JP7057128B2 - 真空ポンプ及び真空ポンプの堆積物検知装置並びに真空ポンプの堆積物検知方法 - Google Patents

真空ポンプ及び真空ポンプの堆積物検知装置並びに真空ポンプの堆積物検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空ポンプ及び真空ポンプの堆積物検知装置並びに真空ポンプの堆積物検知方法に関する。
メモリや集積回路等の半導体装置を製造する際、空気中の塵等による影響を避けるために高真空状態のチャンバ内で高純度の半導体基板(ウェハ)にドーピングやエッチングを行う必要があり、チャンバ内の排気には、例えば、ターボ分子ポンプとねじ溝ポンプとを組み合わせた複合ポンプ等の真空ポンプが使用されている。
このような真空ポンプとして、例えば、円筒状のケーシングと、ケーシング内に入れ子で固定されると共にねじ溝部が配設された円筒状のステータと、ステータ内で高速回転可能に支持されたロータと、を備えたものが知られており、ガスは、ロータとねじ溝部で圧縮されながら移送される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ガスがねじ溝ポンプ内を移送される際に、ガスが高圧に圧縮されて固化して堆積することにより、ガスの流路が狭まり、真空ポンプの圧縮性能、排気性能が低下する虞がある。そこで、特許文献1記載の真空ポンプでは、ロータを駆動するモータの電流値が堆積物の堆積量に比例して増大することに着目し、モータの電流値が予め設定された設置値に達すると真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定している。
特許第5767632号公報
ところで、オーバーホールを判定するモータ電流値の設定値は、過去の運転実績に基づいて設定されており、実際の堆積物の堆積状態を必ずしも反映しているとは限らない場合がある。したがって、オーバーホールを判定する設定値が低すぎると、堆積物が少ない状態でオーバーホールを繰り返すことになり、オーバーホール回数が増えてメンテナンス費用が高くなる。一方、オーバーホールを判定する設定値が高すぎると、堆積物が過度に堆積して真空ポンプが破損する虞があった。
そこで、オーバーホール時期を適切に判定するという解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は、この課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る真空ポンプは、ロータの回転動作によってガスを排気する真空ポンプであって、前記ロータを回転駆動させるモータの電流値を検出する電流値検出手段と、前記ロータと前記真空ポンプのねじ溝部に堆積する堆積物との接触を検知する接触検知手段と、前記電流値が所定値以上の状態で前記接触検知手段が前記ロータと前記堆積物との接触を検知した場合に、前記真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定する判定手段と、を備え、前記モータの電流値は、前記堆積物の堆積量に比例して増大していると推測される
この構成によれば、モータ電流値の増大量に基づき堆積物の堆積量が増大していると推測される状態でロータと堆積物との接触を検知した場合に、真空ポンプのオーバーホールが必要な程度に堆積物が過度に堆積していると判定するため、オペレータは、真空ポンプのオーバーホールを適切なタイミングで実施することができる。
また、本発明に係る真空ポンプは、前記接触検知手段が、前記ロータと前記堆積物との接触に起因する振動を検知する振動センサであることが好ましい。
この構成によれば、振動センサがロータと堆積物との接触に起因する振動を検知することにより、ロータと堆積物との接触を高精度で検知することができる。
また、本発明に係る真空ポンプは、前記接触検知手段が、前記ロータに接続されたシャフトの軸心からの変位を測定するポジションセンサであることが好ましい。
