質層12の形成領域に対して一回り大きくてもよい。
集電体11の周縁部11cは、正極活物質および負極活物質が塗工されない未塗工領域である。周縁部11cがケース5の内壁5aに埋没した状態で、ケース5は周縁部11cを保持している。周縁部11cの第1面11aと内壁5aとの間には、それらに接した状態で周縁部11cに沿って樹脂スペーサ4が介在している。樹脂スペーサ4は、隣り合う2つのバイポーラ電極3の間隔を保持する。これにより、第1方向D1において隣り合う2つの集電体11間に、当該2つの集電体11とケース5の内壁5aとが協働して空間を形成している。当該空間には、たとえば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が封入されている。第1方向D1において隣り合う2つの空間(隣り合う2つのバイポーラ電極3の間に形成される電解液の封入空間)は、樹脂スペーサ4によって互いに液密に分離(シール)されている。樹脂スペーサ4は、たとえば周縁部11c上に配置された樹脂を硬化することによって形成される。硬化前の樹脂は、液体状でもよく、シート状でもよく、ゲル状でもよい。
積層体2の一方(Z軸方向正方向)の積層端には、片面に負極活物質層13のみが設けられた集電体11Aが積層されている。当該集電体11Aは、セパレータ7を介して負極活物質層13と最上層のバイポーラ電極3の正極活物質層12とが向かい合うように配置されている。積層体2の他方(Z軸方向負方向)の積層端には、正極活物質層12のみが設けられた集電体11Bが積層されている。当該集電体11Bは、セパレータ7を介して正極活物質層12と最下層のバイポーラ電極3の負極活物質層13とが向かい合うように配置されている。集電体11A,11Bの縁部は、バイポーラ電極3の集電体11と同様に、ケース5の内壁5aに埋没した状態でケース5に保持されている。集電体11A,11Bの第1面11aの縁領域と内壁5aとの間には、樹脂スペーサ4が介在している。集電体11A,11Bは、バイポーラ電極3の集電体11に比べて厚く形成されてもよい。
セパレータ7は、たとえばシート状に形成されている絶縁物である。セパレータの形成材料としては、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ならびに、ポリプロピレン等からなる織布または不織布等が例示される。セパレータ7は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されてもよい。なお、セパレータ7は、シート状に限られず、袋状の絶縁物であってもよい。
ケース5は、たとえば絶縁性の樹脂を用いた射出成形によって矩形の筒状に形成されている。樹脂性のケース5を構成する樹脂材料としては、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、および変性ポリフェニレンサルファイド(変性PPS)等が挙げられる。ケース5は、バイポーラ電極3の積層によって形成される積層体2の側面2aを取り囲んで保持する部材である。
ケース5の一側面5b(図5参照)には、複数の注液口51(図5参照)が設けられている。注液口51は、ケース5内(具体的には、電解液の封入空間)に電解液を注入するために用いられる。集電体11は略矩形平板状の外形を有し、一側面5bは、たとえば集電体11の短辺に沿う面である。注液口51は、集電体11の長辺に沿ってケース5および樹脂スペーサ4を貫通している。複数の注液口51は、複数の電解液の封入空間に対応してそれぞれ形成されている。本実施形態では、複数の注液口51が設けられる位置は、集電体11の短辺に沿う方向に関して複数箇所(一例として、積層数の半数であって、ここでは5箇所)に分散されており、各箇所において複数(一例として、2つ)の注液口51が分散数に応じた層数おき(ここでは、5層おき)に重なっている。なお、電解液が注入された状態では、たとえば樹脂による封止等によって注液口51が塞がれている。
拘束体6は、一対の拘束プレート21,21と、拘束プレート21,21同士を連結する連結部材(ボルト22およびナット23)とによって構成されている。拘束プレート21は、たとえば鉄等の金属によって平板状に形成されている。ケース5よりも外側に突出する拘束プレート21の縁部は、ボルト22を挿通させる挿通孔21aを備える。拘束体6における挿通孔21aの内周面およびボルト座面には、絶縁処理がなされている。拘束プレート21の一方の面には、絶縁性部材24を介して端子部材(負極端子部材25A,正極端子部材25B)が結合されている。絶縁性部材24の形成材料としては、たとえばフッ素系樹脂またはポリエチレン樹脂が挙げられる。
