JP7053999B2 - 情報処理装置、閉磁路演算方法、および閉磁路演算システム - Google Patents

情報処理装置、閉磁路演算方法、および閉磁路演算システム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、閉磁路演算方法、および閉磁路演算システムに関する。
永久磁石は、様々な工業製品に使用されている。永久磁石は、磁化という物理量を有する。永久磁石の磁化は、外部磁界を加えると変化する。外部磁界に応じた永久磁石の磁化の度合いは、磁化曲線で表される。すなわち、磁化曲線によって永久磁石の磁気特性が分かる。
なお永久磁石の磁化は、その永久磁石自身の磁化が作り出す磁界(反磁界)の影響を受ける。反磁界は、永久磁石の形状や測定環境によって値が変わるため、永久磁石の物性的な特性を表すものではない。永久磁石の反磁界の影響は、閉磁路の環境(磁力線が外部に漏れない環境)で磁化を測定することで排除できる。そこで、永久磁石の磁気特性を測定する際には、例えば、閉磁路の測定環境を作り出せる測定装置(閉磁路測定装置)が用いられる。
ただし、閉磁路測定装置では、反磁界を排除できるものの、作り出せる外部磁界の強度が不十分なことにより、ネオジム磁石のような強い磁力を持った永久磁石の磁気特性を測定することができない。そのため閉磁路での磁気特性の測定は汎用的ではない。そこで、多くの場合、反磁界の影響を受ける開磁路の環境(磁力線が外部に漏れる環境)で測定した磁化を、所定の補正式を用いて、反磁界の影響を排除するように補正することで、永久磁石の磁気特性を求めている。
磁化の測定技術としては、例えば、容易磁化方向が膜面内方向に対して傾斜した磁性材料膜の容易磁化方向のM-Hヒステリシスループを、反磁界を正しく補正して測定し得るようにする磁気特性の測定方法がある。
特開平08-201494号公報
従来の反磁界の補正方法では、例えば、様々な種類の永久磁石に対して画一的な補正係数を用いて磁化の値を補正している。しかし、従来の反磁界の補正方法では、精度が不十分である。そのため、反磁界の影響の排除が適切に行えず、磁気特性の測定精度が不十分となっている。
1つの側面では、本件は、磁気特性の測定精度を向上させることを目的とする。
1つの案では、以下に示す記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。
記憶部は、永久磁石の開磁路環境での外部磁界に応じた第1磁化の測定結果を記憶する。処理部は、永久磁石を複数のメッシュに分割したメッシュモデルを生成し、測定結果に基づいて、外部磁界に応じた値のパラメータを含む、閉磁路環境での外部磁界に応じた第2磁化を示す関数を生成する。次に処理部は、複数のメッシュそれぞれについて、関数に基づいて、外部磁界に応じた第2磁化を算出する。次に処理部は、複数のメッシュそれぞれについて、第2磁化に基づいて、外部磁界に応じた反磁界を算出する。次に処理部は、複数のメッシュそれぞれについて、関数に基づいて、外部磁界に反磁界の影響を加えた場合における、永久磁石の開磁路環境での外部磁界に応じた第3磁化を算出する。次に処理部は、複数のメッシュそれぞれの外部磁界に応じた第3磁化の平均を算出する。次に処理部は、測定結果に示される第1磁化と、算出した第3磁化の平均との誤差を算出する。次に処理部は、誤差に基づいて、外部磁界に応じたパラメータの値を修正する。そして処理部は、第2磁化の算出、反磁界の算出、第3磁化の算出、平均の算出、誤差の算出、およびパラメータの値の修正を、誤差が閾値未満になるまで繰り返す。
1態様によれば、磁気特性の演算精度を向上させることができる。
第1の実施の形態に係る装置の機能構成例を示す図である。 第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。 磁気特性測定装置の一例を示す図である。 コンピュータのハードウェアの一構成例を示す図である。 コンピュータにおける磁気特性計算機能の一例を示すブロック図である。 記憶部に格納された測定結果の一例を示す図である。 磁化特性測定時に発生する磁界の一例を示す図である。 開磁路曲線と閉磁路曲線との違いを示す図である。 一定の補正係数で補正した場合の開磁路曲線の補正例を示す図である。 開磁路曲線の補正方法の一例を示す図である。 仮の閉磁路曲線の一例を示す図である。 磁化の計算方法の一例を示す図である。 平均磁化の算出例を示す図である。 補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。 補正係数に基づく磁化の算出結果の一例を示す図である。 算出した閉磁路曲線の一例を示す図である。 磁化の様子を示すコンター図の一例を示す図である。 モータ内の磁力の計算結果の一例を示す図である。
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、永久磁石のメッシュモデルを用いた有限要素法による数値計算により、開磁路環境での測定結果を補正して、反磁界の影響を排除した磁気特性を高精度に算出するものである。