この構成によれば、真空ポンプに組み込まれているポジションセンサを用いることにより、別途部材を設けることなく、ロータと堆積物との接触を検知することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る真空ポンプの堆積物検知装置は、ロータの回転動作によってガスを排気する真空ポンプの堆積物検知装置であって、前記ロータを回転駆動させるモータの電流値を検出する電流値検出手段と、前記ロータと前記真空ポンプのねじ溝部に堆積する堆積物との接触を検知する接触検知手段と、前記電流値が所定値以上の状態で前記接触検知手段が前記ロータと前記堆積物との接触を検知した場合に、前記真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定する判定手段と、を備え、前記モータの電流値は、前記堆積物の堆積量に比例して増大していると推測される
この構成によれば、モータ電流値の増大量に基づき堆積物の堆積量が増大していると推測される状態でロータと堆積物との接触を検知した場合に、真空ポンプのオーバーホールが必要な程度に堆積物が過度に堆積していると判定するため、オペレータは、真空ポンプのオーバーホールを適切なタイミングで実施することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る真空ポンプの堆積物検知方法は、ロータの回転動作によってガスを排気する真空ポンプの堆積物検知方法であって、前記ロータを回転駆動するモータの電流値を検出する工程と、前記ロータと前記真空ポンプのねじ溝部に堆積する堆積物との接触を検知する工程と、前記電流値が所定値以上の状態で前記ロータと前記堆積物との接触を検知した場合に、前記真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定する工程と、を含み、前記モータの電流値は、前記堆積物の堆積量に比例して増大していると推測される。
この構成によれば、モータ電流値の増大量に基づき堆積物の堆積量が増大していると推測される状態でロータと堆積物との接触を検知した場合に、真空ポンプのオーバーホールが必要な程度に堆積物が過度に堆積していると判定するため、オペレータは、真空ポンプのオーバーホールを適切なタイミングで実施することができる。
本発明によれば、モータ電流値の増大量に基づき堆積物の堆積量が増大していると推測される状態でロータと堆積物との接触を検知した場合に、真空ポンプのオーバーホールが必要な程度に堆積物が過度に堆積していると判定するため、オペレータは、真空ポンプのオーバーホールを適切なタイミングで実施することができる。
本発明の第1の実施形態に係る堆積物検知装置を備えた真空ポンプの縦断面図。 ねじ溝部に堆積物が堆積する様子を示す模式図。 モータの電流値が堆積物の堆積量に応じて増大する様子を示すグラフ。 モータの電流値の増大量とステータの振動検出のタイミングを示す模式図。 本発明の第2の実施形態に係る堆積物検知装置を備えた真空ポンプの縦断面図。 ロータの動作モードに応じたロータの振動の様子を模式的に示すグラフ。 定常運転中において外部から低周波の振動が付加されたロータの振動の様子を示す模式図。 加速、減速中においてロータとねじ溝部とが接触した際のロータの振動の様子を示す模式図。 定常運転中において外部から低周波の振動が付加されたロータの振動の様子を示す模式図。
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下では、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
図1は、真空ポンプ1を示す縦断面図である。真空ポンプ1は、略円筒状のケーシング10内に収容されたターボ分子ポンプ機構PAとねじ溝ポンプ機構PBとから成る複合ポンプである。
真空ポンプ1は、ケーシング10と、ケーシング10内に回転可能に支持されたロータシャフト21を有するロータ20と、ロータシャフト21を回転駆動させるモータ30と、ロータシャフト21の一部及びモータ30を収容するステータコラム40とを備えている。
ケーシング10は、ガス排気口11aが下部側方に形成されたベース11と、ガス吸気口12aが上部に形成されると共にベース11上に載置された状態で図示しないボルトを介して固定された円筒部12と、で構成されている。
