JP7054123B2 - ひずみ計測装置及びひずみ計測方法 - Google Patents

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Description

本開示は、応力発光体の発光現象に基づいて応力発光体のひずみを計測するひずみ計測装置及びひずみ計測方法に関する。
応力発光体の発光現象に基づいて応力発光体のひずみを計測することにより、応力発光体が塗布或いは混入された試料や構造物等のひずみを解析する技術が知られている。応力発光体は、エネルギー状態が高められるとエネルギーを放出して発光する部材であり、外部から機械的な力が与えられると、内部に生じる応力に応じて発光する。応力発光体の発光強度(輝度)とひずみ量とに相関があることから、カメラ等の撮像装置で応力発光体を撮像し、応力発光体の輝度から応力発光体のひずみを計測することができる。
特開2010-190865号公報(特許文献1)は、このような応力発光体の発光現象に基づいて応力発光体のひずみパターン(ひずみ量及びひずみ速度)を精度よく解析可能な応力発光解析装置を開示する。この応力発光解析装置では、応力発光体に生じた応力発光の強度と増加率(時間変化率)とを含むパラメータによって発光パターンが特定され、特定された発光パターンを用いて応力発光体のひずみパターンが算出される(特許文献1参照)。
特開2010-190865号公報
応力発光体の発光強度(輝度)は、応力発光体の塗布量或いは混入量によって変化する。たとえば、応力発光体が試料等に塗布される場合、応力発光体の厚みが厚いほど、発光強度が高くなる。したがって、撮像装置により撮像された応力発光体の輝度から応力発光体のひずみを正確に計測するためには、応力発光体が均一に塗布されていることが望ましい。しかしながら、試料の形状や試料表面の状態等によっては、応力発光体を均一に塗布することが困難な場合もある。上記の特許文献1では、このような問題について特に検討されていない。
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、応力発光体の塗布量或いは混入量が不均一であっても、応力発光体のひずみを精度よく計測可能なひずみ計測装置及びひずみ計測方法を提供することである。
本開示におけるひずみ計測装置は、応力発光体の発光現象に基づいて応力発光体のひずみを計測するひずみ計測装置であって、光源と、検知装置と、処理装置とを備える。光源は、応力発光体を所定状態に励起するための励起光を発生する。検知装置は、応力発光体が発する光を検知するように構成される。処理装置は、応力発光体に力が加えられたときの応力発光体の発光パターンと、所定状態に励起された後の応力発光体の残光量とに基づいて、応力発光体に力が加えられたときの応力発光体のひずみを算出するように構成される。
また、本開示におけるひずみ計測方法は、応力発光体の発光現象に基づいて応力発光体のひずみを計測するひずみ計測方法であって、応力発光体に励起光が照射されることによって所定状態に励起された後の応力発光体の残光量を取得するステップと、応力発光体に力が加えられたときの応力発光体の発光パターンを取得するステップと、取得された発光パターンと残光量とに基づいて、応力発光体に力が加えられたときの応力発光体のひずみを算出するステップとを含む。
応力発光体は、励起光の照射終了後も発光し、時間の経過とともに発光量が減少する(残光)。この残光量も、応力発光体の塗布量或いは混入量によって変化する。たとえば、応力発光体が試料に塗布される場合、応力発光体の厚みが厚いほど残光も大きくなる。そこで、本開示におけるひずみ計測装置及びひずみ計測方法では、応力発光体に力が加えられたときの発光パターンだけでなく、応力発光体の残光量も考慮して応力発光体のひずみが算出される。これにより、発光パターンに基づく応力発光体のひずみの算出に、応力発光体の塗布量或いは混入量を考慮することができる。したがって、このひずみ計測装置及びひずみ計測方法によれば、応力発光体の塗布量或いは混入量が不均一であっても、応力発光体のひずみを精度よく計測することが可能となる。
処理装置は、発光パターン及び残光量とひずみとの関係について、残光量が互いに異なる複数の標準試料を用いて予め求められた上記関係を記憶する記憶部を含んでもよい。そして、処理装置は、記憶部に記憶された上記関係を用いて、残光量と応力発光体に力が加えられたときの発光パターンとから応力発光体のひずみを算出してもよい。
このひずみ計測装置においては、複数の標準試料を用いて、標準試料毎に異なる残光量及び種々の発光パターンとひずみとの関係が予め求められ、この関係を用いて、計測対象の残光量と計測対象に外力が加えられたときの発光パターンとから、計測対象のひずみが算出される。したがって、このひずみ計測装置によれば、上記の関係を用いて、応力発光体のひずみを簡易に精度よく計測することができる。
処理装置は、発光パターンとひずみとの関係について、標準試料を用いて予め求められた上記関係を記憶する記憶部を含んでもよい。そして、処理装置は、標準試料の残光量と計測対象の応力発光体の残光量との比を算出し、その算出された比を用いて、応力発光体に力が加えられたときの発光パターンを補正し、記憶部に記憶された上記関係を用いて、補正された発光パターンから応力発光体のひずみを算出してもよい。
