JP7052417B2 - センサーデバイス、力検出装置およびロボット - Google Patents

センサーデバイス、力検出装置およびロボット Download PDF

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Description

本発明は、センサーデバイス、力検出装置およびロボットに関するものである。
特許文献1に記載されたセンサーデバイスは、X軸、Y軸およびZ軸の加速度をそれぞれ独立して検出できる加速度センサーであり、センサー基台と、センサー基台に取り付けられた回路基板と、回路基板に取り付けられた積層圧電素子および積層圧電素子からの信号を処理する処理回路と、を有している。
特開2000-314744号公報
このような加速度センサーでは、X軸、Y軸およびZ軸の加速度をそれぞれ独立して検出するために、処理回路として、積層圧電素子からの信号に基づいてX軸方向の加速度を検出するX軸処理回路と、積層圧電素子からの信号に基づいてY軸方向の加速度を検出するY軸処理回路と、積層圧電素子からの信号に基づいてZ軸方向の加速度を検出するZ軸処理回路と、が必要となる。
しかしながら、特許文献1では図5を参照すれば、多軸検出用に複数の圧電素子が基板上に配置され、これら圧電素子の信号処理回路が、圧電素子が配置される基板に対して2階建てとなる別な基板上に配置されている。
このように、複数の圧電素子の信号処理回路が2階建てとなる別な基板上に配置されていると、複数軸の各圧電素子の信号処理回路が近接して配置されてしまうことになり、積層圧電素子から出力される各軸の信号同士が互いに干渉してノイズとなるおそれが増す。そのため、特許文献1の加速度センサーでは、優れた加速度検出特性を発揮することができないという課題があった。
本発明の目的は、多軸検出における信号干渉を低減する優れた検出特性を発揮することのできるセンサーデバイス、力検出装置およびロボットを提供することにある。
本発明の一態様であるセンサーデバイスは、凹部を有する基体と、
前記凹部の開口を塞ぎ、前記凹部を密閉する蓋体と、
前記凹部内に配置され、第1方向の外力に応じて第1信号を出力する第1素子および前記第1方向とは異なる第2方向の外力に応じて第2信号を出力する第2素子を備え、
前記凹部内に配置され、前記第1信号を処理する第1回路と、
前記凹部内に配置され、前記第2信号を処理する第2回路と、を有し、
前記基体の平面視で、
前記第1素子の一方側であり、且つ、前記第1素子の前記一方側と同じ側である前記第2素子の一方側に、前記第1回路が位置し、
前記第1素子の他方側であり、且つ、前記第1素子の前記他方側と同じ側である前記第2素子の他方側に前記第2回路が位置していることを特徴とする。
これにより、第1回路と第2回路とを凹部内でなるべく離間して配置することができる。そのため、第1回路と第2回路との干渉が低減され、第1信号に第2回路からのノイズが乗ったり、反対に、第2信号に第1回路からのノイズが乗ったりすることを効果的に抑制することができる。そのため、第1回路によって第1信号を精度よく処理することができ、第2回路によって第2信号を精度よく処理することができる。その結果、受けた外力を精度よく検出することができ、優れた力検出特性を発揮することのできるセンサーデバイスが得られる。
本発明の一態様であるセンサーデバイスでは、前記第1回路の配線と前記第1素子とを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2回路の配線と前記第2素子とを電気的に接続する第2接続部材と、を有し、
前記基体の平面視で、前記第1回路および前記第2回路が並ぶ方向を第1方向とし、前記第1方向に直交する方向を第2方向としたとき、
前記第1接続部材および前記第2接続部材が前記第2方向に並んで配置されていることが好ましい。
これにより、基体の第1方向の長さを抑えることができるため、基体の平面視形状を正方形に近づけることができる(好ましくは正方形にすることができる)。その結果、力検出素子が第1方向の外力と第2方向の外力とをより均等に受けることができ、これら2つの外力をより精度よく検出することができる。
本発明の一態様であるセンサーデバイスでは、前記第1回路の配線と前記第1素子とを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2回路の配線と前記第2素子とを電気的に接続する第2接続部材と、を有し、
前記第1素子は、第1圧電素子であり、
前記第2素子は、第2圧電素子であり、
前記第1圧電素子と前記第2圧電素子が積層されて、力検出素子を構成し、
前記基体の平面視で、前記第1回路および前記第2回路は、前記力検出素子の中心を通る直線に対して線対称の位置に配置されており、
前記第1接続部材および前記第2接続部材は、前記力検出素子の、前記第2方向に並ぶ辺の、同じ辺側に位置していることが好ましい。
これにより、第1回路および第2回路を力検出素子に対して線対称に配置し易くなる。
本発明の一態様であるセンサーデバイスでは、前記第1回路の配線と前記第1素子とを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2回路の配線と前記第2素子とを電気的に接続する第2接続部材と、を有し、
前記第1素子は、第1圧電素子であり、
前記第2素子は、第2圧電素子であり、
前記第1圧電素子と前記第2圧電素子が積層されて、力検出素子を構成し、
前記基体の平面視で、前記第1回路および前記第2回路は、前記力検出素子の中心に対して、点対称の位置に配置されており、
前記第1接続部材は、前記力検出素子の、前記第2方向に並ぶ辺の一方側に位置し、
前記第2接続部材は、前記力検出素子の、前記第2方向に並ぶ辺の他方側に位置していることが好ましい。
これにより、第1回路および第2回路を力検出素子に対して点対称に配置し易くなる。
本発明の一態様であるセンサーデバイスでは、前記第1素子は、前記第1信号として第1電荷を出力し、
前記第2素子は、前記第2信号として第2電荷を出力し、
前記第1回路は、前記第1電荷を電圧に変換する回路であり、
前記第2回路は、前記第2電荷を電圧に変換する回路であることが好ましい。
これにより、第1方向の外力および第2方向の外力を容易に検出することができる。
本発明の一態様であるセンサーデバイスでは、前記第1回路は、前記第1電荷が入力される抵抗、前記第1電荷を蓄積する蓄電部および前記第1電荷による電圧を増幅する増幅器の少なくとも1つを含み、
前記第2回路は、前記第2電荷が入力される抵抗、前記第2電荷を蓄積する蓄電部および前記第2電荷による電圧を増幅する増幅器の少なくとも1つを含むことが好ましい。
これにより、各回路要素が水分(湿気)から保護され、湿度に起因した第1回路および第2回路の回路特性の劣化、変動を抑制することができ、受けた外力を精度よく検出することのできるセンサーデバイスとなる。
本発明の一態様であるセンサーデバイスでは、前記第1圧電素子および前記第2圧電素子は、それぞれ、水晶を含むことが好ましい。
これにより、第1、第2圧電素子の構成が簡単なものとなると共に、高感度、広いダイナミックレンジ、高い剛性等の優れた特性を有する力検出素子となる。
本発明の一態様である力検出装置は、第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる本発明の一態様のセンサーデバイスと、を備えることを特徴とする。
このような力検出装置によれば、本発明の一態様のセンサーデバイスを備えているため、より精度よく外力を検出することができる。
本発明の一態様であるロボットは、基台と、
前記基台に接続されるアームと、
本発明の一態様の力検出装置と、を備えることを特徴とする。
このようなロボットによれば、本発明の一態様の力検出装置を備えているため、より精密な作業を実行することができる。