ベース11には、図示しない補助ポンプに連通されるガス排気口11aが設けられている。
円筒部12は、ガス吸気口12aが図示しないチャンバ等の真空容器に連通するように、フランジ12bを介して真空容器に連結される。
ロータ20は、ロータシャフト21と、ロータシャフト21の上部に固定されてロータシャフト21の軸心に対して同心円状に並設された回転翼22と、を備えている。
ロータシャフト21は、磁気軸受50により非接触支持されている。磁気軸受50は、ラジアル電磁石51と、アキシャル電磁石52と、を備えている。ラジアル電磁石51及びアキシャル電磁石52は、制御ユニット60に接続されている。
ロータシャフト21の上部及び下部は、タッチダウン軸受23内に挿通されている。ロータシャフト21が制御不能になった場合には、高速で回転するロータシャフト21がタッチダウン軸受23に接触して真空ポンプ1の損傷を防止するようになっている。
回転翼22は、ボス孔24にロータシャフト21の上部を挿通した状態で、ボルト25をロータフランジ26に挿通すると共にシャフトフランジ27に螺着することで、ロータシャフト21に一体に取り付けられている。
モータ30は、ロータシャフト21の外周に取り付けられた回転子31と、回転子31を取り囲むように配置された固定子32とで構成されている。固定子32は、制御ユニット60に接続されており、制御ユニット60によってロータシャフト21の回転が制御されている。
ステータコラム40は、ベース11上に載置された状態で、ステータコラム40の下端部がボルト41を介してベース11に固定されている。
制御ユニット60は、ロータシャフト21のラジアル方向の変位を検出するラジアルセンサ51a及びロータシャフト21のアキシャル方向の変位を検出するアキシャルセンサ52aの検出値に基づいて、ラジアル電磁石51、アキシャル電磁石52の励磁電流を制御することにより、ロータシャフト21が所定の位置に浮上した状態で支持されるようになっている。
また、制御ユニット60は、上述したモータ30の電流値(以下、「モータ電流値」と称す)を検出するモータ電流値検出手段として機能する。また、制御ユニット60は、後述するように真空ポンプ1のオーバーホールが必要な否かを判定する判定出段としても機能する。
次に、真空ポンプ1の略上半分に配置されたターボ分子ポンプ機構PAについて説明する。
ターボ分子ポンプ機構PAは、ロータ20の回転翼22と、回転翼22の間に隙間を空けて配置された固定翼70とで構成されている。回転翼22と固定翼70とは、アキシャル方向に沿って交互にかつ多段に配列されており、本実施例では、回転翼22及び固定翼70が5段ずつ配列されている。
回転翼22は、所定の角度で傾斜したブレードからなり、ロータ20の上部外周面に一体に形成されている。また、回転翼22は、ロータ20の軸線回りに放射状に複数設置されている。
固定翼70は、回転翼22とは反対方向に傾斜したブレードからなり、円筒部12の内壁面に段積みで設置されているスペーサ71によりアキシャル方向に挟持されて位置決めされている。また、固定翼70も、ロータ20の軸線回りに放射状に複数設置されている。
回転翼22及び固定翼70の長さは、アキシャル方向の上方から下方に向かって徐々に短くなるように設定されている。
上述したようなターボ分子ポンプ機構PAは、回転翼22の回転により、ガス吸気口12aから吸入されたガスをアキシャル方向の上方から下方に移送するようになっている。
次に、真空ポンプ1の略下半分に配置されたねじ溝ポンプ機構PBについて説明する。
ねじ溝ポンプ機構PBは、ロータ20の下部に設けられてアキシャル方向に沿って延びたロータ円筒部28と、ロータ円筒部28の外周面28aを囲んで配置された略円筒状のステータ80と、を備えている。
ステータ80は、ベース11上に載置されている。ステータ80は、内周面に刻設されたねじ溝部81を備えている。
また、ステータ80には、振動センサ82(例えば、エアブラウン社製 「3133Aシリーズ」)が直接取り付けられている。振動センサ82は、ロータ20とねじ溝部81との接触に起因するステータ80の振動を高精度で検知することができる。振動センサ82は、ステータ80の振動を検知すると検知信号を制御ユニット60に送る。