このひずみ計測装置においては、1つの標準試料を用いて、種々の発光パターンとひずみとの関係が予め求められる。そして、標準試料の残光量と計測対象の残光量との比を用いて、応力発光体に力が加えられたときの発光パターンが補正され、その補正された発光パターンから計測対象のひずみが算出される。このひずみ計測装置によれば、発光パターンからひずみを算出するための関係を求めるのに1つの標準試料を準備すればよいので、上記関係を求めるためのコスト及び時間を低減することができる。
発光パターンは、応力発光体に力が加えられたときの発光量から残光量を差引くことによって得られる応力発光量の大きさと時間変化率とにより特定されてもよい。
応力発光体のひずみは、応力発光量の大きさだけでなく、その時間変化率にも依存する。このひずみ計測装置によれば、応力発光量の大きさと時間変化率とにより特定される発光パターンを用いてひずみを算出するので、応力発光体のひずみを精度よく計測することができる。
本開示におけるひずみ計測装置及びひずみ計測方法によれば、応力発光体の塗布量或いは混入量が不均一であっても、応力発光体のひずみを精度よく計測することができる。
本開示の実施の形態1に従うひずみ計測装置の全体構成を示す図である。 試料に塗布された応力発光体の一例を示す図である。 撮像装置により撮像された応力発光体の輝度の推移例を示す図である。 応力発光体の応力発光量の推移を示す図である。 応力発光量の大きさと応力発光体のひずみとの関係を定性的に示す図である。 応力発光量の時間変化率と応力発光体のひずみとの関係を定性的に示す図である。 図2に示す応力発光体の断面の一部を示す図である。 応力発光体の塗布量(厚み)と発光量(輝度)との関係を定性的に示す図である。 応力発光体の塗布量(厚み)と残光量(輝度)との関係を定性的に示す図である。 応力発光体の輝度の推移例を示す図である。 図1に示す処理装置により実行されるひずみ算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図11のステップS110において実行される残光データ取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図11のステップS120において実行される応力発光データ取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図11のステップS130において実行されるひずみ量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 応力発光体のひずみを算出するためのひずみ算出モデルの導出方法を説明するフローチャートである。 実施の形態2において、図11のステップS130において実行されるひずみ量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2で用いられるひずみ算出モデルの導出方法を説明するフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本開示の実施の形態1に従うひずみ計測装置の全体構成を示す図である。このひずみ計測装置は、応力発光体の発光現象に基づいて応力発光体のひずみを計測する。応力発光体は、外部からエネルギーが与えられると発光する物体であり、代表的には、ユウロピウム添加アルミン酸ストロンチウムや、マンガン添加硫化亜鉛等を添加した粉末状のセラミック微粒子である。この粉末状の微粒子をたとえば塗料に含ませて対象物に塗布することにより、応力が生じた箇所の微粒子が発光し、その発光強度(輝度)からひずみが計測される。
図1を参照して、ひずみ計測装置10は、光源20と、撮像装置30と、処理装置40と、記憶装置50と、表示装置60とを備える。
光源20は、応力発光体を励起するための励起光を発生する。応力発光体は、励起光が照射されることにより所定状態に励起される。ひずみが生じた応力発光体を撮像装置30で撮像可能な程度に発光させるためには、応力発光体に励起光を照射してエネルギー状態を高めておくことが有効であり、応力発光体に外力を加える前に光源20により応力発光体に励起光が照射される。応力発光体の励起状態によって、応力発光体に外力を付与したときの発光強度が異なるため、光源20による励起光の照射エネルギー及び照射時間は一定とされる。これにより、応力発光体は一定状態に励起される。光源20には、たとえばLED(Light Emitting Diode)を用いることができる。
撮像装置30は、応力発光体が発する光を撮像するための装置である。撮像装置30は、応力発光体の発光強度を検知し、発光強度に応じた輝度を処理装置40へ出力する。この撮像装置30は、応力発光体が発する光を検知する「検知装置」に相当する。なお、検知された発光強度の輝度への変換は、処理装置40において行なってもよい。撮像装置30には、たとえばCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いることができる。
処理装置40は、CPU(Central Processing Unit)42と、メモリ44と、各種信号を入出力するための入出力バッファ46とを含んで構成される。CPU42は、ハードディスクやソリッドステートディスク等の外部記憶装置(記憶装置50でもよい。)に格納されているプログラムをメモリ44に展開して実行する。外部記憶装置に格納されるプログラムは、処理装置40の処理手順が記されたプログラムである。処理装置40は、これらのプログラムに従って、ひずみ計測装置10における各種制御を実行する。この制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。処理装置40によって実行される主要な処理については、後ほど詳しく説明する。