本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイスの平面図である。 図1中のA-A線断面図である。 図1中のB-B線断面図である。 図1に示すセンサーデバイスの平面図である。 図1に示すセンサーデバイスの製造方法を示す側面図である。 図1に示すセンサーデバイスが有する力検出素子の断面図である。 図6に示す力検出素子の斜視図である。 図1に示すセンサーデバイスの平面図である。 図1に示すセンサーデバイスが有する第1回路の回路図である。 図1に示すセンサーデバイスが有する第2回路の回路図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサーデバイスの平面図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサーデバイスの平面図である。 本発明の第4実施形態に係る力検出装置の斜視図である。 図13に示す力検出装置の縦断面図である。 図13に示す力検出装置の横断面図である。 力検出装置に配置されたセンサーデバイスの断面図である。 本発明の第5実施形態に係るロボットの斜視図である。
以下、本発明の一態様であるセンサーデバイス、力検出装置およびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイスについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイスの平面図である。図2は、図1中のA-A線断面図である。図3は、図1中のB-B線断面図である。図4は、図1に示すセンサーデバイスの平面図である。図5は、図1に示すセンサーデバイスの製造方法を示す側面図である。図6は、図1に示すセンサーデバイスが有する力検出素子の断面図である。図7は、図6に示す力検出素子の斜視図である。図8は、図1に示すセンサーデバイスの平面図である。図9は、図1に示すセンサーデバイスが有する第1回路の回路図である。図10は、図1に示すセンサーデバイスが有する第2回路の回路図である。
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸をA軸、B軸およびC軸とし、さらに、各軸を示す矢印の先端側を「プラス側」とし、基端側を「マイナス側」とする。また、A軸に平行な方向を「A軸方向(第1方向)」、B軸に平行な方向を「B軸方向(第2方向)」、C軸に平行な方向を「C軸方向(第3方向)」という。また、C軸方向プラス側を「上」、C軸方向マイナス側を「下」ともいう。また、C軸方向から見たもの(基体21の平面視)を「平面視」ともいう。
図1に示すセンサーデバイス1は、パッケージ2と、パッケージ2に収納された力検出素子3、第1回路4Aおよび第2回路4Bと、を有する。このようなセンサーデバイス1は、例えば、後述する力検出装置100のように、C軸方向から挟まれて力検出素子3が与圧された状態で使用される。そして、センサーデバイス1に加わる外力(A軸方向のせん断力およびB軸方向のせん断力)がパッケージ2を介して力検出素子3に伝わり、受けた外力に基づく信号が力検出素子3から出力され、出力された信号が第1回路4Aおよび第2回路4Bで処理される。
なお、本実施形態では、力検出素子3として、後述する圧電素子31(第1圧電素子)と圧電素子32(第2圧電素子)が積層されてなる構成を例示しているが、これに限らず、外力により電荷を出力する第1素子と第2素子が、各々独立して配置されたセンサーデバイスであってもよい。
平面視で、パッケージ2は、A軸方向を長軸としB軸方向を短軸とする略長方形となっている。パッケージ2は、基体21と、基体21に接合された蓋体24と、を有する。パッケージ2の内側には気密な収納空間Sが形成され、収納空間Sに力検出素子3、第1回路4Aおよび第2回路4Bがそれぞれ収納されている。このように、パッケージ2に力検出素子3、第1回路4Aおよび第2回路4Bを収納することにより、これら各部を外界から保護(防塵、防水)することができる。特に、第1、第2回路4A、4Bを水分(湿気)から保護することにより、水分に起因した第1、第2回路4A、4Bの特性の劣化、変動を抑制することができる。
収納空間Sの雰囲気としては、特に限定されないが、真空状態またはそれに近い状態(減圧状態)であることが好ましい。具体的には、収納空間Sは、0.01Pa以上1000Pa以下であることが好ましい。これにより、第1、第2回路4A、4Bの特性の劣化、変動を効果的に抑制することができる。ただし、収納空間Sは、真空状態の他、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで置換されていてもよい。
また、図2および図3に示すように、基体21は、基部22と、底部材23と、を有する。また、基部22は、上面に開口する凹部221と、下面に開口する凹部222と、凹部221、222の底面の中央部同士を貫通する貫通孔223と、を有する。また、底部材23は、板状をなし、貫通孔223の下側開口を塞ぐようにして凹部222の底面に接合されている。そのため、貫通孔223と底部材23とによって、凹部221の底面の中央部に開口する凹部224が形成される。そして、凹部224内に挿入されるようにして、力検出素子3が配置され、力検出素子3の下面3bが接着剤29を介して底部材23の上面に接合されている。
また、図2に示すように、基部22は、凹部224のA軸方向マイナス側に位置し、凹部221の底面に開口する凹部225を有する。凹部225には第1回路4Aが有する回路素子45Aが配置されている。また、図3に示すように、基部22は、凹部224のA軸方向プラス側に位置し、凹部221の底面に開口する凹部226を有する。凹部226には第2回路4Bが有する回路素子45Bが配置されている。後述するが、回路素子45A、45Bは、第1、第2回路4A、4Bが有する他の回路要素に比べて高背なため(厚いため)、基体21に凹部225、226を形成し、その中に回路素子45A、45Bを配置することにより、パッケージ2の低背化を図ることができる。
また、図1に示すように、基部22には、第1回路4Aが有する配線46Aと、第2回路4Bが有する配線46Bと、が設けられている。配線46A、46Bは、それぞれ、少なくともその一部が凹部221の底面に配置されている。また、図2および図3に示すように、基部22の下面にはパッケージ2の外部に露出し、第1回路4Aおよび第2回路4Bと電気的に接続された複数の外部端子28が設けられている。
基部22の構成材料としては、絶縁性を有する材料であることが好ましく、例えば、アルミナ、ジルコニア等の酸化物系のセラミックス、炭化ケイ素等の炭化物系のセラミックス、窒化ケイ素等の窒化物系のセラミックス等の各種セラミックスを主成分とすることが好ましい。これにより、適度な剛性を有すると共に、絶縁性に優れる基部22となる。そのため、パッケージ2の変形による損傷が生じにくく、内部に収容された力検出素子3および第1、第2回路4A、4Bをより確実に保護することができる。
また、底部材23の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、コバール、銅、鉄、炭素鋼、チタン等の各種金属材料等が挙げられるが、中でも特にコバールであることが好ましい。これにより、比較的高い剛性を有すると共に、応力が加えられたときに適度に弾性変形する底部材23となる。そのため、底部材23を介して外力を力検出素子3に的確に伝達することができると共に、その外力による底部材23の破損のおそれを低減することができる。また、コバールは、基部22の構成材料であるセラミックスと比較的近い熱膨張係数を有するため、基体21に熱応力(基部22と底部材23との熱膨張係数の差に起因する撓み)が生じ難く、熱応力に起因した出力ドリフトを効果的に抑制することができる。
蓋体24は、板状をなし、凹部221のC軸方向プラス側に形成された開口を塞ぐようにしてシール部材20を介して基部22の上面に接合されている。図2、図3および図4に示すように、蓋体24は、中央部241と、中央部241を囲み、外縁に沿った枠状をなす外縁部242と、中央部241と外縁部242との間に位置し、これらを接続する接続部243と、を有する。このような蓋体24は、外縁部242においてシール部材20を介して基部22の上面に接合されている。また、中央部241は、外縁部242に対し底部材23とは反対側(C軸方向プラス側)にずれて位置し、接続部243は、外縁部242と中央部241とを接続するために傾斜し、テーパー状となっている。
