JP7484684B2 - 測定装置、測定方法および測定プログラム - Google Patents

測定装置、測定方法および測定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7484684B2
JP7484684B2 JP2020202457A JP2020202457A JP7484684B2 JP 7484684 B2 JP7484684 B2 JP 7484684B2 JP 2020202457 A JP2020202457 A JP 2020202457A JP 2020202457 A JP2020202457 A JP 2020202457A JP 7484684 B2 JP7484684 B2 JP 7484684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetization
samples
shape
sample
curve data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020202457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022090214A (ja
Inventor
実 星名
淳 藤▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2020202457A priority Critical patent/JP7484684B2/ja
Priority to US17/460,372 priority patent/US11555866B2/en
Publication of JP2022090214A publication Critical patent/JP2022090214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7484684B2 publication Critical patent/JP7484684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/0017Means for compensating offset magnetic fields or the magnetic flux to be measured; Means for generating calibration magnetic fields
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/12Measuring magnetic properties of articles or specimens of solids or fluids
    • G01R33/14Measuring or plotting hysteresis curves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/0005Geometrical arrangement of magnetic sensor elements; Apparatus combining different magnetic sensor types
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/0023Electronic aspects, e.g. circuits for stimulation, evaluation, control; Treating the measured signals; calibration
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/12Measuring magnetic properties of articles or specimens of solids or fluids
    • G01R33/1215Measuring magnetisation; Particular magnetometers therefor

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

本発明は、測定装置、測定方法および測定プログラムに関する。
従来、永久磁石は、モータ、風力タービン、デバイスなど様々な工業製品に使用されている。永久磁石は、磁化という物理量を持ち、外部磁界を加えると磁化が変化する。また、永久磁石は、加工時に表面の磁気特性が変化(表面劣化)することが知られている。
先行技術としては、例えば、磁石内でのΔHcJ(保磁力増加量)の分布を用いてJ-Hカーブを算出し、温度係数を用いて所定の温度での減磁率を算出するものがある。また、バーミアンス係数の異なる同質の2個以上の永久磁石の残留磁束値を測定することにより、磁気ヒステリシス曲線を描くことなく、磁気特性値BrおよびBHCを測定するものがある。
国際公開第2012/157637号 特開昭50-75465号公報
しかしながら、従来技術では、永久磁石の特性を正確に測定することが難しい場合がある。例えば、永久磁石の特性を測定するにあたり、試料サイズが小さいほど、表面劣化の影響による計測誤差が大きくなり、永久磁石の特性を正確に測定することができない。
一つの側面では、本発明は、永久磁石の特性を精度よく測定することを目的とする。
1つの実施態様では、同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し、前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、算出した算出結果を出力する、測定装置が提供される。
本発明の一側面によれば、永久磁石の特性を精度よく測定することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる測定方法の一実施例を示す説明図である。 図2は、情報処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。 図3は、情報処理装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図4は、形状判断テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。 図5は、形状別関数テーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。 図6Aは、磁化曲線データの具体例を示す説明図(その1)である。 図6Bは、磁化曲線データの具体例を示す説明図(その2)である。 図7Aは、形状パラメータの具体例を示す説明図(その1)である。 図7Bは、形状パラメータの具体例を示す説明図(その2)である。 図8は、寸法を示すパラメータの定義例を示す説明図である。 図9は、情報処理装置201の機能的構成例を示すブロック図である。 図10は、関数fの第1の導出例を示す説明図である。 図11は、試料のサイズと磁化との対応関係を示す説明図である。 図12は、関数fの第2の導出例を示す説明図である。 図13は、関数fの第3の導出例を示す説明図である。 図14は、補正後の磁化曲線データの具体例を示す説明図である。 図15は、情報処理装置201の補正処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図16は、情報処理装置201の補正処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
以下に図面を参照して、本発明にかかる測定装置、測定方法および測定プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる測定方法の一実施例を示す説明図である。図1において、測定装置101は、永久磁石の磁化を測定するコンピュータである。永久磁石は、外部磁界等の供給を受けることなく、磁石としての性質を比較的長期にわたって保持し続ける物体である。永久磁石は、外部磁界(磁場)を加えると磁化が変化する。永久磁石の材料としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、サマリウム、ネオジムなどが挙げられる。
磁化は、永久磁石の特性をあらわす物理量の一つである。磁化は、物体(磁性体)に外部磁界を加えたときに、その物体が磁気的に分極して磁石となる現象のことであり、また、物体の磁化の程度をあらわす。永久磁石の磁化を正確に測定することは、例えば、工業製品に使用する永久磁石を判断する上で重要である。
一方、永久磁石は、加工時に表面に小さなひび割れが生じて、表面の磁気特性が変化(表面劣化)することが知られている。表面劣化の影響により、永久磁石の磁化曲線の計測データに段差のような計測誤差が生じることがある。試料サイズが小さいほど、表面劣化による誤差の影響が相対的に大きくなるため、この計測誤差は、試料サイズが小さいときに顕著になる。