記憶装置50は、撮像装置30によって撮像された画像のデータや、処理装置40により算出される応力発光体のひずみの分布を示す画像(ひずみ画像)のデータを記憶する。また、記憶装置50は、応力発光体のひずみ量を算出するためのひずみ算出モデルを記憶する。画像データを記憶する記憶装置と、ひずみ算出モデルを記憶する記憶装置とは、個別に設けてもよい。記憶装置50には、たとえばハードディスクやソリッドステートディスク等を用いることができる。
表示装置60は、上記の撮像画像やひずみ画像等を表示するディスプレイである。表示装置60は、ユーザの指示に従って、撮像画像やひずみ画像のデータを記憶装置50から受けて表示する。表示装置60は、たとえば、ユーザが操作可能なタッチパネルを備えるディスプレイによって構成される。
図2は、試料に塗布された応力発光体の一例を示す図である。図2を参照して、応力発光体100は、たとえば、塗料の状態にしてエアブラシや刷毛等により試料110に塗布される。中央の丸部は、試料110及び応力発光体100に形成された孔である。なお、応力発光体100は、樹脂等に混入させて試料110に貼り付ける等してもよい。
以下では、応力発光体100は、図2に示されるように塗料の状態にして試料110に塗布されるものとし、試料110に引張力を付与した場合の応力発光体100のひずみ(ひいては試料110のひずみ)が計測されるものとする。
図3は、撮像装置30により撮像された応力発光体100の輝度の推移例を示す図である。輝度は、応力発光体100の発光強度に比例するため、この図は、応力発光体100の発光強度の推移を表わす。また、この図では、撮像装置30のある1画素に対応する輝度が示されている。すなわち、この図は、撮像装置30のある1画素に対応する部位の発光強度(輝度)の推移を表わしている。
図3を参照して、時刻t0において、光源20による励起光の照射が終了したものとする。励起光の照射が終了すると、応力発光体100は発光することでエネルギーを放出し、時間の経過とともに輝度は低下する。
時刻t1において、図2に示したような引張力が試料110に付与されることにより、応力発光体100に外力(機械的エネルギー)が付与される。なお、試料110に付与する力は、試料110を塑性変形させるものではなく、試料110は弾性変形をするものとする。すなわち、引張力が付与されてひずみが生じた試料110は、力が除去されると、力を付与する前の状態に復帰する。
外力が付与されると、応力発光体100の発光強度が増加し、輝度が高くなる(実線k1)。なお、以下では、外力を受けて応力が生じたことによる発光を「応力発光」と称し、応力発光による輝度の増分を「応力発光量(輝度)」と称する場合がある。
そして、時刻t2において外力が除去されると、輝度は、再び時間の経過とともに低下する。なお、点線k2は、試料110に引張力が付与されない場合、すなわち、応力発光体100に外力が付与されない場合の輝度の推移を示す。この点線k2は、応力発光体100の残光量(輝度)を示すものである。
図4は、応力発光体100の応力発光量の推移を示す図である。応力発光量は、応力発光体100に外力を付与したときの全発光量(輝度)から残光量(輝度)を差引くことによって得られ、図3に示した点線k2をベースとした場合の実線k1の推移に相当する。
図4を参照して、時刻t1において外力が付与されると、応力発光量が増加し、時刻t2において外力が除去された後は、応力発光量は時間の経過とともに減少する。
図5は、応力発光量の大きさと応力発光体100のひずみとの関係を定性的に示す図である。図5において、横軸は、応力発光量(輝度)を示し、縦軸は、応力発光体100のひずみを示す。
図5を参照して、励起光によって応力発光体100が一定状態に励起され、応力発光量の時間変化率(輝度変化率)が一定であるとの条件下では、応力発光量が大きいほど応力発光体100のひずみも大きい。
図6は、応力発光量の時間変化率と応力発光体100のひずみとの関係を定性的に示す図である。図6において、横軸は、応力発光量の時間変化率である輝度変化率を示し、縦軸は、応力発光体100のひずみを示す。
図6を参照して、励起光によって応力発光体100が一定状態に励起され、応力発光量の大きさが一定であるとの条件下では、輝度変化率が大きいほど応力発光体100のひずみは小さい。
図5,図6に示されるように、応力発光体100のひずみは、応力発光量の大きさに依存するとともに、応力発光量の時間変化率にも依存する。そこで、たとえば、応力発光体が塗布された標準試料を用いて、種々の条件で標準試料に力を加えたときの発光パターン(応力発光量の大きさ及び時間変化率)とひずみとの関係を予め求めておき、その関係を用いて、応力発光体100に力が加えられたときの発光パターンから応力発光体100のひずみを算出することが可能である。
ここで、応力発光体の発光強度(輝度)は、応力発光体の塗布量によって変化する。たとえば、応力発光体の厚みが厚いほど発光強度が高くなる。したがって、撮像装置30により撮像された応力発光体100の輝度からひずみを正確に計測するためには、応力発光体100が試料110に一定量でかつ均一に塗布されている必要がある。しかしながら、現実的には、応力発光体100を試料110に一定量でかつ均一に塗布することが困難な場合もある。