このように、蓋体24をハット状とすることにより、パッケージ2の外周部が低背化され、その分、パッケージ2の小型化を図ることができる。また、中央部241、接続部243、外縁部242の境界部分が撓むことにより、蓋体24に加わる応力を緩和、吸収することができる。そのため、蓋体24の剥離を抑制することができる。特に、図5に示すように、蓋体24は、シーム溶接を用いて基部22の上面に接合されるが、ローラー電極REを外縁部242に押し付けることにより生じる応力およびローラー電極REによって蓋体24が加熱されることにより生じる熱応力を前述した変形によって効果的に緩和、吸収することができる。そのため、蓋体24の破損を効果的に抑制することができ、さらには、収納空間Sをより確実に気密封止することができる。ただし、蓋体24の形状としては、特に限定されず、例えば、平板状であってもよいし、本実施形態とは逆に、中央部241が凹んでいてもよい。
このような蓋体24の構成材料としては、特に限定されず、前述した底部材23と同様、ステンレス鋼、コバール、銅、鉄、炭素鋼、チタン等の各種金属材料等が挙げられるが、中でも特にコバールであることが好ましい。これにより、底部材23と同様に、外力を力検出素子3により正確に伝達することができると共に、その外力によって蓋体24が破損することを低減することができる。なお、蓋体24の構成材料は、底部材23の構成材料と同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。これにより、パッケージ2に加えられた外力を力検出素子3により正確に伝達することができる。
力検出素子3は、力検出素子3に加えられた外力のA軸方向の成分に応じた電荷Qa(第1信号としての第1電荷)および力検出素子3に加えられた外力のB軸方向の成分に応じた電荷Qb(第2信号としての第2電荷)を出力する機能を有する。この力検出素子3は、図6に示すように、A軸方向の外力(せん断力)に応じて電荷Qaを出力する圧電素子31(第1圧電素子)と、B軸方向の外力(せん断力)に応じて電荷Qbを出力する圧電素子32(第2圧電素子)と、一対の支持基板33、34と、を有する。
また、圧電素子31は、下側(C軸方向マイナス側)から、グランド電極層311、圧電体層312、出力電極層313、圧電体層314、グランド電極層315、圧電体層316、出力電極層317、圧電体層318、グランド電極層319が順に積層した構成となっている。また、圧電素子32は、圧電素子31上に積層されており、下側(C軸方向マイナス側)から、グランド電極層321、圧電体層322、出力電極層323、圧電体層324、グランド電極層325、圧電体層326、出力電極層327、圧電体層328、グランド電極層329が順に積層した構成となっている。なお、本実施形態では、グランド電極層319、321が一体化(共通化)されているが、これに限定されない。また、圧電素子31、32のC軸方向の積層の順序は、逆であってもよく、また、圧電素子31、32は、積層されておらず、横に並んで配置されていてもよい。
また、圧電体層312、314、316、318、322、324、326、328は、それぞれ、水晶で構成されている。これにより、高感度、広いダイナミックレンジ、高い剛性等の優れた特性を有する力検出素子3となる。圧電体層312、316では、水晶の結晶軸であるX軸(電気軸)が図6中の右側(A軸方向プラス側)を向き、圧電体層314、318では、水晶のX軸が図6中の左側(A軸方向マイナス側)を向いている。また、圧電体層322、326では、水晶のX軸が図6中の紙面奥側(B軸方向プラス側)を向き、圧電体層324、328では、水晶のX軸が図6中の紙面手前側(B軸方向マイナス側)を向いている。これら各圧電体層312、314、316、318、322、324、326、328は、それぞれ、Yカット水晶板(水晶のY軸(機械軸)を厚さ方向とする水晶板)で構成されている。
ただし、圧電体層312、314、316、318、322、324、326、328は、水晶以外の圧電材料を用いた構成であってもよい。水晶以外の圧電材料としては、例えば、トパーズ、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。
また、グランド電極層311、315、319(321)、325、329は、それぞれ、基準電位(例えばグランド電位GND)に電気的に接続されている。また、出力電極層313、317は、それぞれ、第1回路4Aに電気的に接続され、出力電極層323、327は、それぞれ、第2回路4Bに電気的に接続されている。これらグランド電極層311、315、319(321)、325、329および出力電極層313、317、323、327の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ニッケル、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄、クロムまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば積層して)用いることができる。
一対の支持基板33、34は、圧電素子31、32の積層体を上下から挟み込むように配置されている。具体的には、圧電素子31、32の積層体の上面に支持基板33が配置され、下面に支持基板34が配置されている。これにより、支持基板33、34によってグランド電極層311、329を覆うことができ、グランド電極層311、329を保護することができると共に、グランド電極層311、329がパッケージ2と接触して意図しない導通が生じることを抑制することができる。
支持基板33、34は、水晶で構成されている。支持基板33は、隣接する圧電体層328と同じ構成となっている。すなわち、支持基板33は、圧電体層328と同様に、Yカット水晶板から形成されており、水晶のX軸が図6中の紙面手前側(B軸方向マイナス側)を向いている。同様に、支持基板34は、隣接する圧電体層312と同じ構成となっている。すなわち、支持基板34は、圧電体層312と同様に、Yカット水晶板から形成されており、水晶のX軸が図6中の右側(A軸方向プラス側)を向いている。このように、支持基板33を隣接する圧電体層328と同じ構成とし、支持基板34を隣接する圧電体層312と同じ構成とすることにより、これらの熱膨張係数を揃えることができ、熱膨張に起因する出力ドリフトを効果的に低減することができる。
なお、支持基板33の結晶軸は、圧電体層328の結晶軸と一致しなくてもよいし、支持基板34の結晶軸は、圧電体層312の結晶軸と一致しなくてもよい。また、支持基板33、34は、それぞれ、水晶以外の圧電体から構成されていてもよいし、圧電体以外の導電性を有さない材料を用いた構成であってもよい。また、支持基板33、34は、省略してもよい。
また、図7に示すように、力検出素子3の全体形状は、直方体である。すなわち、力検出素子3は、支持基板33の上面である上面3aと、支持基板34の下面である下面3bと、これら上面3aと下面3bとを接続する4つの側面3c、3d、3e、3fと、を有する。そして、B軸方向マイナス側を向く側面3cには、各グランド電極層311、315、319(321)、325、329と電気的に接続された接続電極391と、各出力電極層323、327と電気的に接続された接続電極392と、が幅方向(A軸方向)に離間して設けられている。なお、本実施形態では、接続電極391がA軸方向マイナス側に位置し、接続電極392がX軸方向プラス側に位置している。
また、側面3cと対向し、B軸方向プラス側を向く側面3eには、各グランド電極層311、315、319(321)、325、329と電気的に接続された接続電極393と、各出力電極層313、317と電気的に接続された接続電極394と、が幅方向(A軸方向)に離間して設けられている。なお、本実施形態では、接続電極394がA軸方向マイナス側に位置し、接続電極393がA軸方向プラス側に位置している。
このように、側面3c、3eに接続電極391、392、393、394を設けることにより、力検出素子3と第1、第2回路4A、4Bとの電気的な接続を容易に行うことができる。
ただし、接続電極391、392、393、394の配置としては、特に限定されない。例えば、接続電極391、392、393、394は、それぞれ、力検出素子3の異なる側面に別れて配置されていてもよいし、力検出素子3の1つの側面にまとめて配置されていてもよい。また、接続電極391、392、393、394は、力検出素子3の上面3aや下面3bに配置されていてもよい。また、力検出素子3の形状としては、特に限定されず、例えば、平面視で、円形、楕円形、三角形、正方形以外の四角形(長方形、台形、平行四辺形等)、五角形以上の多角形、異形等、いかなる形状であってもよい。
