JP7052261B2 - 磁束密度検出コイルおよび磁気特性測定器 - Google Patents

磁束密度検出コイルおよび磁気特性測定器 Download PDF

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Description

本発明は、磁束密度検出コイルおよび磁気特性測定器に関し、特に、磁性材料の磁束密度を検出するために用いて好適なものである。
電磁鋼板等の磁性材料の磁束密度を測定する場合、試験片を取り巻くように巻き回された励磁コイル(いわゆる1次コイル)に励磁電流を流し、同じく試験片を取り巻くように巻き回された磁束密度検出コイル(いわゆるBコイル、2次コイル)に誘起される誘導起電力を測定する。このとき、磁束密度検出コイルに発生する誘導起電力から、磁束密度検出コイルが取り巻く空隙に発生する磁束に基づく誘導起電力を取り除くことが行われる(以下の説明では、このことを空隙補償と称する)。
そこで、非特許文献1では、単板試験器において、相互誘導器によって空隙補償を行うことが記載されている。具体的に非特許文献1には、相互誘導器の1次コイルは、単板試験器の1次コイル(励磁コイル)と直列に接続され、相互誘導器の2次コイルは、単板試験器の2次コイル(磁束密度検出コイル)と逆極性で直列に接続されることが記載されている。また、非特許文献2では、エプスタイン試験器において、相互誘導器によって空隙補償を行うことが記載されている。具体的に非特許文献2には、空隙補償用の相互誘導器は、4個のコイルに囲まれた空間の中心に配置され、相互誘導器の軸は、4個のコイルの軸が作る平面に対して垂直とすることが記載されている。また、相互誘導器の1次コイルは、エプスタイン試験器の1次コイル(励磁コイル)に直列に接続され、相互誘導器の2次コイルは、エプスタイン試験器の2次コイル(磁束密度検出コイル)に、逆極性で直列に接続されることが記載されている。
また、空隙補償を行うための技術として特許文献1、2に記載の技術がある。
特許文献1には、磁束密度検出コイルの内側に空隙補償コイルを配置することが記載されている。特許文献1によると、このようにすることによって、空隙補償コイルの効果を常に一定なものとすることができるとしている。
また、特許文献2には、磁界の強さを検出する磁界検出コイル(いわゆるHコイル)に誘起される誘導起電力と、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力とを用いた演算を行うことによって、空隙補償を行うことが記載されている。
特許第5769179号公報 実開平1-58184号公報
JIS C 2556:2015「単板試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」 JIS C 2550-1:2011「電磁鋼帯試験方法 第1部 エプスタイン試験器による電磁鋼帯の磁気特性の測定方法」
しかしながら、非特許文献1、2および特許文献1に記載の技術では、空隙補償を行うためのコイルを追加する必要がある。この追加のコイルのインダクタンスにより、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力の位相に遅れが生じる場合がある。また、この追加のコイルからの磁束の漏れも、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力の位相がずれる原因となる。更に、この追加のコイルと磁束密度検出コイルとの間に発生するキャパシタンスも、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力の位相がずれる原因となる。場合によっては、このキャパシタンスにより、回路が共振する虞もある。更に、追加のコイルの存在によって、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力の信号にノイズが重畳される虞もある。
また、特許文献2に記載の技術では、磁界の強さを検出する磁界検出コイル(いわゆるHコイル)を必須とする。従って、励磁電流法等、Hコイルを必要としない測定法には適用することができない。また、演算処理が必要になるため、回路が複雑になる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、磁束密度コイルを用いて試験片の内部の磁束密度を検出する際の空隙補償を容易に且つ正確に行うことができるようにすることを目的とする。
本発明の磁束密度検出コイルは、磁性材料の試験片を取り巻くように巻き回され、励磁された当該試験片の内部の磁束密度を検出するための磁束密度検出コイルであって、磁束密度検出用コイル部と空隙補償用コイル部との組を一組として、当該組が複数あり、前記磁束密度検出用コイル部は、金属体を用いて形成されるループとして、巻回数が1以上のループを有し、前記空隙補償用コイル部は、金属体を用いて形成されるループとして、巻回数が1以上のループを有し、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの内部に、前記試験片が置かれ、同一の前記組における前記磁束密度検出用コイル部および前記空隙補償用コイル部は、前記磁束密度検出コイルに電流が流れた際に、当該磁束密度検出用コイル部から発生する磁束と、当該空隙補償用コイル部から発生する磁束とが相互に弱め合うように、相互に接続され、前記複数の組は、前記磁束密度検出コイルに電流が流れた際に、全ての前記磁束密度検出用コイル部から発生する磁束が相互に強め合い、且つ、全ての前記空隙補償用コイル部から発生する磁束が相互に強め合うように、相互に接続され、前記磁束密度検出用コイル部および前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの軸の方向に沿って見た場合に、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループは、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの、少なくとも前記試験片が置かれている領域と重ならず、同一の前記組において、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの巻回数と、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの巻回数との少なくとも何れか一方の巻回数は、2以上であることを特徴とする。
本発明の磁気特性測定器は、前記磁束密度検出コイルを有することを特徴とする。
本発明によれば、磁束密度コイルを用いて試験片の内部の磁束密度を検出する際の空隙補償を容易に且つ正確に行うことができる。
図1は、単板試験器の概略構成の一例を示す斜視図である。 図2は、第1の実施形態におけるコイル群の横断面の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態における磁束密度検出コイルの構成の一例を概念的に示す図である。 図4は、第2の実施形態におけるコイル群の横断面の一例を示す図である。 図5は、第2の実施形態における磁束密度検出コイルの構成の一例を概念的に示す図である。 図6は、第3の実施形態におけるコイル群の横断面の一例を示す図である。 図7は、第4の実施形態におけるコイル群の横断面の一例を示す図である。 図8は、第4の実施形態における磁束密度検出コイルの構成の一例を概念的に示す図である。 図9は、エプスタイン試験器の概略構成の一例を示す平面図である。 図10は、第5の実施形態におけるコイル群の横断面の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。尚、各図では、表記および説明の都合上、説明に必要な部分のみを必要に応じて簡略化して示す。また、各図におけるX、Y、Z軸は、各図の向きの関係を示すものである。各図において、○の中に●を付したものは、紙面の奥側から手前側に向かう向きを示す。○の中に×を付したものは、紙面の手間側から奥側に向かう向きを示す。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。第1~第4の実施形態では、磁束密度検出コイルを単板試験器に適用する場合を例に挙げて説明する。
図1は、単板試験器の概略構成の一例を示す斜視図である。図1(a)は、縦形単ヨークの単板試験器の概略構成を示す図である。図1(b)は、縦形複ヨークの単板試験器の概略構成を示す図である。図1(c)は、横形単ヨークの単板試験器の概略構成を示す図である。図1(d)は、横形複ヨークの単板試験器の概略構成を示す図である。