図7は、図2に示した応力発光体100の断面の一部を示す図である。図7を参照して、応力発光体100は、試料110上に均一に塗布することができておらず、厚みが不均一となっている。たとえば、ある箇所の厚みはT1であり、別の箇所の厚みはT2(T2>T1)である。このような厚みの違いによって、応力発光体100の発光強度が異なる。具体的には、応力発光体100に一様のひずみが生じている場合、或いは応力発光体100に一様の励起光が照射された場合、厚みがT2の部位の発光強度は、厚みがT1の部位の発光強度よりも高くなる。
図8は、応力発光体100の塗布量(厚み)と発光量(輝度)との関係を定性的に示す図である。図8を参照して、励起光によって応力発光体100が一定状態に励起される条件下では、塗布量が多いほど発光量は多くなる。
図9は、応力発光体100の塗布量(厚み)と残光量(輝度)との関係を定性的に示す図である。図9を参照して、励起光によって応力発光体100が一定状態に励起され、残光量の測定時刻が一定(以下「規定時刻」と称する。)の条件下では、塗布量が多いほど残光量も大きくなる。
図10は、応力発光体100の輝度の推移例を示す図である。図10において、線k3は、応力発光体100の塗布量(厚み)が少ない部位(たとえば図7の厚みT1の部位)の輝度の推移を示し、線k4は、塗布量が多い部位(たとえば図7の厚みT2の部位)の輝度の推移を示す。
図10を参照して、塗布量によって応力発光体100の発光パターンも異なる。具体的には、応力発光体100の塗布量が多いほど、応力発光量の大きさも時間変化率も大きくなる。
そして、塗布量によって応力発光体100の残光量(輝度)も異なる。具体的には、塗布量が多いほど輝度が全体的に高いことからも推測できるように、応力発光体100の塗布量が多いほど、応力発光体100の残光量も多くなる。
そこで、本実施の形態1に従うひずみ計測装置10では、応力発光体100に力が加えられたときの発光パターンだけでなく、応力発光体100の発光パターンと残光量とに基づいて、応力発光体100のひずみが算出される。具体的には、応力発光体の塗布量(厚み)が互いに異なる複数の標準試料を用いて、標準試料毎に異なる残光量及び種々の発光パターンとひずみとの関係を予め求めて記憶装置50に記憶しておき、その関係を用いて、応力発光体100の残光量と、応力発光体100に力が加えられたときの発光パターンとから、応力発光体100のひずみが算出される。
これにより、発光パターンに基づく応力発光体100のひずみの算出に、応力発光体100の塗布量(厚み)を考慮することができる。したがって、このひずみ計測装置10によれば、応力発光体100の塗布量が不均一であっても、応力発光体100のひずみを精度よく計測することが可能となる。以下、本実施の形態1におけるひずみの算出方法について、詳しく説明する。
図11は、図1に示した処理装置40により実行されるひずみ算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、撮像装置30の画素毎に実行される。画素毎に算出されるひずみが表示装置60へ出力されることによって、応力発光体100のひずみの分布を表示装置60に表示することができる。
図11を参照して、処理装置40は、まず、応力発光体100の残光量のデータを取得する残光データ取得処理を実行する(ステップS110)。残光データ取得処理の詳細については、後ほど図12を用いて説明する。
次いで、処理装置40は、試料110に引張力を付与することにより応力発光体100に力が加えられたときの発光量のデータ(応力発光データ)を取得する応力発光データ取得処理を実行する(ステップS120)。応力発光データ取得処理の詳細については、後ほど図13を用いて説明する。
そして、処理装置40は、ステップS110において取得された残光量のデータと、ステップS120において取得された応力発光データとから、応力発光体100のひずみ量を算出するひずみ量算出処理を実行する(ステップS130)。
ステップS130においてひずみ量が算出されると、処理装置40は、算出されたひずみ量を表示装置60へ出力する(ステップS140)。このようなひずみ算出処理が撮像装置30の画素毎に実行され、応力発光体100のひずみの分布が表示装置60に表示される。
図12は、図11のステップS110において実行される残光データ取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、上述のように図11のひずみ算出処理は撮像装置30の画素毎に実行されるので、このフローチャートに示される処理も、撮像装置30の画素毎に実行される。
図12を参照して、処理装置40は、光源20から応力発光体100へ励起光を照射するように光源20を制御する(ステップS210)。そして、処理装置40は、励起光の照射開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS220)。この所定時間は、励起光によって応力発光体100が所定のエネルギー状態まで高められるのに必要な時間であり、たとえば、光源20から出力される励起光の強度及び応力発光体100の種類によって決定される。
ステップS220において所定時間が経過したものと判定されると(ステップS220においてYES)、処理装置40は、光源20から応力発光体100への励起光の照射を終了するように光源20を制御する(ステップS230)。
励起光の照射が終了すると、残光データの取得が開始される。具体的には、撮像装置30の露光時間(たとえば100ミリ秒)毎に、撮像装置30によって応力発光体100の発光強度が検知され、発光強度に応じた輝度が処理装置40へ出力される。