一方の拘束プレート21は、第1方向D1においてケース5よりも上方に位置している。一方の拘束プレート21は、ケース5の内側で負極端子部材25Aと集電体11Aとが当接するようにケース5の一端面に突き当てられる。他方の拘束プレート21は、第1方向D1においてケース5よりも下方に位置している。他方の拘束プレート21は、ケース5の内側で正極端子部材25Bと集電体11Bとが当接するようにケース5の他端面に突き当てられる。ボルト22は、たとえば一方の拘束プレート21から他方の拘束プレート21に向かって挿通孔21aに通され、他方の拘束プレート21から突出するボルト22の先端には、ナット23が螺合されている。
これにより、積層体2、集電体11A,11B、およびケース5が挟持されてユニット化されると共に、積層体2には第1方向D1に沿った拘束荷重が付加される。負極端子部材25Aは、一方の拘束プレート21と積層体2との間に配置され、正極端子部材25Bは、他方の拘束プレート21と積層体2との間に配置される。負極端子部材25Aには、引出部26が接続されている。正極端子部材25Bには、引出部27が接続されている。引出部26および引出部27によって、蓄電装置1の充放電をおこなうことができる。
以下、集電体11について、図2(a)および図2(b)を参照しつつ説明する。
図2(a)に示されるように、集電体11は、鋼板10と、鋼板10の一方の表面10aを覆うニッケルのメッキ層30と、を有する。第1面11aはメッキ層30の表面であり、第2面11bは鋼板10の表面である。第1面11aに粗面化処理を施すことで、第1面11aが、鋼板10の自然面である表面10aおよび第2面11bより大きい表面粗さ(算術平均粗さRa)を有する。粗面化処理としては、たとえば、エッチング処理およびメッキ処理等の化学的処理、スパッタリング等の物理的処理、ならびに、研磨処理等の機械的処理等の公知の表面処理を適用することができる。本実施形態では、電解ニッケルメッキ処理によって粗面化された第1面11aを有するメッキ層30が形成される。第2面11bは、鋼板10の自然面、すなわち、上記の粗面化処理が施されていない非粗面である。第2面11bはたとえば平滑面である。鋼板10としては、たとえばJIS G 3141:2005にて規定される冷間圧延鋼板(SPCC等)が挙げられる。鋼板10の厚さは、たとえば0.1μm以上1000μm以下であり、一例として50μmである。メッキ層30は、電解ニッケルメッキ処理を実施することによって形成される。メッキ層30の厚さは、たとえば5μm以上20μm以下に設計され得る。
図2(a)および図2(b)に示されるように、メッキ層30は、鋼板10の表面10a上に設けられる下地ニッケルメッキ層31と、下地ニッケルメッキ層31上に設けられる本ニッケルメッキ層32とを含む。下地ニッケルメッキ層31と、本ニッケルメッキ層32とは、互いに異なる条件にて電解メッキ処理を実施することによって形成されている。
下地ニッケルメッキ層31は、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って鋼板10の表面10a上に設けられる電解メッキ層である。第2方向D2は、XY平面に沿う方向、もしくは一方の表面10aの延在方向に相当する。したがって、第2方向D2は、必ずしも第1方向D1に直交しなくてもよい。下地ニッケルメッキ層31の厚さは、たとえば0.5μm以上5μm以下であってもよく、0.5μm以上2μm以下であってもよい。下地ニッケルメッキ層31は、鋼板10の表面10aの全てを覆っていてもよい。この場合、メッキ層30にピンホール等が形成されにくくなるので、リーク電流の発生を抑制できる。下地ニッケルメッキ層31の表面形状は、表面10aの形状と異なっている。具体的には、下地ニッケルメッキ層31は、第1方向D1に沿って突出する複数の凸部33を有する。このため、下地ニッケルメッキ層31の表面形状は、鋼板10の表面10aに沿っておらず、下地ニッケルメッキ層31の表面粗さは、鋼板10の表面10aの表面粗さよりも大きい。したがって、下地ニッケルメッキ層31は、平滑メッキ層とは異なるように設けられている。平滑メッキ層は、メッキされる対象の表面に沿った表面形状を有するメッキ層である。
