JP7056357B2 - 蓄電モジュールの製造方法、蓄電装置の製造方法、及び、蓄電装置 - Google Patents

蓄電モジュールの製造方法、蓄電装置の製造方法、及び、蓄電装置 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電モジュールの製造方法、蓄電装置の製造方法、及び、蓄電装置に関する。
特許文献1には、バイポーラ電池が記載されている。このバイポーラ電池は、積層された複数枚のバイポーラ電極を含む電池要素を備えている。また、このバイポーラ電池は、隣接する電池要素の間に電解液が収容される空間を形成するために電池要素の外部を被覆する樹脂群を備えている。この樹脂群の少なくとも一部には、被覆厚さを一般面より薄くした部位を有している。被覆の薄い部位は、異常時に電池の内圧が上昇した場合に、その部位から効果的にガスを放出するための安全弁としての効果を有している。
特開2005-005163号公報
ところで、バイポーラ電池においては、電池の内圧が上昇すると安全弁からガスが放出すると共に電解液が漏れてしまうおそれがある。ここで、電解液の漏れを抑制するために、安全弁の内側にフィルタを配置することが考えられる。一方で、バイポーラ電池の製造工程においては、安全弁に対応する位置から電解液を注入する場合がある。この場合、上記のようにフィルタが配置されていると、電解液の注入が妨げられてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、電解液のスムーズな注入及び電解液の漏れの抑制を両立させることができる蓄電モジュールの製造方法、蓄電装置の製造方法、及び、蓄電装置を提供することを目的とする。
本発明の蓄電モジュールの製造方法は、シート状の電極と、電極の周縁部に設けられ、電解液の注入口が形成された樹脂枠と、注入口に対応する位置において樹脂枠の内側に配置されたフィルタと、を含み第1方向に積層された複数の電極ユニットを有する積層体を用意する第1工程と、第1工程の後、第1方向に沿って隣接する一対の電極及び樹脂枠によって形成された内部空間に、注入口を介して電解液を注入する第2工程と、第2工程の後、第1方向に沿って積層体を押圧する第3工程と、を備え、電極は、第1方向における電極の一方側において内部空間の内面を形成すると共に、フィルタが配置されたフィルタエリアを含む第1面を含み、第2工程においては、フィルタエリアにおける第1面と第1面に対向する電極との間の第1距離が、フィルタエリアにおける第1面からフィルタの頂部までの第2距離よりも大きい状態を維持しながら電解液を注入し、第3工程においては、第1距離と第2距離との差が電解液の注入時よりも小さくなるように積層体を押圧する。
この製造方法においては、まず、第1工程において積層体を用意する。この積層体においては、互いに隣り合う一対の電極と樹脂枠とによって内部空間が形成されている。また、樹脂枠には、内部空間に対して電解液を注入するための注入口が形成されている。更に、積層体にあっては、樹脂枠の注入口に対応する位置において樹脂枠の内側(すなわち内部空間)にフィルタが配置されている。フィルタは、電極の第1面上に配置される(すなわち、第1面はフィルタが配置されるフィルタエリアを含む)。そして、この製造方法においては、第2工程において、当該注入口を介して内部空間に電解液を注入する。このとき、フィルタエリアにおける第1面と第1面に対向する電極との間の第1距離が、フィルタエリアにおける第1面からフィルタの頂部までの第2距離よりも大きい状態を維持しながら電解液を注入する。このため、第1面に対向する電極とフィルタの頂部との間の隙間(第1距離と第2距離との差に相当する隙間)を介して、スムーズに内部空間に電解液を注入できる。更に、この製造方法においては、第3工程において、第1距離と第2距離との差が電解液の注入時よりも小さくなるように積層体を押圧する。このため、第1面に対向する電極とフィルタの頂部との間の隙間が電解液の注入時よりも小さくなる。これにより、当該隙間を介した電解液の漏れを抑制できる。以上により、この製造方法によれば、電解液のスムーズな注入及び電解液の漏れの抑制を両立させることができる。
本発明の蓄電モジュールの製造方法においては、第1面は、フィルタエリアの外側に位置する外側エリアを含み、第1工程においては、外側エリアにおける第1面から樹脂枠の頂部までの第3距離が第2距離よりも大きくなるように積層体を用意し、第3工程においては、第1方向から見てフィルタエリア及び外側エリアに重複すると共に、フィルタエリアに対応する位置においてフィルタ側に突出する突出部が設けられた押圧部材を用いて、積層体を押圧してもよい。この場合、第1面に対向する電極とフィルタの頂部との間に隙間が形成された状態(すなわち、第1距離が第2距離よりも大きい状態)を確実に維持できる。したがって、第2工程において、当該隙間を介したスムーズな電解液の注入を確実に行うことができる。さらに、そのような状態から、第3工程において、フィルタエリアに対応する位置に突出部が設けられた押圧部材を用いることにより、フィルタエリアにおいて選択的に積層体を押圧できる。これにより、電極とフィルタの頂部との間の隙間を確実に減少させることができる。
本発明の蓄電モジュールの製造方法においては、第1面は、フィルタエリアの外側に位置する外側エリアを含み、第1工程においては、外側エリアにおける第1面から樹脂枠の頂部までの第3距離が第2距離と等しくなるように、且つ、第1距離が第3距離及び第2距離よりも大きくなるように積層体を用意し、第3工程においては、第1方向から見てフィルタエリア及び外側エリアに重複する押圧部材を用いて、第1距離と第3距離とが等しくなるように積層体を押圧してもよい。この場合、第3工程において積層体を押圧したときに、例えば第1面に対向する電極と樹脂枠の頂部とを接触させることによって、当該電極とフィルタの頂部を接触させてそれらの間に隙間がない状態を好適に実現できる。よって、電解液の漏れを確実に抑制できる。また、第3工程においてフィルタが圧縮されにくいため、空隙率が比較的低い材料をフィルタに用いた場合に有効である。