そして、処理装置40は、励起光の照射終了から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS240)。この所定時間は、応力発光体100からの残光量が規定レベルまで低下するのに必要な時間であり、たとえば、励起光による応力発光体100の励起状態及び応力発光体100の種類によって決定される。
ステップS240において所定時間が経過したものと判定されると(ステップS240においてYES)、処理装置40は、励起光の照射終了からの輝度データ(残光データ)を照射終了からの経過時間とともに時系列に記憶装置50に保存する(ステップS250)。上述のように、この図12に示される一連の処理は撮像装置30の画素毎に実行されるので、残光データも画素毎に取得されて記憶装置50に保存される。
図13は、図11のステップS120において実行される応力発光データ取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理も、図12に示した残光データ取得処理と同様に撮像装置30の画素毎に実行される。
図13を参照して、ステップS310~S330の処理は、それぞれ図12に示したステップS210~S230の処理と同じである。
ステップS330において励起光の照射が終了すると、応力発光データの取得が開始される。具体的には、撮像装置30の露光時間(たとえば100ミリ秒)毎に、撮像装置30によって応力発光体100の発光強度が検知され、発光強度に応じた輝度が時系列に処理装置40へ出力される。
この応力発光データ取得処理では、ステップS330において励起光の照射が終了すると、処理装置40は、励起光の照射終了から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS340)。この所定時間は、応力発光体100に外力を付与するタイミングを規定するものであり、図3,図10に示される時刻t0~t1の時間に相当する。
ステップS340において所定時間が経過したものと判定されると(ステップS340においてYES)、処理装置40は、試料110に力(たとえば引張力)を加えることによって応力発光体100に外力を付与するための処理を実行する(ステップS350)。外力の付与は、図3,図10に示される時刻t1~t2に相当する時間Δtの間行なわれる。
そして、処理装置40は、外力の付与が行なわれてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS360)。この所定時間は、応力発光体100の輝度が規定レベルまで低下するのに必要な時間である。
ステップS360において所定時間が経過したものと判定されると(ステップS360においてYES)、処理装置40は、励起光の照射終了からの輝度データ(応力発光データ)を照射終了からの経過時間とともに時系列に記憶装置50に保存する(ステップS370)。上述のように、この図13に示される一連の処理は撮像装置30の画素毎に実行されるので、応力発光データも画素毎に取得されて記憶装置50に保存される。
図14は、図11のステップS130において実行されるひずみ量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理も、上述の残光データ取得処理(図12)及び応力発光データ取得処理(図13)と同様に撮像装置30の画素毎に実行される。
図14を参照して、処理装置40は、応力発光データ取得処理(図13)により取得された応力発光データ(輝度)と、残光データ取得処理(図12)により取得された残光データ(輝度)とを記憶装置50から時系列順に読出すためのカウンタiを1とする(ステップS410)。
次いで、処理装置40は、応力発光データ取得処理により取得されたi番目の応力発光データ(輝度)と、残光データ取得処理により取得されたi番目の残光データ(輝度)とを記憶装置50から読出し、応力発光データと残光データとの差分(すなわち応力発光量)を算出する(ステップS420)。
次いで、処理装置40は、ステップS420において算出された応力発光量の変化率(前回値との差分)を算出する(ステップS430)。なお、i=1のときは、変化率は0とする。
次いで、処理装置40は、取得された発光パターン(ステップS420において算出された応力発光量の大きさ、及びステップS430において算出された輝度変化率)と、励起光照射終了後の規定時刻における残光量とに基づいて、記憶装置50に記憶されたひずみ算出モデルを用いてひずみ量を算出する(ステップS440)。
ひずみ算出モデルは、上述した、応力発光体の発光パターン及び残光量とひずみ量との関係を規定するものである。上述のように、ひずみ算出モデルは、この応力発光体100のひずみ計測に先立って、応力発光体の塗布量(厚み)が互いに異なる複数の標準試料を用いて予め求められ、記憶装置50に記憶されている。ひずみ算出モデルの導出方法については、後ほど図15を用いて説明する。
ステップS440においてひずみ量が算出されると、処理装置40は、算出されたひずみ量を記憶装置50に保存する(ステップS450)。その後、処理装置40は、応力発光データ及び残光データが終了したか否かを判定し、未演算のデータがまだ残っていれば(ステップS460においてNO)、カウンタiをカウントアップして(ステップS470)、ステップS420へ処理を戻す。なお、未演算のデータが残っていなければ(ステップS460においてYES)、エンドへと処理が移行される。
