JP7014689B2 - 蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法 - Google Patents

蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法に関する。
従来の蓄電モジュールとして、電極板の一方面に正極が形成され、他方面に負極が形成されたバイポーラ電極を備えるバイポーラ電池が知られている(特許文献1参照)。バイポーラ電池は、セパレータを介して複数のバイポーラ電極を積層してなる積層体を備えている。積層体の側面には、積層方向に隣り合うバイポーラ電極間を封止する封止体が設けられており、バイポーラ電極間に形成された内部空間に電解液が収容されている。
特開2011-204386号公報
上述したような蓄電モジュールでは、積層体における積層方向の一端に、内面に負極が形成された電極板からなる負極終端電極が配置されている。この負極終端電極の電極板の縁部についても封止体によって封止されているが、電解液がアルカリ溶液からなる場合、いわゆるアルカリクリープ現象により、電解液が負極終端電極の電極板の表面を伝わり、封止体と当該電極板との間を通って当該電極板の外面側に滲み出ることがある。電解液が外面側に漏れ出て拡散すると、例えば負極終端電極に隣接して配置された導電板の腐食や、負極終端電極と拘束部材との短絡などが生じるおそれがあり、信頼性の観点から好ましくない。
そこで、本発明は、信頼性の向上が図られた蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る蓄電モジュールは、第1方向に沿って積層された複数の電極を含む積層体と、前記第1方向における前記積層体の一端に設けられた金属板と、前記電極の縁部に溶着され、隣り合う前記電極の間に内部空間を形成すると共に前記内部空間を封止するための第1封止部と、前記内部空間に収容されたアルカリ溶液を含む電解液と、を備え、前記複数の電極は、複数のバイポーラ電極と負極終端電極とを含み、前記電極は、前記第1方向と交差する第1面及び前記第1面の反対側の第2面を含む電極板を含み、前記バイポーラ電極は、前記第1面に設けられた正極と、前記第2面に設けられた負極と、を更に含み、前記負極終端電極は、前記第2面に設けられた負極を更に含み、前記第2面が前記積層体の内側になるように、前記第1方向の前記積層体の前記一端において前記バイポーラ電極と前記金属板との間に配置されており、前記負極終端電極の前記第1面の周縁部には第1樹脂部が溶着されており、前記金属板は、前記負極終端電極の前記第1面に対向する第3面と前記第3面と反対側の第4面とを含み、前記第3面の周縁部において前記第1樹脂部に溶着されており、前記金属板の前記第4面の周縁部には第2樹脂部が溶着されており、前記第2樹脂部の表面の少なくとも一部に水蒸気バリア層が設けられている。
上記蓄電モジュールでは、第2樹脂部の表面の少なくとも一部に水蒸気バリア層が設けられているので、蓄電モジュールの外部から水分(水蒸気)が第2樹脂部内に侵入することを抑制できる。水分が第2樹脂部内に侵入すると、水分は、第2樹脂部を透過し、金属板と第1樹脂部との間を通って、負極終端電極と金属板と第1樹脂部とによって囲まれる余剰空間内に侵入するおそれがある。その場合、余剰空間と内部空間との間にOH濃度の勾配が発生し、内部空間から余剰空間に向かって電解液が移動し易くなるため、アルカリクリープ現象が促進されてしまう。しかしながら、上記蓄電モジュールでは、水蒸気バリア層によって水分の侵入が抑制されるので、アルカリクリープによる漏液が確実に抑制され、信頼性が向上される。
上記蓄電モジュールは、前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部を外側から包囲するように前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部に接合された第2封止部を更に備え、前記第2封止部が、前記第2樹脂部の前記表面の一部を被覆しており、前記水蒸気バリア層が、前記第2樹脂部の前記表面のうち前記第2封止部によって被覆されていない部分を被覆してもよい。この場合、第2樹脂部の表面のうち水蒸気バリア層によって被覆されている部分において、水分の侵入を抑制できる。また、第2樹脂部の表面のうち第2封止部によって被覆されている部分では、第2封止部により水分の侵入をある程度抑制できる。
前記第2封止部が、前記第1方向からみて前記第2樹脂部に重複する重複部を含み、前記水蒸気バリア層が、前記重複部の表面に設けられてもよい。第2封止部の重複部では、第1方向における第2封止部の厚みが小さくなる傾向にある。第2封止部の厚みが小さいと、水分が第2封止部内に侵入した場合に水分が第2封止部を透過し易くなる。しかしながら、水蒸気バリア層が、重複部の表面に設けられていると、水分の侵入を効果的に抑制できる。
前記水蒸気バリア層が撥水材であってもよい。この場合、水蒸気バリア層が撥水材以外のものである場合に比べてハンドリング性が向上する。