以上、力検出素子3について説明した。このような力検出素子3は、図2および図3に示すように、その下面3bがパッケージ2の凹部224の底面に(底部材23の上面)に絶縁性の接着剤29を介して接合されている。接着剤29としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂等を用いることができる。
また、図2および図3に示すように、自然状態では、力検出素子3の上面3aは、蓋体24の中央部241と間隔(ギャップG)を隔てて対向配置されている。これにより、底部材23と蓋体24とに挟まれることによって力検出素子3に意図しない応力(検出対象以外の応力)が加わってしまい、出力のドリフトが生じることを効果的に抑制することができる。ただし、これに限定されず、力検出素子3の上面3aは、蓋体24の中央部241と接触していてもよい。また、力検出素子3の上面3aと蓋体24の中央部241との間に接着剤(例えば接着剤29と同様の接着剤)を設け、この接着剤を介して力検出素子3と蓋体24とが接合されていてもよい。
第1回路4Aおよび第2回路4Bは、それぞれ、パッケージ2の収納空間Sに収納されている。図8に示すように、平面視で、第1回路4Aは、力検出素子3に対して一方側(A軸方向マイナス側)に位置し、第2回路4Bは、力検出素子3に対して他方側(A軸方向プラス側)に位置している。第1回路4Aは、力検出素子3から出力された電荷Qaを処理する回路であり、第2回路4Bは、力検出素子3から出力された電荷Qbを処理する回路である。このように、第1回路4Aと第2回路4Bとを力検出素子3を介して互いに反対側に設けることにより、これらをなるべく離間して配置することができる。そのため、第1回路4Aと第2回路4Bとの干渉が低減され、電荷Qaに第2回路4Bからのノイズが乗ったり、反対に、電荷Qbに第1回路4Aからのノイズが乗ったりすることを効果的に抑制することができる。そのため、耐ノイズ性が向上し、第1回路4Aによって電荷Qaを精度よく処理することができ、第2回路4Bによって電荷Qbを精度よく処理することができる。
第1回路4Aは、電荷Qaを電圧Vaに変換する回路(電荷/電圧変換回路)であり、図9に示すように、電荷Qaが入力される抵抗41Aと、電荷Qaをチャージするコンデンサー43A(蓄電部)と、電荷Qaによる電圧を増幅するオペアンプ42A(増幅器)と、スイッチング素子44Aと、配線46Aと、を有する。
これら回路要素のうち、抵抗41Aおよびコンデンサー43Aは、それぞれ、凹部221の底面に設けられ、オペアンプ42Aおよびスイッチング素子44Aは、回路素子45Aとして一体化された上で凹部225の底面に設けられている。また、これら抵抗41A、コンデンサー43Aおよび回路素子45Aは、配線46Aを介して電気的に接続されている。配線46Aは、導電性の接続部材261、264(例えば、Agペースト、Cuペースト、Auペースト等の各種金属ペースト)を介して力検出素子3の接続電極391、394と電気的に接続されている。これにより、図9に示す回路が実現される。
なお、本実施形態では、抵抗41Aおよびコンデンサー43Aは、金(Au)バンプ等の導電性バンプを用いたフリップチップ実装によって配線46Aと電気的に接続されており、回路素子45Aは、ボンディングワイヤーBWを介して配線46Aと電気的に接続されている。ただし、抵抗41A、コンデンサー43Aおよび回路素子45Aと配線46Aとの電気的な接続方法は、特に限定されない。また、オペアンプ42Aおよびスイッチング素子44Aは、別体として形成されていてもよい。
第2回路4Bは、電荷Qbを電圧Vbに変換する回路(電荷/電圧変換回路)であり、前述した第1回路4Aと同様の構成となっている。すなわち、第2回路4Bは、図10に示すように、電荷Qbが入力される抵抗41Bと、電荷Qbをチャージするコンデンサー43B(蓄電部)と、電荷Qbによる電圧を増幅するオペアンプ42B(増幅器)と、スイッチング素子44Bと、配線46Bと、を有する。
これら回路要素のうち、抵抗41Bおよびコンデンサー43Bは、それぞれ、凹部221の底面に設けられ、オペアンプ42Bおよびスイッチング素子44Bは、回路素子45Bとして一体化された上で凹部226の底面に設けられている。また、これら抵抗41B、コンデンサー43Bおよび回路素子45Bは、配線46Bを介して電気的に接続されている。また、配線46Bは、導電性の接続部材262、263(例えば、Agペースト、Cuペースト、Auペースト等の各種金属ペースト)を介して力検出素子3の接続電極392、393と電気的に接続されている。これにより、図10に示す回路が実現される。
なお、本実施形態では、抵抗41Bおよびコンデンサー43Bは、金(Au)バンプ等の導電性バンプを用いたフリップチップ実装によって配線46Bと電気的に接続されており、回路素子45Bは、ボンディングワイヤーBWを介して配線46Bと電気的に接続されている。ただし、抵抗41B、コンデンサー43Bおよび回路素子45Bと配線46Bとの電気的な接続方法は、特に限定されない。また、オペアンプ42Bおよびスイッチング素子44Bは、別体として形成されていてもよい。
第1回路4Aでは、回路素子45Aが他の回路要素すなわち抵抗41Aおよびコンデンサー43Aよりも厚い。そのため、本実施形態では、凹部221の底面に凹部225を形成し、この凹部225の底面に回路素子45Aを設けている。これにより、回路素子45Aの高さを抑えることができるため、パッケージ2の高背化を抑制することができ、また、回路素子45A上にボンディングワイヤーBWの配置スペースを確保し易くなる。
同様に、第2回路4Bでは、回路素子45Bが他の回路要素すなわち抵抗41Bおよびコンデンサー43Bよりも厚い。そのため、本実施形態では、凹部221の底面に凹部226を形成し、この凹部226の底面に回路素子45Bを設けている。これにより、回路素子45Bの高さを抑えることができるため、パッケージ2の高背化を抑制することができ、また、回路素子45B上にボンディングワイヤーBWの配置スペースを確保し易くなる。ただし、凹部225、226を省略して、凹部221の底面に回路素子45A、45Bを配置してもよい。
また、図4に示すように、第1回路4Aでは、平面視で、抵抗41A、コンデンサー43Aおよび回路素子45Aの全てが蓋体24の中央部241と重なって配置されている。前述したように、蓋体24の中央部241は、他の部分(外縁部242)よりも上側にオフセットしている。そのため、抵抗41A、コンデンサー43Aおよび回路素子45Aと蓋体24との接触を抑制することができ、第1回路4Aの破損や誤作動を抑制することができる。
同様に、第2回路4Bでは、平面視で、抵抗41B、コンデンサー43Bおよび回路素子45Bの全てが蓋体24の中央部241と重なって配置されている。そのため、抵抗41B、コンデンサー43Bおよび回路素子45Bと蓋体24との接触を抑制することができ、第2回路4Bの破損や誤作動を抑制することができる。ただし、これに限定されず、例えば、抵抗41A、41B、コンデンサー43A、43B、回路素子45A、45Bの少なくとも1つが、平面視で、中央部241と重ならない位置に配置されていてもよい。
このような第1回路4Aおよび第2回路4Bをパッケージ2に収納することにより、これら第1、第2回路4A、4Bを保護し、防塵性および防水性を高めることができる。特に、第1、第2回路4A、4Bを水分(湿気)から保護することにより、これらの特性の劣化を効果的に抑制することができる。例えば、コンデンサー43A、43Bは、力検出素子3からの電荷Qa、Qbをチャージする部分であるが、湿度によるリーク電流の影響を受け易い。また、オペアンプ42A、42Bは、湿度に起因して入力側のオフセット電圧が変動してしまう。このように、第1、第2回路4A、4Bは、水分(湿度)に影響を受け易い回路要素を含んでいるため、これら第1、第2回路4A、4Bをパッケージ2に収納し、防水することにより、回路特性の劣化や変動を効果的に抑制することができ、より精度よく、電荷Qa、Qbを電圧Va、Vbに変換することができる。そのため、センサーデバイス1によれば、受けた外力をより精度よく検出することができる。