図15は、応力発光体100のひずみを算出するためのひずみ算出モデルの導出方法を説明するフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、図11に示したひずみ算出処理が実行される前に予め実行され、導出されたひずみ算出モデルは、図14のステップS440において用いられる。
図15を参照して、この実施の形態1では、応力発光体が塗布された複数の標準試料が準備される(ステップS510)。各標準試料は、応力発光体の塗布量(厚み)が均一であり、かつ、互いの塗布量(厚み)が異なるように構成されているものである。
次いで、ステップS520~S550の処理が標準試料毎に実施される。具体的には、ステップS520において、標準試料の残光量を示す残光データが取得される。残光データの取得は、図12に示した残光データ取得処理と同じ手順によって行なわれる。なお、標準試料の残光データは、撮像装置30の画素毎に取得する必要はなく、全画素の平均値であってもよいし、ある画素に基づく残光データを代表値としてもよい。
続いて、ステップS530~S550において、標準試料にたとえば引張力を付与することによって応力発光体に外力が付与された場合に、応力発光体に実際に生じるひずみが測定される。このステップS530~S550の処理は、力を付与する速度(標準試料の引張速度)を変えて複数パターン実施される。
具体的には、ステップS530において、標準試料をある引張力で引っ張ることにより応力発光体に外力が付与され、応力発光体の発光量を示す応力発光データが取得される。この応力発光データの取得は、図13に示した応力発光データ取得処理と同じ手順によって行なわれる。なお、この応力発光データも、残光データと同様に撮像装置30の画素毎に取得する必要はなく、全画素の平均値であってもよいし、ある画素に基づく応力発光データを代表値としてもよい。
次いで、ステップS540において、ステップS530において取得された応力発光データと、ステップS520において取得された残光データとを用いて発光パターン(応力発光量及び輝度変化率)が算出される。この発光パターンの算出は、図14に示したひずみ量算出処理のステップS420,S430と同じ手順によって行なわれる。
さらに、ステップS550において、ひずみゲージ(図示せず)の測定値が取得される。すなわち、標準試料については、実際のひずみ量を測定するためのひずみゲージが設けられており、ステップS530において外力が付与されたときの実際のひずみ量がひずみゲージによって測定される。
1つの標準試料に対して、外力の付与速度を変えてステップS530~S550の処理が複数パターン実施され、さらに、応力発光体の塗布量(厚み)が異なる標準試料毎に、ステップS520~S550の処理が実施される。これにより、発光パターン及び残光量とひずみ(測定値)との関係が多数得られる。
そして、ステップS560において、ステップS520~S550の処理によって得られた多数のデータを用いて、発光パターン(応力発光量及び輝度変化率)及び規定時刻における残光量(輝度)とひずみとの関係を示すひずみ算出モデルが導出される。なお、このひずみ算出モデルは、回帰分析に基づく回帰式であってもよいし、得られたデータに基づくマップやテーブル等であってもよい。なお、規定時刻は、任意の時刻でよいが、ひずみ算出モデルを導出する際の規定時刻(ステップS560)と、当該モデルを用いてひずみを算出する際の規定時刻(図14のステップS440)とは、同じ時刻(タイミング)にする必要がある。そして、導出されたひずみ算出モデルは、記憶装置50に記憶される。
上記のようにして導出されるひずみ算出モデルは、応力発光体の塗布量に依存する残光量をパラメータに含むものであるから、このひずみ算出モデルを用いてひずみを算出することにより、応力発光体の塗布量が変化してもひずみを正確に算出することができる。
なお、上記では、応力発光体は、塗料の状態にして試料に塗布されるものとしたが、応力発光体が混入された樹脂等の試料についても、同様の手法でひずみを算出することができる。すなわち、応力発光体の混入量(濃度)によっても、応力発光体の発光量及び残光量(輝度)が異なるところ、応力発光体の混入量(濃度)が互いに異なる複数の標準試料を用いて、標準試料毎に異なる残光量及び種々の発光パターンとひずみとの関係を予め求めて記憶装置50に記憶しておき、その関係を用いて、計測対象である応力発光体100の残光量と、応力発光体100に力が加えられたときの発光パターンとから、応力発光体100のひずみを算出することができる。
以上のように、この実施の形態1においては、応力発光体100に力が加えられたときの発光パターンだけでなく、応力発光体100の残光量も考慮して応力発光体100のひずみが算出される。これにより、発光パターンに基づくひずみの算出に、応力発光体100の塗布量或いは混入量を考慮することができる。したがって、この実施の形態1によれば、応力発光体100の塗布量或いは混入量が不均一であっても、応力発光体100のひずみを精度よく計測することができる。
そして、この実施の形態1では、複数の標準試料を用いて、標準試料毎に異なる残光量及び種々の発光パターンとひずみとの関係が予め求められ、この関係を用いて、応力発光体100の残光量と外力が加えられたときの発光パターンとから、応力発光体100のひずみが算出される。したがって、この実施の形態1によれば、上記の関係を用いて、応力発光体100のひずみを簡易に精度よく計測することができる。