上述したようなねじ溝ポンプ機構PBは、ガス吸気口12aからアキシャル方向の下方に移送されたガスを、ロータ円筒部28の高速回転によるドラッグ効果によって圧縮して、ガス排気口11aに向かって移送する。具体的には、ガスは、ロータ円筒部28とステータ80との隙間に移送された後に、ねじ溝部81内で圧縮されてガス排気口11aに移送される。
次に、制御ユニット60が、真空ポンプ1のオーバーホール時期を判定する手順について説明する。なお、本実施形態においては、制御ユニット60と振動センサ82とで堆積物検知装置を構成している。
まず、ねじ溝ポンプ機構PBで高圧に圧縮されたガスは、固化して堆積物としてねじ溝部81に堆積することが知られている。堆積物は、ロータ20とステータ80との僅かな隙間を狭めてしまい、真空ポンプ1の圧縮性能、排気性能を低下させる。ロータ20とステータ80との隙間は、例えば500μm程度に設定される。また、高速回転に伴う遠心力によってロータ20の排気口側下端部がラジアル方向の外側に拡径することから、定常運転モードにおけるロータ20とステータ80との隙間は運転停止時の隙間よりも狭くなる。
図2は、ねじ溝部81に堆積物が堆積する様子を示す模式図である。図3は、モータ30のモータ電流値の経時的な変化を示すグラフである。図2(a)は、ねじ溝部81に堆積物が堆積していない状態を示す。ネジ溝部81の凹部に堆積物が堆積すると、モータ30の負荷が増大してモータ電流値の増加を招く。具体的には、図3に示すように、モータ電流値は、真空ポンプ1の運転時間に比例して増大しており、これは、ねじ溝部81に堆積する堆積物の堆積量に比例して増大していると推測される。
また、図2(b)に示すように堆積物がロータ20に接触するまで堆積すると、回転体図2(c)に示すようにロータ20に触れた堆積物の一部が脱落することがある。その場合、モータ電流値は一時的に低下するものの、堆積物の堆積量に比例して再び増大する。
また、図2(d)に示すように堆積物が再び堆積し続けると、図2(e)に示すようにロータ20と堆積物とが接触して、ロータ20が回転し続けることができず、真空ポンプ1の緊急停止やロータ破壊につながる虞がある。
このように、堆積物の脱落を伴うようなロータ20と堆積物との軽度の接触は許容されるが、堆積物の堆積量が過度に大きい状態でロータ20と堆積物とが衝突して真空ポンプ1が破損することは避ける必要があるため、例えば図2(d)に示すような適当なタイミングで真空ポンプ1をオーバーホールする必要がある。
図4は、モータ電流値の増大量とステータ80の振動検出のタイミングを示す模式図である。まず、ポンプ設置直後であって堆積物が堆積していない状態におけるモータ電流値である設定値(0%、図4中のa点)、及び過去の運転実績からオーバーホールを要する程度に堆積物が堆積した状態におけるモータ電流値である設定値(100%、図4中のc点)に基づいて、オーバーホールの検知を開始するモータ電流値である設定値(検知開始設定値、図4中のb点)が制御ユニット60に記憶される。
検知開始設定値は、過去の運転実績に基づき、オーバーホールが必要な堆積物の堆積量を若干下回ると推測される堆積物の堆積量に応じて設定される。本実施形態では、設定値(0%)から設定値(100%)への増大量の70%を検知開始設定値に設定しているが、この設定値は70%より小さくても70%より大きくても構わない。
次に、制御ユニット60は、モータ電流値が検知開始設定値(図4中のb点)に達した後に、振動センサ82がステータ80の振動を検知すると、ロータ20と堆積物とが接触したとして、真空ポンプ1のオーバーホールが必要であると判定する。また、制御ユニット60は、真空ポンプ1のオーバーホールが必要であると判定すると、図示しないディスプレイ等にその旨を表示するように構成しても構わない。
振動センサ82が検知するステータ80の振動は、様々な原因が考えられ、ロータ20と堆積物とが接触する以外にも、例えば、真空ポンプ1に大気が突入する等の外乱によってタッチダウンが生じたり、ポンプ運転中にケーシング10が外部から衝撃(例えば、地震等)を受けることによっても生じ得る。