図1は、第1の実施の形態に係る装置の機能構成例を示す図である。情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。情報処理装置10は、例えばコンピュータである。記憶部11は、例えば情報処理装置10が有するメモリ、またはストレージ装置である。処理部12は、例えば情報処理装置10が有するプロセッサ、または演算回路である。
記憶部11は、永久磁石の開磁路環境での外部磁界Hに応じた第1磁化の測定結果1を記憶する。第1磁化は開磁路環境で測定されているため、第1磁化は、反磁界Hdの影響を受けている。測定結果1に示される外部磁界Hに応じた磁化を、外部磁界Hと磁化Mとを軸とするグラフにプロットすると、開磁路環境における磁気特性を示す開磁路曲線4が得られる。開磁路曲線4は、実測値から得られた磁気特性を示す曲線である。
処理部12は、まず永久磁石を複数のメッシュに分割したメッシュモデル2を生成する。次に処理部12は、測定結果1に基づいて、外部磁界Hに応じた値を有するパラメータ(補正係数N(H))を含む、永久磁石の閉磁路環境での外部磁界Hに応じた第2磁化(M(H))を示す関数(g(H))を生成する。例えば生成した関数(g(H))は、外部磁界Hが0のときの第2磁化の値が、測定結果における外部磁界Hが0のときの第1磁化の値(残留磁化値:Mr open)と一致する。また関数(g(H))は、第2磁化が0となる外部磁界の値が、測定結果において第1磁化が0となる外部磁界Hの値(保磁力:Hc open)と一致する。関数(g(H))は、例えば双曲線正接関数である。
この関数(g(H))は、仮の閉磁路曲線3を表している。処理部12は、関数(g(H))で示される仮の閉磁路曲線3を修正することで、永久磁石の磁気特性を高精度に示す閉磁路曲線を生成する。処理部12は、例えば、パラメータ(補正係数N(H))の外部磁界Hに応じた値を変更することで、仮の閉磁路曲線3を修正する。
仮の閉磁路曲線3を修正するために、例えば処理部12は、永久磁石のすべてのメッシュが同じ閉磁路曲線を持つと仮定する。そして処理部12は、関数(g(H))に基づいて、有限要素法により、外部磁界Hに応じた、反磁界Hdの影響を反映させた複数のメッシュそれぞれの磁化(第3磁化)を算出する。例えば処理部12は、測定結果1に示される外部磁界Hの複数の値それぞれについて、各メッシュの第3磁化を算出する。
第3磁化の算出では、処理部12は、まず、複数のメッシュそれぞれについて、関数(g(H))に基づいて、外部磁界Hに応じた第2磁化を算出する。この段階では、第2磁化には、反磁界Hdの影響が加味されていない。そこで処理部12は、複数のメッシュそれぞれについて、第2磁化に基づいて、外部磁界Hに応じた反磁界Hdを算出する。次に処理部12は、複数のメッシュそれぞれについて、関数に基づいて、外部磁界Hに反磁界Hdの影響を加えた場合における、永久磁石の開磁路環境での外部磁界Hに応じた第3磁化を算出する。
第3磁化の算出では、例えば処理部12は、複数のメッシュそれぞれについて、次の処理を行う。まず処理部12は、関数(g(H))によって求めた第2磁化を仮の第3磁化の初期値とする。次に処理部12は、仮の第3磁化に基づく反磁界Hdの算出と、関数に基づく外部磁界Hと反磁界Hdとに応じた磁化の算出と、その磁化への仮の第3磁化の更新とを、更新前後での仮の第3磁化の差が誤差の閾値ε未満になるまで繰り返す。そして処理部12は、更新前後での仮の第3磁化の差が誤差の閾値ε未満になったときの仮の第3磁化を、第3磁化とする。
各メッシュの第3磁化が求まると、処理部12は、複数のメッシュそれぞれの外部磁界Hに応じた第3磁化の平均(平均磁化Mave(H))を算出する。例えば処理部12は、測定結果1に示される外部磁界Hの値ごとに、その値に対応した算出された各メッシュの第3磁化の算術平均を求める。このようにして求められた平均磁化Mave(H)は、仮の閉磁路曲線3に基づく計算結果として得られた開磁路曲線5を表している。計算結果として得られた開磁路曲線5が、実測値として得られている開磁路曲線4と等しければ、開磁路曲線5の算出元となった仮の閉磁路曲線3が、永久磁石の磁気特性を正しく表していることになる。
そこで処理部12は、測定結果に示される第1磁化と、算出した第3磁化の平均(平均磁化Mave(H))との差を示す磁化差分dMave(H)を算出する。磁化差分dMave(H)の値は、外部磁界Hの値に応じて変わる。処理部12は、磁化差分dMave(H)の最大値が閾値δ以上であれば、その磁化差分dMave(H)に基づいて、外部磁界Hに応じたパラメータの値を修正する。例えば処理部12は、補正係数N(H)の値を、現在の補正係数N(H)の値に磁化差分dMave(H)を加算した値に修正する。
その後、処理部12は、第2磁化の算出、反磁界Hdの算出、第3磁化の算出、平均の算出、誤差の算出、およびパラメータの値の修正を、誤差が閾値δ未満になるまで繰り返す。そして処理部12は、誤差が閾値δ未満になると、パラメータの値修正後の関数(g(H))に基づいて算出した、外部磁界Hに応じた第2磁化を出力する。