[実施の形態2]
上記の実施の形態1では、応力発光体の塗布量(厚み)が互いに異なる複数の標準試料を用いて、残光量(輝度)をパラメータに含むひずみ算出モデルが予め導出され、そのようなひずみ算出モデルを用いて、応力発光体100の残光量と発光パターンとからひずみを直接算出するものとした。
この実施の形態2では、残光量をパラメータに含まない従来相当のひずみ算出モデルが用いられる。そして、標準試料(この実施の形態2では1つ)の残光量と、計測対象の応力発光体100の残光量との比を用いて、応力発光体100に力が加えられたときの発光パターン(応力発光量及び輝度変化率)を補正し、補正された発光パターンに基づいて応力発光体100のひずみが算出される。この実施の形態2では、塗布量(厚み)が互いに異なる複数の標準試料を準備する必要がないので、ひずみ算出モデルを求めるためのコスト及び時間を低減することができる。
実施の形態2に従うひずみ計測装置の全体構成は、図1に示した実施の形態1のひずみ計測装置10と同じである。また、実施の形態2における処理装置40により実行されるひずみ算出処理の全体フローは、図11に示した実施の形態1のフローと同じである。この実施の形態2は、図11のステップS130におけるひずみ量算出処理の内容が実施の形態1と異なる。
図16は、実施の形態2において、図11のステップS130において実行されるひずみ量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、図14に示したフローチャートに対応するものであり、このフローチャートに示される処理も、撮像装置30の画素毎に実行される。
図16を参照して、処理装置40は、励起光の照射終了後の規定時刻における残光量について、標準試料の残光量に対する対象試料(応力発光体100)の残光量の比(強度比)を算出する(ステップS610)。なお、標準試料の残光量は、後述のひずみ算出モデルの導出処理(図17)において取得される。
そして、処理装置40は、応力発光データ取得処理(図11のステップS120)により取得された応力発光データ(輝度)と、残光データ取得処理(図11のステップS110)により取得された残光データ(輝度)とを記憶装置50から時系列順に読出すためのカウンタiを1とする(ステップS620)。
次いで、処理装置40は、応力発光データ取得処理により取得されたi番目の応力発光データ(輝度)と、残光データ取得処理により取得されたi番目の残光データ(輝度)とを記憶装置50から読出し、応力発光データと残光データとの差分(すなわち応力発光量)を算出する(ステップ630)。
次いで、処理装置40は、ステップS630において算出された応力発光量を、ステップS610において算出された強度比で補正する。具体的には、処理装置40は、ステップS630において算出された応力発光量を、ステップS610において算出された強度比で除算することにより、修正応力発光量を算出する(ステップS640)。
次いで、処理装置40は、ステップS640において算出された修正応力発光量の輝度変化率(前回値との差分)を算出する(ステップS650)。なお、i=1のときは、変化率は0とする。
そして、処理装置40は、ステップS640において算出された修正応力発光量、及びステップS650において算出された輝度変化率に基づいて、記憶装置50に記憶されたひずみ算出モデルを用いて応力発光体100のひずみを算出する(ステップS660)。
この実施の形態2におけるひずみ算出モデルは、応力発光体の発光パターン(応力発光量及び輝度変化率)とひずみとの関係を規定するものである。このひずみ算出モデルも、応力発光体100のひずみ計測に先立って、応力発光体の塗布量(厚み)が均一の1つの標準試料を用いて予め求められ、記憶装置50に記憶されている。ひずみ算出モデルの導出方法については、後ほど説明する。
ステップS660においてひずみ量が算出されると、処理装置40は、算出されたひずみ量を記憶装置50に保存する(ステップS670)。その後、処理装置40は、応力発光データ及び残光データが終了したか否かを判定し、未演算のデータがまだ残っていれば(ステップS680においてNO)、カウンタiをカウントアップして(ステップS690)、ステップS630へ処理を戻す。なお、未演算のデータが残っていなければ(ステップS680においてYES)、エンドへと処理が移行される。
図17は、実施の形態2で用いられるひずみ算出モデルの導出方法を説明するフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、図16に示したひずみ算出処理が実行される前に予め実行され、導出されたひずみ算出モデルは、図16のステップS660において用いられる。
図17を参照して、この実施の形態2では、応力発光体が塗布された1つの標準試料が準備される(ステップS710)。この標準試料は、応力発光体の塗布量(厚み)が均一に構成されているものである。
次いで、ステップS720において、標準試料の残光量を示す残光データが取得される。残光データの取得は、図12に示した残光データ取得処理と同じ手順によって行なわれる。
続いて、ステップS730~S750において、標準試料にたとえば引張力を付与することによって応力発光体に外力が付与された場合に、応力発光体に実際に生じるひずみが測定される。このステップS730~S750の処理は、力を付与する速度(標準試料の引張速度)を変えて複数パターン実施される。ステップS730~S750の処理は、それぞれ図15に示したステップS530~S550の処理と同じである。外力の付与速度を変えてステップS730~S750の処理が複数パターン実施されることにより、発光パターンとひずみ(測定値)との関係が多数得られる。