本発明の蓄電モジュールの製造方法においては、第1面は、フィルタエリアの外側に位置する外側エリアを含み、第1工程においては、外側エリアにおける第1面から樹脂枠の頂部までの第3距離が第2距離よりも小さくなるように積層体を用意し、第3工程においては、第1方向から見てフィルタエリア及び外側エリアに重複する押圧部材を用いて、第1距離と第3距離とが等しくなるように積層体を押圧してもよい。この場合、第3工程において積層体を押圧したときに、例えば第1面に対向する電極と樹脂枠の頂部とを接触させることによって、当該電極と第1面との間においてフィルタを圧縮し、当該電極とフィルタの頂部との間に隙間がない状態を確実に実現できる。よって、電解液の漏れを確実に抑制できる。また、第3工程において十分にフィルタを圧縮できるため、空隙率が比較的に高い材料をフィルタに用いた場合に有効である。
本発明の蓄電装置の製造方法は、上記の蓄電モジュールの製造方法によって複数の蓄電モジュールを製造するモジュール工程と、モジュール工程の後、複数の蓄電モジュールを互いに積層して一体化することにより蓄電装置を構成する装置工程と、を備え、第3工程においては、蓄電モジュールを冷却するための冷却部材を押圧部材として用いて積層体を押圧し、装置工程においては、蓄電モジュールと冷却部材とを交互に積層して一体化する。
この製造方法においては、第3工程においては、蓄電モジュールを冷却するための冷却部材を押圧部材として用いて積層体を押圧している。このため、押圧部材を用意するコストが生じない。また、蓄電モジュールを積層する際に改めて冷却部材を導入する必要がなく、製造時間を短縮できる。
本発明の蓄電装置は、内部空間が形成された積層体と、内部空間に収容された電解液と、を有し第1方向に積層された複数の蓄電モジュールと、蓄電モジュールと交互に積層されて一体化され、蓄電モジュールを冷却するための冷却部材と、を備え、積層体は、シート状の電極と、電極の周縁部に設けられ、電解液の注入口が形成された樹脂枠と、注入口に対応する位置において樹脂枠の内側に配置されたフィルタと、を含み第1方向に積層された複数の電極ユニットを有し、内部空間は、第1方向に沿って隣接する一対の電極及び樹脂枠によって形成されており、冷却部材は、第1方向から見てフィルタに重複すると共にフィルタに対応する位置においてフィルタ側に突出するように設けられた突出部を有し、積層体は、冷却部材によって押圧されている。
この蓄電装置においては、互いに隣り合う一対の電極と樹脂枠とによって内部空間が形成されている。また、樹脂枠には、内部空間に対して電解液を注入するための注入口が形成されている。更に、積層体にあっては、樹脂枠の注入口に対応する位置において樹脂枠の内側(すなわち内部空間)にフィルタが配置されている。また、冷却部材は、第1方向から見てフィルタに重複すると共にフィルタに対応する位置においてフィルタ側に突出するように設けられた突出部を有している。そして、積層体は、この冷却部材によって押圧されている。このため、電極が突出部に沿うように変形して、フィルタが配置されたエリアにおける電極の間の距離が小さくなる。これにより、フィルタと電極との間を介した電解液の漏れを抑制できる。
本発明によれば、電解液のスムーズな注入及び電解液の漏れの抑制を両立させることができる蓄電モジュールの製造方法、蓄電装置の製造方法、及び、蓄電装置を提供することが可能となる。
蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。 図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。 図1の一部拡大図である。 図2に示された電極ユニットの平面図である。 蓄電モジュールの製造方法を示す図である。 図5の一部拡大図である。 変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を示す図である。 変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置1は、積層方向(第1方向)Dに積層された複数の蓄電モジュール4を含むモジュール積層体2と、モジュール積層体2に対してその積層方向Dに拘束荷重を付加する拘束部材3とを備えている。
モジュール積層体2は、複数(ここでは3つ)の蓄電モジュール4と、複数(ここでは4つ)の導電板(冷却部材)5と、を含む。蓄電モジュール4は、バイポーラ電池であり、積層方向Dから見て矩形状をなしている。蓄電モジュール4は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池、又は電気二重層キャパシタである。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
積層方向Dに互いに隣り合う蓄電モジュール4同士は、導電板5を介して電気的に接続されている。導電板5は、積層方向Dに互いに隣り合う蓄電モジュール4間と、積層端に位置する蓄電モジュール4の外側と、にそれぞれ配置されている。すなわち、導電板5は、蓄電モジュール4と交互に積層されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された一方の導電板5には、正極端子6が接続されている。積層端に位置する蓄電モジュール4の外側に配置された他方の導電板5には、負極端子7が接続されている。正極端子6及び負極端子7は、例えば導電板5の縁部から積層方向Dに交差する方向に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