このようにして、情報処理装置10は、計算結果として得られる開磁路曲線5が実測の開磁路曲線4に等しくなるように、仮の閉磁路曲線3を修正することができる。そして情報処理装置10により、修正された仮の閉磁路曲線3が、永久磁石の磁気特性を示す閉磁路曲線として出力される。出力された閉磁路曲線は、反磁界Hdの影響を加えれば、実測値である開磁路曲線4に等しくなることから、永久磁石の閉磁路環境での磁気特性を、高精度に表していると考えられる。
開磁路環境での測定結果1に基づいて、閉磁路環境での磁気特性を高精度に算出できることにより、例えばネオジム磁石のような、磁力が強く、閉磁路環境での測定が困難な磁石についても、正しい磁気特性を得ることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態について説明する。
図2は、第2の実施の形態のシステム構成例を示す図である。磁気特性測定装置30は、ネットワーク20を介してコンピュータ100に接続されている。磁気特性測定装置30は、開磁路環境により、永久磁石の磁化を測定することができる装置である。コンピュータ100は、磁気特性測定装置30における開磁路環境での磁気特性の測定結果に基づいて、閉磁路環境での磁気特性を計算する。
図3は、磁気特性測定装置の一例を示す図である。磁気特性測定装置30は、制御部31の制御により、試料として用意された永久磁石41の磁気特性を計測する。例えば制御部31は、複数の励磁コイル32,33により、永久磁石41の周囲に外部磁界を発生させる。外部磁界の強さは、アンペア毎メートル(A/m)またはエルステッド(Oe)などの単位で表される。
制御部31は、磁界センサ34を用いて、永久磁石41が磁化することで発生した磁界を検出する。そして制御部31は、検出した磁界に基づいて、外部磁界に応じた永久磁石の磁化を計測する。磁化は、ガウス(G)などの単位で表される。
例えば制御部31は、強い外部磁界を発生させ、飽和磁化となるまで永久磁石41に着磁する。そして磁気特性測定装置30は、外部磁界の強度を低下させながら、外部磁界に応じた永久磁石41の磁化を測定する。磁気特性測定装置30は、外部磁界の強度が「0」になった後は、着磁のときとは逆方向へ外部磁界(逆磁界)を強めていき、その外部磁界に応じた永久磁石41の磁化を測定する。これにより、減磁曲線を示す測定結果が得られる。
制御部31は、計測した磁化の値を、測定結果としてストレージ装置35に格納する。また制御部31は、コンピュータ100からの要求に応じて、測定結果を、ネットワーク20を介してコンピュータ100に送信する。
なお、図3では、磁気特性測定装置30内に2つの励磁コイル32,33を示しているが、永久磁石41の周囲には、図示されていない励磁コイルも存在する。また磁気特性測定装置30には、図3に示す磁界センサ34以外にも磁界センサを設けることができる。
図4は、コンピュータのハードウェアの一構成例を示す図である。コンピュータ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
メモリ102は、コンピュータ100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、コンピュータの補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
グラフィック処理装置104には、モニタ21が接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。モニタ21としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
機器接続インタフェース107は、コンピュータ100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワーク20を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
コンピュータ100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、図4に示したコンピュータ100と同様のハードウェアにより実現することができる。
コンピュータ100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。コンピュータ100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、コンピュータ100に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。またコンピュータ100に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
このようなハードウェア構成のコンピュータ100により、永久磁石41の磁気特性を高精度に算出することができる。
図5は、コンピュータにおける磁気特性計算機能の一例を示すブロック図である。コンピュータ100は、測定結果取得部110、記憶部120、および閉磁路演算部130を有する。
測定結果取得部110は、磁気特性測定装置30から、ネットワーク20を介して、開磁路環境での測定結果を取得する。測定結果取得部110は、取得した測定結果を記憶部120に格納する。
