JP2021082754A - 電気化学デバイス - Google Patents

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裕樹 河井
加納 幸司
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幸司 加納
海樹 ▲高▼橋
海樹 ▲高▼橋
Hiroki Takahashi
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Abstract

【課題】金属リチウムの集電箔への接合を確実とする電気化学デバイスを提供すること。【解決手段】本発明に係る電気化学デバイスは、正極と、負極と、セパレータと、電解液とを具備する。正極は、金属箔である正極集電箔と、正極集電箔上に形成された正極活物質層とを有する。負極は、金属箔であり、第1の主面と、第1の主面と反対側の第2の主面を有する負極集電箔と、第1の主面上に形成された第1の負極活物質層と、第2の主面上に形成された第2の負極活物質層とを備え、第1の主面は、第1の負極活物質層が形成された塗工領域と、第2の活物質層が形成されていない非塗工領域を有し、塗工領域において負極集電箔は平坦であり、非塗工領域において負極集電箔に溝状の凹部が設けられている。非塗工領域には金属リチウムが接合され、電解液に浸漬されることで、第1の負極活物質層及び第2の負極活物質層にリチウムイオンのプレドープがなされている。【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオンを電荷キャリアとして利用する電気化学デバイスに関する。
リチウムイオンキャパシタ等のリチウムイオンを電荷キャリアとして利用する電気化学デバイスでは、製造時に負極へのリチウムイオンのドープ(プレドープ)が行われる。
例えば正極と負極をセパレータを介して積層し、捲回させた捲回型のリチウムイオンキャパシタでは、負極の集電箔に活物質層を形成せず、集電箔を露出させた領域を設け、その領域に金属リチウムを接合する。金属リチウムからは電位差により電解液中にリチウムイオンが溶出し、負極へドープされる(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2012−64820号公報 特開2011−222909号公報
しかしながら、金属リチウムの集電箔への接続において、金属リチウムの表面と集電箔の箔面を面どうしで貼り付けるため、接触面積が限られ、ドープに時間を要する。また、金属リチウムはそのタック性(粘着性)のみによって集電箔に接合されるため、稀に剥離が派生し、ドープが不十分となることがあった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、金属リチウムの集電箔への接合を確実とする電気化学デバイスを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気化学デバイスは、正極と、負極と、セパレータと、電解液とを具備する。
上記正極は、金属箔である正極集電箔と、上記正極集電箔上に形成された正極活物質層とを有する。
上記負極は、金属箔であり、第1の主面と、上記第1の主面と反対側の第2の主面を有する負極集電箔と、上記第1の主面上に形成された第1の負極活物質層と、上記第2の主面上に形成された第2の負極活物質層とを備え、上記第1の主面は、上記第1の負極活物質層が形成された塗工領域と、上記第2の活物質層が形成されていない非塗工領域を有し、上記塗工領域において上記負極集電箔は平坦であり、上記非塗工領域において上記負極集電箔に溝状の凹部が設けられている。
上記セパレータは、上記正極と上記負極を絶縁する。
上記電解液は、上記正極、上記負極及び上記セパレータが浸漬される。
上記非塗工領域には金属リチウムが接合され、上記電解液に浸漬されることで、上記第1の負極活物質層及び上記第2の負極活物質層にリチウムイオンのプレドープがなされている。
この構成によれば、金属リチウムが接合される負極集電箔の塗工領域に溝状の凹部が設けられているため、負極集電箔と金属リチウムの接触面積が大きく、結着力も大きくなるため、リチウムイオンの溶出速度が速く、プレドープに要する時間を短縮することが可能である。
上記第2の主面において、上記塗工領域及び上記非塗工領域の反対側の領域には、上記第2の負極活物質層が形成され、上記第2の主面は平坦であってもよい。
上記凹部は、10μm以上100μm以下の深さを有してもよい。
上記正極及び上記負極は、上記セパレータを介して積層され、捲回されていてもよい。
上記電気化学デバイスはリチウムイオンキャパシタであってもよい。