導電板5の内部には、空気等の冷媒を流通させる複数の流路5aが設けられている。流路5aは、例えば、積層方向Dと、正極端子6及び負極端子7の引き出し方向と、にそれぞれ交差(直交)する方向に沿って延在している。導電板5は、蓄電モジュール4同士を電気的に接続する接続部材としての機能のほか、これらの流路5aに冷媒を流通させることにより、蓄電モジュール4で発生した熱を放熱する放熱板としての機能を併せ持つ。すなわち、導電板5は、蓄電モジュール4を冷却する機能を有している。なお、図1の例では、積層方向Dから見た導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、導電板5の面積は、蓄電モジュール4の面積と同じであってもよく、蓄電モジュール4の面積よりも大きくてもよい。
拘束部材3は、モジュール積層体2を積層方向Dに挟む一対のエンドプレート8と、エンドプレート8同士を締結する締結ボルト9及びナット10と、によって構成されている。エンドプレート8は、積層方向Dから見て蓄電モジュール4及び導電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。エンドプレート8の内側面(モジュール積層体2側の面)には、電気絶縁性を有するフィルムFが設けられている。フィルムFにより、エンドプレート8と導電板5との間が絶縁されている。
エンドプレート8の縁部には、モジュール積層体2よりも外側となる位置に挿通孔8aが設けられている。締結ボルト9は、一方のエンドプレート8の挿通孔8aから他方のエンドプレート8の挿通孔8aに向かって通され、他方のエンドプレート8の挿通孔8aから突出した締結ボルト9の先端部分には、ナット10が螺合されている。これにより、蓄電モジュール4及び導電板5がエンドプレート8によって挟持されてモジュール積層体2としてユニット化されると共に、モジュール積層体2に対して積層方向に拘束荷重が付加される。すなわち、蓄電モジュール4と導電板5とは、拘束部材3の拘束によって一体化されている。
次に、蓄電モジュール4の構成について詳細に説明する。図2は、図1に示された蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。図2に示されるように、蓄電モジュール4は、電極積層体(積層体)11と、電解液(不図示)と、を有している。電極積層体11は、積層方向Dに積層された複数の電極ユニット12と、互いに隣接する電極ユニット12の間に配置されたセパレータ13と、を有している。電極ユニット12は、シート状の電極(複数のバイポーラ電極14、単一の負極終端電極18、及び、単一の正極終端電極19)と、電極の周縁部に設けられた樹脂枠21と、樹脂枠21の内側に配置されたフィルタ24と、を含んでいる。
バイポーラ電極14は、電極板15、電極板15の第1面15aに設けられた正極16、電極板15の第1面15aの反対の第2面15bに設けられた負極17を含んでいる。正極16は、正極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極17は、負極活物質が電極板15に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んで積層方向Dに隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んで積層方向Dに隣り合うさらに別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
負極終端電極18は、電極板15、及び電極板15の第2面15bに設けられた負極17を含んでいる。負極終端電極18は、その第2面15bが電極積層体11の内側(積層方向Dについての中心側)になるように、積層方向Dの一端に配置されている。負極終端電極18の負極17は、セパレータ13を介して、積層方向Dの一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。正極終端電極19は、電極板15、及び電極板15の第1面15aに設けられた正極16を含んでいる。正極終端電極19は、その第1面15aが電極積層体11の内側になるように、積層方向Dの他端に配置されている。正極終端電極19の正極16は、セパレータ13を介して、積層方向Dの他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。
負極終端電極18の電極板15の第1面15aには、導電板5が接触している。また、正極終端電極19の電極板15の第2面15bには、蓄電モジュール4に隣接する他方の導電板5が接触している。拘束部材3からの拘束荷重は、導電板5を介して負極終端電極18及び正極終端電極19から電極積層体11に付加される。すなわち、導電板5は、積層方向Dに沿って電極積層体11に拘束荷重を付加する拘束部材でもある。
電極板15は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、電極板15は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板15の周縁部(バイポーラ電極14、負極終端電極18、及び、正極終端電極19の周縁部)15cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、電極板15の第2面15bにおける負極17の形成領域は、電極板15の第1面15aにおける正極16の形成領域に対して一回り大きくなっている。