記憶部120は、測定結果を記憶する。記憶部120は、例えばストレージ装置103の記憶領域の一部である。
閉磁路演算部130は、磁気特性測定装置30による測定結果に対して、反磁界の影響を排除するように補正を施し、閉磁路環境での磁気特性を示す閉磁路曲線を算出する。例えば閉磁路演算部130は、開磁路環境での測定結果に基づいて、測定結果から反磁界の影響を排除するための、試料として用いた永久磁石41の補正係数を算出する。例えば閉磁路演算部130は、測定の外部磁界の強度ごとに、適切な補正係数を算出する。次に閉磁路演算部130は、測定結果に示される永久磁石41の磁化データを、補正係数で補正することで、永久磁石41の閉磁路での磁気特性を示す閉磁路曲線を算出する。閉磁路演算部130は、算出した閉磁路曲線のデータを出力する。例えば閉磁路演算部130は、閉磁路曲線のデータをストレージ装置103に格納する。また閉磁路演算部130は、算出した閉磁路曲線を、モニタ21にグラフで表示する。
なお、図5に示した各要素の機能は、例えば、その要素に対応するプログラムモジュールをコンピュータに実行させることで実現することができる。
図6は、記憶部に格納された測定結果の一例を示す図である。測定結果121には、測定時の外部磁界ごとに、その外部磁界(A/m)における永久磁石41の磁化(kG)の値が設定されている。
磁気特性測定装置30から取得した測定結果121は、反磁界の影響を含む磁気特性を表している。
図7は、磁化特性測定時に発生する磁界の一例を示す図である。図7の例では、永久磁石41を配置した空間のZ軸方向(図7中の上下方向)に外部磁界を発生させている。外部磁界の影響により、永久磁石41が磁化する。永久磁石41が磁化することで、永久磁石41内部に反磁界が生じる。永久磁石41の磁化の強さは、自身の磁化が作り出す反磁界の影響も受けている。
開磁路環境による測定結果121は、反磁界の影響を含む、永久磁石の磁気特性を表している。このような磁気特性を表す減磁曲線が開磁路曲線である。他方、閉磁路環境で磁気特性を測定できる場合、反磁界の影響を排除した減磁曲線が得られる。このような減磁曲線が閉磁路曲線である。
図8は、開磁路曲線と閉磁路曲線との違いを示す図である。図8では、上段に開磁路曲線42を示しており、下段に閉磁路曲線43を示している。開磁路環境では、図7に示したように、外部磁界と同じ方向の反磁界が発生する。そのため開磁路曲線42は、反磁界の影響を排除した閉磁路曲線43と異なる形となる。
そこでコンピュータ100を用いて、開磁路曲線42を補正して、閉磁路曲線43を求める。反磁界の影響を排除するための補正式として、例えば測定結果121の外部磁界の値から、反磁界の寄与分を減算する方法が考えられる。単純な方法としては、一定の補正係数を予め定めておき、その補正係数を用いて、外部磁界の値を補正する方法がある。
図9は、一定の補正係数で補正した場合の開磁路曲線の補正例を示す図である。例えば、測定結果121の外部磁界Hの値を「H-NM」に置き換える。ここでNは補正係数である。Mは、磁化である。ここで、補正係数を、例えば0.264といった定数とすると、図9に示す補正済み開磁路曲線44が得られる。しかし、このように、補正係数を固定値とすると、図9に示すように、補正済み開磁路曲線44を閉磁路曲線43に一致させることができない。
そこで、コンピュータ100の閉磁路演算部130は、永久磁石41のメッシュモデルを用いた有限要素法による数値計算を用いて、開磁路曲線の補正を行う。
図10は、開磁路曲線の補正方法の一例を示す図である。まず閉磁路演算部130は、実測の開磁路曲線42から得たパラメータを用いて仮の閉磁路曲線45を算出する。初期状態で算出される閉磁路曲線は、十分な精度が得られていない状態である。
ここで閉磁路演算部130は、永久磁石41が存在する領域を複数のメッシュに分割し、メッシュモデル50を生成する。閉磁路演算部130は、すべてのメッシュが同じ仮の閉磁路曲線45を持つと仮定する。このとき、仮の閉磁路曲線45がメッシュごとに反磁界の影響で変形し、それらを全メッシュで平均したものが開磁路曲線になると想定する。そこで閉磁路演算部130は、各メッシュの仮の閉磁路曲線45に対して、反磁界の影響による変形を加える。そして閉磁路演算部130は、変形後の各メッシュの仮の閉磁路曲線の平均を求め、開磁路曲線46を算出する。最初に生成した閉磁路曲線45が正確であれば、算出された開磁路曲線46は、実測値として得られている開磁路曲線42とほぼ一致するはずである。
そこで閉磁路演算部130は、計算結果として得られた開磁路曲線46と、実測値として得られている開磁路曲線42との磁化の誤差(磁化差分dMave(H))を求める。閉磁路演算部130は、磁化の誤差が閾値δ未満でなければ、計算結果の開磁路曲線46が、実測された開磁路曲線42に近づくように、仮の閉磁路曲線45を修正する。例えば閉磁路演算部130は、仮の閉磁路曲線45の算出に用いる式に含まれる補正係数N(H)の値に磁化差分dMave(H)を加算する補正をすることで、仮の閉磁路曲線45を修正する。