複数の凸部33は、第2方向D2に沿って不規則に設けられる。下地ニッケルメッキ層31の厚さが約1μmまたはそれ以上である場合、凸部33の平均高さは、たとえば0.4μm以上であって、下地ニッケルメッキ層31の厚さの半分以下でもよい。この場合、本ニッケルメッキ層32の形状を良好にすることができる。凸部33の平均高さは、たとえばレーザ共焦点光学系を用いた顕微鏡によって測定される。
本ニッケルメッキ層32は、下地ニッケルメッキ層31を被成膜面として設けられる電解メッキ層であり、下地ニッケルメッキ層31よりも大きい表面粗さを有する。下地ニッケルメッキ層31および本ニッケルメッキ層32の表面粗さのそれぞれは、JIS B 0601:2013(あるいはISO 4287:1997, Amd.1:2009)に規定される算術平均粗さRaで表される。本ニッケルメッキ層32の表面粗さは、たとえば1.5μm以上6.0μm以下であり、下地ニッケルメッキ層31の表面粗さの1.5倍以上60.0倍以下である。この場合、メッキ層30にピンホール等が発生することを抑制しつつ、本ニッケルメッキ層32の表面積を大きくできる。本ニッケルメッキ層32の厚さは、たとえば5μm以上20μm以下である。本ニッケルメッキ層32は、必ずしも下地ニッケルメッキ層31の表面全体を覆うように形成されなくてもよい。たとえば、本ニッケルメッキ層32は、下地ニッケルメッキ層31から第1方向D1に突出する複数の突起34の集合体であってもよい。この場合、本ニッケルメッキ層32は、粗化メッキ層とも呼称される。複数の突起34のそれぞれは、対応する凸部33に接する部分を基端34aとして、第1方向D1に沿って先端34bに至るように形成されている。
複数の突起34の少なくとも一部には、たとえば略球形状を有する複数のニッケル結晶が重畳している。これらのニッケル結晶は、電解メッキ処理により形成された複数の析出金属(付与物)である。このような複数の析出金属が互いに重畳する(積み重なる)ことによって、当該突起34の第2方向D2における長さ(長さ寸法)が、基端34aにおける第2方向D2の長さよりも大きい拡大部34cが形成されている。すなわち、少なくとも一部の突起34は、基端34aから先端34bに向かって先太りとなる先太り形状を有している。突起34における拡大部34cの位置は、必ずしも先端34bでなくてもよいが、少なくとも基端34aよりも先端34bに近い。換言すると、先太り形状を有する突起34において第2方向D2の長さが最も大きい箇所は、先端34bでなくてもよいが、基端34a以外に位置している。突起34における拡大部34cの位置は、析出金属の重複態様により突起34ごとに異なってもよい。
突起34の平均高さは、たとえば30μm以下である。突起34の平均高さが30μm以下であることによって、突起34の折損を良好に抑制できる。突起34の平均高さは、たとえばレーザ共焦点光学系を用いた顕微鏡を用いて測定される。
平面視(すなわち、第1方向D1に沿って見た場合)において、本ニッケルメッキ層32の単位面積あたりにおける突起34の数は、たとえば2,500個以上7,000個以下である。突起34の上記数が2,500個以上であることによって、本ニッケルメッキ層32の表面積を十分に確保することができる。突起34の上記数が7,000個以下であることによって、隣り合う2つの突起34が接触することを抑制できる。本実施形態では、単位面積は1mmである。本ニッケルメッキ層32の単位面積あたりにおける突起34の数は、たとえばJIS B 0601:2013(またはISO 4287:1997, Amd.1:2009)に規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmによって算出される。
集電体11A、11Bは、集電体11と同様に電解メッキ処理が施された鋼板でもよく、ニッケル箔等の金属箔でもよい。
上述したメッキ層30は、たとえば以下に示す手順によって形成することができる。
まず、集電体11を構成する鋼板10の表面10a上に、鋼板10の表面形状とは異なる表面形状を有する下地ニッケルメッキ層31を形成する。下地ニッケルメッキ層31は、鋼板10に対して電解メッキ処理を施すことによって形成される。電解メッキ処理では、たとえばニッケル濃度が0.5mol/L以上2.0mol/L以下、温度が40℃以上65℃以下に設定されたニッケル浴が用いられる。ニッケル浴とは、ニッケル陽イオンが存在する電解液であり、たとえば塩化ニッケル溶液および硫酸ニッケル溶液等である。ニッケル浴のニッケル濃度が0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることによって、効率良くメッキ層を形成することができる。また、ニッケル浴の温度が40℃以上65℃以下であることによって、下地ニッケルメッキ層31に設けられる凸部33の平均高さを良好に制御できる。