電極板15の表面は粗面化されている。ここでは、第1面15a、第2面15b及び端面を含む電極板15の表面全体が粗面化されている。電極板15の表面は、例えば、電解メッキ処理で複数の突起が形成されることにより粗面化されている。このように電極板15が粗面化されている場合、電極板15と後述する樹脂枠21との接合界面では、溶融状態の樹脂枠21が粗面化により形成された凹部内に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、電極板15と樹脂枠21との結合力を向上させることができる。少なくとも、第1面15aにおける周縁部15cが粗面化されていれば、結合力向上の効果が得られる。突起は、例えば、基端側から先端側に向かって先太りとなる形状を有している。この場合、互いに隣接する突起の間の断面形状はアンダーカット形状となり、アンカー効果が生じ易い。なお、突起の形状及び密度等は特に限定されない。
正極16は、積層方向Dに交差する方向に延びる複数の溝16a(図4参照)によって、溝16aの延在方向及び積層方向Dに交差する方向に沿って配列された複数のストライプ状の部分に分割されている。これにより、バイポーラ電極14及び正極終端電極19の第1面15aにおける当該部分の間の領域は、正極活物質から露出された未塗工領域16bとなっている。また、バイポーラ電極14及び正極終端電極19の第1面15aにおける溝16aの延在方向の一方の端部(後述する注入口21fと反対側の端部)にも、未塗工領域16cが設けられている。未塗工領域16cは、複数の未塗工領域16bに接続されるように長方形状に設定されている。未塗工領域16cの面積は、未塗工領域16bの面積に比べて十分に大きい。これにより、後述する内部空間Vにおいてガスが発生した場合に、当該ガスが未塗工領域16bから未塗工領域16cに導入されて貯留されることにより、内部空間Vの内圧の上昇が抑制される。バイポーラ電極14の第2面15b、及び、負極終端電極18の第2面15bについても、同様に構成されている。
すなわち、負極17は、積層方向Dに交差する方向に延びる複数の溝によって、溝の延在方向及び積層方向Dに交差する方向に沿って配列された複数のストライプ状の部分に分割されている。これにより、バイポーラ電極14及び負極終端電極18の第2面15bにおける当該部分の間の領域は、負極活物質から露出された未塗工領域(第1未塗工領域)となっている。また、バイポーラ電極14及び負極終端電極18の第2面15bにおける溝の延在方向の一方の端部(後述する注入口21fと反対側の端部)にも、未塗工領域(第2未塗工領域)が設けられている。第2未塗工領域は、複数の第1未塗工領域に接続されるように長方形状に設定されている。第2未塗工領域の面積は、第1未塗工領域の面積に比べて十分に大きい。これにより、内部空間Vにおいてガスが発生した場合に、当該ガスが第1未塗工領域から第2未塗工領域に導入されて貯留されることにより、内部空間Vの内圧の上昇が抑制される。
図3は、図1の一部拡大図である。図4は、電極ユニット12の平面図である。図2~図4に示されるように、樹脂枠21は、積層方向Dから見て、矩形環状をなし、周縁部15cの全周にわたって連続的に設けられている。樹脂枠21は、電極板15の第1面15aに気密に接合(例えば溶着)されている。樹脂枠21は、例えば超音波又は熱によって溶着されている。樹脂枠21は所定の厚さ(積層方向Dの長さ)を有するフィルムである。電極板15の端面は、樹脂枠21から露出している。樹脂枠21の内側の一部は、積層方向Dに互いに隣り合う電極板15の周縁部15c同士の間に位置しており、外側の一部は、電極板15から外側に張り出している。樹脂枠21は、当該外側の一部において後述する封止体に埋設されている。積層方向Dに沿って互いに隣り合う樹脂枠21同士は、互いに離間している。
樹脂枠21は、第1樹脂枠22と第2樹脂枠23とを有している。第1樹脂枠22及び第2樹脂枠23は、積層方向Dに沿って互いに積層されている。第1樹脂枠22は、積層方向Dから見て、矩形環状をなしている。第1樹脂枠22は、第3面22a、及び第3面22aの反対の第4面22b、並びに、積層方向Dから見て矩形状をなしている内縁22c及び外縁22dを含んでいる。第2樹脂枠23は、積層方向Dから見て、矩形環状をなしている。第2樹脂枠23は、第5面23a、及び第5面23aの反対の第6面23b、並びに、積層方向Dから見て矩形状をなしている内縁23c及び外縁23dを含んでいる。積層方向Dから見て、第1樹脂枠22の外縁22d及び第2樹脂枠23の外縁23dは、互いに一致しており樹脂枠21の外縁21dを構成している。
積層方向Dから見て、第2樹脂枠23の内縁23cは、第1樹脂枠22の内縁22cよりも一回り大きい矩形状である。これにより、樹脂枠21には、段差部21e(第1樹脂枠22の第3面22aの一部)が形成されている。段差部21e上には、セパレータ13の縁部が載置されている。第1樹脂枠22の内縁22cは、樹脂枠21の内縁21cを構成している。第1樹脂枠22の第4面22bは、バイポーラ電極14及び正極終端電極19の第1面15aに溶着されて第1面15aに接合されている。第2樹脂枠23の第6面23bは、第1樹脂枠22の第3面22aに溶着されて第3面22aに接合されている。
樹脂枠21には、電解液の注入口21fが形成されている。注入口21fは、矩形環状の樹脂枠21の一つの辺部及び積層方向Dに交差(直交)する方向において、当該辺部を貫通している。具体的には、注入口21fは、矩形環状の第2樹脂枠23の一つの辺部に交差(直交)する方向において、当該辺部を貫通している。注入口21fは、積層方向Dにおいて第2樹脂枠23の当該辺部を貫通している。すなわち、第1樹脂枠22の第3面22aは、第2樹脂枠23と共に注入口21fを形成する。
フィルタ24は、注入口21fに対応する位置において第2樹脂枠23の内側に配置されている。フィルタ24は、注入口21fに隣接するように段差部21e上に配置されている。フィルタ24は、第2樹脂枠23とセパレータ13との間に配置されている。フィルタ24は、注入口21fが形成された第2樹脂枠23の辺部に沿って延在している。フィルタ24の延在方向における両端は、第2樹脂枠23の内縁23cに当接している。