この計測誤差を小さくするために、試料のサイズを大きくすることが考えられる。ところが、計測方式によっては、試料のサイズを小さくする必要がある。例えば、開磁路方式では、コイル間に置かれた試料をバイブレーションさせながら磁界を加えて磁化を計測するため、試料サイズを小さくする必要がある。
すなわち、開磁路方式で計測する場合、計測方式の都合により試料のサイズを小さくする必要があり、表面劣化による誤差の影響が相対的に大きくなって計測誤差が大きくなる。しかし、従来技術では、永久磁石の特性を測定するにあたり、この計測誤差を除去することができない。
そこで、本実施の形態では、開磁路方式等により計測された磁化曲線データから表面劣化の影響による計測誤差を除去することで、永久磁石の特性を精度よく測定可能にする測定方法について説明する。ここで、測定装置101の処理例について説明する。
(1)測定装置101は、同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された試料の磁化曲線データと、試料の寸法を示す形状パラメータとを取得する。試料は、磁化の計測に用いる材料(計測対象の永久磁石のサンプル)である。2つの試料は、例えば、同じ方法(切断、研磨等)で加工された試料である。
磁化曲線データは、外部磁界と磁化との関係を示す情報である。試料の磁化曲線データは、試料に加える磁界と試料の磁化との関係を示す。試料の寸法は、例えば、試料の辺の長さ、径の大きさなどである。ここで取得される磁化曲線データは、例えば、開磁路方式により計測された磁化曲線を示しており、表面劣化による計測誤差を含む。
図1の例では、同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料を「試料1,2」とし、試料1の磁化曲線データ110および形状パラメータ111と、試料2の磁化曲線データ120および形状パラメータ121が取得された場合を想定する。また、試料1,2の形状を「立方体」とする。この場合、形状パラメータ111,121は、例えば、各試料1,2の各辺の長さを示す情報である。
(2)測定装置101は、モデルMを用いて、取得した2つの試料それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料の内部の磁化を算出する。ここで、モデルMは、物体の表面部と内部との体積比率に応じて、物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわす情報である。
物体は、磁化の計測対象となる永久磁石(例えば、試料1,2)である。物体の表面部は、物体の表面の劣化(磁化特性が変化)した領域を示す。物体の内部は、物体の表面部以外の部分であり、物体内部の劣化していない領域を示す。2つの試料の加工の方法が同じであれば、試料間で表面劣化の度合いは同じであるといえる。
ここで、試料サイズが小さいほど、表面劣化による誤差の影響が相対的に大きくなる。すなわち、試料全体に占める表面部の割合によって、表面劣化による誤差の影響が変化する。ここでは、試料全体の磁化を、試料の表面部と内部との体積比率を考慮して、試料表面の劣化した領域の磁化と、試料内部の劣化していない領域の磁化との足し合わせによってあらわす。
図1の例では、物体全体の磁化を「J」とし、物体の表面部の磁化を「Jsurf」とし、物体の内部の磁化を「Jbulk」とする。モデルMを「J=R1×Jsurf+R2×Jbulk」とする。R1は、物体全体に対する表面部の体積の割合を示す。R2は、物体全体に対する内部の体積の割合を示す。すなわち、R1,R2は、物体(試料1,2)の表面部と内部との体積比率に相当する。
この場合、測定装置101は、モデルMを用いて、磁化曲線データ110,120と形状パラメータ111,121に基づいて、試料の表面部の磁化Jsurfを除去することにより、試料の内部の磁化Jbulkを算出する。試料の内部の磁化Jbulkは、磁化曲線データ110,120から表面劣化による計測誤差が除去された磁化に相当する。
具体的には、例えば、測定装置101は、試料1,2それぞれについて、モデルMを用いて、試料1,2全体の磁化を、表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわす式を立てる。つぎに、測定装置101は、その2つの式からなる連立方程式を解くことにより、2つの試料(試料1,2)それぞれの磁化と寸法とから試料の内部の磁化をあらわす関数を導出する。
そして、測定装置101は、導出した関数を用いて、試料1,2それぞれの磁化曲線データ110,120と形状パラメータ111,121とに基づいて、試料(試料1,2)の内部の磁化Jbulkを算出する。様々な磁界のときの磁化Jbulkを算出することにより、表面劣化による計測誤差が除去された磁化曲線データを得ることができる。なお、2つの試料(試料1,2)それぞれの磁化と寸法とから試料の内部の磁化をあらわす関数はあらかじめ作成されていてもよい。
(3)測定装置101は、算出した算出結果を出力する。具体的には、例えば、測定装置101は、算出した試料(試料1,2)の内部の磁化を示す磁化曲線データを、表面劣化の影響による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データとして出力する。
図1の例では、試料(試料1,2)の内部の磁化Jbulkを示す磁化曲線データが、補正後の磁化曲線データ130として出力される。
このように、測定装置101によれば、同じ材質で大きさの異なる相似形の2つの試料の磁化曲線データを利用して、サイズの小さい試料を用いることで顕著にあらわれる表面劣化の影響による段差のような誤差(計測誤差)を正しく補償することができる。
図1の例では、永久磁石の特性を測定するにあたり、試料1,2のサイズが小さい場合であっても、試料1,2の磁化曲線データ110,120から、表面劣化の影響による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データ130を得ることができる。補正後の磁化曲線データ130によれば、永久磁石の特性を精度よく判断することができる。
(情報処理システム200のシステム構成例)
つぎに、図1に示した測定装置101を含む情報処理システム200のシステム構成例について説明する。ここでは、図1に示した測定装置101を、情報処理システム200内の情報処理装置201に適用した場合を例に挙げて説明する。情報処理システム200は、例えば、永久磁石の磁化曲線における表面劣化の影響による計測誤差を補正するサービスに適用される。
図2は、情報処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、情報処理システム200は、情報処理装置201と、クライアント装置202と、を含む。情報処理システム200において、情報処理装置201およびクライアント装置202は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。
ここで、情報処理装置201は、形状判断テーブル220および形状別関数テーブル230を有し、永久磁石の特性を測定する。情報処理装置201は、例えば、サーバである。形状判断テーブル220および形状別関数テーブル230の記憶内容については、図4および図5を用いて後述する。
クライアント装置202は、情報処理システム200のユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、例えば、永久磁石の設計者や、永久磁石を使用した工業製品の設計者などである。クライアント装置202は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレットPCなどである。
なお、ここでは、情報処理装置201とクライアント装置202とを別体に設けることにしたが、これに限らない。例えば、情報処理装置201は、クライアント装置202により実現されることにしてもよい。また、情報処理システム200には、複数のクライアント装置202が含まれることにしてもよい。
(情報処理装置201のハードウェア構成例)
図3は、情報処理装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置201は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、可搬型記録媒体I/F306と、可搬型記録媒体307と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、情報処理装置201の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、図2に示したクライアント装置202)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
可搬型記録媒体I/F306は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体307に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体307は、可搬型記録媒体I/F306の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体307としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