そして、ステップS760において、ステップS730~S750の処理によって得られた多数のデータを用いて、発光パターン(応力発光量及び輝度変化率)とひずみとの関係を示すひずみ算出モデルが導出される。なお、このひずみ算出モデルも、回帰分析に基づく回帰式であってもよいし、得られたデータに基づくマップやテーブル等であってもよい。そして、導出されたひずみ算出モデルは、記憶装置50に記憶される。
以上のように、この実施の形態2では、残光量を用いて対象試料の応力発光体100と標準試料との強度比が算出される。そして、その強度比に基づいて発光パターンが補正され、補正された発光パターンを用いてひずみ算出モデルによりひずみ量が算出される。この実施の形態2によれば、ひずみ算出モデルを導出するのに1つの標準試料を準備すればよいので、ひずみ算出モデルを導出するためのコスト及び時間を低減することができる。
なお、上記の実施の形態1,2では、図11のステップS120において、応力発光データを時系列順に取得して全データを記憶装置50に一旦保存し、その後、ステップS130において、時系列順にひずみ量を纏めて算出するものとしたが、時々刻々と応力発光データが取得されるタイミングでひずみ量を算出してもよい。すなわち、ステップS120において、時々刻々と応力発光データが取得される毎に、実施の形態1では、図14のステップS420~S450の処理を実行するようにしてもよいし、実施の形態2では、図16のステップS630~S670の処理を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態1,2では、図11のフローチャートに示される処理は、撮像装置30の画素毎に実行されるものとしたが、ステップS110において取得される残光データ、及びステップS120において取得される応力発光データは、所定の面積を有する領域における複数の画素の平均値であってもよい。そして、それらを用いて、ステップS130においてひずみ量を算出してもよい。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 計測装置、20 光源、30 撮像装置、40 処理装置、42 CPU、44 メモリ、46 入出力バッファ、50 記憶装置、60 表示装置、100 応力発光体、110 試料。

Claims (5)

  1. 応力発光体の発光現象に基づいて前記応力発光体のひずみを計測するひずみ計測装置であって、
    前記応力発光体を所定状態に励起するための励起光を発生する光源と、
    前記応力発光体が発する光を検知するように構成された検知装置と、
    前記応力発光体に力が加えられたときの前記応力発光体の発光パターンと、前記所定状態に励起された後の前記応力発光体の残光量とに基づいて、前記応力発光体に力が加えられたときの前記応力発光体のひずみを算出するように構成された処理装置とを備え
    前記残光量は、前記応力発光体が前記所定状態に励起された後、前記応力発光体に力が加えられない場合に時間の経過とともに低下する前記応力発光体の発光量である、ひずみ計測装置。
  2. 前記処理装置は、前記発光パターン及び前記残光量と前記ひずみとの関係について、前記残光量が互いに異なる複数の標準試料を用いて予め求められた前記関係を記憶する記憶部を含み、
    前記処理装置は、前記記憶部に記憶された前記関係を用いて、前記残光量と前記応力発光体に力が加えられたときの発光パターンとから前記応力発光体のひずみを算出する、請求項1に記載のひずみ計測装置。
  3. 前記処理装置は、前記発光パターンと前記ひずみとの関係について、標準試料を用いて予め求められた前記関係を記憶する記憶部を含み、
    前記処理装置は、
    前記標準試料の残光量と計測対象の応力発光体の残光量との比を算出し、
    算出された前記比を用いて、前記応力発光体に力が加えられたときの発光パターンを補正し、
    前記記憶部に記憶された前記関係を用いて、補正された発光パターンから前記応力発光体のひずみを算出する、請求項1に記載のひずみ計測装置。
  4. 前記発光パターンは、前記応力発光体に力が加えられたときの発光量から前記残光量を差引くことによって得られる応力発光量の大きさと時間変化率とにより特定される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のひずみ計測装置。
  5. 応力発光体の発光現象に基づいて前記応力発光体のひずみを計測するひずみ計測方法であって、
    前記応力発光体に励起光が照射されることによって所定状態に励起された後の前記応力発光体の残光量を取得するステップと、
    前記応力発光体に力が加えられたときの前記応力発光体の発光パターンを取得するステップと、
    取得された前記発光パターンと前記残光量とに基づいて、前記応力発光体に力が加えられたときの前記応力発光体のひずみを算出するステップとを含み、
    前記残光量は、前記応力発光体が前記所定状態に励起された後、前記応力発光体に力が加えられない場合に時間の経過とともに低下する前記応力発光体の発光量である、ひずみ計測方法。
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