フィルタ24は、内部空間Vで発生したガスを透過させつつ、電解液の透過を抑制する性質を有している。フィルタ24としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。フィルタ24の空隙率は、例えば40%以下である。フィルタ24の空隙率は、例えば30%以上である。フィルタ24の空隙率は、例えば36%~40%程度である。
電極板15の第1面15aは、積層方向Dにおける電極の一方側において内部空間Vの内面を形成すると共に、フィルタ24が配置されるフィルタエリア15eと、フィルタエリア15eの外側に位置する外側エリア15fと、を含んでいる。フィルタエリア15eは、積層方向Dにおいてフィルタ24と重複している。外側エリア15fは、積層方向Dにおいて第2樹脂枠23と重複している。
フィルタエリア15eにおける第1面15aと第1面15aに対向する電極(ここでは、負極終端電極18の第2面15b)との間の第1距離D1は、フィルタエリア15eにおける第1面15aからフィルタ24の頂部24aまでの第2距離D2よりも大きい。外側エリア15fにおける第1面15aから樹脂枠21の頂部(ここでは、第2樹脂枠23の第5面23a)までの第3距離D3は、第2距離D2よりも大きい。樹脂枠21の厚さは、正極16の厚さ、負極17の厚さ、及びセパレータ13の厚さ(セパレータ13が圧縮された場合を含む)の合計よりも小さい。フィルタ24の厚さは、第2樹脂枠23の厚さよりも小さい。
セパレータ13は、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。
蓄電モジュール4は、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体(不図示)を更に備えている。封止体は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体は、周縁部15cを包囲するように電極積層体11の側面に設けられている。封止体は、電極積層体11の側面において周縁部15cを保持している。封止体は、電極積層体11の側面に沿って樹脂枠21を外側から包囲するように樹脂枠21に接合されている。封止体は、樹脂枠21の外側に設けられ、蓄電モジュール4の外壁(筐体)を構成している。封止体は、例えば樹脂の射出成型によって形成されている。封止体は、例えば、射出成型時の熱によって樹脂枠21の外表面に溶着(接合)されている。
電極積層体11には、内部空間Vが形成されている。具体的には、積層方向Dに沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、積層方向Dに沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、積層方向Dに沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、内部空間Vが形成されている。内部空間Vは、積層方向Dに沿って隣接する一対の電極及び樹脂枠21によって形成されている。
封止体は、樹脂枠21と共に内部空間Vを封止している。これにより、バイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び、正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液からなる電解液が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16及び負極17内に含浸されている。樹脂枠21及び封止体は、例えば、絶縁性の樹脂であって、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等から構成され得る。
封止体には、注入口21fに連通した連通孔が形成されている。連通孔には、安全弁(圧力調整弁)が設けられている。安全弁は、内部空間Vの内圧が上昇したときに、内部空間V内のガスを排出させるためのものである。連通孔及び注入口21fは、各内部空間Vに電解液を注入するための注液口として機能すると共に、電解液が注入された後は、安全弁の接続口として機能する。
導電板5は、本体部51と、突出部52と、を有している。本体部51は、板状をなしている。突出部52は、矩形環状をなし、本体部51の周縁部に設けられている。突出部52は、本体部51における電極積層体11側に設けられている。突出部52は、積層方向Dから見て電極板15の周縁部15cに対応するように設けられている。すなわち、突出部52は、積層方向Dから見て電極板15における正極16及び負極17の形成領域よりも外側に対応するように設けられている。突出部52は、積層方向Dから見て樹脂枠21及びフィルタ24に重複すると共に、樹脂枠21及びフィルタ24に対応する位置において樹脂枠21及びフィルタ24側に突出するように設けられている。
電極積層体11は、導電板5によって押圧されている。電極板15における突出部52に対応する領域は、突出部52の押圧によって電極積層体11の積層方向Dにおける中心側に変形している。これにより、電極板15の第2面15bと第2樹脂枠23の第5面23aとが接触し、第1距離D1と第3距離D3とが等しくなっている。また、第1距離D1が、正極16の厚さ、負極17の厚さ、及びセパレータ13の厚さ(セパレータ13が圧縮された場合を含む)の合計よりも小さくなっている。すなわち、第1距離D1が小さくなって、第1距離D1と第2距離D2との差が小さくなっている。突出部52の突出量は、限定されず、第1距離D1と第2距離D2との差が小さくなるように設定することができる。なお、図1においては、突出部52の図示が省略されている。