なお、情報処理装置201は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示したクライアント装置202についても、情報処理装置201と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、クライアント装置202は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有する。
(各種テーブル220,230の記憶内容)
つぎに、図4および図5を用いて、情報処理装置201が有する形状判断テーブル220および形状別関数テーブル230の記憶内容について説明する。形状判断テーブル220および形状別関数テーブル230は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
図4は、形状判断テーブル220の記憶内容の一例を示す説明図である。図4において、形状判断テーブル220は、nshapeと形状の種類との対応関係を示す。nshapeは、試料の形状の種類を示す。nshapeは、1,2,3によってあらわされる。nshape「1」は、直方体を示す。nshape「2」は、楕円球体を示す。nshape「3」は、楕円柱体を示す。
図5は、形状別関数テーブル230の記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、形状別関数テーブル230は、形状および関数のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、形状別関数情報500-1~500-5をレコードとして記憶する。
ここで、形状は、試料の形状である。ここでは、形状として、直方体(立方体)、直方体(立方体以外)、楕円球体(真円球体)、楕円球体(真円球体以外)および楕円柱体が設定されている。関数は、対応する形状の試料の磁化曲線データを補正する際に用いる関数である。各関数についての詳細な説明は、後述する。
(磁化曲線データの具体例)
つぎに、図6Aおよび図6Bを用いて、試料S1,S2の磁化曲線データの具体例について説明する。以下の説明において、試料S1,S2は、同じ材質で大きさの異なる相似形の物体(永久磁石)である。また、試料S1,S2は、同じ方法(切断、研磨等)で加工された試料である。
図6Aは、磁化曲線データの具体例を示す説明図(その1)である。図6Aにおいて、磁化曲線データmd1は、開磁路方式で計測された試料S1の磁化J(T)を示す情報であり、試料S1に加える磁界H(A/m)と試料S1の磁化J(T)との関係を示す。磁化曲線データmd1では、点線枠610部分に段差のような計測誤差が生じている。
図6Bは、磁化曲線データの具体例を示す説明図(その2)である。図6Bにおいて、磁化曲線データmd2は、開磁路方式で計測された試料S2の磁化J(T)を示す情報であり、試料S2に加える磁界H(A/m)と試料S2の磁化J(T)との関係を示す。磁化曲線データmd2では、磁化曲線データmd1に比べると小さいものの、点線枠620部分に段差のような計測誤差が生じている。
なお、開磁路方式では、試料を安定的に振動させるため、試料の形状は限定的である。例えば、試料S1,S2の形状として、直方体、楕円球体、楕円柱体などが用いられる。
(形状パラメータの具体例)
つぎに、図7Aおよび図7Bを用いて、試料S1,S2の磁化曲線データの具体例について説明する。
図7Aは、形状パラメータの具体例を示す説明図(その1)である。図7Aにおいて、形状パラメータsp1は、nshape,a1,b1,c1を含む。nshapeは、試料S1の形状の種類を示す。nshapeは、1,2,3によってあらわされる。a1,b1,c1は、試料S1の寸法を示す。
a1,b1,c1が、試料S1のどの部分の寸法を示すパラメータであるかは、試料S1の形状の種類(nshape)に応じてあらかじめ定義されている。なお、寸法を示すパラメータの定義例については、図8を用いて後述する。
図7Bは、形状パラメータの具体例を示す説明図(その2)である。図7Bにおいて、形状パラメータsp2は、nshape,a2,b2,c2を含む。nshapeは、試料S2の形状の種類を示す。nshapeは、1,2,3によってあらわされる。試料S1,S2は、相似形状のため、nshapeが同じものとなる。
a2,b2,c2は、試料S2の寸法を示す。a2,b2,c2が、試料S2のどの部分の寸法を示すパラメータであるかは、試料S2の形状の種類(nshape)に応じてあらかじめ定義されている。ここで、図8を用いて、寸法を示すパラメータの定義例について説明する。
図8は、寸法を示すパラメータの定義例を示す説明図である。図8において、まず、nshapeが「1」の場合の寸法を示すパラメータの定義例について説明する。nshape「1」は、直方体を示す。nshapeが「1」の場合、aは、横の寸法を示す。bは、縦の寸法を示す。cは、高さの寸法を示す。
つぎに、nshapeが「2」の場合の寸法を示すパラメータの定義例について説明する。nshape「2」は、楕円球体を示す。nshapeが「2」の場合、aは、楕円球体の断面となる楕円の長軸の寸法を示す。bは、楕円球体の断面となる楕円の短軸の寸法を示す。cは、楕円球体の高さの寸法を示す。
つぎに、nshapeが「3」の場合の寸法を示すパラメータの定義例について説明する。nshape「3」は、楕円柱体を示す。nshapeが「3」の場合、aは、楕円柱体の断面となる楕円の長軸の寸法を示す。bは、楕円柱体の断面となる楕円の短軸の寸法を示す。cは、楕円柱体の高さの寸法を示す。
(情報処理装置201の機能的構成例)
図9は、情報処理装置201の機能的構成例を示すブロック図である。図9において、情報処理装置201は、取得部901と、特定部902と、算出部903と、出力部904と、記憶部910と、を含む。取得部901~出力部904は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。また、記憶部910は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。具体的には、例えば、記憶部910は、図4に示した形状判断テーブル220や、図5に示した形状別関数テーブル230を記憶する。
取得部901は、試料S1,S2それぞれについて、計測された磁化曲線データと、形状パラメータとを取得する。ここで、試料S1,S2は、磁化の計測対象となる永久磁石のサンプルであり、同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料である。試料S1,S2は、同じ方法(切断、研磨等)で加工された試料である。試料S1のサイズは、試料S2よりも小さい。試料S1,S2は、数mmサイズ以下の試料である。
磁化曲線データは、外部磁界と磁化との関係を示す情報である。磁化曲線データは、例えば、開磁路方式により計測された磁化曲線(外部磁界に応じて変化する磁化をあらわす曲線)を示す。計測された磁化曲線データには、試料(試料S1,S2)のサイズが小さいため、表面劣化の影響による計測誤差が含まれる。
形状パラメータは、試料(試料S1,S2)の寸法を含む。形状パラメータは、例えば、試料(試料S1,S2)の形状の種類をあらわすパラメータ(例えば、nshape)を含むことにしてもよい。形状パラメータに含まれる寸法は、例えば、試料(試料S1,S2)の形状の種類によって決まる。
具体的には、例えば、取得部901は、図2に示したクライアント装置202から、図6Aおよび図6Bに示した磁化曲線データmd1,md2と、図7Aおよび図7Bに示した形状パラメータsp1,sp2とを受信する。これにより、試料S1,S2それぞれの磁化曲線データ(磁化曲線データmd1,md2)と形状パラメータ(形状パラメータsp1,sp2)とを取得する。
また、取得部901は、不図示の入力装置を用いたユーザの操作入力により、試料S1,S2それぞれの磁化曲線データ(磁化曲線データmd1,md2)と形状パラメータ(形状パラメータsp1,sp2)とを取得することにしてもよい。
特定部902は、取得された形状パラメータに基づいて、試料(試料S1,S2)の形状を特定する。具体的には、例えば、まず、特定部902は、図4に示した形状判断テーブル220を参照して、形状パラメータsp1,sp2に含まれるnshapeに基づいて、試料(試料S1,S2)の形状の種類を特定する。そして、特定部902は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法を参照して、特定した形状の種類に基づいて、試料(試料S1,S2)の形状を特定する。
なお、形状パラメータsp1,sp2に含まれるnshapeの値が一致しない場合は、試料S1,S2の形状の種類が異なる。この場合、情報処理装置201は、例えば、試料S1,S2の相似形ではない旨のエラーを出力することにしてもよい。