図1(a)~図1(d)に示すように、単板の試験片Sと、ヨークY、Y1、Y2により閉磁路が構成される。試験片Sを取り巻くように、コイル群100が配置される。後述する本実施形態の磁束密度検出コイルは、コイル群100に含まれる。コイル群100の最外周部には、励磁コイル110が配置される。図1(a)~図1(d)に示す単板試験器は、非特許文献1に記載されている単板試験器である。このようにコイル群100(本実施形態の磁束密度検出コイル)は、どのような単板試験器にも適用することができる。尚、試験片Sは、磁性材料からなる単板であればよい。例えば、方向性電磁鋼板や無方向性電磁鋼板等の軟磁性材料の単板を試験片Sとして用いることができる。
図2は、図1(a)~図1(d)に示すコイル群100の横断面(I-I断面)の一例を示す図である。
図2において、コイル群100は、励磁コイル110と、第1巻線枠121および第2巻線枠122を有する巻線枠120と、磁束密度検出コイル130と、を有する。
第1巻線枠121と第2巻線枠122は、形状および大きさが同じである。第1巻線枠121および第2巻線枠122は、その長手方向(X軸方向)の両端が貫通するように開口した中空の直方体の形状を有する。第1巻線枠121は、第2巻線枠122と間隔を有した状態で、第2巻線枠122よりも上の位置に配置される。第1巻線枠121および第2巻線枠122は、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)の位置が異なり、コイル群100の長手方向(X軸方向)および短手方向(Y軸方向)の位置(X-Y平面上の位置)は同じである。第1巻線枠121および第2巻線枠122は、非磁性かつ電気絶縁性を有し、且つ、励磁コイル110および磁束密度検出コイル130の巻線枠としての強度を有する材料により形成される。尚、コイル群100の高さ方向は、磁気特性測定器(単板試験器)が置かれる面に垂直な方向な方向である。
図2に示すように、第1巻線枠121の内部に試験片Sが配置される。一方、第2巻線枠122の内部には何も配置されない。
第1巻線枠121および第2巻線枠122は、それらの位置が変化しないように固定される。例えば、第1巻線枠121および第2巻線枠122は、巻線枠120の両端に配置される鍔状の部分(図1(a)~図1(d)において符号120を指している部分)と一体となるように構成される。
励磁コイル110は、磁束密度検出コイル130よりも外周側で、第1巻線枠121および第2巻線枠122の間の隙間を通らずに、第1巻線枠121および第2巻線枠122を取り巻くように、第1巻線枠121および第2巻線枠122の長手方向(X軸方向)に沿って巻き回される(即ち、励磁コイル110のコイル長さの方向は、第1巻線枠121および第2巻線枠122の長手方向(X軸方向)である)。励磁コイル110に励磁電流が流れることにより、試験片Sが励磁されるとともに、励磁コイル110が取り巻く空隙に磁束が流れる。
磁束密度検出コイル130は、励磁コイル110よりも内周側で、第1巻線枠121および第2巻線枠122を取り巻くように、第1巻線枠121および第2巻線枠122の長手方向(X軸方向)に沿って巻き回される(即ち、磁束密度検出コイル130のコイル長さの方向は、第1巻線枠121および第2巻線枠122の長手方向(X軸方向)である)。図2に示すように、励磁コイル110は、第1巻線枠121および第2巻線枠122の間の隙間を通らないが、磁束密度検出コイル130は、第1巻線枠121および第2巻線枠122の間の隙間を通るように巻き回される。
ここで、磁束密度検出コイル130を構成するに至った経緯について説明する。本発明者らは、背景技術および発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、磁束密度検出コイルとは別のコイルを用いて空隙補償を行うことが技術的な問題点であると認識した。このような認識の下、本発明者らは、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力から相互誘導器等に備わる空隙補償コイルに誘起される誘導起電力を差し引くのではなく、試験片Sがない状態で励磁コイルに励磁電流を流した際に、磁束密度検出コイルに誘導起電力が発生しないようにすればよいことを見出した。本発明者らは、そのためには、磁束密度検出コイルを形成するために銅線等の金属体を周期的に巻き回す際の各周期において複数のループを形成し、試験片がない場合には、当該複数のループに電流が流れることにより発生する磁束がキャンセルされるように当該複数のループを形成すればよいという知見を得た。このようにして形成した複数のループの何れか1つの内部に試験片を配置した状態で励磁コイルに励磁電流を流して試験片を励磁したときに磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力を測定すれば、その測定される誘導起電力は、空隙を流れる磁束によるものを含まずに、試験片を流れる磁束によるもののみとなるからである。
磁束密度検出コイル130は、以上のような本発明者らの新たな知見に基づいて構成されるものである。図3は、磁束密度検出コイル130の構成の一例を概念的に示す図である。
図3において、磁束密度検出コイル130は、複数の磁束密度検出用コイル部131a~131cと、複数の空隙補償用コイル部132a~132cとを有する。尚、表記および説明の都合上、図3では、磁束密度検出用コイル部131a~131cを構成するループと、空隙補償用コイル部132a~132cを構成するループを、それぞれ、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)の長さが長いループとして表記している。また、図3に示す例では、表記および説明の都合上、磁束密度検出用コイル部の数と空隙補償用コイル部の数が、それぞれ3つである場合を例に挙げて示す。しかしながら、磁束密度検出用コイル部の数と空隙補償用コイル部の数は、「3」に限定されない。また、非特許文献1と同様に、単板試験器の二次コイルとして機能する磁束密度検出用コイル部131を構成するループの総巻回数は、測定機器の特性に合わせて設定することができるが、例えば、20回以上にすることができる。
尚、以下の説明では、複数の磁束密度検出用コイル部131a~131cのそれぞれを、必要に応じて、磁束密度検出用コイル部131と称し、複数の空隙補償用コイル部132a~132cのそれぞれを、必要に応じて、空隙補償用コイル部132と称する。また、以下の説明では、磁束密度検出用コイル部131と、空隙補償用コイル部132を構成するループの中心を通る仮想線を、必要に応じて、コイル部の軸と称する。図3において、磁束密度検出用コイル部131の軸は、軸133であり、空隙補償用コイル部132の軸は、軸134である。
図2に示すように、磁束密度検出用コイル部131は、磁束密度検出コイル130のうち、第1巻線枠121の外側の領域と、第1巻線枠121および第2巻線枠122の隙間の領域とに対して巻き回される部分を構成する。空隙補償用コイル部132は、磁束密度検出コイル130のうち、第2巻線枠122の外側の領域と、第1巻線枠121および第2巻線枠122の隙間の領域とに対して巻き回される部分を構成する。
磁束密度検出用コイル部131の第1端部201と空隙補償用コイル部132の第1端部211は、第1巻線枠121および第2巻線枠122の隙間の領域において、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132が逆極性になるように相互に接続される。即ち、磁束密度検出コイル130に電流が流れた際に、磁束密度検出用コイル部131から発生する磁束の向きと、空隙補償用コイル部132から発生する磁束の向きとが相互に逆向きになる(即ち、これらの磁束が相互に弱め合う向きになる)ように、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132が相互に接続される。図2および図3に示す例において、磁束密度検出コイル130(磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132)の上に付している矢印(鏃)のように電流が流れる場合、図2では、第1巻線枠121および第2巻線枠122の内部に示す記号(○の中に×を付した記号、○の中に●を付した記号)の向きに磁束が流れ、図3では、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132の内部を貫くように付した矢印線の向きに磁束が流れる。