本発明の一側面に係る蓄電モジュールの製造方法は、第1方向に沿って積層された複数の電極を含む積層体と、前記第1方向における前記積層体の一端に設けられた金属板と、前記電極の縁部に溶着され、隣り合う前記電極の間に内部空間を形成すると共に前記内部空間を封止するための第1封止部と、前記内部空間に収容されたアルカリ溶液を含む電解液と、を備える蓄電モジュールの製造方法であって、前記複数の電極は、複数のバイポーラ電極と負極終端電極とを含み、前記電極は、前記第1方向と交差する第1面及び前記第1面の反対側の第2面を含む電極板を含み、前記バイポーラ電極は、前記第1面に設けられた正極と、前記第2面に設けられた負極と、を更に含み、前記負極終端電極は、前記第2面に設けられた負極を更に含み、前記金属板は、前記負極終端電極の前記第1面に対向する第3面と前記第3面と反対側の第4面とを含み、前記製造方法は、前記バイポーラ電極の前記第1面の周縁部に前記第1封止部を溶着し、前記負極終端電極の前記第1面の周縁部に第1樹脂部を溶着し、前記金属板の前記第4面の周縁部に第2樹脂部を溶着する第1溶着工程と、前記負極終端電極の前記第2面が前記積層体の内側になるように、前記第1方向に沿って前記複数の電極を積層して前記積層体を形成し、前記第1方向の前記積層体の前記一端において前記負極終端電極上に前記金属板を配置する積層工程と、前記第2樹脂部の表面の少なくとも一部に水蒸気バリア層をコーティングするコーティング工程と、を含む。
コーティング工程は、第1溶着工程の前に行われてもよいし、第1溶着工程と積層工程との間に行われてもよいし、積層工程の後に行われてもよい。
上記蓄電モジュールの製造方法では、第2樹脂部の表面の少なくとも一部に水蒸気バリア層がコーティングされているので、蓄電モジュールの外部から水分(水蒸気)が第2樹脂部内に侵入することを抑制できる。よって、アルカリクリープによる漏液が確実に抑制され、信頼性が向上される。
上記蓄電モジュールの製造方法は、前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部を外側から包囲するように前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部に第2封止部を溶着する第2溶着工程を更に含み、前記コーティング工程は、前記第2溶着工程後に行われてもよい。この場合、水蒸気バリア層に対する第2溶着工程の影響(例えば熱溶着時の熱)を低減できる。
本発明の一側面によれば、信頼性の向上が図られた蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法が提供され得る。
蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。 図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。 図2の蓄電モジュールの製造方法の一例を示すフローチャートである。 変形例に係る蓄電モジュールの内部構成の一部を拡大して示す概略断面図である。 図4の蓄電モジュールの製造方法の一例を示すフローチャートである。 比較例に係る蓄電モジュールの一部拡大断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してその積層方向に拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えている。
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは4つ)の導電板5と、を含む。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向から見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向に互いに隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側と、にそれぞれ配置されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向に交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば、積層方向と、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向と、にそれぞれ交差(直交)する方向に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持つ。なお、図1の例では、積層方向から見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向に挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10と、によって構成されている。