以上説明したように、蓄電装置1においては、互いに隣り合う一対の電極(例えば、バイポーラ電極14及び負極終端電極18)と樹脂枠21とによって内部空間Vが形成されている。また、樹脂枠21には、内部空間Vに対して電解液を注入するための注入口21fが形成されている。更に、電極積層体11にあっては、樹脂枠21の注入口21fに対応する位置において樹脂枠21の内側(すなわち内部空間V)にフィルタ24が配置されている。また、導電板5は、積層方向Dから見てフィルタ24に重複すると共にフィルタ24に対応する位置においてフィルタ24側に突出するように設けられた突出部52を有している。そして、電極積層体11は、導電板5によって押圧されている。このため、電極(ここでは、電極板15)が突出部52に沿うように変形して、フィルタ24が配置されたエリア(フィルタエリア15e)における電極板15の間の距離(第1距離D1)が小さくなる。すなわち、フィルタ24の頂部24aと電極板15の第2面15bとの距離が小さくなる。これにより、フィルタ24と電極との間を介した電解液の漏れを抑制できる。よって、液枯れによる蓄電装置1の性能の低下(例えば抵抗が増加すること)が抑制される。また、電解液が強アルカリ性を有している場合には、強アルカリ性の電解液の漏れが抑制されるため、安全性が向上する。
続いて、蓄電装置1の製造方法について説明する。蓄電装置1の製造方法は、モジュール工程と、装置工程と、を備えている。モジュール工程は、蓄電モジュール4の製造方法によって複数の蓄電モジュール4を製造する工程である。図5は、蓄電モジュールの製造方法を示す図である。図6は、図5の一部拡大図である。蓄電モジュール4の製造法においては、まず、図5及び図6に示されるように、電極積層体11を用意する(第1工程)。具体的には、複数のバイポーラ電極14、負極終端電極18、正極終端電極19、複数の樹脂枠21、複数のフィルタ24、及び複数のセパレータ13を用意する。
続いて、バイポーラ電極14及び正極終端電極19の第1面15aに樹脂枠21を溶着する。続いて、樹脂枠21の段差部21eにフィルタ24を配置して電極ユニット12を得る。続いて、セパレータ13を介して複数の電極ユニット12を積層方向Dに沿って積層し、積層方向Dの一端に負極終端電極18を積層して電極積層体11を得る。続いて、電極積層体11の側面に封止体を設ける。第1工程においては、第1距離D1が、正極16の厚さ、負極17の厚さ、及びセパレータ13の厚さ(セパレータ13が圧縮された場合を含む)の厚さの合計と等しくなるように電極積層体11を用意する。また、第1工程においては、第1距離D1が第3距離D3よりも大きくなり、第3距離D3が第2距離D2よりも大きくなるように電極積層体11を用意する。
第1工程の後、封止体に形成された連通孔及び注入口21fを介して内部空間Vに、電解液を注入する(第2工程)。第2工程においては、電極積層体11は、板状の保持部材50によって保持される。保持部材50は、電極積層体11の積層方向Dにおける両側に配置され、電極積層体11を挟持すると共に、電極積層体11に対して一定の拘束荷重をかける。保持部材50の電極積層体11側の面50aは、平坦面である。すなわち、第2工程においては、電極板15が変形していない。第2工程においては、第1距離D1が第3距離D3よりも大きく、第3距離D3が第2距離D2よりも大きい状態を維持しながら電解液を注入する。すなわち、第2工程においては、第1距離D1が第2距離D2よりも大きい状態を維持しながら電解液を注入する。
第2工程の後、積層方向Dに沿って電極積層体11を押圧する(第3工程)。第3工程においては、第1距離D1と第2距離D2との差が電解液の注入時よりも小さくなるように電極積層体11を押圧する(図2及び図3参照)。第3工程においては、導電板5を押圧部材として用いて、電極積層体11を押圧する。すなわち、第3工程においては、積層方向Dから見てフィルタエリア15e及び外側エリア15fに重複すると共にフィルタエリア15e及び外側エリア15fに対応する位置においてフィルタ24及び樹脂枠21側に突出する突出部52が設けられた導電板5を用いて、電極積層体11を押圧する。
電極板15における突出部52に対応する領域は、突出部52の押圧によって電極積層体11の積層方向Dにおける中心側に変形する。これにより、電極板15の第2面15bと第2樹脂枠23の第5面23aとが接触し、第1距離D1と第3距離D3とが等しくなる。また、第1距離D1が、正極16の厚さ、負極17の厚さ、及びセパレータ13の厚さ(セパレータ13が圧縮された場合を含む)の合計よりも小さくなる。すなわち、第1距離D1が小さくなって、第1距離D1と第2距離D2との差が小さくなる。モジュール工程においては、以上のような工程を繰り返して、複数の蓄電モジュール4を製造する。
モジュール工程の後、複数の蓄電モジュール4を互いに積層して一体化することにより蓄電装置1を構成する(装置工程)。装置工程においては、蓄電モジュール4と導電板5とを交互に積層して一体化する(図1参照)。蓄電モジュール4と導電板5とは、フィルムFを介して拘束部材3の拘束によって一体化される。
以上説明したように、蓄電モジュール4の製造方法においては、まず、第1工程において電極積層体11を用意する。この電極積層体11においては、互いに隣り合う一対の電極(例えば、バイポーラ電極14及び負極終端電極18)と樹脂枠21とによって内部空間Vが形成されている。また、樹脂枠21には、内部空間Vに対して電解液を注入するための注入口21fが形成されている。更に、電極積層体11にあっては、樹脂枠21の注入口21fに対応する位置において樹脂枠21の内側(すなわち内部空間V)にフィルタ24が配置されている。フィルタ24は、電極の第1面15a上に配置される(すなわち、第1面15aはフィルタ24が配置されるフィルタエリア15eを含む)。