閉磁路演算部130は、このような仮の閉磁路曲線45に基づく開磁路曲線46の計算と、誤差を減らすような仮の閉磁路曲線45の修正とを、誤差が所定の閾値δ未満になるまで繰り返す。そして閉磁路演算部130は、誤差が所定の閾値δ未満になったときに得られている仮の閉磁路曲線45を、開磁路曲線42を補正することで得た閉磁路曲線とする。
以下、図10に示した開磁路曲線42の補正方法を詳細に説明する。
まず、仮の閉磁路曲線45の算出方法について説明する。
図11は、仮の閉磁路曲線の一例を示す図である。閉磁路曲線43は、tanh関数(双曲線正接関数)47を用いて近似できる。例えば閉磁路演算部130は、外部磁界Hを変数とする以下の関数を、計算開始時の仮の閉磁路曲線とする。
Figure 0007053999000001
r openは、開磁路曲線の外部磁界=0における磁化の値(残留磁化値)である。Hc openは、開磁路曲線の磁化=0となるときの外部磁界の値(保磁力値)である。N(H)は、外部磁界の値に応じた補正係数である。仮の閉磁路曲線45の修正は、N(H)の関数を修正することで行われる。N(H)の初期状態は、例えば、すべての外部磁界Hに対して値が「0」である。
次に閉磁路演算部130は、各メッシュの磁化を計算する。
図12は、磁化の計算方法の一例を示す図である。閉磁路演算部130は、まず、有限要素法を用い、各メッシュについて、そのメッシュの位置における外部磁界に応じた反磁界を計算する。
外部磁界がHaのときのi番目(iは、1以上の整数)のメッシュの反磁界Hd iは、以下の式で表される。
Figure 0007053999000002
Figure 0007053999000003
式(2)のΔは、ラプラシアンである。∇は、ベクトルの微分演算を示すナブラである。Miは、i番目のメッシュの磁化である。Miは、式(1)に基づき、g(Ha)により求められる。φiは、i番目のメッシュの磁気ポテンシャルである。閉磁路演算部130は、式(2)、式(3)を用いて、有限要素法により、各メッシュの反磁界を算出する。
閉磁路演算部130は、式(1)に示した仮の閉磁路曲線の関数を用いて、反磁界の影響を含めた場合の磁化M’iを求める。すなわち閉磁路演算部130は、M’i=g(Ha+Hd i)の計算を行う。
そして閉磁路演算部130は、反磁界を含めて計算した磁化M’iと磁化Miとの誤差が誤差の閾値ε未満であるか否かを判断する。誤差が誤差の閾値ε以上であれば、閉磁路演算部130は、磁化M’iを磁化Miに代入して、再度、有限要素法による反磁界Hd iの計算を行う。そして、閉磁路演算部130は、誤差が誤差の閾値ε未満となるまで、反磁界Hd iの計算と磁化M’iの計算とを繰り返す。閉磁路演算部130は、すべてのメッシュに関して、誤差が誤差の閾値ε未満となったときの各メッシュの磁化Miを、外部磁界がHaのときの磁化の計算結果とする。
各メッシュの磁化が計算できると、閉磁路演算部130は、各メッシュの磁化の平均値を算出する。
図13は、平均磁化の算出例を示す図である。例えば外部磁界がHaのときの平均磁化Maveは、以下の式で表される。
Figure 0007053999000004
式(4)におけるnはメッシュ数である(nは1以上の整数)。閉磁路演算部130は、外部磁界を変更しながら平均磁化Maveを求めることで、外部磁界に応じた平均磁化Mave(H)を得る。閉磁路演算部130は、算出した平均磁化Mave(H)と、測定結果との誤差を計算し、磁化差分dMave(H)とする。
閉磁路演算部130は、このような磁化差分dMave(H)の計算を、外部磁界Hの値を少しずつ変えながら、繰り返し行う。その結果、所定の刻み幅の多数の外部磁界Hの値それぞれにおける磁化差分dMave(H)が得られる。
閉磁路演算部130は、外部磁界Hごとの磁化差分dMave(H)を用いて、補正係数N(H)を修正する。例えば閉磁路演算部130は、現在の補正係数N(H)に磁化差分dMave(H)を加算した値を、新たな補正係数N(H)とする。
閉磁路演算部130は、このような補正係数N(H)の更新を、磁化差分dMave(H)が磁化差分の閾値δ未満になるまで繰り返す。磁化差分dMave(H)が磁化差分の閾値δ未満になると、閉磁路演算部130は、その時点での補正係数N(H)を用いて、式(1)により閉磁路曲線を算出する。
以下、閉磁路演算部130による、開磁路曲線の補正処理の手順の詳細について、フローチャートを参照して説明する。
図14は、補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]閉磁路演算部130は、記憶部120に格納されている測定結果121からデータを抽出する。例えば閉磁路演算部130は、測定結果121から、外部磁界「0」に対応する磁化の値を抽出する。閉磁路演算部130は、抽出した磁化値を、残留磁化値Mr openとしてメモリ102に格納する。また閉磁路演算部130は、測定結果121から、磁化「0」に対応する外部磁界の値を抽出する。閉磁路演算部130は、抽出した外部磁界の値を、保磁力値Hc openとしてメモリ102に格納する。さらに閉磁路演算部130は、測定結果121から、外部磁界の最大値Hmaxと外部磁界の最小値Hminとを抽出する。閉磁路演算部130は、抽出した最大値Hmaxと最小値Hminとをメモリ102に格納する。