エンドプレート8は、積層方向から見た蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面(モジュール積層体2側の面)には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されると共に、モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図2に示されるように、蓄電モジュール4は、電極積層体(積層体)11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12と、を備えている。電極積層体11は、セパレータ13を介して、積層方向D(第1方向)に沿って積層された複数の電極(複数のバイポーラ電極14、単一の負極終端電極(電極)18、及び、単一の正極終端電極19)を含む。ここでは、電極積層体11の積層方向Dはモジュール積層体2の積層方向と一致している。電極積層体11は、積層方向Dに延びる側面11aを有している。
バイポーラ電極14は、積層方向Dと交差する第1面15a及び第1面15aの反対側の第2面15bを含む電極板15、第1面15aに設けられた正極16、第2面15bに設けられた負極17を含んでいる。正極16は、正極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極17は、負極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向Dに隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向Dに隣り合うさらに別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
負極終端電極18は、電極板15、及び電極板15の第2面15bに設けられた負極17を含んでいる。負極終端電極18は、その第2面15bが電極積層体11の内側(積層方向Dについての中心側)になるように、積層方向Dの一端に配置されている。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して、積層方向Dの一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。正極終端電極19は、電極板15、及び電極板15の第1面15aに設けられた正極16を含んでいる。正極終端電極19は、その第1面15aが電極積層体11の内側になるように、積層方向Dの他端に配置されている。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して、積層方向Dの他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。
負極終端電極18の電極板15の第1面15aは、電極積層体11の外側に臨む面である。負極終端電極18の第1面15aには、後述する金属板50を介して、導電板5が電気的に接続されている。また、正極終端電極19の電極板15の第2面15bには、蓄電モジュール4に隣接する別の導電板5が接触している。拘束部材3からの拘束荷重は、導電板5を介して負極終端電極18及び正極終端電極19から電極積層体11に付加される。すなわち、導電板5は、積層方向Dに沿って電極積層体11に拘束荷重を付加する拘束部材でもある。
電極板15は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、電極板15は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の縁部(バイポーラ電極14、負極終端電極18、及び、正極終端電極19の縁部)15cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の第2面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の第1面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ13は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体12は、縁部15cを包囲するように電極積層体11の側面11aに設けられている。封止体12は、側面11aにおいて縁部15cを保持している。封止体12は、縁部15cに溶着された複数の第1封止部21と、側面11aに沿って第1封止部21を外側から包囲するように第1封止部21に接合された単一の第2封止部22と、を有している。