前述したように本実施形態では、第1巻線枠121と第2巻線枠122は、形状および大きさが同じである。即ち、第1巻線枠121と第2巻線枠122の横断面は同じである。そして、本実施形態では、磁束密度検出用コイル部131を構成するループの面積と空隙補償用コイル部132を構成するループの面積とが同じになるようにする。尚、ループの面積とは、いわゆるコイル面の面積であり、例えば、図3の磁束密度検出用コイル部131aの輪郭を所定の形状(例えば、楕円や長方形)で近似した場合の当該形状の面積を、磁束密度検出用コイル部131aを構成するループの面積とすることができる。このことは、他の磁束密度検出用コイル部132b、132cおよび空隙補償用コイル部132について同じである。
以上のような(1つの)磁束密度検出用コイル部131および(1つの)空隙補償用コイル部132の組を一組として、複数の組が順極性となるように相互に直列に接続される。即ち、磁束密度検出コイル130に電流が流れた際に、各組の磁束密度検出用コイル部131から発生する磁束の向きが同じ向きになる(即ち、これらの磁束が相互に強め合う向きになる)と共に、各組の空隙補償用コイル部132から発生する磁束の向きが同じ向きになるように、各組が直列に接続される。
本実施形態では、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132の組を直列に接続する際に、各組において、磁束密度検出用コイル部131を構成するループの巻回数と、空隙補償用コイル部132を構成するループの巻回数とを同じにする。図2および図3では、この巻回数を「1」とする場合を例に挙げて示す。
また、磁束密度検出用コイル部131の軸133と、空隙補償用コイル部132の軸134は、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)において相互に離隔した位置で平行になるようにする。図2および図3に示すように、磁束密度検出用コイル部131を構成するループと空隙補償用コイル部132を構成するループは、それらの軸133、134の方向(X軸方向)に沿って見た場合に(即ち、軸133、134に垂直な面(Y-Z平面)において)、少なくとも試験片Sが置かれている領域が重ならないようにし、全ての領域が重ならないようにするのが好ましい。
ここで、図3を参照しながら、各組の接続の一例を説明する。図3に示す例では、磁束密度検出用コイル部131aおよび空隙補償用コイル部132aの組における空隙補償用コイル部132aの第1端部201から巻き始まる。そして、磁束密度検出用コイル部131aおよび空隙補償用コイル部132aの組における空隙補償用コイル部132aの第2端部212と、磁束密度検出用コイル部131bおよび空隙補償用コイル部132bの組における磁束密度検出用コイル部131bの第1端部221と、が相互に接続される。同様に、磁束密度検出用コイル部131bおよび空隙補償用コイル部132bの組における空隙補償用コイル部132bの第2端部222と、磁束密度検出用コイル部131cおよび空隙補償用コイル部132cの組における磁束密度検出用コイル部131cの第1端部231とが相互に接続される。そして、磁束密度検出用コイル部131cおよび空隙補償用コイル部132cの組における磁束密度検出用コイル部131cの第2端部232で巻き終わる。
尚、本実施形態では、磁束密度検出コイル130は、1本の銅線等の1つの金属体を用いて一体となるように構成される。従って、前述した図2および図3の説明において、相互に分離された磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132が接続されるわけではない。また、図2および図3では、表記の都合上、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132が接続される部分(前述した第1端部~第4端部)の一部を離隔した状態で示すが、この部分は繋がっている。また、前述したように、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132は、相互に逆向きの磁束を作るループを構成する。磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132が接続される部分(前述した第1端部~第4端部)の位置は、当該ループの境界となり得る位置であればよく、必ずしも特定の一箇所の位置にはならない。
以上のようにして磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132を構成することで、試験片Sがない状態では、各組において、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132に電流が流れることにより発生する磁束がキャンセルされ、磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」(好ましくは「0(ゼロ)」)となる。従って、磁束密度検出用コイル部131の内部に試験片Sを配置した状態で磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力は、空隙補償された誘導起電力となり、試験片Sの内部の磁束密度の変化に基づく誘導起電力のみとなる。
以上のように本実施形態では、磁束密度検出コイル130に電流が流れた際に、磁束密度検出用コイル部131から発生する磁束の向きと、空隙補償用コイル部132から発生する磁束の向きとが相互に逆向きになる(即ち、これらの磁束が相互に弱め合う向きになる)ように、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132を相互に接続したものを一組とし、磁束密度検出コイル130に電流が流れた際に、各組の磁束密度検出用コイル部131から発生する磁束の向きが同じ向きになる(即ち、これらの磁束が相互に強め合う向きになるようにする)と共に、各組の空隙補償用コイル部132から発生する磁束の向きが同じ向きになるように、各組が直列に接続されるようにする。従って、空隙補償を行うために磁束密度検出コイルとは別のコイルが不要になる。よって、磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力の位相にずれが生じたり、磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力にノイズが重畳したり、磁束密度検出コイル130を含む回路が共振したりすることを抑制することができる。
このような位相のずれやノイズの重畳は、高磁束密度・高周波数の励磁条件で顕著になる。非特許文献1、2等の規格では、磁束密度に上限を設け、中間周波数では空隙補償コイルを取り外してもよいという規定を設けている。しかしなら、例えば、電磁鋼板の高磁束密度での応用や電磁鋼板の薄手化に伴う周波数領域の拡大に対応するためには、前述した磁束密度の上限を上回る磁束密度で励磁する場合や中間周波数で励磁する場合であっても、空隙補償を行い、試験片Sの磁気特性(磁束密度等)の測定を高精度に行うことが求められる。本実施形態の磁束密度検出コイル130を用いれば、このような測定を実現することができる。また、磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力は、空隙補償された誘導起電力であり、試験片Sの内部の磁束密度の変化に基づく誘導起電力のみとなる。従って、特別な演算を行うことなく空隙補償を行うことができる。