下地ニッケルメッキ層31を形成するための電解メッキ処理を実施する際、たとえば電流密度が0.5A/dm以上5.0A/dm以下の条件下にて150秒以上2,400秒以下の間、鋼板10をニッケル浴に浸漬させる。電解メッキ処理中における電流密度を0.5A/dm以上5.0A/dm以下に設定することによって、下地ニッケルメッキ層31が平滑メッキ層になることを防止できる。加えて、下地ニッケルメッキ層31に形成された凸部33が針形状(もしくはウィスカー形状)を有することを抑制できる。150秒以上2,400秒以下の間、鋼板10をニッケル浴に浸漬させることによって、下地ニッケルメッキ層31の厚さを良好に設定できる。
下地ニッケルメッキ層31を形成する際に特に重要とされる条件は、ニッケル浴の温度および電流密度である。したがって、ニッケル浴の温度と、電流密度とのいずれも上記範囲内であるとき、ニッケル浴のニッケル濃度と、鋼板10が浸漬される時間とは、必ずしも上記範囲内でなくてもよい。
次に、下地ニッケルメッキ層31上に、本ニッケルメッキ層32(図2(b)を参照)を形成する。本ニッケルメッキ層32は、複数の突起34を含み、下地ニッケルメッキ層31よりも大きい表面粗さを有する。これにより、鋼板10と、下地ニッケルメッキ層31および本ニッケルメッキ層32を有するメッキ層30とを備える集電体11が得られる。本ニッケルメッキ層32は、下地ニッケルメッキ層31が形成された鋼板10に対して電解メッキ処理を施すことによって形成される。この電解メッキ処理では、たとえばニッケル濃度が0.15mol/L以上0.30mol/L未満、温度が30℃以上60℃以下に設定されたワット浴が用いられる。ワット浴とは、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、および、ホウ酸を主成分とする電解液である。ワット浴のニッケル濃度が0.15mol/L以上0.30mol/L未満であることによって、先太り形状を有する突起34を良好に形成できる。また、ワット浴の温度が30℃以上60℃以下であることによって、先太り形状の平均高さを良好に制御できる。
本ニッケルメッキ層32を形成するための電解メッキ処理を実施する際、たとえば電流密度が30A/dm以上50A/dm以下の条件下にて30秒以上60秒以下の間、鋼板10をワット浴に浸漬させる。電解メッキ処理中における電流密度を30A/dm以上50A/dm以下に設定することによって、先太り形状を有する突起34を良好に形成できる。また、30秒以上60秒以下の間、鋼板10をワット浴に浸漬させることによって、本ニッケルメッキ層32の厚さを良好に設定できる。
本ニッケルメッキ層32を形成する際に特に重要とされる条件は、ワット浴のニッケル濃度および電流密度である。したがって、ワット浴のニッケル濃度と、電流密度とのいずれも上記範囲内であるとき、ワット浴の温度と、鋼板10が浸漬される時間とは、必ずしも上記範囲内でなくてもよい。
続いて、図3から図5を参照しつつ、集電体11の第1面11a上に設けられた正極活物質層12について説明する。
正極活物質層12は、略矩形平板状の外形を有する。上述したように、集電体11は略矩形平板状の外形を有し、正極活物質層12の短辺および長辺は、集電体11の短辺及び長辺のそれぞれと平行になるように設けられている。図4に示すように、正極活物質層12に、集電体11の長辺に平行な方向に延びる複数(本実施形態では4本)の溝部15が設けられている。複数の溝部15はいずれも一方向(本実施形態では、集電体11の長辺に平行な方向)に沿って連続的に延在している。複数の溝部15はいずれも延在方向にわたって均一幅を有する。複数の溝部15は、略同一の溝幅(後述する長さL1)を有し、略均等な離間距離で互いに平行に並んでいる。また、複数の溝部15はいずれも正極活物質層12を貫通している。つまり、溝部15は正極活物質層12の2つの短辺の側端面にそれぞれ複数(本実施形態では4つ)の開口を有する。そのため、複数(本実施形態では4本)の溝部15により、正極活物質層12は複数(本実施形態では5つ)の帯状部分12aに分断されている。