例えば、試料(試料S1,S2)の形状の種類として「直方体」が特定されたとする(nshape=1)。この場合、特定部902は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法を参照して、「a=b=c」であるか否かを判断する。より詳細に説明すると、例えば、特定部902は、形状パラメータsp1に含まれる寸法a1,b1,c1を参照して、「a1=b1=c1」であるか否かを判断する。また、特定部902は、形状パラメータsp2に含まれる寸法a2,b2,c2を参照して、「a2=b2=c2」であるか否かを判断する。ただし、試料S1,S2は相似形状のため、「a1=b1=c1」または「a2=b2=c2」のいずれかについてのみ判断することにしてもよい。ここで、「a=b=c」の場合、特定部902は、試料(試料S1,S2)の形状を「立方体」と特定する。一方、「a=b=c」ではない場合、特定部902は、試料(試料S1,S2)の形状を「立方体以外の直方体」と特定する。
また、試料(試料S1,S2)の形状の種類として「楕円球体」が特定されたとする(nshape=2)。この場合、特定部902は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法を参照して、「a=b=c」であるか否かを判断する。ここで、「a=b=c」の場合、特定部902は、試料(試料S1,S2)の形状を「真円球体」と特定する。一方、「a=b=c」ではない場合、特定部902は、試料(試料S1,S2)の形状を「真円球体以外の楕円球体」と特定する。
また、試料(試料S1,S2)の形状の種類として「楕円柱体」が特定されたとする(nshape=3)。この場合、特定部902は、試料(試料S1,S2)の形状を「楕円柱体」と特定する。
一例として、形状パラメータsp1,sp2に含まれる各種パラメータの値を「nshape=1,a1=1[mm],b1=1[mm],c1=1[mm],a2=4[mm],b2=4[mm],c2=4[mm]」とする。この場合、形状の種類が「直方体」で、「a=b=c」が成立するため、試料(試料S1,S2)の形状は「立方体」となる。
また、形状パラメータsp1,sp2に含まれる各種パラメータの値を「nshape=1,a1=2[mm],b1=1.5[mm],c1=1[mm],a2=4[mm],b2=3[mm],c2=2[mm]」とする。この場合、形状の種類が「直方体」で、「a=b=c」が成立しないため、試料(試料S1,S2)の形状は「立方体以外の直方体」となる。
また、形状パラメータsp1,sp2に含まれる各種パラメータの値を「nshape=2,a1=2[mm],b1=2[mm],c1=2[mm],a2=3[mm],b2=3[mm],c2=3[mm]」とする。この場合、形状の種類が「楕円球体」で、「a=b=c」が成立するため、試料(試料S1,S2)の形状は「真円球体」となる。
また、形状パラメータsp1,sp2に含まれる各種パラメータの値を「nshape=2,a1=2[mm],b1=1[mm],c1=1[mm],a2=4[mm],b2=2[mm],c2=2[mm]」とする。この場合、形状の種類が「楕円球体」で、「a=b=c」が成立しないため、試料(試料S1,S2)の形状は「真円球体以外の楕円球体」となる。
また、形状パラメータsp1,sp2に含まれる各種パラメータの値を「nshape=3,a1=1.5[mm],b1=1[mm],c1=2[mm],a2=3[mm],b2=2[mm],c2=4[mm]」とする。この場合、試料(試料S1,S2)の形状は「楕円柱体」となる。
算出部903は、モデルMを用いて、取得された試料(試料S1,S2)それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料の内部の磁化を算出する。ここで、モデルMは、物体の表面部と内部との体積比率に応じて、物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわす情報である。
物体は、磁化の計測対象となる永久磁石である。物体の表面部は、試料表面の劣化(磁化特性が変化)した領域を示す。物体の内部は、物体の表面部以外の部分であり、試料内部の劣化していない領域を示す。モデルMは、例えば、物体についての複数種類の形状それぞれの形状ごとにある。
具体的には、例えば、算出部903は、試料(試料S1,S2)それぞれについて、モデルMを用いて、試料全体の磁化を、表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわす式を立てる。つぎに、算出部903は、その2つの式からなる連立方程式を解くことにより、関数fを導出する。
関数fは、試料(試料S1,S2)それぞれの磁化と寸法とから試料の内部の磁化をあらわす関数である。すなわち、関数fは、試料(試料S1,S2)それぞれの磁化と寸法とを変数とする計算式である。そして、算出部903は、導出した関数fを用いて、試料(試料S1,S2)それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料の内部の磁化を算出する。ただし、関数fはあらかじめ作成されていてもよい。
また、算出部903は、記憶部910を参照して、特定された形状に対応する関数fを特定することにしてもよい。記憶部910は、複数種類の形状それぞれの形状と対応付けて、当該形状の物体の表面部と内部との体積比率に応じて、物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルMから導出される関数fを記憶する。そして、算出部903は、特定した関数fを用いて、試料(試料S1,S2)それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料の内部の磁化を算出することにしてもよい。
具体的には、例えば、算出部903は、図5に示した形状別関数テーブル230を参照して、特定された形状に対応する関数fを特定する。
例えば、試料(試料S1,S2)の形状として「立方体」が特定されたとする。この場合、算出部903は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「直方体(立方体)」に対応する下記式(1)を、関数fとして特定する。そして、算出部903は、下記式(1)を用いて、取得された磁化曲線データmd1,md2と形状パラメータsp1,sp2とに基づいて、試料(試料S1,S2)の内部の磁化Jbulk(H)を算出する。
Figure 0007484684000001
ただし、Jbulk(H)は、磁界Hのときの試料の内部の磁化を示す。J1(H)は、磁界Hのときの試料S1の磁化を示す。J2(H)は、磁界Hのときの試料S2の磁化を示す。L1は、試料S1の寸法a1に対応するパラメータを示す。L2は、試料S2の寸法a2に対応するパラメータを示す。
より詳細に説明すると、例えば、算出部903は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法a1,a2を、上記式(1)のL1,L2に代入する。そして、算出部903は、磁化曲線データmd1,md2を参照して、磁界Hの値ごとに、(H,J1),(H,J2)を上記式(1)のJ1(H),J2(H)に代入することにより、磁化Jbulk(H)を算出する。これにより、磁界Hの値ごとの磁化Jbulkを示す磁化曲線データ(H,Jbulk)を得ることができる。
また、試料(試料S1,S2)の形状として「立方体以外の直方体」が特定されたとする。この場合、算出部903は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「直方体(立方体以外)」に対応する下記式(2)を、関数fとして特定する。そして、算出部903は、下記式(2)を用いて、磁化曲線データmd1,md2と形状パラメータsp1,sp2とに基づいて、試料の内部の磁化Jbulk(H)を算出する。
Figure 0007484684000002
ただし、kは、a2/a1に対応するパラメータを示す。
より詳細に説明すると、例えば、算出部903は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法a1,a2を、上記式(2)のkに代入する。そして、算出部903は、磁化曲線データmd1,md2を参照して、磁界Hの値ごとに、(H,J1),(H,J2)を上記式(2)のJ1(H),J2(H)に代入することにより、磁化Jbulk(H)を算出する。これにより、磁界Hの値ごとの磁化Jbulkを示す磁化曲線データ(H,Jbulk)を得ることができる。
また、試料(試料S1,S2)の形状として「真円球体」が特定されたとする。この場合、算出部903は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「楕円球体(真円球体)」に対応する下記式(3)を、関数fとして特定する。そして、算出部903は、下記式(3)を用いて、磁化曲線データmd1,md2と形状パラメータsp1,sp2とに基づいて、試料の内部の磁化Jbulk(H)を算出する。
Figure 0007484684000003
ただし、r1は、a1/2に対応するパラメータを示す。r2は、a2/2に対応するパラメータを示す。