また閉磁路演算部130は、外部磁界Haにおける補正係数N(Ha){Ha|Hmin≦Ha≦Hmax}に、初期値として「0」を設定する(N(Ha)=0)。
[ステップS102]閉磁路演算部130は、外部磁界Haの初期値を、最大値Hmaxとする。
[ステップS103]閉磁路演算部130は、外部磁界Haと補正係数N(Ha)とに基づいて、n個のメッシュそれぞれの磁化Ma i{i|1≦i≦n}を算出する。例えば閉磁路演算部130は、i=1,2,・・・,nについて、Ma i=g(Ha)を計算する。なお、g(Ha)は、以下の式で表される。
Figure 0007053999000005
[ステップS104]閉磁路演算部130は、Ma iに基づいて、有限要素法により、各メッシュの反磁界Hd iを算出する。
[ステップS105]閉磁路演算部130は、反磁界Hd iに基づいて、メッシュごとの磁化Maiを算出する。例えば閉磁路演算部130は、i=1,2,・・・,nについて、Ma i=g(Ha+Hd i)を計算する。g(Ha+Hd i)は、以下の式で表される。
Figure 0007053999000006
[ステップS106]閉磁路演算部130は、磁化Maiと磁化Ma iとに基づいて、全メッシュ間の磁化誤差最大値dMerr_maxを算出する。磁化誤差最大値dMerr_maxは、式「dMerr_max=max(|Mai-Ma i|){i|1≦i≦n}」で表される。
[ステップS107]閉磁路演算部130は、磁化誤差最大値dMerr_maxが、誤差の閾値ε未満か否かを判断する。閉磁路演算部130は、磁化誤差最大値dMerr_maxが、誤差の閾値ε未満であれば、処理をステップS109に進める。また閉磁路演算部130は、磁化誤差最大値dMerr_maxが、誤差の閾値ε以上であれば、処理をステップS108に進める。
[ステップS108]閉磁路演算部130は、i=1,2,・・・,nそれぞれについて、Ma iの値をMaiの値に更新する。その後、閉磁路演算部130は、処理をステップS104に進める。
[ステップS109]閉磁路演算部130は、ステップS107の条件を満たしたときの、各メッシュの磁化Ma iが、外部磁界Haにおける、反磁界の影響を反映させた各メッシュの磁化の値であると判断する。そこで閉磁路演算部130は、すべてのメッシュの磁化Ma iの平均磁化Mave(Ha)を算出する。Mave(Ha)は、以下の式で表される。
Figure 0007053999000007
[ステップS110]閉磁路演算部130は、平均磁化Mave(Ha)とMopen(Ha)とに基づいて、磁化差分dMave(Ha){Ha|Hmin≦Ha≦Hmax}を算出する。磁化差分は、式「dMave(Ha)=Mave(Ha)-Mopen(Ha)」で表される。
[ステップS111]閉磁路演算部130は、外部磁界Haの値を、外部磁界の刻み幅ΔHだけ減算する。すなわち閉磁路演算部130は、外部磁界Haの値を「Ha-ΔH」に更新する。なお、外部磁界の刻み幅ΔHは、予め設定された値である。例えば外部磁界の刻み幅ΔHは、測定結果121に含まれる外部磁界の連続する値の差と同じである。
[ステップS112]閉磁路演算部130は、更新後の外部磁界Haの値が、外部磁界の最小値Hmin未満か否かを判断する。閉磁路演算部130は、外部磁界Haの値が、外部磁界の最小値Hmin未満であれば、処理をステップS113に進める。また閉磁路演算部130は、外部磁界Haの値が、外部磁界の最小値Hmin以上であれば、処理をステップS103に進める。
[ステップS113]閉磁路演算部130は、補正係数N(Ha)を、磁化差分dMave(Ha)を用いて修正する。具体的には閉磁路演算部130は、補正係数N(Ha){Ha|Hmin≦Ha≦Hmax}に「N(Ha)+dMave(Ha)」を設定する。
[ステップS114]閉磁路演算部130は、磁化差分dMave(Ha){Ha|Hmin≦Ha≦Hmax}が、すべての外部磁界Haについて、磁化差分の閾値δ未満か否かを判断する。閉磁路演算部130は、すべての外部磁界Haについて、磁化差分dMave(Ha)が磁化差分の閾値δ未満であれば、処理をステップS115に進める。また閉磁路演算部130は、磁化差分dMave(Ha)が磁化差分の閾値δ以上となる外部磁界Haが少なくとも1つあれば、処理をステップS102に進める。
[ステップS115]閉磁路演算部130は、補正係数N(Ha)に基づいて、外部磁界Ha{Ha|Hmin≦Ha≦Hmax}それぞれについての磁化M(Ha)を算出する。例えば閉磁路演算部130は、式(1)に基づいて「M(Ha)=g(Ha)」の計算を行う。そして閉磁路演算部130は、磁化M(Ha)を出力する。