第1封止部21は、積層方向Dから見て、矩形環状をなし、縁部15cの全周にわたって連続的に設けられている。第1封止部21は、電極板15の第1面15aに溶着されて気密に接合されている。第1封止部21は、例えば超音波又は熱によって溶着されている。第1封止部21は所定の厚さ(積層方向Dの長さ)を有するフィルムである。電極板15の端面は、第1封止部21から露出している。第1封止部21の内側の一部は、積層方向Dに互いに隣り合う電極板15の縁部15c同士の間に位置しており、外側の一部は、電極板15から外側に張り出している。第1封止部21は、当該外側の一部において第2封止部22に埋設されている。積層方向Dに沿って互いに隣り合う第1封止部21同士は、互いに離間している。負極終端電極18の第1面15aの周縁部には第1樹脂部21Aが溶着されている。本実施形態では、第1樹脂部21Aが1つの第1封止部21と同じ構成を備える。
第2封止部22は、電極積層体11及び第1封止部21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。第2封止部22は、例えば樹脂の射出成型によって形成され、積層方向Dに沿って電極積層体11の全長にわたって延在している。第2封止部22は、積層方向Dを軸方向として延在する筒状(環状)を呈している。第2封止部22は、例えば、射出成型時の熱によって第1封止部21の外表面に溶着(接合)されている。
第2封止部22は、第1封止部21と共に、積層方向Dに沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、積層方向Dに沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、積層方向Dに沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、バイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。すなわち、第1封止部21及び第2封止部22は、隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止するためのものである。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16及び負極17内に含浸されている。
ここで、蓄電モジュール4は、金属板50と第2樹脂部51とを備える。金属板50は、積層方向Dにおける電極積層体11の一端(負極終端電極18側の端部)に設けられている。金属板50は、負極終端電極18の第1面15aに対向する第3面50aと、第3面50aの反対側の第4面50bと、を含む。金属板50の第4面50bは、導電板5に接触している。金属板50は、積層方向Dに沿って電極と共に積層されている。これにより、負極終端電極18は、積層方向Dに沿って金属板50とバイポーラ電極14との間に配置されることになる。換言すれば、蓄電モジュール4においては、負極終端電極18のさらに外側に金属板50が設けられることになる。
金属板50は、第1樹脂部21Aに溶着されると共に負極終端電極18の第1面15aに接触している。より具体的には、金属板50は、第1樹脂部21A及び第1面15a上に配置されて第1樹脂部21Aに溶着された矩形環状の被溶着部52と、被溶着部52の内側において被溶着部52よりも負極終端電極18の第1面15a側に位置して(窪んで)第1面15aに接触された矩形状の被接触部53と、を含む。被溶着部52と被接触部53とは互いに連続している。金属板50と負極終端電極18との間(第3面50aと第1面15aとの間)には、第1樹脂部21Aの厚さ(積層方向Dに沿った長さ)に相当する余剰空間VAが形成され得るが、金属板50が被接触部53において負極終端電極18側に窪んでいることから、この余剰空間VAが狭く制限されている。なお、金属板50は、任意の金属により構成することができるが、一例として電極板15と同一のものとすることができる。すなわち、一例として金属板50は電極板15である。この場合、金属板50は、活物質層が形成されていない金属箔(未塗工箔)である。
第2樹脂部51は、積層方向Dからみて第1樹脂部21Aと略同一の形状を呈している。すなわち、第2樹脂部51は、矩形環状であり、また、所定の厚さを有するフィルムである。第2樹脂部51は、金属板50の第4面50bの周縁部から第1樹脂部21Aにわたって延在して配置されている。第2樹脂部51は、第4面50bの周縁部及び第1樹脂部21Aに溶着されている。
第2封止部22は、複数の第1封止部21及びこの第2樹脂部51を外側から包囲するように第1封止部21及び第2樹脂部51に接合されている。第2封止部22は、積層方向Dからみて金属板50及び第2樹脂部51に重複する重複部22Aを含むと共に、重複部22Aにおいて第2樹脂部51に溶着されている。
第1封止部21、第1樹脂部21A、第2封止部22、及び、第2樹脂部51は、例えば、絶縁性の樹脂であって、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等から構成され得る。