本実施形態において、正極活物質層12の幅方向における長さL2は100mm以上330mm以下であってもよい。溝部15の幅方向における長さL1は、帯状部分12aの幅方向における長さL3の0.04倍以上0.80倍以下であってもよい。あるいは、長さL1は、長さL3の0.08倍以上0.40倍以下であってもよい。長さL3は、25mm以上50mm以下であってもよい。また、図5に示すように、長さL1は、上記注液口51の幅方向における長さL4よりも小さい。長さL4は、1mm以上20mm以下であってもよい。
溝部15は、たとえば正極活物質層12を塗工する際に形成することができる。具体的には、正極活物質、導電助剤、および溶媒を含む正極ペーストを、ダイコータを用いて集電体11上に塗工する場合、ダイコータのペースト吐出口にシム等の障害物を設けることで、溝部15を形成することができる。
上述したとおり、正極活物質層12が設けられる集電体11の第1面11aは、複数の突起34が設けられた粗面領域である。粗面領域は、正極活物質層12よりも広い領域である。本実施形態では、第1面11aの全面が粗面領域である。正極活物質層は、粗面領域内に設けられている。そのため、図3に示すように、正極活物質層12に設けられた溝部15から第1面11aの粗面領域が露出する。すなわち、溝部15の溝底は、集電体11の第1面11aの粗面領域である。集電体11の第1面11aの粗面領域では、粗面化されていない平滑面に比べて、電解液が留まりやすい。たとえば、電解液は、突起34の隙間に入り込むようにして、粗面領域に染み込む。そのため、溝部15から露出した粗面領域において電解液をある程度保液することができる。
蓄電装置1の充電時においては、正極活物質が膨張して正極活物質層12に電解液が流れ込み、蓄電装置1の放電時においては、正極活物質が収縮して正極活物質層12から電解液が流れ出す。放電時に正極活物質層12から電解液が流れ出す際、正極活物質層12の溝部15の溝底である粗面領域に電解液が保液される。そのため、充電時に粗面領域に保液された電解液を正極活物質層12に供給することができる。特に、図3の符号Sで示された正極活物質層12の帯状部分12aの近傍(帯状部分12aの形成領域と粗面領域との隣接部分)においては、粗面領域に保液された電解液をより素早く正極活物質層12に供給することができる。
以上において説明したとおり、蓄電装置1においては、正極活物質層12の溝部15の溝底である集電体11の第1面11aの粗面領域が電解液を保液することで、充電時に正極活物質層12内に流れ込む電解液を確保することができる。このため、電解液が不足する事態が生じにくい。電解液が不足した場合には、集電体11と正極活物質層12との間に高抵抗部分が生じ、電池特性が劣化する。蓄電装置1によれば、充電時に電解液が不足する事態が効果的に抑制されているため、高い電池特性が実現されている。
集電体11の第1面11aの粗面領域は、先太り形状を有する複数の突起34によって構成されている。そのため、隣接する2つの突起34間の空間に電解液を保液することができるので、より多量の電解液を保液することができる。
溝部15は、正極活物質層12の側端面に2つの開口を有し、2つの開口を連通しているので、ケース5内に電解液を注入したときに、電解液が正極活物質層12に設けられた溝部15を通って速やかに流れる。特に、溝部15の延在方向をケース5内への電解液の注液方向(注液口51の貫通方向)に沿うように設計することで、電解液が正極活物質層12に設けられた溝部15を通ってより速やかにケース内に行き渡る。そのため、ケース5内へ電解液を効率良く注液することができる。
なお、本実施形態では、集電体11の第1面11aの全面が粗面領域であることにより、正極活物質層12の外周にも粗面領域が露出している。そのため、正極活物質層12の外周においても、溝部15の溝底と同様に、粗面領域に電解液が保液される。すなわち、正極活物質層12の溝部15の溝底および正極活物質層12の外周の粗面領域に電解液が保液されるので、より多量の電解液を保液することができる。その結果、充電時に電解液が不足する事態がより効果的に抑制されている。
本実施形態では、粗面領域は、正極活物質層12よりも広い領域であって、正極活物質層12は、粗面領域内に設けられている。そのため、正極活物質、導電助剤、および溶媒を含む正極ペーストを塗布し、塗布した正極ペーストを乾燥させて正極活物質層12を形成する際に、粗面領域の複数の突起34の少なくとも一部が正極活物質層12に入り込む。したがって、突起34によるアンカー効果で、集電体11に対する正極活物質層12の密着力が向上する。