本実施形態では、磁束密度検出用コイル部131を構成するループの面積と空隙補償用コイル部132を構成するループの面積とが同じになるようにする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、これらの面積を厳密に同じにすることが容易ではない場合、磁束密度検出用コイル部131ループと、空隙補償用コイル部132を構成するループとの少なくとも何れか一方の形状を調整して、試験片Sがない状態で磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」(好ましくは「0(ゼロ)」)となるようにすることができる。このようにする場合、例えば、非磁性且つ電気絶縁性を有する材料からなる部材を用いて、磁束密度検出用コイル部131や空隙補償用コイル部132を、その形状を変更した状態で保持するのが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、磁束密度検出用コイル部131を構成するループの面積と空隙補償用コイル部132を構成するループの面積とが同じになるようにすると共に、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132の各組において、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132を構成するループの巻回数を「1」とする場合を例に挙げて説明した。試験片Sがない状態で磁束密度検出コイル130に誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」になるようにすることができれば、必ずしもこのようにする必要はない。本実施形態では、磁束密度検出用コイル部を構成するループの面積と空隙補償用コイル部を構成するループの面積および巻回数を異ならせる場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態と第1の実施形態とは、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの面積および巻回数を異ならせることによる構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1~図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図4は、本実施形態のコイル群100(図1(a)~図1(d)に示すコイル群100)の横断面(I-I断面)の一例を示す図である。図5は、本実施形態の磁束密度検出コイルの構成の一例を概念的に示す図である。
図1および図4において、コイル群100は、励磁コイル110と、第1巻線枠421および第2巻線枠422を有する巻線枠120と、磁束密度検出コイル430と、を有する。
第1巻線枠421は、図2に示した第1巻線枠121と同じである。第2巻線枠422は、図2に示した第2巻線枠122に対し、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)の長さを1/2倍にしたものである。尚、高さ方向は、第1巻線枠421および第2巻線枠422が隣接する方向である。このようにして、第1巻線枠421の横断面の面積が、第2巻線枠422の横断面の面積の2倍になるようにする。第1巻線枠421および第2巻線枠422のその他の構成は、配置も含め、第1巻線枠121および第2巻線枠122と同じである。図4に示すように、第1巻線枠421の内部に試験片Sが配置され、第2巻線枠422の内部には何も配置されない。
磁束密度検出コイル430は、励磁コイル110よりも内周側で、第1巻線枠421および第2巻線枠422を取り巻くように、第1巻線枠421および第2巻線枠422の長手方向(X軸方向)に沿って巻き回される。図4に示すように、励磁コイル110は、第1巻線枠421および第2巻線枠422の間の隙間を通らないが、磁束密度検出コイル430は、第1巻線枠421および第2巻線枠422の間の隙間を通るように巻き回される。
図5において、磁束密度検出コイル430は、複数の磁束密度検出用コイル部431a~431cと、複数の空隙補償用コイル部432a~432cとを有する。尚、表記および説明の都合上、図5でも、図3と同様に、磁束密度検出用コイル部431a~431cを構成するループと、空隙補償用コイル部432a~432cを構成するループを、それぞれ、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)の長さが長いループとして表記している。また、図3に示した例と同様に、図5に示す例でも、表記および説明の都合上、磁束密度検出用コイル部431の数と空隙補償用コイル部432の数が、それぞれ3つである場合を例に挙げて示す。しかしながら、第1の実施形態で説明したのと同様に、磁束密度検出用コイル部431の数と空隙補償用コイル部432の数は、「3」に限定されない。
尚、以下の説明では、複数の磁束密度検出用コイル部431a~431cのそれぞれを、必要に応じて、磁束密度検出用コイル部431と称し、複数の空隙補償用コイル部432a~432cのそれぞれを、必要に応じて、空隙補償用コイル部432と称する。また、磁束密度検出用コイル部431の軸は、軸433であり、空隙補償用コイル部432の軸は、軸434である。
まず、磁束密度検出用コイル部431は、図2および図3に示した磁束密度検出用コイル部131と同じである。
図2および図3に示した第1の実施形態の空隙補償用コイル部132を構成するループの巻回数は「1」であるが、図4および図5に示す本実施形態の空隙補償用コイル部432を構成するループの巻回数は「2」である。また、本実施形態の空隙補償用コイル部432を構成するループの面積は、第1の実施形態の空隙補償用コイル部132を構成するループの面積の1/2である。即ち、本実施形態では、空隙補償用コイル部432を構成するループの面積は、磁束密度検出用コイル部431を構成するループの面積の1/2である。図4および図5に示す空隙補償用コイル部432のその他の構成は、配置も含め、図2および図3に示した空隙補償用コイル部132と同じである。
以上のようにして磁束密度検出用コイル部431および空隙補償用コイル部432を構成することで、第1の実施形態の磁束密度検出コイル130と同様に、本実施形態の磁束密度検出コイル430においても、試験片Sがない状態では、各組において、磁束密度検出用コイル部431および空隙補償用コイル部432に電流が流れることにより発生する磁束がキャンセルされ、磁束密度検出コイル430に誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」(好ましくは「0(ゼロ)」)となる。
更に、空隙補償用コイル部432を構成するループの面積を、第1の実施形態の空隙補償用コイル部132を構成するループの面積の1/2倍とする。従って、磁束密度検出コイル430の軸433、434に垂直な方向な面(Y-Z平面)における大きさを小さくすることができる。また、試験片Sの位置の位置を、励磁コイル110の真ん中に近い領域に配置することができるので、励磁コイル110に電流が流れることにより発生する磁束のより均一な部分に試験片Sを配置することができる。
尚、空隙補償用コイル部を構成するループの面積を、磁束密度検出用コイル部を構成するループの面積の1/n倍とし、空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数を、磁束密度検出用コイル部を構成するループの巻回数のn倍としていれば(nは2以上の正の整数)、nの値は、本実施形態で例示した「2」に限定されない。nの値を大きくすれば、磁束密度検出コイルを、より小型化することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。本実施形態では、第1の実施形態に対し、磁界の強さを検出する磁界検出コイル(Hコイル)を追加する場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態は、第1の実施形態に対し磁界検出コイルを追加することによる構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1~図3に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図6は、本実施形態のコイル群100(図1(a)~図1(d)に示すコイル群100)の横断面(I-I断面)の一例を示す図である。
図1および図6において、コイル群100は、励磁コイル110と、第1巻線枠121および第2巻線枠122を有する巻線枠120と、磁束密度検出コイル130と、磁界検出コイル610とを有する。
第1の実施形態では、第2巻線枠122の内部には何も配置されない。本実施形態では、第2巻線枠122の内部のスペースを有効活用し、第2巻線枠122の内部に、試験片Sにおける磁界の強さを測定するためのコイルである磁界検出コイル610を配置する。磁界検出コイル610の軸は、磁束密度検出用コイル部131および空隙補償用コイル部132の軸133.134と略平行(好ましくは平行)になるようにする。このようにすることによって、試験片Sにおける磁束密度だけでなく磁界の強さも測定することができる。