また、第1、第2回路4A、4Bをパッケージ2に収納することにより、例えば、第1、第2回路4A、4Bがパッケージ2の外側に配置されている場合と比較して、配線46A、46Bの長さを短くすることができる。そのため、第1、第2回路4A、4Bの耐ノイズ性が向上する。
また、第1、第2回路4A、4Bは、平面視で、力検出素子3に対して対称的に配置されている。具体的には、本実施形態では、第1回路4Aおよび第2回路4Bは、力検出素子3の中心Oに対して点対称(180°回転対称)となるように配置されている。これにより、第1、第2回路4A、4Bの回路特性(配線長、周囲からの影響等)、すなわち電荷/電圧変換特性を互いにほぼ等しくすることができる。そのため、A軸方向の外力(せん断力)に応じた信号とB軸方向の外力(せん断力)に応じた信号とをバランスよく取り出すことができ、受けた外力をより精度よく検出することができる。なお、中心Oは、広義には力検出素子3の平面視の幾何中心であってもよいし、狭義には上面3aの幾何中心であってもよい。
なお、第1回路4Aおよび第2回路4Bが中心Oに対して点対称に配置されているとは、少なくとも各回路要素(抵抗41A、41B、コンデンサー43A、43Bおよび回路素子45A、45B)が中心Oに対して点対称に配置されていることを意味し、好ましくは、さらに配線46A、46Bについても中心Oに対して点対称に配置されていることを意味する。また、第1回路4Aおよび第2回路4Bが中心Oに対して点対称に配置されているとは、例えば、設計上または製造上生じ得る誤差を含む意味であり、必ずしも、完全な点対称に限られるものではない。また、平面視で、第1回路4Aおよび第2回路4Bの対称点が中心Oと一致している場合の他、力検出素子3と重なる範囲において、対称点が中心Oからずれていている場合も含む意味である。
第1回路4Aおよび第2回路4Bが中心Oに対して点対称となっているため、それに応じて、力検出素子3では、B軸方向プラス側を向く側面3eに電荷Qaが出力される接続電極394を配置し、B軸方向マイナス側を向く側面3cに電荷Qbが出力される接続電極392を配置している。さらには、力検出素子3に対してB軸方向プラス側に、第1回路4Aと接続電極394とを接続する接続部材264が配置され、力検出素子3に対してB軸方向マイナス側に、第2回路4Bと接続電極392とを接続する接続部材262が配置されている。このような配置とすることにより、比較的簡単な配置で、第1回路4Aおよび第2回路4Bを力検出素子3の中心Oに対して点対称に配置することができる。特に、本実施形態では、接続電極394が側面3eの第1回路4A側(A軸方向マイナス側)に偏って配置されているため、接続電極394と抵抗41Aとを結ぶ配線長を短くすることができる。同様に、接続電極392が側面3cの第2回路4B側(A軸方向プラス側)に偏って配置されているため、接続電極392と抵抗41Bとを結ぶ配線長を短くすることができる。
以上、センサーデバイス1について説明した。このようなセンサーデバイス1は、前述したように、凹部221を有する基体21と、凹部221の開口を塞ぎ、凹部221を密閉する蓋体24と、凹部221内に配置され、A軸方向(第1方向)の外力に応じて電荷Qa(第1信号としての第1電荷)を出力する圧電素子31(第1圧電素子)およびB軸方向(第1方向とは異なる第2方向)の外力に応じて電荷Qb(第2信号としての第2電荷)を出力する圧電素子32(第2圧電素子)を備える力検出素子3と、凹部221内に配置され、電荷Qaを処理する第1回路4Aと、凹部221内に配置され、電荷Qbを処理する第2回路4Bと、を有する。そして、平面視(基体21の平面視)で、力検出素子3の一方側(A軸方向マイナス側)に第1回路4Aが位置し、他方側(A軸方向プラス側)に第2回路4Bが位置している。このように、第1回路4Aと第2回路4Bとを力検出素子3に対して反対側に設けることにより、これらをなるべく離間して配置することができる。そのため、第1回路4Aと第2回路4Bとの干渉が低減され、電荷Qaに第2回路4Bからのノイズが乗ったり、反対に、電荷Qbに第1回路4Aからのノイズが乗ったりすることを効果的に抑制することができる。そのため、第1回路4Aによって電荷Qaを精度よく処理することができ、第2回路4Bによって電荷Qbを精度よく処理することができる。その結果、受けた外力を精度よく検出することができるセンサーデバイス1となる。
前述したとおり、圧電素子31と圧電素子32がそれぞれ第1素子と第2素子として独立して配置されてもよい。その場合に、第1回路4Aは、第1素子の一方側であり、且つ、第1素子の一方側と同じ側である第2素子の一方側に配置され、第2回路4Bは、第1素子の他方側であり、且つ、第1素子の他方側と同じ側である第2素子の他方側に配置される。なお、力検出素子3の一方側をA軸方向マイナス側とし、他方側をA軸方向プラス側としても良いが、その他に、平面視でA軸に対して所定の角度傾斜した軸を境界としたとき、当該境界の一方側を力検出素子3の一方側とし、他方側を力検出素子3の他方側としてもよい。
さらに述べると、特許文献1の図5のように、多軸検出用に複数の圧電素子が基板上に配置され、これら圧電素子の信号処理回路が、圧電素子が配置される基板に対して2階建てとなる別な基板上に配置されている構成では、複数の圧電素子の信号処理回路が2階建てとなる別な基板上に配置されており、複数軸の各圧電素子の信号処理回路が近接して配置されてしまうことになり、積層圧電素子から出力される各軸の信号同士が互いに干渉してノイズとなるおそれが増す。これに対して、本発明の第1実施形態に係るセンサーデバイスでは、信号回路処理回路(本発明の第1回路4A、第2回路4B)が近接することがなく、圧電素子から出力される各軸の信号同士が互いに干渉してノイズとなるおそれが低減し、受けた外力を精度よく検出することができる。
なお、力検出素子3の一方側に第1回路4Aが位置し、他方側に第2回路4Bが位置するとは、少なくとも、第1回路4Aが有する各回路要素(抵抗41A、コンデンサー43Aおよび回路素子45A)が力検出素子3の一方側(図8中の仮想線分L1よりもA軸方向マイナス側)に位置し、第2回路4Bが有する各回路要素(抵抗41B、コンデンサー43Bおよび回路素子45B)が力検出素子3の他方側(図8中の仮想線分L2よりもA軸方向プラス側)に位置することを意味する。そのため、例えば、配線46Aについては、その一部が仮想線分L1よりもA軸方向プラス側に位置していてもよいし、配線46Bについては、その一部が仮想線分L2よりもA軸方向マイナス側に位置していてもよい。また、仮想線分L1、L2は、共に力検出素子3の中心Oを通る線分であってもよい。
また、前述したように、平面視で、第1回路4Aおよび第2回路4Bは、力検出素子3に対して対称的に配置されている。これにより、第1、第2回路4A、4Bの回路特性(本実施形態では電荷/電圧変換特性)を互いにほぼ等しくすることができる。そのため、A軸方向の外力(せん断力)に応じた信号とB軸方向の外力(せん断力)に応じた信号とをバランスよく取り出すことができ、受けた外力をより精度よく検出することができるセンサーデバイス1となる。
また、前述したように、センサーデバイス1は、第1回路4Aの配線46Aと圧電素子31とを電気的に接続する接続部材264(第1接続部材)と、第2回路4Bの配線46Bと圧電素子32とを電気的に接続する接続部材262(第2接続部材)と、を有する。そして、基体21の平面視で、第1回路4Aおよび第2回路4Bが並ぶ方向をA軸方向(第1方向)とし、A軸方向に交差する方向をB軸方向(第2方向)としたとき、接続部材264および接続部材262がB軸方向に並んで配置されている。これにより、例えば、後述する第3実施形態のように、接続部材262、264がそれぞれ力検出素子3とA軸方向に並んで配置されている場合と比較して、パッケージ2の長軸方向(A軸方向)の長さを抑えることができるため、パッケージ2の平面視形状を正方形に近づけることができる(好ましくは正方形にすることができる)。その結果、パッケージ2がA軸方向の外力とB軸方向の外力とをより均等に受けることができ、より具体的には、A軸方向の外力の力検出素子3への伝わり方と、B軸方向の外力の力検出素子3への伝わり方と、をほぼ同じにすることができ、これら2つの外力をより精度よく検出することができる。