第1面15a、第3面50a、及び、第4面50bは、例えば、電解メッキ処理で複数の突起が形成されることにより粗面化されている。これにより、第1面15a、第3面50a、及び、第4面50bにおける第1樹脂部21A又は第2樹脂部51との接合界面では、溶融状態の第1樹脂部21A又は第2樹脂部51が粗面化により形成された凹部内に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、互いの結合力を向上させることができる。粗面化の際に形成される突起は、例えば、基端側から先端側に向かって先太りとなる形状を有している。これにより、互いに隣接する突起の間の断面形状がアンダーカット形状となり、アンカー効果が生じ易い。
ここで、蓄電モジュール4は、水蒸気バリア層の一例としての撥水材60をさらに有している。撥水材60は、蓄電モジュール4の最も外側に位置しており、蓄電モジュール4の外部に臨んでいる。撥水材60は、第2樹脂部51の表面の少なくとも一部に設けられている。本実施形態では、第2封止部22が、第2樹脂部51の表面の一部を被覆している。撥水材60は、第2樹脂部51の表面のうち第2封止部22によって被覆されていない部分を被覆している。例えば、撥水材60は、第2樹脂部51の表面のうち積層方向Dに交差する上面51sの一部と、積層方向Dに沿った内面51eとを被覆している。上面51sは、金属板50の第4面50bに溶着される第2樹脂部51の面とは反対側の面である。内面51eは、上面51sの縁と金属板50の第4面50bとを繋ぐ。したがって、撥水材60は、第2樹脂部51の上面51sから内面51eにわたって形成される。金属板50の第4面50bから第2樹脂部51の上面51sまでの高さは例えば200μm以下であってもよいし、100μm以下であってもよい。第2封止部22は、第2樹脂部51の表面のうち上面51sの残部と、積層方向Dに沿った外面51fとを被覆している。
本実施形態において、撥水材60は、第2封止部22の重複部22Aの表面に設けられている。例えば、撥水材60は、第2封止部22の上面22s全体と、積層方向Dに沿った第2封止部22の内面22eとを被覆している。上面22sは、第2樹脂部51の上面51sに溶着される第2封止部22の面とは反対側の面である。内面22eは、上面22sの縁と第2樹脂部51の上面51sとを繋ぐ。したがって、撥水材60は、第2封止部22の上面22sから内面22eにわたって形成される。撥水材60は、積層方向Dに沿った第2封止部22の外面22fを被覆していないが、外面22fの少なくとも一部を被覆してもよい。
撥水材60は、一例として膜状に形成されている。撥水材60は、フッ素系の樹脂材料(例えば、株式会社ハーベス製「OS-90HF」)、フッ素ゴム、フッ素系・メチル系の官能基を有したポリマー等を塗布することにより形成され得る。撥水材60の厚みは、例えば5μm以下であってもよいし、1μm以下であってもよい。
また、蓄電モジュール4は、吸液部材31をさらに有している。吸液部材31は、金属板50の第4面50b上に設けられている。吸液部材31は、例えば不織布によってシート状に形成されている。この不織布を構成する材料としては、ポリオレフィンなどが例示される。不織布には、吸水性を向上するために、プラズマ処理が施されていてもよい。吸液部材31の厚さ(積層方向Dに沿っての長さ)は、例えば数百μm程度である。吸液部材31は、例えば積層方向Dから見て矩形環状をなしており、導電板5を包囲している。
続いて、蓄電モジュール4の作用・効果について説明する。図6は、比較例に係る蓄電モジュールの一部拡大断面図である。図6に示される例では、金属板50が設けられていない。このため、例えば、内圧の上昇に伴って負極終端電極18の電極板15に荷重が付加されると、当該電極板15に溶着された第1樹脂部21Aが変形するおそれがある。この場合、第1樹脂部21Aと電極板15との間に隙間が生じ、当該隙間を介して電解液Lの漏液が生じるおそれがある。
蓄電モジュールでは、いわゆるアルカリクリープ現象により、電解液Lが負極終端電極18の電極板15上を伝わり、第1樹脂部21Aと電極板15との間の隙間を通って電極板15の第1面15a側に滲み出ることがある。図6には、アルカリクリープ現象における電解液Lの移動経路が矢印Aで示されている。このアルカリクリープ現象は、電気化学的な要因と流体現象等により、蓄電装置の充電時及び放電時並びに無負荷時において生じ得る。アルカリクリープ現象は、負極電位、水分、及び電解液Lの通り道がそれぞれ存在することにより生じる。
これに対して、蓄電モジュール4においては、電極積層体11の電極の間には、第1封止部21によって電解液を収容する内部空間Vが形成されている。また、電極積層体11の一端には、複数の電極のうち、電極板15の第2面15bが電極積層体11の内側になるように負極終端電極18が配置されている。負極終端電極18における電極積層体11の外側に臨む第1面15aには、第1樹脂部21Aが溶着されている。一方、電極積層体11の一端には、金属板50が設けられている。これにより、負極終端電極18は、電極のうちのバイポーラ電極14とこの金属板50と間に配置されることになる。すなわち、負極終端電極18のさらに外側に金属板50が設けられることになる。そして、金属板50は、負極終端電極18の第1面15aに対向する第3面50aの周縁部において、負極終端電極18の第1面15aに溶着された第1樹脂部21Aに溶着されている。金属板50の第4面50bには、第2樹脂部51が溶着されており、第2樹脂部51の表面の少なくとも一部に撥水材60が設けられている。