そして、この製造方法においては、第2工程において、当該注入口21fを介して内部空間Vに電解液を注入する。このとき、フィルタエリア15eにおける第1面15aと第1面15aに対向する電極(ここでは、電極板15の第2面15b)との間の第1距離D1が、フィルタエリア15eにおける第1面15aからフィルタ24の頂部24aまでの第2距離D2よりも大きい状態を維持しながら電解液を注入する。このため、第1面15aに対向する電極とフィルタ24の頂部24aとの間の隙間(第1距離D1と第2距離D2との差に相当する隙間)を介して、スムーズに内部空間Vに電解液を注入できる。
更に、この製造方法においては、第3工程において、第1距離D1と第2距離D2との差が電解液の注入時よりも小さくなるように電極積層体11を押圧する。このため、第1面15aに対向する電極とフィルタ24の頂部24aとの間の隙間が電解液の注入時よりも小さくなる。これにより、当該隙間を介した電解液の漏れを抑制できる。よって、液枯れによる蓄電装置1の性能の低下(例えば抵抗が増加すること)が抑制される。また、電解液が強アルカリ性を有している場合には、強アルカリ性の電解液の漏れが抑制されるため、安全性が向上する。以上により、この製造方法によれば、電解液のスムーズな注入及び電解液の漏れの抑制を両立させることができる。
また、蓄電モジュール4の製造方法においては、第1面15aは、フィルタエリア15eの外側に位置する外側エリア15fを含み、第1工程においては、外側エリア15fにおける第1面15aから樹脂枠21の頂部(ここでは、第2樹脂枠23の第5面23a)までの第3距離D3が第2距離D2よりも大きくなるように電極積層体11を用意する。第3工程においては、積層方向Dから見てフィルタエリア15e及び外側エリア15fに重複すると共に、フィルタエリア15e及び外側エリア15fに対応する位置においてフィルタ24及び樹脂枠21側に突出する突出部52が設けられた導電板5を用いて、電極積層体11を押圧する。
このため、第1面15aに対向する電極とフィルタ24の頂部24aとの間に隙間が形成された状態(すなわち、第1距離D1が第2距離D2よりも大きい状態)を確実に維持できる。したがって、第2工程において、当該隙間を介したスムーズな電解液の注入を確実に行うことができる。さらに、そのような状態から、第3工程において、フィルタエリア15eに対応する位置に突出部52が設けられた導電板5を用いることにより、フィルタエリア15eにおいて選択的に電極積層体11を押圧できる。これにより、電極とフィルタ24の頂部24aとの間の隙間を確実に減少させることができる。
また、蓄電装置1の製造方法においては、第3工程においては、蓄電モジュール4を冷却するための導電板5を押圧部材として用いて電極積層体11を押圧している。このため、押圧部材を用意するコストが生じない。また、蓄電モジュール4を積層する際に改めて冷却部材を導入する必要がなく、製造時間を短縮できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
図7及び図8は、変形例に係る蓄電モジュールの製造方法を示す図である。実施形態において、蓄電モジュール4の製造方法の第1工程においては、第3距離D3が第2距離D2よりも大きくなるように電極積層体11を用意する例を示したが、図7の(a)に示されるように、第3距離D3が第2距離D2と等しくなるように、且つ、第1距離D1が第3距離D3及び第2距離D2よりも大きくなるように電極積層体11を用意してもよい。この場合、第3工程においては、図7の(b)に示されるように、導電板5を用いて、第1距離D1と第3距離D3及び第2距離D2とが等しくなるように電極積層体11を押圧する。これにより、電極板15の第2面15bと第2樹脂枠23の第5面23a及びフィルタ24の頂部24aとが接触する。
この場合、第3工程において電極積層体11を押圧したときに、例えば第1面15aに対向する電極と樹脂枠21の頂部とを接触させることによって、当該電極とフィルタ24の頂部24aを接触させてそれらの間に隙間がない状態を好適に実現できる。よって、電解液の漏れを確実に抑制できる。また、第3工程においてフィルタ24が圧縮されにくいため、空隙率が比較的低い材料をフィルタ24に用いた場合に有効である。
また、蓄電モジュール4の製造方法の第1工程においては、図8の(a)に示されるように、第3距離D3が第2距離D2よりも小さくなるように電極積層体11を用意してもよい。この場合、第3工程においては、図8の(b)に示されるように、導電板5を用いて、第1距離D1と第3距離D3とが等しくなるように電極積層体11を押圧する。このとき、電極板15の第2面15bと第2樹脂枠23の第5面23a及びフィルタ24の頂部24aとが接触する。また、フィルタ24は、導電板5の押圧によって圧縮される。
この場合、第3工程において電極積層体11を押圧したときに、例えば第1面15aに対向する電極と樹脂枠21の頂部とを接触させることによって、当該電極と第1面15aとの間においてフィルタ24を圧縮し、当該電極とフィルタ24の頂部24aとの間に隙間がない状態を確実に実現できる。よって、電解液の漏れを確実に抑制できる。また、第3工程において十分にフィルタ24を圧縮できるため、空隙率が比較的に高い材料をフィルタ24に用いた場合に有効である。
また、第1工程においては、第1距離D1が第3距離D3と等しくなるように電極積層体11を用意してもよい。すなわち、樹脂枠21の厚さは、正極16の厚さ、負極17の厚さ、及びセパレータ13の厚さ(セパレータ13が圧縮された場合を含む)の合計と等しくてもよい。この場合、突出部52は、積層方向Dから見て樹脂枠21に対応する位置において樹脂枠21側に突出するように設けられていなくてもよい。すなわち、突出部52は、積層方向Dから見てフィルタ24に重複すると共に、フィルタ24に対応する位置においてフィルタ24側に突出するように設けられていればよい。