また、前述したように、基体21の平面視で、第1回路4Aおよび第2回路4Bは、力検出素子3の中心に対して点対称(180°回転対称)の位置に配置されている。そして、接続部材264は、力検出素子3の、B軸方向に並ぶ辺の一方側(プラス側)に位置し、接続部材262は、力検出素子3の、B軸方向に並ぶ辺の他方側(マイナス側)に位置している。すなわち、接続部材264は、力検出素子3に対してB軸方向の一方側(プラス側)に位置し、接続部材262は、力検出素子3に対してB軸方向の他方側(マイナス側)に位置している。このように、接続部材262、264を力検出素子3に対して反対側に配置することにより、第1回路4Aおよび第2回路4Bを力検出素子3の中心に対して点対称の位置に配置し易くなる。
また、前述したように、第1圧電素子31(第1素子)は、第1信号としての電荷Qa(第1電荷)を出力し、第2圧電素子32(第1素子)は、第2信号としての電荷Qb(第2電荷)を出力する。そして、第1回路4Aは、電荷Qaを電圧Vaに変換する回路であり、第2回路4Bは、電荷Qbを電圧Vbに変換する回路である。これにより、センサーデバイス1が受けた外力を容易に検出することができる。
また、前述したように、第1回路4Aは、電荷Qaが入力される抵抗41A、電荷Qaを蓄積するコンデンサー43A(蓄電部)および電荷Qaによる電圧を増幅するオペアンプ42A(増幅器)の少なくとも1つを含んでいる。また、第2回路4Bは、電荷Qbが入力される抵抗41B、電荷Qbを蓄積するコンデンサー43B(蓄電部)および電荷Qbによる電圧を増幅するオペアンプ42B(増幅器)の少なくとも1つを含んでいる。そのため、これら各回路要素が水分(湿気)から保護され、湿度に起因した第1回路4Aおよび第2回路4Bの回路特性の劣化、変動を抑制することができ、受けた外力を精度よく検出することのできるセンサーデバイス1となる。特に、本実施形態では、第1回路4Aが抵抗41A、コンデンサー43Aおよびオペアンプ42Aの全てを含み、第2回路4Bが抵抗41B、コンデンサー43Bおよびオペアンプ42Bの全てを含んでいるため、上述した効果をより顕著に発揮することができる。なお、これに限定されず、第1回路4Aから抵抗41A、コンデンサー43Aおよびオペアンプ42Aのうちの1つまたは2つを省略してもよいし、第2回路4Bから抵抗41B、コンデンサー43Bおよびオペアンプ42Bのうちの1つまたは2つを省略してもよい。
また、前述したように、圧電素子31および圧電素子32は、それぞれ、水晶を含んでいる。これにより、圧電素子31、32の構成が簡単なものとなると共に、高感度、広いダイナミックレンジ、高い剛性等の優れた特性を有する力検出素子3となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るセンサーデバイスについて説明する。
図11は、本発明の第2実施形態に係るセンサーデバイスの平面図である。
本実施形態に係るセンサーデバイス1は、主に、第1回路4Aと第2回路4Bの配置が異なること以外は、前述した第1実施形態のセンサーデバイス1と同様である。なお、以下の説明では、第2実施形態のセンサーデバイス1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図11に示すように、本実施形態では、第1、第2回路4A、4Bは、平面視で、力検出素子3に対して対称的に配置されている。具体的には、第1回路4Aおよび第2回路4Bは、平面視で、力検出素子3の中心Oと交わり、B軸方向に延在する軸Jに対して線対称となる位置に配置されている。これにより、前述した第1実施形態と同様、第1、第2回路4A、4Bの回路特性(配線長、周囲からの影響等)、すなわち電荷/電圧変換特性を互いにほぼ等しくすることができる。そのため、A軸方向の外力(せん断力)に応じた信号とB軸方向の外力(せん断力)に応じた信号とをバランスよく取り出すことができ、受けた外力をより精度よく検出することができるセンサーデバイス1となる。
なお、第1回路4Aおよび第2回路4Bが軸Jに対して線対称の位置に配置されているとは、少なくとも各回路要素(抵抗41A、41B、コンデンサー43A、43Bおよび回路素子45A、45B)が軸Jに対して線対称の位置に配置されていることを意味し、好ましくは、さらに配線46A、46Bについても軸Jに対して線対称の位置に配置されていることを意味する。また、第1回路4Aおよび第2回路4Bが軸Jに対して線対称の位置に配置されているとは、例えば、設計上または製造上生じ得る誤差を含む意味であり、必ずしも、完全な線対称に限られるものではない。また、平面視で、第1回路4Aおよび第2回路4Bの対称線である軸Jが中心Oと一致している場合の他、力検出素子3と重なる範囲において、軸Jが中心Oからずれていている場合も含む意味である。
第1回路4Aおよび第2回路4Bが軸Jに対して線対称となっているため、それに応じて、力検出素子3では、B軸方向プラス側を向く側面3eに電荷Qaが出力される接続電極394と電荷Qbが出力される接続電極392とが配置され、B軸方向マイナス側を向く側面3cに接続電極391、393が配置されている。さらには、力検出素子3に対してB軸方向プラス側に、第1回路4Aと接続電極394とを接続する接続部材264と、第2回路4Bと接続電極392とを接続する接続部材262と、が配置されている。このような配置とすることにより、比較的簡単な配置で、第1回路4Aおよび第2回路4Bを軸Jに対して線対称に配置することができる。
以上、本実施形態のセンサーデバイス1について説明した。このようなセンサーデバイス1では、前述したように、基体21の平面視で、第1回路4Aおよび第2回路4Bは、力検出素子3の中心を通る直線に対して線対称の位置に配置されている。そして、接続部材264および接続部材262は、力検出素子3に対してB軸方向の同じ側(本実施形態ではプラス側)に位置している。このように、接続部材262、264を力検出素子3に対してB軸方向の同じ側に配置することにより、第1回路4Aおよび第2回路4Bを力検出素子3に対して線対称に配置し易くなる。ここで、力検出素子3がB軸方向に対向する2辺を有し、接続部材262、264はB軸方向において、対抗する2辺の同じ辺に配置されていてもよい。
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るセンサーデバイスについて説明する。
図12は、本発明の第3実施形態に係るセンサーデバイスの平面図である。
本実施形態に係るセンサーデバイス1は、主に、力検出素子3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態のセンサーデバイス1と同様である。なお、以下の説明では、第3実施形態のセンサーデバイス1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図12では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図12に示すように、本実施形態のセンサーデバイス1の力検出素子3では、A軸方向マイナス側を向く側面3fに接続電極391、394が設けられており、A軸方向プラス側を向く側面3dに接続電極392、393が設けられている。そして、力検出素子3に対してA軸方向マイナス側であって、力検出素子3と第1回路4Aとの間に位置するように接続部材261、264が配置されており、力検出素子3に対してA軸方向プラス側であって、力検出素子3と第2回路4Bとの間に位置するように接続部材262、263が配置されている。このような構成においても、前述した第1実施形態と同様に、第1回路4Aと第2回路4Bとが中心Oに対して点対称の位置に配置されている。
以上のような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る力検出装置について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態に係る力検出装置の斜視図である。図14は、図13に示す力検出装置の縦断面図である。図15は、図13に示す力検出装置の横断面図である。図16は、力検出装置に配置されたセンサーデバイスの断面図である。