以上のように本発明によれば、金属リチウムの集電箔への接合を確実とする電気化学デバイスを提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスの斜視図である。 上記電気化学デバイスが備える蓄電素子の斜視図である。 上記蓄電素子の断面図である。 上記蓄電素子が備える負極の捲回前の平面図である。 上記負極が備える負極集電箔の平面図である。 上記負極集電箔の拡大断面図である。 上記負極集電箔の拡大断面図である。 上記負極の断面図である。 上記負極が備える負極集電箔の平面図である。 上記負極が備える負極集電箔の平面図である。 上記負極が備える負極集電箔の平面図である。 本発明の変形例に係る電気化学デバイスが備える負極集電箔の断面図である。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスについて説明する。本実施形態に係る電気化学デバイスは、リチウムイオンキャパシタ等の、電荷の輸送にリチウムイオンを利用する電気化学デバイスである。なお、以下の図において、X、Y及びZ方向は相互に直交する3方向である。
[電気化学デバイスの構成]
図1は、本実施形態に係る電気化学デバイス100の構成を示す斜視図である。同図に示すように電気化学デバイス100は、蓄電素子110が容器120(蓋及び端子は図示略)に収容されている。容器120内には、蓄電素子110と共に電解液が収容されている。
図2は蓄電素子110の斜視図であり、図3は蓄電素子110の拡大断面図である。図2及び図3に示すように、蓄電素子110は、負極130、正極140及びセパレータ150を有し、これらが積層された積層体が捲回芯Cの回りに捲回されて構成されている。なお、捲回芯Cは必ずしも設けられなくてもよい。
蓄電素子110を構成する負極130、正極140、セパレータ150の積層順は、図2に示すように、捲回芯C側に向かって(捲回外側から)セパレータ150、負極130、セパレータ150、正極140の順となる。
負極130は、図3に示すように、負極集電箔132及び第1負極活物質層133及び第2負極活物質層134を有する。負極集電箔132は金属箔であり、例えば銅箔とすることができる。負極集電箔132にはリチウムイオンが通過するための貫通孔が多数形成されたものが好適である。負極集電箔132の一部領域には後述する凹凸構造が設けられている。
第1負極活物質層133及び第2負極活物質層134は、負極集電箔132の表裏面上に形成されている。第1負極活物質層133及び第2負極活物質層134の材料は、負極活物質がバインダ樹脂と混合されたものとすることができ、さらに導電助材を含んでもよい。負極活物質は、電解液中のリチウムイオンがドープ可能な材料であり、例えば難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、グラファイトやソフトカーボン等の炭素系材料や、Si、SiOなどの合金系材料、または、それらの複合材料を用いることができる。
バインダ樹脂は、負極活物質を接合する合成樹脂であり、例えばスチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、芳香族ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、フッ素系ゴム、ポリビニリデンフルオライド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びエチレンプロピレン系ゴム等を用いてもよい。
導電助剤は、導電性材料からなる粒子であり、負極活物質の間での導電性を向上させる。導電助剤は、例えば、黒鉛やカーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電助剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
正極140は、図3に示すように、正極集電体142第1正極活物質層143及び第2正極活物質層144を有する。正極集電体142は、導電性材料からなり、アルミニウム箔等の金属箔であるものとすることができる。正極集電体142は表面が化学的あるいは機械的に粗面化された金属箔や、貫通孔が形成された金属箔であってもよい。
第1正極活物質層143及び第2正極活物質層144は、正極集電体142の表裏面上に形成されている。第1正極活物質層143及び第2正極活物質層144の材料は、正極活物質がバインダ樹脂と混合されたものとすることができ、さらに導電助材を含んでもよい。正極活物質は、電解液中のリチウムイオン及びアニオンが吸着可能な材料であり、例えば活性炭やポリアセン炭化物等を利用することができる。