尚、第2の実施形態で説明した第2巻線枠422の内部に磁界検出コイル610を配置するスペースがある場合には、第2巻線枠422の内部に磁界検出コイル610を配置することもできる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を説明する。第2の実施形態では、各組において、空隙補償用コイル部432を構成する巻回数が2回の各ループの軸(軸434)が一致する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、各組において、空隙補償用コイル部を構成する巻回数が複数回のループの軸の位置を異ならせる場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態と、第2の実施形態とは、空隙補償用コイル部を構成する巻回数が2回のループの軸が相互に異なる位置に存在するようにするための構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第2の実施形態と同一の部分については、図1~図5に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図7は、本実施形態のコイル群100(図1(a)~図1(d)に示すコイル群100)の横断面(I-I断面)の一例を示す図である。図8は、本実施形態の磁束密度検出コイルの構成の一例を概念的に示す図である。
図1および図7において、コイル群100は、励磁コイル110と、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723を有する巻線枠120と、磁束密度検出コイル730と、支持台740と、を有する。
第1巻線枠721は、図2に示した第1巻線枠121と同じである。第2の実施形態では、図4に示したように第2巻線枠422は1つである。これに対し本実施形態では、2つの第2巻線枠722、723を有する。第2巻線枠722、723の形状および大きさは略同じである。第2巻線枠722、723は、第1巻線枠721に対し、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)および長手方向(X軸方向)に垂直な短手方向(Y軸方向)の長さを1/2倍にしたものである。このようにして、第1巻線枠721の横断面の面積が、第2巻線枠722、732の横断面の面積の和と等しくなるようにする。即ち、第1巻線枠721の横断面の面積が、個々の第2巻線枠722、732の横断面の面積の2倍になるようにする)。
第1巻線枠721の短手方向(Y軸方向)の一方の端、他方の端には、第1巻線枠721と間隔を有した状態で、第2巻線枠722、723がそれぞれ配置される。短手方向(Y軸方向)は、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723が隣接する方向である。第1巻線枠721、第2巻線枠722、723は、コイル群100の短手方向(Y軸方向)の位置が異なり、コイル群100の長手方向(X軸方向)および高さ方向(Z軸方向)の位置(X-Z平面上の位置)は同じである。第1巻線枠721および第2巻線枠722、723は、非磁性かつ電気絶縁性を有し、且つ、励磁コイル110および磁束密度検出コイル730の巻線枠としての強度を有する材料により形成される。
図7に示すように、第1巻線枠721の内部には、支持台740が配置される。支持台740は、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)における試験片Sの位置を、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)における第1巻線枠721の中心の位置に近づける(好ましくは一致させる)ためのものである。支持台740は、非磁性かつ電気絶縁性を有し、試験片Sの位置を固定することができる強度を有する材料により形成される。また、支持台740は、試験片Sの位置が動かないように、その表面の一部に凹部を形成してもよい。この凹部に試験片Sが配置される。
一方、第2巻線枠722、723の内部には何も配置されない。
第1巻線枠721および第2巻線枠722、723は、それらの位置が変化しないように固定される。例えば、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723は、巻線枠120の両端に配置される鍔状の部分(図1(a)~図1(d)において符号120を指している部分)と一体となるように構成される。
磁束密度検出コイル730は、励磁コイル110よりも内周側で、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723を取り巻くように、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723の長手方向(X軸方向)に沿って巻き回される(即ち、磁束密度検出コイル730のコイル長さの方向は、第1巻線枠721と第2巻線枠722、723の長手方向(X軸方向)である)。図7に示すように、励磁コイル110は、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723の間の隙間を通らないが、磁束密度検出コイル730は、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723の間の隙間を通るように巻き回される。
図8において、磁束密度検出コイル730は、複数の磁束密度検出用コイル部731a~731cと、複数の空隙補償用コイル部732a~732cとを有する。尚、表記および説明の都合上、図7では、磁束密度検出用コイル部731a~731cを構成するループおよび空隙補償用コイル部732a~732cを構成するループの紙面における向きを図6に示す向きと異ならせている。また、図3および図5に示した例と同様に、図7に示す例でも、表記および説明の都合上、磁束密度検出用コイル部の数と空隙補償用コイル部の数が、それぞれ3つである場合を例に挙げて示す。しかしながら、磁束密度検出用コイル部の数と空隙補償用コイル部の数は、「3」に限定されない。
尚、以下の説明では、複数の磁束密度検出用コイル部731a~731cのそれぞれを、必要に応じて、磁束密度検出用コイル部731と称し、複数の空隙補償用コイル部732a~732cのそれぞれを、必要に応じて、空隙補償用コイル部732と称する。
図5に示したように、第2の実施形態では、各組において、空隙補償用コイル部732を構成する巻回数が2回のループを同軸となるように巻き回す。これに対し、本実施形態では、各組において、空隙補償用コイル部732を構成する巻回数が2回のループは同軸にならず、磁束密度検出用コイル部731の両側に位置する。図8において、磁束密度検出用コイル部731の軸は、軸733である。一方、空隙補償用コイル部732の軸は、軸734a、734bであり、2つある。
磁束密度検出用コイル部731は、磁束密度検出コイル730のうち、第1巻線枠721の外側の領域と、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723の隙間の領域とに対して巻き回される部分を構成する。空隙補償用コイル部732は、磁束密度検出コイル730のうち、第2巻線枠722、723の外側の領域と、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723の隙間の領域とに対して巻き回される部分を構成する。
磁束密度検出用コイル部731の第1の端部751および空隙補償用コイル部132の第1端部761と、磁束密度検出用コイル部731の第2の端部752および空隙補償用コイル部132の第2端部762とは、それぞれ第1巻線枠721および第2巻線枠722の隙間の領域において、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732が逆極性になるように相互に接続される。また、磁束密度検出用コイル部731の第3の端部753および空隙補償用コイル部132の第3端部763と、磁束密度検出用コイル部731の第4の端部754および空隙補償用コイル部132の第4端部764とは、それぞれ第1巻線枠721および第2巻線枠723の隙間の領域において、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732が逆極性になるように相互に接続される。