しかしながら、本実施形態に係る堆積物検知装置は、オーバーホールが必要な堆積量を若干下回る程度に堆積物が堆積していると推測される状態でステータ80の振動を検知した場合に、真空ポンプ1のオーバーホールが必要な程度に堆積物が過度に堆積していると判定するため、オペレータが、真空ポンプ1のオーバーホールを適切なタイミングで実施することができる。
次に、本発明の第2の実施例形態に係る堆積物検知装置について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る堆積物検知装置を備えた真空ポンプの縦断面図である。本実施形態は、上述した実施形態と比較して、ラジアルセンサ51aを用いてロータ20の振動を検知する点を除いて上述した構成と同様であり、重複する説明を省略する。なお、本実施形態においては、制御ユニット60とラジアルセンサ51aとで堆積物検知装置を構成する。
本実施形態では、モータ電流値が検知開始設定値に達した後に、ロータ20のラジアル方向への変位を検知するラジアルセンサ51aを用いてロータ20と堆積物との接触を検知した場合に、制御ユニット60が、真空ポンプ1のオーバーホールが必要であると判定する。以下、ラジアルセンサ51aを用いたロータ20と堆積物との接触検知の具体的態様について説明する。
図6に、真空ポンプ1の運転モードに応じたラジアルセンサ51aの出力波形を示す。図7に、定常運転モードにおいて、地震等のロータ20の回転数より低周波の振動が加わった場合のラジアルセンサ51aの出力波形を示す。
図6に示すように、ロータ20のラジアル方向への共振点を中心にした振幅(アンバランス振幅)は、真空ポンプ1の運転モードに応じて変動する。加速モード及び減速モードにおいては、ロータ20のアンバランス振幅が大きく変動するのに対して、定常運転モードでは、ロータ20のアンバランス振幅が低減され且つ略一定を維持している。なお、定常運転モードにおけるロータ20のアンバランス振幅は、例えば±50μmである。また、上述したように、運転停止時のロータ20とステータ80との隙間は、例えば500μm程度に設定され、定常運転モードにおけるロータ20とステータ80との隙間は運転停止時の隙間よりも狭くなる。
しかしながら、ロータ20の回転数より低周波の振動が加わった場合には、ロータ20は繰り返し振動を受けるため、図7に示すように、ロータ20のアンバランス振幅が一定のままロータ20全体が大きく振動する状態が継続する。
図8は、加速、減速中においてロータ20とねじ溝部81とが接触した際のロータの振動の様子を示す模式図である。図9は、定常運転中において外部から低周波の振動が付加されたロータ20の振動の様子を示す模式図である。なお、図8、9におけるa~eは、図2(a)~(e)に示す堆積物の堆積状態に対応している。
図8に示すように、真空ポンプ1の加速、減速中において共振点を通過するときのようにロータ20の振れが一時的に大きくなる場合には、ロータ20と堆積物が接触することがある(図8中のb点)。この場合、ロータ20が大きく振れ回り振動が発生する。制御ユニット60は、ラジアルセンサ51aの出力波形が予め定められた設定値(例えば、大外乱用の検出レベル)を超えた場合には、ロータ20と堆積物との接触を検知したものと判定する。
図9に示すように、真空ポンプ1の定常運転中に地震等によってロータ20全体が大きく振動する場合には、ロータ20と堆積物が接触することがある(図9中のb点)。この場合にも、ロータ20が大きく振れ回り振動が発生する。制御ユニット60は、ラジアルセンサ51aの出力波形が予め定められた設定値を超えた場合には、ロータ20と堆積物との接触を検知したものと判定する。
このようにして、本実施形態に係る真空ポンプ1は、オーバーホールが必要な堆積量を若干下回る程度に堆積物が堆積していると推測される状態でラジアルセンサ51aの出力波形からロータ20と堆積物との接触を検知した場合に、真空ポンプ1のオーバーホールが必要な程度に堆積物が過度に堆積していると判定するため、オペレータは、真空ポンプ1のオーバーホールを適切なタイミングで実施することができる。
また、ラジアルセンサ51aは、従来から真空ポンプ1に組み込まれているものであり、別途部材を設けることなく、ロータ20と堆積物との接触を検知することができる。