このような構成とすることにより、次のような効果が得られる。すなわち、第1の効果として、第1樹脂部21Aと比較して剛性の高い金属板50が負極終端電極18の第1面15a上の第1樹脂部21Aに溶着されることにより、第1樹脂部21Aと負極終端電極18の第1面15aとが引きはがされるように第1樹脂部21Aが変形することが抑制される。また、第2の効果として、負極終端電極18の外側にさらに金属板50が設けられることにより、内部空間Vへの外部からの水分の侵入が抑制される。さらに、第3の効果として、負極終端電極18から外部に通じる経路上において、負極終端電極18の第1面15aと第1樹脂部21Aとの溶着箇所、金属板50の第3面50aと第1樹脂部21Aの溶着箇所、及び金属板50の第4面50bと第2樹脂部51との溶着箇所の少なくとも3段階のシールが形成される。
第1の効果によって、第1樹脂部21Aと負極終端電極18の第1面15aとの間において、アルカリクリープによる電解液の漏液の経路となり得る隙間が生じることが抑制される。また、第2の効果によって、アルカリクリープの加速条件となる外部の湿度の影響が抑制される。また、第3の効果によって、多段階のシールにより漏液速度が低減される。さらに、第4の効果として、第2樹脂部51の表面の少なくとも一部に撥水材60が設けられているので、蓄電モジュール4の外部から水分(水蒸気)が第2樹脂部51内に侵入することを抑制できる。水分が第2樹脂部51内に侵入すると、水分は、第2樹脂部51を透過し、金属板50と第1樹脂部21Aとの間を通って、負極終端電極18と金属板50と第1樹脂部21Aとによって囲まれる余剰空間VA内に侵入するおそれがある。その場合、余剰空間VAと内部空間Vとの間にOH濃度の勾配が発生し、内部空間Vから余剰空間VAに向かって電解液が移動し易くなるため、アルカリクリープ現象が促進されてしまう。しかしながら、蓄電モジュール4では、撥水材60によって水分の侵入が抑制される。第2樹脂部51及び第2封止部22の表面のうち撥水材60により被覆される部分の面積が大きいほど効果は大きい。以上より、蓄電モジュール4では、アルカリクリープによる漏液が確実に抑制され、信頼性が向上される。
水蒸気バリア層として撥水材60を用いると、水蒸気バリア層が撥水材60以外のものである場合に比べて、ハンドリング性が向上し、低コスト化が実現される。また、撥水材60の厚みは薄いので、蓄電モジュール4の大型化を抑制できる。
また、本実施形態では、第2封止部22が第2樹脂部51の表面の一部を被覆しており、撥水材60が、第2樹脂部51の表面のうち第2封止部22によって被覆されていない部分を被覆している。この場合、第2樹脂部51の表面のうち撥水材60によって被覆されている部分において、水分の侵入を抑制できる。また、第2樹脂部51の表面のうち第2封止部22によって被覆されている部分では、第2封止部22により水分の侵入をある程度抑制できる。
さらに、本実施形態では、第2封止部22が重複部22Aを含み、撥水材60が、第2封止部22の重複部22Aの表面(第2封止部22の上面22s)に設けられている。第2封止部22の重複部22Aでは、積層方向Dにおける第2封止部22の厚みが小さくなる傾向にある。第2封止部22の厚みが小さいと、水分が第2封止部22内に侵入した場合に水分が第2封止部22を透過し易くなる。しかしながら、撥水材60が、重複部22Aの表面に設けられていると、水分の侵入を効果的に抑制できる。
引き続いて、蓄電モジュール4の製造方法の一例について説明する。
図3は、蓄電モジュール4の製造方法の一例を示すフローチャートである。この製造方法は、第1溶着工程S1と、積層工程S2と、第2溶着工程S3と、コーティング工程S4と、注入工程S5と、を含む。工程S1~S5をこの順に行うことによって、蓄電モジュール4が製造され得る。以下、各工程S1~S5について、図2を参照しつつ説明する。
第1溶着工程S1では、所定数のバイポーラ電極14及び正極終端電極19を用意し、それぞれの電極板15の縁部15cの第1面15aの周縁部に第1封止部21を溶着する。また、負極終端電極18を用意し、その第1面15aの周縁部に第1樹脂部21Aを溶着する。さらに、金属板50を用意し、その第4面50bの周縁部に第2樹脂部51を溶着する。
積層工程S2では、積層方向Dに沿ってバイポーラ電極14、負極終端電極18、及び正極終端電極19を積層することにより、電極積層体11を形成する。負極終端電極18の第2面15b及び正極終端電極19の第1面15aが電極積層体11の内側になるように、積層が行われる。第1封止部21は電極板15の縁部15c同士の間に配置される。セパレータ13は電極板15同士の間に配置される。また、積層方向Dの電極積層体11の一端において負極終端電極18上に金属板50を配置する。第1樹脂部21Aは、負極終端電極18の第1面15aの周縁部と金属板50の第3面50aの周縁部との間に配置される。第2樹脂部51は第1樹脂部21A上に配置される。