また、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸をα軸、β軸およびγ軸とし、各軸を示す矢印の先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」とする。また、α軸に平行な方向を「α軸方向」、β軸に平行な方向を「β軸方向」、γ軸に平行な方向を「γ軸方向」という。また、γ軸方向プラス側を「上」、γ軸方向マイナス側を「下」ともいう。また、γ軸方向から見たものを「平面視」という。
図13に示す力検出装置100は、力検出装置100に加えられた外力の6軸成分を検出可能な6軸力覚センサーである。なお、6軸成分は、互いに直交する3つの軸(図示ではα軸、β軸およびγ軸)のそれぞれの方向の並進力(せん断力)成分と、これら3軸のそれぞれの軸まわりの回転力(モーメント)成分と、からなる。
力検出装置100は、その中心軸A1(γ軸)まわりに等間隔(90°間隔)に配置された複数(本実施形態では4つ)のセンサーデバイス1と、これらセンサーデバイス1を収納しているケース5と、を有する。力検出装置100では、各センサーデバイス1が受けた外力に応じた検出信号を出力し、それらの検出信号を処理することにより、力検出装置100に加えられた外力の6軸成分を検出することができる。以下、力検出装置100が備える各部について説明する。
[ケース]
図13に示すように、ケース5は、第1ケース部材6と、第1ケース部材6に対して間隔を隔てて配置されている第2ケース部材7と、第1ケース部材6および第2ケース部材7の外周部に設けられた側壁部8と、を有する。
また、図14に示すように、第1ケース部材6は、天板61(第1基部)と、天板61の下面に設けられ、中心軸A1まわりに等間隔(90°間隔)に配置された4つの壁部62(第1与圧部)と、を有する。また、天板61には、その中央部に中心軸A1に沿った貫通孔611が形成されている。また、図15に示すように、各壁部62には、後述する与圧ボルト50が挿通される複数の貫通孔621が形成されている。また、各壁部62の内壁面620(内側の面)は、天板61に対して垂直な平面となっている。
また、図14に示すように、第2ケース部材7は、底板71(第2基部)と、底板71の上面に設けられ、前述した4つの壁部62と対向するように中心軸A1まわりに等間隔(90°間隔)に配置された4つの壁部72(第2与圧部)と、を有する。また、底板71には、その中央部に中心軸A1に沿った貫通孔711が形成されている。また、各壁部72は、対向する壁部62側に向けて突出した突出部73を有し、この突出部73の頂面730は、内壁面620と平行であり、内壁面620に対し、所定距離(センサーデバイス1を挿入可能な距離)を隔てて対面している。また、図15に示すように、各壁部72には、与圧ボルト50の先端部が螺合する雌ネジ孔721が複数形成されている。
また、側壁部8は、円筒状をなし、その上端部および下端部がそれぞれ第1ケース部材6および第2ケース部材7に対して例えばネジ止め、嵌合等によって固定されている。また、側壁部8と前述した第1ケース部材6の天板61と第2ケース部材7の底板71とで囲まれた空間S1(力検出装置100の内部空間)には4つのセンサーデバイス1が収納されている。
以上のようなケース5では、第1ケース部材6の上面60が、例えば、後述するロボット1000が備えるエンドエフェクター1700(被取付部材)に取り付ける取付面として機能し、第2ケース部材7の下面70が、例えば、後述するロボット1000が備えるアーム1200に取り付けるアーム用取付面として機能する。
なお、ケース5の平面視での外形は、それぞれ、円形であるが、これに限定されず、例えば、三角形、四角形、五角形等の多角形、楕円形、異形等、いかなる形状であってもよい。また、本実施形態では、各壁部62は、天板61と別部材で形成され、天板61に対し固定されているが、これに限定されず、天板61と一体で形成されていてもよい。同様に、本実施形態では、各壁部72は、底板71と別部材で形成され、底板71に対し固定されているが、これに限定されず、底板71と一体で形成されていてもよい。
また、第1ケース部材6、第2ケース部材7および側壁部8の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料、セラミックス等を用いることができる。なお、第1ケース部材6、第2ケース部材7および側壁部8の構成材料は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図15に示すように、4つのセンサーデバイス1は、平面視で、中心軸A1を通りβ軸に平行な線分CLに対して対称となるように配置されている。また、図14に示すように、各センサーデバイス1は、天板61と底板71との間に位置している。また、各センサーデバイス1は、壁部62と壁部72(突出部73)との間に位置し、壁部62と壁部72(突出部73)とによって挟持されている。具体的には、各センサーデバイス1は、図16に示すように、パッケージ2の基体21を壁部72側に向け、蓋体24を壁部62側へ向けた状態で、壁部62、72の間に配置されている。さらに、基体21の底部材23が突出部73の頂面730と当接し、蓋体24の中央部241が壁部62の内壁面620と接触している。
図15に示すように、与圧ボルト50は、壁部62と壁部72とを連結しており、これにより、第1ケース部材6と第2ケース部材7とが固定されている。また、与圧ボルト50が締め込まれることにより、壁部62と壁部72との間に位置するセンサーデバイス1(力検出素子3)が与圧されている。すなわち、自然状態において、力検出素子3には図16中の矢印Pで示す方向の圧縮力が加わっている。このように、自然状態において力検出素子3を与圧しておくことにより、力検出装置100に加えられた外力の6軸成分を精度よく検出することができる。なお、与圧ボルト50の締結力を適宜調整することにより、力検出素子3に加わる与圧を調整することができる。
与圧ボルト50は、各センサーデバイス1に対して一対設けられており、一対の与圧ボルト50がセンサーデバイス1の両側に位置している。ただし、与圧ボルト50の配置としては、特に限定されない。また、与圧ボルト50は、必要に応じて設ければよく、不要な場合には、省略してもよい。
このような力検出装置100は、図示しない外力検出回路を有し、この外力検出回路は、各センサーデバイス1から出力される電圧Va、Vbに基づいて、α軸方向の並進力成分Fα、β軸方向の並進力成分Fβ、γ軸方向の並進力成分Fγ、α軸周りの回転力成分Mα、β軸周りの回転力成分Mβ、γ軸周りの回転力成分Mγを検出(演算)することができる。外力検出回路は、例えば、ADコンバーターと、このADコンバーターに接続されたCPU等の演算回路と、を有して構成することができる。
以上、力検出装置100について説明した。このような力検出装置100は、前述したように、天板61(第1基板)と、底板71(第2基板)と、天板61と底板71との間に設けられるセンサーデバイス1(本発明のセンサーデバイス)と、を備えている。このような力検出装置100によれば、センサーデバイス1を備えているため、外力をより高精度に検出することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係るロボットについて説明する。
図17は、本発明の第5実施形態に係るロボットの斜視図である。
図17に示すロボット1000は、精密機器やこれを構成する部品等の対象物の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。このロボット1000は、単腕ロボットであり、所謂6軸垂直多関節ロボットである。ロボット1000は、基台1100と、基台1100に回動自在に連結されたロボットアーム1200と、力検出装置100と、エンドエフェクター1700とを有する。
基台1100は、例えば、床、壁、天井および移動可能な台車上等に固定される部分である。ロボットアーム1200は、アーム1210(第1アーム)、アーム1220(第2アーム)、アーム1230(第3アーム)、アーム1240(第4アーム)、アーム1250(第5アーム)、アーム1260(第6アーム)を有する。これらアーム1210~1260は、基端側から先端側に向かってこの順に連結されている。各アーム1210~1260は、隣り合うアームまたは基台1100に対して回動可能になっている。