図15は、補正係数に基づく磁化の算出結果の一例を示す図である。図15に示すように、測定結果121に示される外部磁界Hの値ごとに、補正係数N(H)が算出される。算出された補正係数は、例えば補正係数情報としてメモリ102に格納される。閉磁路演算部130により、測定結果121に示される外部磁界Hの値ごとに、補正係数情報51に基づいて式(1)に示す関数g(Ha)が計算される。そして閉磁路演算部130は、関数g(Ha)の計算結果を、外部磁界Hの値ごとの磁化M(Ha)として出力する。例えば閉磁路演算部130は、算出した磁化M(Ha)を、閉磁路情報52としてメモリ102に格納する。
このようにして、適切な補正係数N(Ha)を算出し、その補正係数N(Ha)に基づいて、閉磁路の磁化M(Ha)を算出することができる。補正係数N(Ha)の値は、外部磁界の値ごとに異なるため、実測値として得られた開磁路曲線を、高精度に、正しい閉磁路曲線に補正することが可能である。すなわち、開磁路環境で測定した測定結果121に基づいて、反磁界の影響を排除した精度の高い閉磁路曲線を得ることができる。
図16は、算出した閉磁路曲線の一例を示す図である。図16には、閉磁路環境での磁気特性を測定可能な永久磁石について、第2の実施の形態に示す閉磁路演算方法により、開磁路環境での測定結果から閉磁路曲線を算出した場合の、実測値との差異を示している。図16では、実測により得られた閉磁路曲線61と、実測により得られた開磁路曲線62とを点線で示している。また第2の実施の形態に示す閉磁路演算方法により算出した閉磁路曲線63、その閉磁路曲線63に反磁界の影響を反映することで算出した開磁路曲線64を実線で示している。また図16には、比較例として、実測値から得られた開磁路曲線62を、補正係数N=1/3.791の固定値で補正することで算出した閉磁路曲線65を実線で示している。
図16に示すように、第2の実施の形態に示す閉磁路演算方法によって算出した閉磁路曲線63は、補正係数を固定値とした場合の閉磁路曲線65に比べて、実測により得られた閉磁路曲線61に近い形状をしている。このことから、磁気特性の算出精度が向上していることが分かる。
高精度な閉磁路曲線63が得られれば、永久磁石41の磁気特性を正しく把握できる。コンピュータ100は、外部磁界に応じた永久磁石41の磁化の様子を、例えばコンター図(等値線)によってモニタ21に表示する。
図17は、磁化の様子を示すコンター図の一例を示す図である。図17の例では、永久磁石41のメッシュモデル50を、磁化の度合いに応じた色で表示している。例えばコンピュータ100は、磁化の値が低い領域ほど薄い色で表示し、磁化の値が高いほど濃い色で表示する。
このように開磁路環境での磁化の測定結果に基づいて、反磁界の影響を除去した永久磁石41の磁気特性が正確に分かることで、ネオジム磁石などの強力な磁石の磁気特性を正確に知ることができる。これにより、高性能モータの設計が容易になる。例えばコンピュータ100を用いて、例えばモータ内に発生する磁力を計算することで、そのモータの性能を計算することができる。
図18は、モータ内の磁力の計算結果の一例を示す図である。図18には、モータ70内の永久磁石71,72の周囲の領域を、磁力に応じて色分けして表示したコンター図である。このように、モータ70に強力な永久磁石を用いたときの性能評価を行うことができ、高性能なモータ70の設計が容易となる。
〔その他の実施の形態〕
第2の実施の形態では、メッシュごとの磁化算出の繰り返し処理の終了条件(ステップS107の判定条件)を、磁化誤差最大値dMerr_maxが誤差の閾値ε未満であることとしているが、別の終了条件を適用することもできる。例えば閉磁路演算部130は、各メッシュの磁化の平均が誤差の閾値ε未満であれば、磁化算出の繰り返し処理を終了する(ステップS107でYES)と判断するようにしてもよい。
また第2の実施の形態では、補正係数更新の繰り返し処理の終了条件(ステップS114の判定条件)を、すべての外部磁界において、磁化差分dMave(Ha)が閾値δ未満のときとしているが、別の終了条件を適用することもできる。例えば閉磁路演算部130は、各外部磁界に応じた磁化差分dMave(Ha)の平均が閾値δ未満であれば、補正係数更新の繰り返し処理を終了する(ステップS114でYES)と判断するようにしてもよい。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
1 測定結果
2 メッシュモデル
3 仮の閉磁路曲線
4,5 開磁路曲線
10 情報処理装置
11 記憶部
12 処理部

Claims (7)

  1. 永久磁石の開磁路環境での外部磁界に応じた第1磁化の測定結果を記憶する記憶部と、
    前記永久磁石を複数のメッシュに分割したメッシュモデルを生成し、前記測定結果に基づいて、前記外部磁界に応じた値のパラメータを含む、閉磁路環境での前記外部磁界に応じた第2磁化を示す関数を生成し、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記関数に基づいて、前記外部磁界に応じた前記第2磁化を算出し、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記第2磁化に基づいて、前記外部磁界に応じた反磁界を算出し、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記関数に基づいて、前記外部磁界に前記反磁界の影響を加えた場合における、前記永久磁石の前記開磁路環境での前記外部磁界に応じた第3磁化を算出し、前記複数のメッシュそれぞれの前記外部磁界に応じた前記第3磁化の平均を算出し、前記測定結果に示される前記第1磁化と、算出した前記第3磁化の前記平均との誤差を算出し、前記誤差に基づいて、前記外部磁界に応じた前記パラメータの値を修正し、前記第2磁化の算出、前記反磁界の算出、前記第3磁化の算出、前記平均の算出、前記誤差の算出、および前記パラメータの値の修正を、前記誤差が閾値未満になるまで繰り返す、処理部と、