第2溶着工程S3では、射出成形の金型(不図示)内に電極積層体11及び金属板50を配置した後、金型内に溶融樹脂を射出することにより、第1封止部21、第1樹脂部21A及び第2樹脂部51を包囲するように第2封止部22を形成する。これにより、電極積層体11の側面11aに封止体12が形成される。
コーティング工程S4では、第2樹脂部51の表面の少なくとも一部に撥水材60をコーティングする。例えば、第2樹脂部51の上面51sの一部及び内面51eと、第2封止部22の上面22s全体及び内面22eとに撥水材60をコーティングする。撥水材60は、撥水材60の液状材料を第2樹脂部51及び第2封止部22の表面に塗布し、液状材料を乾燥することによって形成され得る。塗布方法としては、例えば、浸漬(ディップ)、刷毛等の塗布具による塗布、噴霧等が挙げられる。
注入工程S5では、バイポーラ電極14,14間の内部空間Vに電解液を注入する。電解液は、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間の内部空間V及び正極終端電極19とバイポーラ電極14との間の内部空間Vにも注入される。電解液は、封止体12に設けられた注入口から注入され得る。当該注入口は、注入工程S5後に封止される。これにより、蓄電モジュール4が得られる。
上記製造方法では、第2樹脂部51及び第2封止部22の表面に撥水材60がコーティングされているので、蓄電モジュール4の外部から水分(水蒸気)が第2樹脂部51内に侵入することを抑制できる。よって、上記製造方法によれば、アルカリクリープによる漏液が確実に抑制され、信頼性が向上される。
また、本実施形態では、コーティング工程S4が第2溶着工程S3後に行われるので、撥水材60に対する第2溶着工程S3の影響を低減できる。第2溶着工程S3では、例えば250℃で熱溶着が行われるので、第2溶着工程S3後にコーティング工程S4を行うと、第2溶着工程S3において撥水材60が加熱されることを防止できる。
図4は、変形例に係る蓄電モジュールの内部構成の一部を拡大して示す概略断面図である。図4に示される蓄電モジュール4aは、撥水材60に代えて撥水材160を備えること以外は蓄電モジュール4と同じ構成を備える。撥水材160は、第2樹脂部51の上面51sと、内面51eと、外面51fとを被覆している。撥水材160は、第2樹脂部51の表面のうち第2封止部22によって被覆されている部分(上面51sの一部及び外面51f)も被覆している。一方、撥水材160は、第2封止部22の表面(上面22s、内面22e及び外面22f)を被覆していない。撥水材160は、第2樹脂部51の外面51fに繋がる第1樹脂部21Aの外面に設けられてもよい。撥水材160の材料の例は撥水材60の例と同じである。
図5は、図4の蓄電モジュールの製造方法の一例を示すフローチャートである。図5に示される蓄電モジュール4aの製造方法は、第1溶着工程S1と、コーティング工程S4と、積層工程S2と、第2溶着工程S3と、注入工程S5と、を含む。工程S1、工程S4、工程S2、工程S3、工程S5の順に各工程を行うことによって、蓄電モジュール4aが製造され得る。本製造方法は、コーティング工程S4を第2溶着工程S3と注入工程S5との間ではなく、第1溶着工程S1と積層工程S2との間に行うこと以外は、図3に示される方法と同じである。
コーティング工程S4では、図4に示されるように、第2樹脂部51の上面51s、内面51e及び外面51fに撥水材160をコーティングする。第2溶着工程S3では、撥水材160の一部を包囲するように第2封止部22を形成する。
蓄電モジュール4aにおいても蓄電モジュール4と同様の作用効果が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、第2樹脂部51の表面の少なくとも一部に、水蒸気バリア層として撥水材60に代えてシール材を設けてもよい。シール材は、例えば、液状シール剤の硬化物である。この場合、シール材の形成が容易である。なお、液状シール剤は、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂材料、ブローンアスファルトを主成分とする接着剤(アスファルトピッチ)等である。アスファルトピッチは、例えば、ブローンアスファルトとポリブテンをトルエンで溶いたものである。具体的には、シール材は、第2樹脂部51の表面の少なくとも一部に液状シール剤を塗布し、当該液状シール材を硬化させることによって形成され得る。撥水材60に代えてシール材を設けた場合にも、撥水材60に係る上記効果と同様の効果を奏することができる。
また、蓄電モジュール4において、撥水材60は、第2封止部22の上面22s及び内面22eに設けられなくてもよい。