より詳細に説明すると、例えば、算出部903は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法a1,a2を、上記式(3)のr1,r2に代入する。そして、算出部903は、磁化曲線データmd1,md2を参照して、磁界Hの値ごとに、(H,J1),(H,J2)を上記式(3)のJ1(H),J2(H)に代入することにより、磁化Jbulk(H)を算出する。これにより、磁界Hの値ごとの磁化Jbulkを示す磁化曲線データ(H,Jbulk)を得ることができる。
また、試料(試料S1,S2)の形状として「真円球体以外の楕円球体」が特定されたとする。この場合、算出部903は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「楕円球体(真円球体以外)」に対応する下記式(4)を、関数fとして特定する。そして、算出部903は、下記式(4)を用いて、磁化曲線データmd1,md2と形状パラメータsp1,sp2とに基づいて、試料の内部の磁化Jbulk(H)を算出する。
Figure 0007484684000004
ただし、lは、a2/a1に対応するパラメータを示す。
より詳細に説明すると、例えば、算出部903は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法a1,a2を、上記式(4)のlに代入する。そして、算出部903は、磁化曲線データmd1,md2を参照して、磁界Hの値ごとに、(H,J1),(H,J2)を上記式(4)のJ1(H),J2(H)に代入することにより、磁化Jbulk(H)を算出する。これにより、磁界Hの値ごとの磁化Jbulkを示す磁化曲線データ(H,Jbulk)を得ることができる。
また、試料(試料S1,S2)の形状として「楕円柱体」が特定されたとする。この場合、算出部903は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「楕円柱体」に対応する下記式(5)を、関数fとして特定する。そして、算出部903は、下記式(5)を用いて、磁化曲線データmd1,md2と形状パラメータsp1,sp2とに基づいて、試料の内部の磁化Jbulk(H)を算出する。
Figure 0007484684000005
ただし、h1は、試料S1の寸法c1に対応するパラメータを示す。h2は、試料S2の寸法c2に対応するパラメータを示す。
より詳細に説明すると、例えば、算出部903は、形状パラメータsp1,sp2に含まれる寸法c1,c2を、上記式(5)のh1,h2に代入する。そして、算出部903は、磁化曲線データmd1,md2を参照して、磁界Hの値ごとに、(H,J1),(H,J2)を上記式(5)のJ1(H),J2(H)に代入することにより、磁化Jbulk(H)を算出する。これにより、磁界Hの値ごとの磁化Jbulkを示す磁化曲線データ(H,Jbulk)を得ることができる。
なお、モデルMから出力される関数fの導出例については、図10~図13を用いて後述する。
出力部904は、算出された算出結果を出力する。出力部904の出力形式としては、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置への記憶、通信I/F305による他のコンピュータへの送信、不図示のディスプレイへの表示、不図示のプリンタへの印刷出力などがある。
具体的には、例えば、出力部904は、磁化曲線データmd1,md2から表面劣化の影響による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データとして、算出された試料の内部の磁化Jbulk(H)を示す磁化曲線データを出力する。補正後の磁化曲線データの具体例については、図14を用いて後述する。
なお、上述した情報処理装置201の機能部は、情報処理システム200内の複数のコンピュータ(例えば、情報処理装置201とクライアント装置202)により実現されることにしてもよい。
(関数fの導出例)
つぎに、図10~図13を用いて、モデルMから出力される関数fの導出例について説明する。ここでは、物体(試料S1,S2)の形状として、直方体(立方体)、楕円球体(真円球体)および楕円柱体を例に挙げて説明する。
図10は、関数fの第1の導出例を示す説明図である。図10において、試料S1,S2は、形状が「直方体(立方体)」の2つの試料を示す。ここで、試料S1の一辺(縦、横、高さ)の長さを「L1」とし、試料S2の一辺(縦、横、高さ)の長さを「L2」とする。
また、試料S1,S2の表面部(劣化した領域)の厚みを「d」とする。試料S1,S2は、加工方法が同じため、劣化した領域の厚みが同じであると仮定することができる。形状が「直方体(立方体)」の場合、モデルMを用いて、各試料S1,S2の全体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすと、下記式(6),(7)のようになる。
Figure 0007484684000006
Figure 0007484684000007
上記式(6),(7)において、左辺は、試料全体の磁化をあらわす。また、上記式(6),(7)において、右辺の第1項は、試料表面の磁化成分をあらわし、右辺の第2項は試料内部の磁化成分をあらわす。右辺の第1項のJsurfの係数部分は、試料S1全体の体積に対する表面部の体積の比に相当する。右辺の第2項のJbulkの係数部分は、試料S1全体の体積に対する内部の体積の比に相当する。すなわち、Jsurfの係数部分とJbulkの係数部分は、試料S1の表面部と内部との体積比率に相当する。
なお、上記式(6),(7)では、Hの表記を省略している(例えば、「Jbulk(H)」を「Jbulk」と表記している。)。
算出部903は、Jbulkについて、上記式(6),(7)からなる連立方程式を解くことにより、上記式(1)を導出することができる。また、上記式(1)には、試料S1,S2の表面部(劣化した領域)の厚みをあらわす「d」が含まれていない。このため、劣化した領域の厚みをパラメータとして与えることなく、すなわち、「d」を測定しなくても、表面劣化による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データを得ることができる。なお、形状が「直方体(立方体以外)」の場合の上記式(2)についても、上記式(1)と同様に導出することができる。
図11は、試料のサイズと磁化との対応関係を示す説明図である。図11において、グラフ1100は、試料のサイズに応じて変化する磁化をあらわしている。横軸は、サイズの逆数(インバース)を示す。縦軸は、磁化を示す。ただし、試料の形状を「立方体」とし、試料のサイズを「立方体の1辺の長さ」とする。
グラフ1100は、磁界Hのある値において、サイズL1のときの磁化J1をプロットした点1101と、サイズL2のときの磁化J2をプロットした点1102とを結ぶ直線である。磁化Jbulkは、グラフ1100の切片であり、サイズLが無限大のときの磁化をあらわす。
試料のサイズを変えると、劣化した領域(表面部)と劣化していない領域(内部)との比が変化するため、試料の磁化が変化する。ここで、サイズLが無限大のときの磁化は、表面劣化の影響が0に近い(無限小)ときの磁化に相当する。モデルMにおいて、サイズL(L1,L2)が無限大のときの磁化Jは、磁化Jbulkとなる。
したがって、モデルMは、試料の磁化を適切にモデル化できているといえ、また、モデルMから導出される関数fを用いて磁化Jbulkを求めることで、表面劣化の影響による計測誤差が除去された磁化が得られるといえる。
つぎに、物体(試料S1,S2)の形状が「楕円球体(真円球体)」の場合について説明する。
図12は、関数fの第2の導出例を示す説明図である。図12において、試料S1,S2は、形状が「楕円球体(真円球体)」の2つの試料を示す。ここで、試料S1の半径を「r1」とし、試料S2の半径を「r2」とする。また、試料S1,S2の表面部(劣化した領域)の厚みを「d」とする。
形状が「楕円球体(真円球体)」の場合、モデルMを用いて、各試料S1,S2の全体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすと、下記式(8),(9)のようになる。
Figure 0007484684000008
Figure 0007484684000009
上記式(8),(9)において、左辺は、試料全体の磁化をあらわす。また、上記式(8),(9)において、右辺の第1項は、試料表面の磁化成分をあらわし、右辺の第2項は試料内部の磁化成分をあらわす。右辺の第1項のJsurfの係数部分は、試料S1全体の体積に対する表面部の体積の比に相当する。右辺の第2項のJbulkの係数部分は、試料S1全体の体積に対する内部の体積の比に相当する。すなわち、Jsurfの係数部分とJbulkの係数部分は、試料S1の表面部と内部との体積比率に相当する。
なお、上記式(8),(9)では、Hの表記を省略している。
