JP7054194B2 - チタン酸アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents
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(項目1)
チタン化合物によって被覆された水酸化アルミニウム粉末、又は、チタン化合物によって被覆された擬ベーマイト粉末を焼成する、
ことを特徴とするチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。
(項目2)
焼成温度が1300℃~1500℃である、
項目1に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。
(項目3)
前記チタン化合物は、硫酸チタニル、四塩化チタン又はオルトチタン酸テトライソプロピルから生成される、
項目1又は2に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。
(項目4)
前記水酸化アルミニウム粉末又は擬ベーマイト粉末と前記チタン化合物との配合割合は、Al2O3とTiO2とのモル比(Al2O3/TiO2)が0.6~1.1となるよう調整される、
項目1から3のいずれか1項に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。
(項目5)
前記チタン酸アルミニウム粉末は、金属溶湯用部材として使用される、
項目1から4のいずれか1項に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。
[実施例1]
(1)軟水350mLの入ったビーカに、硫酸チタニル(n=1.5として計算)を62.5g投入し、硫酸チタニルが軟水に完全に溶解してビーカ内の液体が透明になるまで撹拌した。
(2)上記(1)で作製した硫酸チタニル水溶液に水酸化アルミニウム粉末(日本軽金属株式会社製、BF013)を45.5g投入し、前駆体溶液とした。なお、水酸化アルミニウム粉末と硫酸チタニルの質量は、Al2O3とTiO2のモル比が1:1となるよう決定した。
(3)上記(2)で得られた前駆体溶液を80℃で20.5時間撹拌した。この工程において、表面が酸化チタンで被覆された水酸化アルミニウム粉末のスラリーが得られる。
(4)上記(3)で得られたスラリーに、pH調整剤としてアンモニア水(濃度28wt%)を、pHが5になるまで添加した。
(5)上記(4)で得られたスラリーを、吸引濾過により、濾液の電気伝導度が30mS/m以下になるまで軟水で洗浄した。
(6)上記(5)で得られたスラリーを120℃で15時間乾燥した。
(7)上記(6)で得られた粉末を乳鉢または小型粉砕機で解砕し、酸化チタンによって被覆された水酸化アルミニウム粉末を作製した。
(8)上記(7)で得られた粉末を耐熱容器に入れ、当該耐熱容器を電気炉に入れ、200℃/hの昇温速度で室温から1350℃まで昇温し、1350℃で5時間保持し、その後電気炉内で自然冷却した。
(9)上記(8)で得られた粉末を乳鉢または小型粉砕機で解砕し、本発明のチタン酸アルミニウム粉末を得た。
焼成温度を1300℃に変更した以外、実施例1と同じ手順及び条件で実験した。
実施例1の水酸化アルミニウム粉末を水酸化アルミニウム粉末(住友化学株式会社製、C‐301N)に変更した以外、実施例1と同じ手順及び条件で実験した。
実施例1の水酸化アルミニウム粉末を水酸化アルミニウム粉末(住友化学株式会社製、CL‐303)に変更した以外、実施例1と同じ条件で実験した。
実施例1の水酸化アルミニウム粉末を擬ベーマイト粉末(富田製薬株式会社、AD-220T)37.6g(n=1.5として計算)に変更した以外、実施例1と同じ手順及び条件で実験した。
(1)水酸化アルミニウム粉末(日本軽金属株式会社製、BF013)3.9gと、アナターゼ型酸化チタン粉末(関東化学株式会社製、試薬)2.0gとを混合し、混合粉末を作製した。なお、水酸化アルミニウム粉末とアナターゼ型酸化チタン粉末の質量は、Al2O3とTiO2のモル比が1:1となるよう決定した。
(2)上記(1)で得られた混合粉末を耐熱容器に入れ、当該耐熱容器を電気炉に入れ、200℃/hの昇温速度で室温から焼成温度である1350℃まで昇温し、1350℃で5時間保持し、その後電気炉内で自然冷却した。
比較例1の水酸化アルミニウム粉末を水酸化アルミニウム粉末(住友化学株式会社製、CL‐303)に変更した以外、比較例1と同じ手順及び条件により実験を行った。
比較例1の水酸化アルミニウム粉末を擬ベーマイト粉末(富田製薬株式会社、AD-220T、n=1.5として計算)3.2gに変更した以外、比較例1と同じ手順及び条件により実験を行った。
比較例1の水酸化アルミニウム粉末をα-アルミナ粉末(関東化学株式会社製)2.55gに変更した以外、比較例1と同じ手順及び条件により実験を行った。
市販のチタン酸アルミニウム粉末(ASONE株式会社製)を使用した。
[X線回折測定]
(1)粉末X線回折測定装置(装置名:BRUKER AXS製 D2 PHASER、X線:CuKα線)を用いて、X線回折パターンから生成物を同定した。
(2)粉末X線回折測定装置に付属した定量分析ソフトTOPASを用い、X線回折パターンのピーク強度から、チタン酸アルミニウムの生成割合(質量%)を求めた(表1参照)。
(1)エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を搭載した走査型電子顕微鏡(装置名:日本電子株式会社製 JSM-7500FA)を使用して、実施例1及び比較例1の焼成前の粉末を観察し、酸化チタンによる水酸化アルミニウム粒子の被覆状態を調べた。実施例1の粉末について、走査型電子顕微鏡に付属の計測ツールを使用して、水酸化アルミニウム粒子を被覆している酸化チタンの長径を測定した。
(2)SEMにより、実施例1、実施例4及び実施例5において作製されたチタン酸アルミニウム粉末を観察した。
(3)EDSにより、実施例1~5及び比較例5のチタン酸アルミニウム粉末中の元素比を測定した。EDSの元素マッピング測定は、視野倍率:3000倍、加速電圧:15kV、積算回数:50回の条件で行った。測定されたAl濃度はすべてAl酸化物中のAlによるものであり、測定されたTi濃度はすべてTi酸化物中のTiによるものであると考え、Al酸化物とTi酸化物の質量割合を算出した(表2参照)。
透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JEM-2100)を用いて、実施例1の焼成前の粉末の断面を観察した。まず、エポキシ樹脂中に、酸化チタンによって被覆された水酸化アルミニウム粉末を埋め込み、イオンスライサ(日本電子株式会社製 EM-09100IS)を用いて切断して、粒子断面を露出させた。透過型電子顕微鏡付属の計測ツールを使用して、水酸化アルミニウム粒子を被覆している酸化チタン層の厚みを計測した。
Claims (5)
- チタン化合物によって被覆された水酸化アルミニウム粉末、又は、チタン化合物によって被覆された擬ベーマイト粉末を焼成する、
ことを特徴とするチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。 - 焼成温度が1300℃~1500℃である、
請求項1に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。 - 前記チタン化合物は、硫酸チタニル、四塩化チタン又はオルトチタン酸テトライソプロピルから生成される、
請求項1又は2に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。 - 前記水酸化アルミニウム粉末又は擬ベーマイト粉末と前記チタン化合物との配合割合は、Al2O3とTiO2とのモル比(Al2O3/TiO2)が0.6~1.1となるよう調整される、
請求項1から3のいずれか1項に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。 - 前記チタン酸アルミニウム粉末は、金属溶湯用部材として使用される、
請求項1から4のいずれか1項に記載のチタン酸アルミニウム粉末の製造方法。
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DE3827646A1 (de) * | 1988-08-16 | 1990-02-22 | Bayer Ag | Sinterbares rohstoffpulver auf basis von aluminiumtitanat, verfahren zu seiner herstellung sowie daraus hergestellte sinterformkoerper und deren verwendung |
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