また、図3に示される蓄電モジュール4の製造方法において、コーティング工程S4は注入工程S5の後に行われてもよい。さらに、図5に示される蓄電モジュール4aの製造方法において、コーティング工程S4は、積層工程S2と第2溶着工程S3との間に行われてもよいし、第1溶着工程S1の前に行われてもよい。
4,4a…蓄電モジュール、11…電極積層体(積層体)、14…バイポーラ電極、15…電極板、15a…第1面、15b…第2面、15c…縁部、16…正極、17…負極、18…負極終端電極、21…第1封止部、21A…第1樹脂部、22…第2封止部、22A…重複部、50…金属板、50a…第3面、50b…第4面、51…第2樹脂部、60…撥水材(水蒸気バリア層)、V…内部空間。

Claims (5)

  1. 第1方向に沿って積層された複数の電極を含む積層体と、
    前記第1方向における前記積層体の一端に設けられた金属板と、
    前記電極の縁部に溶着され、隣り合う前記電極の間に内部空間を形成すると共に前記内部空間を封止するための第1封止部と、
    前記内部空間に収容されたアルカリ溶液を含む電解液と、
    を備え、
    前記複数の電極は、複数のバイポーラ電極と負極終端電極とを含み、
    前記電極は、前記第1方向と交差する第1面及び前記第1面の反対側の第2面を含む電極板を含み、
    前記バイポーラ電極は、前記第1面に設けられた正極と、前記第2面に設けられた負極と、を更に含み、
    前記負極終端電極は、前記第2面に設けられた負極を更に含み、前記第2面が前記積層体の内側になるように、前記第1方向の前記積層体の前記一端において前記バイポーラ電極と前記金属板との間に配置されており、
    前記負極終端電極の前記第1面の周縁部には第1樹脂部が溶着されており、
    前記金属板は、前記負極終端電極の前記第1面に対向する第3面と前記第3面と反対側の第4面とを含み、前記第3面の周縁部において前記第1樹脂部に溶着されており、
    前記金属板の前記第4面の周縁部には第2樹脂部が溶着されており、
    前記第2樹脂部の表面の少なくとも一部に水蒸気バリア層が設けられており、
    前記水蒸気バリア層が撥水材である、蓄電モジュール。
  2. 前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部を外側から包囲するように前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部に接合された第2封止部を更に備え、
    前記第2封止部が、前記第2樹脂部の前記表面の一部を被覆しており、
    前記水蒸気バリア層が、前記第2樹脂部の前記表面のうち前記第2封止部によって被覆されていない部分を被覆している、請求項1に記載の蓄電モジュール。
  3. 前記第2封止部が、前記第1方向からみて前記第2樹脂部に重複する重複部を含み、
    前記水蒸気バリア層が、前記重複部の表面に設けられている、請求項2に記載の蓄電モジュール。
  4. 第1方向に沿って積層された複数の電極を含む積層体と、前記第1方向における前記積層体の一端に設けられた金属板と、前記電極の縁部に溶着され、隣り合う前記電極の間に内部空間を形成すると共に前記内部空間を封止するための第1封止部と、前記内部空間に収容されたアルカリ溶液を含む電解液と、を備える蓄電モジュールの製造方法であって、
    前記複数の電極は、複数のバイポーラ電極と負極終端電極とを含み、
    前記電極は、前記第1方向と交差する第1面及び前記第1面の反対側の第2面を含む電極板を含み、
    前記バイポーラ電極は、前記第1面に設けられた正極と、前記第2面に設けられた負極と、を更に含み、
    前記負極終端電極は、前記第2面に設けられた負極を更に含み、
    前記金属板は、前記負極終端電極の前記第1面に対向する第3面と前記第3面と反対側の第4面とを含み、
    前記製造方法は、
    前記バイポーラ電極の前記第1面の周縁部に前記第1封止部を溶着し、前記負極終端電極の前記第1面の周縁部に第1樹脂部を溶着し、前記金属板の前記第4面の周縁部に第2樹脂部を溶着する第1溶着工程と、
    前記負極終端電極の前記第2面が前記積層体の内側になるように、前記第1方向に沿って前記複数の電極を積層して前記積層体を形成し、前記第1方向の前記積層体の前記一端において前記負極終端電極上に前記金属板を配置する積層工程と、
    前記第2樹脂部の表面の少なくとも一部に水蒸気バリア層をコーティングするコーティング工程と、
    を含み、
    前記水蒸気バリア層が撥水材である、蓄電モジュールの製造方法。
  5. 前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部を外側から包囲するように前記第1封止部、前記第1樹脂部及び前記第2樹脂部に第2封止部を溶着する第2溶着工程を更に含み、
    前記コーティング工程は、前記第2溶着工程後に行われる、請求項に記載の蓄電モジュールの製造方法。
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