算出部903は、Jbulkについて、上記式(8),(9)からなる連立方程式を解くことにより、上記式(3)を導出することができる。また、上記式(3)には、試料S1,S2の表面部(劣化した領域)の厚みをあらわす「d」が含まれていない。このため、劣化した領域の寸法を形状パラメータとして与えることなく、すなわち、「d」を測定しなくても、表面劣化による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データを得ることができる。なお、形状が「楕円球体(真円球体以外)」の場合の上記式(4)についても、上記式(3)と同様に導出することができる。
つぎに、物体(試料S1,S2)の形状が「楕円柱体」の場合について説明する。ただし、楕円柱体の円の形状が「真円」である場合を想定する。
図13は、関数fの第3の導出例を示す説明図である。図13において、試料S1,S2は、形状が「楕円柱体」の2つの試料を示す。ここで、試料S1の半径を「r1」とし、試料S2の半径を「r2」とする。また、試料S1,S2の表面部(劣化した領域)の厚みを「d」とする。
形状が「楕円柱体」の場合、モデルMを用いて、各試料S1,S2の全体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすと、下記式(10),(11)のようになる。
Figure 0007484684000010
Figure 0007484684000011
上記式(10),(11)において、左辺は、試料全体の磁化をあらわす。また、上記式(10),(11)において、右辺の第1項は、試料表面の磁化成分をあらわし、右辺の第2項は試料内部の磁化成分をあらわす。右辺の第1項のJsurfの係数部分は、試料S1全体の体積に対する表面部の体積の比に相当する。右辺の第2項のJbulkの係数部分は、試料S1全体の体積に対する内部の体積の比に相当する。すなわち、Jsurfの係数部分とJbulkの係数部分は、試料S1の表面部と内部との体積比率に相当する。
なお、上記式(10),(11)では、Hの表記を省略している。
算出部903は、Jbulkについて、上記式(10),(11)からなる連立方程式を解くことにより、上記式(5)を導出することができる。また、上記式(5)には、試料S1,S2の表面部(劣化した領域)の厚みをあらわす「d」が含まれていない。このため、劣化した領域の厚みをパラメータとして与えることなく、すなわち、「d」を測定しなくても、表面劣化による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データを得ることができる。なお、ここでは楕円柱体の円の形状が「真円」である場合を例に挙げて説明したが、楕円柱体の円の形状が真円以外の場合も同様である。
(補正後の磁化曲線データの具体例)
つぎに、図14を用いて、補正後の磁化曲線データの具体例について説明する。
図14は、補正後の磁化曲線データの具体例を示す説明図である。図14において、磁化曲線データmd1は、開磁路方式で計測された試料S1の磁化曲線を示す。試料S1は、1辺の長さが「1mm」の立方体である。また、磁化曲線データmd2は、開磁路方式で計測された試料S2の磁化曲線を示す。試料S2は、1辺の長さが「4mm」の立方体である。
磁化曲線データ1400は、上記式(1)を用いて、磁化曲線データmd1,md2および形状パラメータsp1,sp2に基づいて算出された、永久磁石(物体)の磁化(磁化Jbulk)を示す補正後の磁化曲線データである。磁化曲線データ1400では、表面劣化の影響により生じる段差のような計測誤差が除去されていることがわかる。
これにより、永久磁石の特性を測定するにあたり、4mm以下のようなサイズの小さい試料を用いた場合であっても、計測誤差のない磁化曲線データを得ることができる。
(情報処理装置201の補正処理手順)
つぎに、図15および図16を用いて、情報処理装置201の補正処理手順について説明する。
図15および図16は、情報処理装置201の補正処理手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれについて、計測された磁化曲線データと形状パラメータとを取得する(ステップS1501)。
つぎに、情報処理装置201は、形状判断テーブル220を参照して、試料S1,S2それぞれの形状パラメータに基づいて、「nshape=1」であるか否かを判断する(ステップS1502)。ここで、「nshape=1」の場合(ステップS1502:Yes)、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータに基づいて、「a=b=c」であるか否かを判断する(ステップS1503)。
ここで、「a=b=c」の場合(ステップS1503:Yes)、情報処理装置201は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「直方体(立方体)」に対応する関数fを特定する(ステップS1504)。ここで特定される関数fは、上記式(1)である。
そして、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータを参照して、「L1=a1,L2=a2」とする(ステップS1505)。つぎに、情報処理装置201は、関数fを用いて、試料S1,S2それぞれの磁化曲線データに基づいて、磁界Hの値ごとに、磁化Jbulk(H)を算出する(ステップS1506)。
そして、情報処理装置201は、算出した磁界Hの値ごとの磁化Jbulkを示す磁化曲線データ(H,Jbulk)を、補正後の磁化曲線データとして出力して(ステップS1507)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1503において、「a=b=c」ではない場合(ステップS1503:No)、情報処理装置201は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「直方体(立方体以外)」に対応する関数fを特定する(ステップS1508)。ここで特定される関数fは、上記式(2)である。
そして、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータを参照して、「k=a2/a1」として(ステップS1509)、ステップS1506に移行する。また、ステップS1502において、「nshape≠1」の場合(ステップS1502:No)、情報処理装置201は、図16に示すステップS1601に移行する。
図16のフローチャートにおいて、まず、情報処理装置201は、形状判断テーブル220を参照して、試料S1,S2それぞれの形状パラメータに基づいて、「nshape=2」であるか否かを判断する(ステップS1601)。ここで、「nshape=2」の場合(ステップS1601:Yes)、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータに基づいて、「a=b=c」であるか否かを判断する(ステップS1602)。
ここで、「a=b=c」の場合(ステップS1602:Yes)、情報処理装置201は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「楕円球体(真円球体)」に対応する関数fを特定する(ステップS1603)。ここで特定される関数fは、上記式(3)である。そして、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータを参照して、「r1=a1/2,r2=a2/2」として(ステップS1604)、図15に示したステップS1506に移行する。
また、ステップS1602において、「a=b=c」ではない場合(ステップS1602:No)、情報処理装置201は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「楕円球体(真円球体以外)」に対応する関数fを特定する(ステップS1605)。ここで特定される関数fは、上記式(4)である。そして、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータを参照して、「l=a2/a1」として(ステップS1606)、図15に示したステップS1506に移行する。
また、ステップS1601において、「nshape=3」の場合(ステップS1601:No)、情報処理装置201は、形状別関数テーブル230を参照して、形状「楕円柱体」に対応する関数fを特定する(ステップS1607)。ここで特定される関数fは、上記式(5)である。そして、情報処理装置201は、試料S1,S2それぞれの形状パラメータを参照して、「h1=c1,h2=c2」として(ステップS1608)、図15に示したステップS1506に移行する。
これにより、表面劣化の影響による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データを得ることができる。