アーム1260の先端には、力検出装置100が接続されている。力検出装置100は、力検出装置100の先端に取り付けられたエンドエフェクター1700に加わる力(モーメントを含む)を検出する。エンドエフェクター1700は、ロボット1000の作業対象である対象物に対して作業を行う器具であり、対象物を把持する機能を有するハンドで構成されている。なお、エンドエフェクター1700としては、ロボット1000の作業内容等に応じた器具を用いればよく、ハンドに限定されず、例えば、ネジ締めを行うネジ締め器具や嵌合を行う嵌合器具等であってもよい。
また、図示しないが、ロボット1000は、一方のアームを他方のアーム(または基台1100)に対して回動させるモーター等を備える駆動部を有する。また、ロボット1000は、図示はしないが、モーターの回転軸の回転角度を検出する角度センサーを有する。
以上、ロボット1000について説明した。このようなロボット1000は、前述したように、基台1100と、基台1100に接続されるロボットアーム1200(アーム)と、力検出装置100(本発明の力検出装置)を有する。このようなロボット1000によれば、力検出装置100を備えているため、例えば、力検出装置100が検出した外力を、ロボット1000を制御する機能を有する制御部(図示せず)にフィードバックすることにより、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置100が検出した外力によって、ロボット1000は、エンドエフェクター1700の障害物への接触等を検知することができる。そのため、障害物回避動作および対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、ロボット1000は、より安全に作業を実行することができる。
なお、力検出装置100は、隣り合うアームとアームとの間(例えば、アーム1240、1250の間)に設けられていてもよい。また、ロボット1000は、例えば、スカラーロボット、双腕ロボット等の他のロボットであってもよい。また、ロボット1000が有するアームの数は、本実施形態では6本であるが、これに限定されず、1~5本または7本以上であってもよい。
以上、本発明のセンサーデバイス、力検出装置およびロボットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明のセンサーデバイスおよび力検出装置は、ロボット以外の機器に組み込むことも可能であり、例えば、自動車等の移動体に搭載してもよい。
1…センサーデバイス、2…パッケージ、20…シール部材、21…基体、22…基部、221、222、224、225、226…凹部、223…貫通孔、23…底部材、24…蓋体、241…中央部、242…外縁部、243…接続部、261、262、263、264…接続部材、28…外部端子、29…接着剤、3…力検出素子、3a…上面、3b…下面、3c、3d、3e、3f…側面、31、32…圧電素子、311、315、319、321、325、329…グランド電極層、312、314、316、318、322、324、326、328…圧電体層、313、317、323、327…出力電極層、33、34…支持基板、391、392、393、394…接続電極、4A…第1回路、4B…第2回路、41A、41B…抵抗、42A、42B…オペアンプ、43A、43B…コンデンサー、44A、44B…スイッチング素子、45A、45B…回路素子、46A、46B…配線、5…ケース、50…与圧ボルト、6…第1ケース部材、60…上面、61…天板、611…貫通孔、62…壁部、620…内壁面、621…貫通孔、7…第2ケース部材、70…下面、71…底板、711…貫通孔、72…壁部、721…雌ネジ孔、73…突出部、730…頂面、8…側壁部、100…力検出装置、1000…ロボット、1100…基台、1200…ロボットアーム、1210、1220、1230、1240、1250、1260…アーム、1700…エンドエフェクター、A1…中心軸、BW…ボンディングワイヤー、CL…線分、G…ギャップ、J…軸、L1、L2…仮想線分、O…中心、P…矢印、Qa、Qb…電荷、RE…ローラー電極、S…収納空間、S1…空間

Claims (9)

  1. 凹部を有する基体と、
    前記凹部の開口を塞ぎ、前記凹部を密閉する蓋体と、
    前記凹部内に配置され、第1方向の外力に応じて第1信号を出力する第1素子と前記第1素子に積層され、第2方向の外力に応じて第2信号を出力する第2素子とで構成されてなる力検出素子と、
    前記凹部に配置され、前記第1信号を処理する第1回路と、
    前記凹部に配置され、前記第2信号を処理する第2回路と、を備え、
    前記基体の平面視で、前記第1方向において、前記力検出素子は、前記第1回路と前記第2回路との間に位置していることを特徴とするセンサーデバイス。
  2. 前記第1回路の配線と前記第1素子とを電気的に接続する第1接続部材と、
    前記第2回路の配線と前記第2素子とを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
    前記基体の平面視で、前記第2方向は前記第1方向に直交する方向であり、
    前記第1接続部材および前記第2接続部材が前記第2方向に並んで配置されている請求項1に記載のセンサーデバイス。
  3. 前記第1回路の配線と前記第1素子とを電気的に接続する第1接続部材と、
    前記第2回路の配線と前記第2素子とを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
    前記基体の平面視で、前記第2方向は前記第1方向に直交する方向であり、
    前記第1素子は、第1圧電素子であり、
    前記第2素子は、第2圧電素子であり、
    前記基体の平面視で、前記第1回路および前記第2回路は、前記力検出素子の中心を通り、前記第2方向に平行な直線に対して線対称の位置に配置されており、
    前記基体の平面視で、前記第1接続部材および前記第2接続部材は、前記力検出素子の前記第1方向に平行な第1辺に位置している請求項1に記載のセンサーデバイス。
  4. 前記第1回路の配線と前記第1素子とを電気的に接続する第1接続部材と、
    前記第2回路の配線と前記第2素子とを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
    前記第1素子は、第1圧電素子であり、
    前記第2素子は、第2圧電素子であり、
    前記基体の平面視で、前記第1回路および前記第2回路は、前記力検出素子の中心に対して、点対称の位置に配置されており、
    前記基体の平面視で、前記第1接続部材は、前記力検出素子の前記第1方向に平行な第1辺に位置し、
    前記基体の平面視で、前記第2接続部材は、前記力検出素子の前記第1方向に平行な第2辺に位置している請求項1に記載のセンサーデバイス。
  5. 前記第1素子は、前記第1信号として第1電荷を出力し、
    前記第2素子は、前記第2信号として第2電荷を出力し、
    前記第1回路は、前記第1電荷を電圧に変換する回路であり、
    前記第2回路は、前記第2電荷を電圧に変換する回路である請求項3または4に記載のセンサーデバイス。
  6. 前記第1回路は、前記第1電荷が入力される抵抗または前記第1電荷を蓄積する蓄電部または前記第1電荷による電圧を増幅する増幅器を含み、
    前記第2回路は、前記第2電荷が入力される抵抗または前記第2電荷を蓄積する蓄電部または前記第2電荷による電圧を増幅する増幅器を含む請求項5に記載のセンサーデバイス。
  7. 前記第1圧電素子および前記第2圧電素子は、水晶を含む請求項3ないし6のいずれか1項に記載のセンサーデバイス。
  8. 第1基板と、
    第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とで挟持される請求項1ないしのいずれか1項に記載のセンサーデバイスと、
    前記第1基板と前記第2基板とを締結するボルトと、を備えることを特徴とする力検出装置。
  9. 基台と、
    前記基台に接続されるアームと、
    請求項8に記載の力検出装置と、を備えることを特徴とするロボット。
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