即ち、磁束密度検出コイル730に電流が流れた際に、磁束密度検出用コイル部731から発生する磁束の向きと、空隙補償用コイル部732から発生する磁束の向きとが相互に逆向きになる(即ち、これらの磁束が相互に弱め合う向きになる)ように、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732が相互に接続される。図7および図8に示す例において、磁束密度検出コイル730(磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732)の上に付している矢印(鏃)のように電流が流れる場合、図7では、第1巻線枠721および第2巻線枠722、723の内部に示す記号(○の中に×を付した記号、○の中に●を付した記号)の向きに磁束が流れ、図8では、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732の内部を貫くように付した矢印線の向きに磁束が流れる。
前述したように第1巻線枠721の横断面の面積は、第2巻線枠722、723の横断面の面積の和と同じである。そこで、本実施形態では、磁束密度検出用コイル部731を構成するループの面積と、空隙補償用コイル部732を構成する巻回数が2回のループの面積の和とが同じになるようにする。
以上のような(1つの)磁束密度検出用コイル部731および(1つの)空隙補償用コイル部732の組を一組として、複数の組が順極性となるように相互に直列に接続される。即ち、磁束密度検出コイル730に電流が流れた際に、各組の磁束密度検出用コイル部731から発生する磁束の向きが同じ向きになる(即ち、これらの磁束が相互に強め合う向きになる)と共に、各組の空隙補償用コイル部732から発生する磁束の向きが同じ向きになるように、各組が直列に接続される。
そして、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732の組を直列に接続する際に、各組において、磁束密度検出用コイル部731を構成するループの巻回数を「1」とし、空隙補償用コイル部732を構成するループの巻回数を「2」とする。
また、磁束密度検出用コイル部731の軸733と、空隙補償用コイル部732、733の軸734a、734bは、コイル群100の短手方向(Y軸方向)において相互に離隔した位置で平行になるようにする。図7および図8に示すように、磁束密度検出用コイル部731を構成するループと空隙補償用コイル部732を構成するループは、それらの軸733、734a、734bの方向(X軸方向)に沿って見た場合に(即ち、軸733、734a、734bに垂直な面(Y-Z平面)において)、少なくとも試験片Sが置かれている領域が重ならないようにし、全ての領域が重ならないようにするのが好ましい。
ここで、図8を参照しながら、各組の接続の一例を説明する。図8に示す例では、磁束密度検出用コイル部731aおよび空隙補償用コイル部732aの組における空隙補償用コイル部732aの第5端部765から巻き始まる。そして、磁束密度検出用コイル部731aおよび空隙補償用コイル部732aの組における空隙補償用コイル部732aの第6端部766と、磁束密度検出用コイル部731bおよび空隙補償用コイル部732bの組における空隙補償用コイル部732bの第5端部775と、が相互に接続される。同様に、磁束密度検出用コイル部731bおよび空隙補償用コイル部732bの組における空隙補償用コイル部132bの第6端部776と、磁束密度検出用コイル部731cおよび空隙補償用コイル部732cの組における空隙補償用コイル部732cの第5端部785とが相互に接続される。そして、磁束密度検出用コイル部731cおよび空隙補償用コイル部732cの組における空隙補償用コイル部732cの第6端部786で巻き終わる。
尚、本実施形態では、磁束密度検出コイル730は、1本の銅線等の1つの金属体を用いて一体となるように構成される。従って、前述した図7および図8の説明において、相互に分離された磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732が接続されるわけではない。また、図7および図8では、表記の都合上、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732が接続される部分(前述した第1端部~第6端部)の一部を離隔した状態で示すが、この部分は繋がっている。また、前述したように、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732は、相互に逆向きの磁束を作るループを構成する。磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732が接続される部分(前述した第1端部~第6端部)の位置は、当該ループの境界となり得る位置であればよく、必ずしも特定の一箇所の位置にはならない。
以上のようにして磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732を構成することで、図2および図3に示した磁束密度検出コイル130、図4および図5に示した磁束密度検出コイル430と同様に、試験片Sがない状態では、各組において、磁束密度検出用コイル部731および空隙補償用コイル部732に電流が流れることにより発生する磁束がキャンセルされ、磁束密度検出コイル730に誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」(好ましくは「0(ゼロ)」)となる。本実施形態の構成は、コイル群100の高さ方向(Z軸方向)のスペースに制約がある場合に特に有効である。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第1~第4の実施形態では、磁気測定器が単板試験器である場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、磁気測定器がエプスタイン試験器である場合を例に挙げて説明する。このように本実施形態と第1~第4の実施形態とは、磁気測定器が異なることによる構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1~第4の実施形態と同一の部分については、図1~図8に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図9は、エプスタイン試験器の概略構成の一例を示す平面図である。
図9において、エプスタイン試験器は、4個のコイル群900a~900dを備え、これらのコイル群900a~900dの内部に、試験片Sが挿入される。試験片Sは、平面形状が長方形の薄板状の磁性材料からなり、その端部が一枚ずつ交互に重なり合うようにして、エプスタイン試験器の高さ方向(Z軸方向)に積み重ねられ、正方形に組まれる。図9では、試験片Sの領域のうち、エプスタイン試験器から露出している領域のみを示す。
図10は、図9に示すコイル群900aの横断面(I-I断面)の一例を示す図である。尚、コイル群900b~900dの構成は、コイル群900aの構成と同じであるので、コイル群900b~900dの詳細な説明は省略する。
図10において、コイル群900aは、励磁コイル910と、第1巻線枠921および第2巻線枠922を有する巻線枠920と、磁束密度検出コイル930と、磁界検出コイル940と、を有する。
第1巻線枠921は、その長手方向の両端が貫通するように開口した中空の直方体の形状を有する。第2巻線枠922は、第1巻線枠921に対し、コイル群900aの高さ方向(Z軸方向)の長さを1/2倍にしたものである。尚、高さ方向は、第1巻線枠921および第2巻線枠922が隣接する方向である。このように、第1巻線枠921の横断面の面積は、第2巻線枠922の横断面の面積の2倍である。
第1巻線枠921は、第2巻線枠922と間隔を有した状態で、第2巻線枠922よりも上の位置に配置される。第1巻線枠921および第2巻線枠922は、コイル群900aの高さ方向(Z軸方向)の位置が異なり、コイル群900の長手方向(X軸方向)および短手方向(Y軸方向)の位置(X-Y平面上の位置)は同じである。第1巻線枠921および第2巻線枠922は、非磁性かつ電気絶縁性を有し、且つ、励磁コイル910および磁束密度検出コイル930の巻線枠としての強度を有する材料により形成される。
図10に示すように、第1巻線枠921の内部に試験片Sが配置される。第2巻線枠922の内部には、試験片Sにおける磁界の強さを測定するためのコイルである磁界検出コイル(Hコイル)940が配置される。