以上説明したように、実施の形態にかかる情報処理装置201によれば、同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料(試料S1,S2)それぞれについて、計測された磁化曲線データと、形状パラメータとを取得し、モデルMを用いて、取得した試料それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料(試料S1,S2)の内部の磁化を算出し、算出した算出結果を出力することができる。モデルMは、物体の表面部と内部との体積比率に応じて、物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわす情報である。計測された磁化曲線データは、例えば、開磁路方式により計測された磁化曲線データである。
これにより、同じ材質で大きさの異なる相似形の2つの試料S1,S2の磁化曲線データを利用して、サイズの小さい試料を用いることで顕著にあらわれる表面劣化の影響による計測誤差を除去することができる。
また、情報処理装置201によれば、モデルMから導出される、2つの試料(試料S1,S2)それぞれの磁化と寸法とから試料の内部の磁化をあらわす関数fを用いて、試料それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料の内部の磁化を算出することができる。
これにより、試料S1,S2の劣化した領域の厚み(例えば、図10に示した「d」)をパラメータとして与えなくても、試料S1,S2の辺の長さ、径の大きさなどの寸法から、表面劣化による計測誤差が除去された補正後の磁化曲線データを得ることができる。
また、情報処理装置201によれば、取得した形状パラメータに基づいて、試料(試料S1,S2)の形状を特定し、記憶部910(例えば、形状別関数テーブル230)を参照して、特定した形状に対応する関数fを特定し、特定した関数fを用いて、試料それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとに基づいて、試料の内部の磁化を算出することができる。記憶部910は、複数種類の形状それぞれの形状と対応付けて、当該形状の物体の表面部と内部との体積比率に応じて、物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルMから導出される関数fを記憶する。形状は、例えば、直方体、楕円球体および楕円柱体のいずれかである。直方体、楕円球体および楕円柱体は、開磁路方式で試料を安定的に振動させるために採用される典型的な形状である。
これにより、試料S1,S2の形状に応じた適切な関数fを選択して、磁化曲線データから表面劣化の影響による計測誤差を除去することができる。
また、情報処理装置201によれば、同じ方法で加工された2つの試料(試料S1,S2)それぞれの磁化曲線データと形状パラメータとを取得することができる。
これにより、試料間で表面劣化の度合いが同様であることを担保することができる。
これらのことから、実施の形態にかかる情報処理装置201(測定装置101)によれば、永久磁石のサイズに依らない正確な磁化曲線を計測することが可能となり、永久磁石の特性を精度よく測定することができる。
なお、本実施の形態で説明した測定方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本測定プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本測定プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
また、本実施の形態で説明した情報処理装置201(測定装置101)は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し、
前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、
算出した算出結果を出力する、
制御部を有することを特徴とする測定装置。
(付記2)前記制御部は、
前記モデルから導出される、前記試料それぞれの磁化と寸法とから前記試料の内部の磁化をあらわす関数を用いて、前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出する、ことを特徴とする付記1に記載の測定装置。
(付記3)複数種類の形状それぞれの形状と対応付けて、当該形状の物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルから導出される、2つの試料それぞれの磁化と寸法とから当該試料の内部の磁化をあらわす関数を記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、
取得した前記形状パラメータに基づいて、前記試料の形状を特定し、
前記記憶部を参照して、特定した前記形状に対応する関数を特定し、
特定した前記関数を用いて、前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出する、
ことを特徴とする付記2に記載の測定装置。
(付記4)前記形状は、直方体、楕円球体および楕円柱体のいずれかである、ことを特徴とする付記3に記載の測定装置。
(付記5)前記2つの試料は、同じ方法で加工された試料である、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の測定装置。
(付記6)前記磁化曲線データは、開磁路方式により計測された磁化曲線データである、ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の測定装置。
(付記7)同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し(ステップS1501)、
前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、
算出した算出結果を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする測定方法。
(付記8)同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し、
前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、
算出した算出結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする測定プログラム。
101 測定装置
110,120,1400,md1,md2 磁化曲線データ
111,121,sp1,sp2 形状パラメータ
130 補正後の磁化曲線データ
200 情報処理システム
201 情報処理装置
202 クライアント装置
210 ネットワーク
220 形状判断テーブル
230 形状別関数テーブル
300 バス
301 CPU
302 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305 通信I/F
306 可搬型記録媒体I/F
307 可搬型記録媒体
901 取得部
902 特定部
903 算出部
904 出力部
910 記憶部

Claims (6)

  1. 同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し、
    前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、
    算出した算出結果を出力する、
    制御部を有することを特徴とする測定装置。
  2. 前記制御部は、
    前記モデルから導出される、前記試料それぞれの磁化と寸法とから前記試料の内部の磁化をあらわす関数を用いて、前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 複数種類の形状それぞれの形状と対応付けて、当該形状の物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルから導出される、2つの試料それぞれの磁化と寸法とから当該試料の内部の磁化をあらわす関数を記憶する記憶部を有し、
    前記制御部は、
    取得した前記形状パラメータに基づいて、前記試料の形状を特定し、
    前記記憶部を参照して、特定した前記形状に対応する関数を特定し、
    特定した前記関数を用いて、前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記2つの試料は、同じ方法で加工された試料である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の測定装置。
  5. 同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し、
    前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、
    算出した算出結果を出力する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする測定方法。
  6. 同じ材質の物体で大きさの異なる相似形の2つの試料それぞれについて、計測された前記試料の磁化曲線データと、前記試料の寸法を含む形状パラメータとを取得し、