また、各実施形態については、必要に応じて組み合わせる構成であっても構わない。例えば、堆積物との接触を検知する接触検知手段として、振動センサ82とラジアルセンサ51aの両方を用いて、2つの信号を基に接触を判定しても構わない。判定方法としては、両方の信号で接触を検知したときや、優先度の高い信号で接触を検知したときに接触判定を行う等の種々の応用が可能である。
また、上述した変形例以外にも本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
1 ・・・真空ポンプ
10 ・・・ケーシング
11 ・・・ベース
11a・・・ガス排気口
12 ・・・円筒部
12a・・・ガス吸気口
12b・・・フランジ
20 ・・・ロータ
21 ・・・ロータシャフト
22 ・・・回転翼
23 ・・・タッチダウン軸受
24 ・・・ボス孔
25 ・・・ボルト
26 ・・・ロータフランジ
27 ・・・シャフトフランジ
28 ・・・ロータ円筒部
28a・・・外周面
30 ・・・モータ
31 ・・・回転子
32 ・・・固定子
40 ・・・ステータコラム
41 ・・・ボルト
50 ・・・磁気軸受
51 ・・・ラジアル電磁石
51a・・・ラジアルセンサ(ポジションセンサ)
52 ・・・アキシャル電磁石
52a・・・アキシャルセンサ
60 ・・・制御ユニット
70 ・・・固定翼
71 ・・・スペーサ
80 ・・・ステータ
81 ・・・ねじ溝部
82 ・・・振動センサ
PA ・・・ターボ分子ポンプ機構
PB ・・・ねじ溝ポンプ機構

Claims (5)

  1. ロータの回転動作によってガスを排気する真空ポンプであって、
    前記ロータを回転駆動させるモータの電流値を検出する電流値検出手段と、
    前記ロータと前記真空ポンプのねじ溝部に堆積する堆積物との接触を検知する接触検知手段と、
    前記電流値が所定値以上の状態で前記接触検知手段が前記ロータと前記堆積物との接触を検知した場合に、前記真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定する判定手段と、
    を備え
    前記モータの電流値は、前記堆積物の堆積量に比例して増大していると推測されることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記接触検知手段は、前記ロータと前記堆積物との接触に起因する振動を検知する振動センサであることを特徴とする請求項1記載の真空ポンプ。
  3. 前記接触検知手段は、前記ロータに接続されたシャフトの軸心からの変位を測定するポジションセンサであることを特徴とする請求項1記載の真空ポンプ。
  4. ロータの回転動作によってガスを排気する真空ポンプの堆積物検知装置であって、
    前記ロータを回転駆動させるモータの電流値を検出する電流値検出手段と、
    前記ロータと前記真空ポンプのねじ溝部に堆積する堆積物との接触を検知する接触検知手段と、
    前記電流値が所定値以上の状態で前記接触検知手段が前記ロータと前記堆積物との接触を検知した場合に、前記真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定する判定手段と、
    を備え
    前記モータの電流値は、前記堆積物の堆積量に比例して増大していると推測されることを特徴とする真空ポンプの堆積物検知装置。
  5. ロータの回転動作によってガスを排気する真空ポンプの堆積物検知方法であって、
    前記ロータを回転駆動するモータの電流値を検出する工程と、
    前記ロータと前記真空ポンプのねじ溝部に堆積する堆積物との接触を検知する工程と、
    前記電流値が所定値以上の状態で前記ロータと前記堆積物との接触を検知した場合に、前記真空ポンプのオーバーホールが必要であると判定する工程と、
    を含み、
    前記モータの電流値は、前記堆積物の堆積量に比例して増大していると推測されることを特徴とする真空ポンプの堆積物検知方法。
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