第1巻線枠921および第2巻線枠922は、それらの位置が変化しないように固定される。例えば、第1巻線枠921および第2巻線枠922は、巻線枠920の両端に配置される鍔状の部分(図9において符号920を指している部分)と一体となるように構成される。
励磁コイル910は、磁束密度検出コイル930よりも外周側で、第1巻線枠921および第2巻線枠922の間の隙間を通らずに、第1巻線枠921および第2巻線枠922を取り巻くように、第1巻線枠921および第2巻線枠922の長手方向(X軸方向)に沿って巻き回される(即ち、励磁コイル910のコイル長さの方向は、第1巻線枠921および第2巻線枠922の長手方向(X軸方向)である)。励磁コイル910に励磁電流が流れることにより、試験片Sが励磁される。
磁束密度検出コイル930は、励磁コイル910よりも内周側で、第1巻線枠921および第2巻線枠922を取り巻くように、第1巻線枠921および第2巻線枠922の長手方向(X軸方向)に沿って巻き回される(即ち、磁束密度検出コイル930のコイル長さの方向は、第1巻線枠921および第2巻線枠922の長手方向(X軸方向)である)。図10に示すように、励磁コイル910は、第1巻線枠921および第2巻線枠922の間の隙間を通らないが、磁束密度検出コイル930は、第1巻線枠921および第2巻線枠922の間の隙間を通るように巻き回される。
磁束密度検出コイル930は、複数の磁束密度検出用コイル部931と、複数の空隙補償用コイル部932とを有する。第1~第4の実施形態で説明したのと同様に、磁束密度検出用コイル部931および空隙補償用コイル部932の組を一組として、複数の組が順極性となるように相互に直列に接続される。
磁束密度検出用コイル部931および空隙補償用コイル部932の各組は、図5に示したようにして相互に直列に接続される(図5において、符号431、432をそれぞれ符号931、932に置き換えた状態になる)。図10に示す例において、磁束密度検出コイル930(磁束密度検出用コイル部931および空隙補償用コイル部932)の上に付している矢印(鏃)のように電流が流れる場合、図10では、第1巻線枠921および第2巻線枠922の内部に示す記号(○の中に×を付した記号、○の中に●を付した記号)の向きに磁束が流れ、図5では、磁束密度検出用コイル部431および空隙補償用コイル部432の内部を貫くように付した矢印線の向きに磁束が流れる(前述したように、本実施形態の説明では、符号431、432はそれぞれ符号931、932に置き換えられる)。以上のように、磁束密度検出コイル930の巻き方は、第2の実施形態で説明した磁束密度検出コイル430の巻き方と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
また、磁界検出コイル940は、その軸が、磁束密度検出用コイル部931および空隙補償用コイル部932の軸と平行になるように第2巻線枠922の内部に配置される。
磁束密度検出用コイル部931を構成するループの巻回数は「1」であり、空隙補償用コイル部932を構成するループの巻回数は「2」である。空隙補償用コイル部932を構成するループの面積は、磁束密度検出用コイル部931を構成するループの面積の1/2である。従って、第2の実施形態の磁束密度検出コイル430と同様に、本実施形態の磁束密度検出コイル930においても、試験片Sがない状態では、各組において、磁束密度検出用コイル部931および空隙補償用コイル部932に電流が流れることにより発生する磁束がキャンセルされ、磁束密度検出コイル930に誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」(好ましくは「0(ゼロ)」)となる。
尚、4つのコイル群900a~900dの励磁コイル910は、相互に順極性になるように直列に接続される。即ち、励磁コイル910に電流が流れることにより励磁コイル910から発生する磁束の向きが、試験片Sにより構成される閉磁路を同一方向(右回りまたは左回り)に周回する向きとなるようにする。
4つのコイル群900a~900dの磁束密度検出コイル930も、相互に順極性になるように直列に接続される。即ち、磁束密度検出コイル930に電流が流れることにより磁束密度検出用コイル部931を構成する全てのループから発生する磁束の向きが、試験片Sにより構成される閉磁路を同一方向に周回する向きとなるようにする。同様に、磁束密度検出コイル930に電流が流れることにより空隙補償用コイル部932を構成する全てのループから発生する磁束の向きが、試験片Sにより構成される閉磁路を同一方向に周回する向きとなるようにする。尚、各組の磁束密度検出用コイル部931を構成するループから発生する磁束と、各組の空隙補償用コイル部932を構成するループから発生する磁束の、同一時刻における向きは、逆方向である(例えば、前者の磁束の向きが右回りであれば、後者の磁束の向きは左回りになる)。
また、エプスタイン試験器の二次コイルとして機能する磁束密度検出用コイル部931を構成するループの総巻回数は、例えば、200回以上にすることができる。例えば、非特許文献2に記載のように、1つのコイル群に含まれる(全ての)磁束密度検出用コイル部931を構成するループの総巻回数は、例えば、非特許文献2に記載のように175回とすることができる。
以上のように単板試験器だけでなく、エプスタイン試験器にも磁束密度検出コイル930を適用することができ、第1~第3の実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
非特許文献2に記載の相互誘導器では、空隙補償コイル(2次コイル)からの磁束の漏れが大きくなり、この磁束により、特に、高磁束密度・高周波数の励磁条件下では、磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力の正確な測定ができなくなる虞がある。これに対し、本実施形態では、第1~第4の実施形態と同様に、磁束密度検出コイル930とは別に、空隙補償を行うためのコイルを設けないので、相互誘導器を用いることによる前述した磁束の漏れによる影響を受けることなく、磁束密度検出コイル930に誘起される誘導起電力の正確な測定ができる。
また、空隙補償用コイル部932の上に磁束密度検出用コイル部931を配置することで、コイル群900a~900dの高さ方向(Z軸方向)の中心の位置に近い位置(好ましくは等しい位置)に、コイル群900a~900dの高さ方向(Z軸方向)における試験片Sの中心の位置を合わせることが容易に実現することができる。
尚、第1の実施形態のように、第1巻線枠と第2巻線枠の形状および大きさを同じにし、空隙補償用コイル部を構成するループの面積と、磁束密度検出用コイル部を構成するループの面積とを同じにすると共に、磁束密度検出用コイル部を構成するループの巻回数と、空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数を共に「1」としてもよい。また、磁界検出コイル940を配置しなくてもよい。また、第4の実施形態で説明したような配置となるように、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成してもよい。
(変形例)
以上の種々の実施形態の説明から明らかなように、試験片Sがない状態で磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」(好ましくは「0(ゼロ)」)になるようにすることができれば、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの形状、巻回数、面積、および位置は特に限定されない。これらを調整することにより、試験片Sがない状態で磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力が略「0(ゼロ)」になるようにすることができるからである。