    前記物体の表面部と内部との体積比率に応じて、前記物体の磁化を表面部の磁化成分と内部の磁化成分とに分解してあらわすモデルを用いて、取得した前記試料それぞれの前記磁化曲線データと前記形状パラメータとに基づいて、前記試料の内部の磁化を算出し、
    算出した算出結果を出力する、
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする測定プログラム。
JP2020202457A 2020-12-07 2020-12-07 測定装置、測定方法および測定プログラム Active JP7484684B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020202457A JP7484684B2 (ja) 2020-12-07 2020-12-07 測定装置、測定方法および測定プログラム
US17/460,372 US11555866B2 (en) 2020-12-07 2021-08-30 Measurement apparatus, measurement method, and computer-readable recording medium storing measurement program

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020202457A JP7484684B2 (ja) 2020-12-07 2020-12-07 測定装置、測定方法および測定プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022090214A JP2022090214A (ja) 2022-06-17
JP7484684B2 true JP7484684B2 (ja) 2024-05-16

Family

ID=81848903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020202457A Active JP7484684B2 (ja) 2020-12-07 2020-12-07 測定装置、測定方法および測定プログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11555866B2 (ja)
JP (1) JP7484684B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004127056A (ja) 2002-10-04 2004-04-22 Sumitomo Special Metals Co Ltd 磁場解析方法および装置
JP2010271178A (ja) 2009-05-21 2010-12-02 Toyota Motor Corp 磁石の磁化特定方法および保磁力特定方法
WO2011114415A1 (ja) 2010-03-15 2011-09-22 トヨタ自動車株式会社 保磁力分布磁石の保磁力特定方法
WO2012157637A1 (ja) 2011-05-17 2012-11-22 日立金属株式会社 磁力特性算出方法、磁力特性算出装置及びコンピュータプログラム
JP2013076617A (ja) 2011-09-30 2013-04-25 Mie Univ 強磁性体を有する球の異方性と疲労損傷を評価する方法
JP2019215226A (ja) 2018-06-12 2019-12-19 富士通株式会社 情報処理装置、閉磁路演算方法、および閉磁路演算システム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5075465A (ja) 1973-11-02 1975-06-20
JP5589665B2 (ja) * 2010-08-18 2014-09-17 富士通株式会社 解析装置、解析プログラムおよび解析方法
JP6547297B2 (ja) * 2015-01-05 2019-07-24 富士通株式会社 磁界シミュレータプログラム、磁化ベクトル格納方法、及び磁界シミュレータ装置
US10529473B2 (en) * 2016-03-28 2020-01-07 Tdk Corporation R-T-B based permanent magnet

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004127056A (ja) 2002-10-04 2004-04-22 Sumitomo Special Metals Co Ltd 磁場解析方法および装置
JP2010271178A (ja) 2009-05-21 2010-12-02 Toyota Motor Corp 磁石の磁化特定方法および保磁力特定方法
WO2011114415A1 (ja) 2010-03-15 2011-09-22 トヨタ自動車株式会社 保磁力分布磁石の保磁力特定方法
WO2012157637A1 (ja) 2011-05-17 2012-11-22 日立金属株式会社 磁力特性算出方法、磁力特性算出装置及びコンピュータプログラム
JP2013076617A (ja) 2011-09-30 2013-04-25 Mie Univ 強磁性体を有する球の異方性と疲労損傷を評価する方法
JP2019215226A (ja) 2018-06-12 2019-12-19 富士通株式会社 情報処理装置、閉磁路演算方法、および閉磁路演算システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022090214A (ja) 2022-06-17
US11555866B2 (en) 2023-01-17
US20220179014A1 (en) 2022-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5556882B2 (ja) 磁性体のシミュレーション方法及びプログラム
JP6645623B2 (ja) 積層鉄心の弾性マトリックス決定方法および振動解析方法
JP6393423B2 (ja) 磁場の解析計算方法、磁場の解析計算方法を用いた回路計算用モデルのプログラム及び当該プログラムの記録媒体
JP7484684B2 (ja) 測定装置、測定方法および測定プログラム
JP6003887B2 (ja) 磁力特性算出方法、磁力特性算出装置及びコンピュータプログラム
Diez et al. A Rational Approach to $ B $–$ H $ Curve Representation
JP7053999B2 (ja) 情報処理装置、閉磁路演算方法、および閉磁路演算システム
JP5589665B2 (ja) 解析装置、解析プログラムおよび解析方法
JP2010271178A (ja) 磁石の磁化特定方法および保磁力特定方法
JP5626226B2 (ja) 磁力特性算出方法、磁力特性算出装置及びコンピュータプログラム
JPWO2020095527A1 (ja) 積層鉄心の弾性マトリックス決定方法および振動解析方法
Bhattacharya et al. Constructing isosurfaces with sharp edges and corners using cube merging
JP2006190264A (ja) 半導体集積回路のシミュレーション方法
KR20210063812A (ko) 세라믹 필름 제조 공정 분석 장치 및 방법 그리고 이를 구현하기 위한 프로그램을 기록한 기록매체
JP2005251117A (ja) シミュレーション方法、設計支援装置、コンピュータプログラム、及び記録媒体
Chang et al. Accurate evaluation of exchange fields in finite element micromagnetic solvers
CN114913941A (zh) 一种应力框铸件的模拟参数数据库建立方法及装置
JP2011186614A (ja) 軸受部品のモデル作成システム及びシミュレーションシステム
WO2013042220A1 (ja) 磁場解析装置、磁場解析プログラムおよび磁場解析方法
JPH02248879A (ja) 磁性薄膜の磁化特性測定装置
JP2005164365A (ja) 磁気歪み解析装置、磁気歪み測定装置、磁気歪み解析方法、磁気歪み測定方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4264379B2 (ja) 電磁場解析装置、電磁場解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN117433891A (zh) 弹性模量测试方法和弹性模量测试装置
JP2021124479A (ja) 形状測定システム、形状測定方法およびプログラム
JP2006350948A (ja) モデル同定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7484684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150