    を有する情報処理装置。
  2. 前記処理部は、さらに、前記誤差が閾値未満になると、前記パラメータの値を修正後の前記関数に基づいて算出した、前記外部磁界に応じた前記第2磁化を出力する、
    請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記処理部は、前記第3磁化の計算では、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記第2磁化を仮の第3磁化の初期値とし、前記仮の第3磁化に基づく前記反磁界の算出と、前記関数に基づく前記外部磁界と前記反磁界とに応じた磁化への前記仮の第3磁化の更新とを、更新前後での前記仮の第3磁化の差が誤差の閾値未満になるまで繰り返し、更新前後での前記仮の第3磁化の差が誤差の閾値未満になったときの前記仮の第3磁化を、前記第3磁化とする、
    請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記処理部は、前記関数の生成では、前記外部磁界が0のときの前記第2磁化の値が、前記測定結果における前記外部磁界が0のときの前記第1磁化の値と一致し、前記第2磁化が0となる前記外部磁界の値が、前記測定結果において前記第1磁化が0となる前記外部磁界の値と一致する前記関数を生成する、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
  5. 前記関数は、双曲線正接関数である請求項1ないし4のいずれかに記載の情報処理装置。
  6. コンピュータが、
    永久磁石を複数のメッシュに分割したメッシュモデルを生成し、
    前記永久磁石の開磁路環境での外部磁界に応じた第1磁化の測定結果に基づいて、前記外部磁界に応じた値のパラメータを含む、閉磁路環境での前記外部磁界に応じた第2磁化を示す関数を生成し、
    前記複数のメッシュそれぞれについて、前記関数に基づいて、前記外部磁界に応じた前記第2磁化を算出し、
    前記複数のメッシュそれぞれについて、前記第2磁化に基づいて、前記外部磁界に応じた反磁界を算出し、
    前記複数のメッシュそれぞれについて、前記関数に基づいて、前記外部磁界に前記反磁界の影響を加えた場合における、前記永久磁石の前記開磁路環境での前記外部磁界に応じた第3磁化を算出し、
    前記複数のメッシュそれぞれの前記外部磁界に応じた前記第3磁化の平均を算出し、
    前記測定結果に示される前記第1磁化と、算出した前記第3磁化の前記平均との誤差を算出し、
    前記誤差に基づいて、前記外部磁界に応じた前記パラメータの値を修正し、
    前記第2磁化の算出、前記反磁界の算出、前記第3磁化の算出、前記平均の算出、前記誤差の算出、および前記パラメータの値の修正を、前記誤差が閾値未満になるまで繰り返す、
    閉磁路演算方法。
  7. 永久磁石の開磁路環境での外部磁界に応じた第1磁化を測定する磁気特性測定装置と、
    前記磁気特性測定装置から前記第1磁化の測定結果を取得して記憶部に格納し、前記永久磁石を複数のメッシュに分割したメッシュモデルを生成し、前記測定結果に基づいて、前記外部磁界に応じた値のパラメータを含む、閉磁路環境での前記外部磁界に応じた第2磁化を示す関数を生成し、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記関数に基づいて、前記外部磁界に応じた前記第2磁化を算出し、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記第2磁化に基づいて、前記外部磁界に応じた反磁界を算出し、前記複数のメッシュそれぞれについて、前記関数に基づいて、前記外部磁界に前記反磁界の影響を加えた場合における、前記永久磁石の前記開磁路環境での前記外部磁界に応じた第3磁化を算出し、前記複数のメッシュそれぞれの前記外部磁界に応じた前記第3磁化の平均を算出し、前記測定結果に示される前記第1磁化と、算出した前記第3磁化の前記平均との誤差を算出し、前記誤差に基づいて、前記外部磁界に応じた前記パラメータの値を修正し、前記第2磁化の算出、前記反磁界の算出、前記第3磁化の算出、前記平均の算出、前記誤差の算出、および前記パラメータの値の修正を、前記誤差が閾値未満になるまで繰り返す情報処理装置と、
    を有する閉磁路演算システム。
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