蓄電装置1では、図3に示すように、積層体2の積層方向(第1方向D1)において正極活物質層12と隣り合うセパレータ7の一部7aが、正極活物質層12に設けられた溝部15に入り込んでいる。セパレータ7の元々の厚さよりも小さくなるように積層体2の拘束時にセパレータ7を圧縮することで、セパレータ7の一部7aは溝部15に入り込んだ状態となる。セパレータ7が、多孔質フィルム、織布、および不織布等の形態である場合、電解液を吸液および保液することができる。そのため、放電時に正極活物質層12から電解液が流れ出す際、集電体11の第1面11aの粗面領域に加えて、セパレータ7でも電解液が保液される。特に、蓄電装置1では、セパレータ7における正極活物質層12の溝部15に入り込んだ部分7aに電解液が保液されることで、溝部15内に保液される電解液の量が増す。したがって、蓄電装置1では、溝部15の溝底である第1面11aの粗面領域、および正極活物質層12の溝部15に入り込んだセパレータ7の一部7aから正極活物質層12に電解液を供給することができ、充電時に電解液が不足する事態がより効果的に抑制されている。
ところで、蓄電装置1が電池容量に対して過剰に充電された場合、ケース5内において電解液中の水が電気分解されて酸素が発生する。この酸素は、バイポーラ電極3の正極活物質層12において発生し、第1方向D1に隣り合う別のバイポーラ電極3の負極活物質層13に吸収される。隣り合う2つのバイポーラ電極3はセパレータ7を介して積層されているので、正極活物質層12から負極活物質層13に移動する酸素は、セパレータ7の縁部を回り込むように移動する。
蓄電装置1においては、正極活物質層12が溝部15を有するので、正極活物質層12から負極活物質層13に移動する酸素を、溝部15によってセパレータ7の縁部に向けて導くことができる。これにより、正極活物質層12に溝部15が形成されていない場合と比較して、発生した酸素によって正極活物質層12内の電解液が正極活物質層12外に向けて押し出されることを抑制することが可能となる。
溝部15は、集電体11の面内方向のうちの一方向に沿って延在しており、各溝部15は、正極活物質層12の一対の帯状部分12aによって溝部15の延在方向に交差する幅方向に挟まれている。幅方向において、溝部15の長さL1は、帯状部分12aの長さL3の0.04倍以上0.80倍以下であってもよい。長さL1を長さL3の0.04倍以上とすることにより、バイポーラ電極3の正極活物質層12において発生した酸素を溝部15によって円滑に導くことができる。長さL1を長さL3の0.80倍以下とすることにより、所望の電池容量を確保しやすい。
蓄電装置1において、長さL3は、25mm以上50mm以下であってもよい。長さL3を25mm以上とすることにより、所望の電池容量を確保しやすい。長さL3を50mm以下とすることにより、バイポーラ電極3の正極活物質層12において発生した酸素が溝部15に到達しやすくなる。
[実施例]
以下、実施例について説明するが、上記実施形態は実施例に限定されない。
(実施例1)
実施例1に係る蓄電装置の構成は、上記実施形態に係る蓄電装置1と同様である。実施例1では、溝部15の長さL1を3mm、帯状部分12aの数を5個、帯状部分12aの長さL3を33mmとした。
(比較例1)
比較例1に係る蓄電装置は、第1面11aに粗面化処理を施していない点で上記実施例1に係る蓄電装置と相違し、その他の点において上記実施例1に係る蓄電装置と同様に構成されている。
(電池特性の評価方法1)
実施例1および比較例1の蓄電装置に対し、電池特性として、充電および放電を繰り返した場合の蓄電装置の電池容量の変化率を計測した。図6は、サイクル数と容量変化率との関係を示すグラフである。図6に示すグラフにおいて、横軸は、サイクル数を示し、縦軸は、容量変化率を示す。蓄電装置のSOC(充電状態;State of Charge)が80%に達したときから0%(完全放電状態)となるまで放電し、その後再び充電してSOCが80%に達するまでを1サイクルとした。容量変化率は、1サイクル目の蓄電装置の電池容量を1としたときの各サイクルにおける電池容量の割合である。蓄電装置の電池容量は、充放電装置(例:東洋システム株式会社製)によって計測した。
(電池特性の評価結果1)
図6に示されるように、実施例1においては、サイクル数が800を超えても電池容量がほぼ変化しないことがわかった。比較例1においては、サイクル数が670を超えたあたりから電池容量は低下していくことがわかった。比較例1の電池容量の変化率の悪化は、正極活物質に電解液を供給できなくなったことによる液枯れに起因すると考えられる。図6により、比較例1に対し、実施例1の方が電池容量の低下を抑制できていることがわかった。