バインダ樹脂は、正極活物質を接合する合成樹脂であり、例えばスチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、芳香族ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、フッ素系ゴム、ポリビニリデンフルオライド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びエチレンプロピレン系ゴム等を用いてもよい。
導電助剤は、導電性材料からなる粒子であり、正極活物質の間での導電性を向上させる。導電助剤は、例えば、黒鉛やカーボンブラック等の炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電助剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
セパレータ150は負極130と正極140を絶縁し、電解液中に含まれるイオンを透過する。具体的には、セパレータ150は、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等であるものとすることができ、例えばオレフィン系樹脂を主材料としたものとすることができる。
蓄電素子110は以上のような構成を有し、電解液と共に容器120に収容される。容器120の材質は特に限定されず、例えばアルミニウム、チタン、ニッケル、鉄を主成分とする金属又はステンレス等からなるものとすることができる。電解液は特に限定されないが、LiPF等を溶質とする溶液を用いることができる。
[負極の構成について]
図4は捲回前の負極130を示す模式図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は平面図である。本実施形態に係る負極130は、図4(a)に示すように、負極集電箔132の第1主面132aに第1負極活物質層133が形成され、第2主面132bに第2負極活物質層134が形成されている。
第2負極活物質層134は、第2主面132bの全体に渡って形成されている。一方、第1負極活物質層133は、第1主面132aの一部領域を除いて形成されている。図4(a)に示すように、第1主面132aには第1負極活物質層133が形成された塗工領域130aと、第1負極活物質層133が形成されていない非塗工領域130bが設けられている。
非塗工領域130b内の負極集電箔132には、リチウムイオンの供給源となる金属リチウム160が貼付される。金属リチウム160は、負極集電箔132に電気的に接続されており、蓄電素子110が電解液に浸漬されると、金属リチウム160から電子が負極集電箔132に流れると共に、金属リチウム160からリチウムイオンが溶出し、第1負極活物質層133及び第2負極活物質層134にドープ(プレドープ)される。
金属リチウム160と負極集電箔132の接触が不十分であると、リチウムイオンの溶出が遅くなり、あるいは停止するため、金属リチウム160と負極集電箔132の接触は重要である。これに対し本実施形態に係る負極130では以下のような構成を有し、この接触を確保している。
図5は、負極集電箔132の第1主面132aを示す平面図であり、図6及び図7は負極集電箔132の拡大断面図である。図6は、図5のA−A線での断面図であり、図7は、図5のB−B線での断面図である。
図5及び図6に示すように、非塗工領域130bには溝状の凹部135が設けられている。凹部135は、負極集電箔132の長辺(X方向)に平行な方向に延伸する溝状とすることができる。
図6に示すように、凹部135のピッチPは例えば1mmとし、深さDは例えば10μm以上100μm以下とすることができる。深さDは、は負極集電箔132が切断される寸前の深さが好適である。負極集電箔132の厚みTは8μm以上20μm以下が好適であり、10μm以上15μm以下がより好適である。
一方、図5及び図7に示すように、塗工領域130aには凹部は設けられておらず、平坦面状に形成されている。また、第2主面132bは全体に渡って平坦面状に形成されている。
図8は、負極130の断面図であり、図4(b)のC−C線での断面図である。同図に示すように、第1主面132aの非塗工領域130bには金属リチウム160が貼付されている。また、第2主面132bには第2負極活物質層134が形成されている。
このように、非塗工領域130bに凹部135を形成することにより、金属リチウム160と負極集電箔132の接触面積が増加する。これにより、金属リチウム160と負極集電箔132の結着力が向上し、金属リチウム160の剥離が防止される。また接触面積の増加により、金属リチウム160から負極集電箔132に電子が流入しやすくなり、リチウムイオンの溶出速度が上昇する。これにより、プレドープに要する時間を短縮することができる。