例えば、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部の各組において、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数を同じにする場合、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数は「2」以上であってもよい。また、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部の組ごとに、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数を決定してもよい。例えば、ある組において、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数を「1」とし、当該組とは別の組において、磁束密度検出用コイル部および空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数を「2」としてもよい。また、磁束密度検出用コイル部を構成するループの巻回数と空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数とを異ならせる場合、磁束密度検出用コイル部を構成するループの巻回数を、空隙補償用コイル部を構成するループの巻回数よりも大きくしてもよい。
また、磁束密度検出コイルを適用する磁気特性試験器は、単板試験器やエプスタイン試験器に限定されない。即ち、磁束密度検出コイルを適用する磁気特性試験器は、試験片を取り巻くように配置され、励磁された当該試験片の内部の磁束密度に対応する誘導起電力が両端に発生する磁束密度検出コイルを有する磁気特性試験器であればよい。例えば、試験片の透磁率を計測する透磁率計に備わる磁束密度検出コイルに、前述した各実施形態の磁束密度検出コイルを適用することができる。また、電磁石の磁極の間に、試験片と、当該試験片を取り巻くように磁束密度検出コイルを配置し、励磁された試験片の内部の磁束密度に対応する誘導起電力を、当該磁束密度検出コイルで測定する場合にも、前述した各実施形態の磁束密度検出コイルを適用することができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100、900a~900d:コイル群、110、910:励磁コイル、120、920:巻線枠、121、421、721、921:第1巻線枠、122、422、722、723:第2巻線枠、130、430、730、930:磁束密度検出コイル、131、431、731、931:磁束密度検出用コイル部、132、432、732、932:空隙補償用コイル部、610、940:磁界検出コイル

Claims (12)

  1. 磁性材料の試験片を取り巻くように巻き回され、励磁された当該試験片の内部の磁束密度を検出するための磁束密度検出コイルであって、
    磁束密度検出用コイル部と空隙補償用コイル部との組を一組として、当該組が複数あり、
    前記磁束密度検出用コイル部は、金属体を用いて形成されるループとして、巻回数が1以上のループを有し、
    前記空隙補償用コイル部は、金属体を用いて形成されるループとして、巻回数が1以上のループを有し、
    前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの内部に、前記試験片が置かれ、
    同一の前記組における前記磁束密度検出用コイル部および前記空隙補償用コイル部は、前記磁束密度検出コイルに電流が流れた際に、当該磁束密度検出用コイル部から発生する磁束と、当該空隙補償用コイル部から発生する磁束とが相互に弱め合うように、相互に接続され、
    前記複数の組は、前記磁束密度検出コイルに電流が流れた際に、全ての前記磁束密度検出用コイル部から発生する磁束が相互に強め合い、且つ、全ての前記空隙補償用コイル部から発生する磁束が相互に強め合うように、相互に接続され、
    前記磁束密度検出用コイル部および前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの軸の方向に沿って見た場合に、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループは、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの、少なくとも前記試験片が置かれている領域と重ならず、
    同一の前記組において、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの巻回数と、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの巻回数との少なくとも何れか一方の巻回数は、2以上であることを特徴とする磁束密度検出コイル。
  2. 前記磁束密度検出用コイル部の全てと前記空隙補償用コイル部の全ては、1つの金属体を用いて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁束密度検出コイル。
  3. 同一の前記組において、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの巻回数は、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの巻回数よりも多く、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの面積は、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの面積よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の磁束密度検出コイル。
  4. 同一の前記組において、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの巻回数は、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの巻回数のn倍であり、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの面積は、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループの面積の1/n倍であり、
    nは、2以上の整数であることを特徴とする請求項に記載の磁束密度検出コイル。
  5. 前記磁束密度検出用コイル部と前記空隙補償用コイル部は、前記磁束密度検出コイルを含む磁気特性測定器が置かれる面に垂直な方向に並べられることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の磁束密度検出コイル。
  6. 前記磁束密度検出用コイル部と前記空隙補償用コイル部は、前記磁束密度検出コイルを含む磁気特性測定器が置かれる面に垂直な方向と、前記磁束密度検出コイルおよび前記空隙補償用コイル部のコイル長さの方向とに垂直な方向に並べられることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の磁束密度検出コイル。
  7. 前記磁束密度検出用コイル部および前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの軸の方向に沿って見た場合に、前記磁束密度検出用コイル部を構成する前記ループと、前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループとの全ての領域が重ならないことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の磁束密度検出コイル。
  8. 前記試験片がない状態で前記磁束密度検出コイルに誘起される誘導起電力は略0(ゼロ)であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の磁束密度検出コイル。
  9. 請求項1~の何れか1項に記載の磁束密度検出コイルを有することを特徴とする磁気特性測定器。
  10. 前記空隙補償用コイル部を構成する前記ループの内部に、前記試験片が励磁されることにより当該試験片の内部に生じる磁界の強さを検出するための磁界検出コイルを更に有することを特徴とする請求項に記載の磁気特性測定器。
  11. 前記磁気特性測定器は、単板試験器、エプスタイン試験器、または透磁率計であることを特徴とする請求項または1に記載の磁気特性測定器。
  12. 電磁石を更に有し、
    前記磁束密度検出コイルは、前記電磁石により発生する磁束が前記磁束密度検出用コイル部および前記空隙補償用コイル部の内部を貫く位置に配置されることを特徴とする請求項9または10に記載の磁気特性測定器。
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