(実施例2~11)
実施例2~11、及び参考例1に係る蓄電装置の構成は、上記実施形態に係る蓄電装置1と同様である。実施例2~11は、正極活物質層12の長さL2を100mm、帯状部分12aの数を2つ、溝部15の数を1つとし、帯状部分12aの長さL3及び溝部15の長さL1を変化させた。
(参考例1)
参考例1に係る蓄電装置は、帯状部分12aの数を1つとし、溝部15を設けない点で上記実施例2~11に係る蓄電装置と相違し、その他の点において上記実施例2~11に係る蓄電装置と同様に構成されている。
(電池特性の評価方法2)
実施例2~11、及び参考例1の蓄電装置に対し、電池容量を計測した。表1は、計測結果を示す。表1の各容量(電池容量)は、参考例1の蓄電装置の電池容量を100としたときの各実施例における電池容量の割合を示す。
Figure 0007057440000001
(電池特性の評価結果2)
表1に示されるように、実施例4において、70%以上の電池容量が確保されることがわかった。したがって、溝部15の長さL1が帯状部分12aの長さL3の0.80倍以下である場合には、蓄電装置が70%以上の電池容量を有することがわかった。実施例6において、80%以上の電池容量が確保されることがわかった。したがって、溝部15の長さL1が帯状部分12aの長さL3の0.40倍以下である場合には、蓄電装置が80%以上の電池容量を有することがわかった。そのため、溝部15の長さL1を帯状部分12aの長さL3の0.80倍以下とすることによって、より十分な電池容量を確保でき、0.40倍以下とすることによって、さらに十分な電池容量を確保できることがわかった。
(電池特性の評価方法3)
さらに、実施例2~11、及び参考例1の蓄電装置に対し、充電前後の内圧の測定を行った。充電前の蓄電装置の内圧及び、充電後の蓄電装置の内圧を圧力トランスミッタ(長野計器株式会社製KM18)によって測定した。蓄電装置のSOCが0%から100%となるまで0.5Cで充電し、1時間休止した時の内圧を、充電後の蓄電装置の内圧とした。実施例2~11、及び参考例1の蓄電装置の内圧の評価結果を評価結果2と併せて表2に示す。なお、表2中の「内圧」は充電前の内圧を0とした時の充電後の内圧(すなわち、充電前後の内圧の上昇値)である。
Figure 0007057440000002
(電池特性の評価結果3)
表2に示されるように、参考例1と比べて実施例2~11の蓄電装置は充電後の内圧上昇が抑制された。さらに、実施例2~10の蓄電装置は実施例11の蓄電装置と比べて、充電後の内圧上昇が顕著に抑制された。そのため、溝部15の長さL1を帯状部分12aの長さL3の0.04倍以上とすることによって、充電後の蓄電装置の内圧上昇をより十分に抑制でき、0.08倍以上とすることによって、さらに十分に抑制できることがわかった。
また、溝部15の長さL1を帯状部分12aの長さL3の0.04倍以上0.80倍以下とすることによって、より十分な電池容量を確保できるとともに充電後の蓄電装置の内圧上昇を十分に抑制でき、0.08倍以上0.40倍以下とすることによって、さらに十分な電池容量を確保できるとともに充電後の蓄電装置の内圧上昇をさらに十分に抑制できることがわかった。
本開示に係る蓄電装置は、上記実施形態に限定されず、他に様々な変形が可能である。
たとえば、集電体の第1面の全体が粗面化されてもよいし、第1面の一部が粗面化されてもよい。集電体の第1面のみが粗面化されてもよいし、第1面および第2面の両方が粗面化されてもよい。集電体の第2面に設けられる負極活物質層に、正極活物質層と同様の溝部が設けられてもよい。この場合、負極活物質層の溝部と正極活物質層の溝部とは、互いに対応する領域に設けられてもよく、異なる領域に設けられてもよい。
上記実施形態では、溝部は集電体の長辺に平行な方向に延びていたが、溝部が延びる方向はこれに限らない。たとえば、溝部は集電体の短辺に平行な方向に延びるように形成されていてもよい。つまり、溝部は集電体の面内方向(すなわち、集電体の第1面に沿う方向であって、ここでは、XY平面に平行な方向)に延びるように形成されていればよい。
上記実施形態では、溝部は集電体の長辺に平行な方向に直線状に正極活物質層を貫通していたが、溝部は正極活物質層の側端面に2つの開口を有すれば、直線状に限定されない。たとえば、溝部が正極活物質層の短辺の側端面に1つの開口を有し、正極活物質層の長辺の側端面にもう一つ開口を有している場合、溝部はこれら2つの開口を繋ぐように湾曲および屈曲した形状であってもよい。