なお、凹部135の形成方法は特に限定されないが、例えばローラーによる箔押しによって形成することが可能である。
また、凹部135の形状は図5に示すものに限られない。図9乃至図11は、凹部135の他の形状を示す模式図である。図9に示すように凹部135は、負極集電箔132の短辺(Y方向)に平行な方向に延伸する溝状とすることができる。また、図10に示すように、凹部135は、負極集電箔132の長辺(X方方向)及び短辺(Y方向)に対して斜め方向に延伸する溝状とすることもできる。
さらに凹部135は、図11に示すように、直線状ではなく不定形状であってもよい。図11に示す凹部135の形状は、塗工領域130aに水系の分散剤を含む活物質ペーストを用いて第2負極活物質層134を塗工し、乾燥工程で温度を急激に上昇させることにより作製することができる。この際、分散剤から水が離れて第2負極活物質層134が収縮し、負極集電箔132がこの収縮に追従することで図11に示すような凹部135が形成される。
この方式では、無数の凹部135が形成されるため、負極集電箔132の表面積を増加させることができ、かつ凹部135の形成時に負極集電箔132が切断されることがないため、好適である。
[変形例]
上記説明において、負極集電箔132の第2主面132bは全体に渡って平坦面状に形成されているとしたが、第2主面132bのうち非塗工領域130bの裏側の領域には凹凸が形成されてもよい。図12は、第2主面132bにも凹凸が形成された負極集電箔132を示す断面図である。同図に示すように、非塗工領域130bに設けられた溝状の凹部135が第2主面132bに突出し、非塗工領域130bの裏側の領域に凹凸が形成されてもよい。
上記のように、負極の非塗工領域に凹部を形成した負極集電箔を用いて容量300Fのリチウムイオンキャパシタセルを作製し、プレドープを行ったところ、100時間で金属リチウムが消失した。
一方、比較として、負極の非塗工領域に凹部を形成していない負極集電箔を用いて容量300Fのリチウムイオンキャパシタセルを作製し、プレドープを行ったところ、120時間を経過しても金属リチウムが残存していた。
このように、本発明に係る負極を用いることにより、金属リチウムの溶出速度を向上させ、プレドープ時間を短縮することが可能である。
100…電気化学デバイス
110…蓄電素子
130…負極
130a…塗工領域
130b…非塗工領域
132…負極集電箔
133…第1負極活物質層
134…第2負極活物質層
135…凹部
140…正極
142…正極集電体
143…第1正極活物質層
144…第2正極活物質層
150…セパレータ
160…金属リチウム

Claims (5)

  1. 金属箔である正極集電箔と、前記正極集電箔上に形成された正極活物質層とを有する正極と、
    金属箔であり、第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面を有する負極集電箔と、前記第1の主面上に形成された第1の負極活物質層と、前記第2の主面上に形成された第2の負極活物質層とを備え、前記第1の主面は、前記第1の負極活物質層が形成された塗工領域と、前記第2の活物質層が形成されていない非塗工領域を有し、前記塗工領域において前記負極集電箔は平坦であり、前記非塗工領域において前記負極集電箔に溝状の凹部が設けられている負極と、
    前記正極と前記負極を絶縁するセパレータと、
    前記正極、前記負極及び前記セパレータが浸漬される電解液と
    を具備し、前記非塗工領域には金属リチウムが接合され、前記電解液に浸漬されることで、前記第1の負極活物質層及び前記第2の負極活物質層にリチウムイオンのプレドープがなされている
    電気化学デバイス。
  2. 請求項1に記載の電気化学デバイスであって、
    前記第2の主面において、前記塗工領域及び前記非塗工領域の反対側の領域には、前記第2の負極活物質層が形成され、前記第2の主面は平坦である
    電気化学デバイス。
  3. 請求項1又は2に記載の電気化学デバイスであって、
    前記凹部は、10μm以上100μm以下の深さを有する
    電気化学デバイス。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学デバイスであって、
    前記正極及び前記負極は、前記セパレータを介して積層され、捲回されている
    電気化学デバイス。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学デバイスであって、
    リチウムイオンキャパシタである
    電気化学デバイス。
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