また、第1樹脂枠22と第2樹脂枠23とが積層されている例を示したが、第1樹脂枠22と第2樹脂枠23とは、一体的に形成されていてもよい。
また、負極終端電極18には、樹脂枠21が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。また、負極終端電極18には、第1樹脂枠22のみが設けられていてもよい。
また、樹脂枠21には段差部21eが設けられていなくてもよい。この場合、フィルタ24は、第1面15aに配置されていてもよい。
1…蓄電装置、4…蓄電モジュール、5…導電板(押圧部材、冷却部材)、52…突出部、11…電極積層体(積層体)、12…電極ユニット、14…バイポーラ電極、15a…第1面、15c…周縁部、15e…フィルタエリア、15f…外側エリア、18…負極終端電極、19…正極終端電極、21…樹脂枠、21f…注入口、23a…第5面(頂部)、24…フィルタ、24a…頂部、D…積層方向(第1方向)、D1…第1距離、D2…第2距離、D3…第3距離、V…内部空間。

Claims (6)

  1. シート状の電極と、前記電極の周縁部に設けられ、電解液の注入口が形成された樹脂枠と、前記注入口に対応する位置において前記樹脂枠の内側に配置されたフィルタと、を含み第1方向に積層された複数の電極ユニットを有する積層体を用意する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記第1方向に沿って隣接する一対の前記電極及び前記樹脂枠によって形成された内部空間に、前記注入口を介して前記電解液を注入する第2工程と、
    前記第2工程の後、前記第1方向に沿って前記積層体を押圧する第3工程と、
    を備え、
    前記電極は、前記第1方向における前記電極の一方側において前記内部空間の内面を形成すると共に、前記フィルタが配置されたフィルタエリアを含む第1面を含み、
    前記第2工程においては、前記フィルタエリアにおける前記第1面と前記第1面に対向する前記電極との間の第1距離が、前記フィルタエリアにおける前記第1面から前記フィルタの頂部までの第2距離よりも大きい状態を維持しながら前記電解液を注入し、
    前記第3工程においては、前記第1距離と前記第2距離との差が前記電解液の注入時よりも小さくなるように前記積層体を押圧する、
    蓄電モジュールの製造方法。
  2. 前記第1面は、前記フィルタエリアの外側に位置する外側エリアを含み、
    前記第1工程においては、前記外側エリアにおける前記第1面から前記樹脂枠の頂部までの第3距離が前記第2距離よりも大きくなるように前記積層体を用意し、
    前記第3工程においては、前記第1方向から見て前記フィルタエリア及び前記外側エリアに重複すると共に、前記フィルタエリアに対応する位置において前記フィルタ側に突出する突出部が設けられた押圧部材を用いて、前記積層体を押圧する、
    請求項1に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  3. 前記第1面は、前記フィルタエリアの外側に位置する外側エリアを含み、
    前記第1工程においては、前記外側エリアにおける前記第1面から前記樹脂枠の頂部までの第3距離が前記第2距離と等しくなるように、且つ、前記第1距離が前記第3距離及び前記第2距離よりも大きくなるように前記積層体を用意し、
    前記第3工程においては、前記第1方向から見て前記フィルタエリア及び前記外側エリアに重複する押圧部材を用いて、前記第1距離と前記第3距離とが等しくなるように前記積層体を押圧する、
    請求項1に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  4. 前記第1面は、前記フィルタエリアの外側に位置する外側エリアを含み、
    前記第1工程においては、前記外側エリアにおける前記第1面から前記樹脂枠の頂部までの第3距離が前記第2距離よりも小さくなるように前記積層体を用意し、
    前記第3工程においては、前記第1方向から見て前記フィルタエリア及び前記外側エリアに重複する押圧部材を用いて、前記第1距離と前記第3距離とが等しくなるように前記積層体を押圧する、
    請求項1に記載の蓄電モジュールの製造方法。
  5. 請求項1~4の何れか一項に記載の蓄電モジュールの製造方法によって複数の前記蓄電モジュールを製造するモジュール工程と、
    前記モジュール工程の後、複数の前記蓄電モジュールを互いに積層して一体化することにより蓄電装置を構成する装置工程と、
    を備え、
    前記第3工程においては、前記蓄電モジュールを冷却するための冷却部材を押圧部材として用いて前記積層体を押圧し、
    前記装置工程においては、前記蓄電モジュールと前記冷却部材とを交互に積層して一体化する、
    蓄電装置の製造方法。
  6. 内部空間が形成された積層体と、前記内部空間に収容された電解液と、を有し第1方向に積層された複数の蓄電モジュールと、
    前記蓄電モジュールと交互に積層されて一体化され、前記蓄電モジュールを冷却するための冷却部材と、を備え、
    前記積層体は、シート状の電極と、前記電極の周縁部に設けられ、前記電解液の注入口が形成された樹脂枠と、前記注入口に対応する位置において前記樹脂枠の内側に配置されたフィルタと、を含み前記第1方向に積層された複数の電極ユニットを有し、
    前記内部空間は、前記第1方向に沿って隣接する一対の前記電極及び前記樹脂枠によって形成されており、
    前記冷却部材は、前記第1方向から見て前記フィルタに重複すると共に前記フィルタに対応する位置において前記フィルタ側に突出するように設けられた突出部を有し、
    前記積層体は、前記冷却部材によって押圧されている、
    蓄電装置。
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