上記実施形態では、溝部は一方向に沿って連続的に延在していたが、溝部の構成はこれに限らない。たとえば、溝部は一方向に沿って間欠的に延在していてもよい。
溝部の数及び正極活物質層の帯状部分の数は適宜変更可能である。たとえば、正極活物質層には溝部が1つのみ設けられていてもよい。正極活物質層は、溝部の延在方向に交差する幅方向に溝部を挟む一対の帯状部分を含んでいてもよい。
上記実施形態では、集電体の第1面は、全体が粗面化された粗面領域を有し、正極活物質層はすべて粗面領域上に設けられていたが、正極活物質層が設けられる領域はこの限りでない。たとえば、集電体が第1面の一部に粗面領域を有し、正極活物質層は粗面領域の表面上および粗面化されていない領域の表面上に形成されてもよい。この場合、溝部は粗面化されていない領域を露出させていてもよい。
バイポーラ電極の積層数および注液口の数は適宜変更可能である。たとえば、バイポーラ電極の積層数および注液口の数がそれぞれ24であってもよい。この場合、注液口が設けられる位置が集電体の短辺に沿う方向に関して12箇所に分散されており、各箇所において2つの注液口が12層おきに重なっていてもよい。あるいは、注液口が設けられる位置が集電体の短辺に沿う方向に関して積層数に応じた箇所(たとえば、24層の場合、24箇所)に分散されていてもよい。換言すると、集電体の短辺に沿う方向に関して、すべての注液口の位置が互いに異なっていてもよい。
1…蓄電装置、3…バイポーラ電極、11…集電体、11a…第1面、11b…第2面、12…正極活物質層、12a…帯状部分、13…負極活物質層、15…溝部、30…メッキ層、34…突起、L1,L3…長さ。

Claims (8)

  1. 集電体と、前記集電体の第1面に設けられた正極活物質層と、前記集電体の第2面に設けられた負極活物質層と、をそれぞれ含む複数のバイポーラ電極が、セパレータを介して積層された積層体と、
    前記積層体の側面を囲むケースと、
    前記ケース内に封入された電解液と、
    を備え、
    前記集電体の前記第1面は、粗面化された粗面領域を前記第1面の少なくとも一部に有し、
    前記正極活物質層の少なくとも一部は前記粗面領域に設けられ、
    前記正極活物質層は、前記粗面領域を露出させる溝部を有し、
    前記粗面領域は、下地メッキ層と、前記下地メッキ層上に設けられた本メッキ層と、を有し、
    前記下地メッキ層は、前記積層体の積層方向に突出する複数の凸部を有し、
    前記本メッキ層は、前記複数の凸部に接する部分を基端として前記積層方向にそれぞれ突出する複数の突起を有する、蓄電装置。
  2. 前記溝部は、前記正極活物質層の側端面に2つの開口を有し、前記2つの開口を連通している、請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記粗面領域は、前記正極活物質層よりも広い領域であって、
    前記正極活物質層は、前記粗面領域内に設けられる、請求項1または2に記載の蓄電装置。
  4. 前記積層方向において前記正極活物質層と隣り合う前記セパレータの一部が、前記溝部に入り込んでいる、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  5. 前記溝部は、前記集電体の面内方向のうちの一方向に沿って延在しており、
    前記正極活物質層は、前記溝部の延在方向に交差する幅方向に前記溝部を挟む一対の帯状部分を有し、
    前記溝部の前記幅方向における長さは、前記帯状部分の前記幅方向における長さの0.04倍以上0.80倍以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  6. 前記帯状部分の前記幅方向における長さは、25mm以上50mm以下である、請求項5に記載の蓄電装置。
  7. 前記複数の突起のそれぞれは、前記積層方向と交差する方向において前記基端の長さよりも大きい長さを有する拡大部を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  8. 前記本メッキ層の表面粗さは、前記下地メッキ層の表面粗さよりも大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載の蓄電装置。
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